JP3610473B2 - レドックスフロー電池用電解液の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レドックスフロー電池(以下「レドックス電池と呼ぶ」)に用いられるバナジウム系電解液の原料となる硫酸バナジウム溶液の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境汚染の問題が深刻化するにつれ、各種エネルギーのなかで比較的クリーンな電気エネルギーの利用が増大している。この電気エネルギーは、汎用性が高く、消費時の環境汚染もないので、将来さらに需要が増加することが考えられる。
【0003】
電気エネルギーの貯蔵法として、各種の二次電池が研究開発されているが、なかでも操作性が良く、大容量の電池であるレドックス電池が注目されている。このレドックス電池は、液状の正・負極の電極活物質を液透過型の電解槽に入れ、酸化・還元反応により充・放電を行うものであり、従来の二次電池に比べて装置が簡便で、信頼性および安全性が高い等の利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記レドックス電池のうち、硫酸溶液に溶解した4価と3価のバナジウムイオン対を正・負極液としたレドックス電池は、1.5V程度の出力電圧を得られるので、エネルギー密度が高く効率的である。レドックス電池用の電解液を得る方法として、例えばメタバナジン酸アンモニウムまたは五酸化バナジウムを無機酸存在下に亜硫酸などで還元し、得られた飽和液に濃硫酸等の無機酸を添加し、ついでバナジウム化合物を追加するバナジウム系電解液の製法(特開平5−303973号公報参照)が提案されているが、この方法は、工程が煩雑で、安定した電解液の製造が比較的困難であるという問題がある。
【0005】
上記従来の方法を改良するものとして、本出願人は、原料であるバナジウム酸化物を還元雰囲気中で加熱してV2 O3 またはV2 O4 を主成分とするバナジウム酸化物に還元し、硫酸溶液に溶解させるバナジウム系電解液の製法を提案している(特願平7−97902号)。この場合、V2 O3 は比較的簡単に製造することができるが、V2 O4 を製造するのはそれほど容易ではないので、このV2 O4 の硫酸溶液を製造する方法として、原料であるバナジウム酸化物を還元雰囲気中で加熱してV2 O3 を主成分とするバナジウム酸化物に還元し、得られたバナジウム酸化物V2 O3 と製造の容易なV2 O5 との等モルを水に分散させた後硫酸に溶解させて4価の硫酸バナジウム(VOSO4 )溶液とする方法を別途提案している(特願平8−29964号)。
【0006】
しかしながら、上記の方法は、V2 O3 を溶解させた3価のバナジウム溶液と、V2 O3 とV2 O5 を混合・溶解させた4価のバナジウム溶液とを別々に製造する必要があり、工程が複雑となるという問題点があった。そこで本発明は、入手容易なバナジン酸アンモニウムを原料として、より簡単な工程で所望のレドックス電池用電解液であるバナジウム溶液を製造する方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明はつぎのような製造方法を提供する。すなわち、本発明にかかるレドックス電池用電解液の製造方法は、管状の炉体の内部にラジアル方向に張出する複数の攪拌羽根を設け、該攪拌羽根と炉体とを相対回転させつつ加熱する炉を用い、当該炉の密閉された炉室内でバナジン酸アンモニウムを加熱分解するとともに、その分解によって発生するアンモニアガスの水素でバナジウムの酸化物を還元して平均価数がV 2 O 3.5 で表されるバナジウムの低級酸化物を得る自己還元工程と、該自己還元工程によって得られる前記低級酸化物を硫酸に溶解する溶解工程とを経て、平均価数がV 2 O 3.5 で表される硫酸バナジウム溶液を得ることを特徴としている。
【0008】
本発明に係るレドックス電池用電解液の製造方法は、原料であるバナジン酸アンモニウムを密閉された炉室内で分解するとともに、自己還元して、平均価数がV 2 O 3.5 で表される低級酸化物とし、これを硫酸に溶解することにより、レドックス電池用の電解液とするもので、V2 O3 及びV2 O4 を製造して別々に溶解する従来法に比べて、より簡単に所望の電解液を製造することができる。上記V 2 O 3.5 の組成を持つ化合物は実際には存在しないが、ここでは、複数の酸化物の混合物における平均的な価数を、通常よく用いられる表現方法に従い、小数点をつけて表している。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造方法について具体例をあげつつ詳細に説明する。この製造方法で使用する原料であるバナジン酸アンモニウムは比較的入手しやすい化合物であり、例えば廃触媒から回収することによって得られる。この廃触媒からの回収によって得られるバナジウム化合物としては、メタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO3 )が一般的である。
