JP3610740B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の空燃比制御装置としては、例えば、特開平6−81637号公報に開示されるようなものがある。
このものは、内燃機関の排気通路にHC吸着材を介装し、冷機時に排気中のHCを前記HC吸着材に吸着させ、暖機完了後に前記HC吸着材からHCを脱離させ、この脱離されたHCを、前記HC吸着材の排気下流部に配設された三元触媒により浄化するようになっている。そして、この脱離時に、脱離開始からの経過時間に応じて、燃料噴射弁からの燃料噴射量により内燃機関に吸入される混合気の空燃比をリーン側に制御し、これによって三元触媒の入口における空燃比の適正化を図るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3(A)に示すような、三元触媒層をHC吸着材の上層にコーティング等した所謂HC吸着触媒を用いて、冷機時にHCをHC吸着材に吸着し、暖機完了後にHC吸着材からHCを脱離すると共に、この脱離したHCを前記三元触媒層で浄化するようにした場合には、以下のような惧れがある。
【0004】
即ち、
前記HC吸着材から脱離したHCを前記三元触媒層で浄化する際において、HC吸着材から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、に差があるために、上記従来の空燃比制御では、脱離したHCの酸化に必要なO量が三元触媒層表面に十分に吸着させることができず、以って三元触媒層表面におけるHC量とO量とのバランスが崩れ、HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化できなくなる惧れがあった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、HC吸着触媒を用いた場合においても、脱離したHCを三元触媒層で良好に浄化できるようにした内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置は、図1に示すように、HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触媒を排気通路に介装した内燃機関の空燃比制御装置であって、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、内燃機関の吸入混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段を含んで構成し、前記所定量が、前記HC吸着触媒の温度に応じて設定されるようにした。
【0007】
かかる構成とすれば、HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触媒を用いた場合において、HCの脱離中に、HC吸着材から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、の差を考慮して、HC吸着触媒の出口部における空燃比を所定量リーンに制御するようにしたので、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面により多く吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0008】
つまり、従来のように、HCの脱離量だけ三元触媒(層)入口部の空燃比をリーン化するようにした場合における惧れ、即ちHC吸着材から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O2)が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、の差により、脱離したHCの酸化に必要なO2量が三元触媒層表面に十分に吸着させることができず、以って三元触媒層表面におけるHC量とO2量とのバランスが崩れ、HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化できなくなると言った惧れ、を抑制することが可能となる。ここで、HCの脱離濃度(速度)は、HC吸着触媒の温度と共に高く(速く)なる特性があるので、HC吸着触媒の温度に応じて、前記所定量を変化させるようにすれば、常に、脱離したHCの酸化に必要なO 2 を三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、前記内燃機関の吸入混合気の空燃比が、前記HC吸着触媒の出口部に設けられた空燃比センサの検出値に基づいて、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フィードバック制御されるように構成した。
