JP3606269B2 - フィルムスキャナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムを保持するマウントに保持されたフィルムをスキャニングするために用いられるフィルムスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
印画紙などの感光材料に対して露光、現像、漂白定着、安定化などの処理を自動的に施すことが可能な写真処理装置が知られている。かかる写真処理装置によって感光材料を露光する際には、写真フィルムの透過光で感光材料を露光する直接(アナログ)露光が広く行われている。これに対し、近年、CCDなどの撮像素子を有するフィルムスキャナでフィルムを撮像することなどによって得られたディジタル画像信号に基づいて制御された光で感光材料を露光する、いわゆるディジタル露光が実用化されている。ディジタル露光方式を採用することにより、色補正や濃度補正、鮮鋭化処理などの各種画像処理を高い自由度で行うことができるとともに迅速な焼き増し処理が可能になり、さらに、色および濃度の再現性や解像度に優れたより高画質の良好なプリントを得ることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフィルムスキャナには、紙またはプラスティック製のマウント(通常マウント)に保持された1コマ分のフィルム(通常はポジフィルム)に記録された画像を正確且つ効率的に読み取るために、マウントをフィルムスキャニング位置に搬送するマウントキャリアユニットが取り付けられることがある。
【0004】
かかるマウントキャリアユニットの例が、特開平11−112714号公報に記載されている。この公報に記載のマウントキャリアユニットは、キャリア本体の両側にマウント収納ボックス(ストッカ)を有している。そして、このマウントキャリアユニットでは、一方のマウント収納ボックスに収納されたマウントがキャリア本体に給送され、キャリア本体内でローラ対に挟持されつつキャリア本体ごとスキャニング位置を経て他方のマウント収納ボックスまで搬送されてその内部に収納される。
【0005】
上述したようなマウントキャリアユニットが取り付けられたフィルムスキャナによって複数のオーダーに係るマウントをまとめてスキャニングしようとする場合、複数のオーダーに係るマウントが1つのスタックとなるようにこれらを1つにまとめてマウント収納ボックスに収納すればよい。しかしながら、上記公報の技術によると、オーダーの区切りを判別することができないために、複数のオーダーに係るマウントを1つにまとめてマウント収納ボックスに収納すると、オーダーごとにインデックスプリントを作成することや、オーダーごとにプリントのソートをすることができなくなってしまう。
【0006】
そのため、オーダーごとにインデックスプリントを作成する必要がある場合などは、それぞれに1オーダー分のマウントが収納された複数のマウント収納ボックスをマウントがなくなる度に交換して順番にスキャナに装着するか、或いは、マウント収納ボックス内の1オーダー分のマウントがなくなってから次の1オーダー分のマウントをボックス内に入れるかのいずれかとなる。このような交換作業やマウント追加収納作業は、1オーダーのマウント枚数が比較的多数の場合には、さほど煩雑ではない。しかしながら、1オーダーのマウント枚数が少数の場合には、マウント収納ボックスにはその収納可能枚数に比べて非常に少ないマウントが収納されるだけでありマウント収納ボックスを有効に使用することができず、そのため、上記のような作業を頻繁に行う必要が生じて非常に煩雑となり、その結果スキャニング完了までに多大な時間を要することになる。また、マウントのスキャニングを含めてプリントなどをオート処理する場合であっても、すぐに1オーダー分のスキャニングが終了してしまうためにオペレータはスキャナにつきっきりで上述のような作業をする必要があるという不利益がある。
【0007】
そこで、本発明の一つの目的は、複数オーダーに係るマウントを煩雑な作業を行わなくても迅速にスキャニングすることが可能なフィルムスキャナを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のフィルムスキャナは、マウントに保持されたフィルムに記録された画像をスキャニングするためのスキャニング手段と、前記スキャニング手段によるスキャニングに供するために、前記マウントまたは前記マウントと異なる特徴を有するダミーマウントを、これらが積層収納されたマウント収納ボックス内での両者の相対的な位置にしたがった順番で1枚ずつ順次搬送するための搬送手段と、前記マウントおよび前記ダミーマウントの特徴に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能な第1のセンサと、前記マウントおよび前記ダミーマウントのいずれかが所定位置にあることを検出することが可能な第2のセンサと、前記第1のセンサによって得られた検出結果に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、または、前記ダミーマウントが搬送されたのかを判断するための搬送判断手段と、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサによって得られた検出結果に基づいて、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断する故障判断手段とを備えている。
【0009】
また、請求項5のフィルムスキャナは、マウントに保持されたフィルムに記録された画像をスキャニングするためのスキャニング手段と、前記スキャニング手段によるスキャニングに供するために、前記マウントまたは前記マウントと異なる外観的特徴を有するダミーマウントを、これらを積層収納するマウント収納ボックス内での両者の相対的な位置にしたがった順番で1枚ずつ順次搬送するための搬送手段と、前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、または、前記ダミーマウントが搬送されたのかを判断するための搬送判断手段と、前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記スキャニング手段が正常動作していることを確認する動作確認手段とを備えている。
【0010】
請求項1によると、第1のセンサによってダミーマウントをマウントと区別することができる。請求項5によると、搬送判断手段によってダミーマウントをマウントと区別することができる。従って、これら請求項の発明によると、マウント収納ボックス内に複数オーダーに係るマウントを積層収納し、これらを連続的にスキャニングした場合であっても、オーダーの区切りにダミーマウントを挟み込むように配置しておくだけで、インデックスプリントを作成することやプリントをオーダーごとにソートすることが可能となる。また、マウント収納ボックス内にその収納可能枚数と同じかこれに近い枚数のマウントを収納することが可能になるので、マウント収納ボックスへのマウント収納作業の回数を減らすことができて、これらの作業に伴う煩雑さが軽減され、スキャニング完了までに要する時間を大幅に削減することができる。従って、オート処理を行う場合に、オペレータがスキャナにつきっきりで作業を行う必要がなくなる。
【0011】
しかも、請求項1のフィルムスキャナの場合、第1のセンサ1つだけでダミーマウントとマウントとを区別することができ、請求項のフィルムスキャナの場合、特別なセンサを用いることなくダミーマウントとマウントとを区別することができるので、いずれの場合も装置構成を簡略なものとすることができる。
【0012】
また、請求項1のフィルムスキャナの場合、第1のセンサは搬送されるのがマウントであるかダミーマウントであるかに応じて、搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力するので、第1のセンサの出力パターンが変わることを検出できれば、それによって第1のセンサが故障していないことを確認することができる。
【0013】
また、請求項1のフィルムスキャナによると、第1のセンサ及び第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断することができるので、故障したセンサがそのまま用いられてマウントおよびダミーマウントのいずれが搬送されたかについて間違った判断が下される可能性が低くなり、装置の信頼性が高められる。さらに、請求項5のフィルムスキャナの場合、スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいてマウントおよびダミーマウントのいずれが搬送されたのかが判断されるので、画像信号が変化することを検出できれば、それによってスキャニング手段などが故障していないことを確認することができる。このような確認が行われることによって、マウントおよびダミーマウントのいずれが搬送されたかについて間違った判断が下される可能性が低くなり、装置の信頼性が高められる。
