JP3612760B2 - 映像信号処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、第1ラインから第nラインまでのディジタル輝度信号(例えば、Y信号)と、ライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号(例えば、R−Y信号、B−Y信号)とに基づいて、表示ライン数nの画像を表示するための第1ラインから第nラインまでのディジタルR、G、B信号を作成するようにした映像信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の映像信号処理方法は、図3及び図4に示すような第1の方法、または図3及び図5に示すような第2の方法で行われていた。すなわち、第1の方法では、まず図3に示すように、ライン間内挿処理によって第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号を作成する。例えば、MUSE(Multiple Sub−Nyquist Sampling Encoding)デコーダ内のTCI(Time Compressed Integration)デコーダで線順次のR−Y信号、B−Y信号からY信号とタイミングの合ったR−Y信号、B−Y信号を作成する場合のように、ディジタル色差信号を作成する。
【0003】
このとき、ライン間内挿で得られた第nラインの色差信号は、第nラインの色差信号と第(n+1)ラインの信号(ディジタル映像信号以外の成分を含む信号、ハッチング表示)から作成されるので、ディジタル映像信号以外の成分が含まれている(ハッチング表示)。なお、ディジタル映像信号とは、ディジタル輝度信号とディジタル色差信号からなる信号をいう。また、図3においてS、…は画素を表わす。
【0004】
ついで、このライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号と、第1ラインから第nラインまでのディジタル輝度信号とに基づいて、対応したライン毎の信号処理による第1ラインから第nラインまでのディジタルR、G、B信号を作成し、このR、G、B信号をプラズマディスプレイパネルのようなディジタル駆動表示装置に入力して、図4に示すような表示ライン数nの画像(第1ラインから第nラインまでの全てのラインを表示する画像)を表示するようにしていた。
【0005】
また、第2の方法では、図3のライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号のうちの第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタル色差信号と、第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタル輝度信号とに基づいて、対応したライン毎の信号処理による第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタルR、G、B信号を作成し、このR、G、B信号をディジタル駆動表示装置に入力して、図5に示すような表示ライン数(n−1)の画像(第1ラインから第(n−1)ラインまでのラインだけを表示する画像)を表示するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の第1の方法では、映像信号以外の成分を含んだ第nラインの色差信号を用いて作成した第nラインのR、G、B信号を表示していたので、表示画像のうちの第nラインの映像に違和感を感じるという問題点があった。また、上述した従来の第2の方法では、映像信号以外の成分を含んだ第nラインのR、G、B信号を表示しないので第1の方法のような問題点はないが、第nラインを表示しないため1ライン分の映像が欠けてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたもので、ディジタル輝度信号とディジタル色差信号とに基づいて作成したディジタルR、G、B信号をディジタル駆動表示装置(例えばプラズマディスプレイパネル)に入力して対応した画像を表示した場合に、表示ライン数を減少させることなく、しかも表示画像に違和感を感じさせることのないディジタルR、G、B信号を作成することのできる映像信号処理方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、第1ライン(第1番目のライン)から第nライン(第n番目のライン)(nは2以上の整数)までのディジタル輝度信号と、ライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号とに基づいて、表示ライン数がn個の画像を表示するための第1ラインから第nラインまでのディジタルR、G、B信号を作成する映像信号処理方法において、前記n個のラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分のみを含むラインに対応した第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタルR、G、B信号を、同一ラインのディジタル輝度信号とディジタル色差信号とに基づいて作成し、前記n個のラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分以外を含むラインに対応した第nラインのディジタルR、G、B信号を、第nラインのディジタル輝度信号と第(n−1)ラインのディジタル色差信号とに基づいて作成してなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
請求項1の発明では、ライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号のうちの映像信号成分のみを含むラインに対応した第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタルR、G、B信号は、第1ラインから第(n−1)ラインまでの輝度信号と第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタル色差信号とに基づいて作成され、映像信号成分以外を含むラインに対応した第nラインのディジタルR、G、B信号は、第nラインのディジタル輝度信号と第(n−1)ラインのディジタル色差信号とに基づいて作成される。一般に、輝度信号に比べて色差信号の信号帯域幅が狭い(例えば、MUSE方式の場合は、前者が20MHz、後者が7MHz)ので、第nラインのディジタル色差信号を第(n−1)ラインのディジタル色差信号で代替しても表示画像に違和感が生じにくい。
【0012】
【実施例】
以下、本発明による映像信号処理方法の一実施例を図1から図3までを用いて説明する。
図1は本発明方法を実施する装置のブロック図の概略構成を示すものである。図1において、10はディジタル輝度信号としてのY信号の入力端子、12、14はディジタル色差信号としてのR−Y信号、B−Y信号の入力端子、16は制御信号の入力端子である。
【0013】
前記Y信号の入力端子10はRGB変換回路(例えば、逆マトリックス回路)18の入力側に結合し、前記R−Y信号、B−Y信号の入力端子12、14はラインコントロール回路20を介して前記RGB変換回路18の入力側に結合している。前記ラインコントロール回路20は、内蔵するメモリに第(n−1)ライン目のR−Y信号、B−Y信号を記録し、この第(n−1)ライン目のR−Y信号、B−Y信号を第nライン目のディジタル色差信号を出力するタイミングで出力するように構成されている。
