JP3609576B2 - 圧縮機制御装置及びそれを備えた冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルに備えられた3台以上の圧縮機を制御する圧縮機制御装置及びそれを備えた冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパマーケット等においては複数のショーケースを併設して、各ショーケースの貯蔵室にそれぞれ異なる商品を貯蔵して販売することが行われている。この際、ショーケースには、冷凍装置が設けられて各ショーケースの商品を適性温度に保つことが行われている。
【0003】
冷凍装置は、冷凍サイクルを構成する圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器等からなり、ショーケースが複数の場合には、蒸発器や膨張弁は各ショーケース毎に配設され、圧縮機や凝縮器は共通装置として別途設けられることがある。
【0004】
そして、圧縮機により冷媒を高温高圧の気化冷媒とし、当該気化冷媒の熱を凝縮器により外気に放出して液化冷媒とする。このようにして得られた液化冷媒を膨張弁により膨張させて低温冷媒を生成して、蒸発器により当該低温冷媒と外気とを熱交換させることにより、外気を冷却して冷気を発生させ、当該冷気により貯蔵室の商品を冷却して所定の温度範囲になるようしている。
【0005】
ところで、上記のように複数のショーケースに用いられる冷凍装置では、比較的大きな冷凍能力が必要とされることから、複数台の圧縮機が備えられ、負荷に応じて動作させる圧縮機の台数を増減することにより、圧縮機の容量制御を行なうようにしている。一般的には、大、中、小の3種類の能力制御が可能なことが望ましいので、通常、同一容量の圧縮機を3台備えて、1台駆動で小能力、2台駆動で中能力、3台駆動で大能力となるようにしている。
【0006】
図7は、かかる冷凍装置における圧縮機制御装置の従来構成を示す図である。この圧縮機制御装置は、同一容量の3台の圧縮機A,B,C(図示せず)をベローズ等を用いた機械式圧力スイッチMPS1〜MPS3と各圧縮機駆動用の電磁リレーXA〜XCを用いて制御している。上記各電磁リレーXA〜XCはそれぞれ対応する機械式圧力スイッチMPS1〜MPS3を介して電源ラインに接続されている。なお、電源ラインには、電源スイッチSWが接続されている。
【0007】
上記機械式圧力スイッチMPS1〜MPS3は、圧縮機A〜Cの低圧側(以下、入力側という)の圧力を検出するようになっている。このように、圧縮機A〜Cの入力側の圧力(以下、入力圧という)により各圧縮機A〜Cの動作を制御するのは以下の理由によっている。
【0008】
即ち、圧縮機は各貯蔵室の温度により動作を制御されるべきであるが、貯蔵室の温度が高いときは、蒸発器内での冷媒の温度上昇が大きくなるため当該蒸発器の出力側の圧力が高くなる。蒸発器の出力側の圧力が高くなることは、圧縮機の入力圧が高くなることを意味している。従って、圧縮機の入力圧により当該圧縮機の動作を制御すれば貯蔵室の温度制御を行うことが可能になる。
【0009】
図8は、各圧力スイッチMPS1〜MPS3のON/OFF設定圧と、入力圧による圧縮機A〜Cの動作状態の遷移を示した図である。
【0010】
ここでは、圧縮機A駆動用の電磁リレーXAに接続されている圧力スイッチMPS1のON設定圧をON1、OFF設定圧をOFF1とし、圧縮機B駆動用の電磁リレーXBに接続されている圧力スイッチMPS2のON設定圧をON2、OFF設定圧をOFF2とし、圧縮機C駆動用の電磁リレーXCに接続されている圧力スイッチMPS3のON設定圧をON3、OFF設定圧をOFF3としている。
【0011】
このような場合、図8に示すように入力圧が徐々に高くなって、ON3に達すると、圧力スイッチMPS3がON動作する。これにより電磁リレーXCが励磁されて、圧縮機Cのみが動作するようになる。
【0012】
その後、入力圧が高くなりON2に達すると、圧力スイッチMPS2が動作して、電磁リレーXBが励磁され、圧縮機Bが動作を開始する。この状態では圧縮機BとCが動作していることになる。
【0013】
さらに入力圧が大きくなり、ON1に達すると、圧力スイッチMPS1が動作して、電磁リレーXAが励磁され、圧縮機Aが動作するようになる。従って、この状態では3台の圧縮機A,B,Cが同時に動作していることになる。
【0014】
また、3台の圧縮機A〜Cが共に動作している状態において入力圧が低下してOFF1に達すると、圧力スイッチMPS1がOFF動作して、電磁リレーXAが消磁し、圧縮機Aが停止する。
【0015】
さらに入力圧が低下して、OFF2に達すると、圧力スイッチMPS2がOFF動作して、電磁リレーXBが消磁し、圧縮機Bが停止する。
【0016】
