JP3610823B2 - モジュール電池制御装置、モジュール電池ユニット及びモジュール電池制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモジュール電池制御装置、モジュール電池ユニット及びモジュール電池制御方法に係り、特に複数個の二次電池を直列に接続したモジュール電池を制御するモジュール電池制御装置、該モジュール電池制御装置を備えたモジュール電池ユニット及び該モジュール電池制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電気自動車等には、二次電池(単電池)を必要な容量に相当する分だけ複数個直列に接続したモジュール電池(組電池)が使用されている。このようなモジュール電池は、多数の電池を用いるので信頼性を確保することが重要である。すなわち、モジュール電池を構成している二次電池のうちの何れかが過充電や過放電等になると、その二次電池の機能が低下すると共にモジュール電池全体としての機能も低下することになる。
【0003】
特に充電中に二次電池の電圧が高くなりすぎると、安全性が損なわれるので、充電器側で所定値以上の電圧が発生しないようにしている。また、モジュール電池を構成する各二次電池には製造時のバラツキがあり、更に、モジュール電池として二次電池を使用した場合、温度分布が均一でないこと等により、充電受入性や放電容量が異なってくる。
【0004】
このため、放電深度0%(満充電)からの放電容量には各二次電池にバラツキが生じ、モジュール電池としての放電容量が減少する。すなわち、放電時には放電容量の小さくなった二次電池は早く放電を終了して過放電状態となり、この過放電になっている二次電池が他の二次電池の負荷となって、すべての二次電池の放電深度が100%にならないうちに電圧が低下し、モジュール電池としては放電終了となってしまう。逆に充電時には、放電時に放電深度100%にならなかった二次電池が先に放電深度0%に達して電圧が上昇し充電が終了してしまうが、放電時に過放電となった二次電池は放電深度0%にならないままで充電が終了するので、各二次電池の放電容量の差が広がる。従って、充放電を繰り返すと過放電となった二次電池は常に充電不足になるので、バラツキが大きくなってモジュール電池全体としての放電容量が減少する。
【0005】
このように複数個の二次電池を直列に接続したモジュール電池では、箇々の二次電池間にバラツキがあり、モジュール電池全体として放電容量が低下するという問題や特定の二次電池が特に劣化するという問題があり、また過充電や過放電によって発熱する場合がある。
【0006】
上記問題に対処するため、モジュール電池を構成する箇々の二次電池毎に電圧検出手段を設け、検出した電圧が充電終止電圧になると充電を終了するようにしたものがある。また、モジュール電池を構成する各二次電池毎に並列に電圧検出手段と二次電池を迂回して充電電流を流すためのバイパス回路を設け、検出した電圧が充電終止電圧となった二次電池に対し、その二次電池のバイパス回路に充電電流をバイパスさせるようにしたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例前者では、モジュール電池を構成する複数個の二次電池うち充電終止電圧に達した二次電池があると充電を停止させるので、過充電になるおそれはなくなるが、各二次電池間の電池電圧のバラツキを解消させることはできない。
【0008】
また後者の例では、二次電池電圧によってのみ充電電流をバイパスさせているが、実際には、各二次電池で内部抵抗のバラツキがあり、特に充電電流が大きい場合には充電状態が小さくても内部抵抗が大きい二次電池では、その内部抵抗に依存して端子電圧が上昇して充電終止電圧に達し、内部抵抗の小さい電池に対して高い充電状態が得られない。これは内部抵抗の大きい二次電池の充電状態にバラツキを生じさせ、各二次電池が一様に充分に充電されること、すなわち、モジュール電池全体がフル充電されることを阻害する。
【0009】
このように二次電池間にバラツキが生じた電池を充電する方法として、直列接続された二次電池の充電方法が従来例として知られている。この充電方法によれば、直列に接続された各二次電池の電池電圧を検討する手段を持ち、二次電池を迂回して充電電流を供給するためのバイパス回路が形成され、迂回された二次電池には充電電流が流れず、バイパス回路を介して他の二次電池に対して充電がなされる。
【0010】
しかしながら上記方法においては、充電停止電圧に達した時点で充電が箇々に停止するため、直列接続された電池間で充電停止の時間が異なってくる。また、内部抵抗の高い二次電池は、早く充電停止電圧に達するので、充電が早く停止され、満充電にならない場合も考えられる。
【0011】
