JP3611394B2 - 作業機械のカメラ方向制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に備えられ、操縦のために必要な所定の個所を撮影するカメラの向きを制御する作業機械のカメラ方向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、油圧クレーン、ブルドーザ等の作業機械は、通常はオペレータが搭乗して作業を行なうが、災害地、地下等の危険な個所や、高温な環境、粉塵が発生する環境等劣悪な環境では、オペレータは搭乗せず、作業機械は遠隔地点にいるオペレータにより無人操縦(遠隔操縦)される。この場合、オペレータが作業現場を目視できるときは何等の支障もないが、充分に又は全く目視できないときは作業現場又は作業機械に設置されたカメラの映像を見ながら遠隔操縦がなされる。従来、このようなカメラの使用方法としていくつかの方法が提案されている。以下にこれらの方法を列挙する。
【0003】
(1)作業現場に複数台のカメラを設置し、各カメラの映像をそれぞれ遠隔地のモニタに表示し、オペレータはこれら映像を見ながら遠隔操縦を行なう。
(2)1台のカメラを雲台に取付け、オペレータは遠隔地から雲台を操作してカメラを必要な個所に向けてその映像を得る。
(3)例えば特開平6−78308号公報に記載されているように、走行車両に複数台のカメラを設置しておき、操舵用操作レバーに連動して2台のカメラを切り換え選択し、それらによる2つの画像を左右の目で見る。
(4)予め定められた所要の個所を1つのカメラで自動追尾することにより、1つのモニタに常に所要の個所の画像を表示する。なお、自動追尾技術は、例えば特開平4−310395号公報等により知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)に記載の方法は、作業現場の相当広い領域を把握することができるが、作業機械の多様な作業に対応するには多数のカメラが必要であり、それに伴って通信回線、モニタも必要となり、コスト増を招き、かつ、複数のモニタをあれこれ見なければならず、遠隔操縦の操作性が悪化する。
上記(2)に記載の方法は、1台のカメラ、1台のモニタであるので、上記(1)のコストの問題は避けることができるが、作業機械の操作レバーとは別に雲台操作用の操作レバーを操作しなければならないので、遠隔操縦の操作性は著しく悪化する。
上記(3)に記載の方法は、カメラの通信回線の数を減少させ、雲台操作用の操作レバーも不要であり、モニタをあれこれ見る必要もなくすことができるが、カメラの数が多く、かつ、カメラを切り換えたときオペレータが見ている画像が不連続となるので、どの個所を見ているのか一時的に判らなくなり、遠隔操縦の操作性が悪くなる。
上記(4)に記載の方法は、カメラもモニタも1台で済み、雲台の操作も必要がない。しかし、作業機械では微操作を行なうことがしばしばあり、この場合、自動追尾では、作業機械の細かな動きにカメラが追尾するため視野も細かく動き、画像が見難くなって操作性が悪化する。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、1台のカメラのみで、かつ、雲台操作用の操作レバーも使用せずに、操作性の良好な画像を得ることができる作業機械のカメラ方向制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、上下方向に駆動するアーム状の作業部材と、雲台に取り付けられ前記作業部材の所定個所を撮影するカメラとを備え、モニタで前記カメラから送信された映像信号を受信し、前記モニタに表示された映像を見ながら前記作業部材を操縦する作業機械において、操作性の良好な画像を得るために前記カメラの視野中心と前記カメラから見た前記作業部材の前記所定個所方向との角度が、前記視野中心の上方側における第1の角度および前記視野中心の下方側における第2の角度の角度範囲内にあるときには前記雲台を停止させ前記カメラで撮像した映像を前記モニタに表示し、前記第1の角度又は前記第2の角度を超えたときには前記作業部材の前記所定個所を追って前記雲台を所定の角速度で駆動させながら前記カメラで撮像した映像を前記モニタに表示する制御を行うことを特徴とする。
【0007】
