JP3613420B2 - 有害生物防除マイクロカプセル組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害生物防除活性成分の放出速度が制御されてなるマイクロカプセル化された組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで有害生物防除剤をマイクロカプセル化して活性成分の放出を制御する方法は種々提案されている。例えば、リグニンスルホン酸塩を乳化剤として使用し、多価イソシアネートとしてポリメチレンポリフェニルイソシアネートを使用して多官能性アミンと反応させポリウレア膜内に水非混和性除草剤を内包させるマイクロカプセルの製造方法(特公昭63−32761)、ポリウレアのカプセル膜内に除草作用を有するN−クロロアセチルシクロヘキセンアミンを封入したマイクロカプセルの水性懸濁剤組成物(特開昭63−230606)、平均分子量150〜8000000のポリエチレンオキシドおよび/または平均分子量134〜300のポリプロピレングリコールをマイクロカプセルの被膜中に添加して放出制御する方法および農薬組成物(特開平7−165505)等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロカプセル化した有害生物防除剤組成物は、一般に活性成分のマイクロカプセル膜外への放出が抑制され残効性に優れるが、初期効力は不十分なことが多く、また、活性成分がカプセル内に残ってしまい有効に利用できない場合があった。本発明の有害生物防除剤マイクロカプセル組成物は、活性成分のマイクロカプセル膜外への放出が制御できるため初期効力、残効性とも優れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は20℃の水に対する溶解度が1%以下である有害生物防除剤および/または難水溶性溶剤に溶解せしめた該有害生物防除剤を芯物質として、多価イソシアネートと多官能性アミンで界面重合法によりポリウレア膜マイクロカプセルに内包せしめ、該多価イソシアネートが芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、芳香族イソシアネートが多価イソシアネートの全量に対して5〜80重量%である。更に、好ましくは芯物質に対する多価イソシアネートの比率yと芳香族イソシアネートの多価イソシアネート全量に対する比率xの関係において芯物質に対する多価イソシアネートの比率が下記の式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)である事を特徴とするマイクロカプセル内の有害生物防除活性成分の膜外への放出速度が制御された有害生物防除マイクロカプセル組成物に関するものであり、
【0005】
【数3】
y=−0.015x+2.0 (式−1)
【0006】
【数4】
y=−0.13x+20.0 (式−2)
芯物質に対する多価イソシアネートの比率が、式−1より少ない場合は、速効性には優れるものの、残効性が劣ったり、薬害が生じる場合がある。また、式−2より多い場合はカプセル膜外への活性成分の放出が抑制され初期効果が不十分だったり、活性成分がカプセル内に残ってしまい有効に利用できない場合がある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明の有害生物防除剤をマイクロカプセル化方法は、有害生物防除剤が液状であれば難水溶性溶剤と混合しても良いが、そのままでも使用でき、また固体であれば難水溶性溶剤に溶解したもの(以下芯物質と記す)に多価イソシアネートを混合溶解する。これら油状物質を分散剤を溶解した水溶液中に分散させ、撹拌しながら多官能性アミンを添加せしめ、分散粒子表面にポリウレアのカプセル膜を形成させることができる。その際、該有害生物防除剤の水溶性が高いと、粒子表面でのカプセル膜の形成が不良になり良好なマイクロカプセルが製造できない。
【0008】
本発明で使用される多価イソシアネートは、芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、芳香族イソシアネートが多価イソシアネートの全量に対して5〜80重量%である。ここで使用する多価イソシアネートの内、芳香族イソシアネートが5%より少ない使用量では、速効性には優れるものの、残効性が劣ったり、薬害が生じる場合がある。逆に80%より多い使用量では、カプセル膜外への活性成分の放出が抑制され初期効果が不十分だったり、活性成分がカプセル内に残ってしまい有効に利用できない場合がある。
【0009】
更に、好ましくは芯物質に対する多価イソシアネートの比率yと芳香族イソシアネートの多価イソシアネート全量に対する比率xの関係において芯物質に対する多価イソシアネートの比率が図−1のように式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)にすることによりマイクロカプセル内の有害生物防除活性成分の膜外への放出速度が制御された有害生物防除マイクロカプセル組成物を得ることができる。
【0010】
本発明に適用される有害生物防除剤は、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、昆虫フェロモン等であり20℃の水に対して1%以下の溶解度である非水溶性あるいは難水溶性の油状液体か難水溶性溶剤に溶解して液体になる性質を有し、具体的には、殺虫剤および/または殺ダニ剤として、
(1)O−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)O,O−ジエチル ホスホロチオエート{クロルピリホス}
(2)O,O−ジメチル O−(2−イソプロピル−6−メチル−4−ピリミジニル)ホスホロチオエート{ダイアジノン}
(3)O,O−ジエチル O−5−フェニルイソキサゾール−3イル−ホスホロチオエート{イソキサチオン}
(4)O−エチル O−2−イソプロポキシ−カルボニルフェニル イソプロピルホスホロアミドチオエート{イソフェンホス}
(5)O,O−ジエチル−s−2−エチル−チオエチル ホスホロジチオエート{エチルチオメトン}
(6)O−6−エトキシ−2−エチルピリミジン−イル O,O−ジメチル ホスホロチオエート{エトリムホス}
(7)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル 7−ベンゾフラニル−N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカルボメート{カルボスルファン}
(8)O,O−ジメチル O−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)ホスホロチオエート{クロルピリホスメチル}
(9)イソプロピル 4,4’−ジクロロベンジレート{クロルプロピレート}(10)エチル4,4’−ジクロロベンジレート{クロルベンジレート}
(11)2,2,2−トリクロロ−1,1−ビス(4−クロロフェニル)エタノール{ケルセン}
(12)2−メトキシ−4H−ベンゾ−1,3,2−ジオキサホスホロイン−2−スルファイド{サリチオン}
(13)1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア{ジフルベンズフロン}
(14)2−クロロ−1−(2,4−ジクロロフェニル)ビニル ジメチルホスフェート{ランガード}
