JP3610747B2 - 車両用エンジンのトルクダウン制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用エンジンのトルクダウン制御装置に関し、詳しくは、エンジンへの燃料供給を停止させることで駆動トルクを低下させ、トラクションコントロール等におけるトルクダウン要求に対応するトルクダウン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、駆動輪,非駆動輪(従動輪)の回転数を検出することで、駆動輪の路面に対するスリップ率を検出し、スリップ率が大きいときに燃料カット(F/C)による駆動トルクの低下を図って、スリップを抑制するトラクションコントロール装置が知られている。
【0003】
例えば特開平7−217467号公報に開示されるものでは、高負荷,高回転域での燃料カットによる触媒昇温によって触媒性能に悪影響を及ぼすことを回避すべく、要求カット気筒数毎に燃料カットの実行を禁止する高回転・高負荷側の領域を設定し、カット要求があっても禁止領域に該当するときには、燃料カットを行わない構成としてある。
【0004】
また、特開平6−26380号公報には、燃料カットの燃料復帰回転数をトラクションコントロール時に高めることで、エンジン回転数のハンチングを防止する構成が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように要求の燃料カットを、カット気筒数に応じた特定の運転領域において禁止する構成の場合には、燃料カットが比較的長い時間行われても触媒に影響のないように、カット禁止領域を余裕を見込んで広く設定する必要が生じるため、燃料カットの実行可能な領域が限られてしまい、スリップ防止のためのトルクダウンを充分に実現できないという問題があった。
【0006】
また、トラクションコントロール時に燃料復帰回転数を高める構成の場合にも、スリップ防止のための燃料カットが一律の回転数に基づいて制限されることになってしまうため、スリップ防止のためのトルクダウンを充分に実現できないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料カットによるトルクダウンの実行可能な領域を、触媒の過度の温度上昇や耐エンスト性に影響を与えることなく極力拡大して、燃料カットによるトラクション制御の性能を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、図1に示すように構成される。
図1において、燃料カット要求気筒数設定手段は、トルクダウン要求に応じて燃料カットの要求気筒数を設定する。そして、燃料カット手段は、燃料カット要求気筒数設定手段で設定された燃料カット要求気筒数に応じて、各気筒毎に設けられる燃料供給手段による燃料供給を選択的に停止させる。
【0012】
一方、エンジン運転領域検出手段はエンジンの運転領域を検出し、許容継続時間設定手段は、前記燃料カット要求気筒数による燃料カットをそのまま許容する継続時間を、前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域に基づいて設定する。
そして、燃料カット制限手段は、前記許容継続時間内では、燃料カット手段による前記燃料カット要求気筒数に応じた燃料カットをそのまま許容する一方、前記許容継続時間が経過した後は、燃料カット気筒数に制限を加える手段であって、燃料カット気筒数の制限パターンとして、所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止する制限パターンと、より高回転・高負荷側で全気筒燃料カットのみを許容する制限パターンとを有する。
【0013】
かかる構成によると、トルクダウン要求に応じて燃料カット要求気筒数が設定されると、燃料カットの開始からエンジン運転領域(例えばエンジン負荷,エンジン回転数)に応じた所定の許容継続時間が経過するまでは、要求通りの気筒数で燃料カットを行わせるが、前記許容継続時間が経過した後は、燃料カット気筒数に制限を加える。
即ち、高回転・高負荷側ほど一部気筒燃料カットが触媒に与える影響が大きく、また、少数気筒を燃料カットしたときの方が触媒に与える影響が大きいので、最も影響が大きな領域では全気筒燃料カットのみを許容し、比較的影響の少ない領域では、少数気筒での燃料カットを禁止する。
また、請求項2記載の発明では、前記許容継続時間設定手段が、前記燃料カット要求気筒数による燃料カットをそのまま許容する継続時間を、前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域及び前記燃料カット要求気筒数に基づいて設定し、燃料カット制限手段が、該許容継続時間設定手段で設定された許容継続時間内では、燃料カット手段による前記燃料カット要求気筒数に応じた燃料カットをそのまま許容する一方、前記許容継続時間が経過した後は、燃料カット気筒数に制限を加える構成とした。
