JP3609583B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、掃除する場所に応じて変形可能な電気掃除機として、掃除機本体が支柱用パイプに着脱自在に固着されることによってアップライトしての使用状態や掃除機本体を支柱用パイプから外した状態で使用ができる兼用タイプの電気掃除機が実開平4−80455号公報に示されている。
【0003】
従来の兼用タイプの電気掃除機は、図10に示されるように、掃除機本体31と、ホース40と、支柱用パイプ32と、ロータリーベンド33と、吸込口34とから構成されている。これらの構成要素が順に接続されることにより、掃除機本体31と支柱用パイプ32とが分離した、掃除機本体を支柱用パイプから外した状態になる。
【0004】
また、前記ロータリーベンド33は、吸込口34(または当該吸込口32に接続されたロータリーパイプ(図示せず))に対して回転自在に接続されている。さらに、掃除機本体31の下面側に形成された凹部35に対して、前記支柱用パイプ32の外面に突設された突起36を嵌合させることにより、掃除機本体31の下面を前記支柱用パイプ32に固着させれば、図10に示されるアップライトとしての使用状態に変形することができる。アップライトとしての使用状態においては、掃除機本体31は、支柱用パイプ32にもたれかかっており、吸込口34の上に当接している。なお、31aは、掃除機本体31下端後部における後輪38が接続される部分である。
【0005】
前記掃除機本体31下面の凹部35は、掃除機本体31前後方向に沿って少なくとも2か所形成されており、当該凹部35にそれぞれ対応するように、支柱用パイプ32の上下方向に沿って複数の突起36突設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図10に示される従来の電気掃除機では、掃除機本体31を支柱用パイプ32に固定するばあい、上下に並ぶ複数の突起36を凹部35に同時に嵌合させる必要があるため、着脱しにくいという問題がある。
【0007】
また、掃除機本体を着脱する途中で、下側の突起36だけが凹部35に嵌合した状態になったとき、掃除機本体31の前側が支柱用パイプ32に対して固定されてないため、掃除機本体31の安定性がわるくなるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、掃除機本体を支柱用パイプに着脱しやすい電気掃除機を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は掃除機本体を着脱する途中における掃除機本体の安定性をよくする電気掃除機を提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機は、吸込口と、該吸込口に接続される支柱用パイプと、該支柱用パイプに装着される掃除機本体とを備えており、
前記掃除機本体の後端に下向きの凹部が形成され、かつ当該掃除機本体の前端に上向きの凹部が形成され、
前記支柱用パイプ、吸込口または当該支柱用パイプと吸込口とのあいだの接続部分に前記掃除機本体の下向きの凹部と嵌合するための上向きの凸部が設けられ、かつ当該支柱用パイプに前記掃除機本体の上向きの凹部と嵌合するための下向きの凸部が前記上向きの凸部よりも上の位置に設けられ、
前記支柱用パイプの下向きの凸部が上下移動可能である
ことを特徴としている。
【0011】
前記掃除機本体と支柱用パイプとを接続するためのホースをさらに備え、かつ前記支柱用パイプの下向きの凸部よりも上の位置に前記ホースを固定するためのホースリテーナが配設されてなるのが好ましい。
【0012】
前記支柱用パイプの下向きの凸部の先端部分において、当該支柱用パイプから遠ざかるにしたがって上へ向かう方向に傾斜する斜面が形成されてなるのが好ましい。
【0013】
前記支柱用パイプの下向きの凸部を下方へ付勢するための付勢手段を具備してなるのが好ましい。
【0014】
本発明の電気掃除機は、掃除機本体の前後の端部に凹部が形成され、一方、当該凹部に対応するように、支柱用パイプなどに上下方向にならび、しかも互いに向かい合う凸部(すなわち、上向きの凸部の上に下向きの凸部がある)が設けられている。しかも、支柱用パイプの下向きの凸部が上下移動可能である。
【0015】
