JP3609215B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータコアとエバポレータとを同一のユニットケース内に配置した一体型の自動車用空気調和装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用空気調和装置は、車室内あるいは車室外の空気を選択的に取り入れるインテークユニットと、該インテークユニットからの空気を冷却するクーラユニットと、該クーラユニットからの空気を加熱するヒータユニットという3つのユニットを車幅方向に直列的に連結しており、これら各ユニット内を、いわば直線的に空気を流しつつ温度調節し、この温調された空気を車室内所定領域に向かってダクトにより吹き出すようにしている。
【0003】
つまり、空気を冷却する冷却源である冷房サイクルを構成するエバポレータと、空気を加熱する加熱源であるエンジン冷却水が流れるヒータコアとは、車幅方向に概して平行に対設され、これらを通って空気を流しつつ温調するようになっているので、比較的スペースを必要とする構造となっている。
【0004】
一方、自動車用空気調和装置は、車室内前方のインストルメントパネルの下方という狭小な空間に設置されるので、全体形状はよりコンパクトなものが望ましいとされている。
【0005】
したがって、最近では、空気を車幅方向に沿って流さず、車幅方向と直交する長手方向に沿ってほぼU字状に上下しつつ流すようにしたものが提案されている(実開昭57−202311号公報等参照)。この自動車用空気調和装置は、前記インテークユニット、クーラユニット及びヒータユニットという3つのユニットを、図7に示すように配置し、ファンfを回転させることにより車室内空気取入口2a又は車室外空気取入口2bから取り込まれた空気をエバポレータ3を流通した後に、底部でUターンさせ、エアーミックスドア4によりヒータコア5側とバイパス通路6側とに分岐し、ミックスチャンバ7で冷風と温風をミックスし、ベント口8v、フット口8f等の各吐出口8から車室内に向かって吹き出すようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この自動車用空気調和装置では、平面的にエバポレータ3とヒータコア5が離間して配置されているので、長手方向の長さLが大きく、コンパクト化の要請からは、まだ不十分なものである。
【0007】
この点を改良する手段として、エバポレータ3とヒータコア5とを同一のユニットケース1内に上下に配置した一体型の自動車用空気調和装置とすることが考えられる。
【0008】
ところが、これらエバポレータ3とヒータコア5は、自動車用空気調和装置の冷却源あるいは加熱源となるものであり、冷房性能あるいは暖房性能に直接影響を及ぼす中心的構成部材であることから、それぞれ性能を重視して設計されており、両者の外径形状も、必ずしも同一とはならないことが多い。一般的には、エバポレータ3の方が大きく、ヒータコア5の方が小さい。このため、エバポレータ3とヒータコア5とを同一のユニットケース1内に上下に配置しても、ユニットケース1自体にはその周辺に余剰空間が生じ、自動車用空気調和装置全体を有効にコンパクト化することは難しいというのが実情である。
【0009】
なお、本願明細書中において使用する「余剰空間」とは、エバポレータとヒータコアの設計上から必然的に生じる外径形状の差に基づくデッドスペースを指称するものであり、自動車用空気調和装置の配管や他の種々のユニットを設置した結果生じるようなデッドスペースまでも意味するものではない。
【0010】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、外径形状が一致しないエバポレータとヒータコアとを同一のユニットケース内に配置することにより生じる余剰空間を有効に利用し、装置全体のコンパクト化を図った一体型の自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、請求項毎に次のように構成される。
請求項1に記載の発明は、下部に空気入口が設けられた1つのユニットケース内に、空気流通面積に差があるヒータコアとエバポレータとを上下の位置関係を有するように配置し、前記空気入口から導入された空気を前記エバポレータにより冷却し前記ヒータコアあるいはバイパス通路を通って前記ユニットケースの上部に導くようにした一体型の自動車用空気調和装置であって、前記ヒータコアとエバポレータとの空気流通面積の差により前記ユニットケースの内側部又は外側部に生じる余剰空間に、前記ユニットケースの上部に導かれた温調空気又は前記エバポレータにより冷却された空気のいずれか一方を車室内に配風する配風通路を形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記配風通路を、前記ユニットケースの上部に導かれた温調空気を乗員の足元に