JP3613545B2 - 通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IEEE1394バス等のネットワークを介して通信を行う通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル放送の開始や、デジタルAV機器の発売等、いわゆる「家庭AV環境のデジタル化」が大きな注目を集めている。デジタルAVデータは、様々な圧縮が可能、マルチメディアデータとしての処理が可能、何回再生しても劣化が無い、等の優れた特徴を持ち、今後その用途はますます広がっていくものと考えられる。
【0003】
家庭AV環境のデジタル化が一般化すると、必然的に「家庭AV環境のネットワーク化」が進展する。近年流行しているインターネット等と融合させることにより、コンピュータ同士をネットワーク接続し、互いにデジタルデータのやり取りを行なうことで、公衆網からのビデオオンデマンドや、部屋間/家庭間のAVデータの交換等、デジタルAV機器の可能性は格段に拡大することが
見込まれる。
【0004】
AV機器のネットワーク化は、現在のコンピュータネットワークにおける「サーバ」のように、家庭内のデジタルサービスを行なう、いわゆる「ホームサーバ」の登場を誘発する。この「ホームサーバ」は、ホームネットワークに接続された複数の装置からのサービス要求に応えるもので、例えば家庭内のビデオオンデマンドサーバとなることが出来よう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、家庭向けの民生機器(AV機器、パーソナルコンピュータ、白物家電等の種々の装置を含む)は、徹底的な低コストが求められる点や、既存機器のコンポーネントの流用が多く行われるであろうことから、ホームネットワークに接続可能な機器でも、当初から「複数ユーザからの同時アクセス」が可能になるとは、必ずしも限らない。例えば、AVテープを駆動する形の、いわゆる一般的なVTRは、同時に利用できるユーザの数は1(録画とチューナの同時利用の場合でも当該VTRについて高々2)である。また、家庭用を考えた場合、今後も、1つの装置もしくはその装置により提供されるサービスに同時アクセス可能なユーザ数はそれほど多くはなっていかないと考えられる。
【0006】
このような民生機器を接続したホームネットワークにおいても、同一の装置等に対して同時に複数のユーザからアクセスされることを念頭に置かねばならないため、これらのユーザの排他制御を考慮する必要がある。むしろ、民生機器では同時アクセス可能なユーザ数が少ないので、家庭内で良く利用される機器は、常に排他制御発動の可能性を帯びることになる。
【0007】
ところが、いわゆる「家庭ユーザ」についてはコンピュータやネットワークの仕組みに対する知識が充分であると仮定することはできないため、従来のように排他制御をした際に単に「アクセス失敗」の事実だけ伝えるのではサポートが不十分であるという問題が生ずる。例えば、VTRへのアクセスを要望した家庭ユーザに対して、単純に「VTRへのアクセスが失敗しました」もしくは「排他制御のためVTRへのアクセスが失敗しました」と表示したのでは、この家庭ユーザは、このメッセージ自体に対してどのように対処したらよいのかわからず困惑したり、どうしてもその時間にVTRを利用する必要があるときにどのようなアクションを取れば利用できるのか(もしくはその可能性が得られるのか)わからずにその時間を徒過してしまうなど、色々な好ましくない事態が想定される。また、このようなことにより、結果的に家庭ユーザにとって操作性の良くないホームネットワークになってしまったり、ユーザフレンドリーでないと評価されてしまうなどの虞がある。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、より有効なユーザ・サポートを考慮した排他制御の可能な通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)は、ネットワークに接続された通信装置(被制御側となる機器)であって、前記ネットワークを通して自通信装置を制御する制御権を保有する他の装置(制御側となる機器)の識別情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記識別情報が記憶されていないさらに他の装置(制御側となる機器)から、自通信装置に対して制御権の取得を要求するメッセージを受信した際(例えば、同時利用カウンタデクリメント要求を受信した際、あるいは制御パネル要求を受信した際)に、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報の数が所定の数に達しているかを否か判定する判定手段と、この判定手段により前所定の数に達していないと判定された場合に、前記さらに他の装置の識別情報を前記記憶手段に追加するとともに、該さらに他の装置に制御権取得成功を通知するメッセージを送信する第1の処理手段と、前記判定手段により前記所定の数に達していると判定された場合に、前記記憶手段に識別情報が記憶されている装置(すなわち、制御権を保有する装置)のうちに、その制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできるものが存在するか否かを調べる第2の処理手段と、前記第2の処理手段によりその制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできる装置が見つかった場合に、該制御権を譲り渡す装置の識別情報を前記記憶手段から削除し前記さらに他の装置の識別情報を前記記憶手段に追加するとともに、該さらに他の装置に制御権取得成功を通知するメッセージを送信する第3の処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
前記所定の数は、例えば、被制御装置の所有権を同時に保有可能な制御装置の数で、各被制御装置毎に(その装置の性能もしくは仕様等で)定まる数である。例えば、被制御装置がVTRで同時に1つのストリームデータしか提供できない場合には所定の数は1となり、同時に3つのストリームデータを提供できる場合には所定の数は3となる。なお、ある被制御装置について同時にn台の制御装置が制御権を保有できる場合であっても、所定の数をnより小さい数に設定しても構わない。
