JP3606591B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、光ファイバーを伝送媒体として使用した信号や衛星放送波と地上波などを組み合わせて1つのまとまった情報を提供するようにした伝送システムに適用して好適な情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、地上波や衛星放送波を使用した情報伝送システムにあって、情報の秘匿を図る手段としては、その情報を伝達する地上波あるいは衛星放送波自体をスクランブル処理する方法が採られている。この場合、1系統から伝送された地上波そのものを単にデスクランブルするだけであるまとまった情報を復元できるようになっている。衛星放送波を利用する場合も同じである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、伝送された情報に対してデスクランブル処理しない限り、どのような情報が伝送されているのかその大間かな内容ですらユーザは知ることができない。
【0004】
デスクランブル前の状態のままではユーザに対する適切な刺激剤とはならず、情報の取捨選択もできない。このような場合には、情報の一部分を表示することによってそのままユーザがその情報を理解できるようにすれば、その一部分の内容のみでユーザが欲する情報かどうかを選択できるようになるので、ユーザにとっては非常に便利である。
【0005】
この一部分の情報に対してはスクランブルがかけられていないので、この一部分の情報を自己宣伝効果などにも利用できる。一部分の情報としては、1つの情報の一部分であってもよいし、2つの情報を合成して始めて意味のある情報となるものでもよいことになる。
【0006】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、情報を2以上に分けて伝送し、両情報を合成して始めて意味のある情報が再現されるようにした情報処理装置を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、この発明においては、任意の表示画面中で完成した映像内容を表示するための映像情報に関して、少なくとも特定の表示領域の映像を欠落させ、当該欠落部分以外の映像情報を第1の情報信号とし、前記欠落部分の映像情報を第2の情報信号としたとき、当該第1及び第2の情報信号の各々に識別信号が挿入され、少なくともどちらか一方にスクランブルがかけられている第1及び第2の情報信号を異なった配信系から得て当該情報を処理する装置であって、
一方の前記配信系から第1の情報信号を得て情報処理し、その第1の情報信号にスクランブルがかけられている場合はそのスクランブルを解除する第1の情報処理手段と、
他方の前記配信系から第2の情報信号を得て情報処理し、その第2の情報信号にスクランブルがかけられている場合はそのスクランブルを解除する第2の情報処理手段と、
前記第1の情報処理手段によって情報処理された前記第1の情報信号前記第2の情報処理手段によって情報処理された前記第2の情報信号とを合成する合成手段と、
前記第1の情報信号に挿入された識別信号と、前記第2の情報信号に挿入された識別信号とを比較し、前記識別信号が一致した場合に、前記欠落部分以外の映像情報に前記欠落部分の映像情報を合成するように前記合成手段を制御する合成制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
第1および第2の情報信号としては、アナログ画像信号、アナログオーディオ信号、ディジタル画像信号、ディジタルオーディオ信号、ディジタルデータ、コンピュータプログラムデータ、コンピュータデータの何れかが使用され、第1の情報信号は地上波若しくはパッケージメディアが使用される。
【0009】
第2の情報信号は光ファイバーより伝送された信号若しくは衛星放送波が使用される。
【0010】
図2は第1の情報信号としてアンテナ12より供給された地上波が使用され、第2の情報信号としては光ファイバーケーブル端子14から供給された信号(例えばINS64など)が使用される。第1と第2の情報信号は合成制御手段を構成する信号処理手段16において図4に示すような処理が行われる。
【0011】
図4のように第1および第2の情報信号にはそれぞれ信号の有効部分VA,VBと無効部分IA,IBが存在し、第1および第2の情報信号の有効部分同士を合成することによって1つのまとまった情報が表示される。このとき、第1の情報信号に挿入された識別信号と、第2の情報信号に挿入された識別信号とが比較され、識別信号が一致したとき、画像の合成処理が行われる。