本発明は上記問題点に着目し、モジュール電池を構成する二次電池を効率よく均等に充放電させると共に、過充電や過放電から確実に二次電池を保護することができるモジュール電池制御装置、モジュール電池ユニット及びモジュール電池制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、複数個の二次電池を直列に接続したモジュール電池を制御するモジュール電池制御装置において、前記複数個の二次電池の各々の電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、前記モジュール電池の充放電状態を検出する状態検出手段と、前記複数個の二次電池の各々に並列に接続された容量調整用の抵抗及びスイッチを有し、前記スイッチをオン状態として前記二次電池の各々の容量調整を行う容量調整手段と、を備え、前記容量調整手段は、前記状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電休止状態及び放電休止状態の少なくとも一方を含む休止状態時において、前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する容量を算出し、該算出した容量分の電流を前記スイッチをオン状態として放電させ、前記状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電状態時において、前回の放電終止時に前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量を算出し、該算出した放電可能容量相当分の前記他の二次電池の充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせ、かつ、前回の充電末期に前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせることにより、前記二次電池の各々の容量調整を行うことを特徴する。
【0013】
本発明の第1の態様では、電池電圧検出手段により前記複数個の二次電池の各々の電池電圧が検出され、状態検出手段により前記モジュール電池の充放電状態が検出され、複数個の二次電池の各々に並列に接続された容量調整用の抵抗及びスイッチを有する容量調整手段によりスイッチをオン状態として二次電池の各々の容量調整が行われる。すなわち、容量調整手段は、状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電休止状態及び放電休止状態の少なくとも一方を含む休止状態時において、電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する容量を算出し、該算出した容量分の電流をスイッチをオン状態として放電させ、状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電状態時において、前回の放電終止時に電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量を算出し、該算出した放電可能容量相当分の他の二次電池の充電電流をスイッチをオン状態としてバイパスさせ、かつ、前回の充電末期に電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する充電電流をスイッチをオン状態としてバイパスさせることにより、二次電池の各々の容量調整を行う。本発明の第1の態様によれば、容量調整手段が、休止状態時に、二次電池の各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する容量を算出し、その容量分の電流をスイッチをオン状態として放電させるので、各二次電池の電池電圧を均等にすることができ、充各二次電池間の電圧差が最も大きくなる電状態時に、前回の放電終止時の各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量相当分の充電電流をバイパスさせ、かつ、前回の充電末期の各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する充電電流をバイパスさせるので、各二次電池の電池電圧を更に均等にすることができると共に、電圧差が予め設定された設定値を越えたときに、電圧差に相当する容量分の電流を放電ないしバイパスさせるようにしたので、二次電池の充電容量の消費を節約することができる。
【0014】
この場合において、前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧が予め設定された設定値を越えたときに、前記モジュール電池の充放電を遮断する遮断手段を更に備えるようにすれば、各々の電池電圧に異常がある場合や過充電、過放電の場合に遮断手段で充放電を遮断することができるので、各二次電池の劣化を防止することができ、ひいては、モジュール電池全体としての放電容量低下を防止することができる。また、前記モジュール電池のモジュール電圧を検出するモジュール電圧検出手段及び前記複数個の二次電池のうち少なくとも1個の二次電池の電池温度を検出する電池温度検出手段の少なくともいずれか一方を更に備え、前記遮断手段は前記モジュール電圧及び前記電池温度の少なくともいずれか一方がそれぞれ予め設定された設定値を越えたときに、前記モジュール電池の充放電を遮断するようにすれば、モジュール電圧に電圧異常がある場合や二次電池に温度異常がある場合に各二次電池及びモジュール電池全体の性能を劣化させることなく、かつ、安全に充放電を行うことができる。更に、前記容量調整手段が、充電状態時において、放電末期電圧から演算した調整容量から休止状態時に行った容量調整分を差し引く補正をするようにすれば、前記容量調整手段による容量調整を正確に行うことができる。
【0015】
