JP3613315B2 - ブーム制御装置及びブーム式作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブーム装置及びブーム式作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブーム式作業車の一種である乗用ブームスプレーヤとして、運転席を有する走行機体の前部または後部に、前後方向へと折り畳み自在なブーム装置を備えたものがある。該ブーム装置は、例えば、移動時や運搬時や格納時等の便宜のため、前記機体の左右外方へ延びる噴霧作業時用展張状態から、前記機体の左右側面に沿う収納状態へと、折り畳み自在とされている。前記ブーム装置の折り畳み駆動は、例えば、電動式アクチュエータ等によって行われ、これらは、前記運転席の付近に配設された制御装置によって、前記運転席から運転者によって操作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、前記ブームスプレーヤの格納時等に、前記運転者が前記ブーム装置を折り畳み操作すると、それは前記機体の側面に沿って位置することになるので、前記運転者の降車の障害となる場合もある。通常、前記運転者は、前記スプレーヤの駆動源を完全に停止してから降車するので、降車時には、前記ブーム装置の前記駆動力はもはや働かず、前記ブーム装置を動力駆動することはもちろん、手動で動かすことも、容易にはできない。こうしたことは、降車時のみならず、前記スプレーヤへ乗車する際にも、同様に問題となる。
【0004】
この場合、乗降時に前記運転者が、前記ブームを乗降動作の邪魔にならないように人力で動かすことができれば、前記問題は解決する。また、前記ブームを人力駆動可能とする場合にも動力駆動可能とする場合にも、操作性が良いことが求められる。
【0005】
本発明は、前記事情を背景としてなされたもので、その解決課題は、必要に応じてブームを人力で容易に動かすことができ、且つ、該ブームの人力駆動制御も動力駆動制御もし易くて操作性の良好な、ブーム制御装置及びブーム式作業車を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係るブーム制御装置は、ブームを、油圧アクチュエータによる動力駆動状態と、該油圧アクチュエータの作動油を解放して人力駆動可能な状態と、に制御可能なブーム制御装置であって、前記ブームを動力駆動せしめるブーム動力駆動時シフト位置と、前記ブームを停止せしめるブーム停止時シフト位置と、前記ブームを人力駆動可能にせしめるブーム人力駆動時シフト位置と、にシフト操作自在な単一の制御手段を備えたものである(請求項1)。
【0008】
この場合、前記ブームは、前記単一の制御手段を前記ブーム動力駆動時シフト位置へとシフト操作することにより、通常は、前記油圧アクチュエータによって動力駆動される。しかし、必要に応じて、前記単一の制御手段を前記ブーム人力駆動時シフト位置へとシフト操作することにより、前記油圧アクチュエータの前記作動油が解放され、前記ブームを人力で容易に動かすことができる。
【0009】
前記ブームを人力駆動すると、前記作動油が前記油圧アクチュエータから押し出されるが、このときの油圧抵抗のため、前記ブームの人力による移動速度が適度に規制されるので、安全である。
【0010】
また、前記ブーム制御装置によれば、前記単一の制御手段を前記ブーム動力駆動時シフト位置と、前記ブーム停止時シフト位置と、前記ブーム人力駆動時シフト位置と、にシフト操作することで、前記ブームを動力駆動させたり、前記ブームを停止させたり、前記ブームを人力駆動可能にせしめたりすることができるので、操作性が良好となる。
【0011】
本発明に係るブーム式作業車は、運転席を有する走行機体と、該走行機体に取り付けられたブームと、該ブームを、油圧アクチュエータによる動力駆動状態と、該油圧アクチュエータの作動油を解放して人力駆動可能な状態と、に制御可能なブーム制御装置と、を備えているブーム式作業車であって、前記ブーム制御装置は、運転者が未乗車でも前記運転席からでも操作し得る位置に配設されるとともに、前記ブームを動力駆動せしめるブーム動力駆動時シフト位置と、前記ブームを停止せしめるブーム停止時シフト位置と、前記ブームを人力駆動可能にせしめるブーム人力駆動時シフト位置と、にシフト操作自在な単一の制御手段を備えたものである(請求項2)。
【0012】
前記ブーム式作業車において、前記ブームは、前記運転者が前記単一の制御手段を前記ブーム動力駆動時シフト位置へとシフト操作することにより、通常時には、前記油圧アクチュエータによって動力駆動されるが、さらに、必要に応じて、前記運転者が前記単一の制御手段を前記ブーム人力駆動時シフト位置へとシフト操作することにより、人力でも前記ブームが駆動可能となる。そして、前記単一の制御手段は、前記運転者が未乗車のままでも操作し得るので、乗車時に前記ブームを容易に人力駆動可能な状態にせしめることができて、好適である。
【0013】
また、前記ブーム式作業車においては、前記単一の制御手段を前記ブーム動力駆動時シフト位置と、前記ブーム停止時シフト位置と、前記ブーム人力駆動時シフト位置と、にシフト操作することで、前記ブームを動力駆動させたり、前記ブームを停止させたり、前記ブームを人力駆動可能にせしめたりすることができるので、操作性が良好となり、一層好適である。
