JP3613750B2 - 負帯電性現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトナーと樹脂被覆キャリアからなる負帯電性現像剤及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来トナーと樹脂被覆キャリアからなる2成分現像剤については、現像剤の良好な帯電性を確保する方法として、公知の様々な技術が知られている。上記現像剤の帯電性の制御は、トナーと樹脂被覆キャリアとを混合、攪拌することでおきる摩擦帯電を利用しており、所望の帯電量に応じて現像剤の構成が選択されている。例えば、トナーに荷電制御剤を添加する方法があるが、その場合荷電制御剤の添加量に応じて現像剤の帯電量を制御できるが、一般に荷電制御剤は画像形成の過程で変質し易く、かつ高価でコスト高を招くという問題がある。また、トナーの樹脂組成により帯電性の制御を行う方法もあるが、使用樹脂の粘弾性、耐熱性その他の物性にも影響を与えることが多く、帯電性と定着性の両立が困難であるという問題がある。同様に樹脂被覆キャリアの被覆樹脂組成により帯電性の制御を行うことができるが、キャリアの体積抵抗、耐摩耗性等の物性に影響を与え、耐久性に悪影響を及ぼすことが多いなどの問題がある。そこで、例えば特開昭58−129436号公報には、トナー中に多量の酸性カーボンブラックを含有せしめると共に、トナーのバインダー樹脂及び樹脂被覆キャリアの被覆樹脂の両方にスチレン樹脂を用いることにより上記トナー中の多量の酸性カーボンブラックに基づく過度の負帯電性が制御され、高濃度の画像形成が可能とされた現像剤が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、現像剤の負帯電性の制御はトナーのみに着目したのでは、現像剤の安定した負帯電性を確保することが難しく、トナーのみならず、樹脂被覆キャリアのpHをも制御することにより、特にはトナー中の着色剤及び樹脂被覆キャリア中の微粒子の両方のpHを制御することにより、現像剤に安定した負帯電性を付与することができることに気付き、本発明を完成したのである。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みて提案されたものであり、その目的とするところは帯電性に優れていて安定した帯電量を確保することができ、かぶりがなく、高濃度で鮮明な画像が得られる負帯電性現像剤及び該現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記構成により達成される。
【0006】
1.少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるトナーと、磁性体粒子を樹脂で被覆してなり、該被覆樹脂中に微粒子を含有する樹脂被覆キャリアとを有する負帯電性現像剤において、該トナーに含まれる着色剤は、そのpHが7以下であり、該樹脂被覆キャリアの被覆樹脂中に含有される微粒子は、そのpHが7を越えるものであることを特徴とする負帯電性現像剤。
【0007】
2.前記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂中に含有される微粒子がカーボンブラックであり、前記トナーに含有される着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする前記1に記載の負帯電性現像剤。
【0008】
3.前記1又は2に記載の負帯電性現像剤を用いたことを特徴とする画像形成方法。
【0009】
以下、本発明の負帯電性現像剤について詳細に説明する。なお、本発明でいう負帯電性現像剤(以後、現像剤ともいう)とは、トナーが負に帯電し、樹脂被覆キャリアが正に帯電する現像剤であり、現像剤に負の帯電を付与するとは樹脂被覆キャリアとの摩擦でトナーに負の帯電を付与することである。
【0010】
本発明は、トナーとしてpHが調整された着色剤を含有するトナー及びキャリアとして被覆樹脂中にpHが調整された微粒子を含有する樹脂被覆キャリアから構成された現像剤及び該現像剤を用いた画像形成方法に特徴がある。
【0011】
〈トナーに含有される着色剤〉
本発明に使用されるトナーに添加される着色剤は、そのpHが7以下であることを必須の用件としている。上記トナーに添加される着色剤のpH値が7を越える場合は後述するキャリアとの関係で現像剤に安定した負の帯電性を付与することができない。
【0012】
上記トナーに添加される着色剤としては特に限定されず、従来公知の種々の着色剤を適用することができ、例えばカーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ローズベンガル等を使用することができる。
