JP3614107B2 - 化粧パネルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅用の建材やユニットバスの壁等に用いられる化粧パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】
一般に基材に化粧シートをラミネートして化粧パネルを製造することは広く行われている。ところが、化粧シートは全面に亙るように柄を印刷したりしてあるだけのために柄にアクセントがないという問題がある。
【0003】
近年、全面的な柄やボーダ柄等を施した化粧シートを基材の上にラミネートすることも行われるが、ボーダ柄を設ける位置が一義的に決まって意匠の自由度がないという問題があり、またボーダ柄の部分とその他の部分との意匠的なコトランストも少ないという問題がある。
【0004】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、ボーダ柄の意匠の自由度が高く、しかも意匠性を向上できる化粧パネルの製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の化粧パネルの製造方法は、基板1上に化粧シートを積層する化粧パネルの製造方法において、まず基板1の上に全面化粧柄シート2をラミネートした後、全面化粧柄シート2の上に部分的にボーダ柄化粧シート3をラミネートし、さらにボーダ柄化粧シート3の両側の縁部に沿って凹溝状の目地加工をすることを特徴とする。上記のようにすることでボータ柄化粧シート3を任意の位置にラミネートできて意匠の自由度が高くなる。また例えば、全面化粧柄シート2を鏡面シート、ボーダ柄化粧シート3をエンボスシートというようにシートの素地を変えたりでき、この点でも意匠の自由度が出る。またボーダ柄化粧シート3を全面化粧柄シート2の上に重ねても目地加工することにより重なり部分がなくなって段差がわからなくなり、意匠性が向上し、さらに目地にてアクセントが付く。
【0006】
また全面化粧柄シート2の内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを全面化粧柄シート2の内部にとどめることを特徴とすることも好ましい。この場合、目地加工後の着色を不要にできる。
【0007】
また基板1内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを基板1内部にとどめることを特徴とすることも好ましい。この場合も、目地加工後の着色を不要にできる。またこの場合は深さの深い目地も可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、図1乃至図4に示す例から述べる。本発明の場合、基板1の上に全面化粧柄シート2がラミネートされる。基板1は例えばFRP板であり、矩形状をしている。具体的には例えば厚さ5mmで幅が800mmで長さが2000mmである。このFRP板よりなる基板1の表面には例えば♯240程度の研磨仕上げを施してある。全面化粧柄シート2は全面に柄を施してあり、本例の場合、例えばPP(ポリプロピレン)層2aの上にPET(ポリエチレンテレフタレート)層2bを積層して複合した鏡面シートであり、厚さは例えば250μmである。全面化粧柄シート2をラミネートするとき反応型ホットメルト接着剤のような接着剤13を介して塗布される。
【0009】
基板1に全面化粧柄シート2をラミネートするとき、基板1は搬送コンベア4にて矢印cのように連続的に送られる。この基板1を送る速度は例えば10m/minである。上記全面化粧柄シート2はコイル状に巻回されており、ある程度テンションをかけて巻き戻される。全面化粧柄シート2を巻き戻して供給するとき、複数のガイドローラ5でガイドされて供給される。全面化粧柄シート2を基板1上に積層する前に全面化粧柄シート2には接着剤塗工ヘッド6にて接着剤13が塗工される。接着剤塗工ヘッド6にて接着剤13を塗工するとき、全面化粧柄シート2は受けローラ7にて受けられる。接着剤塗工ヘッド6は矢印aのように接着剤の溶融タンクと接続してある。接着剤塗工ヘッド6で塗工される接着剤13は上記のように反応型ホットメルト接着剤であり、例えは日立化成ポリマー製のYR010−3である。このとき接着剤13の塗工厚は例えは100μmである。図1(b)の矢印bは全面化粧柄シート2への接着剤13の塗工面を示す。
【0010】
上記のようにテンションをかけて連続的に供給される全面化粧柄シート2には接着剤塗工ヘッド6で接着剤13が塗布され、搬送コンベア4にて搬送される基板1の上に重ねてラミネートされる。このラミネートは上下に配置したゴムロール8間に通すことで行われる。ゴムロール8でラミネートする圧力は例えば0.3〜0.5MPa(3〜5kg/cm)程度である。ゴムロール8のゴム硬度は70°程度である。上記のように基板1を連続的に搬送するとともに全面化粧柄シート2を連続的に供給してラミネートするため、連続的にラミネートできてバッチプレスで行うより生産性がよい。またラミネートするとき全面化粧柄シート2にテンションをかけて行うために薄物でも皺が入りにくい。
【0011】
上記のように基板1に全面化粧柄シート2をラミネートした後、全面化粧柄シート2の上に横方向にボーダ柄化粧シート3がラミネートされるが、このボーダ柄化粧シート3を貼る部分には接着性を上げるために研磨が施される。そして図2に示すようにボーダ柄化粧シート3が全面化粧柄シート2の上にゴムロール9にてラミネートされる。ボーダ柄化粧シート3を貼るとき接着剤を介して貼られる。このボーダ柄化粧シート3は例えばエンボス調のPPシートであり、例えば150μm厚になるようにラミネートされる。上記のように全面化粧柄シート2の上にボーダ柄化粧シート3を貼ってボーダ柄を形成するためにボーダ柄を設ける位置を任意に設定でき、意匠の自由度が高くなる。また例えば全面化粧柄シート2を鏡面シート、ボーダ柄化粧シート3をエンボスシートというようにでき、この点でも意匠性が高くなる。
