JP3610924B2 - アンテナ共用器および通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、マイクロ波帯で使用されるアンテナ共用器および通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図8に示すような回路構成例を有する周波数可変型アンテナ共用器1が知られている。このアンテナ共用器1は、共振器にコンデンサを介してPINダイオードを接続して構成した周波数可変共振回路を複数個有している。そして、それらを電圧制御することで、送信側回路25及び受信側回路26がそれぞれ持つ2種類の通過帯域を切り替えることができるようにしたものである。
【0003】
図8において、Txは送信用端子、Rxは受信用端子、ANTはアンテナ用端子、2,3は送信側回路25の共振器、4〜6は受信側回路26の共振器、L1,L11は結合コイル、C1,C2は阻止域減衰量の大きさを決める結合コンデンサ、C5,C6はコンデンサ、L16,L17は共振用コイル、C3,C4,C7〜C9は周波数帯域可変用コンデンサ、D2〜D6はPINダイオード、L2,L3,L6〜L8はチョークコイル、R1,R2及びC22,C23はそれぞれ制御電圧供給用抵抗器及びコンデンサ、L20,L21及びC15はそれぞれ位相回路を構成するコイル及びコンデンサ、C11,C12は結合コンデンサである。
【0004】
CONT1は送信側回路25のPINダイオードD2,D3を電圧制御する電圧制御端子、CONT2は受信側回路26のPINダイオードD4〜D6を電圧制御する電圧制御端子である。この電圧制御端子CONT1,CONT2に正の直流電圧を印加すると、PINダイオードD2〜D6がON状態になる。従って、帯域可変用コンデンサC3,C4,C7〜C9はPINダイオードD2〜D6を経てそれぞれ接地されるため、共振周波数は低くなり、アンテナ共用器1はLOWチャンネルで動作する。つまり、送信側回路25及び受信側回路26のそれぞれの通過帯域は低周波側となる。
【0005】
逆に、電圧制御端子CONT1,CONT2に電圧が印加されないようにして制御電圧を0Vにしたり、電圧制御端子CONT1,CONT2に負の直流電圧を印加すると、PINダイオードD2〜D6がOFF状態になる。従って、帯域可変用コンデンサC3,C4,C7〜C9は開放状態となるため、共振周波数は高くなり、アンテナ共用器1はHIGHチャンネルで動作する。つまり、送信側回路25及び受信側回路26のそれぞれの通過帯域は高周波側となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の周波数可変型アンテナ共用器1は、それぞれのPINダイオードD2〜D6をON/OFF制御するための直流電圧が、制御電圧供給用抵抗器R1,R2とチョークコイルL2,L3,L6〜L8を介してPINダイオードD2〜D6に印加されている。ここに、チョークコイルL2,L3,L6〜L8は、電圧制御端子CONT1,CONT2側のインピーダンスがアンテナ共用器1に影響を及ぼさないようにするためのものであり、高周波帯域で高インピーダンスを有するコイルが使用される。このチョークコイルL2,L3,L6〜L8は共振器2〜6毎に必要であるが、通常、その部品サイズが比較的大きくかつ高価である。このため、アンテナ共用器1の大型化や高コスト化を招いていた。
【0007】
また、制御電圧供給用抵抗器R1,R2は、PINダイオードD2〜D6に流れる直流消費電流の値を決定する。これらの抵抗器R1,R2は、部品点数削減のために、共振器2〜6毎に接続しないで、電圧制御端子CONT1,CONT2にそれぞれ1個づつ接続されている。そのため、各PINダイオードD2〜D6に流れる直流消費電流の値は、電圧制御端子CONT1に接続されたPINダイオードD2とD3が同一、電圧制御端子CONT2に接続されたPINダイオードD4〜D6が同一となっていた。
【0008】
一方、PINダイオードD2〜D6は非線形素子であるため、大きな電力が入力されると、高周波信号が歪むという不具合がある。これを抑えるためには、歪みの原因となるPINダイオード直流消費電流を多く流す必要がある。しかし、従来のアンテナ共用器1では、電圧制御端子CONT1(又はCONT2)に接続された全てのPINダイオードD2,D3(又はD4〜D6)に同一の直流消費電流が流れるため、歪みの原因となるPINダイオード以外のPINダイオードにも大きな電流が流れることになる。従って、無駄に電流が流れる場合が起き、携帯電話端末機の電池消耗が早くなるという問題があった。