又、請求項2に記載の発明は、上記の構成において、前記視野中心の下方側における第2の角度を、前記視野中心の上方側における第1の角度より小さく選定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る遠隔操縦油圧ショベルのカメラ方向制御装置のブロック図である。この図で、1は油圧ショベルであり、下部走行体11、上部旋回体12、ブーム13、アーム14、バケット15で構成されている。ブーム13、アーム14、バケット15で作業部材を構成している。13S、14S、15Sはそれぞれブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダである。15pはアーム14とバケット15とを結合するピンである。16はこれら各油圧シリンダの駆動を個々に制御する各コントロールバルブより成るコントロールバルブ群、17は各コントロールバルブのそれぞれに駆動信号を与える各比例弁より成る比例弁群を示す。18はブーム13の回転角度を検出してこれに比例した電気信号を出力するブーム角検出器である。アームの回転角度を検出するアーム角検出器およびバケットの回転角度を検出するバケット角検出器も設けられているがそれらの図示は省略する。なお、θは、上記ブーム角検出器18、図示されていないアーム角検出器、および図示されていないバケット角検出器で検出されたブーム角度、アーム角度、バケット角度の各検出信号を総合して表わす。
【0009】
3は油圧ショベル1から離れた遠隔地に設置された操作レバー群であり、油圧ショベル1の各油圧シリンダ、下部走行体11を走行させる走行モータ、上部旋回体12を旋回させる旋回モータ等の油圧アクチュエータを操作する。4は遠隔地に設置されコンピュータにより構成される操作側コントローラであり、操作レバー群3の各操作レバーの操作量、操作方向の信号をディジタル値に変換するA/D変換器41、所要の演算制御を行なうCPU42、CPU42の処理手順を記憶するROM43、演算制御の結果等を記憶するRAM44、および通信インタフェース45で構成されている。
【0010】
5は油圧ショベル1に搭載されコンピュータで構成される車体側コントローラであり、通信インタフェース51、所要の演算制御を行なうCPU52、CPU52の処理手順を記憶するROM53、演算制御の結果等を記憶するRAM54、D/A変換器55、57およびA/D変換器56、58で構成されている。ROM53には、油圧ショベル1の姿勢をA/D変換器58を介して入力したブーム角検出器18、アーム角検出器、およびバケット角検出器の各検出信号θに基づいて計算するための姿勢計算プログラム、各操作レバーの操作量と操作方向をこれらに応じた各比例弁の駆動信号に変換するレバー変換テーブル等が格納されている。変換された駆動信号はD/A変換器57を介して各比例弁に出力される。なお、姿勢計算プログラムによる姿勢計算は、例えば特開昭57−104731号公報等によりよく知られている。又、ROM53におけるカメラ制御プログラム、雲台駆動プログラム、雲台回転角テーブルについては後述する。
【0011】
6は操作側コントローラ4と車体側コントローラ5との間の信号の授受を無線で行なうための無線機である。8は油圧ショベル1の上部旋回体12に雲台81を介して取り付けられたカメラである。雲台81は図示しないが2つのモータおよびこれら各モータの回転角度を検出する各エンコーダで構成され、一方のモータを駆動することによりカメラ8を垂直方向(紙面と平行な面内)に傾け、他方のモータを駆動することによりカメラ8を水平方向(紙面に垂直な面内)に回転させることができる。9は遠隔地に設けられカメラ8で撮影した映像を表示するモニタ、10はカメラ8の映像信号を無線で送受信する無線機である。
【0012】
ここで、車体側コントローラ5のROM53に格納されているカメラ制御プログラムはカメラ8の姿勢を制御するためのプログラム、雲台制御プログラムは、雲台81のエンコーダからの信号をA/D変換器56を介して入力し、カメラ制御プログラムに従ったカメラ姿勢となるようにD/A変換器55を介して雲台81のモータに駆動信号を与えるためのプログラムである。
【0013】
図2は油圧ショベル1の側面図である。この図で、図1に示す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。CB は油圧ショベル1の車体、例えば上部旋回体12に対して定められた姿勢計算の基準となる水平線(車体水平線)、両側の線CA 、CA はカメラ8の視野範囲、CC はカメラ8の視野中心を示す。視野中心CC は、雲台81のエンコーダからの信号により求められる。Bはカメラ8から見たピン15pの方向を示す。この方向は、姿勢計算プログラムに基づいて計算したピン15pの位置と、雲台81の駆動状態から得られるカメラ8の中心位置から算出される。φC は車体水平線CB に対する視野中心CC の角度を示し、φB は車体水平線CB に対するピン15pの方向Bの角度を示す。なお、角度αu1、αu2、αd1、αd2については後述する。