【0014】
また、請求項のフィルムスキャナにおいて、前記第1のセンサは、前記マウントおよび前記ダミーマウントの形状に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能である。
【0015】
請求項によると、第1のセンサがマウントおよびダミーマウントの形状に基づいて異なるパターンの検出結果を出力するので、第1のセンサの構造を簡易なものとすることができる。
【0016】
請求項4フィルムスキャナは、前記故障判断手段が、前記搬送手段の駆動に伴う前記第1のセンサの出力パターンの変化を利用して、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断することを特徴とするものである。これによると、2つのセンサの故障検出精度をさらに高めることができる。
【0017】
また、請求項1のフィルムスキャナにおいて、前記第1のセンサは、前記マウントおよび前記ダミーマウントの特徴に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合といずれも搬送されない場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能であってよい(請求項3)。一方、請求項5のフィルムスキャナにおいて、前記搬送判断手段は、前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、前記ダミーマウントが搬送されたのか、または、いずれも搬送されなかったのかを判断するものであってよい(請求項6)
【0018】
この構成によると、第1のセンサまたは搬送判断手段によってダミーマウントとマウントとを区別することができるだけでなく、ダミーマウントもマウントも搬送されないことを高い精度で検出することができる。そのため、いずれも搬送されないと判断された場合にフィルムスキャナを自動的に停止させてもほとんど問題は生じないと共に、いずれかが搬送されているのに誤ってフィルムスキャナが自動的に停止するのを防止することができる。加えるに、このようなフィルムスキャナでは、後述する説明から明らかなように、第1のセンサおよび/または第2のセンサの故障を高い精度で見つけだすことが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフィルムスキャナの外観図である。図1に示すフィルムスキャナ1には、マウントキャリアユニット2が着脱可能に取り付けられている。マウントキャリアユニット2は、ほぼ直方体形状を有する本体部11と、本体部11の両端部近傍にそれぞれ取り付けられた2つのマウント収納ボックス12、13とで構成されている。2つのマウント収納ボックス12、13は、一方(右側)のマウント収納ボックス12がマウント排出側であり、他方(左側)のマウント収納ボックス13がマウント受け入れ側である。つまり、マウント収納ボックス12に収納されていたマウントは、ここから1枚ずつ順次排出され、スキャニング後に順次マウント収納ボックス13に収納されていく。
【0021】
マウントキャリアユニット2の上方には、ハロゲンランプを含む光源部3が配置されており、マウントキャリアユニット2の下方には、CCDラインセンサ68(図18参照)を含む撮像部(スキャニング手段)4が配置されている。また、フィルムスキャナ1には、種々の処理を行うパーソナルコンピュータ5およびこれに接続されたディスプレイ6やキーボード7などが配置されている。なお、フィルムスキャナ1には、印画紙のディジタル露光を行うプリントヘッド69(図18参照)や、現像などを行うプロセッサ、現像されたプリントのソートを行うソータ70(図18参照)などを有するプリンタプロセッサ(図示せず)が接続される。
【0022】
次に、マウントキャリアユニット2の詳細な構造について、マウント収納ボックスおよび本体部の順に説明する。まず、マウント収納ボックス12、13の構造について、図2〜図5を参照して説明する。図2はマウント排出側のマウント収納ボックス12の正面図であり、図3はマウント受け入れ側のマウント収納ボックス13の正面図である。図4は、マウント受け入れ側のマウント収納ボックス13の下端部近傍の部分拡大図である。図5は、マウントと共にマウント収納ボックス12、13に収納されるダミーマウントの平面図である。
【0023】
図2に示すように、ほぼ角筒状に形成されたマウント収納ボックス12内には、画像が記録されたポジフィルムが保持されたマウント8と、ポジフィルムを保持していないダミーマウント9とが積層するようにして収納されている。マウント8およびダミーマウント9は、共に外形がほぼ正方形であって、大きさおよび厚みもほぼ同じである。ただし、図5に示すように、ダミーマウント9の角部9c間にある外周各辺の中央部付近には切り欠き9aが設けられており、また、ダミーマウント9の中心部付近には、円形の開口9bが設けられている。このようにダミーマウント9に4つの切り欠き9aが設けられているのは、ダミーマウント9が上下左右どの向きでマウント収納ボックス12内に収納されても、後述するレバー53(図9参照)で切り欠き9aを検知することを可能とするためである。
【0024】
マウント収納ボックス12内において、マウント8は、1オーダーごとにまとめて積層されており、1オーダー分のマウント8の区切り位置に、それぞれ1枚のダミーマウント9が配置されている。積層されたマウント8およびダミーマウント9の上部には、フリーに上下移動可能なウェイト(重石)14が配置されており、マウント8およびダミーマウント9を下方へ押圧している。マウント収納ボックス12の下端部は塞がれているが、マウント収納ボックス13側にある側壁の下端部に隣接した部分にはマウント排出口12aが設けられている。マウント排出口12aは、ほぼマウント1枚分の高さを有している。また、マウント排出口12aが設けられた側壁と対向する側壁の下端部に隣接した部分には、本体部11に設けられたマウント押出爪(搬送手段)23(図6参照)がマウント収納ボックス12内部に出入りするのを可能とする孔12bが設けられている。これにより、マウント収納ボックス12内に収納されたマウント8およびダミーマウント9は、最下部にあるものから順にマウント押出爪23に押し出されて排出されるようになっている。
【0025】
一方、図3に示すように、ほぼ角筒状に形成されたマウント収納ボックス13内には、マウント8およびダミーマウント9を、これらが互いに積層されるように収納可能である。マウント収納ボックス13は、その上部がマウント収納ボックス12から離れる方向にやや傾斜している。そして、マウント収納ボックス13の対向する一対の側壁13a、13bのうち、マウント収納ボックス12側にある側壁13aの下端部は、側壁13bの下端部よりもマウント数枚分だけ高い位置に設けられている。これにより、マウント収納ボックス13の側壁13aの下方には、マウント8およびダミーマウント9を受け入れる受入口13cが形成されている。
【0026】
また、図4に示すように、マウント収納ボックス13の対向する一対の側壁13a、13bの下端部は中央付近がそれぞれ凹状にくり抜かれており、そこには、マウント保持片(ストッパ)16、17が一端側において各側壁13a、13b下端部にある支持軸16a、17aを中心として揺動可能にそれぞれ支持されている。さらに、凹状にくり抜かれた部分の外側寄りには、マウント保持片16、17が各側壁13a、13bの外側に突出しないようにマウント保持片16、17の揺動角度を規制するバネ板18、19が装着されている。一方、マウント保持片16、17と側壁13a、13bとの干渉のために、マウント保持片16、17は、その1つの面16b、17bの水平面に対する角度が所定角度(側壁13aの傾斜角度にほぼ等しい)を超えてバネ板18、19から離れる方向に揺動しないようになっている。つまり、マウント保持片16、17は、外部からの力が加えられていないときには自重によって上記所定角度に対応した内側位置(保持位置)にあり(上方からの力が面16b、17bに加えられているときも同様)、面16b、17bと対向する面16c、17cに下方からの力が加えられたときにはバネ板18、19と接触する外側位置(通過位置)にある。マウント保持片16、17が外側位置にあるとき、マウント保持片16、17の厚みは側壁13a、13bの厚みにほぼ吸収される。従って、この状態では、側壁13a、13bの内側面からマウント保持片16、17はほとんど突出していない。
【0027】
次に、本体部11の構造について、図6〜図15を参照して説明する。図6は、マウントキャリアユニット2の本体部11の平面図である。図7は、マウントキャリアユニット2の正面図である。図8は、図6のVIII-VIII 線での断面図である。図9は、図8に描かれた部分の斜視図である。図10は、図6のX-X 線での断面図である。図11は、マウントキャリアユニット2の本体部11に含まれる排出ローラの昇降機構を説明するための側面図である。図12は、図11とは直交する方向から見た、排出ローラの昇降機構を説明するための側面図である。図13は、排出ローラの昇降機構および回転機構を説明するための斜視図である。図14は、マウントキャリアユニット2の本体部11に含まれるマウント台の昇降機構を説明するための側面図である。図15は、その斜視図である。