【0015】
好適な実施の一形態として、前記単一の制御手段を前記ブーム停止時シフト位置へと常時付勢する付勢手段を備えたものとすることもできる(請求項3,請求項5)。この場合、前記単一の制御手段から手を離せば、前記ブーム停止時シフト位置へと前記単一の制御手段が自動的に戻るので、安全である。
【0016】
好適な実施の一形態として、前記単一の制御手段を前記付勢手段の付勢力に抗して前記ブーム人力駆動時シフト位置に保持せしめる制御手段保持機能を備えたものとすることもできる(請求項4,請求項6)。このようにすれば、前記単一の制御手段を前記ブーム人力駆動時シフト位置に保持せしめることができるので、例えば、前記単一の制御手段から手を離し、両手で前記ブームを動かすことができ、該ブームを動かしやすい等の利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るブーム制御装置を備えたブーム式作業車の一例としてのブームスプレーヤの概略平面図である。該ブームスプレーヤは、操向前輪1,1と駆動後輪2,2とを有する、最低地上高の高い、いわゆるハイクリアランス式の乗用走行機体3の前部に、噴霧作業時に左右外方へと展張せしめられるブーム装置4を備えている。
【0019】
該ブーム装置4は、水平横長の中央ブーム5と、該中央ブーム5の左右両外端部に折り畳み自在にそれぞれ連結された長尺の左右ブーム6,7と、を備えている。該各ブーム5,6,7の下面には、多数の薬液等噴霧ノズル8が等間隔で取着されている。
【0020】
前記中央ブーム5は、前記機体3の前部に、例えば、平行リンケージ式リフト装置9等を介して地上高可変に支持されている。該平行リンケージ式リフト装置9は、例えば、上下方向に伸縮する左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10を駆動源として駆動され、該左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10は、前記機体3の走行駆動源としての内燃エンジン11を駆動源として駆動される。
【0021】
前記中央ブーム5と前記左右ブーム6,7との間は、前記ブームスプレーヤの移動時や運搬時や格納時等に、前記左右ブーム6,7を、前記機体3の左右側面に沿って後方へと折り畳んで収納できるように、ピボット折り畳み機構12を介して、屈曲可能に連結されている。以下、説明の便宜上、前記左右ブーム6,7が前記機体3の左右外方へ向かって延びている状態(図1に二点鎖線で示した状態)を、前記左右ブーム6,7の開状態といい、前記左右ブーム6,7が後方へと折り畳まれて前記機体3の左右側面に沿って収納されている状態(図1に実線で示した状態)を、前記左右ブーム6,7の閉状態という。
【0022】
該左右ブーム6,7は、油圧アクチュエータとしての、左右のブーム開閉駆動用油圧シリンダ13,14によって、個別に開閉駆動される。該左右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13,14は、いずれも片ロッド形の油圧シリンダであり、固定部としての前記中央ブーム5と、前記左右ブーム6,7と、の間に架設され、各ロッド13a,14aを、前記左右ブーム6,7側に位置せしめて、それぞれに、枢止軸15,16によって枢止されている。前記左右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13,14も、前記左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10と同様に、前記内燃エンジン11を駆動源として駆動される。
前記機体3の前後方向ほぼ中央部に位置する運転席17の後方には、噴霧液を貯留するタンク18が搭載され、該タンク18の後方には、前記噴霧液を多数の前記噴霧ノズル8へ圧送する高圧プランジャ式等の液体圧送ポンプ19が配設されている。該ポンプ19も、前記内燃エンジン11を駆動源として駆動される。
【0023】
前記運転席17の付近には、該運転席17から運転者Mが操作しやすい位置に、本発明の一実施の形態に係るブーム制御装置20が配設されている。本実施形態では、該ブーム制御装置20を、前記運転席17の前記運転者Mから見て、左斜め前方に配置し、前記運転者Mが左手で操作できるようにしている。
【0024】
前記ブーム制御装置20は、前記ブーム5,6,7の昇降動作を制御するブーム昇降制御装置21と、前記左右両ブーム6,7の開閉動作を個別に制御する左右ブーム開閉制御装置22,23と、を一体的に備えている。前記ブーム昇降制御装置21および前記左右ブーム開閉制御装置22,23は、人力操作手段としての制御レバーを一本ずつ有していて、本実施形態では、合計三本の制御レバーを、前記運転席17の前記運転者Mから見て、左から右へと、左ブーム開閉制御レバー24、ブーム昇降制御レバー25、右ブーム開閉制御レバー26、の順に配設している。
【0025】
図1に明確に示したように、前記左ブーム開閉制御レバー24は、前記運転者Mが、未乗車のままでも、すなわち、地上からでも操作し得る位置に配設されている。これは、後で詳しく述べるように、前記運転者Mが、前記機体3への乗車前や降車後にも、必要に応じて、前記左ブーム開閉制御レバー24を手動操作できるようにするためである。