(15)O,O−ジメチル sーメチルカルバモイルメチル ホスホロジチオエ−ト{ジメトート}
(16)O−エチル O−4−メチルチオフェニル s−プロピルホスホロジチオエート{スルプロホス}
(17)s−2−エチルチオエチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート{チオメトン}
(18)4−クロロフェニル−2,4,5−トリクロロフェニル スルフォン{テトラジホン}
(19)O,O−ジエチル O−(3−オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジン−6イル)ホスホロチオエート{ピリダフェンチオン}
(20)O−2−ジエチルアミノ−6−メチルピリミジン−4−イル O,O−ジメチルホスホロチオエート{ピリミホスメチル}
(21)イソプロピル 4,4’−ジブロモベンジレート{フェニソブロモレート}
(22)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(S)−2−(4−ジフルオロ−メトキシフェニル)−3−メチルブチレート{フルシトリネート}
(23)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(R)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート{フェンバレレート}
(24)(S)−αーシアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート{エスフェンバレレート}
(25)2−t−ブチルアミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−ワン{ブプロフェジン}
(26)O−(2,4−ジクロロフェニル)O−エチル s−プロピル ホスホロジチオエート{プロチオホス}
(27)4−(メチルチオ)フェニルジプロピルホスフェート{プロパホス}
(28)O−4−ブロモ−2−クロロフェニル O−エチルs−プロピル ホスホロチオエート{プロフェノス}
(29)トランス−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−チアゾリジン−3−カルボキシアミド{ヘキシチアゾクス}
(30)3−(フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート{ペルメトリン}
(31)S,S 2−ジメチルアミノトリ−メチレンジベンゼンスルホネート{ベンスルタップ}
(32)6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピン−3−オキシド {チオダン}
(33)3−クロロ−α−エトキシアミノ−2,6−ジメトキシベンジルベンゾエート{ベンゾメート}
(34)2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル メチルカルバメート{ベンダイオカルブ}
(35)s−[1,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル]O,O−ジメチルホスホロジチオエート{マラソン}
(36)2−sec−ブチルフェニルメチルカルバメート{BPMC}
(37)2−(4−t−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロプ−2−イニルスルホネート{BPPS)
(38)1,2−ジブロノ−2,2−ジクロロエチルホスフェート{BRP}
(39)4−クロロフェニル−4−クロロベンゼンスルホネート{CPCBS}
(40)2−クロロ−1−(2,4,−ジクロロフェニル)ビニルジエチルホスフェート{CVP}
(41)O−4−シアノフェニル O,O−ジメチルホスホロチオート{CYAP}
(42)s−(2−メトキシ−5−オキソ−1,3,4−チアジアゾリン−4−イルメチル)ジメチルホスホロチオロチオネート{DMTB}
(43)O−2,4−ジクロロフェニル O,Oジエチルホスホロチオエート{ECP}
(44)O−エチル O−p−ニトロフェニル フェニルホスホノチオート{EPN}
(45)O,O−ジメル O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート{MEP}
(46)2−イソプロピルフェニル メチルカーバメート{MIPC}
(47)O,O−ジメチル O−4−メチルチオ−m−トリルホスホロチオート{MPP}
(48)1−ナフチルメチルカーバメート{NAC}
(49)s−α−エトキシカルボニルベンジル O,O−ジメチルホスホロジチオエート{PAP}
(50)O,O−ジメチルs−フタルイミドメチル ホスホロジチオエート{PMP}
(51)3,5−キシリルメチルカーバメート{XMC}
(52)2(4−エトキシフェニル)2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジルエーテル{エトフェンプロックス}
(53)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート{シクロプロトルン}
(54)1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンジル)ウレア{クロルフルアズロン}
(55)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート{フルバリネート}
(56)O,O−ジメチル O−4−ニトロ−m−トリル ホスホロチオエート{フェニトロチオン}
(57)O−(2,2−ジクロロビニル) O,O−ジメチルホスフェート{ジクロルボス}
(58)O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−メチルチオフェニル) ホスホロチオレー{フェンチオン}
(59)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート{フェンプロパトリン}
(60)3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−クリサンテメート{d−フェノスリン}
(61)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス,トランス−クリサンテメート{サイフェノスリン}
(62)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロルビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート{シペルメトリン}
(63)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス,トランス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート{デルタメスリン}
(64)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R,1S)−シス−2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート{トラロメスリン}