かかる特徴によって、本発明の電気掃除機をアップライトとしての使用状態に変形するばあい、まず、掃除機本体の後端の下向きの凹部を支柱用パイプなどにある上向きの凸部に嵌合させ、そののち、掃除機本体の前端の上向きの凹部を、支柱用パイプの、たとえばクランプフックからなる下向きの凸部に嵌合させればよい。反対に、掃除機本体を支柱用パイプから離脱させるときには、前述と逆の手順を実行すればよい。したがって、前記凹部と凸部との嵌合および分離を一か所ずつ順に行なうことができるため、掃除機本体の着脱を容易に行なうことができる。
【0016】
また、掃除機本体を支柱用パイプから離脱させるときに、前記クランプフックからなる下向きの凸部を押し上げれば、掃除機本体は、上向きの凸部と嵌合する後端の凹部の位置を支点として、支柱用パイプから離れる方向に倒れそうになる。このばあい、前記掃除機本体と支柱用パイプとを接続するためのホースをさらに備え、かつ前記支柱用パイプの下向きの凸部よりも上の位置に前記ホースを固定するためのホースリテーナが配設されていれば、掃除機本体は、ホースおよびホースリテーナによって支柱用パイプに固定されるため、掃除機本体の転倒を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら、本発明の電気掃除機を詳細に説明する。図1は本発明の電気掃除機の一実施例を示すアップライトとしての使用状態の電気掃除機の斜視説明図、図2は図1の支柱用パイプ、ロータリーベンドおよびロータリーパイプの部分拡大斜視図、図3は図1の掃除機本体の下面を後方から見た図、図4は図1の電気掃除機のアップライトとしての使用状態に変形する途中の状態を示す斜視説明図、図5は図4のクランプフックが上向きの凹部に嵌合する直前の状態を示す断面説明図、図6は図1の掃除機本体をハンディ状態で使用している状態を示す説明図、図7は図1の電気掃除機を掃除機本体を支柱用パイプから外した状態に変形して使用している状態を示す説明図、図8は図1のアップライトとしての使用状態の電気掃除機の正面図および図9は図8の掃除機本体内部におけるモータの配置を示す断面説明図である。
【0018】
本実施の形態の電気掃除機は、図1〜7に示されるように、掃除機本体1が支柱用パイプ2に着脱自在に固着されることによってアップライトとしての使用状態(図1参照)、掃除機本体を支柱用パイプから外した状態(図7参照)および掃除機本体1のみで用いるハンディ状態(図6参照)で使用ができる兼用タイプの電気掃除機である。なお、図7に示される掃除機本体を支柱用パイプから外した状態は、一例として、手持ち式が例にあげられているが、掃除機本体1に車輪を取り付ければ、掃除機本体1を床面を転がして使用するような、掃除機本体を支柱用パイプから外した状態も可能になる。
【0019】
図1〜4に示される電気掃除機は、掃除機本体1と、支柱用パイプ2と、ロータリーベンド3と、ロータリーパイプ4と、吸込口5と、ホース6とから構成されている。
【0020】
支柱用パイプ2は、図1に示されるように、上端開口2aが掃除機本体1の吸入口1aにホース6を通して接続されている。また、支柱用パイプ2の上部には、手で持つためのグリップ7が固着されている。
【0021】
図1および図4に示されるように、掃除機本体1の下面1bは、支柱用パイプ2の前側に後述する固着方法で着脱自在に固着されている。
【0022】
図2に示されるように、支柱用パイプ2の下端開口2bには、ロータリーベンド3の上端開口3aが接続されている。支柱用パイプ2とロータリーベンド3とのあいだは、Cリング30によって、回転できないように着脱自在に接続されている。
【0023】
ロータリーベンド3とロータリーパイプ4とは回転自在に接続されている。なお、8は、ロータリーパイプ4がロータリーベンド3から抜けるのを防止するためのロックピース、9はロータリーパイプ4の下端開口4cに固着された中空の回動軸である。回動軸9は、吸込口5の後部に回転自在に接続されている。
【0024】
図3に示されるように、掃除機本体1の下面1bの後端には、下向きの凹部1cが形成されている。また、掃除機本体1の下面1bの前端には、上向きの凹部1dが形成されている。
【0025】