【0026】
次に、図2を参照して、前記ブーム制御装置20を含む、前記各油圧シリンダ10,13,14の油圧配管系について説明する。前記ブーム制御装置20は、図2の、二点鎖線で囲まれた部分である。
【0027】
油圧ポンプ28は、前記内燃エンジン11によって駆動されて、油タンク27内の作動油を圧送する。前記油圧ポンプ28の作動油圧送吐出路29は、該吐出路29に対して並列に介装された三つの逆止弁30,31,32を介して、左ブーム開閉駆動方向切換弁33と、ブーム昇降駆動方向切換弁34と、右ブーム開閉駆動方向切換弁35と、に、連通している。該各切換弁33,34,35は、前記各制御レバー24,25,26とともに、それぞれ前記各制御装置22,21,23を構成する。前記各切換弁33,34,35は、いずれも四ポート弁である。
【0028】
前記左ブーム開閉駆動方向切換弁33は、片ロッド形複動シリンダである前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13の前後二つの油室13b,13cに連通している。また、前記ブーム昇降駆動方向切換弁34は、いずれも片ロッド形複動シリンダである前記左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10の各前後二つの油室10b,10b,10c,10cに、それぞれ連通している。そして、前記右ブーム開閉駆動方向切換弁35は、同じく片ロッド形複動シリンダである前記右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ14の前後二つの油室14b,14cに連通している。さらに、前記各切換弁33,34,35は、前記油タンク27へと、それぞれ連通している。
【0029】
前記各切換弁33,34,35は、いずれも、スプリングリターン式のものである。すなわち、前記各切換弁33,34,35は、付勢手段としてのばね33a,33b,33cによって、中立位置へ向かって常時付勢されていて、前記運転者Mが前記各制御レバー24,25,26から手を離すと、該各制御レバー24,25,26は、前記各切換弁33,34,35の前記各中立位置に対応する中立シフト位置(ブーム停止時シフト位置N)へと自動的に復帰して、前記各切換弁33,34,35の四つのポートがすべて閉じられるようになっている。
【0030】
そして、図3に示すように、前記運転者Mが、前記左ブーム開閉制御レバー24を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから左ブーム開作動時シフト位置LUへと上方へ揺動操作すると、前記左ブーム開閉駆動方向切換弁33によって油圧回路が切り換えられ、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13の前記ロッド13aが延び出し方向へと駆動されて、前記左ブーム6が開作動し、逆に、前記運転者Mが、前記左ブーム開閉制御レバー24を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから左ブーム閉作動時シフト位置LDへと下方へ揺動操作すると、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13の前記ロッド13aが退縮方向へと駆動されて、前記左ブーム6が閉作動する。
【0031】
同様に、図4に示すように、前記運転者Mが、前記右ブーム開閉制御レバー26を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから右ブーム開作動時シフト位置RUへと上方へ揺動操作すると、前記右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ14の前記ロッド14aが延び出し方向へと駆動されて、前記右ブーム7が開作動し、逆に、前記運転者Mが、前記右ブーム開閉制御レバー26を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから右ブーム閉作動時シフト位置RDへと下方へ揺動操作すると、前記右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ14の前記ロッド14aが退縮方向へと駆動されて、前記右ブーム7が閉作動する。
【0032】
一方、前記ブーム昇降制御レバー21は、図4に示した前記右ブーム開閉制御レバー26と同一の操作形式のものであり、前記運転者Mが、前記ブーム昇降制御レバー21を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから、図4で見て前記右ブーム開作動時シフト位置RUと同じ位置であるブーム下降時シフト位置へと上方へ揺動操作すると、前記左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10の各ロッド10a,10aが退縮方向へと同時に駆動されて、前記ブーム5,6,7が下降せしめられ、逆に、前記運転者Mが、前記ブーム昇降制御レバー21を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nから、図4で見て前記右ブーム閉作動時シフト位置RDと同じ位置であるブーム上昇時シフト位置へと下方へ揺動操作すると、前記左右一対のブーム昇降駆動用油圧シリンダ10,10の前記各ロッド10a,10aが延び出し方向へと同時に駆動されて、前記ブーム5,6,7が上昇せしめられる。