【0011】
好ましくは、前記第2の処理手段は、自通信装置が現にデータをやり取りしている相手装置については、その制御権が維持されるべきもの(譲り渡すことはできない)と判断するようにしてもよい。
【0012】
好ましくは、前記第2の処理手段は、自通信装置が最後にデータをやり取りしてから経過した時間が一定範囲以内である相手装置についても、その制御権が維持されるべきもの(譲り渡すことはできない)と判断するようにしてもよい。
【0013】
好ましくは、前記第2の処理手段は、前記記憶手段に識別情報が記憶されている装置の少なくとも一部に対して、その制御権を維持するか否かを問い合わせるメッセージ(使用確認要求)を送信し、その返答により該制御権が維持されるべきもの(譲り渡すことはできない)か否かを判断する手段を含むようにしてもよい。
【0014】
好ましくは、前記第2の処理手段は、前記メッセージを送信する対象とし得る装置が複数存在する場合に、所定の選択基準で選択した順番で、前記メッセージの送信およびその返答による前記判断を行うようにしてもよい。
【0015】
好ましくは、自通信装置に対する制御権を保有する他の装置から該制御権を維持し続ける旨の特別のメッセージを受信した場合に、該他の装置の識別情報を登録する登録手段を更に備え、前記第2の処理手段は、前記登録手段に識別情報が登録されている装置については、その制御権が維持されるべきもの(譲り渡すことはできない)と判断するようにしてもよい。
【0016】
好ましくは、前記第2の処理手段によりその制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできる装置が見つからなかった場合に、前記さらに他の装置に制御権取得失敗を通知するメッセージを送信する第4の処理手段を更に備えるようにしてもよい。
【0017】
好ましくは、前記第4の処理手段は、前記さらに他の装置に制御権を保有する他の装置(すなわち、前記記憶手段に識別情報が記憶されている装置)の識別情報を前記メッセージに含めて送信するようにしてもよい。
【0018】
好ましくは、自通信装置が複数の異なる装置またはサービスの形でネットワークに公開される場合には、公開された各装置またはサービス毎に、その制御権を保有する他の装置の識別情報を管理するようにしてもよい。
【0019】
好ましくは、前記異なる装置またはサービスのうちの特定の2以上のものについて制御権保有可能な装置の数がそれらの総和として限定される場合には、該特定の2以上の装置またはサービスについては前記制御権を保有する他の装置の識別情報を統一して管理するようにしてもよい。
例えば、ある被制御装置において、機能aについて同時にx台の制御装置が制御権を保有でき、機能bについても同時にx台の制御装置が制御権を保有できるが、機能aについて同時にy台の制御装置が制御権を保有している場合には機能bについては同時にx−y台の制御装置しか制御権を保有できない(同様に、機能bについて同時にy台の制御装置が制御権を保有している場合には機能aについては同時にx−y台の制御装置しか制御権を保有できない)ような場合には、機能aについて制御権を保有している制御装置と機能bについて
制御権を保有している制御装置とを統一して管理するのが好ましい。
【0020】
本発明(請求項11)は、ネットワークに接続された通信装置(制御側となる機器)であって、前記ネットワークを通して他の装置を制御するためのコマンドを送信する手段と、前記他の装置から、さらに他の装置が該他の装置を制御しているために現在は制御を受け付けられない旨を示す情報と該さらに他の装置の識別情報とを含むメッセージを受信した場合に、該さらに他の装置に関する詳細情報を検索する手段と、前記詳細情報に基づいて作成した、ユーザを支援するための情報を、ユーザインタフェースを通じて呈示する手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記詳細情報は、前記さらに他の装置の種類に関する情報または該装置が設置された物理的位置に関する情報の少なくとも一方を含むものであり、前記ユーザを支援するための情報は、前記さらに他の装置の種類または該装置が設置された物理的位置の少なくとも一方をユーザに通知する文言あるいは図面を含むものであるようにしてもよい。
【0022】
本発明によれば、要求された装置(またはサービス)に対するの現在の制御権保有装置数が所定の数に達している場合でも、その時点でその要求を拒絶するのではなく、その制御権を譲り渡してくれる装置があるかどうかを探し、制御権を譲り渡してくれる装置があれば、制御権を取得することができる。
【0023】
また、制御権が得られなかったときでも、単に制御権が得られなかった旨を呈示するだけではなく、その装置(またはサービス)に対するの現在の制御権保有装置に関する詳細な情報を含むメッセージを呈示するようにすれば、ユーザは次のアクションを取りやすくなる。
【0024】
このように本発明によれば、より有効なユーザ・サポートを考慮した排他制御を行うことができる。
【0025】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
【0026】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1は、ある家庭のホームネットワークの全体構成を一例として示した図である。
【0029】
図1に例示したホームネットワークは、IEEE1394バス100を用いて構成され、VTR101、テレビ102、PC103の3つの装置が接続されているものである。VTR101のノードIDは#x、テレビ102のノードIDは#y、PC103のノードIDは#zとする。
【0030】
本実施形態では、テレビ102とPC103には、それぞれ、いわゆるディスプレイ(表示デバイス)が附属しており、それら装置(102,103)のユーザは、その付属のディスプレイを通して(例えば、TVリモコン104やPCリモコン105およびその付属ディスプレイあるいはマウス等の入力デバイスを使って)、VTR101の制御画面を操作することができるような場合を想定して説明する。また、VTR101を被制御装置の一例として、テレビ102を制御装置(本例ではVTRを制御する)の一例として、PC103を制御装置(本例ではテレビがVTRを制御中に同じVTRを制御しようとする)の一例として説明する。
