JP3606993B2 - 造粒装置及び造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を取り扱い容易な造粒体とするための新規な造粒装置及び造粒方法に関する。詳しくは、一つの装置を使用して、得られる造粒体の粒径が調節可能な造粒装置及び造粒方法である。
【0002】
【従来の技術】
取り扱いが困難な粉体、例えば、超微粒子を取扱い容易な造粒体とする方法としては、一般に、転動造粒、押し出し造粒、圧縮成形による造粒、噴霧造粒等が知られている。このうち特に、転動造粒は、運転操作が迅速、簡便であり、得られる造粒体の粒径が比較的揃っており、比較的兼価に大量に造粒体を生産できるため有利である。
【0003】
上記転動造粒において、得られる造粒体の粒径を制御するための造粒装置及び造粒方法として、下記のものが提案されている。
【0004】
即ち、一端を大径とするとともに他端を小径とした円錐筒の大径側を蓋部材により封鎖し、小径側にオリフィス型せき板を取り付けた回転ドラムを、同心軸が水平方向となるように横向きに配置し、該回転ドラムを変速駆動可能にして設けると共に、該回転ドラム内に解砕羽根を取り付け、また、造粒原料の供給装置の先端及びバインダー供給装置の先端部を該回転ドラムの小径側の開口部から内部に挿入して該回転ドラムの中央部に臨ませた構造を成し、該解砕羽根の回転数変えることによって、得られる造粒体粒径を制御するものである。この造粒装置によれば、造粒原料は回転ドラムにより攪拌されて、粗造粒体となり、偏析効果により回転ドラムの大径側に移動されてゆき、ここで解砕羽根により一定条件のもとに解砕され、細かくされながら転動をくり返し、球形化され回転ドラムの小径側に偏析し、オリフィス型せきから均一粒度の造粒体がオーバーフローして造粒体として連続的に回収される。そして、この造粒装置は、0.2mm〜5mm程度の比較的小さな造粒体を連続的に製造することに適している。
【0005】
また、上記の解砕機構を持たない造粒機に於いて、造粒体の粒径の制御は、供給する造粒原料とバインダーの比、及び/又は造粒体がドラム内で滞留する時間の長短を調節することによって行われる。例えば、造粒体の粒径を大きくするためには、バインダー/造粒原料の比を大きくする、または、造粒原料とバインダーの供給量を少なくして造粒体がドラム内で滞留する時間を長くしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法、即ち、バインダー/造粒原料の比を変える方法では、粒径が異なる造粒体を作製するたびに粒径により造粒体のバインダー/造粒原料の比が異なるので、造粒体自体又は該造粒体から製造される製品の品質を一定に保つため、粒径が変わり、これにより組成が変わるるたびに後工程の条件の変更を行う必要があり、工程の煩雑化を招くといった課題があった。
【0007】
また、後者の方法、即ち、造粒原料及びバインダーの供給量を増減させて造粒体がドラム内で滞留する時間を変える方法では、粒径の異なる造粒体を作製するたびに、造粒原料及びバインダーの供給量が増減し、供給量の増減にともない生産量が増減するので、造粒工程の前後の工程の生産条件の変更を要するといった課題があった。
【0008】
また、前項の解砕羽根を持つ造粒機では、0.2mm〜5mmの造粒体を作製する場合には適しているが、5mmより大きな造粒体を作製する場合には、解砕羽根の回転数を変更するとともに、バインダー/造粒原料の比、造粒体が回転ドラム内で滞留する時間を変更しなくてはならないので、上記の課題が発生する。
【0009】
そこで、一つの装置で比較的小さな1mm程度の造粒体から、比較的大きな10mm以上の任意の粒径の造粒体を、バインダー/造粒原料の比を変えず、更には、造粒原料及びバインダー供給量即ち生産量を変えずに、粒径を容易に且つ任意に制御し連続的に製造する装置及び造粒方法が待望されていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねてきた。その結果、一端を大径とすると共に他端を小径とした円錐筒の同心軸を水平に配置した回転ドラムを、同心軸を回転軸として回転させながら造粒原料粉体及びバインダーを該回転ドラム内部に供給し、ドラムの大径側から取り出す手段を採用した場合、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転軸方向に移動することによって、得られる造粒体の粒径が変化し、かかる供給位置を移動可能とすることにより、該造粒体の粒径を極めて高精度に調整し得ることを見い出し、本発明を完成しここに提案するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、一端を大径とすると共に他端を小径とする円錐筒を、その同心軸が水平方向となるように配置した回転ドラムを、該同心軸を回転軸として回転させながら、造粒原料粉体及びバインダーを該回転ドラム内部に供給し、該回転ドラムの大径側から造粒体を連続して自動排出させる造粒機において、上記造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転軸の軸方向に移動可能な機構を有すると共に、上記大径部の開口部に堰を設けたことを特徴とする造粒装置及び該造粒装置を使用し、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を調節することにより、造粒体の粒径を制御することを特徴とする造粒方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図1に従って具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0013】