本発明の第2の態様は、モジュール電池制御装置を備えたモジュール電池ユニットであり、上述したように前記モジュール電池制御装置はモジュール電池を効率よく均等に充放電でき、異常状態、過充電や過放電から二次電池を保護することができるので、優れたモジュール電池ユニットを実現することができる。
【0016】
本発明の第2の態様は、容量調整用の抵抗及びスイッチが並列に接続された二次電池を複数個直列に接続したモジュール電池を制御するモジュール電池制御方法であって、充電休止時及び放電休止時の少なくとも一方を含む休止状態時において、前記複数個の二次電池の各々の電池電圧を検出し、該検出された各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する容量を算出し、該算出された容量分の電流を前記スイッチをオン状態として放電させ、充電状態時において、前回の放電終止時に検出された各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量を算出し、該算出した放電可能容量相当分の前記他の二次電池の充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせ、かつ、前回の充電末期に検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせる、ステップを含む。この場合において、バイパスさせるステップにおいて、放電可能容量を算出するときに、放電末期電圧から演算した調整容量から前記休止状態時に行った容量調整分を差し引く補正を行うようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明が適用されるモジュール電池ユニットの実施の形態について説明する。
【0018】
(構成)
図1に示すように、本実施形態のモジュール電池ユニット10は複数の二次電池B1、B2、・・・Bnが直列に接続されたモジュール電池とこのモジュール電池を制御するモジュール電池制御装置とで構成されている。
【0019】
モジュール電池制御装置はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)1を備えている。マイコン1は演算処理を行うCPU、CPUが実行するプログラム及び後述する種々の設定値等を格納したROM、CPUのワークエリアとして働くRAM及び外部との入出力信号のポートとなる入出力インターフェース等を含んで構成されている。
【0020】
また、モジュール電池制御装置は、各二次電池B1、B2、・・・Bnの表面に接触して配置され、各二次電池の温度を計測するサーミスタ71、72、・・・7nを有している。サーミスタ71、72、・・・7nは、これらのサーミスタで計測した抵抗(電圧)値を温度値に変換してマイコン1へ出力する電池温度検出回路3に各々接続されている。
【0021】
更に、モジュール電池制御装置は、各二次電池の電池電圧を検出する電池電圧検出回路2を備えている。図2に示すように、この電池電圧検出回路2はオペアンプIC1と抵抗R11〜R15とで構成された作動増幅回路を二次電池の個数と同数個有して構成されている。各作動増幅回路のオペアンプIC1の正相入力端子は抵抗R12を介して各二次電池のプラス端子に、逆相入力端子は抵抗R11を介して各二次電池のマイナス端子にそれぞれ接続されており、出力端子はマイコン1に接続されている。従って、二次電池B1を例にとれば、オペアンプIC1の出力端子から出力される電圧は、二次電池B1の電位V1と二次電池B2の電位V2との電位差(V1−V2)、すなわち、二次電池B1の電圧となる。
【0022】
また、図1に示すように、モジュール電池制御装置は、二次電池B1、B2、・・・Bnと各々並列に接続され、各二次電池の電池容量を調整し同一回路構成の容量調整回路61、62、・・・6nを備えている。図3に示すように、例えば、容量調整回路61はNチャネルMOS型FETQ1、NPN型トランジスタQ2及び抵抗R1〜R6で構成されており、FETQ1のドレインは抵抗R1を介して二次電池B1のプラス端子に、ソースは二次電池B1のマイナス端子に、トランジスタQ2のベースは抵抗4を介してマイコン1に、それぞれ接続されている。従って、容量調整回路61はマイコン1から所定電圧の微少電流(調整信号)が出力されると、FETQ1のゲートに電流が流れるので、FETQ1のドレインからソースに向けて電流が流れる回路構成である。
【0023】
更に、モジュール電池制御装置は、図1に示すように、モジュール電池の電圧値を検出してマイコン1へ出力するモジュール電圧検出回路4、シャント(分路)抵抗をセンサとして充放電電流を電圧値として計測する電流センサ8、電流センサ8で計測したシャント抵抗両端の電圧値を電流値に変換しモジュール電池が充電中の場合にはデフォルト値−1を、放電中の場合にはデフォルト値1を、充電休止中又は放電休止中の場合にはデフォルト値0を、それぞれマイコン1へ出力する充放電電流検出回路5及び充放電電流を遮断するための遮断スイッチ9を備えている。
【0024】
なお、遮断スイッチ9にはFET、リレー等を用いることができ、遮断スイッチ9はマイコン1からの遮断信号によりスイッチをオンオフすることができると共に、モジュール電池の放電終止後の充電等に備えてスイッチをオフからオンに手動で解除できる構成となっている。
