JP3607550B2 - 薬剤保持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に収納される食品などの品質を維持するための薬剤を保持する薬剤保持具に関し、さらに詳しく言えば、その薬剤を容器内の所定位置に簡単かつ確実に保持する薬剤保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
湿気などに弱い食品(例えばコーヒーや海苔など)は、一般に密閉容器に保存されるが、蓋の開閉に伴なって外気にさらされるため、その容器内に除湿剤や脱酸素剤など所定の薬効を有する薬剤を入れて、食品の品質を維持するようにしている。代表的にはシリカゲルがあるが、この種の薬剤は食品への混入を防止するため、通常は薬剤パックとして通気性を有する袋内に入れられている。
【0003】
ところで、この種の薬剤パックは、往々にしてコーヒーなどの食品物とともに容器内に入れ込んで使用されるが、例えば食品をスプーンなどで取り出す場合に薬剤パックが邪魔になる。また、容器を傾けて食品を落とし出す場合には薬剤パックも一緒に出てしまうおそれがある。さらには、薬剤が不織布などの袋に入れられているとしても、食品と直に触れることに対して拒絶を示す消費者も少なくない。
【0004】
そこで、薬剤パックを容器の裏蓋部分にホルダー(薬剤保持具)介して取り付けることが行われている。このホルダーには、容器の裏蓋部分に嵌合するように形成されたバネ線条からなるものや、容器の裏蓋部分に貼り付けられる箱状もしくはポケット状のものなどが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなホルダーによれば、薬剤パックが容器の裏蓋部分に保持されるため、食品の取り出し時に邪魔にならない。また、食品と直に触れないため消費者に好んで受け入れやすい。
【0006】
しかしながら、バネ線条からなるものは取り付けられる容器が限定され、汎用性がない。また、その製造コストも高い。これに対して、箱状もしくはポケット状のものは両面テープなどで裏蓋に取り付けることができるため、汎用性はあるが、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、薬剤パックを箱もしくはポケットに入れることにより、空気との接触が悪なり、除湿剤で言えば除湿効果が半減してしまう。また、蓋を開け閉めする際に薬剤パックが外れたりするおそれもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、薬剤(好ましくはパック状のもの)を容器の大きさや形状に関わらず、その容器内の所定部位に簡単かつ確実に保持できるようにした汎用性が高く、しかも安価である薬剤保持具を提供することにある。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、食品などの被収納物が収納される容器内に設けられ、所定の薬効を有する薬剤を上記容器内の所定の壁面に保持する薬剤保持具において、一方の面が上記容器内の所定の壁面に取り付けられる基板部を有し、同基板部には、その他方の面側に上記薬剤を保持する保持手段と、上記基板部に対して弾性復元力が生ずるように折り曲げ可能とされた羽根部とが設けられ、上記羽根部は上記薬剤が上記保持手段により保持される際、その弾性復元力に抗して上記薬剤の内面側に折り曲げられ、上記薬剤に反発力を加えることを特徴としている。
【0010】
上記保持手段は、上記基板部の一方の対向する2辺から延設された第1保持片および第2保持片を備え、これら各保持片の先端には、それぞれ反対側の側辺から切り込まれた噛合用の係止溝が形成されていることが好ましい。これによれば、その係止溝同士を対向させて、ただ単に互いに引っかけ合うだけの作業により、各保持片を簡単に連結することができる。
【0011】
また、上記羽根部は、上記基板部の他方の対向する2辺に一対として設けられていることが好ましく、これによれば、保持手段に保持された薬剤のずれをより確実に防止することができる。また、この一対の羽根部をL字状に折り曲げることにより、基板部の湾曲に対抗することができる。
【0012】