そして、入力圧がOFF3に達すると、圧力スイッチMPS3がOFF動作して、電磁リレーXCが消磁し、圧縮機Cが停止しするので、全ての圧縮機A,B,Cが停止状態となる。
【0017】
このように、入力圧に応じて各圧力スイッチMPS1〜MPS3がON/OFF動作することにより、各圧縮機A〜Cの動作と停止が制御されるので、貯蔵室の温度を適正に保つことが可能になる。
【0018】
以上のように、3個の機械式圧力スイッチMPS1〜MPS3を用いることにより、3台の圧縮機A,B,Cが全て停止するモードと、1台の圧縮機Cが動作するモードと、2台の圧縮機B,Cが動作するモードと、3台の圧縮機A,B,Cが全て動作するモードの4モード制御を行うことが可能になる。
【0019】
ところで、上記で用いた機械式圧力スイッチは、低コストの反面、圧力設定がドライバ等によるアナログ目盛調整のため、設定が難しく、かつ精度が悪いという難点がある。
【0020】
このため、最近では、設定が簡単で、高精度のデジタル方式の電子式圧力スイッチが望まれるようになってきており、機械式圧力スイッチから電子式圧力スイッチへ移行しつつある。電子式圧力スイッチを使用する場合の構成は図9に示すようになる。即ち、図7に示した各機械式圧力スイッチMPS1〜MPS3をそれぞれ同一機能の電子式圧力スイッチEPS1〜EPS3に置き換えたもので、圧力設定と圧縮機A〜Cの動作は上述した図8と同様となり、3個の電子式圧力スイッチEPS1〜EPS3を用いることにより、上記と同様の4モード制御を行うことが可能になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子式圧力スイッチは、その制御部にマイクロコンピュータ等を用いるため、機械式に比べてコスト高となる。また、基本的に圧縮機の台数分だけ電子式圧力スイッチが必要になるため、同一容量の圧縮機3台で4モード制御を行う場合には、3個の電子式圧力スイッチが必要となり、かなりのコスト高となる。また、圧力設定の精度は向上するが、個々に圧力設定を行わなければならない点は機械式の場合と同じで、設定操作が煩雑となる。
【0022】
なお、圧縮器を2台使用する冷凍装置用として上記電子式圧力スイッチを2個一体化したような2出力3モード制御の電子式圧力スイッチもあるが、その分コスト高になるにもかかわらず、これを流用して圧縮機3台で4モード制御を行うためには電子式圧力スイッチが2個必要となり、余り効果的ではない。
【0023】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、複数の圧力スイッチを用いることなく、3台以上の圧縮機で4モード制御を行うことを可能にして、低コスト化と圧力設定の簡略化を図ることができる圧縮機制御装置及びそれを備えた冷凍装置を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、冷凍サイクルに備えられた同一容量で並列接続の3台の圧縮機(A,B,C)の低圧側共通ラインの冷媒圧を検出し、これを圧力信号として出力する単一の圧力検出手段(16)と、前記3台の圧縮機を1台(C)と2台(A,B)の2つのグループに分け、1台の圧縮機(C)をON/OFFする第1のスイッチ(SW2)と、2台の圧縮機(A,B)を同時にON/OFFする第2のスイッチ(SW1)と、予め設定された異なる3種のON設定圧力値(ON1,ON2,ON3)と、該3種のON設定圧力値にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態と、前記ON設定圧力値より全体的に低い値に設定された異なる3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)と、該3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態とが格納されるメモリ(図3のテーブル)と、前記メモリを参照し、前記圧力信号を前記3種のON設定圧力値(ON1,ON2,ON3)とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態から判断して前記圧力信号が上昇するときは到達したON設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)をON/OFF制御し、前記圧力信号を前記3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態から判断して前記圧力信号が下降するときは到達したOFF設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)をON/OFF制御する制御手段とを備えたことを特徴とする圧縮機制御装置である。
【0025】