本発明で用いられる回転ドラム1は、一端を大径とした大径部5を有すると共に他端を小径とした小径部6を有する円錐筒を、その同心軸が水平となるように配置し、該同心軸を回転軸2とした構造であれば、何等制限なく適用される。
【0014】
尚、回転軸は、回転ドラムの回転の中心となる軸を仮想していうものであり、図1に示すように、回転ドラムをローラー上で回転させるような態様においては、その回転の中心を示すものである。
【0015】
上記した回転ドラム1において、大径部5と小径部6との径(特に断らない限り、径は直径を示す。)の比は、公知の回転ドラム式の造粒装置で採用されている範囲が特に制限なく採用される。一般には、回転ドラムの長さ/大径部の径の比は、0.8〜5.0の長さが一般的である。また、大径部の径/小径部の径の比は、水平面に対して、該回転ドラムの円錐面の傾き11が10°〜30°、好ましくは、15°〜25°になるものが使用される。該回転ドラムの回転軸となる同心軸は、水平方向を向いていれば良く、一般には、水平面に対して仰角が±10°、好ましくは、±5°以内が好適である。
【0016】
また、少なくとも、大径部5の開口部は堰7を設けて構成する。上記大径部5で造粒体の排出口を形成する堰7の高さは、小径部6に開口部があるときは、該小径部6の開口部から造粒体が流出せず且つ少なくとも造粒体の排出が阻害されないような高さで決定すればよい。また、小径部6に開口部がないときは、回転ドラムの回転軸から大径5の造粒体排出口の堰7の高さは、少なくとも造粒体の排出が阻害されない高さを確保するものであればよい。
【0017】
本発明で用いられる造粒原料粉体の供給には、振動フィーダー、スクリューフィーダー、ベルトコンベアなどの粉体供給装置3が何等制限なく使用される。また、造粒原料粉体の供給は、一般に、1箇所もしくは、該回転ドラムの大きさに応じて数カ所より同時に行うことができる。造粒原料粉体の供給が数カ所にわたるときの散布幅は、該回転ドラム内での定常運転状態における、造粒体9の存在部分の小径部寄りの端部(以下、単に造粒体端部ともいう)10を0%とし、大径部5までの水平距離を100%としたとき、80%以下、好ましくは、60%以下の範囲が好適である。更に詳しく述べれば、散布幅が小さいほど得られる造粒体の粒度分布は小さなものになる。また、造粒原料粉体の供給位置は、造粒体端部10を0%、他端の大径部5の位置を100%としたとき、散布幅の中央が5%〜95%の範囲を移動可能とすることが好ましい。また、比較的小さい粒径を得る場合は、上記供給位置の値を小さくし、比較的大きな粒径を得る場合は、上記供給位置の値を大きくするとよい。
【0018】
また、本発明で用いられるバインダーの供給は、滴下ノズルを備えた滴下装置、スプレーノズルを備えた噴霧装置等の液供給装置4などが何等制限なく使用される。上記バインダーの供給は、一般に、1箇所もしくは、該回転ドラムの大きさに応じて数カ所より同時に行うことができる。バインダーの供給が数カ所にわたるときの散布幅は、該回転ドラム内の造粒体端部10を0%とし、大径部5までの水平距離を100%としたとき、90%以下、好ましくは、70%以下が好適である。更に詳しく述べれば、散布幅が小さいほど得られる造粒体の粒度分布は小さなものになる。また、バインダーの供給位置は、該回転ドラム内の造粒体端部10を0%とし、他端の大径部5までの位置を100%としたとき、散布幅の中央が5%〜95%の範囲で移動可能とすることが好ましい。比較的小さい粒径を得る場合は、供給位置の値を小さくし、比較的大きな粒径を得る場合は、供給位置の値を大きくすれば良い。
【0019】
本発明の最大の特徴は、上記造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転軸の軸方向に移動可能な機構を設けた点にある。即ち、上記移動可能な機構を設けることにより、得られる造粒体の粒径を極めて高精度に調整することが可能となる。上記の造粒原料粉体の供給位置を、該回転ドラムの小径側より大径側に移動することにより、得られる造粒体の粒径は大きくなり、該回転ドラムの大径側より小径側に移動することにより、得られる造粒体の粒径は小さくなる。また、バインダーの供給位置を、該回転ドラムの小径側より大径側に移動することにより、得られる造粒体の粒径は大きくなり、該回転ドラムの大径側より小径側にすることにより、得られる造粒体の粒径は小さくなる。
【0020】
従って、目的とする造粒体の粒径に応じて、かかる供給位置を逐次調整すればよい。具体的には、得られる造粒体の粒径を連続的に或いは断続的に測定し、該造粒体の粒径が目的とする範囲から外れた場合に、上記手段により造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を移動して粒径を調節する方法が挙げられる。また、かかる造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を移動可能な手段を有する本発明の装置は、目的とする造粒体の粒径を変える場合でも、該供給位置を移動させるだけで調節が可能であり、従来の装置のように粒径が異なる度にバインダー/造粒原料の比を変え、粒径によってバインダー/造粒体原料の比の異なる造粒体を作製することがなくなるという特徴も有する。
