JP3613470B2 - 光ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気ディスクドライブ装置等の光学的情報記録再生装置に用いられる光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光磁気ディスクドライブ装置等の光学的情報記録再生装置に用いられる光ヘッドは、半導体レーザ(光照射器)から出射される光ビームを、光学系を介して光ディスク(情報記憶媒体)へ導き、光ディスクに反射された光ビームを、光学系を介して光センサに導いて、情報記録媒体の情報の読取や、位置ずれの検出を行う。
このような光ヘッドの構造の中で、光センサの設置における位置調整が最も精度を要求される。光センサをオプトベースに設置する方法としては、押しネジによる締め付け固定によるものがあるが、ネジの締め付けによって光センサの位置がずれてしまうため再調整が必要であった。この再調整を不用とするものとして、特開平5−274710号、及び特開平6−195720号に記載されているような、紫外線硬化性接着剤(紫外線接着剤)を用いた、光軸方向と直交する平面方向において光センサの位置調整が可能な方法がある。また、同じく紫外線接着剤を用い、さらに固定部材を介させることによって光軸方向を含む3方向において光センサの位置調整が可能な、特開平6−203388号、及び特開平6−274899号に記載されている方法がある。
この他に、光センサを、治具を用いて仮固定し、上記のような固定部材を用いずに紫外線接着剤のみで固定する、3次元接着による方法が知られている。この方法によると、仮固定において3次元的に位置調整が行え、固定部材も必要としない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3次元接着による光センサの固定は、紫外線接着材のみで光センサを支持するため、使用する紫外線接着剤の量が塗布による使用の場合よりも多くなり、紫外線接着剤の層が厚くなってしまう。また、光センサの生産ラインにおいて、通常、紫外線は一方向からのみしか照射されない。よって、例えば図4に示すように、光センサ21を備える光センサ基盤2をオプトベース4に固定する紫外線接着剤3は、紫外線が照射される斜線部のみが十分に硬化され、接着剤層の内部や、紫外線が照射される面とは反対側の面は硬化が不十分になる可能性があった。そのため、接着が不安定である可能性があり、生産性及び信頼性において問題があった。
紫外線照射時間を長くすることによって、接着剤層の内部を硬化させることもできるが、紫外線照射時間の延長は生産性の低下に繋がり、また、長時間紫外線を照射しても、紫外線が照射される側の反対側まで硬化させることは難しい。また、他の方向からも紫外線照射を行えるように生産ラインを変更することは、コスト面からみて実用的ではない。
本発明は、生産ラインに大きな変更を加えることなく、光センサを正確、かつ確実に設置できることを特徴とする光ヘッドを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明は、光ビームを照射する光照射器と、前記光照射器から照射された光ビームを情報記録媒体に導くとともに、前記情報記録媒体から反射される光ビームを所定方向に導く光学系と、前記情報記録媒体から反射されて前記光学系によって導かれる光ビームを受光する光センサを備える光センサ基板と、前記光照射器、前記光学系、及び前記光センサ基板を支持するオプトベースとを備え、前記オプトベースには、紫外線硬化性接着剤を介して前記光センサを固定する固定部とが備えられている光ヘッドにおいて、前記オプトベースには、前記紫外線硬化性接着剤に紫外線を照射して硬化する際に、照射される紫外線の一部を、照射方向とは異なる方向から紫外線硬化性接着剤に対して照射されるように反射する反射面が形成され、前記光センサ基板には、照射される該紫外線の一部を、前記反射面に到るように透過する切り欠きが形成されていることを特徴としている。また、前記光センサ基板を、四角形の四隅に切り欠きが形成されてなる十字の形状にして、この十字の第一画の書き始めの端部と書き終わりの端部に相当する2つの端辺が前記紫外線硬化性接着剤を介して前記2つの固定部にそれぞれ固着されるように構成したり、あるいは、四角形の対向する2つの角の部分に切り欠きが形成されてなるZ字の斜め線を垂直にしたような形状にして、このZ字の書き始めの端部と書き終わりの端部に相当する2つの端辺が前記紫外線硬化性接着剤を介して前記2つの固定部に固着されるように構成したりする。
【0005】
本発明によれば、前記オプトベースに反射面が設けられているので、紫外線接着剤に対して、紫外線が照射される方向からとともに紫外線が反射面によって反射される方向からも、紫外線照射を行うことができる。よって、紫外線接着剤をより広範囲において硬化する事ができ、接着の信頼性を高めることができる。