【0013】
なお、本発明では特に白黒画像形成用のカーボンブラックが重要であり、該カーボンブラックの具体例としては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができ、その窒素吸着法によるBET比表面積の値は5〜700m2/gの範囲とするのが好ましい。
【0014】
また、上記トナーに添加される着色剤の量は、後述するキャリアとの関係で現像剤に安定した負の帯電性を付与するためトナーに対して1〜10重量%の範囲とするのが好ましい。
【0015】
なお、上記トナーに添加される着色剤のpHは以下のようにして測定される。即ち、適量の着色剤をビーカーに測り取り、着色剤1gにつき10mlの割合で水を加え、15分間煮沸する。着色剤を濡れ易くするためにエチルアルコールを数滴加えても良い。煮沸後、室温にまで冷却し、傾斜法又は遠心分離法により上澄み液を除去して泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極を入れ、pHを測定する。測定上、注意する点としては、電極の挿入位置により測定値がばらつくことがあるため、ビーカーを動かして電極面と泥状面とを充分に接触させ、pHが一定になったところで測定値を読むようにする。
【0016】
〈トナーの構成〉
本発明に使用されるトナーは、少なくともpHが7以下である着色剤を含有し、後述する樹脂被覆キャリアとの摩擦により安定した負帯電性を示すトナーであり、通常後述する結着樹脂が含有され、更に必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
【0017】
なお、上記トナーの重量平均粒径は好ましくは1〜20μm、更に好ましくは4〜15μmである。なお、本発明に使用するトナーの重量平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」(SYMPATEC社(株)社製)を使用して求めることができる。
【0018】
上記トナーを構成する結着樹脂としては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂が用いられる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0019】
その他、必要に応じて上記トナーに使用できる添加剤としては、荷電制御剤、ポリオレフィンワックス、天然ワックスなどの離型剤、流動化剤、磁性粉、これら添加剤の分散助剤などが挙げられ、公知の材料を使用することができる。
【0020】
また、上記トナーの製造方法も特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、構成される材料を混合し、溶融混練した後、冷却工程を経て、粉砕、分級を行ってトナーを得る粉砕法や、乳化重合又は懸濁重合を行ってトナーを得る重合法などを使用することができる。
【0021】
また、上記トナーに必要に応じて添加される流動化剤として、トナー表面に無機微粒子又は有機微粒子を添加してもよい。無機微粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子が好ましい。また更に、これら無機微粒子は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理してもよい。
【0022】
〈樹脂被覆キャリアに含有される微粒子〉
後述する樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中に含有される微粒子は、そのpHが7を越えるものであることを必須の用件としている。上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中に含有される微粒子のpH値が7以下の場合は前記したトナーとの関係で現像剤に安定した負の帯電性を付与することができない。
【0023】
上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中に含有される微粒子としては、該被覆樹脂層に複合化できる材料であれば如何なる微粒子でも適用できるが、好適に使用することができるものとしては、pHが7を越えるように加工された例えば珪素、チタン、アルミニウム等の酸化物、窒化物、ホウ化物等の無機微粒子、シリコーン樹脂、スチレン/アクリル共重合体樹脂、メラミン樹脂、ビニール系樹脂等の樹脂微粒子、カーボンブラックが好適に用いられる。本発明では特にカーボンブラックが重要であり、該カーボンブラックの具体例としては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができ、その窒素吸着法によるBET比表面積の値は5〜700m2/gの範囲とするのが好ましい。