【0014】
前記RGB変換回路18の出力側にはディジタル駆動表示装置としてのプラズマディスプレイパネル22が結合し、このプラズマディスプレイパネル22の入力側には前記制御信号の入力端子16が結合している。前記RGB変換回路18は、入力したY信号、R−Y信号、B−Y信号からディジタルR、G、B信号を作成(再生)して出力するように構成されている。
【0015】
つぎに、図1の装置を用いて本発明方法を実施した例を、図2及び図3を併用して説明する。
(イ)入力端子10には、従来例と同様に第1ラインから第nラインまでのY信号が入力する。このY信号は、例えば、MUSEデコーダ内等でフレーム間内挿処理、フィールド間内捜処理されたディジタル輝度信号である。入力端子12、14には、従来例と同様に、図3に示すような、ライン間内挿処理によって作成した第1ラインから第nラインまでのR−Y信号、B−Y信号が入力する。このR−Y信号、B−Y信号は、例えば、MUSEデコーダ内等でフレーム間内挿処理、フィールド間内捜処理された後、TCIデコーダで線順次のR−Y信号、B−Y信号から作成された、Y信号とタイミングの合ったR−Y信号、B−Y信号である。
【0016】
(ロ)RGB変換回路18は、入力端子10に入力した第1ラインから第(n−1)ラインまでのY信号と入力端子12、14に入力した第1ラインから第(n−1)ラインまでのR−Y信号、B−Y信号とに基づいて、対応したライン毎の信号処理による第1ラインから第(n−1)ラインまでのR、G、B信号を作成してプラズマディスプレイパネルに出力する。
【0017】
さらに、RGB変換回路18は、入力端子12、14に入力しラインコントロール回路20内のメモリに記録された第(n−1)ライン目のR−Y信号、B−Y信号であって、第nライン目のタイミングで出力する信号と、入力端子10に入力した第nラインのY信号とに基づいて、第nライン目のR、G、B信号を作成してプラズマディスプレイパネル22に出力する。
このため、プラズマディスプレイパネル22は、図2に示すように、第1ラインから第nラインまでのR、G、B信号に対応した表示ライン数nの画像を表示する。
【0018】
前記実施例では、ライン間内挿処理で作成したnラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分以外を含むラインは第nラインのみとし、第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタルR、G、B信号を、同一ラインのディジタル輝度信号とディジタル色差信号とに基づいて作成し、第nラインのディジタルR、G、B信号を、第nラインのディジタル輝度信号と第(n−1)ラインのディジタル色差信号とに基づいて作成するようにしたが、本発明はこれに限るものではない。
【0019】
すなわち、ライン間内挿処理で作成したnラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分のみを含むラインに対応したラインのディジタルR、G、B信号を、同一ラインのディジタル輝度信号とディジタル色差信号とに基づいて作成し、映像信号成分以外を含むラインに対応したラインのディジタルR、G、B信号を、対応したラインのディジタル輝度信号と、対応ラインの近傍の映像信号成分のみを含むラインのディジタル色差信号とに基づいて作成するものであればよい。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る映像信号処理方法は、ライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号のうちの、映像信号成分以外を含むラインに対応した第nラインのディジタルR、G、B信号を、第nラインのディジタル輝度信号と第(n−1)ラインのディジタル色差信号とに基づいて作成するようにした。一般に、輝度信号に比べて色差信号の信号帯域幅が狭い(例えば、MUSE方式の場合は、前者が20MHz、後者が7MHz)ので、第(n−1)ラインのディジタル色差信号で代替しても表示画像に違和感が生じにくい。従って、このようなディジタルR、G、B信号をディジタル駆動表示装置(例えばプラズマディスプレイパネル)に入力して対応した画像を表示した場合に、表示ライン数を減少させることがないとともに、表示画像に違和感を感じさせることがないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による映像信号処理方法を実施する装置の要部概略構成図である。
【図2】図1のプラズマディスプレイパネルにおける表示画像の説明図である。
【図3】ライン間内挿処理で第1ラインから第nラインまでのディジタル色差信号を作成する説明図である。
【図4】従来の第1方法を用いた場合のプラズマディスプレイパネルにおける表示画像の説明図である。
【図5】従来の第2方法を用いた場合のプラズマディスプレイパネルにおける表示画像の説明図である。
【符号の説明】
10…Y信号(ディジタル輝度信号の一例)の入力端子、
12…R−Y信号(ディジタル色差信号の一例)の入力端子、
14…B−Y信号(ディジタル色差信号の一例)の入力端子、
16…制御信号の入力端子、 18…RGB変換回路、
20…ラインコントロール回路、
22…プラズマディスプレイパネル、 S…画素。
Claims (1)
- 第1ラインから第nラインまでのディジタル輝度信号と、ライン間内挿処理で作成した第1ラインから第nライン(nは2以上の整数)までのディジタル色差信号とに基づいて、表示ライン数がn個の画像を表示するための第1ラインから第nラインまでのディジタルR、G、B信号を作成する映像信号処理方法において、前記n個のラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分のみを含むラインに対応した第1ラインから第(n−1)ラインまでのディジタルR、G、B信号を、同一ラインのディジタル輝度信号とディジタル色差信号とに基づいて作成し、前記n個のラインのディジタル色差信号のうちの映像信号成分以外を含むラインに対応した第nラインのディジタルR、G、B信号を、第nラインのディジタル輝度信号と第(n−1)ラインのディジタル色差信号とに基づいて作成してなることを特徴とする映像信号処理方法。
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JP32154994A JP3612760B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 映像信号処理方法 |
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Publications (2)
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JPH08163581A JPH08163581A (ja) | 1996-06-21 |
JP3612760B2 true JP3612760B2 (ja) | 2005-01-19 |
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