【0028】
図6に示すように、本体部11には、縁部以外の部分に開口24aが形成された移動台24を保持した移動プレート25が配置されている。移動台24には、マウント収納ボックス12から排出されたマウント8またはダミーマウント9(図2および図3参照)が載置される。移動台24に載置されたマウント8は、移動プレート25に支持された一対のアーム29a、29bの先端に取り付けられた2つのマウント押さえコロ26a、26bによって上方から押さえつけられ、移動台24上で容易に移動しないようになっている。なお、図6において、アーム29bの根元部分の図示を省略している。
【0029】
移動プレート25は、パルスモータ27によってボールネジ28が回転駆動されることによって、レール20a、20bに沿って水平方向に移動可能である。移動台24は、撮像部4によるスキャニングの主走査方向に垂直な方向(副走査方向)に移動するように組立治具を用いて組立調整が行われている。
【0030】
図6および図7に示すように、移動プレート25が最も右側位置にあるときに移動台24と隣接しており且つ移動台24よりも若干高い位置には、マウント収納ボックス12が載置される平板状の挿入ストッカ載置板21が設けられている。また、挿入ストッカ載置板21の側部には、駆動源としてのモータ22aと、モータ22aと連結された一対のプーリ22b、22cと、プーリ22b、22cに掛け渡されたベルト22dと、ベルト22dに支持された爪保持部材22eとから構成された押出爪駆動機構22が配置されている。押出爪駆動機構22は、挿入ストッカ載置板21上に配置されたマウント押出爪23を爪保持部材22eによって保持している。これにより、マウント押出爪23は、挿入ストッカ載置板21上において、移動プレート25の移動方向に沿って往復移動可能となっている。
【0031】
図6、図8および図9に示すように、挿入ストッカ載置板21に隣接した位置には、発光部54aと受光部54bとが対向して配置されたセンサであるフォトカプラ(第1のセンサ)54と、軸52を中心として回動可能であるレバー53とが配置されている。レバー53の一端側の頂部53aは、挿入ストッカ載置板21に設けられた孔21aと対応した位置にある。また、孔21aは、マウント収納ボックス12に収納されたダミーマウント9の切り欠き9aと対応した位置に設けられている。レバー53は、軸52に支持された図示しないコイルバネによって、頂部53aが上方へと移動する向きに付勢されている。また、レバー53の他端側の部分53bは、レバー53の頂部53aが孔21aから突出しているときにフォトカプラ54の発光部54aと受光部54bとの間を通過するように折り曲げられて、軸52と同じ方向に伸延している。
【0032】
従って、挿入ストッカ載置板21上にダミーマウント9が載置されているか或いはマウント8およびダミーマウント9のいずれも載置されていない場合(つまり、マウント収納ボックス12の最下位置にダミーマウント9が収納されているか或いはマウント8およびダミーマウント9のいずれも収納されていない場合)、レバー53の頂部53aとダミーマウント9の切り欠き9aとが対向することになるので、孔21aからはレバー53の頂部53aが突出し、発光部54aから受光部54bに向かう光はレバー53の部分53bによって遮られる(この状態をフォトカプラ54の「検出オフ状態」と称する)。一方、挿入ストッカ載置板21上にマウント8が載置されている場合(つまり、マウント収納ボックス12内の最下位置にマウント8がある場合)、レバー53の頂部53aがマウント8によって押下されて孔21aからはレバー53の頂部53aが突出せず、発光部54aから受光部54bに向かう光はレバー53の部分53bによって遮られなくなる(この状態をフォトカプラ54の「検出オン状態」と称する)。
【0033】
ところが、押出爪駆動機構22が駆動されて押出爪23によってマウント収納ボックス12の最下位置にあるマウント8またはダミーマウント9が移動台24に向けて移動し始めてしばらくすると、挿入ストッカ載置板21上に何が載置されているかによって受光部54bから出力される信号に変化が生じることがある。すなわち、挿入ストッカ載置板21上にダミーマウント9が載置されている場合には、押出爪23に駆動されたダミーマウント9の矢印方向への移動により、図16に実線で示すように、レバー53の頂部53aとダミーマウント9の切り欠き9aとが対向する状態から、図16に破線で示すように、レバー53の頂部53aとダミーマウント9の角部9cとが対向する状態になる。すると、レバー53の頂部53aが押下されて孔21aからはレバー53の頂部53aが突出せず、発光部54aから受光部54bに向かう光はレバー53の部分53bによって遮られなくなる。そして、それに伴ってフォトカプラ54が検出オフ状態から検出オン状態へと変化(つまり、受光部54bの出力信号がオフからオンへと変化)する。
【0034】
一方、挿入ストッカ載置板21上にマウント8が載置されている場合には、押出爪23に駆動されたマウント8が矢印方向へ移動したとしても、図17に実線および破線で示すように、レバー53の頂部53aはマウント8と対向したままであり、従って、フォトカプラ54は検出オン状態のままで変化しない。同様に、挿入ストッカ載置板21上にマウント8およびダミーマウント9のいずれも載置されていない場合にも、押出爪23が駆動されてもフォトカプラ54は検出オフ状態のままで変化しない。
【0035】
受光部54bの出力信号は、パーソナルコンピュータ5内にあるコントローラ61(図18参照)に供給され、このコントローラ61において、押出爪23の駆動に伴ってマウント8が搬送されたのか、ダミーマウント9が搬送されたのか、または、いずれも搬送されなかったのかが判断される。
【0036】
このように、本実施の形態のフィルムスキャナ1は、受光部54bの出力信号の変化だけに基づいて、挿入ストッカ載置板21上にマウント8がある場合と、ダミーマウント9がある場合と、マウント8およびダミーマウント9のいずれもない場合とを区別する信号を出力することが可能である。つまり、押出爪23の駆動に伴ってフォトカプラ54が検出オン状態のままであれば、挿入ストッカ載置板21上にマウント8があったことになり、押出爪23の駆動に伴ってフォトカプラ54が検出オフ状態から検出オン状態に変化すれば、挿入ストッカ載置板21上にダミーマウント9があったことになり、押出爪23の駆動に伴ってフォトカプラ54が検出オフ状態のままであれば、挿入ストッカ載置板21上にマウント8およびダミーマウント9のいずれもなかったことになる。
【0037】
さらに、図10に示すように、移動台24に隣接した位置には、発光部59aと受光部59bとが対向して配置されたセンサであるフォトカプラ(第2のセンサ)59と、軸57を中心として回動可能であるレバー58とが配置されている。レバー58の一端側の頂部58aは、移動台24に設けられた孔(図示せず)と対応した位置にある。この孔は、移動台24上に載置されたマウント8およびダミーマウント9の角部9c近傍と対応した位置に設けられている。レバー58は、軸57に支持された図示しないコイルバネによって、頂部58aが上方へと移動する向きに付勢されている。また、レバー58の他端側の部分58bは、レバー58の頂部58aが孔から突出していないときにフォトカプラ59の発光部59aと受光部59bとの間を通過するように折り曲げられて、軸57と同じ方向に伸延している。
【0038】
従って、移動台24上にマウント8またはダミーマウント9のいずれかが載置されている場合、レバー58の頂部58aとマウント8またはダミーマウント9の角部9cとが対向することになるので、レバー58の頂部58aがマウント8またはダミーマウント9によって押下されて孔24aからはレバー58の頂部58aが突出せず、発光部59aから受光部59bに向かう光はレバー58の部分58bによって遮られる。一方、移動台24上にマウント8およびダミーマウント9のいずれも載置されていない場合、孔24aからはレバー58の頂部58aが突出し、発光部59aから受光部59bに向かう光はレバー58の部分58bによって遮られなくなる。このように、本実施の形態のフィルムスキャナ1では、受光部59bの出力信号に基づいて、移動台24上にマウント8またはダミーマウント9が載置されている場合と、これらのいずれも載置されていない場合とを区別することが可能になっている。そして、受光部59bの出力信号は、パーソナルコンピュータ5内にあるコントローラ61に供給される。
【0039】