【0031】
図2に、本例でアクセスされる対象となるVTR101の内部構成例を示す。
【0032】
このVTR101は、いわゆるデジタルVTRであり、デジタル形式(例えばMPEG2)でAVデータの保存、再生等を行なう。
【0033】
VTR処理部202は、テープ、および機構部分であり、録画、再生、テープの巻き戻し、早送り等の動作を行い、IEEE1394インタフェース201とデジタルAVストリームデータのやり取りを行う。
【0034】
AV/Cコマンド処理部203は、標準化団体であるIEEE1394トレードアソシエーション(1394TA)が決定するAV機器の制御コマンド体系の処理を行なう。基本的に、AV/CコマンドはIEEE1394バスを介してやり取りされる。なお、AV/Cについては、例えば、AV/C Digital Interface Command Set General Specification、IEEE1394−1995等に記載されている。
【0035】
属性情報レジスタ204は、IEEE1394インタフェース201を介して、IEEE1394バスに接続された他の装置からも、特定のアドレスを指定することの出来るメモリ領域である。具体的には、図3に例示したように、このレジスタを持つ装置についての種々の属性情報、例えば、ベンダ名、装置名(例えば、VTR)、製造番号や型番、この装置を制御するための制御画面の構成情報(制御パネル)、この装置の現在位置を記す現在位置情報、後述する制御で使われる同時利用可能カウンタと利用者リスト等がある。なお、これらの情報は、必ずしも図3のような順序で格納されている必要はなく、例えばお互いに離れた空間に格納されていても良い。
【0036】
IEEE1394バスにつながる他の装置は、その装置の「どのアドレス」にアクセスすれば上記したような各々の属性情報を得ることができるかについて、あらかじめ知っている(知らされている)ものとする。また、このレジスタの特定の領域(例えば、ベンダ名、装置名、製造番号や型番、制御パネル、現在位置情報)については、その装置の製造時あるいはIEEE1394バス等のネットワークに接続される以前からあらかじめ登録されているとしてもよい。
【0037】
次に、TV102のユーザがそのTVの画面を通してVTR101の遠隔制御を行なう場合を例にとって構成や処理の流れについて説明する。
【0038】
図4に、この場合の処理シーケンスの一例を示す。
【0039】
まず初期段階において、TV102は、VTR101に対して(TVは、この時点では、当該相手のことを「ノードID=#xの装置である」としか認識しておらず、VTRであるということを認識していない)、構成情報要求(S401)を送出する。実際には、上記の属性情報レジスタの特定のアドレスを読みに行く動作を行なうのでもよい。
【0040】
VTR101では、構成情報要求を属性情報レジスタ204が受信し、属性情報レジスタ204が構成情報要求に対する応答を行なう(S402)。この時点で、TV102は、この装置101がVTRであることなどを認識することができ、ユーザに対して属性を認識した上での表示を行うことができる。
【0041】
なお、IEEE1394バス100に複数の装置が接続されている場合には、上記処理を各装置について行うと好ましい。
【0042】
さて、例えばTV102において当該TV102からアクセスあるいは制御等のできる装置もしくはサービスのアイコンなどが表示された状態等において、TV102のユーザが制御対象の装置としてVTRを選択したとする(S403)。
【0043】
すると、TV102のディスプレイにVTRの制御画面を表示させるべく、制御パネル要求(S404)をVTR101に送出する。この要求はAV/Cプロトコルの一部であってもよい。
【0044】
VTR101では、制御パネル要求をAV/Cコマンド処理部203が受信し、制御パネル応答(S405)で制御パネルをTV102に送付する。
【0045】
制御パネルは、例えば図5に例示したようなものである。例えば、ユーザが制御画面上で再生ボタン(501)を押すと、「再生ボタンが押されました(AV/Cの再生コマンド)」、あるいは「ボタン2が押されました(VTR101は、ボタン2が「再生」に相当する、ということを認識している)」といったコマンド(図4のS410に相当)が、IEEE1394バス100を経由してVTR101に伝えられる。
【0046】
さて、制御パネル応答を受信したTV102は、図5のような制御画面をディスプレイに表示する。ユーザは、リモコンやマウス等を用いて、制御パネルの操作を行なう。ここでは、一例として、再生ボタンが押されたものとする(S406)。
【0047】
すると、TV102は、まず、VTR101の制御権を確保しようとする。
【0048】
ここで、「制御権」とは、その装置の制御を行なうことの出来る権利である。後述のメカニズムにより、制御権の有無の判断が行われる。制御権の確保を司るのが属性情報レジスタ204中の同時利用可能カウンタと、利用者リストである。「同時利用可能カウンタ」は、その時点でその装置を同時に利用することの出来るユーザ数を示すカウンタである。この装置(本例ではVTR101)を利用しようとするIEEE1394バス100上の他の装置(本例ではTV102)は、当該装置(VTR101)の同時利用可能カウンタをデクリメントした上で、利用者リストに当該他の装置(TV102)のID(例えばノードIDやEUI64など)を登録する。なお、EUI64とは、64ビットのハードウエアアドレスのことである。
【0049】
TV102は、同時利用カウンタデクリメント要求(S407)をVTR101に送出する。この要求には、何等かの形(例えばパケットの送信元アドレス)で送信元装置(TV102)のノードID(またはEUI64)が含まれている。
【0050】
これを受信したVTR101は、同時利用カウンタの値が1以上である場合には、このカウンタの値をデクリメントし、さらに同時利用カウンタデクリメント要求の送信元装置(TV102)のアドレス(ノードID=#y)を利用者リストに登録し(S408)、同時利用カウンタデクリメント要求がうまく行ったことを返答する(S409)。