(65)3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル(1RS)−シス,トランス−クリサンテメート{テトラメスリン}
(66)3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル(1R)−シス,トランス−クリサンテメート{d−テトラメスリン}
(67)(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オキシクロベント−2−エンイル(1RS)−シス,トランス−クリサンテメート{アレスリン}
(68)(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オキシクロベント−2−エンイル(1R)−シス,トランス−クリサンテメート{d−アレスリン}
(69)(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロビニル)シクロペント−2−エンイル(1R)−シス,トランス−クリサンテメート{プラレスリン}
(70)(R3)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−(1R)−シス,トランス−クリサンテメート{エンペンスリン}
(71)5−ベンジル−3−フリルメチル (1RS)−シス,トランス−クリサンテメート{レスメスリン}
(72)5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−クリサンテメート{d−レスメスリン}
(73)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R,トランス)−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート{シハロトリン}
(74)α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−(1R,トランス)2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート{サイフルスリン}
(75)α−シアノ−3−フェノキシベンジル2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−イソバレレート{フルサイスリネート}
(76)2−メチル−3−フェニルベンジル (1R,トランス}−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート{ビフェンスリン}
(77)2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R,トランス)−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート{テフルスリン}
(78)4−フェノキシフェニル(RS)−2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテル{ピリプロキシフェン}
(79)イソプロピル(E,E)−(RS)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチルドデカ 2,4−ジエノエート{メソプレン}
(80)エチル{2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル}カーバメート{フェノキシカーブ}
(81)エチル3,7,11−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート{ハイドロプレン}
(82)N−4−クロロフェニル−N’−2,6−ジフロオロベンゾイルウレア{ジフルベンズロン}
(83)N−3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル−N’−2,6−ジフルオロベンゾイルウレア{テフルベンズロン}
(84)N−4−トリフルオロメトキシフェニル−N’−2,6−ジフルオロベンゾイルウレア{トリフルムロン}
(85)N−2−フルオロ−4−(2−クロロ−4−トリフルオロフェノキシオキシ)フェニル−N’−2,6−ジフルオロベンゾイルウレア{フルフェノクスロン}等があげられる。
【0011】
殺菌剤としては
(86)ジイソプロピル 1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート{イソプロチオラン}
(87)3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキシアミド{イプロジオン}
(88)5−エトキシ−3(トリクロロメチル)−1,2,4−チアジアゾール{エクロメゾール}
(89)1,2,3,6−テトラヒドロ−N−(トリクロロメチルチオ)フタルイミド(キャプタン}
(90)1,4−ジクロロ−2,5−ジメトキシベンゼン{クロロネブ}
(91)N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’−N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド{ジクロフルアニド}
(92)テトラメチルジスルファイド{チウラム}
(93)ジメチル4,4’−(O−フェニレン)ビス(3−チオアロファネート){チオファネートメチル}
(94)1−(4−クロロフェノキシ )−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン{トリアジメホン}
(95)2,4−ジクロロ−6−(2−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン{トリアジン}
(96)(RS)−N−(1−ブトキシ−2,2,2−トリクロロエチル)サリチルアミド{トリクラミド}
(97)O−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル)O,O−ジメチル ホスホロチオエート{トリクロホスメチル}
(98)(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチルイデン)−O−トルイデン{トリフルミゾール}
(99)1−(ビフェニル−4イロキシ)−3,3−ジメチル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オル{バイコラール}
(100)5−メチルイソキサゾール−3−オル(ヒドロキシイソキサゾール}
(101)2−sec−ブチル−4,6−ジニトロ−フェニル 3−メチルクロトネート{ビナパクリル}
(102)フェナジン−5−オキシド(フェナジンオキシド}
(103)4,5,6−テトラクロロフタルイド{フサライド}
(104)N−(p−フルオロフェニル)2,3−ジクロロマレイミド{フルオルイミド}
(105)α,α,α−トリフルオロ−O−トルアニリド{フルトラニル}
(106)N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシアミド{プロシミドン}
(107)3−アリロキシ−1,2−ベンジソ−チアゾール−1,2−ジオキサイド{プロベナゾール}
(108)メチル1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−イルカーバメート(ベノミル)