【0021】
また、かかる造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を移動可能な手段を有する本発明の装置は、目的とする造粒体の粒径を変える場合でも、該供給位置を移動させるだけで調節が可能である。従って、従来の装置のように粒径が異なる度に造粒原料とバインダーの供給量を増減させ生産量が異なることがなく、特に、造粒体粒径を大きい側に調整することに伴う生産量の減少という問題がなくなるという特徴を有する。
【0022】
また、かかる造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を移動可能な手段を有する本発明の装置は、目的とする造粒体の粒径を変える場合でも、該供給位置を移動させるだけで調節が可能であり、従来の装置のように粒径が異なる度に回転ドラムを取り替える等の煩雑な操作を必要としないという特徴も有する。
【0023】
さらに、かかる造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を移動可能な手段を有する本発明の装置は、充填密度を上げるため、目的とする造粒体の粒度分布を大きくする場合でも、該供給位置を所定時間おきに軸方向に移動させるだけで粒径の異なる造粒体が得られ、従来のように予め粒径の異なる造粒体を作製し、それらを後で混合する等の煩雑な操作を必要とせず、粒度分布の大きな造粒体が得られるという特徴も有する。
【0024】
本発明において、前記の造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転軸の軸方向に移動可能とする機構は特に制限されない。例えば、前記造粒原料粉体供給装置、バインダー供給装置の全体或いは該装置の供給部を移動可能とした構造が特に制限なく採用される。
【0025】
具体的には、造粒原料粉体供給装置、バインダー供給装置を載せた架台に車輪等の摺動機構を付け架台ごと軸方向に、手動又は自動で移動させる態様、造粒原料粉体供給装置、バインダー供給装置の供給口を軸方向に複数設け、該供給口の必要箇所を開閉して供給位置を軸方向に、手動又は自動で移動させる態様、造粒原料粉体供給装置、バインダー供給装置を固定し、その供給管を伸縮可能として先端の供給位置を軸方向に、手動又は自動で移動させる態様などが挙げられる。
【0026】
また、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を自動で移動せしめる場合は、装置より取り出される造粒体の粒子径を検出し、該検出値によって該供給位置を調節するようにした態様が好適である。
【0027】
本発明で用いられる該回転ドラムの回転数は、公知の条件が特に制限なく採用される。一般には、大径部における臨界回転数の20%〜70%、好ましくは30%〜60%の条件を採用することが好ましい。
【0028】
本発明の造粒装置及び造粒方法は、バインダーを使用する公知の造粒原料粉体の造粒において特に制限されることなく適用される。特に、医薬品、農薬、食品、飼料、化学肥料、触媒、セラミックス及びそれらの原料などの造粒粉体原料の造粒において好適である。また、バインダーとしては、水、ケイ酸ソーダ等の無機系バインダー及び、デキストリン、コンスターチ、にかわ、カゼイン、ポリビニルアルコール、アクリル、ポリアミド、ポリエチレン、セルロース、メラミン、フェノール、エポキシ、ポリエステル、ネオプレン等の有機系バインダーが好適に使用される。
【0029】
また、上記造粒原料粉体及びバインダーは、連続的に供給するのが一般的であるが、断続的に供給することも可能である。
【0030】
例えば、窒化アルミニウムの製造原料のアルミナとカーボンブラックの混合粉体を造粒する場合について具体的に説明すれば、アルミナとカーボンブラックの混合粉体、界面活性剤及び必要に応じて水溶性高分子系バインダーを溶解させた水を、予めミキサー等で予備混合させた物を回転ドラムに投入する。
【0031】
投入後、回転ドラムを回転させ、核を生成させる。核生成後、回転ドラムにアルミナとカーボンブラックの混合粉体、界面活性剤及び必要に応じて水溶性高分子系バインダーを溶解させた水を供給する方法により実施するのが好適である。
【0032】
上記具体例において、かかる混合粉体の好ましい散布幅は、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、大径部までの水平距離を100%としたとき、50%以下、特に、30%以下である。また、該混合粉末の特に好ましい供給位置は、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、他端の大径部5の位置を100%としたとき、60〜90%である。一方、前記バインダーの好ましい散布幅は、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、大径部までの水平距離を100%としたとき、70%以下、特に50%以下である。更に、かかるバインダーの好ましい供給位置は、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、他端の大径部の位置を100%としたとき、60〜90%である。