【0009】
なお、従来より、可変容量ダイオードを制御するための直流電圧が抵抗器のみを介して、前記可変容量ダイオードに印加されている周波数可変共振回路が知られている。しかし、可変容量ダイオードの場合には、直流消費電流を流す必要がないという特徴があるため、高インピーダンス(例えば数十kΩ)の抵抗器を可変容量ダイオードに直接に接続しても問題がなかったのである。
【0010】
そこで、本発明の目的は、消費電流が少なく、かつ、部品点数も少ない小型のアンテナ共用器および通信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】
以上の目的を達成するため、本発明に係るアンテナ共用器は、
(a)共用端子と第1の個別端子との間に接続された少なくとも二つ以上の周波数可変共振回路を備えた第1の周波数可変フィルタと、
(b)前記共用端子と第2の個別端子との間に接続された少なくとも二つ以上の周波数可変共振回路を備えた第2の周波数可変フィルタとを備え、
(c)前記周波数可変共振回路の各々が、一端が接地された共振器の他端にコンデンサを介してPINダイオードの一端が電気的に接続され、前記PINダイオードと前記コンデンサの接続点に抵抗器が接続され、他端が接地された前記PINダイオードを制御するための直流電圧が、前記抵抗器のみを介して前記コンデンサと前記PINダイオードの接続点に印加される構成であり、
(d)前記第1の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流および前記第2の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流が、残りの周波数可変共振回路のそれぞれの直流消費電流より多くなるように、前記抵抗器の抵抗値を設定したこと、
を特徴とする。
【0012】
以上の構成により、例えば電圧制御端子に制御電圧として正の電圧を印加すると、PINダイオードはON状態となり、周波数可変共振回路の共振周波数は高くなる。逆に、電圧制御端子に電圧が印加されないようにして制御電圧を0Vにするか、又は、電圧制御端子に負電圧を印加すると、PINダイオードはOFF状態になり、周波数可変共振回路の共振周波数は低くなる。
【0013】
また、本発明に係るアンテナ共用器は、前述の特徴を有する周波数可変共振回路を備えることにより、部品点数が減少し、小型化される。
【0015】
そして、各周波数可変共振回路に接続された抵抗器の抵抗値を適当に設定することにより、前記第1の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路および前記第2の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流を、残りの周波数可変共振回路のそれぞれの直流消費電流より多くなるようにする。
【0016】
以上の構成により、高周波信号の歪みの原因となるPINダイオードのみに、選択的に大きな直流消費電流を流すことができる。通常、高周波信号の歪みの原因となるPINダイオードは、共用端子に最も近い周波数可変共振回路のPINダイオードである。従って、共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流が0.6mA以上になるように、抵抗器の抵抗値を設定することにより、効率良くかつ確実に高周波信号の歪みが抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアンテナ共用器および通信装置の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態、図1〜図4]
図1は、回路基板40上に各部品を実装したアンテナ共用器31の平面図である。アンテナ共用器31は、送信用端子Txとアンテナ用端子ANTの間に送信側回路25が電気的に接続し、受信用端子Rxとアンテナ用端子ANTの間に受信側回路26が電気的に接続している。このアンテナ共用器31は、送信系回路から送信用端子Txに入った送信信号を送信側回路25を介してアンテナ用端子ANTに出力すると共に、アンテナ用端子ANTから入った受信信号を受信側回路26を介して受信用端子Rxから受信系回路に出力する。
【0019】