【0025】
(作用)
次に、フローチャートを参照して本実施形態のモジュール電池ユニット10の作用について説明する。マイコン1に電源が投入されると、マイコン1のCPUはROMに格納されたプログラムに従って、RAMのワークエリアを初期化しROMに格納された後述する各種の設定値を読み出してRAMに移行する初期処理を行い、図4に示すモジュール電池制御処理ルーチンの実行を開始する。
【0026】
図4のステップ100では、各二次電池B1、B2、・・・Bnを電圧異常等から保護するために図5に示す保護処理サブルーチンを実行する。まず、ステップ102でモジュール電圧検出回路4から出力されるモジュール電圧値を取り込んで、次のステップ104において、取り込んだモジュール電圧値がROMからRAMワークエリア内に移行されたモジュール電圧上限設定値よりも大きいか否か、モジュール電圧値がモジュール電圧下限設定値より小さいか否か、及びセルショート等を検出するために、前回(図6のステップ272参照)RAMに格納した電圧値(本ステップが最初に実行される場合のみRAMに移行された電圧設定値)と今回検出した電圧値との時間当たりの電圧変化量ΔV/Δtを演算し、演算した電圧変化量ΔV/Δtの絶対値が電圧変化量設定値より大きいか否かを判断することにより、モジュール電池の電圧に異常があるか否かを判断する。従って、ステップ104では、上限、下限及び電圧変化量ΔV/Δtのうちいずれか一つでも設定範囲を外れると肯定判断されることとなる。否定判断の場合には、モジュール電池全体の電圧には異常がないので、次のステップ106において電池温度検出回路3から出力される各二次電池の各温度値を取り込む。
【0027】
次にステップ108では、取り込んだ各温度値が電池温度上限設定値よりも大いか否か、各温度値が電池温度下限設定値より小さいか否か、及び急激な温度上昇を検出するために、前回(図6のステップ274参照)RAMに格納した各温度値(本ステップが最初に実行される場合のみRAMに移行された温度設定値)と今回検出した各温度値との時間当たりの温度変化量ΔT/Δtを演算し、演算した温度変化量ΔT/Δtの絶対値が温度変化量設定値より大きいか否かを判断することにより、各二次電池に温度異常があるか否かを判断する。従って、本ステップでは、上限、下限及び温度変化量ΔV/Δtのうちいずれか一つでも設定範囲を外れると肯定判断されることとなる。否定判断の場合には、全ての二次電池に温度異常がないので、次のステップ110で電池電圧検出回路2から出力される各二次電池B1、B2、・・・Bnの各電池電圧VBを取り込んでRAMに格納し、ステップ112において、取り込んだ各電池電圧VBが二次電池上限電圧設定値よりも大いか否か及び二次電池下限電圧設定値より小さいか否かを判断することにより、各二次電池に電圧異常があるか否かを判断する。
【0028】
否定判断の場合には、全部の二次電池の電池電圧に電圧異常がないので、次のステップ114において、ステップ110でRAMに格納した各電池電圧VBが過充電設定値よりも大きいか否かを判断することにより、各二次電池が過充電状態にあるか否かを判断する。否定判断の場合には、いずれの二次電池も過充電状態にはないので、次のステップ116において、各電池電圧VBが過放電設定値よりも小さいか否かを判断することにより、各二次電池が過放電状態にあるか否かを判断する。否定判断の場合には、各二次電池保護に必要なモジュール電圧、電池温度、各二次電池電圧に異常がなく、かつ、各二次電池は過充電又は過放電状態にはないので、次のステップ118において、遮断スイッチ9にハイレベルの2値出力信号を出力して、保護処理サブルーチンを終了して図4のステップ200へ進む。これにより、遮断スイッチ9がオフのときはオンとなり遮断状態が解除され、遮断スイッチ9がオンのときはオンが維持されるので、モジュール電池ユニット10は電源として使用可能状態となるか、使用可能状態が維持される。
【0029】
一方、ステップ104、108、112、114、116で肯定判断された場合には、モジュール電圧、各二次電池温度、各二次電池電圧のいずれかに異常があるか、又は、過充電、過放電状態にあるので、ステップ120において遮断スイッチ9をオフとさせるために遮断スイッチ9へローレベルの2値出力信号(遮断信号)を出力して保護処理サブルーチンを終了しステップ200へ進む。これにより、モジュール電池ユニット10は電源として一時使用不能状態となる。なお、ステップ108、112、114、116では一つの二次電池でも異常と判断された場合には、全ての二次電池を保護するためにステップ120へ進む。
【0030】
次に、図4のステップ200では、モジュール電池の充放電状態を検出してモジュール電池の状態に応じて各二次電池B1、B2、・・・Bnの容量を調整するために、図6に示す容量調整処理サブルーチンが実行される。
【0031】
図6のステップ202では、充放電電流検出回路5から出力されるデフォルト値を取り込んでRAMに格納し、このデフォルト値が1であるか否かを判断することにより、モジュール電池ユニット10が放電中か否かを判断する。肯定判断の場合には、次のステップ204において、各二次電池の電池電圧VBが放電終止電圧設定値より小さいか否かを判断することにより、放電を終止させるか否かを判断する。否定判断の場合には、次のステップ272へ進む。これにより、モジュール電池ユニット10は放電状態を続行することとなる。一方、ステップ204で肯定判断された場合には、過放電による二次電池の性能劣化を防止すると共に、後述する充電時の調整容量補正の基礎値を算出ために次のステップ210へ進む。