【0024】
〈樹脂被覆キャリアの構成〉
本発明に使用される樹脂被覆キャリアは、少なくともpHが7を越える上記微粒子を含有し、前記したトナーとの摩擦により現像剤に安定した負帯電性を付与することができるキャリアであり、通常後述する強磁性を示す芯材の表面に結着樹脂を被覆して形成される。なお、上記キャリアの重量平均粒径は好ましくは10〜100μm、更に好ましくは20〜80μmである。なお、本発明に使用する樹脂被覆キャリアの重量平均粒径は、トナーの重量平均粒径の場合と同様レーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」を使用して求めることができる。
【0025】
上記樹脂被覆キャリアの芯材としては、公知のものを適用することができる。よく用いられる例としては、酸化した、又は酸化されていない鉄粉や、フェライト、マグネタイト等の強磁性を示す金属酸化物が好適に用いられる。
【0026】
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層を構成する結着樹脂としては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂が用いられる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系共重合樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0027】
また、上記キャリアの樹脂被覆方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、スプレー塗布方法、浸漬法、表面重合被覆法、熱溶融法等が挙げられるが、熱溶融法が好適に用いられる。
【0028】
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中に含有される微粒子のpHは、前記本発明に使用されるトナー中の着色剤のpHの測定方法と同様にして測定される。
【0029】
本発明に使用される上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中への微粒子の添加量は、被覆樹脂に対して好ましくは5〜50重量%、より好ましくは7〜35重量%の範囲である。上記微粒子の含有量が5重量%未満の場合は、前記トナーとの関係で本発明の現像剤の安定した負の帯電性が得られなくなる。また、50重量%を越えると、被覆樹脂層中への微粒子の均一な分散が困難となり、該微粒子の遊離などの問題を生じる場合があり好ましくない。
【0030】
なお、本発明の樹脂被覆キャリアの被覆樹脂層中に添加する微粒子の添加方法は特に限定されるものではなく、樹脂被覆方法に応じて適切な方法を選択すればよい。例えば、溶融被覆方法の場合は、被覆樹脂の溶液に微粒子を分散混合する、機械的な固定化方法の場合は、被覆樹脂の粉末と添加する微粒子とを混合しておく、重合被覆法の場合は、重合反応時に重合槽内に微粒子を添加しておく、等の方法を用いることができる。また、キャリアへの樹脂被覆加工後に、微粒子をキャリアの被覆樹脂層中に機械的に打ち込む方法も使用できる。
【0031】
ここで、キャリアの樹脂被覆量は、キャリア全体に対し1.0〜10.0重量%の範囲であることが好ましい。
【0032】
〈現像剤の構成〉
本発明の現像剤とするため、前記pHが7以下の着色剤を含有するトナーと被覆樹脂中に前記pHが7を越える微粒子を含有する樹脂被覆キャリアとを混合することにより、安定した負の帯電性を有する現像剤が得られる。この場合、トナーは現像剤全体に対し2〜10重量%の割合で混合して使用するのが好ましく、また、トナーと樹脂被覆キャリアを混合する混合機には公知の混合機、例えばヘンシェルミキサー、Wコーン混合機等を使用することができる。
【0033】
〈本発明の現像剤を用いた画像形成方法〉
図1は上記本発明の現像剤を用いた画像形成方法の1例を説明する画像形成装置の要部断面図であり、7はドラム状感光体(単に感光体ともいう)、有機光導電体を用いた有機感光体、又は無機光導電体(SeTe,As2Se3等)を用いた無機感光体が用いられ、好ましくは無害で、加工性に優れていて、選択の自由度が大きい有機光導電体を用いた有機感光体が好ましく用いられる。
【0034】
図1において帯電器1により感光体7の表面に例えば正の一様な帯電が付与され、次いで露光光学系2により像露光が行なわれて静電潜像が形成される。次いで該静電潜像は現像器3内に収容された本発明の負帯電性の現像剤により現像されてトナー像が形成される。このトナー像は転写器5により転写紙Pに静電転写され、熱ローラー定着器9により加熱定着されて定着画像が形成される。