図2は、アンテナ共用器31の電気回路図である。送信側回路25は周波数可変型帯域阻止フィルタ回路である。帯域阻止フィルタ回路25は、周波数可変共振回路を2段結合させたもので、共振用コンデンサC1を介して送信用端子Txに電気的に接続した共振器2と、共振用コンデンサC2及びマッチング用コイルL20を介してアンテナ用端子ANTに電気的に接続した共振器3とを有している。マッチング用コイルL20は、送信側回路25と受信側回路26とを位相合成するためのリアクタンス素子として機能する。共振用コンデンサC1,C2は阻止域減衰量の大きさを決めるコンデンサである。共振器2と共振用コンデンサC1の直列共振回路は、共振器3と共振用コンデンサC2の直列共振回路に結合用コイルL1を介して電気的に接続している。さらに、これら二つの直列共振回路に対して、それぞれ電気的に並列にコンデンサC5,C6が接続している。
【0020】
図2に示すように、共振器2と共振用コンデンサC1の中間接続点には、周波数可変用コンデンサC3を介して、リアクタンス素子であるPINダイオードD2がカソードを接地した状態で共振器2に対して電気的に並列に接続している。一方、共振器3と共振用コンデンサC2の中間接続点には、周波数可変用コンデンサC4を介して、PINダイオードD3がカソードを接地した状態で共振器3に対して電気的に並列に接続している。周波数可変用コンデンサC3,C4は、周波数可変帯域阻止フィルタ回路25の減衰特性の二つの減衰極周波数をそれぞれ変更するためのコンデンサである。また、PINダイオードD3のアノードとグランドとの間にコンデンサC24を接続している。
【0021】
電圧制御端子CONT1は、制御電圧供給用抵抗器R11及びバイパスコンデンサC22を介してPINダイオードD2のアノードと周波数可変用コンデンサC3の中間接続点に電気的に接続すると共に、制御電圧供給用抵抗器R12及びバイパスコンデンサC22を介してPINダイオードD3のアノードと周波数可変用コンデンサC4の中間接続点に電気的に接続している。
【0022】
また、グランドとアンテナ用端子ANTの間には、コンデンサC15が電気的に接続されている。コンデンサC15は、送信側回路25のマッチング用コイルL20と受信側回路26のマッチング用コイルL21と共に、T字型位相回路を構成する。
【0023】
一方、受信側回路26は周波数可変型帯域通過フィルタ回路である。帯域通過フィルタ回路26は、周波数可変共振回路を3段結合させたもので、共振用コイルL16及びマッチング用コイルL21を介してアンテナ用端子ANTに電気的に接続した共振器4と、共振用コイルL17及びマッチング用コイルL11を介して受信用端子Rxに電気的に接続した共振器6と、共振器4,6の中間に結合コンデンサC11,C12を介して電気的に接続した共振器5とを有している。
【0024】
マッチング用コイルL21,L11は、それぞれ周波数可変型帯域通過フィルタ回路26と外部回路とのマッチングのための入力側及び出力側リアクタンス素子として機能する。
【0025】
共振器4と共振用コイルL16の中間接続点には、周波数可変用コンデンサC7とPINダイオードD4の直列回路が、PINダイオードD4のカソードを接地した状態で共振器4に対して電気的に並列に接続している。共振器5と結合コンデンサC11,C12の中間接続点には、周波数可変用コンデンサC8とPINダイオードD5の直列回路が、PINダイオードD5のカソードを接地した状態で共振器5に対して電気的に並列に接続している。共振器6と共振用コイルL17の中間接続点には、周波数可変用コンデンサC9とPINダイオードD6の直列回路が、PINダイオードD6のカソードを接地した状態で共振器6に対して電気的に並列に接続している。
【0026】
電圧制御端子CONT2は、バイパスコンデンサC23と制御電圧供給用抵抗器R13を介してPINダイオードD4のアノードと周波数可変用コンデンサC7の中間接続点に電気的に接続し、バイパスコンデンサC23と制御電圧供給用抵抗器R14を介してPINダイオードD5のアノードと周波数可変用コンデンサC8の中間接続点に電気的に接続し、さらに、バイパスコンデンサC23と制御電圧供給用抵抗器R15を介してPINダイオードD6のアノードと周波数可変用コンデンサC9の中間接続点に電気的に接続している。
【0027】