【0033】
【作用】
本発明において、該回転ドラム内の造粒体は、コロガリ運動をしながら大粒子径の造粒体は大径側へ、小粒子径の造粒体は小径側へ移動する。一方、供給された超微粒の造粒原料は、バインダーを介して凝集体を形成し、この凝集体は該回転ドラムの回転運動により順次該回転ドラムの小径側へ移動する。造粒体がコロガリ運動をしているところに、小径側へ移動中の凝集体が接触、付着し造粒体が粒成長をする。粒成長した造粒体は、大径側へ移動する。小径側への移動途中に造粒体に接触、付着せず小径部に到達した凝集体は、小径部でコロガリ運動をしながら凝集体同士接触し、新たな造粒体となる。新たな造粒体は、凝集体と接触、これを付着し粒成長する。このようにして粒成長した造粒体は、回転ドラムの回転によるコロガリ作用を受けながら球状化されて回転ドラムの大径側に移動し、開口部から自動的に排出される。
【0034】
上記造粒過程において、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を該回転ドラムの回転軸方向に移動させることにより、凝集体が造粒体と接触、付着せず小径部に到達する確率が変化する。即ち、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置が小径側へ移動すると、凝集体が小径部に到達する確率が高くなり、新たな造粒体の数が大きくなる。新たな造粒体の数が大きくなると、得られる造粒体の粒径が小さくなる。また、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置が大径側へ移動すると、凝集体が小径部に到達する確率が低くなり、新たな造粒体の数が小さくなる。新たな造粒体の数が小さくなると、得られる造粒体の粒径が大きくなる。
【0035】
従って、かかる位置を調節することによって、得られる造粒体の粒径を制御することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明に理解されるように、本発明によれば、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転ドラムの回転軸方向に移動することによって、得られる造粒体の粒径が変化し、かかる供給位置を移動可能とすることにより、該造粒体の粒径を極めて高精度に調整することが可能である。
【0037】
また、従来の造粒装置では困難であった5mm以上の造粒体の粒径の制御も容易に行うことができる。
【0038】
更に、一つの装置で比較的小さな1mm程度の造粒体から、比較的大きな10mm以上の任意の粒径の造粒体を、バインダー/造粒原料の比を変えず、しかも、造粒原料及びバインダー供給量即ち生産量を変えずに、粒径を容易に且つ任意に制御し連続的に製造することが可能である。
【0039】
【実施例】
本発明を具体的に説明するために、以下、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
実施例1
平均粒子径2.5μmのαアルミナと平均粒子径0.02μmのカーボンブラック(ファーネスブラック)を重量比で2:1で乾式のボールミルで混合し造粒原料を得た。一方、水97重量部に対してHLBが14.5でありポリオキシエチレンアルキルエーテルの界面活性剤「アクチノールF−12」(商品名;松本油脂(株)製)を1重量部、重合度が500のポリビニルアルコールを2重量部溶解させバインダーを得た。
【0041】
使用した回転ドラムは、大径部の直径が25cm、小径部の直径が13cm、回転ドラムの回転軸方向長さ(全長)が30cmである。また、造粒体出口は大径側で、造粒体出口の開口部の直径は11cmである。更に、造粒原料の供給箇所数は1箇所で、供給位置は、該回転ドラムの造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、50%の位置を中心に移動可能とした。更にまた、上記造粒原料粉体の供給量は10g/minとした。
【0042】
一方、バインダーの供給箇所数は1箇所とし、供給位置は、該回転ドラムの造粒端部を0%、大径部を100%としたとき、50%の位置を中心に移動可能とした。また、バインダーの供給量は4.8g/minとした。
【0043】
また、回転ドラムの回転数は45rpm(臨界回転数の53%)に設定し、粉末供給装置、液供給装置はそれぞれの装置を設置している架台上で軸方向に移動させた。
【0044】
上記条件下に、得られる造粒体の粒径をバインダーの供給位置を調節しながら制御して、造粒体を連続的に得た。
【0045】
その結果、造粒開始後、3時間から8時間の間にドラムから排出された造粒体の平均値は、3.5mmであった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の経時変化を図2に示す。
【0046】
実施例2
実施例1において、造粒原料及びバインダーの供給位置を該回転ドラム内の造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、60%の位置に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。造粒開始後、3時間から8時間の間にドラムから排出された造粒体の平均値は、6.3mmであった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の粒径の経時変化を図2に示す。