【0035】
他方、転写器5を通過した感光体7はクリーニング器8により残留トナーがクリーニングされて次の画像形成に備えられる。なお、4は原稿台、6は分離器、10はトナー補給用ホッパである。
【0036】
ここで、本発明の現像剤はトナー中の着色剤のpHが7以下に調整され、かつ樹脂被覆キャリアの樹脂被覆層に含有される微粒子のpHが7を越えるように調整された現像剤であり、該現像剤の負の帯電特性が適正で、かつ安定しているため負帯電性のトナーリサイクルシステムの画像形成装置にも利用することができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の態様はこれにより限定されるものではない。
【0038】
〈カーボンブラック(1)(pH=2.5)の製造例〉
市販のカーボンブラックを使用した。該市販のカーボンブラックの製造方法としては、天然ガスの炎をチャンネル鋼と呼ばれる金属表面に衝突させ、該原料天然ガスを急激に冷やすことでカーボンブラックを該金属表面に析出させて製造する。この際、上記チャンネル鋼を炎に対して垂直方向に一定速度で移動させ、さらに冷却した後、スクレーパでかき取り、粉砕、分級して目的のカーボンブラックを得る。
【0039】
〈カーボンブラック(2)の製造例〉
上記pH=2.5のカーボンブラック(1)を白金坩堝に入れ、電気炉の中で950℃で、7分間加熱した後取り出し、デシケーター中で放冷して、カーボンブラック(2)(pH=8.3)を得た。
【0040】
〈カーボンブラック(3)〜(6)の製造例〉
上記カーボンブラック(2)の場合の電気炉の温度及び加熱時間を制御してカーボンブラック(3)(pH=7.2)、カーボンブラック(4)(pH=10.0)、カーボンブラック(5)(pH=4.0)、カーボンブラック(6)(pH=6.5)を得た。
【0041】
〈樹脂被覆キャリア用アルミナ(pH=8.1)の製造例〉
火炎加水分解法により製造され、具体的には無水塩化アルミニウムを酸素雰囲気中で燃焼させ、燃焼温度、燃焼時間を制御しながら火炎中で加水分解することで得られる。
【0042】
〈トナー1の製造例〉
ポリエステル樹脂100重量部に対し、離型剤としてカルナウバワックスを2重量部、WaxCを2重量部、着色剤として上記pH=2.5のカーボンブラック(1)を7.5重量部を混合し、2軸混練機にて溶融混練した。その後、冷却工程を経て、微粉砕、風力分級を行い、重量平均粒径が8.5μmの着色粒子を得た。さらにその後、流動化剤として着色粒子に対して疎水性シリカ微粒子(R805:アエロジル)を0.6重量部、チタニア微粒子(T805:アエロジル)を0.75重量部外添混合し、トナー1を得た。
【0043】
〈トナー2〜4の製造例〉
トナー1の製造例において、pH=2.5のカーボンブラック(1)に代えてpH=4.0のカーボンブラック(5)、pH=6.5のカーボンブラック(6)、pH=8.3のカーボンブラック(2)を、この順に用いた他はトナー1の製造例の場合と同様にしてトナー2、トナー3、トナー4を得た。
【0044】
〈樹脂被覆キャリア1の製造例〉
磁性体粒子(体積平均粒径60μmのマグネタイト粒子)100部に、粉砕した体積平均粒径6μmのポリエチレン粒子を4部、微粒子として上記製造例で得られたカーボンブラック(2)(pH=8.3)を0.5部配合し、加熱可能なジャケットを有する造粒装置に入れ、常温で5分間混合した。次に、120℃の熱媒をジャケットに循環しながら40分間混合した。次ぎに20℃の冷媒をジャケットに循環させ20分間混合した後、取り出して、125μmの篩いで篩い分けを行って本発明に使用する樹脂被覆キャリア1を得た。
【0045】
〈樹脂被覆キャリア2の製造例〉
樹脂被覆キャリア1の製造例において、カーボンブラック(2)(pH=8.3)の配合量を1.0部にした他は樹脂被覆キャリア1の製造例と同様にして樹脂被覆キャリア2を得た。
【0046】
〈樹脂被覆キャリア3の製造例〉
樹脂被覆キャリア1の製造例において、カーボンブラック(2)(pH=8.3)に代えて樹脂被覆キャリア用アルミナ(pH=8.1)を用いた他は樹脂被覆キャリア1の製造例の場合と同様にして樹脂被覆キャリア3を得た。
【0047】
〈樹脂被覆キャリア4〜6の製造例〉
樹脂被覆キャリア1の製造例において、カーボンブラック(2)(pH=8.3)に代えてカーボンブラック(3)(pH=7.2)、カーボンブラック(4)(pH=10.0)、カーボンブラック(1)(pH=2.5)を用いた他は樹脂被覆キャリア1の製造例の場合と同様にして樹脂被覆キャリア4、樹脂被覆キャリア5、樹脂被覆キャリア6を得た。