【0010】
上記バナジン酸アンモニウムをアンモニアとバナジウム酸化物に分解し、この分解によって生じたアンモニアでバナジウム酸化物を低級酸化物に還元するのであるが、この処理は、原料であるバナジン酸アンモニウムを密閉した炉室内にいれて攪拌混合しつつ加熱することにより行われる。この時の加熱温度は450〜800℃程度とするのが好ましく、この温度で数時間保持することにより、バナジン酸アンモニウム自身のアンモニアが簡単に分解し、このアンモニアの水素による還元が行われるのである。
【0011】
上記自己還元用の炉としては、密閉式(完全密閉式でなくても、外気の侵入を遮断できればよい)の筒状の炉室内に内容物の攪拌手段と加熱手段とを設けた炉が使用される。例えば、管状の炉体の内部にラジアル方向に張出する複数の羽根を設けて炉体内部(炉室)を長手方向に沿って複数に区分し、この羽根と炉体とを相対回転させつつ加熱できるものを採用することができる。このような炉としては、例えば株式会社赤見製作所製の特殊電気炉「ラジアル炉」がある。この炉の円筒状の炉室内に原料粉体(バナジン酸アンモニウム)を投入し、羽根を一定方向に回転させつつ加熱すると、内部の原料粉体は羽根によって仕切られた区分内に分布した状態で炉室内を掻き揚げられ、次いで落下する運動が繰り返される。内部の粉体はこの運動を繰り返しつつ一方の端部に設けられた入口から他方の端部に設けられた出口に向かって順次送られ、その間に十分な攪拌と加熱が行われるのである。
【0012】
この処理により種々の価数の低級酸化物が生成するが、加熱温度、時間、投入量等の条件を調節することにより、低級酸化物の平均価数(換言すれば、複数の酸化物の混合物における総合的なVとOの比率)をV2 Ox (x≦3.5)とV2 Oy (y>3.5)とすることができる。このようにして得られたV2 Ox (x≦3.5)で表される低級酸化物と、V2 Oy (y>3.5)で表される低級酸化物とを混合して平均価数V2 O3.5 とする。これは、V2 O3 とV2 O4 とを等量ずつ混ぜ合わせたものに等しい。この混合物を硫酸溶液に加えて80〜120℃で加温し、溶解した後ろ過する。これによって硫酸バナジウム溶液のレドックス電池用電解液が得られる。なお、この硫酸バナジウム溶液の価数は3.5であり、バナジウムの濃度は1〜2.5mol/L、イオウの濃度は3〜5mol/Lとするのが好ましい。
【0013】
【実施例】
図1の工程図にしたがい、バナジン酸アンモニウムを出発原料としてレドックス電池用電解液を製造した。使用した炉は株式会社赤見製作所製ラジアル炉であり、その仕様は、使用電力が3相200V、50Hz、34kw、炉芯管は厚さ8mmのSUS310S製で、寸法はΦ200x4000Lである。この炉芯管の中央部3000Lの間を電熱ヒータで加熱した。この炉を用いて処理した場合の加熱条件及びバナジウムVの品位を例示すれば表1の通りであった。
【0014】
【表1】
【0015】
つぎに、得られたV2 Ox (x≦3.5)とV2 Oy (y>3.5)とを混合し、平均価数をV2 O3.5 とした後、これを硫酸を用いて溶解した。図2は温度とV2 O3.5 の溶解度との関係を表す。具体的には、Vが2.5mol/L,Sが5.0mol/Lの場合、V2 Ox (x=3.23)を34.73gと、V2 Oy (y=4.33)13.21gとを100mlの水に懸濁し、そこに98%濃硫酸120gを加えて、120℃で1hr加熱攪拌溶解した。しかる後水を加えて全量を240mlとし、ろ過を行って未反応物を濾別した。これにより、目的とする硫酸バナジウム電解液が得られた。
【0016】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明にかかるレドックスフロー電池用電解液の製造方法によれば、入手しやすいバナジン酸アンモニウムから、バジウム系レドックス電池用電解液を経済的かつ容易に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表す製造工程図である。
【図2】温度とV2 O3.5 溶解率との関係を表すグラフである。
Claims (1)
- 管状の炉体の内部にラジアル方向に張出する複数の攪拌羽根を設け、該攪拌羽根と炉体とを相対回転させつつ加熱する炉を用い、当該炉の密閉された炉室内でバナジン酸アンモニウムを加熱分解するとともに、その分解によって発生するアンモニアガスの水素でバナジウムの酸化物を還元して平均価数がV 2 O 3.5 で表されるバナジウムの低級酸化物を得る自己還元工程と、該自己還元工程によって得られる前記低級酸化物を硫酸に溶解する溶解工程とを経て、平均価数がV 2 O 3.5 で表される硫酸バナジウム溶液を得ることを特徴とするレドックスフロー電池用電解液の製造方法。
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