JPS591693Y2 - 造粒装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炭素質粉体などの造粒装置に関するものである
。

従来のロータリーキルン方式による造粒装置においては
原料粉を定量供給装置により円周内の底部に送り込みこ
れにノズルから液滴を滴下または放射し、上記円筒の回
転にともなう揺動作用を粉体に与えて造粒を行なうよう
になっている。

しかしながら、この方式によるときは原料粉に滴液が充
分湿潤し、粉末相互の付着が完了するまでは粒子が形成
され難いので粉末が粒子に成長する時間、すなわち造粒
に要する時間が著しく長くなるばかりでなく造粒された
粒子の形状や大きさにかなりの差異があった。

したがって製造装置の処理能力が極めて低いものとなり
、かつ造粒された粒子の粒度分布がひろいために粒度分
布のせまい製品を得るために粒子をリサイクルする頻度
が多くなるなどの不都合をもたらし、したがって製造コ
ストが増加する欠点があった。

本考案の目的は粒度分布がせまい造粒製品が経済的に得
られる造粒装置を提供することである。

本考案は傾斜して設置され、かつ回転機構と連結する円
筒状容器を備えた造粒装置において前記円筒状容器の内
周壁に多数のピンを突設するとともに、前記容器の傾斜
上方側の端部に圧縮空気ノズルを内設した粉体供給管と
該粉体供給管に近接する液体噴出管とを挿通し、前記容
器の傾斜下方側端部に排出口を形成した造粒装置に関す
る。

以下図面にもとづき本考案の実施例につき説明すると、
第１図及び第２図において５は外径０．６ｍ、長さ２．
５ｍの円筒状容器であり、該円筒状容器５は傾斜して設
置され、動力により駆動される可変速車輪６，６により
回転する。

４は円筒状容器５の内周壁に適宜間隔を存して多数立設
した整粒用のピンである。

２ａは円筒状容器５の傾斜上方側端部に挿通され、一端
が粉体定量供給装置２に接続する粉体供給管であり圧縮
空気ノズル１が内設されている。

３は上記粉体供給管と近接して円筒状容器５に挿通され
た液体噴出管である。

８は円筒状容器５の傾斜下側端部に設けられ金網を張っ
た排出口、７は粒子の受器である。

本考案による造粒装置は上記のように構成され、まず、
円筒状容器５を回転させておき、該円筒状容器５に圧縮
空気ノズル１から圧縮空気を送り、造粒する石炭、コー
クス、黒鉛などの粉体又は微粒子の原料を粉体定量供給
装置２から粉体供給管２ａを通して供給する。

供給された粉体又は微粒子は圧縮空気ノズル１から放出
する圧縮空気により図中点線矢印のごとく前方に飛ばさ
れ拡散して浮遊する。

一方、水またはコールタール、溶融タールピッチまたは
ポリビニルアルコール水溶液、糖蜜、フルフリルアルコ
ールなどの造粒用の液体を液体噴出管３から図中実線矢
印に示すように噴射し噴霧を形威し、これにより浮遊中
の粉体又は微粒子が湿潤され円筒状容器５の底部に落下
し凝集状態の一次湿潤粒子を形成する。

他方、上記液体に湿潤されない粉体又は微粒子も落下し
、これが上記−次湿潤粒子と接触するが、これらは円筒
状容器５の回転による揺動によって二次的に湿潤浸透さ
れるため上記−次湿潤粒子はさらに生長する。

この際、整粒用ピン４は湿潤粉体を混練するとともにこ
れをピンの間に通過させて整粒する。

なおピンの間隔が定まっているので粒子の成長が抑制さ
れ粒子の大きさや粒形にあまり変化がない。

さらに整粒中に個々の粒子の強度が大きくなる。

上記のように整粒用ピン４により整粒造粒された粒子は
漸次排出口８側へ移送され、排出口８から受器７へ受は
入れられる。

なお上記整粒造粒された粒子は必要に応じ円筒状容器５
にリターンして反覆整粒することができる。

さらに上記反覆整粒するための円筒容器としては、例え
ば熱風供給装置などの粒子乾燥手段を備えた別の円筒容
器であってもよい。

次に第３図に上記実施例に係る造粒装置を主体とした造
粒工程のフローシートを示す。

この場合は円筒状容器５から排出された造粒粒子は受器
７から篩１１に投入され、篩別けによって所定粒径の製
品１２と粗粒子９および微粒子１０に区分される。

製品１２は排出口１１ ａから取り出され、粗粒子９お
よび微粒子１０は適当な移送手段により（この際、粗粒
子９は必要に応じ粉砕機１３により再度粉砕した後）粉
体定量供給装置２にリターンされる。

木造粒工程を採用することにより造粒した粒子の歩留り
を−そう向上することができる。

次に、上記造粒工程による炭素質粉体の造粒結果を具体
的に説明すると、原料としては１５０メツシユパスのコ
ークス粉末を使用し篩１１としては目開き７０メツシユ
および３０メツシユのものを使用し平均６０メツシユの
造粒粒子をえた。

この場合の円筒状容器５への粉末供給速度は６１ ／ｍ
ｉｎ、又円筒状容器５の回転速度は平均してｌＱ ｒ、
ｐ、ｍ。

である。

上記運転時における整粒能率を粉体投入後の時間（立上
り時間）とリターン量で比較すると立上り時間０６５ｈ
までのリターン量が平均４０％であったものが１．Ｏｈ
後には１０％と向上した。

なお、２．Ｏｈ後の抜取り試料による造粒製品歩留りは
９０±３％であった。

このように本考案によると短時間に形状が調った粒度分
布幅のせまい造粒粒子をうろことができ製品歩留りが向
上するばかりでなく連続的に長時間にわたり造粒作業が
できるので製造原価を低減しうるなどその効果は極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例になる円筒状容器の部分断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は本考案に
係る造粒装置を主体とした造粒工程のフローシートであ
る。 符号の説明 １・・・・・・圧縮空気ノズル、２・・・
・・・粉体定量供給装置、２ａ・・・・・・粉体供給管
、３・・・・・・液体噴出管、４・・・・・・ピン、５
・・・・・・円筒状容器、６・・・・・・可変速車輪、
７・・・・・・受器、８・・・・・・排出口、９・・・
・・・粗粒子、１０・・・・・・微粒子、１１・・・・
・・篩、１１ ａ・・・・・・排出口、１２・・・・・
・製品、１３・・・・・・粉砕機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 傾斜して設置されかつ回転機構と連結する円筒状容器を
   備えた造粒装置において、前記円筒状容器の内周壁に多
   数のピンを突設するとともに、前記容器の傾斜上方側の
   端部に圧縮空気ノズルを内設した粉体供給管と該粉体供
   給管に近接する液体噴出管とを挿通し、前記容器の傾斜
   下方側端部に排出口を形成した造粒装置。