吹き出すフットダクトとしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記配風通路を、前記エバポレータにより冷却された空気をそのまま車室内に配風するフレッシュベントダクトとしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記ユニットケースが、外形形状の小さい前記ヒータコアと外形形状の大きいエバポレータが収納された矩形箱状のものであり、前記ヒータコアとエバポレータとの間に、該エバポレータを流通した空気をヒータコア側と該ヒータコアをバイパスするバイパス通路側に分岐するエアーミックスドアを設け、前記エバポレータを流通した空気がヒータコア又はバイパス通路を通って流れるように一対の第1仕切板により仕切って形成した中央通路と前記ユニットケースの両側壁との間に生じる余剰空間にフレッシュベントダクトを形成し、当該フレッシュベントダクトの一部を前記バイパス通路としたことを特徴とする。
【0012】
【作用】
このように構成した本発明にあっては、請求項毎に次のように作用する。請求項1に記載の発明にあっては、ヒータコアとエバポレータとを同一のユニットケース内に上下に配置したとき、ヒータコアとエバポレータとの空気流通面積の差によりユニットケース内外に余剰空間が生じるが、この余剰空間に、通常ユニットケースと所定の吹出口とを連通する配風ダクトやあるいは空気が流通する通路を設けると、このような配風通路を別途配置する場合に比し、ユニット全体はコンパクト化し、スペースの有効利用を図ることができる。
ユニットケースの外部の余剰空間に、配風通路を形成すれば、ユニットケースの外部形状を所望の形状、例えば箱型等とすることができ、車室内前方のインストルメントパネルの下方という狭小な空間に設置する場合に、作業性が向上するのみでなくスペース的にもより好ましいものとなる。また、ユニットケースの内部の余剰空間に、配風通路を形成すれば、外部突出物のないユニットケースとすることができ、この場合もスペース的により好ましいものとなり、しかもインストルメントパネル下方の狭小な空間がスッキリとしたものとなる。
請求項2に記載の発明にあっては、ユニットケース外部の余剰空間をフットダクトに利用しているので、通常温風を乗員の足元に吹出すフットダクトを不必要に延長しなくても乗員の足元に温風を吹出すことができる。また、ヒータコア壁面の再通過による風温低下の防止が図れ、余剰空間からの吹下ろし風による頭寒足熱性が向上し、長い余剰空間の整流作用による足元配風性が向上し、従来あった下部フットダクトをやめることができ、車両高さ方向寸法が縮小することによるレイアウトの自由度が向上する。
請求項3に記載の発明にあっては、ユニットケース内部の余剰空間をフレッシュベントダクトに利用しているので、別途ユニットケース外部にフレッシュベントダクトを設ける必要がなくなり、スペース的に有利となる。
請求項4に記載の発明にあっては、ヒータコアとエバポレータとの間にエアーミックスドアを設けたとき、ヒータコアをバイパスして空気を流すバイパス通路が必要となるが、このバイパス通路をフレッシュベントダクトの一部としているので、不必要にユニットケースが肥大化することはなく、スペース的に有利となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1を示す概略縦断面図、図2は図1の2−2線に沿う概略図、図3は図1の3−3線に沿う概略断面図である。
【0014】
(実施の形態1)
まず、図1に示すように、本実施の形態1の自動車用空気調和装置10は、車室R内とエンジンルームERとを仕切るダッシュパネル11の近傍であってインストルメントパネル(図示せず)の下部に設けられた1つのユニットケース12を有している。
【0015】
ユニットケース12内には、ヒータコア13とエバポレータ15が図示のように上下の位置関係をもって配置され、外形形状の小さいヒータコア13は、上方に、外形形状の大きいエバポレータ15は、下方に位置するように設けられている。ヒータコア13とエバポレータ15との間には、エアーミックスドア16が設けられ、エアーミックスドア16の開度状態によりエバポレータ15を流通した空気の、ヒータコア13側を流れる量と、該ヒータコア13の側部に形成されたバイパス通路17側を流れる量の比率を調節し、吹出し空気の温度を調節するようになっている。
【0016】
なお、ヒータコア13には、導管14a内を流れているエンジン冷却水が開閉弁14bを介して導入されるようになっており、エバポレータ15には、導管18a内を流れている冷媒が膨脹弁18bを介して導入されるようになっている。エバポレータ15は、図外のコンプレッサあるいはコンデンサや、膨脹弁18bなどとともに周知の冷房サイクルを構成しており、コンプレッサから吐出された高温高圧状態の冷媒が、コンデンサ及び膨脹弁18bを経て低温低圧の冷媒とされ、エバポレータ15に導入される。
