JP3609142B2 - 振動装置を用いたコネクター抜き - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、振動装置を用いたコネクター抜きに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板の検査装置において、テスト基板を検査装置に取り付け、コネクターを接続して、検査する必要がある場合がある。かかる場合に、人の手作業により、コネクターの脱着を行うと煩雑で、能率が悪かった。
そこで、機械的にコネクターを脱着する装置が開発されている。その一例を図3〜図5に示す(特公平6−40504号)。
【0003】
同図に示すように、外箱101の内底面には、水平リニアスライド102が左右にそれぞれ設けられている。
水平リニアスライド102は、外箱101の底面に固定される下部スライド122に対し、上部スライド121を水平方向に摺動自在に嵌合したものである。
【0004】
上部スライド121上には、押出体103が固着されている。押出体103は、上部スライド121に固定された水平板部131と、その前方に形成された垂直板部132とから構成されている。
垂直板部132には、垂直リニアスライド104が左右にそれぞれ設けられている。垂直リニアスライド104は、垂直板部132に固定された固定スライド142に対し、移動スライド141を上下に摺動自在に嵌合したものである。
【0005】
移動スライド141には、コネクター装着板105が垂直に固着されている。コネクター装着板105の下端部にはコネクター装着部106が形成され、コネクター装着部106には雌コネクター114が保持されている。
コネクター装着板105の下部には二つの下部フック109が設けられると共に垂直板部132の上部には二つの上部フック107が設けられ、これらの上部フック107,上部フック109の間には垂直方向にスプリング108が介装されている。
【0006】
一方、外箱101を水平方向に回転軸110が貫通すると共に外箱101内においてこの回転軸110に二つの偏心カム112が装着され、また、その一端にはレバー111が装着されている。更に、この二つの偏心カム112を遊嵌する二つの従動カム113が押出体103に固定されている。
従って、レバー111により回転軸110を回動させることにより、偏心カム112が従動カム113を前後方向に押し出すことにより、これと連結された押出体103及びコネクター装着板105等が、水平リニアスライド102に沿って前後に摺動することとなる。
【0007】
その為、図3に示すように、プリント基板116に固定された雄コネクター115に対して、コネクター装着板105を前進させることにより、その下端部のコネクター装着部106に取り付けられた雌コネクター114を装着して接続させることができる。
また、水平リニアスライド102に沿ってコネクター装着板105を逆方向に後退させることにより、雄コネクター115から雌コネクター114を引き抜くことが可能である。
【0008】
尚、垂直リニアスライド104に沿ってコネクター装着板105を上下に摺動させることにより、雄コネクター115、雌コネクター14の上下方向の位置に対応させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の装置では、水平リニアスライド102により、コネクター装着板105を直線方向に移動させることにより、雄コネクター115、雌コネクター114を脱着させるため、雄コネクター115と雌コネクター114との嵌合が固いと、つまり、摩擦力が大きいと、なかなか着脱できないという不具合があった。
【0010】
また、雄コネクター115と雌コネクター114との嵌合が固いと、偏心カム112及び回転軸110を回動させるためにレバー111を操作する力が非常に大きくなり、力作業となる不都合もあった。
【0011】
特に、プリント基板の検査装置においては、コネクター114,115の脱着の回数が多くなるため、上記不都合は一層著しくなる。
本発明、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、コネクターを自動的に引き抜くことが可能な装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本発明のコネクター抜きに係る構成は、コネクター又はコネクターが取り付けられた基板を把持する把持部を揺動させる振動装置を設けたコネクター抜きにおいて、前記振動装置は、前記把持部を揺動自在に支持すると共に該把持部に直線方向に摺動可能な連結部を連結し、更に該連結部にリンク機構を介してモータを接続して構成されることを特徴とする。
【0013】
【作用】
コネクター又はコネクターが取り付けられた基板を把持部により把持し、振動装置により、例えば、モータの回転をリンク機構を介して連結部に往復運動に変換し、更に、チャック部の揺動に変換させることにより、コネクターを容易に引抜きことが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明について、図面を示す実施例を参照して詳細に説明する。
図1、図2に本発明の一実施例を示す。本実施例では、モータ2、アーム3、リンク4等により振動装置を構成するものである。
【0015】
両図に示すように、筺体20には、支点bを中心として保持部6が揺動自在に支持されると共にこの保持部6にチャック部1,1′が開閉自在に支持されている。チャック部1,1′には、閉じる方向に付勢するようにスプリング7が取り付けられ、プリント基板8を把持している。チャック部1,1′は、手動により開く方向に動かすことが可能である。
【0016】
プリント基板8は、試験のためのテスト基板であり、コネクター10を介して、製品となるプリント基板9に連結されている。この為、試験終了後は、コネクター10を相互に引き抜いて、プリント基板8,9を分離する必要がある。
【0017】
一方、筺体20内には、水平板11が配置されると共にこの水平板11には長孔11aが形成され、この長孔11a内には前記保持部6と連結する連結部5が収納されている。また、筺体20内には、モータ2が収納されると共にその回転軸にはアーム3が取り付けられ、このアーム3にはリンク4が結合し、このリンク4の一端は、前記連結部5に連結している。
【0018】
従って、モータ2を回転させてその回転をアーム3、リンク4を介して連結部5に伝達すると、この連結部5は図中矢印aで示すように長孔11aに沿って往復動し、この往復動により、保持部6及びチャック部1,1′は支点bを中心として図中矢印cで示す左右に揺動することとなる。
【0019】
この為、チャック部1,1′に把持されているプリント基板8は左右に揺さぶられて、コネクター10を容易に引抜きことができる。
特に、コネクター10が固く嵌合している場合でも、チャック部1,1′の揺動の振巾を徐々に大きくすることにより、容易にコネクター10を引き抜くことが可能となる。
しかも、コネクターを直線的に引き抜く場合に比較し、はんだ付部に大きな負担をかけずに引き抜くことができる利点がある。
【0020】
尚、本実施例では、コネクター10の固定されたプリント基板8をチャック部1,1′で把持していたが、コネクター10を直接把持するようにしても良い。また、チャック部1,1′としては、図示したものに限らず、ピンセット状、ペンチ状のものも利用できる。
また、振動装置としては、上記実施例のようにリンク機構を用いたものに限らず、カム機構、スライド機構を用いても良い。
【0021】
【発明の効果】
以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本発明によれば、コネクター又はコネクターの取り付けられた基板をチャック部で把持し、このチャック部を揺動させて引抜くので、直線的に引き抜く場合に比べて容易に引き抜くことができる。また、チャック部の揺動をモータにより自動的に行うため、手動で行う場合に比較し、短時間で引き抜くことができる利点がある。この為、本発明は、コネクター介して頻繁に接続を行う検査装置に用いて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコネクター抜きの上面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るコネクター抜きの側面図である。
【図3】従来のコネクター着脱装置の説明図である。
【図4】図3中のIV−IV線矢視図である。
【図5】図3中V−V線矢視図である。
【符号の説明】
1,1′ チャック部
2 モータ
3 アーム
4 リンク
5 連結部
6 保持部
7 スプリング
8,9 プリント基板
10 コネクター
11 水平板
11a 長孔
20 筺体

Claims (1)

  1. コネクター又はコネクターが取り付けられた基板を把持するチャック部を揺動させる振動装置を設けたコネクター抜きにおいて、前記振動装置は、前記チャック部を揺動自在に支持すると共に該チャック部に直線方向に摺動可能な連結部を連結し、更に該連結部にリンク機構を介してモータを接続して構成されることを特徴とするコネクター抜き。
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