【0032】
ステップ210では、図7に示す放電終止処理サブルーチンが実行される。この放電終止処理サブルーチンでは、ステップ212において遮断スイッチ9に遮断信号を出力し、次のステップ214で各二次電池の電池電圧VBを検出する。次にステップ216では、各二次電池の電池電圧VBの中で最も低い電池電圧(放電終止電圧に最初に達した電池電圧)を基準とし、その他の二次電池の放電終止電圧までの放電可能な放電容量を個々に演算し、次のステップ218において演算結果をRAMの所定領域に格納して放電終止処理サブルーチンを終了しステップ272へ進む。
【0033】
一方、図6のステップ202で否定判断された場合には、次のステップ206において、ステップ202でRAMに格納したデフォルト値が−1であるか否かを判断することによって、充電中か否かを判断する。否定判断の場合には、放電中でも充電中でもないので、放電休止時又は充電休止時と判定して、次のステップ220に進む。一方、肯定判断の場合には、ステップ208において、ステップ110でRAMに格納した各二次電池の電池電圧VBを読み出して、各二次電池の電池電圧VBがRAMに移行した充電末期電圧設定値より大きいか否かを判断することにより、充電末期か否かを判断する。肯定判断の場合にはステップ206で否定判断された場合と同様、次のステップ220おいて図8に示す容量調整A処理サブルーチンを実行する。
【0034】
図8のステップ222では、各二次電池の電池電圧VBを読み出して最も小さい電池電圧をVminとして、各二次電池の電池電圧VBからVminを減じた電圧差VDを演算し(VD=VB−Vmin)、次のステップ224で各電圧差VDからRAMに移行した電圧差設定値を読み出して両者の差D=電圧差VD−(電圧差設定値)を演算する。
【0035】
次のステップ226では、差Dが正の各二次電池についてのみ次に説明する調整容量Q(又はQ’)を演算して演算結果の調整容量Q’のみRAMに格納し、次のステップ228でこの調整容量Q(又はQ’)に対応する調整時間t(又はt’)を演算して、ステップ230において調整が必要な二次電池に並列に接続された容量調整回路6に調整信号の出力を開始する。
【0036】
これにより、容量調整回路6は容量調整を開始するが、この容量調整回路6による容量調整は充電末期(後述する充電時も同じ)と充電休止時又は放電休止時とでは異なる態様を採る。すなわち、充電末期に、例えば、図3に示した容量調整回路61に調整信号が出力された場合、二次電池B1には充電電流Iが流れており、NチャンネルMOS型FETQ1がオンとなると、電流Iaがドレインからソースへ向けて流れる。これによって、二次電池B1には電流(I−Ia)が流れることになり、電流Iaに相当する充電量が調整される。電流Iaは抵抗R1によって決まり、調整される調整容量Qは電流Iaと調整時間tとの積となる。一方、充電休止時又は放電休止時に容量調整回路61に調整信号が出力された場合、図10に示すように、FETQ1がオンとなると、図3の場合とは異なって二次電池B1には充電電流が流れておらず、二次電池B1、抵抗R1、FETQ1で構成される閉回路において二次電池B1は放電状態となる。このとき、閉回路を流れる電流をIbとし二次電池B1の内部抵抗を無視すると、抵抗R1の抵抗値は既知であるので、電流Ibは二次電池B1の電池電圧VBによって決まり、調整される調整容量Q’は電流Ibと調整時間t’との積となる。
【0037】
ステップ232では、ステップ228で演算した調整時間t(又はt’)が経過したか否かを判断する。この調整時間t(又はt’)はマイコン1の図示しない内部時計により計測することができる。肯定判断の場合には、次のステップ233で該当二次電池の容量調整を解除するために容量調整回路6に出力していた調整信号をオフとする。これにより、例えば、図3(又は図10)に示したNチャンネルMOS型FETQ1のドレイン、ソース間には電流Ia(又はIb)が流れなくなるので、容量調整回路61による二次電池B1の容量調整は終了する。
【0038】
次のステップ234では、ステップ202でRAMに格納したデフォルト値を読み出して充放電休止時か否かを判断し、否定判断のときはステップ236へ進み、肯定判断のときは、次のステップ235でステップ228でRAMに格納した調整容量Q’を読み出して今回の充放電休止中に調整した調整容量Q’を前回までの充放電休止中に調整した容量分に加算累計してRAMに格納する。従って、充放電休止時の場合のみ調整した容量分をRAMに格納することとなる。次にステップ236では、他に調整が必要な二次電池があるか否かを判断する。肯定判断の場合には、他に調整が必要な二次電池を継続して容量調整を行うために、ステップ230へ戻り、否定判断の場合には容量調整A処理サブルーチンを終了してステップ272へ進む。
【0039】