そのため、後で詳述するように、本実施の形態では、押出爪23の駆動に伴うフォトカプラ54の受光部54bからの出力信号の変化パターンとフォトカプラ59の受光部59bからの出力信号とを組み合わせてコントローラ61で判断することにより、移動台24上にマウント8が載置されている場合と、ダミーマウント9が載置されている場合と、これらのいずれも載置されていない場合とをより正確に区別することができるようになっている。
【0040】
このように、本実施の形態のフィルムスキャナ1によると、受光部54b、59bの出力信号によってダミーマウント9をマウント8と区別することができるので、マウント収納ボックス12内に複数オーダーに係るマウント8を積層収納し、これらを連続的にスキャニングした場合であっても、オーダーの区切りにダミーマウント9を挟み込むように配置しておくだけで、フィルムスキャナ1に接続されたプリンタプロセッサでインデックスプリントを作成することやプリントをオーダーごとにソートすることが可能となる。また、マウント収納ボックス12内にその収納可能枚数と同じか或いはこれに近い枚数のマウント8を収納することが可能になるので、マウント収納ボックス12へのマウント収納作業の回数を減らすことができて、これらの作業に伴う煩雑さが軽減され、スキャニング完了までに要する時間を大幅に削減することができる。従って、オート処理を行う場合には、オペレータがフィルムスキャナ1につきっきりで作業を行う必要がなくなる。また、マウント収納ボックス12内にマウント8がなくなった場合には、これを検出して自動的にフィルムスキャナ1を停止させることも可能である。
【0041】
また、図6に示すように、本体部11の下面であって移動台24の移動経路上にある部分には、光源部3から出射されてフィルムを透過した光を撮像部4に供給するためのスリット30が設けられている。スリット30は、撮像部4に配置されたCCDラインセンサ68(図18参照)の位置に合わせてその素子配列方向(主走査方向)に配向されている。
【0042】
図6、図11〜図13に示すように、スリット30を挟んで挿入ストッカ載置板21とは反対側であって、移動プレート25が最も左側位置にあるときに移動台24と隣接する位置には、マウント収納ボックス13が載置される平板状のマウント台31が配置されている。マウント台31の右端とスリット30との間には、滑りどめのためにセラミックコーティング加工が表面に施された一対の排出ローラ33a、33bが配置されている。排出ローラ33a、33bは、移動プレート25の移動方向に対して垂直に伸延しており且つ上下移動可能なシャフト32に固定されている。
【0043】
シャフト32の両端は、ほぼコ字形のアーム40とその開放端付近においてそれぞれ連結されている。このアーム40は、開放端よりも左側において、シャフト32と平行なシャフト42に回動可能に支持されている。さらに、アーム40の左端面には孔40aが設けられており、この孔40aには、リンク部材44の一端部が挿入されている。リンク部材44は、シャフト42の左方でこれと平行に伸延するシャフト37に回動可能に支持されていると共に、他端部がリンク部材43の一端部上に載せられている。リンク部材43は、シャフト37、42と垂直に伸延するシャフト46に回動可能に支持されていると共に、他端部がソレノイド45の下方に位置している。リンク部材43の他端部は、ソレノイド45のスイッチがオンになったときにその下端から下方に向けて突出するピン45aによって押下される。
【0044】
そのため、ソレノイド45のスイッチをオンにすると、リンク部材43がシャフト46の回りを回動してリンク部材44の他端部を持ち上げ、これによってリンク部材44がシャフト37の回りを回動してアーム40の左端部を押し下げ、これによってアーム40がシャフト42の回りを回動してシャフト32および排出ローラ33a、33bを持ち上げる。つまり、マウントキャリアユニット2では、シャフト32および排出ローラ33a、33bがアーム40とリンク部材43、44とを介してソレノイド45と連結されているために、ソレノイド45を制御することで、リンク部材43、44およびアーム40を介してシャフト32および排出ローラ33a、33bを昇降させることが可能になっている。
【0045】
また、図6および図13に示すように、シャフト42は、その一端側においてギア42aおよびプーリ49を支持している。ギア42aは、シャフト32によって支持されたギア32aと噛合している。プーリ49には丸ベルト51が掛け渡されている。さらに、この丸ベルト51は、ボールネジ28に支持されたプーリ47、および、2つのプーリ47、49の高低差を補償するためのプーリ48、50にも掛け渡されている。このため、移動プレート25を移動させるためにボールネジ28を回動させると、その回動がプーリ47、48、49、50からシャフト42およびシャフト32に伝達されて、排出ローラ33a、33bが回動する。
【0046】
排出ローラ33a、33bは、スキャニングが終了して移動プレート25が左側位置に近づいてきたときに、上述したようにソレノイド45が制御されることによって上方へ移動する。そして、排出ローラ33a、33bは、マウント押さえコロ26a、26bによって上方から押さえつけられたマウント8またはダミーマウント9の下面と接触し、移動台24上にあったマウント8またはダミーマウント9を自らの回動による送出力によって左方に送出する。これによって、マウント台31上には、スキャニングが終了したマウント8またはダミーマウント9が載置される。
【0047】
このように、マウントキャリアユニット2では、排出ローラ33a、33bを昇降可能とすることで、スキャニング終了までは排出ローラ33a、33bがマウント8またはダミーマウント9と接触しないようにしつつ、スリット30であるスキャニング位置と排出ローラ33a、33bとの距離を短くすることが可能となっている。そのため、マウントキャリアユニット2は、特にマウント8の給送方向(左右方向)の寸法が短く小型であって、しかも、スキャニング中に排出ローラ33a、33bがマウント8に接触することによる悪影響が生じることがなく高品質の画像データを得ることができるものである。
【0048】
また、マウントキャリアユニット2では、排出ローラ33a、33bがマウント8またはダミーマウント9をマウント台31に給送するための駆動源が、マウント8またはダミーマウント9をスキャニング位置へと搬送するための駆動源と同じ1つのパルスモータ27である。従って、排出ローラ33a、33bを回動させるための機構が大幅に簡略化されている。
【0049】
なお、マウントキャリアユニット2では、図7に示すように、マウント台31は、マウント保持片16、17の下方に、内側位置にあるマウント保持片16、17で保持されていてマウント収納ボックス13内で最も下側にあるマウント8またはダミーマウント9から、マウント保持片16側でマウント8の2.5枚分程度、マウント保持片17側でマウント8の1.5枚分程度離隔して配置されている。そのため、排出ローラ33a、33bは、表面が滑りやすい場合であっても、比較的小さな給送力でもってマウント8またはダミーマウント9をマウント台31上に送出することができるようになっている。
【0050】
また、図6、図14および図15に示すように、マウント台31は、シャフト37と平行であってこれよりも左方にあるシャフト34に対して、通常時にマウント台31の上面が水平面となるように回動可能に支持されている。また、マウント台31の両側部には、押上レバー35a、35bが配置されている。押上レバー35a、35bは、シャフト37に対して、通常時に押上レバー35a、35bが水平方向に伸延するように回動可能に支持されている。シャフト37は、マウント台31の側方に配置されたモータ38と、偏心ピン36、リンク部材39およびアーム41を介して接続されている。また、シャフト34の一端部に配置されたギア34aは、シャフト37の一端部に配置されたギア37aと噛合している。
【0051】
そのため、モータ38を回転させると偏心ピン36、リンク部材およびアーム41を介してシャフト34が回転し、同時にギア34a、37aを介してシャフト37が回転する。そして、これに伴って、シャフト34、37に支持されたマウント台31および押上レバー35a、35bが水平状態から傾斜状態となる。この傾斜に伴って、マウント台31および押上レバー35a、35bに下方から支持されたマウント8またはダミーマウント9は、上方にあるマウント収納ボックス13の内部へと移動する。
【0052】
このとき、上述したように、マウント保持片16、17は、マウント8またはダミーマウント9によって下方から押し上げられてバネ板18、19と接触する外側位置(通過位置)となる。従って、マウント台31および押上レバー35a、35bによって下方から持ち上げられたマウント8またはダミーマウント9はマウント保持片16、17を通過してその上方へと移動する。すると、マウント保持片16、17はバネ板18、19からの弾性力によって内側位置へと戻る。それから、モータ38が逆回転してマウント台31および押上レバー35a、35bが水平位置に戻る。すると、マウント収納ボックス13内に収納されたマウント8およびダミーマウント9は内側位置に戻ったマウント保持片16、17によって下端を支持されて、マウント収納ボックス13内部に保持されることになる。