かかる構成によると、同じエンジン運転領域であっても、燃料カット要求気筒数によっては継続し得る時間が異なるので、エンジンの運転領域及び燃料カット要求気筒数に応じて前記許容継続時間を異なる値に設定する。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記燃料カット制限手段が、燃料カット気筒数の制限パターンとして、所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止する制限パターンと、より高回転・高負荷側で全気筒燃料カットのみを許容する制限パターンとを有する構成とした。
【0014】
請求項4記載の発明では、前記許容継続時間設定手段が、前記許容継続時間を高回転・高負荷側ほど短く設定する構成とした。
かかる構成によると、高回転・高負荷側ほど、要求通りの気筒数で燃料カットが行われる時間が短く、直ぐに燃料カット気筒数に制限が加えられる。高負荷,高負荷側ほど一部気筒燃料カットが触媒に与える影響が大きくなるので、要求通りにそのまま燃料カットを行わせることができる時間が短いためである。
【0018】
請求項5記載の発明では、前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域に基づいて、燃料カットの許容最大気筒数を設定する許容最大気筒数設定手段と、前記燃料カットの要求気筒数を、前記許容最大気筒数設定手段で設定される許容最大気筒数以下に制限する最大気筒数制限手段と、を設ける構成とした。
【0019】
かかる構成によると、トルクダウン要求に応じた燃料カット要求気筒数が、エンジンの運転領域毎に設定される許容最大気筒数以下に制限されて、実際の燃料カットが行われる。
請求項6記載の発明では、前記許容最大気筒数設定手段が、低回転・低負荷側ほど前記許容最大気筒数として小さな値を設定する構成とした。
【0020】
かかる構成によると、低回転・低負荷側ほど許容最大気筒数が小さくなり、実際の燃料カット気筒数が低回転・低負荷側ほど、換言すれば、耐エンスト性が低くなる領域ほど小さく制限される。
請求項7記載の発明では、前記許容最大気筒数設定手段が、エンジン温度が低いときほど前記許容最大気筒数を小さな値に設定する構成とした。
【0021】
かかる構成によると、冷却水温度等で代表されるエンジン温度が低く耐エンスト性が低下する条件のときほど、前記許容最大気筒数を小さな値に設定し、以て、実際に燃料カットされる気筒数を少数に制限する。
請求項8記載の発明では、前記許容最大気筒数設定手段が、エンジンの補機負荷が大きいときほど前記許容最大気筒数を小さな値に設定する構成とした。
【0022】
かかる構成によると、エアコン用コンプレッサや電気負荷などの補機負荷が大きく、耐エンスト性が低下する条件のときほど、前記許容最大気筒数を小さな値に設定し、以て、実際に燃料カットされる気筒数を少数に制限する。
請求項9記載の発明では、前記燃料カット要求気筒数設定手段が、車輪のスリップ率を検出するスリップ率検出手段を含んで構成され、該スリップ率検出手段で検出されたスリップ率に基づき、駆動トルクを低下させてスリップを抑制するための燃料カット要求気筒数を設定する構成とした。
【0023】
かかる構成によると、駆動トルクが過大であるために駆動輪がスリップすると、該スリップを、駆動トルクを低下させることで解消すべく、燃料カットを行う要求気筒数が設定され、所謂トラクションコントロール制御がより正確,精密になされる。
請求項10記載の発明では、前記燃料カット手段が、相互に異なる気筒の組み合わせによる同一気筒数の燃料カットを所定周期毎に交互に実行する構成とした。
【0024】
かかる構成によると、例えば同じ1気筒燃料カット時であっても、同じ気筒について継続して行うのではなく、交互に異なる気筒で燃料カットを行わせる。ここで、V型エンジンなどでは、バンク間で交互に燃料カットを行わせる構成とすると良い。
【0025】
請求項1記載の発明によると、触媒昇温は、少数気筒で燃料カットが行われる場合(6気筒における1〜2気筒)に最も大きくなるので、最も厳しい条件では、全気筒燃料カットのみを許容して一部気筒での燃料カットを禁止する一方、比較的エンジン回転,エンジン負荷の低い条件では、前記少数気筒に対応する所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止し、前記所定気筒数以上での燃料カット又は燃料カットの全面禁止を強制して、過度な触媒昇温を適切に回避できるという効果がある。
請求項2記載の発明によると、燃料カットを行わせる気筒数によって異なる触媒昇温特性に応じ、要求カット気筒数での燃料カットを最大限に長く行わせることができるという効果がある。
【0026】
請求項3記載の発明によると、燃料カットを行わせる気筒数によって異なる触媒昇温特性に応じ、要求カット気筒数での燃料カットを最大限に長く行わせることができる一方、触媒昇温は、少数気筒で燃料カットが行われる場合(6気筒における1〜2気筒)に最も大きくなるので、最も厳しい条件では、全気筒燃料カットのみを許容して一部気筒での燃料カットを禁止する一方、比較的エンジン回転,エンジン負荷の低い条件では、前記少数気筒に対応する所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止し、前記所定気筒数以上での燃料カット又は燃料カットの全面禁止を強制して、過度な触媒昇温を適切に回避できるという効果がある。