一方、ステップ232において否定判断された場合には、ステップ238で充電末期か否かを判断して、肯定判断のときは充電を完了させるためにステップ230へ戻り、否定判断のときは次のステップ240において充放電電流検出回路5から出力されるデフォルト値を取り込んでデフォルト値が1(放電)又は−1(充電)か否かを判断することにより、充電休止状態又は放電休止状態が強制的に終了させられたか否かを判断する。否定判断(デフォルト値0)のときは、休止状態が継続しているので、ステップ230へ戻り容量調整を続行し、肯定判断のときには、次のステップ242において、全ての二次電池の容量調整を解除するために容量調整回路6に出力していた調整信号をオフとする。次のステップ244では、調整した時間t’’から各二次電池について調整済の容量Q’’を逆算して演算し、ステップ246において今回の休止中に調整した容量分Q’’を前回までの充放電休止中に調整した容量分に加算累計してRAMに格納して容量調整A処理サブルーチンを終了しステップ272へ進む。
【0040】
次に、図6のステップ208で否定判断された場合には、ステップ250へ進み、図9に示す容量調整B処理サブルーチンを実行する。ステップ252では、調整容量の補正を実行する。この調整容量の補正は、ステップ218でRAMに格納した放電末期電圧より演算した調整容量からステップ235又はステップ246でRAMに格納した充放電休止時に既に調整済の累計調整容量分を差し引くことによって行なわれる。次のステップ254では補正後の調整容量がRAMに移行した調整容量設定値より大きいか否かを判断することによって容量調整が必要か否かを判断し、否定判断のときは、容量調整が不要と判定して容量調整B処理サブルーチンを終了してステップ272へ進み、肯定判断のときは、ステップ256において調整時間を演算して、ステップ260で調整時間が経過するまでステップ258において調整信号を該当する容量調整回路6へ出力し続ける。これにより該当する二次電池の容量調整が充放電休止後の次の充電時に実行されることとなる。なお、ステップ256では、次回の補正に備えるために、調整時間を演算した後にRAMに格納されている累計調整量をクリアして0とする。
【0041】
次のステップ262では、該当二次電池の容量調整を解除するためにその二次電池の容量調整回路6に出力していた調整信号をオフとする。次にステップ264で、他に調整が必要な二次電池があるか否かを判断して必要がある場合には容量調整を続行して、調整が必要な最後の二次電池の調整時間が経過すると容量調整処理Bサブルーチンを終了してステップ272へ進む。
【0042】
次に、図6のステップ272では、上述したステップ104での電圧変化量ΔB/Δtの演算を可能とするために、モジュール電圧を取り込みRAMに格納し、次のステップ274において、上述したステップ108での温度変化量の演算を可能とするために、各二次電池の各温度値を取り込みRAMに格納して、ステップ100へ戻る。
【0043】
(効果等)
次に、8個の二次電池B1、B2・・・B8を直列に接続した本実施形態のモジュール電池ユニット10の実施例と、実施例の効果を確認するために同じく8個の二次電池を直列に接続した従来例の(本実施形態のモジュール電池制御装置を備えない)モジュール電池ユニットの比較例とを作製し、充放電を行い放電終止電圧を測定して本実施形態のモジュール電池ユニット10の効果を確認した。なお、本実施例のモジュール電池ユニット10では故意に電圧にバラツキを設けた二次電池を使用した。
【0044】
実施例及び比較例のモジュール電池ユニットの放電終止電圧の測定結果をそれぞれ図11、図12に示す。
【0045】
図11に示すように、本実施例のモジュール電池ユニット10では、初期、二次電池(セル1〜セル8)間に電圧差があったが容量調整回路61〜68による容量調整により電圧差が少なくなっており、途中、差が生じた場合にも容量調整がされ約50mV以内におさまろうとしている。
【0046】
これに対し比較例のモジュール電池ユニットでは、図12に示すように、初期、ほぼ電圧が一致していたが、サイクルが進むにつれて電圧差が増加しているので、本実施例のモジュール電池ユニット10のモジュール電池制御装置により直列に接続された二次電池が均等に調整されていることがわかる。
【0047】
本実施形態では、容量調整A処理サブルーチンで、充電末期に電池電圧検出回路5で検出された各二次電池の電池電圧が設定値を越えてバラツキがあるときに容量調整回路6で充電電流をバイパスさせる(図3参照)と共に、充放電休止時に二次電池箇々の内部抵抗、充電電流の違いにより生じた開放電圧のバラツキを容量調整回路6で開放電圧の高い二次電池を放電させ各二次電池の電池電圧をバランスさせるので(図10参照)、各二次電池の電池電圧を均等にすることができる。また、設定値以上バラツキがあるときに容量調整を行うので、各二次電池に充電された容量の消費を節約することができる。
【0048】
また、放電終止処理サブルーチンで、放電終止時に検出した箇々の二次電池の電池電圧の中で最も低い電圧の二次電池(放電終止電圧に最初に達した二次電池)を基準とし、その他の二次電池の放電終止電圧までの放電可能な放電容量を箇々に算出して(ステップ216)、容量調整B処理サブルーチンで、充電中に箇々の二次電池の容量を、次の充電時、充電電流をバイパスさせ容量調整を行うので(ステップ258、260)、各二次電池の電池電圧を均等にすることができる。
【0049】