かかる構成によれば、前記内燃機関の吸入混合気の空燃比を、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるようにフィードバック制御することができるので、経時変化や外乱等があっても、高精度に、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、前記内燃機関の吸入混合気の空燃比が、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フィードフォワード制御されるように構成した。
かかる構成とすれば、比較的簡単な構成で、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。なお、HC脱離開始直後は、フィードフォワード制御を行ない、その後はフィードバック制御を行なわせる構成とすることも可能である。
【0012】
請求項に記載の発明では、前記HC吸着触媒の温度を、内燃機関の運転状態に基づいて推定する構成とした。
かかる構成とすれば、前記HC吸着触媒の温度を検出するためのセンサを省略することができるので、製品コストの低減を図ることができる。
請求項に記載の発明では、前記HC吸着触媒の温度を、内燃機関の燃料噴射量或いは吸入空気流量の積算値に基づいて推定するようにした。
【0013】
かかる構成とすれば、前記HC吸着触媒の温度を検出するためのセンサを省略することができるので、製品コストの低減を図ることができると共に、比較的簡単な構成で高精度に、前記HC吸着触媒の温度を推定することが可能となる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触媒を用いた場合において、HCの脱離中に、HC吸着材から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、の差を考慮して、HC吸着触媒の出口部における空燃比を所定量リーンに制御するようにしたので、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面により多く吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができる。
【0015】
つまり、従来のように、HCの脱離量だけ三元触媒(層)入口部の空燃比をリーン化するようにした場合における惧れ、即ちHC吸着材から脱離したHCが三元触媒層へ拡散する速度と、排気ガス中の酸素が三元触媒層に取り込まれる(吸着される)速度と、の差により、脱離したHCの酸化に必要なO2量が三元触媒層表面に十分に吸着させることができず、以って三元触媒層表面におけるHC量とO2量とのバランスが崩れ、HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化できなくなると言った惧れ、を抑制することができる。
また、HC吸着触媒の温度に応じて、前記所定量を変化させるようにしたので、常に、脱離したHCの酸化に必要なO 2 を三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、経時変化や外乱等があっても、高精度に、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
請求項3に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で、脱離したHCの酸化に必要なOを三元触媒層の表面に吸着させることができ、以ってHC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、前記HC吸着触媒の温度を検出するためのセンサを省略することができるので、製品コストの低減を図ることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、製品コストの低減を図ることができると共に、比較的簡単な構成で高精度に、前記HC吸着触媒の温度を推定することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態の構成を示す図2において、機関11の吸気通路12には吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ13及びアクセルペダルと連動して吸入空気流量Qaを制御するスロットル弁14が設けられ、下流のマニホールド部分には気筒毎に電磁式の燃料噴射弁15が設けられている。なお、燃料噴射弁15を各気筒の燃焼室に臨ませる構成とし、本実施形態にかかる内燃機関を所謂筒内直接噴射式内燃機関とすることもできる。
【0020】
かかる燃料噴射弁15は、後述するようにしてコントロールユニット50において設定される駆動パルス信号によって開弁駆動され、図示しない燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータ(図示せず)により所定圧力に制御された燃料を噴射供給する。
なお、機関11の冷却ジャケットに臨んで設けられ、冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ16が設けられている。
【0021】