【0017】
ユニットケース12には、下部に空気入口19が設けられ、この空気入口19には、切換ドアとブロアを有しかつ車室内空気あるいは車室外空気を選択して配風するインテークユニット(図示せず)が連通されている。
【0018】
したがって、このインテークユニットにより選択された空気は、空気入口19からユニットケース12内に導入され、エバポレータ15及びヒータコア13を通ってユニットケース12内を上方へと流され、該ユニットケース12の上端に開設された吹出口(図示実施例では、デフ口20及びベント口21)よりダクトを介して車室内に配風されるようになっている。
【0019】
なお、デフ口20には、デフドア20aが、ベント口21には、ベントドア21aがそれぞれ回動可能に設けられている。
【0020】
前記ユニットケース12は、外形形状の小さいヒータコア13と外形形状の大きいエバポレータ15とを内部に収納するように、前後壁12a,12bは平坦面とされているが(図1参照)、両側壁12c,12dはヒータコア13の側面とエバポレータ15の側面とを繋ぐ湾曲面(図3参照)を有するものにより形成されているので、この両側壁12c,12dの側部には、余剰空間S(図2参照)が存在することになる。
【0021】
したがって、本実施例では、この余剰空間Sを利用してフットダクト22を設置し、両側壁12c,12dに沿って乗員の足元に温風を吹き出すようにしている。このようにすれば、本来ならば、フットダクト22用のスペースを別途設けて設置しなければならないものを、余剰空間Sを有効利用して設置でき、自動車用空気調和装置自体をコンパクトにすることができるのみでなく、狭小な自動車用空気調和装置設置スペースを有効利用することができる。また、温風は、ヒータコア13の壁面を再通過することになるので、この壁面からの熱を受け風温低下が防止され、しかも、余剰空間Sからの吹下ろし風による頭寒足熱性も向上する。さらに、長い余剰空間Sの整流作用による足元配風性も向上することになる。
【0022】
なお、図中の符号「22a」はフット口、「22b」はフットドア、「23」はドレンパイプである。
【0023】
次に、上記実施例の作用を説明する。
ベントモード
ベントモードは、乗員の顔面に向かって冷風を吹き出すモードであり、インテークユニットから空気入口19を経てユニットケース12内に向かって配風される。この空気は、すべてエバポレータ15に導かれ、ここで冷却された後に、エアーミックスドア16の開度に応じてヒータコア13側とバイパス通路17側とに所定の比率で分岐される。
【0024】
ヒータコア13側を通る空気は、ヒータコア13により加熱され、バイパス通路17側を通る空気は、ヒータコア13により加熱されることなくバイパス通路17を通って流れ、両者は、ヒータコア13の上部においてミックスされ、所定の温度とされる。そして、デフ口20あるいはフット口22aに設けられている各ドア20a,22bが閉鎖状態で、ベント口21のドア21aが開放されていると、このベント口21から車室内に向かって温調された空気が吐出され、車室内を冷房する。
【0025】
フットモード
フットモードは、乗員の足元に向かって温風を吹き出すモードであり、インテークユニットから空気入口19を経てユニットケース12内に向かって配風される。この空気は、すべてエバポレータ15に導かれ、ここで一旦冷却された後に、エアーミックスドア16の開度に応じてヒータコア13側とバイパス通路17側とに所定の比率で分岐され、前記と同様に、ヒータコア13の上部においてミックスされ、所定の温度とされる。そして、デフ口20あるいはベント口21に設けられている各ドア20a,21aが閉鎖状態で、フット口22aのドア22bが開放されていると、このフット口22aからフットダクト22を通り、乗員の足元に向かって温風を吹き出すことになり、車室内を暖房する。
【0026】
デフロストモード
デフロストモードは、フロントガラス等に向かって温風を吹き出し、曇りを晴らすモードである。このモードでは、空気入口19からユニットケース12内に向かって配風された空気は、すべてエバポレータ15に導かれ、ここで一旦冷却され、除湿された後に、ヒータコア13によって加熱され、フット口22aあるいはベント口21に設けられている各ドア22b,21aが閉鎖状態で、デフ口20のドア20aが開放されていると、このデフ口20からデフダクト(図示せず)を通り、フロントガラス等に向かって温風を吹き出し、フロントガラス等の曇りを晴らす。
【0027】
上記実施例では、ユニットケース12の外部に生じる余剰空間Sをフットダクト22設置用のスペースとして利用しているが、ユニットケース12の外部形状を異形なものとせず、矩形状とし、内部にフットダクト22を形成しても良い。つまり、図4〜6に示す第2実施例では、ここをフットダクト22とフレッシュベントダクト24を設置する部分として利用したものである。