図2に示されるように、支柱用パイプ2と吸込口5とのあいだを接続するロータリーパイプ4には、掃除機本体1の下向きの凹部1cと嵌合するための上向きの凸部4dが設けられている。また、支柱用パイプ2には、掃除機本体1の上向きの凹部1dと嵌合するための下向きの凸部であるクランプフック10が設けられている。クランプフック10は、支柱用パイプ2に対して上下移動可能に設けられている。なお、本実施の形態では、上向きの凸部4dがロータリーパイプ4に設けられた例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該凸部4dを支柱用パイプ2または吸込口5の適宜の位置に設けてもよい。
【0026】
クランプフック10は、図5に示されるように、解除ツマミ10aと爪部10bとのあいだを一対の連結板10cが連結することにより、構成されている。
【0027】
一対の連結板10cは、圧縮コイルバネ11を図5の紙面垂直方向から挟むように、それぞれ圧縮コイルバネ11と平行に配設されている。また、圧縮コイルバネ11の上端は、支柱用パイプ2に固着されたバネ止め12に当接している。バネ止め12は、前記一対の連結板10cのあいだに配設されている。
【0028】
クランプフック10は、支柱用パイプ2に固着されたカバー13の内部で上下に移動することができる。
【0029】
本実施の形態の電気掃除機をアップライトとしての使用状態に変形するばあい、図4に示されるように、まず、掃除機本体1の後端の下向きの凹部1cをロータリーパイプ4にある上向きの凸部4dに嵌合させる。
【0030】
そののち、凹部1cと凸部4dとの嵌合部分を支点として、掃除機本体1を回動させて掃除機本体1の前端の上向きの凹部1dを支柱用パイプ2のクランプフック10に嵌合させる。
【0031】
本実施の形態では、図5に示されるように、クランプフック10の爪部10bにおいて、支柱用パイプ2から遠ざかるにしたがって上へ向かう方向に傾斜する斜面10dが形成されている。そのため、掃除機本体1を支柱用パイプ2に当接する方向へ回動させるだけで、掃除機本体1の凹部1dの端縁1fが斜面10dに接触しながらクランプフック10を押し上げ、そののち爪部10bの全体が端縁1fを完全に乗り越えたときに凹部1dの内部に落下する。その結果、凹部1dとクランプフック10との嵌合を容易に行なうことができる。なお、本実施の形態では斜面10dを有する例を上げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、斜面10dがなくても、解除ツマミ10aを手動で上下に操作すれば、凹部1dとクランプフック10との嵌合を行なうことができる。
【0032】
しかも、本実施の形態では、クランプフック10が圧縮コイルバネ11によって、下方へ付勢されているため、凹部1dとクランプフック10との嵌合をより強固にすることができる。なお、本実施の形態ではクランプフック10を下方へ付勢するための付勢手段の一例として、圧縮コイルバネ11を有する例を上げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の付勢手段としてゴムなどの弾性部材を用いても凹部1dとクランプフック10との嵌合をより強固にすることができる。なお、付勢手段を有していなくてもクランプフック10の自重による落下だけでも凹部1dとクランプフック10との嵌合を行なうことができる。
【0033】
つぎに、掃除機本体1を支柱用パイプ2から離脱させるときには、前述と逆の手順でクランプフック10の解除ツマミ10aを上方へスライドさせることにより、クランプフック10を凹部1dから抜き、以下同様に逆の手順で外せばよい。したがって、前記凹部1cと凸部4dとのあいだ、および凹部1dとクランプフック10とのあいだとの嵌合および分離を一か所ずつ順に行なうことができるため、掃除機本体1の着脱を容易に行なうことができる。
【0034】
また、掃除機本体1を支柱用パイプ2から離脱させるときに、前記クランプフック10を押し上げれば、掃除機本体1は、上向きの凸部4dと嵌合する後端の凹部1cの位置を支点として、支柱用パイプ2から離れる方向に倒れそうになる。しかし、本実施の形態では、図1に示されるように、前記掃除機本体1と支柱用パイプ2とを接続するホース6を支柱用パイプ2に固定するためのホースリテーナ14がクランプフック10よりも上の位置に配設されているため、ホース6をホースリテーナ14によって支柱用パイプ2に固定することにより、ホース6の張力を利用して掃除機本体1の転倒を防止することができる。