一方、排気通路17にはマニホールド集合部近傍に、排気中の特定成分(例えば、酸素)濃度を検出することによって吸入混合気の空燃比のリッチ・リーンを検出する酸素センサ18が設けられ、その下流側に、理論空燃比{λ=1、A/F(空気重量/燃料重量)≒14.7}近傍において排気中のCO,HCの酸化とNOの還元を行って排気を浄化する排気浄化触媒としての三元触媒(所謂マニ触媒)19が介装されている。
【0022】
また、本実施形態では、三元触媒19の排気下流側に、図3(A)に示すようなHC吸着材20Aの上層に三元触媒層(三元層)20Bをコーティング等したHC吸着触媒20が介装されており、冷機時に排気中のHCを前記HC吸着材20Aに吸着し{図3(B)参照}、暖機完了後に前記HC吸着材20AからHCを脱離すると共に脱離したHCを、前記三元触媒層20Bで浄化するようになっている{図3(C)参照}。
【0023】
前記HC吸着触媒20の出口部には、排気中の特定成分(例えば、酸素)濃度を検出することによって吸入混合気の空燃比をリーン領域からリッチ領域までリニアに検出することができる空燃比センサ21が設けられている。
また、図2で図示しないディストリビュータには、クランク角センサ22が内蔵されており、コントロールユニット50では、該クランク角センサ22から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク基準角信号の周期を計測して機関回転速度Neを検出できるようになっている。
【0024】
ところで、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェース等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなるコントロールユニット50では、各種センサからの入力信号を受け、通常時(非脱離時)には、概略以下のようにして、燃料噴射弁15の噴射量(延いては空燃比)を制御する。
即ち、
エアフローメータ13からの電圧信号から求められる吸入空気流量Qaと、クランク角センサ22からの信号から求められる機関回転速度Neとから基本燃料噴射パルス幅(燃料噴射量に相当)Tp=c×Qa/Ne(cは定数)を演算すると共に、低水温時に強制的にリッチ側に補正する水温補正係数Kwや、始動及び始動後増量補正係数Kasや、空燃比フィードバック補正係数LAMD1等により、最終的な有効燃料噴射パルス幅Te=Tp×(1+Kw+Kas+・・・)×LAMD1+Tsを演算する。Tsは、電圧補正分である。
【0025】
そして、この有効燃料噴射パルス幅Teが駆動パルス信号として前記燃料噴射弁15に送られて、所定量に調量された燃料が噴射供給されることになる。
上記空燃比フィードバック補正係数LAMD1は、三元触媒19の上流側に設けられた酸素センサ18のリッチ・リーン反転出力に基づいて比例積分(PI)制御等により増減されるもので、これに基づきコントロールユニット50では基本燃料パルス幅Tpを補正し、燃焼用混合気の空燃比を目標空燃比(理論空燃比)近傍にフィードバック制御するものである。
【0026】
ところで、前記HC吸着触媒20を用いて、脱離したHCを、前記三元触媒層20Bで浄化する場合には、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着される)速度と、に差があるため、従来のようにHC吸着触媒20の入口部の空燃比をリーンに制御するだけでは、脱離したHCの酸化に必要なO量を三元触媒層20Bの表面に十分に吸着させることができず、以って三元触媒層20Bの表面におけるHC量とO量とのバランスが崩れ、HC吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄化できなくなる惧れがある{図3(C)参照}。
【0027】
このため、本実施形態では、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着される)速度と、の差分を考慮して、空燃比を制御することで、三元触媒層20Bの表面におけるHC量とO量とをバランスさせ、以ってHC吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄化できるようにしている。
【0028】
即ち、HCの脱離時には、本実施形態に係るコントロールユニット50では、各種センサからの入力信号を受け、図4に示すようなフローチャートを実行して、燃料噴射弁15の噴射量(延いては空燃比)を制御する。なお、以下に説明するように、本発明にかかる空燃比制御手段としての機能は、コントロールユニット50がソフトウェア的に備えるものである。また、図4のフローチャートは、機関11の始動時毎に実行されるものである。
【0029】
即ち、
ステップ(図では、Sと記してある。以下、同様)1では、冷却水温度Tw<コールド(冷機)判定温度Aか否かを判定する。YESであれば、コールド(冷機)時であるので、ステップ2へ進む。NOであれば、通常運転時であるとして前述した通常の空燃比制御を行なわせるべく、本フローを終了する。
【0030】