【0028】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2を示す概略縦断面図、図5は図4の5−5線に沿う概略図、図6は図4の6−6線に沿う概略断面図であり、図1〜3に示す部材と共通する部材には同一符号を付している。
【0029】
実施の形態2のユニットケース12は、全体が矩形箱状としたもので、前後壁12a,12b及び両側壁12c,12dとも平坦面であり(図4参照)、外形形状の小さいヒータコア13と外形形状の大きいエバポレータ15を内部に収納することにより生じる余剰空間は、ユニットケース12内にフットダクト22とフレッシュベントダクト24を設置する部分として利用している。
【0030】
つまり、この実施例では、図5,6より明らかなように、エバポレータ15で冷却された空気がヒータコア13及びバイパス通路17を通って流れるように一対の第1仕切板25により仕切って形成した中央通路26と、この中央通路26の両側に第1仕切板25とユニットケース12の両側壁12c,12dとの間を第2仕切板27により仕切ることにより形成したフットダクト22及びフレッシュベントダクト24とを有している。
【0031】
中央通路26には、通路中にヒータコア13と、該ヒータコア13の前面に設けられたエアーミックスドア16と、該ヒータコア13をバイパスする空気が流れるバイパス通路17が形成されている。
【0032】
フットダクト22及びフレッシュベントダクト24は、前記ヒータコア13とエバポレータ15の形状の相違から前記中央通路の両側に生じる余剰空間を利用して設けられているが、フットダクト22は、上部にフット口22aが設けられ、下端部は、足元に向かって空気を吹き出すようにされるとともにエバポレータ15からの冷却空気が流入しないように閉塞されている。フレッシュベントダクト24は、上端にフレッシュベントドア24aが回動可能に設けられ、下端は開放されエバポレータ15からの冷風が直接流入するようになっている。
【0033】
そして、中央通路26の上端には、ベントドア21aにより開閉されるベント口21(図6参照)及びデフドア20aにより開閉されるデフ口20(図4参照)が設けられている。
【0034】
本実施の形態2では、ベントモードの場合は、空気入口19からユニットケース12内に向かって配風された空気は、すべてエバポレータ15に導かれ、ここで冷却された後に、中央通路26とフレッシュベントダクト24に流入する。
【0035】
この中央通路26においては、冷却された空気は、エアーミックスドア16の開度に応じてヒータコア13側とバイパス通路17側とに所定の比率で分岐され、ヒータコア13側を通る空気は、ヒータコア13により加熱され、バイパス通路17側を通る空気は、ヒータコア13により加熱されることなく流され、両者は、ヒータコア13の上部においてミックスされ、所定の温度となった後に、ベント口21から車室内に向かって吐出され、車室内を冷房する。
【0036】
一方、フレッシュベントダクト24に流入した空気は、フレッシュベントドア24aが開放されているときには、そのままフレッシュベントダクト24を通って車室内に吐出され、車室内を冷房する。
【0037】
フットモードの場合は、ベントモードと同様に、中央通路26においてエアーミックスドア16によりヒータコア13側とバイパス通路17側とに分岐され、ヒータコア13側を通る空気は、ヒータコア13により加熱され、バイパス通路17側を通る空気は、ヒータコア13により加熱されることなく流され、両者は、ヒータコア13の上部においてミックスされ、所定の温度とされる。その後、この空気は、フット口22aからフットダクト22を通って下方に向かって流下し、乗員の足元に向かって温風を吹き出し、車室内を暖房する。
【0038】
デフロストモードの場合は、ベントモードの場合に開放されていたベントドア21aが閉鎖され、デフドア20aが開放された状態であり、中央通路26を通って吹き出された温風がデフ口20よりダクトによってフロントガラス等の近傍まで導かれ、フロントガラス等に向かって吹き出された温風により曇りを晴らすことになる。
【0039】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物も含む趣旨である。上記実施の形態では、余剰空間Sは、ユニットケース12の外部あるいは内部においてフットダクト22あるいはフレッシュベントダクト24として利用しているが、本発明は、これのみでなく、広く空気の通り道、つまり配風通路として利用することができるものである。例えば、インテークユニットに車室外の空気あるいは車室内の空気を導くためのダクトを設置する空間として利用しても良く、また、ハーネスの通路あるいは種々の物品収納庫としても使用可能である。
【0040】