また、本発明は、上記圧縮機制御装置を備えたことを特徴とする冷凍装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本願発明の実施形態による冷凍装置の冷媒回路(冷凍サイクル)例を示したもので、当該冷凍装置は複数のショーケースに冷媒を供給する構成となっている。
【0030】
この冷凍装置は、液化冷媒の供給量を調節する電磁弁10a,10b,10cと、供給された液化冷媒を膨張させて低温冷媒を生成する膨張弁11a,11b,11cと、生成された低温冷媒と外気との熱交換を行い冷気を生成する蒸発器12a,12b,12cと、これら蒸発器12a〜12cで外気と熱交換した冷媒を気液分離するアキュムレータ13と、当該アキュムレータ13からの冷媒を圧縮する同一容量の3台の圧縮機A,B,Cと、これら圧縮機A〜Cにより圧縮されて高温高圧となった冷媒の熱を外気に放熱して液化させる凝縮器14と、この凝縮器4からの液化冷媒を溜め、液化冷媒を安定して供給するためのレシーバタンク15と、各圧縮機A〜Cの入力側(低圧側)共通ラインの圧力を検出して、各圧縮機A〜Cの動作を制御する本実施形態による1つの電子式圧力スイッチEPS等を有している。
【0031】
上記電磁弁10a〜10c、膨張弁11a〜11c及び蒸発器12a〜12cは各ショーケースに配設され、その他は共通装置として纏められている。なお、上記ショーケースの個数、即ち蒸発器12a〜12c等の個数は必要に応じ適宜設定されるものである。
【0032】
図2は、上記電子式圧力スイッチEPSを含む圧縮機制御装置の構成例を示したものである。上記電子式圧力スイッチEPSは、ピエゾ素子等を用いた圧力センサ16と、8ビットマイクロコンピュータ等により実現可能な制御部17と、半導体スイッチング素子からなる2つのスイッチSW1,SW2から構成されている。上記スイッチSW1には補助リレーXが接続されており、スイッチSW2には、圧縮機C駆動用の電磁リレーXCが接続されている。また、上記補助リレーXによってON/OFFされる接点(常開接点)は2つ設けられており、その一方の接点XS1には圧縮機A駆動用の電磁リレーXAが接続され、他方の接点XS2には圧縮機B駆動用の電磁リレーXBが接続されている。そして、上記スイッチSW1と補助リレーX、スイッチSW2と電磁リレーXC、補助リレー接点XS1と電磁リレーXA、補助リレー接点XS2と電磁リレーXBのそれぞれの直列回路が、電源スイッチSWにより入切される電源ラインに並列に接続されている。上記電磁リレーXA〜XCが動作することにより、対応する圧縮機A〜CのON/OFF制御が行われる点は従来と同様である。ここで、スイッチSW1を介する出力を出力1、スイッチSW2を介する出力を出力2とする。
【0033】
上記制御部17は、圧力センサ16からの圧力信号と予め設定された3種の圧力値に基づき、スイッチSW1,SW2を後述する4種のモードに制御する。この制御部17を構成するマイクロコンピュータには通常EEPROM(電気的に書き換え可能な不揮発性半導体メモリ)が備えられており、当該メモリに上記圧力設定値が格納されるようになっている。
【0034】
図3は、当該メモリに格納されている圧力設定値の一例を示したものである。ここでは、貯蔵室の各種用途毎に、ON設定圧とOFF設定圧からなる3種の圧力設定値がテーブル形式で予め設定できるようになっており、図では入力圧が設定圧に達したときのスイッチSW1(出力1),SW2(出力2)のON/OFF状態も併記している。
【0035】
なお、図3における貯蔵室の用途はユーザが選択して設定することができる。即ち、ユーザは上記テーブルの左端に示した番号(No.)をボタン入力等によって選択設定することにより、当該番号に対応する設定値が読出され、メモリの圧力設定領域に書き込まれる。また、上記テーブルの内容を変更する場合には、上記番号に対応するデータを呼出して修正を加えた後再度格納する。このようにすることにより、1つの圧力スイッチの圧力設定で済む設定の簡略化に加えて、各種用途毎の圧力を簡単に設定できるようになっている。
【0036】
ところで、複数のショーケースが並設されている場合には、各ショーケースの温度範囲はそれぞれの貯蔵室に貯蔵される商品により異なる。しかし、圧縮機等は共通に用いるため各貯蔵室に対応した温度制御を圧縮機の運転状態により直接制御することはできない。
【0037】
このような場合に、図1に示した電磁弁10a〜10cが作用する。即ち、各膨張弁11a〜11cに供給される液化冷媒の量を当該電磁弁10a〜10cの開閉により制御することにより、蒸発器12a〜12cに送られる低温冷媒の量を制御している。
【0038】
従って、圧縮機A〜CのON/OFF動作は、全体の蒸発器12a〜12cに対して制御が行われることになる。この意味から、図3に示したテーブルは、各ショーケースを同一温度範囲に設定するものとしたときのデータとなる。
【0039】