【0035】
また、図8に示されるように、本実施の形態の電気掃除機は、ホース6が掃除機本体および支柱用パイプ2に対して、図8の電気掃除機の正面から見て左右対称になるように延設されているため、右利きの人と左利きの人とのあいだで使用し易さに差がなくなる。
【0036】
しかも、図9に示されるように、本実施の形態の電気掃除機は、掃除機本体1の内部構成のうち、モータ22などの重量バランスにかかわるものも電気掃除機の正面から見て左右対称になるように配設されているため、右利きの人と左利きの人とのあいだで使用し易さに差がなくなる。なお、図9の21は掃除機本体1の外壁1eに形成された排気孔、23はリブ、24は空間部、25は排気ガスの流れを変えるためのリブである。
【0037】
以上の本実施の形態では、ホースを備えた電気掃除機を例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、あくまでも掃除機本体と支柱用パイプとのあいだの着脱を容易にすることに着目したものである。そのため、ホースのない電気掃除機、たとえば、アップライトとしての使用状態とハンディ状態の兼用タイプの電気掃除機についても本発明を適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、掃除機本体を支柱用パイプに着脱しやすくなるため、大幅に使用しやすくなる。
【0039】
また、ホースを有する電気掃除機において、ホースリテーナの位置を掃除機本体と支柱用パイプとの上側の嵌合部分よりもさらに上に配設することにより、掃除機本体を着脱する途中における掃除機本体の安定性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気掃除機の一実施例を示すアップライトとしての使用状態の電気掃除機の斜視説明図である。
【図2】図1の支柱用パイプ、ロータリーベンドおよびロータリーパイプの部分拡大斜視図である。
【図3】図1の掃除機本体の下面を後方から見た図である。
【図4】図1の電気掃除機のアップライトとしての使用状態に変形する途中の状態を示す斜視説明図である。
【図5】図4のクランプフックが上向きの凹部に嵌合する直前の状態を示す断面説明図である。
【図6】図1の掃除機本体をハンディ状態で使用している状態を示す説明図である。
【図7】図1の電気掃除機を掃除機本体を支柱用パイプから外した状態に変形して使用している状態を示す説明図である。
【図8】図1のアップライトとしての使用状態の電気掃除機の正面図である。
【図9】図8の掃除機本体内部におけるモータの配置を示す断面説明図である。
【図10】従来の電気掃除機の正面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体
1c、1d 凹部
2 支柱用パイプ
3 ロータリーベンド
4 ロータリーパイプ
4d 凸部
10 クランプフック
5 吸込口
6 ホース

Claims (4)

  1. 吸込口と、該吸込口に接続される支柱用パイプと、該支柱用パイプに装着される掃除機本体とを備えており、
    前記掃除機本体の後端に下向きの凹部が形成され、かつ当該掃除機本体の前端に上向きの凹部が形成され、
    前記支柱用パイプ、吸込口または当該支柱用パイプと吸込口とのあいだの接続部分に前記掃除機本体の下向きの凹部と嵌合するための上向きの凸部が設けられ、かつ当該支柱用パイプに、前記掃除機本体の上向きの凹部と嵌合するための下向きの凸部が前記上向きの凸部よりも上の位置に設けられ、
    前記支柱用パイプの下向きの凸部が上下移動可能である電気掃除機。
  2. 前記掃除機本体と支柱用パイプとを接続するためのホースをさらに備え、かつ前記支柱用パイプの下向きの凸部よりも上の位置に前記ホースを固定するためのホースリテーナが配設されてなる請求項1記載の電気掃除機。
  3. 前記支柱用パイプの下向きの凸部の先端部分において、当該支柱用パイプから遠ざかるにしたがって上へ向かう方向に傾斜する斜面が形成されてなる請求項1または2記載の電気掃除機。
  4. 前記支柱用パイプの下向きの凸部を下方へ付勢するための付勢手段を具備してなる請求項1、2または3記載の電気掃除機。
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