請求項4記載の発明によると、少数気筒での燃料カットによる触媒昇温が大きくなる高回転・高負荷側ほど、要求カット気筒数による燃料カットを短い時間に制限して、触媒の昇温を確実に抑制し、かつ、要求気筒数での燃料カットを最大限に行わせることができるという効果がある。
【0028】
請求項5記載の発明によると、要求カット気筒数での燃料カットを、エンジン運転領域毎に異なる耐エンスト性への影響を考慮しつつ最大限に許容できるという効果がある。
【0029】
請求項6記載の発明によると、低回転・低負荷側ほど耐エンスト性が低くなることに対応して、燃料カットの気筒数を適切に制限できるという効果がある。
請求項7記載の発明によると、耐エンスト性が低下する低温時には燃料カット気筒数を少数に制限してエンストの発生を確実に防止できると共に、耐エンスト性が比較的高い高温時には、燃料カットの気筒数の制限を緩めて大きなトルクダウンが得られるという効果がある。
【0030】
請求項8記載の発明によると、補機負荷が大きく耐エンスト性が低下するときには燃料カット気筒数を少数に制限してエンストの発生を確実に防止できると共に、補機負荷が比較的小さいときには燃料カットの気筒数の制限を緩めて大きなトルクダウンが得られるという効果がある。
請求項9記載の発明によると、スリップ抑制のための燃料カットを、触媒の過度の昇温やエンストを招くことなく、広範囲において行わせることができ、以て、燃料カットによるトラクションコントロール性能を向上させることができるという効果がある。
【0031】
請求項10記載の発明によると、燃料カットが特定の一部気筒において連続的に行われることを回避でき、例えば各バンク毎に独立した触媒付きの排気系を有するV型エンジンにおいて、各バンクの触媒に対して燃料カットの影響を分散できるので、特に高回転・高負荷側において要求カット気筒数での燃料カットをより多く実現できるという効果がある。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施形態における後輪駆動式車両のシステム構成図である。図に示すエンジン1は、V型6気筒であって、各気筒毎に燃料供給手段としてのインジェクタ(図示省略)が設けられている。尚、インジェクタは、吸気ポートに燃料を噴射する構成の他、各気筒の燃焼室内に燃料を直接噴射する構成であっても良い。
【0033】
各気筒からの排気は、左右のバンク1a,1b毎に個別に合流し、左バンク用の触媒2a、右バンク用の触媒2bを通過した後、左右バンクの排気が合流してマフラー3を通過して大気中に排出される。
前記各気筒毎に設けられるインジェクタは、マイクロコンピュータを内蔵したECM(エンジン・コントロール・モジュール)4からのインジェクタ駆動信号によって開弁し、各気筒に燃料を供給する。
【0034】
前記ECM4には、各種センサからの検出信号が入力され、前記検出信号に基づいて前記インジェクタの開弁駆動時間、即ち、燃料噴射量を決定する。
前記各種センサとしては、エンジン1の吸入空気量QAを検出するエアフローメータ5、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ6、スロットル弁7の開度TVOを検出するスロットルセンサ8などが設けられている。
【0035】
また、本実施形態においては、トラクション・コントロール・システム(以下、TCSと称する)が備えられており、TCSコントロールユニット(TCS C/U)10には、4輪それぞれに設けられた車輪速センサ11a,11b,11c,11dからの検出信号が入力されると共に、前記ECM4からエンジン回転数(rpm)やスロットル開度の情報が、LANによる通信により入力される。
【0036】
また、水温センサ121 からの水温信号や、エアコン,パワーステアリングなどの補機負荷を検出する補機負荷センサ122 からの補機負荷信号(バッテリ電圧信号を含む)も、前記ECM4に入力されるようになっている。
そして、前記TCSコントロールユニット10は、前記各種の信号に基づいて駆動輪のスリップ率を演算し、前記ECM4に対して前記スリップ率に応じたトルクダウン要求信号を出力する。
【0037】
前記トルクダウン要求信号を受けたECM4では、前記トルクダウン要求に応じて、燃料カットF/C(燃料供給の一時的な停止)を行うことで、エンジン出力トルクを低下させ、以て、駆動輪の駆動トルクを低下させて、スリップの発生を抑制する。
尚、図2において、12はオートマチック・トランスミッションのコントロールユニット(A/T C/U)であり、このA/Tコントロールユニット12からも、変速時に燃料カット要求信号が前記ECM4に出力される場合がある。
【0038】
図3は、前記ECM4及びTCSコントロールユニット10による制御機能を示すブロック図である。まず、TCSコントロールユニット10の制御機能を説明すると、車輪速検出部101では、前記車輪速センサ11a〜11dからの信号に基づいて各車輪の回転速度を検出する。
【0039】
車輪速比較演算部102 では、前輪(従動輪)の回転速度と後輪(駆動輪)の回転速度とを比較し、この結果からスリップ率演算部103 (スリップ率検出手段)ではスリップ率を演算する。