【0051】
この時点で、TV102はVTR101の制御権を確保したことになり、操作コマンド(本例では再生コマンド)をVTR101に対して送付する(S410)。
【0052】
再生コマンドを受信したVTR101は、これに応じて再生動作を行い(S411)、IEEE1394バス100を経由してAVストリームをTV102に送付する(S412)。
【0053】
また、図4とは別の手順で制御権の確保を行なう方法もある。図6に、そのような処理シーケンスの他の例を示す。図4では、ユーザが装置(VTR)を選択した際に、制御パネル(取得・表示・コマンド入力)→同時利用カウンタデクリメントの順で制御を行なってきたが、図6では同時利用カウンタデクリメント→制御パネルの順で制御を行なう。すなわち、制御権の確保を先に行ない(S604〜S606)、制御権が確保できた場合にのみ、制御パネルを送付する(S607〜S608)。本実施形態では、図4の方式を中心として説明するものとしているが、もちろん、いずれの場合においても、図6の方式も可能である。
【0054】
次に、固定利用について説明する。
【0055】
例えば、VTR101の同時利用者数すなわち同時に制御権を持つことのできるものの数は1であり、現在TV102がその制御権を持っているものとする(この時点ではVTR101の同時利用カウンタは0である)。このとき、TV102のユーザは、自分が持っている制御権を他の装置に対しては与えたくない(制御権を維持し続けたい)と考えたとする。そのような場合に、例えば、図5のように制御パネルに「利用装置固定」のボタン(502)を設け、TV102のユーザがこのボタンを押すことにより、制御権が奪われないようにすることができる。
【0056】
図7に、この場合の処理手順の一例を示す。
【0057】
この「利用装置固定」ボタンが押された場合には(S701)、TV102内にある「固定利用レジスタ」に使用中の装置(VTR101)が記録され(S702)、後述するように「その装置は自分が使用中である」と主張することが出来るようになる(制御権を保護されるようになる)。
【0058】
また、「利用装置固定解除」ボタンを押すなり、ユーザがその装置の利用を終了するなりすると(S703,S704)、固定利用レジスタからその装置(VTR101)の登録を削除する(S705)。
【0059】
なお、IEEE1394バス100を経由せず、VTR101の装置そのものについているボタン等で制御を行なうことは、本実施形態における制御権とは関係なく可能であってもよい。あるいは、VTR101の装置そのものについているボタン等で制御を行なう場合にも本実施形態における制御権を登録し、当該制御権を絶対的なもの(常に制御権を維持することができ、かつ、常に制御権を奪い取ることができる)とするようにしてもよい。
【0060】
次に、IEEE1394バス100上の第3の装置(本例ではPC103)のユーザが、現在TV102が使っているVTR101の制御権を獲得しようとする場合について説明する。
【0061】
図8に、この場合の処理シーケンスの一例を示す。
【0062】
まず、前述のように、TV102のユーザが、「利用装置固定」のボタンを押し、TV102内の固定利用レジスタにVTR101が登録されている(S801〜S803)。
【0063】
ここで、PC103のユーザがVTR101の制御を行なおうとして、同時利用カウンタデクリメント要求を出す(S804)。
【0064】
これを受信したVTR101は、その許可の可否を判定する。判定中はPC103に対して「待て」の信号を送っておいてもよい(S805)。
【0065】
まず、VTR101は、自身の同時利用カウンタの値が0になっていることを確認し、誰かがVTR101の使用権を放棄しない限り、同時利用は出来ないことを認識する。そこで、利用者リストを参照し、そこに登録されているTV102に対して、「現在、VTR101を使用しているかどうかの確認」のための信号(使用確認要求)を送付する(S806)。
【0066】
図9に、使用確認要求を受けた際のTV102の手順の一例を示す。
【0067】
使用確認要求を受信したTV102は(S901)、固定利用レジスタを参照するなどして(S902,S904,S905,S907,S908)、自身がVTR101を使用中であると認識した場合には、「使用中」を意味する応答を返す(S807)(S906)。そうでなければ、「終了」を意味する応答を返す(S903,S909/S910)。
【0068】
「使用中」を意味する応答を返す場合としては、例えば、以下のような場合が考えられる(図9参照)。
(1)固定利用レジスタにその装置(VTR101)が登録されている場合(あらかじめユーザが制御権を手放したくないと宣言している場合)
(2)その装置(VTR101)とAVストリームをやりとりしている場合、あるいはやり取りをして一定時間以下しか経っていない場合
(3)その装置(VTR101)と制御コマンドのやり取りをしている場合、あるいはやり取りをして一定時間以下しか経っていない場合
(4)ユーザインタフェースを通して、ユーザに「現在その装置(VTR101)を使用中ですか?」と質問を出し、ユーザから使用中であるとのインタラクションを受けた場合
TV102から「使用中」である旨の使用確認応答を受信したVTR101は、要求元(PC103)が自装置を同時利用することは不可能であると認識し、その旨をPC103に通知する(S808)。
【0069】
なお、上記では、VTR101はTV102に依頼して使用確認を行ったが、現在VTR101が使用可能であるかどうかの判断を少なくとも一部分についてVTR101自身が行なっうようにしてもよい。
【0070】
図10に、この場合のVTR101における処理手順の一例を示す。
【0071】