(109)1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニルウレア{ベンシクロン}
(110)N−メチル N−(p−メチルスルフォニルオキシフェニル)チオカルボキシアミド{メタスルホカルブ}
(111)3’−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリド{メプロニtル}
(112)2,6−ジクロロ−4−ニトロ−アニリン{CNA}
(113)O−エチル S’S−ジフェニルホスホロジチオエート{EDDP}
(114)ペンタクロロニトロベンゼン{PCNB}
(115)テトラクロロイソ−フタロニトリル{TPN}
(116)(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール{ジニコナゾール}
(117)O−2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル−O,O−ジメチルホスホロチオエート{トルクロホスメチル}
(118)N−プロピル−N−{2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル}イミダゾール−1−カルボキサミド{プロクロラズ}
(119)(±)−2,4’−ジクロロ−α−(ピリミジン−5−イル)ベンズヒドリルアルコール{フェナリモール}
(120)N−{3−(1−メチルエトキシ)フェニル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド{フラトラニル}等が挙げられる。
【0012】
除草剤および/または植物成長調節剤としては、
(121)2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸エチル{MCPB−E}
(122)2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−プロポキシエチル)アセトアニリド{プレチラクロール}
(123)α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド{ナプロアニリド}
(124)2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン{シメトリン}
(125)S−ターシャリーブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン{オキサジアゾン}
(126)S−2−メチル−ピペリジル−カルボニルメチル−O,O−ジ−n−プロピルジチオホスフェート{ピペロホス}
(127)3−イソプロピル−2,1,3−ベンゾチアジアノン−(4)−2,2−ジオキシド{ベンタゾン}
(128)2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−S−トリアジン(ジメタメトリン}
(129)3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−[(2−メトキシカルバニルベンジル)スルフォニル]ウレア{ベンスルフロンメチル}
(130)2−クロロ−2,6−ジエチル−N−(メトキシメチル)アセトアニチド{アラクロール}
(131)S−2−メチルピペリジノカルボニルメチル−O,O−ジプロピルフォスフォロジチオエート{ピペロホス}
(132)4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾイル−P−トルエンスルホネート(ピラゾレート}
(133)N−(ブトキシメチル)−2−クロロ−2−6−ジエチルアセトアニリド{ブタクロール}
(134)S−4−クロロベンジルジエチルチオカーバメート{ベンチオカーブ}(135)2−クロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド{メトラクロール}
(136)S−エチル−N,N−ヘキサメチレンチオカーバメート{モリネート}
(137)1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−P−トリールウレア(ダイムロン}
(138)2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2,6−ジメチルアセトアニリド{テリルクロール}
(139)1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イソスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア{イマゾスルフロン}
(140)エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラート{ピラゾスルフロンエチル}
(141)1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア{フラザスルフロン}
(142)メチル=3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−2−テノアート{チフェンスルフロンメチル}
(143)メチル=2−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾアート{メトスルフロンメチル}(144)n−ブチル−(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート{シハロホップブチル}
(145)2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド{メフェナセット}
(146)5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロアニソール{クロメトキシニル}
(147)1−(2−クロロフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレア{クロルスルホン}
(148)3−(4−イソプロプルフェニル)−1,1−ジメチルウレア{イソプロツロン}
(149)4−アミノ−5−tert−ブチル−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)オン{メトリプジン}
(150)2,6−ジニトロ−N,N−ジプロピル−4−トリフルオロメチルアニリン{トリフルラリン}
(151)6−クロロ−N−エチル−N’−イソプロピル−1,3,5−トリアジンジイル−2,4−ジアミン{アトラジン}
(152)2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン{シマジン}
(153)3(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア{リニュロン}等が挙げられる。該有害生物防除剤を単独か2種類以上混合してマイクロカプセル剤にしても良い。該有害生物防除剤をマイクロカプセル化する際の系全体に対する該有害生物防除剤の含有量は該有害生物防除剤の力価や物理的・化学的性状によっても異なるが1〜40%(以下、重量%を表す)程度が好ましい。
【0013】