【0014】
次に、本実施の形態の動作を、図3、図4、および図5を参照して説明する。図3は視野中心CC に対するピン15pの方向Bの角度φ(φ=φB−φC)と雲台回転角速度ωの関係を示す図であり、横軸に角度φ、縦軸に雲台回転角速度ωがとってある。なお、角度φは、視野中心CC から上方への角度を正、下方への角度を負とし、雲台回転角速度ωは、視野中心CC から上方への角速度を正、下方への角速度を負とする。
【0015】
図示のように、本実施の形態では、ピン15pの方向Bが視野中心CC の上方にあるときには、両者の角度の差φが角度αu1未満では雲台81は静止状態にしておき、角度αu1以上のときに雲台81を(カメラ8を)一定の角速度(ω1 )で上方へ駆動する。この状態でカメラ8の視野中心CC がピン15pを追いかけ、前者の移動速度が後者の移動速度に比較して遅いと両者の角度差φが小さくなり、やがて角度差φは角度αu1に達するが、雲台81はそのまま駆動され、角度差φが角度αu1より小さい角度αu2になったときに雲台81が停止される。
【0016】
同様に、ピン15pの方向Bが視野中心CC の下方にあるときには、両者の角度の差φが角度αd1未満では雲台81は静止状態にしておき、角度αd1以上のときに雲台81を(カメラ8を)一定の角速度(ω1 )で下方へ駆動する。カメラ8の視野中心CC がピン15pを追いかけ、やがて角度差φが角度αd1に達しても雲台81はそのまま駆動され、角度差φが角度αd1より小さい角度αd2になったときに雲台81が停止される。上記の各角度αu1、αu2、αd1、αd2が図2に示され、又、これら各角度αu1、αu2、αd1、αd2および上記角速度ω1 は車体側コントローラ5のROM53又はRAM54、或いは別途設けたEEPROMに格納される。
【0017】
このように、角度差φが角度αu1〜αd1の角度範囲(不感帯)では、雲台81が動きを開始しないようにしたので、微操作を行なっても画像は静止したままで見易く、オペレータの操作が容易になる。又、駆動開始の角度差と駆動停止の角度差を異なる角度としたので、ピン15pが駆動開始角度近辺で動いても、これに応じて雲台81が駆動と停止を繰り返すことはなく、したがってカメラ8の視野が細かく変動することはなく、画像が見易くオペレータの操作が容易になる。
【0018】
さらに、本実施の形態では、ピン15pの下方への移動開始角度差αd1を上方への移動開始角度差αu1より小さく選定している。このように選定することにより次のような効果を得る。通常、図1、図2に示される油圧ショベル1では、バケット15を手前に引いて掘削する作業が極めて多い。このような掘削作業を行なう場合、オペレータはバケット15の手前側(これから掘削される側)をより広い範囲で観察できることが必要である。本実施の形態では、上記のように、下方の移動開始角度差φd1を小さくすることにより、早い時点で追尾を開始させ、掘削作業時にバケット15を下方へ移動させるとき、バケット15の手前側をより広い範囲でみることができ、この結果、オペレータにとってはこれから掘削する個所を確実に把握することができ、操作が極めて容易になる。
【0019】
上記図3に示す角度差φと雲台回転角ωの関係を実際のバケット15のピン15pの移動に関連させてさらに図4により説明する。図4の(a)は角度差φの変化を示す図、図4の(b)はモニタ9の表示画面を示す図である。図4の(a)で、φB 、φC は図2に示す車体水平線Bからのピン15pの方向Bと視野中心CC の角度を示し、αu1、αu2、αd1、αd2は図2に示す特性における角度差を示す。最初、ピン15pは停止しているとする。この場合、角度差φ(φB −φC )は不感帯内にあり、雲台81は停止されている。この状態におけるモニタ9の表示画面91に表示された画像が図4の(b)の左端に図示されている。図4の(b)で、15Eはバケット15の画像、Cは表示画面91の中心を示す。この場合、ピン15pは中心Cに一致している。
【0020】