制御パネルの送付や利用者リストの登録があった後に(S1001,S1002)、同時利用カウンタデクリメント要求を受信した際(S1003)、カウンタの値が0である場合には(S1004)、登録されている装置(TV102)とAVストリームあるいは制御コマンドをやり取りしており、もしくは一定時間以下しか経っていないならば(S1007)、使用中であるので(S1008)、要求元(PC103)に「デクリメントNG」を送付する(S1009)。そうでないならば、登録されている装置(TV102)に対してしよう確認要求を出し(S1010)、応答に応じた処理を行う。例えば、使用中の応答を受信したならば(S1011)、現在の利用者が使用中であるので(S1008)、デクリメントNGを送付する(S1009)。終了の応答を受信したならば(S1012)、この利用者を利用者リスト(TV102)から削除し、要求元の利用者(PC103)を追加し(S1013)、デクリメントOKを送付する(S1014)。もちろん、同時利用カウンタデクリメント要求を受信した際(S1003)、カウンタの値が0でない場合には(S1004)、同時利用可能カウンタをデクリメントし、要求元の利用者を利用者リストに追加し(S1005)、デクリメントOKを送付する(S1006)。
【0072】
これらを組み合わせることにより、例えば図11のように、VTR101の現在の制御権はTV102が持っている場合に、使用確認要求をTV102に送付し(S1104)、ユーザからのインタラクションがあったときには(S1104)、「使用中」の旨を返答し(S1105)、PC103には制御権を渡さないようにできる。また、例えば図12のように、ユーザからのインタラクションがなかったときには(S1205)、「使用終了」の旨を返答し、PC103に制御権を渡す(利用者リストから#yを削除し、#zを登録し直す)ことも可能となる。
【0073】
このようにして、VTR101は使用権の排他制御を行なうことが出来る。
【0074】
なお、上記では、固定利用レジスタについては、制御側の装置(TV)内に被制御側の装置(VTR)を登録したが、制御側の装置(TV)から被制御側の装置(VTR)に特別のメッセージで通知して被制御側の装置(VTR)内にそれを使用中の装置(TV)を登録するようにしてもよい。この場合、固定利用レジスタについての使用確認は、要求を受信した装置(VTR)内で行うことができる。
【0075】
さて、図11では、PC103が、VTR101の制御権を獲得できなかった場合、PC103のユーザは、単純に「同時利用カウンタのデクリメントに失敗した」、「VTR101の制御権確保に失敗した」という通知しか受けない。これは、PC103のユーザから見ると「ここからVTRの制御は今出来ない」ということを通知してもらうだけで、「では、どうすれば制御が出来るのか(そうすればVTRを使うことが出来るのか)」の情報を得ることが出来ない。そこで、よりきめ細かくユーザをサポートするために、図13のような仕組みを設けるようにしてもよい。
【0076】
すなわち、VTR101がPC103に「同時利用カウンタのデクリメントはできない」、「VTR101の制御権確保に失敗した」という通知を送る際に、利用者リストを参照して、現在自分自身(VTR101)の制御権を持っている装置(本例ではTV102)のID(本例ではノードID)を併せて通知する(S1307)。すると、理論的には、PC103(のユーザ)は少なくともTV102がVTR101を制御している点、また、TV102を使えばVTR101を使うことが出来る、と言うことを認識することが出来るようになる。
【0077】
ただし、ユーザからすると、実際にはTV102のノードIDを通知してもらっただけで、このノードIDを持った装置が一体何なのか、またどこにある装置なのかについて認識することは、ノードIDとその説明を記述した一覧表でも用意しない限り困難である(また、一覧表の作成とその使用も煩雑である)。
【0078】
そこで、TV102のノードID(#y)を通知してもらったPC103は、このノードIDを手がかりに、そのノードID(#y)を持つノード(TV102)に対して、構成情報要求を送出するようにする(S1308)。特に、この構成情報要求にて、「その装置の種別」および「位置」を知るのは重要である。すなわち、その応答(S1309)により、種別および位置を知ることができれば、図14に例示するように、ユーザに「1階の応接間のTVから使って下さい」といった具体的かつ直感的な指示を与えることが出来る(S1310)ため、(PC103の)ユーザにとって利便性が格段に向上する。特に、家庭環境では、このような直感的なわかりやすい指示が非常に重要であることから、このような利便性の向上は重要である。なお、図14ではユーザを支援するための情報を、文章によって呈示したが、図面によって呈示するようにしてもよいし、その他の形態によってあるいは複数の形態を併用して呈示するようにしてもよい。
【0079】
なお、この構成情報要求(S1308)はノードIDが#yのノードに対する属性情報レジスタの読み出し要求、応用(S1309)は前記レジスタの読み出し結果であってもよい。
【0080】
位置通知のメカニズムとして、本実施形態で記述した方法以外にも、コマンドレスポンス型の位置通知プロトコルの使用等、様々な方法を用いることが可能である。
【0081】
なお、実施形態においては、同時利用可能なユーザ数は1であるとして説明してきたが、同時利用可能なユーザ数が2以上であっても良く、その場合にも図10等にあるような処理手順に従えばよい。
【0082】
利用者リストに登録された装置が複数存在する場合には、ランダムに使用確認してもよいが、使用確認する装置の優先順位を定めるようにしてもよい。例えば、固定利用レジスタが設定されておらず、かつ、データのやり取りが行われていない装置から順番に使用確認する方法、装置毎に予め使用確認の対象とする優先度を定めておく方法、利用者リストに最も長く存在する装置から優先して確認する方法など、あるいはそのような基準を複数組み合わせて優先度を評価する方法等、種々の方法が考えられる。
【0083】
また、例えば制御側となる装置(本例ではTV)においてメニュー画面として当該装置からアクセスあるいは制御等のできる装置もしくはサービスのアイコン(例えばVTRアイコン)を表示する場合に、この時点で制御権が確保できるものと制御権が確保できないものとで、アイコン表示の表示形態を異ならせてその旨をユーザに呈示し、制御権が確保できないものについては選択できないようにしてもよい。また、制御権が確保できないものについては現在どの装置が制御権を保持しているかを併せて表示するようにしてもよい。
【0084】