ステップ2では、従来同様の手法によって、基本燃料噴射量Tp(或いは吸入空気流量Qa)を積算或いは加重平均して、HC吸着触媒20の温度Tcを推定する。例えば、燃焼によって発生し排気を介してHC吸着触媒20へ与えられた熱量{Tp(又はQa)の積算値或いは加重平均値から算出できる}と、排気によりHC吸着触媒20から持ち去られる熱量{排気流量(吸入空気流量Qa)等に相関する}などを考慮して、触媒温度Tcを推定することができ、外気温度,水温Tw等を考慮すれば、より推定精度を向上できる。
【0031】
また、燃料噴射量Tp,機関回転速度Neから、その運転状態が継続された場合の平衡触媒温度を推定し、その推定値と、その運転状態での運転継続時間(或いは時定数)などと、に基づいて、現在の触媒温度Tcを推定すること等もできる。
なお、図2に示した触媒温度センサ23を介して、直接、触媒温度Tcを検出する構成とすることもできる。
【0032】
ステップ3では、触媒温度Tc>HC脱離開始温度T1であるか否かを判定する。YESであれば、HC吸着触媒20の温度が上昇し、冷機時に吸着したHCが、HC吸着材20Aから脱離するので、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着される)速度と、の差分を考慮した空燃比制御を実行すべく、ステップ4へ進む。一方、NOであれば、ステップ2へリターンする。
【0033】
ステップ4では、吸着材20AのHC吸着量を演算する。なお、HC吸着量は、例えば、基本燃料噴射量Tp(或いは吸入空気流量Qa)の積算値に、吸着効率αを乗算(Tp積算値×α)することで推定演算することができる。
つづくステップ5では、目標空燃比TFBYA(HC吸着触媒20の出口部における目標空燃比であり、リーン側に設定される)を演算する。ここで、目標空燃比TFBYAは、以下の式により演算する。
【0034】
即ち、
TFBYA=Tc×γ
ここで、Tc;HC吸着触媒20の温度、γ;目標空燃比係数
つまり、図5に示すように、HCの脱離濃度(速度)は触媒温度Tcで決まる(触媒温度に略比例する)から、これに目標空燃比係数γ{≒『酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる速度』/『HCの脱離速度』}を乗算すれば、触媒温度に応じてHCを良好に浄化するのに必要な酸素量延いては目標空燃比TFBYA(空気重量/燃料重量)を求めることができることとなる。なお、図6に示すようなテーブル等を参照して、HC吸着触媒20の温度Tcに応じて、目標空燃比TFBYAを設定するようにすることもできる。
【0035】
そして、コントロールユニット50では、最終的な有効燃料噴射パルス幅Te=Tp×(1+Kw+Kas+・・・)×1/TFBYA+Tsを演算し、この有効燃料噴射パルス幅Teを駆動パルス信号として前記燃料噴射弁15に送り、所定量に調量された燃料を噴射供給することになる。
ステップ6では、HC吸着触媒20の出口部に設けた空燃比センサ21の検出空燃比に基づき、HC吸着触媒20の出口部における空燃比が、目標空燃比TFBYA(リーン側に設定される)になるように燃料噴射量をフィードバック制御する。
【0036】
つまり、Te=Tp×(1+Kw+Kas+・・・)×1/TFBYA×LAMD2+Tsを演算し、この有効燃料噴射パルス幅Teを駆動パルス信号として前記燃料噴射弁15へ送り、HC吸着触媒20の出口部における空燃比が、目標空燃比TFBYAとなるようにフィードバック制御されることになる。
なお、上記空燃比フィードバック補正係数LAMD2は、HC吸着触媒20の下流側に設けられた空燃比センサ21の空燃比検出信号(空燃比に対してリニアな信号として出力される)に基づいて比例積分(PI)制御等により増減設定されるものである。
【0037】
ステップ7では、吸着材20AのHC脱離量を積算する。なお、HC脱離量は、例えば、以下の式により推定演算することができる。
HC脱離量=Qa×Tc×β
ここで、Qa;吸入空気流量、β;脱離量換算係数
つまり、図5に示すように、HCの脱離濃度(%、ppm)は触媒温度で決まるので、Tc×βにより、触媒温度に応じたHCの脱離濃度を算出することができ、また、HCの脱離濃度に吸入空気流量Qa(l/min又はg/min){排気流量(l/min又はg/min)に相関する値である}を乗算すれば、HCの脱離量を求めることができる。
【0038】
そして、ステップ8では、ステップ7で求めたHC脱離量の積算値と、HC吸着量と、を比較し、HC脱離量の積算値≧HC吸着量であれば、HCの脱離処理は完了したと判断して、通常(非脱離時)の空燃比制御へ移行させる。
一方、HC脱離量の積算値<HC吸着量であれば、未だHCの脱離中であるので、本フローによる空燃比制御を継続する必要があるので、HC脱離量の積算値≧HC吸着量となるまで、ステップ5へリターンする。
【0039】
このように、本実施形態によれば、HC吸着触媒20を用いた場合において、HCの脱離中に、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速度と、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着される)速度と、の差を考慮して、HC吸着触媒20の出口部における空燃比を、脱離したHCの酸化に必要なO量を三元触媒層20B表面に十分に吸着させることができる目標空燃比TFBYA(リーン空燃比)に制御するようにしたので、HC吸着材から脱離したHCを良好に浄化することができることとなる。