時刻t0 において掘削等のためピン15pが下方に移動すると、角度差φB も下方に移動し角度差φも変化するが、それが不感帯にある間は雲台は停止状態を保持している。したがって、モニタ9の表示画面91では、バケット15が下方へ移動している状態が表示される。ピン15pがさらに移動を続け、時刻t1 に至って角度差φが角度αd1になる位置に達すると(このときの表示画面91の表示は、バケット15の画像15Eが図4の(b)の中央の表示画面に示すように画面の下方にある)同時に、雲台81が駆動を開始し、カメラ8の視野中心φCも角速度ω1 で下方に移動せしめられる。即ち、カメラ8がピン15pを追尾してゆき、このため車体水平線φB と視野中心φC の両者が下方へ移動してゆき、表示画面91では図4の(b)の中央に示す画面が保持される。この場合、角速度ω1 はバケット15の画像15Eが表示画面91から消えない角速度に予め選定されている。バケット15が目的位置に近付き、その移動速度が遅くなるとこれに従って角度差φは小さくなり、表示画面91ではバケット15の画像15Eが上方に移動してゆく。時刻t2 になって角度差φが角度αd2以下になると、雲台81は停止し、バケット15の画像15Eは表示画面91の中心C付近に表示された状態となる。
【0021】
この状態から、続いて、バケット15が上方へ移動すると、これに従って表示画面91の画像15Eが上方へ移動するが雲台は停止状態を継続し、カメラ8の視野中心CC はそのままの位置にある。やがて時刻t3 になって角度差φが角度αu1以上になると(このときの表示画面91の表示は、バケット15の画像15Eが図4の(b)の右端の表示画面に示すように画面の上方にある)同時に、雲台81が駆動を開始し、カメラ8の視野中心φCも角速度ω1 で上方に移動せしめられ、カメラ8がピン15pを追尾してゆき、表示画面91では図4の(b)の右端に示す画面が保持される。バケット15が目的位置に近付き、その移動速度が遅くなるとこれに従って角度差φは小さくなり、表示画面91ではバケット15の画像15Eが下方に移動してゆく。時刻t4 になって角度差φが角度αu2以下になると、雲台81は停止し、バケット15の画像15Eは表示画面91の中心C付近に表示された状態となり、以後、画像15Eは角度差φが不感帯にある限り表示画面91においてバケット15の移動に従って移動する。
【0022】
次に、上記の動作を行なうための車体側コントローラ5の処理を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、CPU52は、姿勢計算プログラムに基づいて計算したピン15pの位置と雲台81のエンコーダ出力から得られるカメラ8の視野中心位置から、車体水平線CB とピン15pの方向Bとの間の角度φB を算出し(図5に示す手順S1 )、次いで、上記エンコーダの出力から得られるカメラ8の視野中心CC と車体水平線CB との間の角度φC を算出し(手順S2 )、さらに両者の角度差φ(φ=φB −φC )を演算する(手順S3 )。次に、CPU52は角度差φが設定された角度αu1以上であるか否か判断し(手順S4 )、以上でなければ今度は角度α d1 以下であるか否か判断し(手順S5 )、角度差φが角度α d1 以下でなければ、次に角度差φが角度αu2以下で角度αd2以上であるか否か判断する(手順S6 )。
【0023】
角度差φが角度αu2以下で、かつ、角度αd2以上でなければ、角度差φは角度αu1未満で角度αu2を超える値の間にあるか、又は角度αd1未満で角度αd2を超える値の間にあるかいずれかであるから、この場合は現在の雲台81の駆動状態を保持すればよい。そこで、雲台81が停止状態か否かを判断し(手順S7 )、駆動状態であればそれを継続し(手順S8 )、停止状態であれば停止を継続する(手順S9 )。一方、手順S4 の処理で角度差φが角度αu1以上の値であれば雲台81のモータに角速度ω1 で雲台81を上方へ駆動するように指令し(手順S10)、手順S5 の処理で角度差φが角度αd1以下であれば雲台81のモータに角速度ω1 で雲台81を下方へ駆動するように指令する(手順S11)。又、手順S6 の処理で角度差φが角度αu2未満で角度αd2を超えた値であれば雲台81のモータへ停止指令を出力する(手順S9 )。
【0024】