次に、本実施形態の動作について図4、図5、図6を参照しながら説明する。なお、図4は制御部17をマイクロコンピュータで構成した場合の動作例を示すフローチャート、図5は上述した3種のON/OFF設定圧(設定1>設定2>設定3)と入力圧による圧縮機A〜Cの動作状態の遷移を示す図、図6は各圧縮機A〜Cの出力を15馬力(HP)とした場合の容量制御出力と動作モードとの関係を示す図である。
【0040】
ここでは、上記設定1のON設定圧をON1、OFF設定圧をOFF1とし、設定2のON設定圧をON2、OFF設定圧をOFF2とし、設定3のON設定圧をON3、OFF設定圧をOFF3とする。これらの設定圧ON1〜ON3、OFF1〜OFF3は従来技術で説明した図8のそれと同様なものであるが、従来技術では各圧力スイッチ毎の設定であったのに対し、本実施形態では1つの圧力スイッチに3種の設定1〜3が設定される点が異なる。
【0041】
さて、具体例として貯蔵室の用途が冷蔵庫用(図3のNo.1)に用いられている場合では、以下のような制御が行われる。
【0042】
即ち、全ての圧縮機A〜Cが停止した状態において、入力圧が徐々に高くなり、圧力センサ16により検知される入力圧PがON設定圧ON3に相当する2.4kgf/cm2になると、制御部17はスイッチSW1(出力1)がONでないことを確認してからスイッチSW2(出力2)をONにする(図4のステップS1→S2のY→S3のN→S4)。これにより、電磁リレーXCが動作して圧縮機Cが運転を開始し、圧縮機出力は15馬力となる(図5、図6参照)。
【0043】
さらに、入力圧Pが高くなり、ON設定圧ON2に相当する2.7kgf/cm2に達すると、制御部17はスイッチSW1及びSW2(出力1及び2)が共にONでないことを確認してから、スイッチSW2(出力2)をOFFにするとともにスイッチSW1(出力1)をONにする(ステップS1→S2のN→S5のY→S6のN→S7)。これにより、電磁リレーXCが消磁して圧縮機Cが停止するとともに、補助リレーXが励磁して補助リレー接点XS1,XS2がONとなる。従って、電磁リレーXA及びXBが励磁して圧縮機Aと圧縮機Bが動作し、圧縮機出力は30馬力に増加する(図5、図6参照)。
【0044】
そして、入力圧PがON設定圧ON1に相当する3.0kgf/cm2に達すると、制御部17はスイッチSW1(出力1)に加えてスイッチSW2(出力2)もONにする(ステップS1→S2のN→S5のN→S8のY→S9)。これにより、電磁リレーXCも励磁して圧縮機Cも動作し、3台の圧縮機A〜C全てが動作することになって、圧縮機出力は最大の45馬力となる(図5、図6参照)。
【0045】
このようにして、全ての圧縮機A〜Cが動作した状態において、入力圧Pが低下していき、OFF設定圧OFF1に相当する2.0kgf/cm2に達すると、スイッチSW1(出力1)がOFFでないことを確認してから、スイッチSW2(出力2)をOFFにする(ステップS1→S2のN→S5のN→S8のN→S10のY→S11のN→S12)。これにより、電磁リレーXCが消磁して圧縮機Cが停止し、圧縮機AとBの運転となり、圧縮機出力は30馬力に減少する(図5、図6参照)。
【0046】
なお、入力圧PがON設定圧ON1の3.0kgf/cm2からOFF設定圧OFF1の2.0kgf/cm2に低下する間に、ON設定圧ON2やON設定圧ON3を通過するが、上記ステップS3では出力1がONか否かを、ステップS6では出力1及び2がONか否かをチェックして、ONの場合はそれぞれ次のステップS4とS7の処理は行わずに、ステップS1の圧力検知処理に戻るようにしているので、図5の圧縮機の動作で矢印(下向き)で示すような,ショートサイクル運転防止用のヒステリシス動作をソフトウエアで実現することができる。また、ステップS3で出力1のみONか否かをチェックしているのは、前述した入力圧Pの上昇時に最上位のON設定圧ON1まで達せずに入力圧Pが低下した場合に対応するためである。さらに、これにより、上記のように入力圧PがOFF設定圧OFF1の2.0kgf/cm2に低下して圧縮機AとBの2台の運転となった後、次のOFF設定圧OFF2の1.5kgf/cm2まで低下せずに上昇して前述したON設定圧ON3に達したとき、圧縮機Cの1台の運転になって入力圧Pが上昇しているにもかかわらず圧縮機の運転台数が2台から1台に減少するような不具合を防ぐ効果もある。
【0047】
さて、さらに入力圧Pが低下してOFF設定圧OFF2に相当する1.5kgf/cm2に達すると、スイッチSW1及びSW2(出力1及び2)が共にOFFでないことを確認してから、スイッチSW1(出力1)をOFFにして、スイッチSW2(出力2)をONにする(ステップS1→S2のN→S5のN→S8のN→S10のN→S13のY→S14のN→S15)。これにより、補助リレーX及びその接点XS1,XS2を介して電磁リレーXAとXBが消磁して圧縮機AとBの運転が停止し、電磁リレーXCが励磁して圧縮機Cが運転を開始するようになり、圧縮機出力は15馬力に減少する(図5、図6参照)。