ここに、共振器2〜6には、例えば、図3及び図4に示すように、λ/4同軸誘電体共振器が使用される。図3及び図4は共振器2を代表例として示している。誘電体共振器2〜6は、TiO系のセラミック等の高誘電率材料で形成された筒状誘電体17と、筒状誘電体17の外周面に設けられた外導体18と、筒状誘電体17の内周面に設けられた内導体19とで構成されている。外導体18は、誘電体17の一方の開口端面17a(以下、開放側端面17aと記す)では、内導体19から電気的に開放(分離)され、他方の開口端面17b(以下、短絡側端面17bと記す)では、内導体19に電気的に短絡(導通)されている。誘電体共振器2は、開放側端面17aにおいて、導電体20等を介して共振用コンデンサC1に電気的に接続されている。これら誘電体共振器2〜6は、外導体18で相互に半田付けされ一体化されている。
【0028】
また、制御電圧供給用抵抗器R11〜R15は、図1に示すように、表面実装可能なチップ型である。抵抗器R11〜R15はそれぞれ、PINダイオードD2〜D6に流れる直流消費電流の値を決定する。そして、これら抵抗器R11〜R15には、電圧制御端子CONT1,CONT2側のインピーダンスがアンテナ共用器31に影響を及ぼさないようにするため、高インピーダンス(3kΩ以上の抵抗値を有することが望ましい)抵抗器が使用される。さらに、PINダイオードD2〜D6には、直流消費電流の値が小さくても、小さい順方向抵抗が得られるものが使用される。
【0029】
このように、PINダイオードD2〜D6毎に制御電圧供給用抵抗器R11〜R15を接続したので、高周波信号の歪みの原因となるPINダイオードのみに、選択的に大きな直流消費電流を流すことができる。つまり、高周波信号の歪みに影響するPINダイオードは、送信側および受信側回路25,26の最もアンテナ用端子ANTに近いPINダイオードD3とD4である。従って、PINダイオードD3,D4のみに大きな直流消費電流(好ましくは0.6mA以上)が流れるように、抵抗器R11〜R15の抵抗値を設定することにより、電流効率が良く、かつ、確実に高周波信号の歪みが抑えられたアンテナ共用器31を得ることができる。
【0030】
また、送信側回路25のPINダイオードD2,D3に流れる直流消費電流と受信側回路26のPINダイオードD4〜D6に流れる直流消費電流とが相互に異なるように、抵抗器R11〜R15の抵抗値を設定してもよい。
【0031】
次に、以上の構成からなるアンテナ共用器31の作用効果について説明する。送信側回路である周波数可変帯域阻止フィルタ回路25のトラップ周波数は、周波数可変用コンデンサC3と共振用コンデンサC1と共振器2にて構成される共振系と、周波数可変用コンデンサC4と共振用コンデンサC2と共振器3にて構成される共振系のそれぞれの共振周波数によって決まる。そして、電圧制御端子CONT1に制御電圧として正の電圧を印加すると、PINダイオードD2,D3はON状態となる。従って、周波数可変用コンデンサC3,C4はPINダイオードD2,D3を経てそれぞれ接地され、二つの減衰極周波数は共に低くなり、送信側回路25の通過帯域は低くなる。
【0032】
逆に、制御電圧として負の電圧を印加すると、PINダイオードD2,D3はOFF状態となる。なお、負電圧を印加する替わりに、電圧制御端子CONT1に電圧が印加されないようにすることで、制御電圧を0VにしてPINダイオードD2,D3をOFF状態にしてもよい。これにより、周波数可変用コンデンサC3,C4は開放状態となり、二つの減衰極周波数は共に高くなり、送信側回路25の通過帯域は高くなる。このように、送信側回路25は、電圧制御によって帯域可変用コンデンサC3,C4を接地したり、開放したりすることによって、二つの相異なる通過帯域特性を持つことができる。
【0033】
一方、受信側回路である周波数可変帯域通過フィルタ回路26の通過周波数は、周波数可変用コンデンサC7と共振用コイルL16と共振器4にて構成される共振系と、周波数可変用コンデンサC8と共振器5にて構成される共振系と、周波数可変用コンデンサC9と共振用コイルL17と共振器6にて構成される共振系のそれぞれの共振周波数によって決まる。そして、電圧制御端子CONT2に制御電圧として正の電圧を印加すると、PINダイオードD4,D5,D6はON状態となる。従って、周波数可変用コンデンサC7,C8,C9はそれぞれPINダイオードD4,D5,D6を経て接地され、通過周波数は低くなる。
【0034】
逆に、制御電圧として負の電圧を印加すると、PINダイオードD4,D5,D6はOFF状態となる。これにより、周波数可変用コンデンサC7,C8,C9は開放状態となり、通過周波数は高くなる。このように、受信側回路26は、電圧制御によって周波数可変用コンデンサC7〜C9を接地したり、開放したりすることによって、二つの相異なる通過帯域特性を持つことができる。
【0035】