該有害生物防除剤はマイクロカプセル化する際、水中で微細な分散粒子にさせるため、該有害生物防除剤が油状の場合はそのまま使用しても良いが、必要に応じて予め溶剤を使用したり加温したりして分散粒子を作りやすい油状液体にしておく。使用する溶剤としては難水溶性か非水溶性のものがよく、例えばブチルエーテル、エチルビニルエーテル等エーテル類、ジクロロメタン、トリクロロエタン等の有機塩素類、マシン油等の鉱油類、植物油類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類、低分子エポキシ化合物等が挙げられる。
【0014】
これらのマイクロカプセル化で分散粒子のコントロールや効率良いカプセル化を行うためには分散剤が重要な役割を果たし、例えばアクリル酸重合物、(メタ)アクリル酸共重合物(アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリロニトリル、スチレンスルホン酸、酢酸ビニル等との共重合物)、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレンとの共重合物)、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子物質、キサンタンガム、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等の天然多糖類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニル縮合物、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミド類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の界面活性剤等の単独または2種以上を組み合わせて使用し、分散系全体に対して通常0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%が使用される。
使用方法としては連続相である水に所定量の分散剤を溶解しておき、撹拌しながらこれに難水溶性または非水溶性の芯物質を加えるか、加えた後に撹拌するかして分散系を作製する。但し、芯物質に可溶の分散剤はあらかじめ芯物質に溶解して使用することもできる。尚、これらの分散剤はマイクロカプセルを製造した後、カプセルが沈降しないように分散系を安定化させるためにも使用できる。
【0015】
本発明で使用される多価イソシアネートは、芳香族イソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、メチレン−ビス−(4−フェニルイソシアネート)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられ、非芳香族イソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、使用される多価イソシアネートの内、芳香族イソシアネートの比率は5〜80%であるが芳香族イソシアネート単独あるいは2種類以上使用しても良く、非芳香族イソシアネートも同様に単独あるいは2種類以上使用しても良い。
【0016】
多官能性アミンについては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレン−1,3−ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テロラエチレンペンタミン、1,3−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン等であり、これら多官能性アミンを単独あるいは2種類以上使用しても良い。
【0017】
界面重合法によるマイクロカプセル化の工程は、(1)芯物質を水中に微粒子で懸濁させ、分散系を作製する工程と(2)その分散粒子の表面で膜材を反応させて樹脂膜によるマイクロカプセルを作製する重合反応工程の2段階に分けられるが、マイクロカプセルの粒子径は(1)の分散系の工程でほぼ決定されるのでこの工程でカプセル粒子の設計に合わせた分散剤及び撹拌方法(撹拌機種、撹拌スピード等)を選ぶことが重要である。
【0018】
また、必要に応じてその他の補助剤、例えば該活性物質の分解防止剤等を内包させることもできる。製造されたマイクロカプセルは通常、分散系を安定化させるための増粘剤を添加する。増粘剤としては、たとえばキサンタンガム(ザンタンガム),ローカストビーム等の天然多糖類、マグネシウムアルミニウムシリケート、ベントナイト等の鉱物質微粉末等、カルボキシメチルセルロース等の半合成多糖類、ポリアクリル酸等の合成高分子を単独または2種以上で混合して用いる事ができる。
さらに、必要に応じてプロピレングリコール、エチレングリコール等の凍結防止剤、BHT等の安定化剤、ピペロニルブトキサイド等の協力剤,防黴剤,着色剤、芳香剤などを添加して水中懸濁状製剤とする。
【0019】
本発明のマイクロカプセルの平均粒子径は有害生物防除剤の性状により適宜選ぶことができ、通常3〜50μm、好ましくは5〜40μmである。
【0020】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明する(以下、部は重量部を表す)。
【0021】
実施例1
2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸エチル(MCPB−E)300部に膜材としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート3.2部およびイソホロンジイソシアネート12.6部を加え均一に混合溶解し、油状物質を調製した。他の容器にゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液521部を入れ30℃に加温し分散液を調製した。1Lの容器に油状物質と分散液を入れ、ミキシングアナライザー2500型(特殊機化工業社製)を用い回転数8000rpmで5分間分散しO/W型のエマルジョンを調製した。これにエチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液13.2部を加え、60℃で3時間反応させポリウレア膜のマイクロカプセル液を調製した。更に、プロピレングリコールの50%水溶液100部およびキサンタンガムの2%水溶液50部を加え均一に混合し、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は13.5μmであった。
【0022】
実施例2
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを7.1部に、イソホロンジイソシアネートを8.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は45%である。平均粒子径の測定値は13.9μmであった。
【0023】
実施例3
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを11.1部に、イソホロンジイソシアネートを4.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は70%である。平均粒子径の測定値は14.4μmであった。
【0024】
実施例4