トルクダウン要求量演算部104 では、前記演算されたスリップ率に基づいて、トルクダウン要求量を演算する。
【0040】
そして、トルクダウン制御信号出力部105 では、前記トルクダウン要求量を示すトルクダウン要求信号を前記ECM4へ出力する。
次に、ECM4による燃料噴射制御について説明する。
まず、エンジン回転数検出部111 では、クランク角センサ6からの信号に基づいてエンジン回転数(rpm)NE(エンジン回転速度)を検出し、吸入空気量検出部112 では、エアフローメータ5からの信号に基づいて吸入空気量QAを検出する。
【0041】
基本燃料噴射パルス幅算出部113 では、インジェクタに出力する駆動信号の基本パルス幅Tpを、前記検出されたエンジン回転数NE及び吸入空気量QAに基づいて算出する。
燃料噴射パルス幅演算部114 では、前記基本パルス幅Tpをエンジンの冷却水温度,バッテリ電圧,補機負荷などに応じて補正して、最終的な噴射パルス幅Tiを演算する。
【0042】
そして、駆動回路115 は、前記噴射パルス幅Tiの駆動信号を、エンジン回転に同期した噴射タイミングにおいて各気筒のインジェクタ9に出力する。
一方、前記TCSコントロールユニット10のトルクダウン制御信号出力部105 からのトルクダウン要求信号は、ECM4のトルクダウン要求気筒カット数算出部116 に入力され、前記トルクダウン要求量に応じた燃料カット気筒数(燃料カット要求気筒数)を算出する(燃料カット要求気筒数設定手段)。
【0043】
前記算出された燃料カット要求気筒数は、燃料カット気筒数判断部117 及び燃料カット継続時間カウンタ部119 に出力される。
前記燃料カット気筒数判断部117 (燃料カット制限手段)では、前記燃料カット要求気筒数と、エンジンの運転領域と、前記燃料カット継続時間カウンタ部119 で計測される燃料カットの継続時間とに基づいて、実際に燃料カットを行わせる気筒数を決定する。前記エンジンの運転領域は、スロットル開度検出部110 を介して入力されるエンジン負荷を代表するスロットル開度TVOとエンジン回転数NEとによって判断される。但し、エンジン負荷は、吸入空気量QAや基本パルス幅Tpなどで代表させる構成としても良い。
【0044】
尚、上記パラメータの他、水温,補機負荷,バッテリ電圧などに応じて、実際に燃料カットを行わせる気筒数を決定する構成としても良い。
実際に燃料カットを行う気筒数が前記燃料カット気筒数判断部117 で決定されると、燃料カット気筒パターン指定部118 において、燃料カット気筒数に応じて燃料カットを行う気筒の組合せ(パターン)を指定する。
【0045】
そして、燃料カット可否最終判定部120 では、別途行われる故障診断などの結果に基づいて、最終的に燃料カットを実行させるか否かを判定し、燃料カットを行える条件であるときには、前記燃料カット気筒パターン指定部118 で指定された燃料カットを行う気筒を、燃料噴射パルス幅演算部114 に出力し、燃料カットを行う気筒として指定された気筒の燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)を0とする(燃料カット手段)。
【0046】
前記燃料カット気筒パターン指定部118 においては、燃料カットを行う気筒が左右バンクで略均一となるように、所定時間毎に燃料カットを行う気筒の組み合わせを切り換えるようにすることが好ましい。
具体的には、燃料カット要求気筒数が1であるときには、右バンクの#1気筒の燃料カットを所定時間行った後、左バンクの#2気筒の燃料カットを所定時間行わせ、再度#1気筒の燃料カットに切り換えることを繰り返し、右バンクの#1気筒の燃料カットと左バンクの#2気筒の燃料カットとを交互に実行させる。
【0047】
燃料カット要求気筒数が2であるときには、右バンクの#1気筒及び#3気筒の燃料カットと、左バンクの#2気筒及び#4気筒の燃料カットとを所定時間毎に交互に実行させる。
燃料カット要求気筒数が3であるときには、右バンクの3気筒(#1,#3,#5)全ての燃料カットと、左バンクの3気筒(#2,#4,#6)全ての燃料カットとを所定時間毎に交互に実行させる。
【0048】
燃料カット要求気筒数が4であるときには、右バンクの3気筒(#1,#3,#5)全て及び左バンクの#2気筒の燃料カットと、左バンクの3気筒(#2,#4,#6)全て及び右バンクの#1気筒の燃料カットとを所定時間毎に交互に実行させる。
燃料カット要求気筒数が5であるときには、右バンクの3気筒(#1,#3,#5)全て及び左バンクの#4,#6気筒の燃料カットと、左バンクの3気筒(#2,#4,#6)全て及び右バンクの#3,#5気筒の燃料カットとを所定時間毎に交互に実行させる。
【0049】
上記のように、燃料カット気筒のパターン(組み合わせ)を所定時間毎に交互に実行させて、左右バンク間で燃料カットが略均一に行われるようにすれば、燃料カットによる触媒昇温が一方のバンクのみで継続的に発生して、一方の触媒のみが過度に昇温することを防止できる。従って、一定の気筒の組み合わせで燃料カットを行わせる場合に比べ、触媒性能へ悪影響を及ぼすことなく、より高回転・高負荷側まで、及び/又は、より長い時間にわたって要求気筒数での燃料カットを行わせることが可能である。