さらに、上記のように予め各装置について制御権の確保の可能性をチェックしておく第1のモードと、図4や図6の手順例のようにユーザが装置を選択した後に制御権の有無をチェックする第2のモードとをユーザが選択可能としてもよい。このモード選択を各装置毎に設定可能としてもよい。
【0085】
また、第1のモードでメニュー画面の表示の際に、もしくは第2のモードで制御権確保ができなかったときのメッセージの表示の際に、制御権を確保できるようになるまでに要する予想時間もしくは今後少なくとも制御権を確保できないであろう予想時間等が分かれば、これを併せて表示するようにしてもよい。例えば、TV102がVTR101を利用している場合に、AVストリームの残量がa時間であるならば、その時間経過後に1つのコンテンツの視聴が終了し、制御権が解除されることが期待できるので、その旨を表示することにより、ユーザに情報を提供することができる。また、固定利用レジスタが設定されいるがデータのやり取りが何ら行われていない装置、あるいは逆に長時間データが流れ続けている装置がある場合には、その旨を表示するようにしてもよい。これ以外にも、ユーザに呈示するメッセージとしては、種々のものが考えられる。
【0086】
次に、図1において、VTR101がネットワーク上に接続された別の装置に対して、同時に2つ以上のサービスを提供しているように見せている場合についての例を示す。
【0087】
本実施形態においては、VTR101は、単純なVTRとしてだけでなく、録画したテレビ番組名を指定すると、その番組が録画されている位置までテープの位置を調整し、その位置から再生する、といった機能を持つ「テレビ番組サーバ」としての機能をも、IEEE1394バス100に接続された他の装置に対して、サービスとして見せる場合を考える。この場合、VTR101は、図15のように、属性情報レジスタとして、「VTR」と「テレビ番組サーバ」の2つのサービスを提供しているものとして、自身の提供サービスを登録する。各々のサービスについて、制御パネル、同時利用可能カウンタ、利用者リストが存在してもよい。
【0088】
ただし、外からは2つのサービスを提供しているように見えるものの、実体としては、ある1つの機能(VTR機能)を、複数の見せ方(VTRと、テレビ番組サーバ)で見せているだけであり、実際には、ネットワーク上の第1の別の装置がVTRとしてこの装置を使っている場合には、この装置のVTR機能は占有されている。よって、ネットワーク上の第2の別の装置が、この装置を例えばテレビ番組サーバとして使いたいと考えたとしても、実際には第1の別の装置がVTRとしてこの装置を占有しているため、使用は許可されるべきではない。
【0089】
そこで、図15のように、VTRの属性情報レジスタ内に、例えばハード的あるいはソフト的に同一の装置を使って提供されるサービスで、同時提供が不可能なサービスを記述しておくテーブルを用意しておく。このテーブルを「サービス同一みなしテーブル」と呼ぶ。このテーブルには、「同時提供が不可能なサービス」が並ぶため、このテーブル内のあるサービスが稼動した場合、該テーブルの他のサービスの提供も制限される。すなわち、このテーブル内のある同時利用可能カウンタの値が変化した場合、該テーブルの他のサービスの同時利用可能カウンタの値も変化する。
【0090】
これを図15のような属性情報レジスタを持つVTR101の場合の動作例を図16に示す。外部(例えば#y)から「VTRサービス」の同時利用可能カウンタのデクリメント要求を受けた場合(S1601)、サービス同一みなしテーブルを参照して(S1602)、「テレビ番組サーバ」と「VTR」とが同一みなしのサービスであると認識し(S1603)、「VTR」サービスの同時利用可能カウンタのデクリメントと利用者リストに#yを加えるとともに、「テレビ番組サーバ」サービスの同時利用可能カウンタのデクリメントを行い、「テレビ番組サーバ」利用者リストに#yを加える(S1604)。
【0091】
このようにすることにより、1つの装置(本例ではVTR)が複数のサービスインタフェース(本例ではVTRとテレビ番組サーバ)を持っている場合に、そのサービスの排他制御を実現することが出来るようになる。すなわち、外からは別の2つ以上のサービスを提供しているように見えるものの、実体としては、ある機能(VTR機能)を、複数の見せ方(VTRと、テレビ番組サーバ)で見せているような場合、実際にはネットワーク上の第1の別の装置がVTRとしてこの装置を使っているときに、ネットワーク上の第2の別の装置が、この装置を例えばテレビ番組サーバとして使いたいと考えたとしても(実際には第1の別の装置がVTRとしてこの装置を専有しているため)、使用は許可しないで済むようになる。
【0092】
なお、図15の例では、VTRサービス機能とテレビ番組サーバ機能が、別々に同時利用可能カウンタ、利用者リストを持っている場合について説明したが、「片方への書き換えが、もう片方への書き換えに必ず反映する」場合には、別々に同時利用可能カウンタや利用者リストを持っていることが無駄になる場合も考えられる。そこで、図17のように、片方(テレビ番組サーバ)の同時利用可能カウンタと利用者リストについては、もう片方(VTR)の同時利用可能カウンタと利用者リストへのポインタとし、同一の内容が書き込まれることになる同時利用可能カウンタと利用者リストの実体は、一つしか存在しないようにすることも可能である。
【0093】
次に、図1の装置の制御にリモコン(リモートコントローラ)を使う場合について説明する。
【0094】
リモコンと各装置の間では、IrDAや、コントロールIrに代表される、赤外線上で定義された制御プロトコル(赤外線プロトコルと呼ぶ)を用いるものとする。一方、第1の実施形態で説明したように、IEEE1394バス100上ではAV/C等のIEEE1394上(あるいはインターネットプロトコル上)で定義された制御プロトコル(1394プロトコルと呼ぶ)が用いられる。このため、前者の制御プロトコル(赤外線プロトコル)と、後者のプロトコル(1394プロトコルと呼ぶ)との間のプロトコル変換が行われる。
【0095】
図18に、TVがVTRの制御権の獲得を試みる場合(獲得できた場合)の処理シーケンスの一例を示す。また、図19に、PCがVTRの制御権の獲得を試みる場合(獲得できなかった場合)の処理シーケンスの一例を示す。
【0096】