【0048】
そして入力圧Pが、OFF設定圧OFF3に相当する1.0kgf/cm2に達すると、スイッチSW1(出力1)のOFFに加えてスイッチSW2(出力2)もOFFにする(ステップS1→S2のN→S5のN→S8のN→S10のN→S13のN→S16)。これにより、電磁リレーXCも消磁して圧縮機Cも停止し、3台の圧縮機A〜C全てが停止することになり、圧縮機出力も当然のことながら0となる(図5、図6参照)。
【0049】
全ての圧縮機A〜Cが停止した状態において、入力圧Pが徐々に高くなると上述した動作が繰り返されることになり、これにより、貯蔵室(冷蔵庫)の温度を適正(+3〜+10゜C)に保つことが可能になる。
【0050】
なお、前述したのと同様に、入力圧PがOFF設定圧OFF3の1.0kgf/cm2からON設定圧ON3の2.4kgf/cm2に上昇する間に、OFF設定圧OFF2やOFF設定圧OFF1を通過するが、上記ステップS11では出力1がOFFか否かを、ステップS14では出力1及び2がOFFか否かをチェックして、OFFの場合はそれぞれ次のステップS12とS15の処理は行わずに、ステップS1の圧力検知処理に戻るようにしているので、図5の圧縮機の動作で矢印(上向き)で示すような,ショートサイクル運転防止用のヒステリシス動作をソフトウエアで実現することができる。また、ステップS11で出力1のみOFFか否かをチェックしているのは、前述した入力圧Pの低下時に最下位のOFF設定圧OFF3まで達せずに入力圧Pが上昇した場合に対応するためである。さらに、これにより、上述したように入力圧PがON設定圧ON3の2.4kgf/cm2に上昇して圧縮機Cの1台の運転となった後、次のON設定圧ON2の2.7kgf/cm2まで上昇せずに低下して前述したOFF設定圧OFF1に達したとき、圧縮機AとBの2台の運転になって入力圧Pが低下しているにもかかわらず圧縮機の運転台数が1台から2台に増加するような不具合を防ぐ効果もある。
【0051】
ところで、上記実施形態においては、実用的に最も効果的な実施例として、同一容量の3台の圧縮機A〜Cを1台と2台の2つのグループに分け、1つの電子式圧力スイッチEPSを用いての4モード制御を可能にして、低コスト化と圧力設定の簡略化を図った場合について説明したが、4台以上の場合や個々の圧縮機の容量が異なる場合でも、それらを容量の異なる2つのグループに分けて上記と同様に制御すれば、1つの電子式圧力スイッチを用いての4モード制御が可能となり、本願の所期の目的は達成できる。
【0052】
また、上記実施形態では、図4のフローチャートの判断ステップS2,S5,S8,S10,S13の順番を動作説明に沿って図のようにしたが、これらの順番は任意に並べ替えても同様な作用効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によれば、冷凍サイクルに備えられた同一容量で並列接続の3台の圧縮機(A,B,C)の低圧側共通ラインの冷媒圧を検出し、これを圧力信号として出力する単一の圧力検出手段(16)と、前記3台の圧縮機を1台(C)と2台(A,B)の2つのグループに分け、1台の圧縮機(C)をON/OFFする第1のスイッチ(SW2)と、2台の圧縮機(A,B)を同時にON/OFFする第2のスイッチ(SW1)と、予め設定された異なる3種のON設定圧力値(ON1,ON2,ON3)と、該3種のON設定圧力値にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態と、前記ON設定圧力値より全体的に低い値に設定された異なる3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)と、該3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態とが格納されるメモリ(図3のテーブル)と、前記メモリを参照し、前記圧力信号を前記3種のON設定圧力値(ON1,ON2,ON3)とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態から判断して前記圧力信号が上昇するときは到達したON設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)をON/OFF制御し、前記圧力信号を前記3種のOFF設定圧力値(OFF1,OFF2,OFF3)とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態から判断して前記圧力信号が下降するときは到達したOFF設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)のON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)をON/OFF制御する制御手段とを備えたことにより、単一の圧力検出手段を用いて3台の圧縮機で、冷媒圧の上昇時と下降時とでヒステリシスを持たせた4種の運転モードを実現するため、ショートサイクル運転防止用のヒステリシス動作を実現しながら低コスト化と圧力設定の簡略化を図ることが可能な圧縮機制御装置及びそれを用いた冷凍装置が得られる。