【0050】
尚、直列エンジンや、V型エンジンであっても各バンクの排気合流部よりも下流側に触媒を備えるものでは、前記カット気筒の組み合わせの切り換えは、効果を発揮しないので、そのようなエンジンの場合には、前記パターン切り換えを行わなくても良い。
図4のフローチャートは、前記燃料カット気筒数判断部117 における燃料カット気筒数の決定制御の様子を詳細に示すものである。
【0051】
まず、S1では、TCSの作動中であるか否かを判別する。前記TCSの作動中とは、前記トルクダウン制御信号出力部105 からトルクダウン要求信号が出力されている状態を示す。
S1で、TCSの作動中であること、即ち、前記トルクダウン制御信号出力部105 からトルクダウン要求信号が出力されていることが判別されると、S2へ進む。
【0052】
例えば図5に示すように、エンジン負荷を代表するスロットル開度TVOとエンジン回転数とによって予め全運転領域がA〜Dの4領域に区分されており、S2では、前記A〜D領域のいずれに該当しているかを判断する(エンジン運転領域検出手段)。
S3では、A領域に該当しているか否かを判別し、A領域であるときには、S4へ進み、前記トルクダウン要求気筒カット数算出部116 で算出された燃料カット要求気筒数をそのまま最終的なカット数とし、燃料カット気筒数になんらの制限を加えないものとする。
【0053】
これは、前記A領域が、低回転・高中低負荷,低負荷・高中低回転領域であって、触媒昇温が最も大きくなる燃料カット気筒数である1〜2気筒程度での燃料カットを継続的に行っても、触媒性能に悪影響を及ぼすほど高い温度(例えば900 ℃)にならないためであり、要求気筒数に従ってそのまま実際に燃料カットを行わせる。
【0054】
一方、S3でA領域でないと判断されると、S5へ進み、中回転・中負荷領域であるB領域であるか否かを判別する。
そして、B領域であるときには、S6へ進み、TCSの作動開始から、即ち、前記トルクダウン制御信号出力部105 がトルクダウン要求信号を出力し始めてからの経過時間をTCS作動時間として、前記燃料カット継続時間カウンタ部119 で計測させる。
【0055】
次のS7では、前記計測されるTCS作動時間が、許容継続時間である所定時間t1(例えば8秒程度)になるまでは、前記トルクダウン要求気筒カット数算出部116 で算出された燃料カット要求気筒数をそのまま最終的なカット数とし、燃料カット気筒数になんらの制限を加えないものの、前記所定時間t1が経過した後は、触媒昇温が最も大きくなる気筒数である少数気筒の燃料カットを禁止するカット気筒数の制限処理を実行する。
【0056】
B領域は、少数気筒燃料カットを無制限に行わせることができないものの、少数気筒燃料カットを行わせても、直ちに触媒温度が許容温度を越えるようになるものではなく、少数気筒燃料カットを長く継続させると最終的には許容温度に近づくことになってしまうので、許容できる範囲内で要求気筒数に従った燃料カットを継続させ、その後に、カット気筒数を触媒温度に影響を与えないような気筒数に制限するものである。
【0057】
前記少数気筒の燃料カットの禁止措置は、具体的には、本実施形態の6気筒エンジンであれば、1〜2気筒の燃料カットを禁止するものであり、燃料カット要求気筒数が1又は2であるときには、3気筒燃料カットを強制するか、全く燃料カットを行わせないものとする。但し、燃料カットを全面的に禁止させると、スリップ抑制効果が全く得られないことになってしまうので、3気筒燃料カットを強制する方が好ましい。3気筒燃料カットを強制する構成であれば、1〜2気筒から3気筒への変更であるため、余分なトルクの低下が充分に小さく、燃料カットによるショックの発生等も充分に小さくできる。また、3気筒燃料カット状態と燃料カットを全く行わない状態とを交互に行わせて、平均的には3/2気筒の燃料カット状態と同様なトルク低下効果が得られるようにすることも可能である。
【0058】
尚、4気筒の場合も、1〜2気筒の燃料カットを禁止し、また、8気筒では1〜4気筒程度の燃料カットを禁止する構成とすれば良い。
また、S5でB領域ではないと判別されると、S8へ進み、B領域よりも高回転・高負荷側であるC領域であるか否かを判別する。
そして、C領域であるときには、S9へ進み、TCS作動時間を、前記燃料カット継続時間カウンタ部119 で計測させる。
【0059】
次のS10では、前記計測されるTCS作動時間が、許容継続時間である所定時間t2(例えば1秒程度)になるまでは、前記トルクダウン要求気筒カット数算出部116 で算出された燃料カット要求気筒数をそのまま最終的なカット数とし、燃料カット気筒数になんらの制限を加えないものの、前記所定時間t2が経過した後は、全気筒燃料カットのみを許容するカット気筒数の制限処理を実行する。
【0060】
C領域は、A領域のように少数気筒燃料カットを無制限に行わせることができず、更に、B領域よりも高回転・高負荷側であるため、少数気筒燃料カットを継続できる時間がより短く、かつ、比較的多くの気筒数による一部気筒カットを行っても、触媒昇温が生じてしまう。そこで、燃料カット要求気筒数のままで燃料カットを行わせる時間をB領域に比べ短くし、更に、燃料カットを全気筒燃料カットに限定し、一部気筒での燃料カットを禁止するものである。