このように、本実施の形態では、小さな角度差において不感帯を設けたので、微操作を行なっても画像は静止したままで見易く、オペレータの操作が容易になる。又、駆動開始の角度差と駆動停止の角度差を異なる角度としたので、ピン15pが駆動開始角度近辺で動いても、これに応じて雲台81が駆動と停止を繰り返すことはなく、したがってカメラ8の視野が細かく変動することはなく、画像が見易くオペレータの操作が容易になる。さらに、本実施の形態では、ピン15pの下方への移動開始角度差αd1を上方への移動開始角度差αu1より小さく選定したので、掘削作業時に、バケット15を下方へ移動させるときバケット15の手前側をより広い範囲でみることができ、この結果、オペレータにとってはこれから掘削する個所を確実に把握することができ、操作が極めて容易になる。
【0025】
なお、上記実施の形態の説明では、角度差φに対して雲台を一定角速度ω1 で駆動する例について説明したが、これに限ることはなく、角度差φに応じて雲台角速度を定めることもできる。この場合の角度差φと雲台角速度との関係を図6に示す。この図で、横軸に角度差φ、縦軸に雲台角速度がとってあり、又、角度αu1、αu2、αd1、αd2は図3に示す特性と同一の意味をもっている。この図に示す駆動中の雲台角速度の特性は、図から明らかなように角度差φに比例するが、比例以外の適宜の関係を選定することもできる。図6に示す特性又は定められた前記適宜の関係は、ROM52又はRAM54或いは別途設けられたEEPROMに格納され、角度差φが演算される毎に読み出されることとなる。
【0026】
さらに、上記実施の形態の説明では、油圧ショベルを例示して説明したが、他の作業機械にも適用できるのは明らかである。又、カメラによる追尾位置をバケットのピンとしたが、これに限ることはなく、その作業機械に適宜な位置を選定することができる。さらに又、雲台の駆動開始の角度差と駆動停止の角度差を異なる角度とする例について説明したが必ずしも異なる角度とする必要はなく、又、ピンの下方への移動開始角度差を上方への移動開始角度差より小さく選定する例について説明したが、両者同一角度差としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、カメラの視野中心の上方側における第1の角度、および下方側における第2の角度の角度範囲内において不感帯を設けたので、上下方向に駆動する作業部材を介して微操作を行なった際に、カメラが取り付けられた雲台を停止状態に保つことができ、したがってこのときモニタで表示される画像は静止したままで見易く、オペレータの該当する微操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠隔操縦油圧ショベルのカメラ方向制御装置のブロック図である。
【図2】油圧ショベルの側面図である。
【図3】バケットピン方向と視野中心方向との角度差と、雲台回転角速度との関係を示す図である。
【図4】バケットピン方向と視野中心方向との角度差と、雲台回転角速度との関係を実際の上部旋回体の駆動に関連させて説明する図である。
【図5】図1に示す装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】バケットピン方向と視野中心方向との角度差と、雲台回転角速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル
4 操作側コントローラ
5 車体側コントローラ
8 カメラ
9 モニタ
15 バケット
15p バケットのピン
81 雲台
Claims (2)
- 上下方向に駆動するアーム状の作業部材と、雲台に取り付けられ前記作業部材の所定個所を撮影するカメラとを備え、モニタで前記カメラから送信された映像信号を受信し、前記モニタに表示された映像を見ながら前記作業部材を操縦する作業機械において、
操作性の良好な画像を得るために前記カメラの視野中心と前記カメラから見た前記作業部材の前記所定個所方向との角度が、前記視野中心の上方側における第1の角度および前記視野中心の下方側における第2の角度の角度範囲内にあるときには前記雲台を停止させ前記カメラで撮像した映像を前記モニタに表示し、前記第1の角度又は前記第2の角度を超えたときには前記作業部材の前記所定個所を追って前記雲台を所定の角速度で駆動させながら前記カメラで撮像した映像を前記モニタに表示する制御を行うことを特徴とする作業機械のカメラ方向制御装置。 - 請求項1記載の作業機械のカメラ方向制御装置において、前記視野中心の下方側における第2の角度を、前記視野中心の上方側における第1の角度より小さく選定したことを特徴とする作業機械のカメラ方向制御装置。
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