【0053】
このように、マウント保持片16、17によってマウント収納ボックス13に保持されたマウントの下端と本体部11との間に少なくともマウント1枚分の隙間を設けることで排出ローラ33a、33bの給送力を小さくすることができるために、排出ローラ33a、33bを回転駆動するための機構として、上述したように移動プレート25との共用のパルスモータ27やプーリ47〜50などの部材からなる簡略なものを用いることができるようになっている。つまり、マウントキャリアユニット2は、排出ローラ33a、33bを回転駆動させるための機構が簡略化されている分だけ、小型なものとなっている。
【0054】
次に、本実施の形態に係るフィルムスキャナ1の制御系について、さらに図18を参照して説明する。図18は、フィルムスキャナ1およびこれと接続されたプリンタプロセッサの主要部についてのブロック図である。図18において、パーソナルコンピュータ5に含まれるコントローラ61(搬送判断手段、故障判断手段)は、適切なソフトウェアにより制御されるCPUやROM、RAMなどのハードウェアを備えている。コントローラ61は、フォトカプラ54、59の受光部54b、59b、モータ22a、パルスモータ27、モータ38およびソレノイド45のドライバ63、64、65、66、CCDラインセンサ68のタイミングジェネレータ62、プリンタプロセッサのプリントヘッド69およびソータ70とそれぞれ接続されている。
【0055】
コントローラ61には、フォトカプラ54、59の受光部54b、59bから出力される信号がそれぞれ与えられる。本実施の形態において、フォトカプラ54、59の受光部54b、59bは連続的に信号を出力する。コントローラ61は、ドライバ63、64、65、66にモータ22a、パルスモータ27、モータ38およびソレノイド45の駆動信号をそれぞれ供給する。また、コントローラ61は、これらの駆動信号に同期してタイミングジェネレータ62に命令を与えて、CCDラインセンサ68に供給される各種タイミング信号を生成させる。光源部3から出射されてマウントに保持されたフィルムを透過した光はCCDラインセンサ68に入射する。CCDラインセンサ68から出力される信号は、所定の処理が施された後に画像信号としてコントローラ61に与えられる。この画像信号はコントローラ61で適切に処理された後に、所定のタイミングでプリントヘッド69に与えられる。さらに、コントローラ61は、現像済みの印画紙をオーダーごとに仕分けるための命令をソータ70に供給する。
【0056】
次に、本実施の形態に係るフィルムスキャナ1の概略的な動作について説明する。フィルムスキャナ1の動作が開始されると、まず、受光部54bからの出力信号がコントローラ61に与えられて、挿入ストッカ載置板21上にマウント8またはダミーマウント9があるかどうかが判断される。このとき、上述したように、コントローラ61は、押出爪23の駆動に伴うフォトカプラ54の出力信号パターンの変化に基づいて、上記の判断を行う。次に、コントローラ61からモータ22aの駆動信号がドライバ63に与えられ、マウント押出爪23によってマウント収納ボックス12内の最下にあるマウント8またはダミーマウント9が移動台24上に押し出される。
【0057】
そして、受光部59bからの出力信号がコントローラ61に与えられると、コントローラ61は、受光部54bからの出力信号および受光部59bからの出力信号に基づいて、押出爪23によって移動台24上に搬送されたのがマウント8であるのか、ダミーマウント9であるのか、或いは、移動台24上にはいずれも存在しないのかを判断する。その結果、移動台24上にマウント8またはダミーマウント9のいずれもないと判断された場合には、マウントキャリアユニット2の動作を停止させる。また、移動台24上にマウント8またはダミーマウント9のいずれかがある場合には、パルスモータ27のドライバ64に駆動信号が与えられて移動台24が左方に移動し始める。移動台24がスリット30上に達すると、移動台24の移動速度はスキャニングに適した速度(通常、スリット30前後での速度よりも遅い)に変更され、コントローラ61からはタイミングジェネレータ62に所定の命令が与えられる。これにより、CCDラインセンサ68によってマウント8に保持されたフィルムに記録された画像をスキャニングにより撮像することができる。
【0058】
なお、受光部54b、59bからの出力信号により移動台24上に載置されているのがダミーマウント9であることが検出された場合には、スキャニングを行う必要がないので、移動速度を変えることなく移動台24を移動させることが好ましい。これにより、マウントキャリアユニット2の処理能力を上げることができる。
【0059】
マウント8またはダミーマウント9がスキャニング位置を通り越して移動台24が左端近傍に達すると、モータ38のドライバ65にコントローラ61から駆動信号が供給される。これにより、排出ローラ33a、33bが上方に移動してマウント8またはダミーマウント9の下面と接触する。排出ローラ33a、33bは、プーリ47〜50およびボールネジ28を介してパルスモータ27によって回転させられているので、マウント8またはダミーマウント9は排出ローラ33a、33bによってマウント台31上へと給送される。
【0060】
それから、排出ローラ33a、33bが所定角度回転した後に、ソレノイド45のドライバ66にコントローラ61から駆動信号が供給される。これにより、マウント8またはダミーマウント9が持ち上げられてマウント保持片16、17を越してマウント収納ボックス13内に収納される。なお、モータ38およびソレノイド45の動作タイミングは、パルスモータ27に与えられるパルス数によって決定される。
【0061】
受光部54b、59bからの出力信号によって移動台24上に載置されているのがマウント8であると判断された場合には、CCDラインセンサ68から出力されてコントローラ61で処理された画像信号がプリントヘッド69に与えられ、マウント8のフィルムに記録された画像に基づいて印画紙が露光される。一方、受光部54b、59bからの出力信号によって移動台24上に載置されているのがダミーマウント9であると検出された場合には、ダミーマウント9が検出される前の1オーダー分のマウント8に係るインデックスプリントを作成するための画像信号がコントローラ61からプリントヘッド69に与えられる。そして、ソータ70には、このインデックスプリントに含まれる1オーダー分のプリントが他のプリントとは別の仕分け板上に配置されるようにする信号がコントローラ61から供給される。
【0062】
次に、本実施の形態のフィルムスキャナ1における2つのフォトカプラ54、59を用いたマウント検出の詳細について、[表1]を参照しつつ説明する。なお、[表1]では、フォトカプラ54をS1、フォトカプラ59をS2 と表記していると共に、押出爪23が駆動されて初期位置から移動する直前のフォトカプラ54の出力信号をS1 ’、押出爪23が駆動されて初期位置からある程度移動した時点での出力信号をS1 ”と表記している。また、[表1]において、”○”は検出オン状態であることを示し、”×”は検出オフ状態であることを示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003606269
【0064】
まず、押出爪23によって移動台24方向に押し出されるのがマウント8(通常マウント)である場合について考察する。この場合、S1 およびS2 共に故障しておらず正常に動作している(或いは、S1 およびS2 共に常にオンを出力するように故障している)とすると、a欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2 の出力信号は、この順に、”○”、”○”、”○”となる。このとき、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行った場合、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合、並びに、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合のいずれの場合であっても、コントローラ61は押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8であると判断する。
【0065】