【0048】
〈実施例1の現像剤の製造例〉
上記トナー1の26gと樹脂被覆キャリア1の500gを混合して実施例1の現像剤を得た。
【0049】
〈実施例2〜7の現像剤の製造例〉
実施例1の現像剤の製造例において、樹脂被覆キャリア1〜5とトナー1〜3とを表1の如く組み合わせて実施例2〜7の現像剤を得た。
【0050】
〈比較例1、2の現像剤の製造例〉
実施例1の現像剤の製造例において、樹脂被覆キャリア6、1とトナー1、4とを表1の如く組み合わせた他は実施例1の現像剤の製造例の場合と同様にして比較例1、2の現像剤を得た。
【0051】
〈評価テスト1〉
《摩擦帯電量の測定》
上記で作製した6種類の樹脂被覆キャリアのそれぞれ100部と4種類のトナーのそれぞれ5部とを表1の如く組み合わせ混合して9種類のサンプルを得、該サンプルをそれぞれ20ccのサンプル瓶に入れ、20℃、相対湿度50%に12時間放置した後、振とう機「YS−LD」((株)ヤヨイ社製)にて、200ストローク/分、振れ角45°、振とう時間20分の条件で振とうし、ブローオフ帯電量測定器にて帯電量(トナー)を下記のブローオフ測定条件で測定し、その結果を表1に示した。
【0052】
〈ブローオフ測定条件〉
ブローガス:窒素ガス
ブロー圧 :0.25kgf/cm2
ブロー時間:4sec
現像剤中のトナーをキャリアから分離する分離メッシュ:400mesh
サンプル量:1g
ところで、本発明の現像剤に用いられる着色剤及び微粒子のpHの測定に関しては、既に前述した通りであるが、上記実施例、比較例に用いられたカーボンブラック(1)〜(6)及びアルミナのpHの測定については、具体的に以下の方法で測定された。
【0053】
〈カーボンブラック(1)〜(6)及びアルミナのpHの具体的測定法〉
サンプル5gをビーカーにとり、50gの蒸留水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸した。煮沸後室温まで冷却し遠心分離法により上澄み液を除去して、泥状物を残し、この中にガラス電極pH計の電極をいれ、JIS Z 8802によりpHを測定した。
【0054】
〈評価テスト2(実写)〉
上記実施例1〜7及び比較例1、2で得られた9種類の現像剤を用い、該9種類の現像剤をデジタル複写機Konica7050に順次装填して、通常環境下で画像を出力して画像濃度及びかぶり濃度を測定し、それらの結果を下記評価基準により評価し、表1に示した。
【0055】
〈評価基準〉
《画像濃度》
原稿濃度が1.38のベタ部の複写画像に対する相対濃度をマクベス濃度計により測定し、画像濃度とした。
【0056】
《かぶり濃度》
原稿濃度が0.00の白地部の複写画像に対する相対濃度をマクベス濃度計により測定し、かぶり濃度とした。
【0057】
【表1】
【0058】
表1より実施例1〜7の現像剤及びその画像形成方法では、該現像剤の負の帯電性が優れていて、画像形成時、高濃度でかぶりがなく、鮮明な画像が得られるが、比較例1、2の現像剤及びその画像形成方法では、該現像剤の負の帯電性が悪く、画像形成時、画像濃度不足、又はかぶりの発生が大であり、良質の画像が得られないことが解る。
【0059】
【発明の効果】
実施例で実証されたように本発明の現像剤及びその画像形成方法によれば、該現像剤の帯電性が優れていて安定した帯電量を確保することができ、画像形成時、高濃度で鮮明な画像が得られる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 帯電器
2 露光光学系
3 現像器
4 原稿台
5 転写器
6 分離器
7 感光体
8 クリーニング器
9 熱ローラー定着器
10 トナー補給用ホッパ
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるトナーと、磁性体粒子を樹脂で被覆してなり、該被覆樹脂中に微粒子を含有する樹脂被覆キャリアとを有する負帯電性現像剤において、該トナーに含まれる着色剤は、そのpHが7以下であり、該樹脂被覆キャリアの被覆樹脂中に含有される微粒子は、そのpHが7を越えるものであることを特徴とする負帯電性現像剤。
- 前記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂中に含有される微粒子がカーボンブラックであり、前記トナーに含有される着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の負帯電性現像剤。
- 請求項1又は2に記載の負帯電性現像剤を用いたことを特徴とする画像形成方法。
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