本発明において、上記基板部、上記保持手段および上記羽根部は、柔軟性を有する合成樹脂板により一体に形成することができる。また、上記基板部の一方の面には両面粘着(接着)テープが設けられていることが好ましく、これによれば、この保持具を例えば容器の裏蓋などに簡単に取り付けることができる。なお、両面粘着テープに代えて面状ファスナを用いることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例に係る薬剤保持具1の取り付け状態を示した分解斜視図であり、図2には、この薬剤保持具1を展開してその裏面側を見た斜視図が示されている。
【0014】
この実施例において、薬剤保持具1は、1枚の樹脂製シートを打ち抜き加工したものからなり、中央に矩形状の基板部2を備えている。基板部2の長手方向の両端には、保持手段の構成要素である第1保持片3および第2保持片4がそれぞれ延設されている。なお、基板部2は必ずしも矩形である必要はなく、例えば円形や楕円形などであってもよい。また、樹脂製シートは柔軟性のものであることが好ましい。
【0015】
基板部2の幅方向の両端には、ずれ防止用羽根部としての第1折曲げ片51および第2折曲げ片52が折線51a、52aを介してそれぞれ延設されている。この場合、折線51a、52aは薄肉ヒンジからなり、第1折曲げ片51および第2折曲げ片52は、例えば90度以上の角度に折り曲げた場合、元の状態に戻ろうとする弾性復元力を有する。基板部2の裏面側(容器に取り付けられる側の面)中央には、容器に対する取り付け手段としての両面粘着テープ6が設けられている。
【0016】
この実施例において、第1保持片3および第2保持片4は、一端が基板部2の長手方向の端部に折線3a、4aを介してそれぞれ連設された起立部31,41と、同起立部31,41の他端から折線3b、4bを介して連設された係止部32,42とを備えている。
【0017】
起立部31,41は、基板部2と同じ幅を有する矩形状に形成されている。係止部32,42は、その先端部に行くにしたがって緩やかなカーブを描きながらその幅が漸次狭くなるように形成されている。
【0018】
係止部32,42の先端には、凸部33,43が形成されており、凸部33,43の付け根部分には、折線3b、4bに対して平行となるように係止溝34,44が設けられている。なお、係止溝34,44の長さは、凸部33,43の幅の半分程度であり、その各先端の溝部分は凸部33,43の先端部に向けて鉤状に折り曲げられている。
【0019】
係止溝34,44は互い違いになるように設けられており、この実施例では、一方の係止溝34は図2において第1保持片3の左側辺側から切り込まれており、これに対して、他方の係止溝44は第2保持片4の右側辺側から切り込まれている。
【0020】
このように形成された薬剤保持具1は、薬剤パック7を保持する。薬剤パック7はシート状の不織布を折畳み、その周縁部分をヒートシールなどによって綴じた袋状に形成されている。その中には、図示しない所定薬効を有する薬剤が充填されている。この実施例においては、内部にシリカゲルのからなる除湿剤が袋詰めされている。
【0021】
これ以外に、上記薬剤パック7に充填される薬剤としては、脱酸素剤、脱臭剤、防虫剤、抗菌剤、脱ガス剤など、必要薬効に応じて任意のものを選択することができる。
【0022】
この薬剤保持具1によれば、次のようにして薬剤パック7を容器に取り付けることができる。まず、図1に示されているように、第1折曲げ片51と第2折曲げ片52を折線51a、52aに沿って基板部2の反接着面側(反両面粘着テープ6側)に90度以上の角度に折り曲げる。
【0023】
次に、その第1折曲げ片51および第2折曲げ片52上に薬剤パック7を載置する。このとき、第1折曲げ片51と第2折曲げ片52の弾性復元力により、薬剤パック7を押し上げる力が働く。
【0024】
そして、第1保持片3と第2保持片4の起立部31,41を折線3a、4aを介して基板部2の反接着面側にほぼ90度になるように折り曲げた後、その起立部31,41から折線3b、4bを介して係止部32,42を薬剤パック7上にほぼ90度折り曲げる。
【0025】
次に、係止部32の係止溝34と、係止部42の係止溝44とを対向させて各係止溝同士を差し込んだ後、凸部33,43を互いに離れる方向に若干引っ張って係止部32,42同士を完全に引っかける。これにより、薬剤パック7が確実に薬剤保持具1に保持される。
【0026】
しかる後、基板部2の両面粘着テープ6を容器8の所定部位に貼り付ける。この実施例では、蓋81の裏蓋82に貼り付ける。これにより、図3に示されているように、薬剤パック7が薬剤保持具1に保持された状態で容器8内に取り付けられることになる。
【0027】