【0012】
全面化粧柄シート2の上にボーダ柄化粧シート3をラミネートした後、図3に示すようにカッター刃10にてボーダ柄化粧シート3の両側縁に沿って凹溝状の目地溝11を形成する目地加工が行われ、次いで目地に着色仕上げされる。つまり、図4(a)の状態から目地加工されて図4(b)のように目地溝11が穿設され、着色仕上げにて図4(c)のように目地溝11の内面に沿って着色塗料12が塗布され、図5に示すような化粧パネルAが製造される。上記のように目地加工することによりボーダ柄化粧シート3の重なり部分がなくなり、段差もわかりにくくなり、また目地にてアクセントがつき、意匠性が向上する。上記のように製造された化粧パネルAは全体が鏡面調、ボーダ柄がエンボス調、目地がアクセントとなる意匠性の高いものであった。
【0013】
また図6、図7は他の例を示すものである。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、全面化粧柄シート2の内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを全面化粧柄シート2の内部にとどめるようにしてある。本例の場合、全面化粧柄シート2がPP層2aの上にPET層2bを積層して形成してあるが、PP層2aを目地着色と同じにしてある。そして図7(a)のように基板1の上に全面化粧柄シート2とボーダ柄化粧シート3とをラミネートした状態で図7(b)に示すように全面化粧柄シート2の厚さ内にとどめる程度に目地溝11を穿設するように目地加工をすることで、所定の色に着色された目地溝11が形成される。このようにすることで目地加工後後の着色を不要にできる。
【0014】
また図8は他の例を示すものである。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、基板1内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを基板内部にとどめるようにしてある。本例の場合、基板1全体を目地着色と同じにしてある。そして図8(a)のように基板1の上に全面化粧柄シート2とボーダ柄化粧シート3とをラミネートした状態で図8(b)に示すように基板1の厚さ内にとどめる程度に目地溝11を穿設するように目地加工をすることで、所定の色に着色された目地溝11が形成される。このようにすることで目地加工後の着色を不要にできる。この場合は深い目地も可能になる。
【0015】
また全面化粧柄シート2及び基板1の内部ともに予め狙いとする目地の色に着色しておくことも好ましい。この場合も目地加工後の着色を不要にでき、且つ、基板1に反りがあっても、目地深さが安定しなくても常に同色に目地が得られる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の請求項1の発明は、まず基板の上に全面化粧柄シートをラミネートした後、全面化粧柄シートの上に部分的にボーダ柄化粧シートをラミネートしているので、ボータ柄化粧シートを任意の位置にラミネートできて意匠の自由度が高くなるものであり、また例えば、全面化粧柄シートを鏡面シート、ボーダ柄化粧シートをエンボスシートというようにシートの素地を変えたりできて意匠の自由度が出るものであり、さらにボーダ柄化粧シートの両側の縁部に沿って凹溝状の目地加工をするので、ボーダ柄化粧シートを全面化粧柄シートの上に重ねても目地加工することにより重なり部分がなくなって段差がわからなくなり、意匠性が向上し、さらに目地にてアクセントがつくものである。
【0017】
また本発明の請求項2の発明は、全面化粧柄シートの内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを全面化粧柄シートの内部にとどめるので、目地加工後の着色を不要にできるものである。
【0018】
また本発明の請求項3の発明は、基板内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを基板内部にとどめるので、目地加工後の着色を不要にできるものであり、また深さの深い目地も可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は基板に全面化粧柄シートをラミネートする工程を説明する正面図、(b)は全面化粧柄シートを示す断面図である。
【図2】(a)はボーダ柄シートをラミネートする状態を示す斜視図、(b)はボーダ柄シートをラミネートした状態を示す断面図である。
【図3】目地加工をする状態を示す斜視図である。
【図4】(a)(b)(c)は目地加工をして着色する状態を説明する断面図である。
【図5】製造された化粧パネルを示す斜視図である。
【図6】同上の他の例の全面化粧柄シートを示す断面図である。
【図7】(a)(b)は目地加工を説明する断面図である。
【図8】(a)(b)は目地加工を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 全面化粧柄シート
3 ボーダ柄化粧シート

Claims (3)

  1. 基板上に化粧シートを積層する化粧パネルの製造方法において、まず基板の上に全面化粧柄シートをラミネートした後、全面化粧柄シートの上に部分的にボーダ柄化粧シートをラミネートし、さらにボーダ柄化粧シートの両側の縁部に沿って凹溝状の目地加工をすることを特徴とする化粧パネルの製造方法。
  2. 全面化粧柄シートの内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを全面化粧柄シートの内部にとどめることを特徴とする請求項1記載の化粧パネルの製造方法。
  3. 基板内部を予め狙いとする目地色に着色しておき、凹溝状に穿設する目地深さを基板内部にとどめることを特徴とする請求項1記載の化粧パネルの製造方法。
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