一方、S1 および/またはS2 が故障している場合(正確には、S1 およびS2 共に故障しておらず正常に動作している場合とS1 およびS2 共に常にオンを出力するように故障している場合とを除いた場合)には、b〜d欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2 の出力信号は、この順に、”○”、”○”、”×”となったり、”×”、”×”、”○”となったり、”×”、”×”、”×”となったりする。このように、S1 および/またはS2 が故障している場合、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行うと、b欄およびc欄に示すような場合をエラーとして検知することができる(ただし、d欄のような場合は検知不可能であり、いずれのマウントもなしと検知されてしまう)。
【0066】
ところが、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、b欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8であると判断されたり、c欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたものがなかったと判断されてしまう。また、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、c欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがダミーマウント9であると判断されてしまう。従って、本実施の形態のフィルムスキャナ1を用いると、フォトカプラ54、59の故障をエラーとして高い確率で検出することが可能である。
【0067】
次に、押出爪23によって移動台24方向に押し出されるのがダミーマウント9である場合について考察する。この場合、S1 およびS2 共に故障しておらず正常に動作している(或いは、S1 が正常で且つS2 が常にオンを出力するように故障している)とすると、i欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2の出力信号は、この順に、”×”、”○”、”○”となる。このとき、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行った場合、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合、並びに、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合のいずれの場合であっても、コントローラ61は押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがダミーマウント9であると判断する。また、この場合、フォトカプラ54の出力信号が途中でオフからオンに入れ替わったことから、フォトカプラ54が正常に動作していることが確認される。
【0068】
一方、S1 および/またはS2 が故障している場合(正確には、S1 およびS2 共に故障しておらず正常に動作している場合とS1 が正常で且つS2 が常にオンを出力するように故障している場合とを除いた場合)には、e〜h欄およびj欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2 の出力信号は、この順に、”○”、”○”、”○”となったり、”○”、”○”、”×”となったり、”×”、”×”、”○”となったり、”×”、”×”、”×”となったり、”×”、”○”、”×”となったりする。このように、S1 および/またはS2 が故障している場合、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行うと、f〜g欄に示すような場合をエラーとして検知することができると共に、j欄に示すような場合を正しくダミーとして検知することができる(ただし、e欄およびh欄のような場合は検知不可能であり、押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8である或いはいずれのマウントもなしと検知されてしまう)。また、j欄の場合には、フォトカプラ54の出力信号が途中でオフからオンに入れ替わったことから、フォトカプラ54が正常に動作していることが確認されると共に、フォトカプラ59が故障していることが確認される。
【0069】
ところが、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、f欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8であると判断されたり、g欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたものがなかったと判断されてしまう。また、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、エラーとして判断されるべきg欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがダミーマウント9であると判断されたり、S1 だけでダミーマウント9を検出することができるj欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたものがなかったと判断されてしまう。従って、本実施の形態のフィルムスキャナ1を用いると、フォトカプラ54、59の故障をエラーとして高い確率で検出することが可能であると共に、ダミーマウント9をより正確に検出することができる。
【0070】
次に、押出爪23によって移動台24方向にマウント8およびダミーマウント9のいずれも押し出されない場合について考察する。この場合、S1 およびS2共に故障しておらず正常に動作している(或いは、S1 およびS2 共に常にオフを出力するように故障している)とすると、n欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2 の出力信号は、この順に、”×”、”×”、”×”となる。このとき、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行った場合、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合、並びに、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合のいずれの場合であっても、コントローラ61は押出爪23によって何も移動台24方向に押し出されなかったと判断する。
【0071】
一方、S1 および/またはS2 が故障している場合(正確には、S1 およびS2 共に故障しておらず正常に動作している場合とS1 およびS2 共に常にオフを出力するように故障している場合とを除いた場合)には、k〜m欄に示すように、S1 ’、S1 ”、および、S2 の出力信号は、この順に、”○”、”○”、”○”となったり、”○”、”○”、”×”となったり、”×”、”×”、”○”となったりする。このように、S1 および/またはS2 が故障している場合、本実施の形態のようにS1 ’、S1 ”およびS2 の3つの出力信号に基づいてコントローラ61が判断を行うと、l欄およびm欄に示すような場合をエラーとして検知することができる(ただし、k欄のような場合は検知不可能であり、通常のマウント8が押出爪23によって移動台24方向に押し出されたと検知されてしまう)。
【0072】
ところが、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、l欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8であると判断されたり、m欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたものがなかったと判断されてしまう。また、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行うと、m欄に示すような場合に押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがダミーマウント9であると判断されてしまう。従って、本実施の形態のフィルムスキャナ1を用いると、フォトカプラ54、59の故障をエラーとして高い確率で検出することが可能である。
【0073】
なお、[表1]のe欄、k欄の誤判断については、初期動作、オートフォーカス動作で検出可能であり、d欄、h欄の誤判断については、フィルムスキャナ1が動作しなくなるのでオペレータが目視により復旧可能であるため大きな問題とはならない。
【0074】
上述のように、本実施の形態のフィルムスキャナ1によると、2つのフォトカプラ54、59を用いると共に、フォトカプラ54の出力信号の変化パターンをも考慮してマウント検出を行っているので、押出爪23によって移動台24方向に押し出されたのがマウント8であるのか、或いは、ダミーマウント9であるのかを高い精度で区別することが可能となる。そのため、スキャニングされるべきマウント8がスキャニングされなかったり、逆に、スキャニングされるべきでないダミーマウント9がスキャニングされたり、或いは、オーダー変更処理がされるべきでない所でオーダー変更処理がされてしまったり、逆に、オーダー変更処理がされるべき所でオーダー変更処理がされなかったりという問題が生じることがほとんどなくなる。また、上述の[表1]からも明らかなように、フォトカプラ54、59の故障を高い精度で見つけだすことが可能である。