更に、容量調整B処理サブルーチンでは、放電末期電圧から演算した調整容量より放電休止時に調整した容量分を差し引くことによって補正を行っているので(ステップ252)、補正をしない場合と比較してより正確な容量調整を行うことができ、過大に調整されることを防ぐことができる。
【0050】
また、保護処理サブルーチンで、モジュール電池のモジュール電圧、各二次電池の温度、各二次電池の電圧の異常、及び、過充電又は過放電を検出すると、充放電電流を遮断してモジュール電池ユニット10の充放電を停止させるようにしたので、二次電池の性能を劣化させることなく保護することができる。
【0051】
従って、本実施形態のモジュール電池ユニット10のモジュール電池制御装置は、各二次電池を効率よく均等に充放電させることができ、このことは実施例の評価からも明らかである。
【0052】
なお、本実施形態のモジュール電池ユニット10では、全ての二次電池を保護するために、サーミスタ7を各二次電池に接触させて配置したが、このサーミスタ7は、例えば、二次電池1個おきに配置する等任意の二次電池に対して少なくとも1個以上あればよい。この場合には二次電池保護の観点からは劣ることとなるが、コストを節約することができるという利点がある。また、本実施形態ではサーミスタ7を温度センサとして使用した例について説明したが、サーミスタ以外に温度センサとして機能する種々のセンサを使用することができる。
【0053】
また、本実施形態では、図2に示した電池電圧検出回路2を複数個備えた例について説明したが、スイッチ等により切り換えて、1つの差動増幅回路により各二次電池の電池電圧を検出するようにしてもよい。
【0054】
更に、本実施形態では、図3に容量調整手段としての容量調整回路61の例を示したが、図3に示した回路構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の回路構成が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0055】
また、本実施形態では、状態検出手段としてシャント抵抗及び充放電電流検出回路5を例示したが、充放電状態の検出ができる他の種々のセンシング回路を構成することができることも当業者にとって明らかである。更に、本実施形態の充放電電流検出回路5では説明を簡単にするために充電休止中又は放電休止中のデフォルト値を0としたが、シャント抵抗からの両端電圧にはノイズ等による誤差が生ずる場合があるので、この誤差が考慮された充放電電流検出回路とすることが好ましい。
【0056】
そして、本実施形態のフローチャートでは、マイコン1による制御の一形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形適用が可能であることも明らかである。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、容量調整手段が、休止状態時に、二次電池の各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する容量を算出し、その容量分の電流をスイッチをオン状態として放電させるので、各二次電池の電池電圧を均等にすることができ、充各二次電池間の電圧差が最も大きくなる電状態時に、前回の放電終止時の各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量相当分の充電電流をバイパスさせ、かつ、前回の充電末期の各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに電圧差に相当する充電電流をバイパスさせるので、各二次電池の電池電圧を更に均等にすることができると共に、電圧差が予め設定された設定値を越えたときに、電圧差に相当する容量分の電流を放電ないしバイパスさせるようにしたので、二次電池の充電容量の消費を節約することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したモジュール電池ユニットの実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のモジュール電池制御装置の電池電圧検出回路を示す回路図である。
【図3】実施形態のモジュール電池制御装置の容量調整回路を示す回路図である。
【図4】実施形態のモジュール電池制御装置のモジュール電池制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】モジュール電池制御処理ルーチンの保護処理サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図6】モジュール電池制御処理ルーチンの容量調整処理サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図7】容量調整処理サブルーチンにおける放電終止処理サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図8】容量調整処理サブルーチンにおける容量調整A処理サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図9】容量調整処理サブルーチンにおける容量調整B処理サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図10】充放電休止時の容量調整回路の容量調整の作用を示す説明回路図である。