この周波数可変帯域通過フィルタ回路26は、送信側回路25の高、低二つの通過帯域の切り替えに合わせて、送信帯域として低周波通過帯域が選択されたときは帯域通過周波数を低くし、送信帯域として高周波通過帯域が選択されたときは帯域通過周波数を高くするように電圧制御される。そして、部品点数が減少し(本第1実施形態の場合、部品点数を2点減少できる)、小型で安価なアンテナ共用器31を得ることができる。
【0036】
[第2実施形態、図5]
第2実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0037】
図5は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図5において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用バンドパスフィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用バンドパスフィルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用バンドパスフィルタである。
【0038】
ここに、デュプレクサ123として、前記第1実施形態のアンテナ共用器31を使用することができる。アンテナ共用器31を実装することにより、高周波信号の歪みや電力消費が少なく、部品点数も少ない小型の携帯電話を実現することができる。
【0039】
なお、本発明に係るアンテナ共用器および通信装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0040】
【実施例】
周波数可変共振回路を使用したアンテナ共用器を使う携帯電話システムとして、例えば日本国内のcdmaOneシステムがある。このcdmaOneシステムの品質規格の一つに、高周波信号の歪みを評価する規格、例えば「単一トーン感度抑圧」という規格がある。送信時に妨害波を入力して受信感度を測定する試験であり、アンテナ共用器における高周波信号歪みを評価することができる。
【0041】
測定回路例を図6に示す。図6において、151,155は電圧制御発振器(VCO)、152は増幅器、153はカプラー、154は電力計、156はスペクトラムアナライザ、157は直流電圧供給装置である。電圧制御発振器151から出力された送信波(CDMA変調波)は、増幅器152にて増幅された後、カプラー153を通って、被測定対象のアンテナ共用器31の送信用端子Txに入力される。この送信波の電力値は、カプラー153にて送信波の一部を取り出し、電力計154にて測定することにより得られる。
【0042】
一方、電圧制御発振器155から出力された受信波の周波数±900kHzの妨害波(CW信号波)は、アンテナ共用器31のアンテナ用端子ANTに入力される。さらに、アンテナ共用器31の受信用端子Rxにはスペクトラムアナライザ156が接続され、受信波の周波数でのノイズを測定する。
【0043】
つまり、送信時に妨害波が入ってくると、アンテナ共用器31内で相互変調が起き、受信周波数でノイズが発生し、受信波を受信しにくいという現象が生じる。高周波信号が歪むとも言う。この評価が単一トーン感度抑制である。その場合、高周波信号の歪みに影響するPINダイオードは、送信側および受信側回路25,26の最もアンテナ用端子ANTに近いPINダイオードD3とD4であることが実験からわかっている。
【0044】
そこで、アンテナ共用器31の抵抗器R11〜R15の抵抗値を以下のように設定し、PINダイオードD3,D4に流れる直流消費電流のみを大きくして、高周波信号の歪み特性を改善した。
抵抗器R11,R13:3.3kΩ
抵抗器R12,R14,R15:5.1kΩ
【0045】
この場合、直流電圧供給装置157によって電圧制御端子CONT1,CONT2に+3Vの制御電圧を印加すると、PINダイオードD2〜D6にそれぞれ流れる直流消費電流の値は以下の通りとなり、トータルでは2.6mAとなった。
PINダイオードD3,D4:0.66mA
PINダイオードD2,D5,D6:0.43mA
【0046】
これに対して、従来のアンテナ共用器の場合には、PINダイオードD3,D4に0.66mAの直流消費電流を流そうとすると、PINダイオードD2,D5,D6にも0.66mAの直流消費電流が流れてしまう。従って、トータルの直流消費電流が3.3mAとなり、本発明に係るアンテナ共用器31の直流消費電流より約0.7mA多かった。
【0047】