さらに、前記光センサ基板に切り欠きが設けられているため、反射方向から照射される紫外線の量を確保する事ができ、紫外線接着剤の硬化をより確実なものにし、接着の信頼性をより高めることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。図1に示すように、光ヘッド1は、光照射器としての半導体レーザ5と、光学系6と、光センサ21を備える光センサ基板2と、前記半導体レーザ5、前記光学系6、及び前記光センサ基板2を支持するオプトベース4とを備えている。
光学系6は、回折格子61、ハーフミラー62、コリメータレンズ63、及び対物レンズ64から構成され、半導体レーザ5から照射された光ビームを光ディスク(情報記録媒体)8に導くとともに、光ディスク8から反射される光ビームを所定方向に導く。
また、光センサ21は、光ディスク8から反射されて前記光学系6によって導かれる光ビームを受光して、光ディスク8の情報の読み取りや、位置ずれの検出を行う。
【0007】
光センサ21を備える光センサ基板2には、図2に示すように、四隅に切り欠き2aが設けられている。
オプトベース4は、アルミニューム材料等の表面光沢のある素材で形成されており、上方に延出して設けられた固定部41及び42を有する。
固定部41が延出している根元の内側には、反射面431及び432が形成されている。反射面431及び432は、図3に示すように、固定部41の両脇に、固定部41の先端部を取り巻くように略凹面を形成して配されており、紫外線の照射方向に対して、紫外線接着剤に紫外線を反射できる角度と距離に設定される。また、前述したように、オプトベース4は表面光沢を有する素材で形成されているため、反射面431及び432は略鏡面であり、光を反射できる。固定部42が延出している根元の内側にも、固定部41と同様に、反射面441及び432が形成されている。
【0008】
次に、光センサ基板2の位置決め及び固定の方法について説明する。
まず、光センサ基板2を図示しない調整治具に装着し、光ディスク8からの戻り光を光センサ21で受光させ、この受光を電気信号として観測するなどしながら、調整治具によって、光センサ基板2を光軸方向及び光軸方向と直交する平面方向に調整移動させ、光センサ基板2の位置決めを行う。
光センサ基板2が位置決めされたとき、光センサ基板2はオプトベース4に接触はせず、光センサ基板2の、両端に切り欠き2aが設けられた、向かい合う2辺2bと、固定部41及び42とが、間に隙間を残しつつ近接した状態となる。
【0009】
位置決めが完了したら、調整治具によって光センサ基板2を支持した状態で、前述した光センサ基板2と固定部41及び42の間に、その隙間を埋めるように紫外線接着剤31及び32を介させ、上方から紫外線を照射する。
紫外線接着剤31において紫外線が照射されると、図3に示すように、一部の紫外線Rは上面部分31aに照射され、該上面部分31aを硬化させる。
【0010】
紫外線接着剤31に紫外線を照射する際、光センサ基板2には切り欠き2aが設けられているため、一部の紫外線R’は、該切り欠き2aを透過して、反射面431及び432に到ることができる。
固定部41の根元の内側に形成された反射面431および432は、略鏡面であり、かつ固定部41の両脇に、固定部41の先端部を取り巻くように略凹面を形成して配されており、紫外線の照射方向に対して、紫外線接着剤に紫外線を反射できる角度と距離に設定される。よって、切り欠き2aを透過した紫外線R’は、反射面431及び432に、固定部41の先端部に向けて反射され、固定部41と光センサ基板2の辺2bの間に介されている紫外線接着剤31の下面部分31bに照射される。こうして、下面部分31bも、上面部分31aと同様に紫外線が照射されて硬化される。
このように、本発明によると、紫外線照射が一方向のみであっても、従来の上面部分31aのみが硬化される場合と比較して、紫外線接着剤31をより広範囲において硬化することができ、固定部41における光センサ基板2の接着の信頼性を高めることができる。
また、紫外線接着剤32においても、紫外線接着剤31においてと同様に、紫外線照射によって、該紫外線接着剤32の上面部分を硬化するとともに、照射された紫外線の一部が光センサ基板2の切り欠き2aを透過し、反射面441及び442に反射されて紫外線接着剤32の下面部分に照射されることによって、該下面部分も硬化することができる。
こうして、紫外線接着剤32を、一方向からのみの紫外線照射によっても、広範囲において硬化することができ、固定部42における光センサ基板2の接着の信頼性を高めることができる。
以上のようにして、紫外線照射を上方のみから行うという従来の生産ラインに大きな変更を加えることなく、3次元的に位置調節が可能な3次元接着によって、光センサ基板2をオプトベース4に確実に固定する事ができる。よって、光センサ21を正確、かつ確実に設置することを特徴とする光ヘッド1を提供する事ができる。
【0011】