【0075】
また、本実施の形態によると、押出爪23によって移動台24方向にマウント8およびダミーマウント9のいずれも押し出されなかった場合と、いずれかが押し出された場合とを高い精度で区別することが可能である。従って、マウント収納ボックス12内のマウント8およびダミーマウント9の処理がすべて完了したときには、フィルムスキャナ1を自動的に停止させてもほとんど問題は生じない。また、マウント収納ボックス12内にマウント8またはダミーマウント9が残っているのにも拘わらずフィルムスキャナ1の駆動が自動的に停止してしまうということがほとんど生じなくなる。
【0076】
また、上述の第1の実施の形態ではセンサとして2つのフォトカプラ54、59を用いているが、フォトカプラ54だけを設け、押出爪23による1つのマウント8の搬送中でのフォトカプラ54の出力信号パターンを検出することによっても、上述の効果の一部を得ることができる。この点は、上記の[表1]のj欄において、S1 ’およびS1 ”の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合(フォトカプラ54だけを設けたことに対応する)と、S1 ’およびS2 の2つの出力信号だけに基づいてコントローラ61が判断を行った場合とを比較すれば明らかである。さらに、この場合、1つのフォトカプラだけでダミーマウント9とマウント8とを高い確率で区別することができるので、装置構成が簡略なものとなる。
【0077】
また、上述の実施の形態では、マウント8およびダミーマウント9の形状に基づいて上記のような判断を行っているが、マウント8およびダミーマウント9が同じ形状であってもバーコードなどの何らかの互いに相違する目印が両者に付されており、その目印に適合したセンサを用いることによって両者が区別されてもよい。
【0078】
また、第1の実施の形態によるフィルムスキャナ1は、フィルムスキャナ以外の様々な機器に取り付けて用いることが可能である。
【0079】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るフィルムスキャナについて、図19〜図21をさらに参照して説明する。図19は、本実施の形態に係るフィルムスキャナに用いられるマウントキャリアユニットの本体部の平面図である。
【0080】
図19に描かれたマウントキャリアユニットの本体部11’は、軸52、57回りに回動するレバー53、58およびフォトカプラ54、59を具備していない点を除いて、第1の実施の形態に係るフィルムスキャナ1の本体部11と同様に構成されている。なお、本実施の形態において、図6に示された部材と同様の部材については同一の符号を付すこととし、その説明を省略する。また、本体部11’に取り付けられるマウント収納ボックスは、第1の実施の形態で説明したマウント収納ボックス12、13と同様のものであるので、ここでは説明を省略する。
【0081】
図20は、本実施の形態のフィルムスキャナおよびこれと接続されたプリンタプロセッサの主要部についてのブロック図である。図20から明らかなように、本実施の形態のフィルムスキャナは、コントローラ61内に判断部61aが設けられており、フォトカプラの受光部がコントローラ61に接続されていない点だけにおいて図18で説明したフィルムスキャナと相違している。判断部61aは、CCDラインセンサ68からの画像信号を解析して、その画像信号がフィルムを保持したマウント8に係るものであるか、それとも、ダミーマウントに係るものであるかを、画像信号の変化に基づいて判断する機能を有している。より詳細には、判断部61aは画像信号の明暗レベルを所定のしきい値と比較し、その結果を用いてマウント8とダミーマウントとを区別する。
【0082】
図21に本実施の形態において用いられるダミーマウントの例を示す。図21(a)に示されたダミーマウント91は、外形がほぼ正方形であり、中心部に開口91aを有している。この開口91aの形状は、マウント8のフィルムが保持される開口と同じであってもよいし異なる形状であってもよい。このとき、判断部61aは、CCDラインセンサ68から得た画像信号の明暗レベルが所定のしきい値(そのレベルを、何にも遮られることなく光がCCDラインセンサ68に達したときのレベルと、光がフィルムを通過してCCDラインセンサ68に達したときのレベルとの中間にしておく)以下から以上に変わりその後さらに以下に変わったことを画像信号の変化から検知すると、スキャニング対象がダミーマウント91であると判断する。これとは逆に、判断部61aは、CCDラインセンサ68から得た画像信号が常に所定のしきい値以下であることを画像信号の変化から検知すると、スキャニング対象がマウント8であると判断する。
【0083】
また、図21(b)に示されたダミーマウント92は、外形がほぼ正方形の単純な板状部材である。このとき、判断部61aは、CCDラインセンサ68から得た画像信号の明暗レベルが常に所定のしきい値(そのレベルを、CCDラインセンサ68に光が達しないときのレベルと、光がフィルムを通過してCCDラインセンサ68に達したときのレベルとの中間にしておく)以下であることを画像信号の変化から検知すると、スキャニング対象がダミーマウント92であると判断する。これとは逆に、判断部61aは、CCDラインセンサ68から得た画像信号が所定のしきい値以下から以上に変わりその後さらに以下に変わったことを画像信号の変化から検知すると、スキャニング対象がマウント8であると判断する。なお、ダミーマウントは、マウント8と外観的特徴が異なるものであれば、図21(a)、(b)に例示したもの以外のものであってもよい。
【0084】
次に、本実施の形態に係るフィルムスキャナの概略的な動作について説明する。マウントキャリアユニット2の動作が開始されると、コントローラ61からモータ22aの駆動信号がドライバ63に与えられ、マウント押出爪23によってマウント収納ボックス12内の最下にあるマウント8またはダミーマウント91、92が移動台24上に押し出される。
【0085】
しかる後、パルスモータ27のドライバ64に駆動信号が与えられて移動台24が右方に移動し始める。移動台24がスリット30上に達すると、移動台24の移動速度はスキャニングに適した速度(通常、スリット30前後での速度よりも遅い)に変更され、コントローラ61からはタイミングジェネレータ62に所定の命令が与えられる。
【0086】
マウント8またはダミーマウント91、92がスキャニング位置を通り越して移動台24が左端近傍に達すると、モータ38のドライバ65にコントローラ61から駆動信号が供給される。これにより、排出ローラ33a、33bが上方に移動してマウント8またはダミーマウント91、92の下面と接触する。排出ローラ33a、33bは、プーリ47〜50およびボールネジ28を介してパルスモータ27によって回転させられているので、マウント8またはダミーマウント9は排出ローラ33a、33bによってマウント台31上へと給送される。
【0087】
それから、排出ローラ33a、33bが所定角度回転した後に、ソレノイド45のドライバ66にコントローラ61から駆動信号が供給される。これにより、マウント8またはダミーマウント91、92が持ち上げられてマウント保持片16、17を越してマウント収納ボックス13内に収納される。なお、モータ38およびソレノイド45の動作タイミングは、パルスモータ27に与えられるパルス数によって決定される。
【0088】
CCDラインセンサ68によって得られた画像信号の変化に基づいて、移動台24上に載置されているスキャニング対象がマウント8であると判断部61aで判断された場合には、CCDラインセンサ68から出力されてコントローラ61で処理された画像信号がプリントヘッド69に与えられ、マウント8のフィルムに記録された画像に基づいて印画紙が露光される。一方、移動台24上に載置されているのがダミーマウント91または92であると判断部61aで判断された場合には、ダミーマウント91または92がスキャニングされる前の1オーダー分のマウント8に係るインデックスプリントを作成するための画像信号がコントローラ61からプリントヘッド69に与えられる。そして、ソータ70には、このインデックスプリントを含む1オーダー分のプリントが他のプリントとは別の仕分け板上に配置されるようにする信号がコントローラ61から供給される。なお、マウントキャリアユニットの動作は、CCDラインセンサ68によって得られた画像信号の変化に基づいて、移動台24上に載置されているスキャニング対象がマウント8でもなく、ダミーマウント91または92でもないと判断部61aで判断された場合に停止する。
【0089】