図7は単一トーン感度抑圧の測定結果例を示すグラフである。このグラフは、送信波(CDMA変調波)の電力が27dBmでかつ周波数887MHz、妨害波(CW信号波)の周波数が832.9MHzのときのものである。点線160が歪み特性改善前のアンテナ共用器を表し、実線161が歪み特性改善後の本発明に係るアンテナ共用器を表し、実線162が歪み特性改善後の従来のアンテナ共用器を表している。図7から、本発明に係るアンテナ共用器は、少ない直流消費電流で、従来のアンテナ共用器と略同じ程度の歪み特性改善効果(約7dBm改善)が得られていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、周波数可変共振回路毎に、PINダイオードを制御するための直流電圧が抵抗器のみを介してPINダイオードに印加するように構成されているので、抵抗器の抵抗値を適当に設定することにより、周波数可変共振回路毎に適切な直流消費電流を設定することができる。しかも、部品点数が減少し、小型化、低コストを図ることができる。
【0049】
さらに、高周波信号の歪みの原因となるPINダイオードのみに、選択的に大きな直流消費電流を流すことができる。通常、高周波信号の歪みの原因となるPINダイオードは、共用端子に最も近い周波数可変共振回路のPINダイオードである。従って、共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流が0.6mA以上になるように、抵抗器の抵抗値を設定することにより、効率良くかつ確実に高周波信号の歪みが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナ共用器の一実施形態の実装構造を示す平面図。
【図2】図1に示したアンテナ共用器の電気回路図。
【図3】図1に示したアンテナ共用器に使用される共振器の一例を示す斜視図。
【図4】図3に示した共振器の断面図。
【図5】本発明に係る通信装置の一実施形態を示す回路図。
【図6】単一トーン感度抑圧測定回路の一例を示す回路図。
【図7】単一トーン感度抑圧測定結果を示すグラフ。
【図8】従来のアンテナ共用器の一例を示す電気回路図。
【符号の説明】
31…アンテナ共用器
2〜6…共振器
25…送信側回路
26…受信側回路
D2〜D6…PINダイオード
C3,C4,C7〜C9…周波数可変用コンデンサ
R11〜R15…制御電圧供給用抵抗器
Tx…送信用端子
Rx…受信用端子
ANT…アンテナ用端子
CONT1,CONT2…電圧制御端子
120…携帯電話
123…デュプレクサ

Claims (4)

  1. 共用端子と第1の個別端子との間に接続された少なくとも二つ以上の周波数可変共振回路を備えた第1の周波数可変フィルタと、
    前記共用端子と第2の個別端子との間に接続された少なくとも二つ以上の周波数可変共振回路を備えた第2の周波数可変フィルタとを備え、
    前記周波数可変共振回路の各々が、一端が接地された共振器の他端にコンデンサを介してPINダイオードの一端が電気的に接続され、前記PINダイオードと前記コンデンサの接続点に抵抗器が接続され、他端が接地された前記PINダイオードを制御するための直流電圧が、前記抵抗器のみを介して前記コンデンサと前記PINダイオードの接続点に印加される構成であり、
    前記第1の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流および前記第2の周波数可変フィルタの前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流が、残りの周波数可変共振回路のそれぞれの直流消費電流より多くなるように、前記抵抗器の抵抗値を設定したこと、
    を特徴とするアンテナ共用器。
  2. 前記共用端子に最も近い周波数可変共振回路の直流消費電流が0.6mA以上になるように、前記抵抗器の抵抗値を設定したことを特徴とする請求項に記載のアンテナ共用器。
  3. 前記第1の周波数可変フィルタの周波数可変共振回路の直流消費電流が、前記第2の周波数可変フィルタの周波数可変共振回路の直流消費電流と異なるように、前記抵抗器の抵抗値を設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ共用器。
  4. 請求項〜請求項に記載のアンテナ共用器の少なくともいずれか一つを備えたことを特徴とする通信装置。
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