なお、本実施例においては、光センサ基板2の四隅に切り欠き2aを設けた場合を説明したが、切り欠き2aの位置、大きさ、及び形状はこれに限られるものではない。例えば、図5に示すように、切り欠き2aを光センサ基板2の対角線上である2箇所に設けても良い。反射面は、照射される紫外線、特に切り欠きを透過する紫外線を、照射方向とは異なる方向から該紫外線硬化接着剤に対して照射されるように反射できるものであれば良い。よって、反射面の形状及び大きさ等は、実施例に示したものに限られるものではなく、切り欠きの形状等に応じて変更されうる。例えば図5のように、それぞれ1つの反射面43及び44を設けるようにしても良い。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、前記オプトベースに反射面が設けられているので、紫外線接着剤に対して、紫外線が照射される方向からとともに紫外線が反射面によって反射される方向からも、紫外線照射を行うことができる。よって、紫外線接着剤をより広範囲において硬化する事ができ、接着の信頼性を高めることができる。さらに、前記光センサ基板に切り欠きが設けられているため、反射方向から照射される紫外線の量を確保する事ができ、紫外線接着剤の硬化をより確実なものにし、接着の信頼性をより高めることができる。また、本発明の光センサ基板の形状により、光センサ基板を調整治具に装着して調整移動させて位置決めを行ったり、光センサ基板を調整治具で支持した状態で紫外線接着剤を付けたり、その状態で紫外線を照射して紫外線接着剤を硬化させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施例である光ヘッドを示す断面図である。
【図2】図1の、光センサ基板のオプトベースへの取付構造を示す斜視図である。
【図3】図2の、光センサ基板のオプトベースへの取付構造における紫外線接着剤が介された部分の縦断面図である。
【図4】従来の、光センサ基板のオプトベースへの取付構造における紫外線接着剤が介された部分の縦断面図である。
【図5】図2に示す、光センサ基板のオプトベースへの取付構造の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド
2 光センサ基板
21 光センサ
31,32 紫外線接着剤
4 オプトベース
5 半導体レーザ
6 光学系

Claims (2)

  1. 光ビームを照射する光照射器と、前記光照射器から照射された光ビームを情報記録媒体に導くとともに、前記情報記録媒体から反射される光ビームを所定方向に導く光学系と、前記情報記録媒体から反射されて前記光学系によって導かれる光ビームを受光する光センサを備える光センサ基板と、前記光照射器、前記光学系、及び前記光センサ基板を支持するオプトベースとを備えた光ヘッドにおいて、
    前記オプトベースには、互いに一方に延出され紫外線硬化性接着剤を介して前記光センサ基板を固定する2つの固定部と、前記紫外線硬化性接着剤に紫外線を照射して硬化する際に、照射される紫外線の一部を、照射方向とは異なる方向から紫外線硬化性接着剤に対して照射されるように反射する反射面が形成され、
    前記光センサ基板は、四角形の四隅に切り欠きが形成されてなる十字の形状をしてなり、この十字の第一画の書き始めの端部と書き終わりの端部に相当する2つの端辺が前記紫外線硬化性接着剤を介して前記2つの固定部にそれぞれ固着されるとともに、照射される紫外線の一部が前記切り欠きの部分を通過して前記オプトベースの前記反射面に到るように構成されていることを特徴とする光ヘッド。
  2. 光ビームを照射する光照射器と、前記光照射器から照射された光ビームを情報記録媒体に導くとともに、前記情報記録媒体から反射される光ビームを所定方向に導く光学系と、前記情報記録媒体から反射されて前記光学系によって導かれる光ビームを受光する光センサを備える光センサ基板と、前記光照射器、前記光学系、及び前記光センサ基板を支持するオプトベースとを備えた光ヘッドにおいて、
    前記オプトベースには、互いに一方に延出され紫外線硬化性接着剤を介して前記光センサ基板を固定する2つの固定部と、前記紫外線硬化性接着剤に紫外線を照射して硬化する際に、照射される紫外線の一部を、照射方向とは異なる方向から紫外線硬化性接着剤に対して照射されるように反射する反射面が形成され、
    前記光センサ基板は、四角形の対向する2つの角の部分に切り欠きが形成されてなるZ字の斜め線を垂直にしたような形状をしてなり、このZ字の書き始めの端部と書き終わりの端部に相当する2つの端辺が前記紫外線硬化性接着剤を介して前記2つの固定部に固着されるとともに、照射される紫外線の一部が前記切り欠きの部分を通過して前記オプトベースの前記反射面に到るように構成されていることを特徴とする光ヘッド。
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