【0061】
前記全気筒燃料カットのみを許容する制限措置は、燃料カットの要求に対して全気筒燃料カットを強制するか、燃料カットを全面的に禁止することになる。但し、燃料カットによる大きなショックを招かない範囲で、極力全気筒燃料カットを実行させることが好ましく、例えば燃料カット要求気筒数が4〜5気筒であれば、全気筒燃料カットを強制させ、1〜3気筒の場合には、燃料カットを全く行わないこととすると良い。
【0062】
また、S8でC領域でないと判別されると、S11へ進み、最も高回転・高負荷側であるD領域であるか否かを判別する。
そして、D領域であるときには、S12へ進み、全気筒燃料カットのみを許容するカット気筒数の制限処理を当初から実行する。
D領域は、C領域よりも更に高回転・高負荷側であるため、少数気筒燃料カットを許容できる余裕はなく、短時間だけ少数気筒燃料カットを行わせても、許容温度(例えば900 ℃)を越えてしまう可能性が高くなるので、直ちに全気筒燃料カットのみを許容する処理態勢に入る。
【0063】
尚、前記S3〜S12の部分が燃料カット制限手段,許容継続時間設定手段に相当する。
上記のようにして、エンジンの運転領域と、燃料カット要求気筒数と、TCS作動時間とから燃料カット気筒数に制限を加えると、S13で最終的な燃料カット気筒数(要求気筒数)を判定する一方、S14で前述のカット気筒の組み合わせ切り換えのためにTCS作動時間を計測させ、S15では、組み合わせの一方をAモード、他方をBモードとして、いずれのモードを用いるかを前記TCS時間に基づいて一定時間毎に切り換え設定する。
【0064】
そして、S16では、前記S15により切り換え設定によってAモードが選択されているか否かを判別し、Aモード中であるときには、S17へ進んで、Aモードの気筒組み合わせで燃料カットを行わせ、Aモード中でなくBモード中であるときには、S18へ進み、Bモードの気筒組み合わせで燃料カットを行わせる。
尚、前記S13〜S18の部分が燃料カット手段に相当する。
【0065】
上記構成によると、前記B,C,D領域のように、燃料カット要求気筒数のままでの継続的な燃料カットを行わせることができない領域であっても、B,C領域のように、要求気筒数による燃料カットを時間を限定して行わせることができる場合には、TCS要求の初期では要求に応じた燃料カットをそのまま実行させ、許容時間が経過した後は、触媒の過度の昇温を招かないような気筒数に制限するので、要求気筒数に応じた燃料カットを行える領域を増大させることができ、以て、触媒の過度の温度上昇を回避しつつ、スリップ抑制のためのトルクダウンをより効果的に行えるものである。
【0066】
尚、前記時間t1,t2(許容継続時間)はそれぞれ固定値であっても良いが、同じB,C領域内であっても、燃料カット要求気筒数によって、継続を許容できる時間が大きく異なる場合があるので、燃料カット要求気筒数に応じて前記時間t1,t2を変更する構成としても良い。例えば、B領域では、3〜6気筒の燃料カット要求は時間t1に拘束されることなく継続的に実行され、要求カット数が1又は2気筒であるときには、時間t1によって制限されることになるが、同じ時間t1だけ経過した時点であっても、カット数が1気筒であるか2気筒であるかによって触媒昇温レベルが異なり、更に長い時間だけ要求通りの燃料カットを許容できる場合があるので、要求カット数が1気筒であるか2気筒であるかによって、時間t1に差を設けるものである。
【0067】
また、エンジン回転数の条件をより細かく設定し、同じB,C領域内であっても、回転数の条件によって前記時間t1,t2を変更する構成としても良い。更に、前記時間t1,t2や許容カット気筒数を、補機負荷,バッテリ電圧,水温などの情報に基づいて可変に制御しても良い。
ところで、前記A領域では、触媒温度の上昇を考慮したカット気筒数の制限は要求されないが、A領域の中でも低回転・低負荷側では、カット気筒数が多い場合にエンストのおそれがあり、耐エンスト性を確保しつつ、スリップ抑制のための燃料カットを最大限に実行することが要求される。
【0068】
そこで、以下では、低回転・低負荷領域での耐エンスト性を考慮した燃料カット制御について図6のフローチャートに従って説明する。
尚、図6のフローチャートに示す燃料カット制御も、前記図3のシステムブロック図における燃料カット気筒数判断部117 を中心に行われることになるので、前記図2及び図3を参照しつつ、制御内容を以下に説明するものとする。
【0069】
図6のフローチャートにおいて、S21では、TCSの作動中(トルクダウン要求信号の出力状態)であるか否かを判別する。
そして、TCS作動中であるときには、S22へ進み、図8に示すように、エンジン負荷とエンジン回転数とによって区分される低回転・低負荷領域のうちのa〜dの4領域のいずれに該当しているかを判定する(エンジン運転領域検出手段)。
【0070】
S23では、低回転・低負荷領域の中での最も高回転・高負荷側となるa領域に該当しているか否かを判別し、a領域であるときには、S24へ進む。