【0012】
ここで、第2の情報信号が主画面を構成し、第1の情報信号は補助画面を構成するものとすれば、補助画面のみでは画面全体の情報を知ることができないので、補助画面を見てユーザがその情報を価値あるものと感じたとき、主画面情報を入手することによって完全な情報が提供されることになる。
【0013】
家庭内の端末装置として衛星放送波受信手段や光ファイバー端末が提供されるときこの伝送システムが特に有効となる。
【0014】
【実施例】
続いて、この発明に係る情報処理装置の一例を上述した伝送システムに適用した場合につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図2に示したこの発明に係る情報処理装置10の基本概念図から説明する。この発明では第1と第2の情報信号を合成することによって始めて意味のあるあるまとまった画像情報がCRTなどの表示装置上に表示される。また、本例では第2の情報信号に基づく画像情報PAを主画面情報とし、第の情報信号に基づく画像情報PBを補助画面信号とする。
【0016】
第1および第2の情報信号としては、アナログ画像信号、アナログオーディオ信号、ディジタル画像信号、ディジタルオーディオ信号、ディジタルデータ、コンピュータプログラムデータ、コンピュータデータの何れかが使用され、第1の情報信号は地上波若しくはパッケージメディアが使用される。
【0017】
以下の例では、第1の情報信号として地上波を利用したアナログ画像信号を、第2の情報信号としては地上波とは別の伝送路によって伝送された信号、例えば光ファイバーによって伝送されたディジタル画像信号を使用した場合を示す。
【0018】
図2において、12は地上波を受信するためのアンテナであり、端子14は光ファイバーケーブルによって伝送されたディジタル画像信号の受信端子であり、光ファイバー系の端末装置の終端部である。
【0019】
アンテナ12で受信された第1の情報信号SA(テレビジョン信号と同様な形態となされた信号)と、端子14に供給された第2の情報信号SBはそれぞれ合成制御手段として機能する信号処理手段16に供給されて両信号が合成される。
【0020】
この場合、第1の情報信号SAによる画像情報PAの表示領域は図3Aの斜線図示の領域(この領域は任意に設定できる)とし、第2の情報信号SBによる画像情報PBの表示領域は同図Bの斜線図示の領域(画像情報PAの残りの表示領域)としたときには、両画像情報を合成してCRTなどの表示装置18(図2)に供給することによって図3Cに示すような合成画像が得られる。
【0021】
第2の画像情報PBが主画面情報を構成することになるから、合成画像によって始めて意味のある、あるまとまった情報が表示される。ただし、第1の画像情報PAの補助画面情報だけで、その画面内容が全く理解できない訳ではなく、この補助画面情報のみでもある程度全体画面の予測が付くように、第1の画像情報PAの表示領域(大きさや表示位置など)が定められるものとする。
【0022】
第1および第2の情報信号SA,SBは図4に示すようにそれぞれが有効部分VA,VBと無効部分IA,IBとで構成されており、有効部分VA,VBはこれによって図3に示すような画像情報PA,PBが形成される。
【0023】
これに対して、無効部分IA,IBは画像情報としては寄与しない部分であり、したがってここにはスクランブルなどのときの暗号化のための情報を始めとして、信号レベルを白や黒などの一定値にするための制御情報、あるいは情報信号とは全く関係のない情報を挿入するための信号(コマーシャル情報やスクランブルを解除するためのインフォメーション情報など)の挿入領域などとして使用することができる。
【0024】
第1の情報信号SAと第2の情報信号SBは双方同時に供給されるものではなく、例えば第1の情報信号SAは無料とし、第2の情報信号SBのみ有料としてユーザに供給されれる。スクランブルをかけるときには第1と第2の情報信号SA,SBの何れか若しくは双方に対してスクランブルすることが考えられるが、実際にはスクランブルをかけない方が第2の情報信号を入手するための加入手続を速める結果となるものと思われる。
【0025】