【0040】
なお、図4のフローチャートにおけるステップ6を省略して、所謂オープン制御(フィードフォワード制御)により、HC吸着触媒20の出口部における空燃比を、目標空燃比TFBYA(リーン空燃比)に制御することもできる。この場合は、空燃比センサ21を省略してもよい。
ところで、従来のようにHC吸着材の下流側にHC吸着材とは別個独立に三元触媒を設けたものでは、HCの脱離中には三元触媒の入口部の空燃比をHCの脱離量に見合ってリーン化する(この場合、三元触媒の出口部の空燃比は理論空燃比近傍に制御される)のに対し、本発明は、HC吸着触媒20を用いた場合に、HCの脱離中には、HC吸着材20Aから脱離したHCが三元触媒層20Bへ拡散する速度より、排気ガス中の酸素(O)が三元触媒層20Bに取り込まれる(吸着される)速度が遅いことを考慮して、その分、HC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーンにして、三元触媒層20Bの表面におけるHC量とO量とをバランスさせ、HC吸着材20Aから脱離したHCを良好に浄化できるようにしたものである。
【0041】
言い換えると、本発明は、HC吸着触媒20を用いた場合のHC脱離中において、三元触媒層20Bの表面におけるHC量とO量とをバランスさせるために、HC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーン側に制御することを、その本質とするものである。
つまり、本実施形態は、脱離したHCをより効果的に浄化するために、目標空燃比TFBYAを最適値に設定する場合について説明したものであり、本発明は、これに限定されるものではなく、HCの脱離中においてHC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーン側に制御する構成とするだけでも、従来に対して脱離したHCを良好に浄化することができるものであり、従って、HCの脱離中においてHC吸着触媒20の出口部の空燃比をリーン側に制御するものは、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態にかかるシステム構成図
【図3】(A)は、HC吸着触媒の構造を説明する図。(B)は、冷機時(コールド時)におけるHC吸着触媒の機能を説明する図。(C)は、暖機時(ホット時)におけるHC吸着触媒の機能を説明する図。
【図4】同上実施形態における空燃比制御を説明するためのフローチャート。
【図5】脱離HC濃度と、HC吸着触媒温度と、の関係を説明するためのタイミングチャート。
【図6】脱離HC濃度と、HC吸着触媒温度と、の関係を示すテーブルの一例。
【符号の説明】
11 内燃機関
12 吸気通路
13 エアフローメータ
14 スロットル弁
15 燃料噴射弁
17 排気通路
18 酸素センサ
19 三元触媒(マニ触媒)
20 HC吸着触媒
21 空燃比センサ(リニアセンサ)
22 クランク角センサ
50 コントロールユニット

Claims (5)

  1. HC吸着材の上層に三元触媒層を備えて構成されるHC吸着触媒を排気通路に介装した内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、内燃機関の吸入混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段を含んで構成し
    前記所定量が、前記HC吸着触媒の温度に応じて設定されることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記内燃機関の吸入混合気の空燃比を、前記HC吸着触媒の出口部に設けられた空燃比センサの検出値に基づいて、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フィードバック制御されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記内燃機関の吸入混合気の空燃比が、前記HC吸着材からのHCの脱離中に、前記HC吸着触媒の出口部の排気空燃比が所定量リーンになるように、フィードフォワード制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記HC吸着触媒の温度が、内燃機関の運転状態に基づいて推定されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記HC吸着触媒の温度が、内燃機関の燃料噴射量或いは吸入空気流量の積算値に基づいて推定されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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