また、前記実施の形態2では、余剰空間Sを利用してフレッシュベントダクト24を設けているが、ヒータコア13の設置場所等を考慮する等、所定の場合によっては、第1仕切板25の一部を除去し、当該フレッシュベントダクト24を前述したバイパス通路17の一部として利用することも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、請求項毎に次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、ヒータコアとエバポレータとを同一のユニットケース内に上下に配置したとき、ヒータコアとエバポレータとの空気流通面積の差によりユニットケース内外に余剰空間が生じるが、この余剰空間に配風通路を配置すると、ユニット全体はコンパクト化し、スペースの有効利用を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ユニットケース外部の余剰空間をフットダクトに利用しているので、通常温風を乗員の足元に吹出すフットダクトを不必要に延長しなくても乗員の足元に温風を吹出すことができる。また、ヒータコア壁面の再通過による風温低下の防止が図れ、余剰空間からの吹下ろし風による頭寒足熱性が向上し、長い余剰空間の整流作用による足元配風性が向上し、従来あった下部フットダクトの不必要による車両高さ寸法の縮小によるレイアウト自由度の向上が図れる。
請求項3に記載の発明によれば、ユニットケース内部の余剰空間をフレッシュベントダクトに利用しているので、ユニットケースの形状が平滑な外面となり、スペース的に有利となるとともにユニット全体の取扱いも容易となり、作業性も向上する。
請求項4に記載の発明によれば、ヒータコアとエバポレータとの間にエアーミックスドアを設けたとき、ヒータコアをバイパスして空気を流すバイパス通路が必要となるが、このバイパス通路をフレッシュベントダクトの一部としているので、不必要にユニットケースが肥大化することはなく、スペース的に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の2−2線に沿う概略図である。
【図3】図1の3−3線に沿う概略断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す概略縦断面図である。
【図5】図4の5−5線に沿う概略図である。
【図6】図4の6−6線に沿う概略図である。
【図7】従来の自動車用空気調和装置を示す断面図である。
【符号の説明】
12…ユニットケース、
13…ヒータコア、
15…エバポレータ、
16…エアーミックスドア、
17…バイパス通路、
22…フットダクト、
24…フレッシュベントダクト、
S…余剰空間。
Claims (4)
- 下部に空気入口 (19) が設けられた1つのユニットケース(12)内に、空気流通面積に差があるヒータコア (13) とエバポレータ (15) とを上下の位置関係を有するように配置し、前記空気入口 (19) から導入された空気を前記エバポレータ (15) により冷却し前記ヒータコア (13) あるいはバイパス通路 (17) を通って前記ユニットケース (12) の上部に導くようにした一体型の自動車用空気調和装置であって、前記ヒータコア(13)とエバポレータ(15)との空気流通面積の差により前記ユニットケース(12)の内側部又は外側部に生じる余剰空間(S)に、前記ユニットケース (12) の上部に導かれた温調空気又は前記エバポレータ (15) により冷却された空気のいずれか一方を車室内に配風する配風通路(17又は22又は24)を形成したことを特徴とする自動車用空気調和装置。
- 前記配風通路は、前記ユニットケース (12) の上部に導かれた温調空気を乗員の足元に吹き出すフットダクト(22)である請求項1に記載の自動車用空気調和装置。
- 前記配風通路は、前記エバポレータ(15)により冷却された空気をそのまま車室内に配風するフレッシュベントダクト(24)である請求項1に記載の自動車用空気調和装置。
- 前記ユニットケース(12)は、外形形状の小さい前記ヒータコア (13) と外形形状の大きいエバポレータ (15) が収納された矩形箱状のものであり、前記ヒータコア(13)とエバポレータ(15)との間に、該エバポレータ(15)を流通した空気をヒータコア(13)側と該ヒータコア(13)をバイパスするバイパス通路(17)側に分岐するエアーミックスドア(16)を設け、前記エバポレータ (15) を流通した空気がヒータコア (13) 又はバイパス通路 (17) を通って流れるように一対の第1仕切板 (25) により仕切って形成した中央通路 (26) と前記ユニットケース (12) の両側壁 (12c , 12d) との間に生じる余剰空間 (S) にフレッシュベントダクト (24) を形成し、当該フレッシュベントダクト(24)の一部を前記バイパス通路(17)としたことを特徴とする請求項3に記載の自動車用空気調和装置。
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