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを10.6部に、イソホロンジイソシアネートを42.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を453部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を44.1部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネ物質中の多価イソシアネート重量比率は15%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は14.2μmであった。
【0025】
実施例5
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを18.4部に、イソホロンジイソシアネートを22.5部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を478部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を34.1部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は12%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は45%である。平均粒子径の測定値は14.8μmであった。
【0026】
実施例6
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを18.3部に、イソホロンジイソシアネートを7.8部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を502.1部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を21.8部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は8%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は70%である。平均粒子径の測定値は14.7μmであった。
【0027】
実施例7
O−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)O,O−ジエチル ホスホロチオエート(クロルピリホス)250部に溶剤としてハイゾール#150(日本石油社製)50部を加え45℃に加熱し均一な溶液とした、更に、膜材としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート3.2部およびヘキサメチレンジイソシアネート12.6部を加え均一に混合溶解し、油状物質を調製した。他の容器にゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液521部を入れ30℃に加温し分散液を調製した。1Lの容器に油状物質と分散液を入れ、ミキシングアナライザー2500型(特殊機化工業社製)を用い回転数9000rpmで5分間分散しO/W型のエマルジョンを調製した。これにエチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液13.2部を加え、60℃で3時間反応させポリウレア膜のマイクロカプセル液を調製した。更に、プロピレングリコールの50%水溶液100部およびキサンタンガムの2%水溶液50部を加え均一に混合し、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は10.2μmであった。
【0028】
実施例8
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを7.1部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを8.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は45%である。平均粒子径の測定値は10.5μmであった。
【0029】
実施例9
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを11.1部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを4.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は70%である。平均粒子径の測定値は10.9μmであった。
【0030】
実施例10
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを10.6部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを42.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を453部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を44.1部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は15%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は11.3μmであった。
【0031】
実施例11
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを18.4部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを22.5部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を478部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を34.1部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は12%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は45%である。平均粒子径の測定値は11.6μmであった。
【0032】
実施例12
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを18.3部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを7.8部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を502.1部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を21.8部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は8%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は70%である。平均粒子径の測定値は11.5μmであった。
【0033】
比較例1