図2にあって、20はキーボードであり、これより指令に基づいて合成画像の処理内容が制御される。第1および第2の情報信号SA,SBは予め図4A,Bのように、それぞれ有効部分VA,VBと無効部分IA,IBとが存在する状態で伝送されたものであってもよければ、キーボード20からの指令に基づいて図4Aあるいは図4Bのような信号形態に生成し直したものでもよい。
【0026】
例えば、専用の地上波を使用する場合やパッケージメディアを使用する場合には図4Aのように既に加工された第1の情報信号SAを使用するのが便利であり、その場合には同図Bのような第1の情報信号SAに対する専用の第2の情報信号SBが有償で提供されることになり、ユーザ側の端末もその分簡単になる。
【0027】
図1はこのような情報処理装置10の具体例を示す。第1および第2の情報信号SA,SBは既に図4のように加工されているものとする。
【0028】
アンテナ12で受信された第1の情報信号SAは復調回路22で復調されその復調出力(説明の便宜上第1の情報信号という)SAは信号合成処理が行われる加算器38に供給される。第1の情報信号SAより分離された同期信号に基づいてPLL回路24が駆動されて入力同期信号に同期した同期信号が生成され、これがタイミング信号の発生回路26に供給されて、タイミング信号として機能する各種のクロック信号(ライトクロック信号など)が生成される。
【0029】
タイミング信号発生回路26にはキーボード20が接続され、必要時タイミング信号の発生タイミングや後述するビデオメモリ34に対するライトおよびリードタイミングなどが制御される。
【0030】
光ファイバーケーブル端子14として本例ではディジタル入力端子14aとアナログ入力端子14bとが設けられる。それぞれには光ファイバーなどの伝送線路が終端された端末装置(図示しない)が接続されている。ディジタル信号である第2の情報信号SBはデコーダ30でデコード処理がなされ、またアナログ信号として供給された第2の情報信号SBはA/D変換器32によって一旦ディジタル信号に変換され、それぞれがビデオメモリ34に供給される。
【0031】
ビデオメモリ34には何れか一方の信号が発生回路26より出力されたライトクロック信号に基づいてライトされる。同じくこの発生回路26より出力されたリードクロック信号でデータのリードが行われ、これがD/A変換器36でアナログ信号に戻される。
【0032】
アナログ化された第2の情報信号SBは第1の情報信号SAと共に加算器38に供給されて合成情報信号SC(図4C)となされたのちビデオプロセッサ40に供給されてγ補正などの信号処理がなされ、その後ビデオドライバー42を経て表示装置18に供給される。
【0033】
第1および第2の情報信号SA,SBとして図4のように既に加工された信号を使用する場合には第1と第2の情報信号SAとSBの同期を取るだけで両者を正しく合成できる。そうでない場合には、第1の情報信号SAの無効部分IAと第2の情報信号SBの有効部分VBとが正しく一致するように制御される。
【0034】
第2の情報信号SBとしてディジタル信号を使用した場合では、現行の光ファイバー(INS64ネット)の伝送率は1B(=64Kバイト)と2B(=128Kバイト)の双方がある。NTSC信号レベルの画像として、水平方向に720ピクセルで420ラインを使用した毎秒30フレームの画像情報であった場合には、データ圧縮によってもそれなりの画質を確保できるレベルとしては、
352ピクセル×240ライン、30フレーム/秒 ・・・(1)
となる。
【0035】
これを 1Mbps位まで圧縮したとして、この圧縮率で上述した光ファイバーを通せる画枠は、1Bの光ファイバーを使用したときには、
64Kバイト/1Mbps=1/16 ・・・(2)
となるから、それぞれを1/4に圧縮して、
(352/4)×(240/4)=88ピクセル×60ライン ・・・(3)
となり、ほぼ1/8の画枠まで伝送することができる。
【0036】
2Bの光ファイバーを使用したときには、
64Kバイト/1Mbps=1/8 ・・・・(4)
となるから、それぞれを8の平方根に圧縮して、
124ピクセル×84ライン ・・・・・・・(5)
となり、ほぼ1/6の画枠まで伝送することができる。
そのため、使用する伝送路によって第2の情報信号SBの画枠が設定される。
【0037】
以上のことから、復調回路22などは第1の情報信号処理手段として機能し、デコーダ30、A/D変換器32、ビデオメモリ34、D/A変換器36などは第2の情報信号処理手段として機能する。また、タイミング信号発生回路26などは第1と第2の情報信号SA2,SBの合成状態を制御する合成制御手段として機能する。
【0038】