S24では、燃料カット要求気筒数に制限を加えることなくそのまま最終的な燃料カット気筒数とする。前記a領域は、低回転・低負荷領域の中でも最も高回転・高負荷側であって、たとえ要求カット数が全気筒であっても、通常にエンジン回転数に基づいて燃料噴射を再開させることで、エンストの発生を確実に回避できることから、全気筒燃料カットを含み全ての要求カット数をそのまま許容するものとする。
【0071】
一方、S23でa領域でないと判別されたときには、S25へ進み、a領域よりも低回転・低負荷であるb領域に該当しているか否かを判別する。
そして、b領域であるときには、S26へ進み、本実施形態の6気筒エンジンで、1〜4気筒の燃料カットを許容し、5,6気筒の燃料カットを禁止する。例えば、燃料カット要求気筒数が1〜4気筒のいずれかであるときには、要求カット数をそのまま実際のカット数とするが、燃料カット要求気筒数が5気筒又は6気筒であるときには、そのまま5気筒又は6気筒で燃料カットを行わせると、回転落ちが急激となって最悪の場合エンストに至る可能性があるので、5,6気筒での燃料カットを禁止するものであり、許容最大気筒数に相当する4気筒以下に燃料カット気筒を制限するものである。
【0072】
要求カット数が5又は6気筒であってそのままの気筒数での燃料カットを禁止する場合には、燃料カットを全気筒で行わない構成としても良いが、許容されるカット数の中での最大数である4気筒カットを行わせる構成とすれば、エンストを確実に回避しつつ、スリップ抑制を果たせることになり、好ましい。
また、S25でb領域でないと判別されたときには、S27へ進み、前記b領域よりも更に低回転・低負荷であるc領域に該当しているか否かを判別する。
【0073】
c領域であるときには、S28へ進み、1,2気筒の燃料カットを許容し(許容最大気筒数=2気筒)、3〜6気筒の燃料カットを禁止する。前記c領域は、前記b領域に比べてより低回転・低負荷であるため、より少ないカット数であっても、最悪エンストする可能性があるため、許容されるカット数をより少なく制限するものである。この場合も、要求カット数が1〜2気筒であれば、そのまま燃料カットを行わせるが、要求カット数が3〜6気筒であるときには、要求よりも少ないが許容されるカット数の最大値である2気筒で燃料カットを行わせると良い。
【0074】
S27でc領域に該当していないと判別されたときには、S29へ進み、c領域よりも更に低回転・低負荷であるd領域に該当しているか否を判別する。
d領域に該当しない場合には、a〜d領域のいずれにも該当しない中高回転・中高負荷領域であって、本実施形態が制御対象とする低回転・低負荷領域ではないので、そのまま本ルーチンを終了させる。
【0075】
ここで、a〜d領域のいずれにも該当しない中高回転・中高負荷領域は、実質的には、a領域と同様に、エンストの可能性のない領域に該当することになるが、図4のフローチャートと図6のフローチャートとを組み合わせて実行し、低回転・低負荷領域では耐エンスト性を考慮した図6に示すような燃料カット気筒の制限を行う一方、中高回転・中高負荷領域では、触媒の過度の温度上昇を回避するための図4に示すような燃料カット気筒の制限を行うようにすると良い。
【0076】
一方、S29でd領域であると判別された場合には、S30へ進み、燃料カットを全面的に禁止する措置を実行する(許容最大気筒数=0)。前記d領域は、前記c領域に比べてより低回転・低負荷であるため、少数の気筒での燃料カットでも大きく回転低下する可能性があるので、燃料カットを全く行わせないものであり、燃料カット気筒数が1〜6のいずれであってもこれを禁止する。
【0077】
尚、前記S23〜S30の部分が最大気筒数制限手段,許容最大気筒数設定手段に相当する。
上記のようにして最終的な燃料カット気筒数を決定すると、S31〜S36では、前記S13〜S18と同様にして、燃料カット気筒の組み合わせを交互に切り換えつつ燃料カットを実行させる。
【0078】
上記構成によると、耐エンスト性を確保できる最大カット数が運転領域毎に異なることに対応して、運転領域毎に設定した最大カット数以下に制限するので、耐エンスト性を確保しつつ、各領域毎に最大限のカット数で燃料カットを行わせることができる。
図6のフローチャートでは、最大許容気筒数を、エンジン負荷とエンジン回転数とによって区分される運転領域のみから決定する構成としたが、耐エンスト性は、冷却水温度で代表されるエンジン温度が低くなるほど低下し、また、エアコン用コンプレッサや電気負荷などの補機負荷が大きくなるほど低下する。そこで、冷却水温度が低いときほど、また、補機負荷が大きいときほど、図7に示すd領域が拡大され、燃料カットが許可される領域がより高回転,高負荷側にシフトされるように変更すると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載のトルクダウン制御装置の基本構成ブロック図。
【図2】実施の形態における車両のシステム構成図。
【図3】実施の形態における制御ブロック図。
【図4】実施の形態における高回転・高負荷時の燃料カット制御を示すフローチャート。
【図5】高回転・高負荷領域の区分の例を示す図。
【図6】実施の形態における低回転・低負荷時の燃料カット制御を示すフローチャート。
【図7】低回転・低負荷領域の区分の例を示す図。
【符号の説明】
1…エンジン