【0047】
実施例3
実施例1において、造粒原料及びバインダーの供給位置を該回転ドラム内の造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、70%の位置に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。造粒開始後、3時間から8時間の間にドラムから排出された造粒体の平均値は、9.5mmであった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の経時変化を図2に示す。
【0048】
以上、実施例1〜3に示したように、本発明を用いることによって、一つの装置で比較的小さな1mm程度の造粒体から、比較的大きな10mm以上の多種類の粒径の造粒体を、バインダー/造粒原料の比を変えること無く且つ造粒原料及びバインダーの供給量即ち生産量を変えること無く、粒径を制御しながら連続的に製造することができた。
【0049】
比較例1
実施例1において、造粒体出口は小径側で、造粒体出口直径を7cmとした以外は、実施例1と同様に実施した。造粒開始後、時間の経過とともに造粒体が大きくなった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の経時変化を図3に示す。また、造粒原料、バインダーの供給位置を軸方向に移動させても制御できなかった。
【0050】
実施例4
実施例1において、下記に示す以外は同様にして実施した。使用した回転ドラムは、大径直径が50cm、小径直径が26cm、回転ドラムの回転軸方向長さ60cmである。造粒体出口は大径側で、造粒体出口の直径は23cmである。造粒原料の供給を2カ所から行うことにより、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、大径部までの長さを100%としたとき、造粒原料の散布幅を15%とし、供給位置は該回転ドラム内の造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、散布幅の中央が60%の位置である。造粒原料の供給量は80g/minである。バインダーの供給を9カ所から行うことにより、該回転ドラム内の造粒体端部を0%とし、大径部までの長さを100%としたとき、バインダーの散布幅は27%とし、供給位置は該回転ドラム内の造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、散布幅の中央が60%の位置である。
【0051】
また、バインダーの供給量は38g/minである。ドラムの回転数は、21rpm(大径部の臨界回転数の35%)である。その結果、造粒開始後、3時間から8時間の間にドラムから排出された造粒体の平均値は、7.6mmであった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の粒径の経時変化を図2に示す。
【0052】
実施例5
実施例4において、造粒原料及びバインダーの供給位置を該回転ドラム内の造粒体端部を0%、大径部を100%としたとき、散布幅の中央を70%の位置に変更した以外は、実施例4と同様に実施した。造粒開始後、3時間から8時間の間にドラムから排出された造粒体の平均値は、11.0mmであった。造粒条件を表1、結果を表2に示す。得られた造粒体の経時変化を図2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造粒装置を示す概略図
【図2】実施例において得られた造粒体の平均粒径の経時変化を示すグラフ
【図3】比較例1において得られた造粒体の平均粒径の経時変化を示すグラフ
【符号の説明】
1:回転ドラム
2:回転軸
3:造粒原料粉体供給装置
4:バインダー供給装置
5:大径部
6:小径部
7:造粒体排出口堰
8:小径部堰
9:造粒体
10:造粒体端部
11:水平面に対する回転ドラムの円錐面の傾き
Claims (2)
- 一端を大径とすると共に他端を小径とした円錐筒を、その同心軸が水平方向となるように配置した回転ドラムを、該同心軸を回転軸として回転させながら、造粒原料粉体及びバインダーを該回転ドラム内部に供給し、該回転ドラムの大径側から造粒体を連続して自動排出させる造粒機において、上記造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を回転軸の軸方向に移動可能な機構を有すると共に、上記大径部の開口部に堰を設けたことを特徴とする造粒装置。
- 請求項1記載の造粒装置を使用し、造粒原料粉体及び/又はバインダーの供給位置を調節することにより、造粒体の粒径を制御することを特徴とする造粒方法。
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- 1996-03-18 JP JP06109996A patent/JP3606993B2/ja not_active Expired - Lifetime
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