図5はこの発明の他の例である。この例では第1の情報信号SAとしてビデオカセットレコーダ(VCR)で再生されたアナログ画像信号を使用した場合である。
【0039】
VCR50を使用する場合には、再生信号中に挿入された識別信号(ID)が検出され、これと第2の情報信号SBに挿入されたIDとが比較され、一致したときのみ画像の合成処理が行われる。そのため、再生信号中より同期信号SYNCが分離され、これがデコーダ52に供給されて同期信号SYNCとこれに含まれていたIDがデコードされてマイコン54に供給される。
【0040】
一方、端子14aに供給されたディジタル化された第2の情報信号SBより抽出したIDがマイコン54に供給されて両IDが一致したときだけ画像合成処理が行われる。56はVCR50に対するサーボコントロール回路である。
【0041】
デコーダ30より出力された映像出力つまり第2の情報信号SBはビデオメモリ34に供給されてデータのライトが行われる。ライトクロック信号などはタイミング信号発生回路58によって生成される。
【0042】
ビデオメモリ34よりリードされたデータはD/A変換器36でアナログ信号に変換されたのち、第1の情報信号SAと合成されるのは図1の場合と同様であり、その後の処理も同じである。キーボード20はマイコン54に接続される。
【0043】
上述した実施例では第1の情報信号SAは地上波の信号を例示したが、パッケージメディアでもよく、第2の情報信号SBとしては光ファイバーで伝送された信号を例示したが、衛星放送波などを利用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る情報処理装置では第1と第2の情報信号を合成して始めて意味のある画像内容となるようにしたものである。
【0045】
これによれば、第2の情報信号が主画面を構成し、第1の情報信号は補助画面を構成するものとすれば、補助画面のみでは画面全体の情報を知ることができないので、補助画面を見てユーザがその情報を価値あるものと感じたとき、主画面情報を入手することによって完全な情報が提供されることになる。
【0046】
また、例えば第1の情報を無料で提供する代わりに、第1の情報とは別の伝送路を経て供給される第2の情報を有償で提供することができるので、家庭内の端末装置として衛星放送波受信手段や光ファイバー端末が設置されるようになったときにはこの伝送システムが特に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る情報処理装置の一例を示す系統図である。
【図2】その概念図である。
【図3】動作説明に供する画像構成例を示す図である。
【図4】動作波形図である。
【図5】この発明の他の例を示す系統図である。
【符号の説明】
10 情報処理装置
12 アンテナ
14 光ファイバー端子
16 信号処理手段
18 表示装置
20 キーボード
38 加算器
34 ビデオメモリ
50 VCR

Claims (1)

  1. 任意の表示画面中で完成した映像内容を表示するための映像情報に関して、少なくとも特定の表示領域の映像を欠落させ、当該欠落部分以外の映像情報を第1の情報信号とし、前記欠落部分の映像情報を第2の情報信号としたとき、当該第1及び第2の情報信号の各々に識別信号が挿入され、少なくともどちらか一方にスクランブルがかけられている第1及び第2の情報信号を異なった配信系から得て当該情報を処理する装置であって、
    一方の前記配信系から第1の情報信号を得て情報処理し、その第1の情報信号にスクランブルがかけられている場合はそのスクランブルを解除する第1の情報処理手段と、
    他方の前記配信系から第2の情報信号を得て情報処理し、その第2の情報信号にスクランブルがかけられている場合はそのスクランブルを解除する第2の情報処理手段と、
    前記第1の情報処理手段によって情報処理された前記第1の情報信号前記第2の情報処理手段によって情報処理された前記第2の情報信号とを合成する合成手段と、
    前記第1の情報信号に挿入された識別信号と、前記第2の情報信号に挿入された識別信号とを比較し、前記識別信号が一致した場合に、前記欠落部分以外の映像情報に前記欠落部分の映像情報を合成するように前記合成手段を制御する合成制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
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