例えば、ユーザは、TVのリモコンを操作して、TVの電源をオンにするとともに、TVがつながるネットワーク上の構成情報の入手を要求する(S1801)。この要求は赤外線プロトコルにより行われる。ここで、赤外線プロトコルに構成情報要求のコマンドが用意されているとする。
【0097】
これを受信したTV102は、これを1394プロトコルの構成情報要求に変換し、これを接続されたネットワーク(IEEE1394)上に流す(S1802)。第1の実施形態と同様に構成情報応答を受け取り(S1803)、これを赤外線プロトコルに変換して、TVリモコンに対して送出する(S1804)。
【0098】
例えば、この動作をIEEE1394に接続された各装置に対して行なうことにより、TVリモコンはIEEE1394上にどのような装置/サービスが存在しているかを認識することが出来るようになり、例えば装置/サービス一覧がTVリモコンに表示される。
【0099】
これらの中からユーザがVTRを選択したとすると(S1805)、TVリモコンは、VTR制御のための画面を赤外線プロトコルで要求する(S1806)。
【0100】
これを受信したTV102は、これを1394プロトコルの制御パネル要求コマンドに変換し(S1807)送出する。制御パネルの応答を受けた(S1808)TV102は、受信した制御パネルを赤外線プロトコルで用意された制御パネルに変換し(S1809)、VTR制御画面応答の形でTVリモコンに送出する(S1810)。
【0101】
この赤外線プロトコルで用意された制御パネルは、例えば、図5のような1394プロトコルの制御画面の一つ一つのボタンが、左上から右に順番にボタン1、ボタン2、、、というように展開され、それぞれのボタンの上に「巻き戻し」、「再生」といった文字が表示される、といったものでもよい。
【0102】
さて、ユーザが「再生」を意味するボタン(ボタン2)を選択したとすると(S1811)、赤外線プロトコルにてボタン2が押されたことをTV102に通知する。
【0103】
これを受信したTV102は、この時点でVTRの起動はなされていない(TV102がVTRの制御権を有してはいない)ことから、「VTRを起動する必要がある」と判断し、第1の実施形態と同様に、同時利用カウンタデクリメント(S1813)と、これが成功した場合に(S1815)続いて再生コマンド(S1816)が送出される。その間に、第1の実施形態と同様に、VTRの利用者リストには、TV102(のノードIDである#y)が追加されてもよい。
【0104】
そして、VTR101は再生動作を行い、IEEE1394を通して、AVストリームがTVに対して送出され(S1818)、TV102は、これを受信/復号/表示して、ユーザに映像を表示することになる。
【0105】
この状態(図19のS1901、S1902)で、TVリモコンにはVTR制御画面が引き続き表示されていても良い(S1903)。
【0106】
この状態で、PCのリモコンが図18のS1801〜S1810と同様にVTRの制御画面を表示し、PCのユーザがVTRの制御をしようとした(再生しようとした)とする(S1905)。
【0107】
PC103は、VTR101に対して同時利用カウンタデクリメント要求を送出する(S1906)。
【0108】
これを受信したVTRは、第1の実施形態と同様に、同時利用可能カウンタを参照し、現在TV102が使用中ということで、PC103の使用は不可であると判断して、第1の実施形態と同様に、「現在ノードID=#yのノードが使用中である」として、同時利用カウンタデクリメント要求に対する応答として、NGを送る。
【0109】
PCでは、第1の実施形態と同様に、このノードID(#y)が具体的にどこのどの様なノードであるかについての構成情報の入手を行い(S1908〜S1909)、PCのディスプレイに現在使用可能な装置(TV102)をPCのユーザに提示することにより、PCのユーザに「VTRを使いたい場合は、ここに行けば使うことが出来る」という情報を通知する。
【0110】
なお、本実施形態では、テレビ102を制御装置(本例ではVTRを制御する)の一例として、PC103を制御装置(本例ではテレビがVTRを制御中に同じVTRを制御しようとする)の一例として説明したが、もちろん、いずれの装置も、前者および後者の両方になり得るので、両方にとっての機能を設けるのが好ましい。また、VTR101を被制御装置の一例として、テレビ102とPC103を制御装置の一例として説明したが、もちろん、制御装置と被制御装置の両方になり得る装置については、その両方にとっての機能を設けるのが好ましい。
【0111】
また、本実施形態では、アクセスされる装置の一例としてVTRを、アクセスする装置(家庭ユーザがネットワークを介してサービスを利用するために操作する装置)の一例としてテレビとPCを用いたが、もちろん、本発明はこれらの装置に限定されず、どのような装置についても適用可能である。
【0112】
また、本実施形態では、ネットワークの一例としてIEEE1394バスを用いたが、もちろん、本発明はこれに限定されず、どのようなネットワークについても適用可能である。
【0113】
また、本実施形態では、ホームネットワークを一例として取り上げたが、もちろん、本発明はこれに限定されず、オフィスや学校、店舗、その他の建物、施設等に設けられるネットワークについても適用可能である。
【0114】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
【0115】
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施することもできる。
【0116】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、より有効なユーザ・サポートを考慮した排他制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るホームネットワークの全体構成例を示す図
【図2】被制御機器の一例であるVTRの内部構成例を示す図
【図3】属性情報レジスタの一例を示す図
【図4】制御権を取得する際の処理シーケンスの一例を示す図
【図5】制御画面の一例を示す図
【図6】制御権を取得する際の処理シーケンスの他の例を示す図
【図7】制御機器の一例であるTVにおける固定利用レジスタに関する処理手順の一例を示すフローチャート