1a…左バンク
1b…右バンク
2a,2b…触媒
4…ECM
5…エアフローメータ
6…クランク角センサ
7…スロットル弁
8…スロットルセンサ
9…インジェクタ
10…TCSコントロールユニット
11a〜11d…車輪速センサ
121…水温センサ
122 補機負荷センサ
Claims (10)
- トルクダウン要求に応じて燃料カットの要求気筒数を設定する燃料カット要求気筒数設定手段と、
該燃料カット要求気筒数設定手段で設定された燃料カット要求気筒数に応じて、各気筒毎に設けられる燃料供給手段による燃料供給を選択的に停止させる燃料カット手段と、
エンジンの運転領域を検出するエンジン運転領域検出手段と、
前記燃料カット要求気筒数による燃料カットをそのまま許容する継続時間を、前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域に基づいて設定する許容継続時間設定手段と、
該許容継続時間設定手段で設定された許容継続時間内では、燃料カット手段による前記燃料カット要求気筒数に応じた燃料カットをそのまま許容する一方、前記許容継続時間が経過した後は、燃料カット気筒数に制限を加える手段であって、燃料カット気筒数の制限パターンとして、所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止する制限パターンと、より高回転・高負荷側で全気筒燃料カットのみを許容する制限パターンとを有する燃料カット制限手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする車両用エンジンのトルクダウン制御装置。 - トルクダウン要求に応じて燃料カットの要求気筒数を設定する燃料カット要求気筒数設定手段と、
該燃料カット要求気筒数設定手段で設定された燃料カット要求気筒数に応じて、各気筒毎に設けられる燃料供給手段による燃料供給を選択的に停止させる燃料カット手段と、
エンジンの運転領域を検出するエンジン運転領域検出手段と、
前記燃料カット要求気筒数による燃料カットをそのまま許容する継続時間を、前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域及び前記燃料カット要求気筒数に基づいて設定する許容継続時間設定手段と、
該許容継続時間設定手段で設定された許容継続時間内では、燃料カット手段による前記燃料カット要求気筒数に応じた燃料カットをそのまま許容する一方、前記許容継続時間が経過した後は、燃料カット気筒数に制限を加える燃料カット制限手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする車両用エンジンのトルクダウン制御装置。 - 前記燃料カット制限手段が、燃料カット気筒数の制限パターンとして、所定気筒数以下での一部気筒燃料カットを禁止する制限パターンと、より高回転・高負荷側で全気筒燃料カットのみを許容する制限パターンとを有することを特徴とする請求項2記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記許容継続時間設定手段が、前記許容継続時間を高回転・高負荷側ほど短く設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記エンジン運転領域検出手段で検出されたエンジンの運転領域に基づいて、燃料カットの許容最大気筒数を設定する許容最大気筒数設定手段と、
前記燃料カットの要求気筒数を、前記許容最大気筒数設定手段で設定される許容最大気筒数以下に制限する最大気筒数制限手段と、
を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。 - 前記許容最大気筒数設定手段が、低回転・低負荷側ほど前記許容最大気筒数として小さな値を設定することを特徴とする請求項5記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記許容最大気筒数設定手段が、エンジン温度が低いときほど前記許容最大気筒数を小さな値に設定することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記許容最大気筒数設定手段が、エンジンの補機負荷が大きいときほど前記許容最大気筒数を小さな値に設定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記燃料カット要求気筒数設定手段が、車輪のスリップ率を検出するスリップ率検出手段を含んで構成され、該スリップ率検出手段で検出されたスリップ率に基づき、駆動トルクを低下させてスリップを抑制するための燃料カット要求気筒数を設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
- 前記燃料カット手段が、相互に異なる気筒の組み合わせによる同一気筒数の燃料カットを所定周期毎に交互に実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用エンジンのトルクダウン制御装置。
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