【0054】
そして、これを同一容量の3台の圧縮機の制御に適用することにより、実用的に最も効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明が適用される冷凍装置の実施形態を示す冷媒回路図。
【図2】本願発明による圧縮機制御装置の実施形態を示す構成図。
【図3】上記図2の制御部内メモリに格納される圧力設定値の一例を示す図。
【図4】上記制御部の制御手順を示すフローチャート。
【図5】上記実施形態のON/OFF設定圧と入力圧による圧縮機A〜Cの動作状態の遷移を示す図。
【図6】上記実施形態において、各圧縮機A〜Cの出力を15馬力(HP)とした場合の容量制御出力と動作モードとの関係を示す図。
【図7】従来技術において、4モード制御を行う構成例を示す図。
【図8】上記従来技術におけるON/OFF設定圧と入力圧による圧縮機A〜Cの動作状態の遷移を示す図。
【図9】従来技術において、4モード制御を行う他の構成例を示す図。
【符号の説明】
A,B,C 圧縮機
EPS,EPS1,EPS2,EPS3 電子式圧力スイッチ
MPS1,MPS2,MPS3 機械式圧力スイッチ
SW 電源スイッチ
SW1,SW2 スイッチ
XA,XB,XC 電磁リレー
X 補助リレー
XS1,XS2 補助リレー接点
10a,10b,10c 電磁弁
11a,11b,11c 膨張弁
12a,12b,12c 蒸発器
13 アキュムレータ
14 凝縮器
15 レシーバタンク
16 圧力センサ
17 制御部
Claims (2)
- 冷凍サイクルに備えられた同一容量で並列接続の3台の圧縮機の低圧側共通ラインの冷媒圧を検出し、これを圧力信号として出力する単一の圧力検出手段と、
前記3台の圧縮機を1台と2台の2つのグループに分け、1台の圧縮機をON/OFFする第1のスイッチと、2台の圧縮機を同時にON/OFFする第2のスイッチと、
予め設定された異なる3種のON設定圧力値と、該3種のON設定圧力値にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態と、前記ON設定圧力値より全体的に低い値に設定された異なる3種のOFF設定圧力値と、該3種のOFF設定圧力値にそれぞれ対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態とが格納されるメモリと、
前記メモリを参照し、前記圧力信号を前記3種のON設定圧力値とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態から判断して前記圧力信号が上昇するときは到達したON設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチをON/OFF制御し、前記圧力信号を前記3種のOFF設定圧力値とそれぞれ比較するとともに、前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態から判断して前記圧力信号が下降するときは到達したOFF設定圧力値に対応して予め設定された前記第1および第2のスイッチのON/OFF状態に基づき前記第1および第2のスイッチをON/OFF制御する制御手段とを備えたことを特徴とする圧縮機制御装置。 - 請求項1に記載の圧縮機制御装置を備えたことを特徴とする冷凍装置。
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JP11365397A JP3609576B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 圧縮機制御装置及びそれを備えた冷凍装置 |
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JP11365397A JP3609576B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 圧縮機制御装置及びそれを備えた冷凍装置 |
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-
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