これによれば、第1保持片3と第2保持片4によって薬剤パック7が羽交い締めされたようになり、また、薬剤パック7には第1折曲げ片51と第2折曲げ片52の反発力が加えられるため、薬剤パック7の脱落が確実に防止される。
【0028】
また、第1折曲げ片51および第2折曲げ片52の折り曲げにより基板部2が補強されるため、薬剤パック7の重さなどよって基板部2が湾曲して両面粘着テープ6の粘着力が弱められることもない。
【0029】
薬剤パック7を交換するには、薬剤保持具1を裏蓋82に取り付けたまま、第1保持片3と第2保持片4を解いて薬剤パック7を取り出し、新たな薬剤パック7を上記の手順に沿って保持させればよい。
【0030】
上記実施例とは異なり、薬剤保持具1を面状ファスナーを介して容器8側に取り付けることもできる。すなわち、面状ファスナーの例えば雌側を容器8側に取り付けるとともに、雄側を基板部2側に取り付け、その雌雄係合により薬剤保持具1を容器8側に取り付けてもよい。
【0031】
また、この薬剤保持具1の容器8に対する取り付け部位は裏蓋82に限定されるものではない。容器本体内であってもよい。薬剤パック7についても、その形状や性質など特に限定される必要はない。例えば、海苔などを購入した際に包装袋内にあらかじめ混入された薬剤パックを本発明の薬剤保持具によって保持することも可能である。また、薬剤自体がこの薬剤保持具1にて保持可能な固形体であれば、必ずしもパック形態でなくてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が奏される。薬剤を簡単かつ確実に保持することができる。すなわち、薬剤が羽根部の反発力を受けた状態で保持されるため、容易にずれ落ちることはない。
【0033】
どのような容器にでも取り付けることができ汎用性が高い。1枚の合成樹脂シートを打ち抜くことにより得られるため製造コストが安価である。容器に取り付けたまま薬剤を交換することができる。折り曲げられた羽根部により基板部が補強されるため、薬剤の重さなどによって基板部が湾曲したり反ったりしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る薬剤保持具取り付け状態を示した分解斜視図。
【図2】上記実施例の薬剤保持具を展開してその裏面側から見た斜視図。
【図3】上記実施例の薬剤保持具を容器に取り付けた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 薬剤保持具
2 基板部
3 第1保持片
31 起立部
32 係止部
33 凸部
34 係止溝
4 第2保持片
41 起立部
42 係止部
43 凸部
44 係止溝
51 第1折曲げ片
52 第2折曲げ片
7 薬剤パック
8 容器
Claims (5)
- 食品などの被収納物が収納される容器内に設けられ、所定の薬効を有する薬剤を上記容器内の所定の壁面に保持する薬剤保持具において、
一方の面が上記容器内の所定の壁面に取り付けられる基板部を有し、同基板部には、その他方の面側に上記薬剤を保持する保持手段と、上記基板部に対して弾性復元力が生ずるように折り曲げ可能とされた羽根部とが設けられ、上記羽根部は上記薬剤が上記保持手段により保持される際、その弾性復元力に抗して上記薬剤の内面側に折り曲げられ、上記薬剤に反発力を加えることを特徴とする薬剤保持具。 - 上記保持手段は、上記基板部の一方の対向する2辺から延設された第1保持片および第2保持片を備え、これら各保持片の先端には、それぞれ反対側の側辺から切り込まれた噛合用の係止溝が形成されている請求項1に記載の薬剤保持具。
- 上記羽根部は、上記基板部の他方の対向する2辺に一対として設けられている請求項1または2に記載の薬剤保持具。
- 上記基板部、上記保持手段および上記羽根部は、柔軟性を有する合成樹脂板により一体に形成されている請求項1,2または3に記載の薬剤保持具。
- 上記基板部の一方の面には両面粘着(接着)テープが設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薬剤保持具。
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- 2000-01-25 JP JP2000015463A patent/JP3607550B2/ja not_active Expired - Lifetime
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