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを0.16部に、イソホロンジイソシアネートを15.64部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は1%である。平均粒子径の測定値は13.9μmであった。
【0034】
比較例2
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを24.8部に、イソホロンジイソシアネートを1.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を502.1部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を21.8部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量30%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネ物質中の多価イソシアネート重量比率は8%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は95%である。平均粒子径の測定値は14.8μmであった。
【0035】
比較例3
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを0.16部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを15.64部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は5%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は1%である。平均粒子径の測定値は10.1μmであった。
【0036】
比較例4
実施例7のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを24.8部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを1.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を502.1部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を21.8部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例7と同様に行い、含量25%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は8%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は95%である。平均粒子径の測定値は11.9μmであった。
【0037】
試験例1;水稲に対する薬害試験
供試薬剤;実施例1〜6,比較例1〜2
試験方法;品種アキニシキ,葉令2〜3Lの水稲を3本/ポット移植する。移植5日後に薬剤を有効成分で40g/10a処理する。
調査方法;薬剤処理1カ月後に茎葉部の生体重を秤量し、対無処理比(%)を算出する(3連制の平均値)。
試験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
上記のように比較例1では明らかに薬害が見られるが、実施例および比較例2では若干の生育抑制が見られるが実用上問題なかった。
【0039】
試験例2;コナギの除草効力試験
供試薬剤;実施例1〜6,比較例1〜2
試験方法;600cm2 のバットに水田土壌を入れ、コナギを播種する。播種5日後に薬剤を有効成分で20g/10a処理する。
調査方法;薬剤処理後2週間後および4週間後に発芽したコナギの本数を調査する(3連制の平均値)。尚、2週間後に調査したコナギは全て除去する。
試験結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
上記のように実施例では良好な効力を示したが、比較例1では2週間後の調査で良好な効力を示したものの4週間後では効力が劣り残効性に問題があった。また、比較例2では2週間後および4週間後の双方の調査で効力が劣り、カプセル膜外への活性成分の放出が抑制され有効に利用されていないようであった。
【0041】
試験例2;白アリの殺虫効力試験
供試薬剤;実施例7〜12,比較例3〜4
試験方法;直径10cmの腰高シャーレに畑土壌300gを入れ土壌表面を平らにする、供試薬剤の300倍水希釈液(活性成分0.1%)を24ml(3L/m2 相当)土壌表面に均一に処理する。
処理後室温保存1日後および40℃の恒温槽保存6ヶ月後に、白アリの職蟻20頭および兵蟻1頭を土壌表面に放虫する。
調査方法;白アリ放虫24時間後の職蟻の死虫数を調査し(3連制の平均値)、死虫率を算出する。尚、兵蟻については調査の対象外とする。
試験結果;を表3に示す。
【0042】
【表3】
上記のように実施例では良好な効力を示したが、比較例3では1日後の調査で良好な効力を示したものの6ヶ月後では効力が劣り残効性に問題があった。また、比較例4では1日後および6ヶ月後の双方の調査で効力が劣り、カプセル膜外への活性成分の放出が抑制され有効に利用されていないようであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の有害生物防除マイクロカプセル組成物は、活性成分のマイクロカプセル膜外への放出が制御できるため、対象作物に対する薬害等で使用できなかった作物に対しても使用が可能になり、同様に薬害等で使用できなかった処理時期にも使用が可能になった。又、有効期間が短く数回の処理が必要であった薬剤に対しても残効性付与が可能になり有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】油状物質中の多価イソシアネートの重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率xの関係式 式−1(y=−0.015x+2.0)及び式−2(y=−0.13x+20.0)を示す。
【符号の説明】
1 式−2
2 式−1
Claims (2)
- 20℃の水に対する溶解度が1%以下である有害生物防除剤および/または難水溶性溶剤に溶解せしめた該有害生物防除剤を芯物質として、多価イソシアネートと多官能性アミンで界面重合法によりポリウレア膜マイクロカプセルに内包せしめ、該多価イソシアネートが芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネートが5〜80重量%であることを特徴とする、マイクロカプセル内の有害生物防除活性成分の膜外への放出速度が制御された、有害生物防除マイクロカプセル組成物。
- 芯物質と多価イソシアネートの混合物を油状物質とした時、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率xの関係において、油状物質中の多価イソシアネート比率が下記の式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)であることを特徴とする請求項1記載の有害生物防除マイクロカプセル組成物。
【数1】
y=−0.015x+2.0 (式−1)
【数2】
y=−0.13x+20.0 (式−2)
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