【図8】使用確認要求に関する処理シーケンスの一例を示す図
【図9】制御機器の一例であるTVが使用確認要求を受信した際の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】被制御機器の一例であるVTRにおける処理手順の一例を示すフローチャート
【図11】使用確認要求に関する処理シーケンスの他の例を示す図
【図12】使用確認要求に関する処理シーケンスのさらに他の例を示す図
【図13】使用確認要求に関する処理シーケンスのさらに他の例を示す図
【図14】制御権が取得できなかった際にメッセージを呈示した画面の一例を示す図
【図15】属性情報レジスタの他の例を示す図
【図16】属性情報レジスタに対する処理の一例を示すフローチャートフローチャート
【図17】属性情報レジスタのさらに他の例を示す図
【図18】リモコンを使う場合で制御権を取得する際の処理シーケンスの一例を示す図
【図19】リモコンを使う場合で制御権を取得できなかった際の処理シーケンスの一例を示す図
【符号の説明】
100…IEEE1394バス
101…VTR
102…テレビ
103…PC
104…TVリモコン
105…PCリモコン
201…IEEE1394インタフェース
202…VTR処理部
203…AV/Cコマンド処理部
204…属性情報レジスタ

Claims (10)

  1. ネットワークに接続された通信装置であって、
    前記ネットワークを通して自通信装置を制御する制御権を保有する他の装置の識別情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に前記識別情報が記憶されていないさらに他の装置から、自通信装置に対して制御権の取得を要求するメッセージを受信した際に、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報の数が前記自通信装置を制御する制御権を同時に保有可能な他の装置の数に相当する、所定の数に達しているかを否か判定する判定手段と、
    この判定手段により前記所定の数に達していないと判定された場合に、前記さらに他の装置の識別情報を前記記憶手段に追加するとともに、該さらに他の装置に制御権取得成功を通知するメッセージを送信する第1の処理手段と、
    前記判定手段により前記所定の数に達していると判定された場合に、前記記憶手段に識別情報が記憶されている装置のうちに、その制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできるものが存在するか否かを調べる第2の処理手段と、
    前記第2の処理手段によりその制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできる装置が見つかった場合に、該制御権を譲り渡す装置の識別情報を前記記憶手段から削除し前記さらに他の装置の識別情報を前記記憶手段に追加するとともに、該さらに他の装置に制御権取得成功を通知するメッセージを送信する第3の処理手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
  2. 前記第2の処理手段は、自通信装置が現にデータをやり取りしている相手装置については、その制御権が維持されるべきものと判断することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記第2の処理手段は、自通信装置が最後にデータをやり取りしてから経過した時間が一定範囲以内である相手装置についても、その制御権が維持されるべきものと判断することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記第2の処理手段は、前記記憶手段に識別情報が記憶されている装置の少なくとも一部に対して、その制御権を維持するか否かを問い合わせるメッセージを送信し、その返答により該制御権が維持されるべきものか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 前記第2の処理手段は、前記メッセージを送信する対象とし得る装置が複数存在する場合に、所定の選択基準で選択した順番で、前記メッセージの送信およびその返答による前記判断を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信装置。
  6. 自通信装置に対する制御権を保有する他の装置から該制御権を維持し続ける旨の特別のメッセージを受信した場合に、該他の装置の識別情報を登録する登録手段を更に備え、前記第2の処理手段は、前記登録手段に識別情報が登録されている装置については、その制御権が維持されるべきものと判断することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記第2の処理手段によりその制御権を前記さらに他の装置に譲り渡すことのできる装置が見つからなかった場合に、前記さらに他の装置に制御権取得失敗を通知するメッセージを送信する第4の処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 前記第4の処理手段は、前記さらに他の装置に制御権を保有する他の装置の識別情報を前記メッセージに含めて送信することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  9. 自通信装置が複数の異なる装置またはサービスの形でネットワークに公開される場合には、公開された各装置またはサービス毎に、その制御権を保有する他の装置の識別情報を管理することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 前記異なる装置またはサービスのうちの特定の2以上のものについて制御権保有可能な装置の数がそれらの総和として限定される場合には、該特定の2以上の装置またはサービスについては前記制御権を保有する他の装置の識別情報を統一して管理することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
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