【図11】本実施形態を適用した実施例のモジュール電池ユニットの放電終止電圧の測定結果を示す説明図である。
【図12】比較例のモジュール電池ユニットの放電終止電圧の測定結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 マイコン(電池温度検出手段の一部、遮断手段の一部)
2 電池電圧検出回路(電池電圧検出手段の一部)
3 電池温度検出回路(電池温度検出手段の一部)
4 モジュール電圧検出回路(モジュール電圧検出手段の一部)
5 充放電電流検出回路(状態検出手段の一部)
61、62、6n 容量調整回路(状態検出手段の一部)
71、72、7n サーミスタ(電池温度検出手段の一部)
8 電流センサ(状態検出手段の一部)
9 遮断スイッチ(遮断手段の一部)
10 モジュール電池ユニット
B1、B2、Bn 二次電池
Claims (7)
- 複数個の二次電池を直列に接続したモジュール電池を制御するモジュール電池制御装置において、
前記複数個の二次電池の各々の電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、
前記モジュール電池の充放電状態を検出する状態検出手段と、
前記複数個の二次電池の各々に並列に接続された容量調整用の抵抗及びスイッチを有し、前記スイッチをオン状態として前記二次電池の各々の容量調整を行う容量調整手段と、
を備え、前記容量調整手段は、
前記状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電休止状態及び放電休止状態の少なくとも一方を含む休止状態時において、前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する容量を算出し、該算出した容量分の電流を前記スイッチをオン状態として放電させ、
前記状態検出手段で検出された充放電状態のうち充電状態時において、前回の放電終止時に前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量を算出し、該算出した放電可能容量相当分の前記他の二次電池の充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせ、かつ、前回の充電末期に前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせることにより、前記二次電池の各々の容量調整を行うことを特徴するモジュール電池制御装置。 - 前記電池電圧検出手段で検出された各々の電池電圧が予め設定された設定値を越えたときに、前記モジュール電池の充放電を遮断する遮断手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のモジュール電池制御装置。
- 前記モジュール電池のモジュール電圧を検出するモジュール電圧検出手段及び前記複数個の二次電池のうち少なくとも1個の二次電池の電池温度を検出する電池温度検出手段の少なくともいずれか一方を更に備え、前記遮断手段は前記モジュール電圧及び前記電池温度の少なくともいずれか一方がそれぞれ予め設定された設定値を越えたときに、前記モジュール電池の充放電を遮断することを特徴とする請求項2に記載のモジュール電池制御装置。
- 前記容量調整手段は、前記充電状態時において、放電末期電圧から演算した調整容量から前記休止状態時に行った容量調整分を差し引く補正をすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のモジュール電池制御装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のモジュール電池制御装置を備えたモジュール電池ユニット。
- 容量調整用の抵抗及びスイッチが並列に接続された二次電池を複数個直列に接続したモジュール電池を制御するモジュール電池制御方法であって、
充電休止時及び放電休止時の少なくとも一方を含む休止状態時において、前記複数個の二次電池の各々の電池電圧を検出し、該検出された各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する容量を算出し、該算出された容量分の電流を前記スイッチをオン状態として放電させ、
充電状態時において、前回の放電終止時に検出された各々の電池電圧のうち最小の電池電圧を基準に他の二次電池の各々の放電可能容量を算出し、該算出した放電可能容量相当分の前記他の二次電池の充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせ、かつ、前回の充電末期に検出された各々の電池電圧に基づいて、該各々の電池電圧の電圧差が予め設定された設定値を越えたときに前記電圧差に相当する充電電流を前記スイッチをオン状態としてバイパスさせる、
ステップを含むモジュール電池制御方法。 - 前記バイパスさせるステップにおいて、放電可能容量を算出するときに、放電末期電圧から演算した調整容量から前記休止状態時に行った容量調整分を差し引く補正を行うことを特徴とする請求項6に記載のモジュール電池制御方法。
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