【0033】
図2に示すように、前記ブーム制御装置20は、いずれもブーム動力駆動制御装置である前記ブーム昇降制御装置21および前記左右ブーム開閉制御装置22,23に加え、必要に応じて、例えば、前記左ブーム6を人力で動かすことができるように、ブーム人力駆動制御装置36をも、一体的に備えている。該ブーム人力駆動制御装置36は、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13の前記作動油を解放制御して、前記運転者Mの乗降側の前記左ブーム6の人力駆動を可能にせしめる。
【0034】
ここでは、構成の集約化および操作性の向上等の観点から、前記ブーム人力駆動制御装置36を、前記ブーム動力駆動制御装置としての前記左ブーム開閉制御装置22と一体的に設けている。具体的には、前記左ブーム開閉駆動方向切換弁33として、四位置弁を使用し、図3に示すように、前記左ブーム開閉制御レバー24を、前記三つのシフト位置(中立の前記ブーム停止時シフト位置N、ブーム動力駆動時シフト位置としての前記左ブーム開作動時シフト位置LUおよび前記左ブーム閉作動時シフト位置LD)に加えて、左ブーム人力駆動時シフト位置LTにも、切換操作することができるようにしている。
【0035】
その結果、図3に示すように、単一の制御手段である前記左ブーム開閉制御レバー24を、前記左ブーム開作動時シフト位置LUを越えてさらに上方の前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTまで揺動操作すると、前記油圧ポンプ28から前記左ブーム開閉駆動方向切換弁33への前記作動油の流入が停止し、同時に、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13の前記二つの油室13b,13cが、いずれも、前記油タンク27へと解放される。このため、前記内燃エンジン11が停止され、前記油圧ポンプ28が不作動の状態であっても、前記左ブーム開閉制御レバー24を、前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTへと押し上げることにより、前記左ブーム13を人力で容易に動かすことができる。
【0036】
また、前記左ブーム開閉駆動方向切換弁33は、前記左ブーム開閉制御レバー24を中立位置Nへ自動的に戻すための前記ばね33aの付勢力に抗して、前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTに保持せしめるレバー保持機能を内蔵している。このため、前記左ブーム開閉制御レバー24を、一旦前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTへと揺動操作すれば、前記制御レバー24は、そのまま前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTに止まり、その後、前記制御レバー24に所定値を超える下方への操作力を与えると、該制御レバー24は、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nへと自動的に復帰する。
【0037】
なお、前記レバー保持機能を発揮するスプリングディテントや掛け外し自在のロックアーム38等を、レバー保持手段として別に設けることもできる。
【0038】
図2に示すように、前記油圧シリンダ10,13,14の油圧配管系には、適宜、安全弁37,37が介装され、前記油圧配管内の油圧が所定値を超えると、前記油圧ポンプ28により圧送される前記作動油が前記油タンク27へと自動的に戻されるようになっている。
【0039】
前記運転者Mは、前記ブーム人力駆動制御装置36を、例えば、次のようにして使用する。
【0040】
いま、前記ブームスプレーヤは、図1に実線で示すように、前記左右ブーム6,7が閉じられ、かつ前記内燃エンジン11が停止した状態にあるとする。こうした状態で前記運転者Mが前記運転席17に乗り込む場合には、乗降側である前記機体3の左側の地上から手を伸ばして、前記左ブーム開閉制御レバー24を、前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTへと、上方へ揺動操作する。すると、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13内の前記作動油が解放されるので、前記左ブーム6を人力で動かすことが可能となる。そこで、前記運転者Mは、前記運転席17に乗り込むのに必要な範囲で、前記左ブーム6を手で動かし、前記ブームスプレーヤに容易に乗車することができる。前記運転者Mは、前記運転席17で、前記左ブーム開閉制御レバー24を、中立の前記ブーム停止時シフト位置Nへと戻し、前記内燃エンジン11を始動させ、前記左右ブーム開閉制御レバー24,26を操作して、前記左右ブーム6,7を左右外方へと動力展張せしめて、噴霧作業を開始する。
【0041】
一方、噴霧作業を終え、前記運転者Mが前記運転席17から降りる場合には、前記左右ブーム開閉制御レバー24,26を操作し、前記左右ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13,14を動力駆動して前記左右ブーム6,7を閉じ、前記内燃エンジン11を停止させる。そして、前記運転席17から降りる前に、前記左ブーム開閉制御レバー24を、前記左ブーム人力駆動時シフト位置LTへと上方へ揺動操作する。これにより、前記左ブーム6が人力で動かせるようになるので、前記運転者Mは、降車動作に必要な範囲内で前記左ブーム6を手で押し開き、前記運転席17から容易に降りることができる。
【0042】
前記左ブーム6を人力で動かす場合には、該左ブーム6の人力駆動にしたがって、前記左ブーム開閉駆動用油圧シリンダ13から前記作動油が押し出されるが、このときの流動抵抗のため、前記左ブーム6の人力による移動速度が適度に規制されるので、安全である。
【0043】
なお、本実施形態では、前記機体3の左側から乗車し、かつ該機体3の左側へと降車することを前提として、前記左ブーム6のみを人力駆動自在にせしめているが、これに限る必要はなく、前記右ブーム7のみを、またはそれら両ブーム6,7を、人力駆動自在にせしめてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブーム制御装置を備えたブームスプレーヤの平面図である。
【図2】図1のブーム制御装置の油圧配管図である。
【図3】図1のブーム制御装置における左ブーム開閉制御レバーのシフト位置を示す左側面図である。
【図4】図1のブーム制御装置における右ブーム開閉制御レバーおよびブーム昇降制御レバーのシフト位置を示す左側面図である。
【符号の説明】
3 走行機体
6 左ブーム(ブーム)
13 油圧アクチュエータ
17 運転席
20 ブーム制御装置
22 左ブーム開閉制御装置(ブーム動力駆動制御装置)
24 制御レバー(単一の制御手段)
33a 付勢手段
36 ブーム人力駆動装置
M 運転者
LU 左ブーム開作動時シフト位置(ブーム動力駆動時シフト位置)
LD 左ブーム閉作動時シフト位置(ブーム動力駆動時シフト位置)
LT ブーム人力駆動時シフト位置
N ブーム停止時シフト位置
Claims (6)
- ブーム(6)を、油圧アクチュエータ(13)による動力駆動状態と、該油圧アクチュエータ(13)の作動油を解放して人力駆動可能な状態と、に制御可能なブーム制御装置(20)であって、前記ブーム(6)を動力駆動せしめるブーム動力駆動時シフト位置(LU,LD)と、前記ブーム(6)を停止せしめるブーム停止時シフト位置(N)と、前記ブーム(6)を人力駆動可能にせしめるブーム人力駆動時シフト位置(LT)と、にシフト操作自在な単一の制御手段(24)を備えている、ブーム制御装置。
- 運転席(17)を有する走行機体(3)と、
該走行機体(3)に取り付けられたブーム(6)と、
該ブーム(6)を、油圧アクチュエータ(13)による動力駆動状態と、該油圧アクチュエータ(13)の作動油を解放して人力駆動可能な状態と、に制御可能なブーム制御装置(20)と、
を備えているブーム式作業車であって、
前記ブーム制御装置(20)は、運転者(M)が未乗車でも前記運転席(17)からでも操作し得る位置に配設されるとともに、前記ブーム(6)を動力駆動せしめるブーム動力駆動時シフト位置(LU,LD)と、前記ブーム(6)を停止せしめるブーム停止時シフト位置(N)と、前記ブーム(6)を人力駆動可能にせしめるブーム人力駆動時シフト位置(LT)と、にシフト操作自在な単一の制御手段(24)を備えている、ブーム式作業車。 - 前記単一の制御手段(24)を前記ブーム停止時シフト位置(N)へと常時付勢する付勢手段(33a)を備えている、請求項1に記載のブーム制御装置。
- 前記単一の制御手段(24)を前記付勢手段(33a)の付勢力に抗して前記ブーム人力駆動時シフト位置(LT)に保持せしめる制御手段保持機能を備えてなる、請求項3に記載のブーム制御装置。
- 前記単一の制御手段(24)を前記ブーム停止時シフト位置(N)へと常時付勢する付勢手段(33a)を備えている、請求項2に記載のブーム式作業車。
- 前記単一の制御手段(24)を前記付勢手段(33a)の付勢力に抗して前記ブーム人力駆動時シフト位置(LT)に保持せしめる制御手段保持機能を備えてなる、請求項5に記載のブーム式作業車。
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1998
- 1998-07-03 JP JP18843398A patent/JP3613315B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011172495A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Iseki & Co Ltd | 作業車 |
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JP2000014207A (ja) | 2000-01-18 |
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