このように、本実施の形態に係るフィルムスキャナによると、CCDラインセンサ68によって得られた画像信号の変化に基づいてダミーマウント91または92をマウント8と区別することができるので、マウント収納ボックス12内に複数オーダーに係るマウント8を積層収納し、これらを連続的にスキャニングした場合であっても、オーダーの区切りにダミーマウント91または92を挟み込むように配置しておくだけで、インデックスプリントを作成することやプリントをオーダーごとにソートすることが可能となる。また、マウント収納ボックス12内にその収納可能枚数と同じかこれに近い枚数のマウント8を収納することが可能になるので、マウント収納ボックス12へのマウント収納作業の回数を減らすことができて、これらの作業に伴う煩雑さが軽減され、スキャニング完了までに要する時間を大幅に削減することができる。従って、オート処理を行う場合には、オペレータがスキャナ1につきっきりで作業を行う必要がなくなる。
【0090】
しかも、本実施の形態によると、画像信号の変化に基づいてマウントとダミーマウントとを区別することができるので、上述した[表1]においてS1 ’、S1 ”の2つの出力信号に基づいてマウントとダミーマウントとを区別するのと実質的に同様の効果が得られる。つまり、マウントとダミーマウントとを高い確率で区別することができると共に、CCDラインセンサ68などが故障していないことを確認することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態の場合とは違ってフォトカプラ54、59やレバー53、58が不要であるために、構造が簡単であるという利点もある。
【0092】
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態で用いたのと同様のフォトカプラ59を第2のセンサとして用いてもよい。これにより、第1の実施の形態と同様に高い精度で装置の故障を見つけだすことが可能となる。
【0093】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1の実施の形態において、フォトカプラ54とフォトカプラ59、および、レバー53とレバー58は、共に挿入ストッカ載置板21に近接した位置に設けられていてもよい。また、受光部59bが遮光されるのは、移動台24上にマウント8またはダミーマウント9のいずれもない場合であってもよい。これは、受光部54bについても同様である。
【0094】
また、フォトカプラ54とフォトカプラ59、および、レバー53とレバー58は、スキャニング位置よりもマウント収納ボックス13側に配置されていてもよい。ただし、この場合、ダミーマウントであることがスキャニング終了後に判明するため、ダミーマウントの搬送速度をマウントの搬送速度よりも大きくするということができない。また、マウントとダミーマウントとを区別する手段としては、フォトカプラとレバーとを具備するものだけでなく、その他公知のものをいずれも使用することが可能である。また、上述の実施の形態では、マウント収納ボックス13は本体部11に対して傾斜していたが、マウント収納ボックス13は本体部に対して垂直に突出していてもよい。
【0095】
また、排出ローラ33a、33bを昇降させるための機構は、上述したようなソレノイド45やリンク部材43、44、アーム40を用いたものに限らず、その他様々な機構を採用することが可能である。さらに、マウント8をマウント台31上に給送するための機構は、排出ローラ33a、33bを用いたもの以外であってもよい。
【0096】
また、マウント収納ボックス13内にマウント8を保持しておくためのマウント保持片16、17は、上述したようにマウント収納ボックス13の側壁13a、13bに回動可能に支持されている必要は必ずしもなく、例えば側壁13a、13bに対してスライドすることにより、上述のように機能するものであってもよい。
【0097】
また、マウント台31を昇降させるための機構は、上述したようなモータ38やリンク部材39、アーム41を用いたものに限らず、その他様々な機構を採用することが可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、5によると、マウント収納ボックス内に複数オーダーに係るマウントを積層収納し、これらを連続的にスキャニングした場合であっても、オーダーの区切りにダミーマウントを挟み込むように配置しておくだけで、インデックスプリントを作成することやプリントをオーダーごとにソートすることが可能となる。また、マウント収納ボックス内にその収納可能枚数と同じかこれに近い枚数のマウントを収納することが可能になるので、マウント収納ボックスへのマウント収納作業の回数を減らすことができて、これらの作業に伴う煩雑さが軽減され、スキャニング完了までに要する時間を大幅に削減することができる。従って、オート処理を行う場合に、オペレータがスキャナにつきっきりで作業を行う必要がなくなる。
【0099】
しかも、請求項1のマウントキャリアユニットの場合、第1のセンサ1つだけでダミーマウントとマウントとを区別することができ、請求項5のフィルムスキャナの場合、特別なセンサを用いることなくダミーマウントとマウントとを区別することができるので、いずれの場合も装置構成を簡略なものとすることができる。
【0100】
また、請求項1のフィルムスキャナによると、第1のセンサ及び第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断することができるので、故障したセンサを用いることによって、マウントとダミーマウントとのいずれが搬送されたかについて間違った判断が下される可能性が低くなり、装置の信頼性が高められる。さらに、請求項5のフィルムスキャナの場合、スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいてマウントおよびダミーマウントのいずれが搬送されたのかが判断されるので、画像信号が変化することを検出できれば、それによってスキャニング手段などが故障していないことを確認することができる。このような確認が行われることによって、マウントとダミーマウントとのいずれが搬送されたかについて間違った判断が下される可能性が低くなり、装置の信頼性が高められる。
【0101】
請求項によると、第1のセンサがマウントおよびダミーマウントの形状に基づいて異なるパターンの検出結果を出力するので、第1のセンサの構造を簡易なものとすることができる。
【0102】
請求項4によると、2つのセンサの故障検出精度をさらに高めることができる。
【0103】
請求項3,6によると、第1のセンサまたは判断手段によってダミーマウントとマウントとを区別することができるだけでなく、ダミーマウントもマウントも搬送されないことを高い精度で検出することができる。そのため、いずれも搬送されないと判断された場合にフィルムスキャナを自動的に停止させてもほとんど問題は生じないと共に、いずれかが搬送されているのに誤ってフィルムスキャナが自動的に停止するのを防止することができる。加えるに、このようなマウントキャリアユニットでは、第1のセンサおよび/または第2のセンサの故障を高い精度で見つけだすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフィルムスキャナの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るフィルムスキャナに含まれるマウントキャリアユニットに用いられる、マウント排出側のマウント収納ボックスの正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るフィルムスキャナに含まれるマウントキャリアユニットに用いられる、マウント受け入れ側のマウント収納ボックスの正面図である。
【図4】図3に示すマウント受け入れ側のマウント収納ボックスの下端部近傍の部分拡大図である。
【図5】マウントと共にマウント収納ボックスに収納されるダミーマウントの平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るフィルムスキャナに含まれるマウントキャリアユニットの本体部の平面図である。
【図7】図6に描かれたマウントキャリアユニットの正面図である。
【図8】図6のIIIV-IIIV 線での断面図である。
【図9】図8に描かれた部分の斜視図である。
【図10】図6のX-X 線での断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るフィルムスキャナに含まれるマウントキャリアユニットの本体部に含まれる排出ローラの昇降機構を説明するための側面図である。
【図12】図11とは直交する方向から見た、排出ローラの昇降機構を説明するための側面図である。
【図13】排出ローラの昇降機構および回転機構を説明するための斜視図である。
【図14】マウントキャリアユニットの本体部に含まれるマウント台の昇降機構を説明するための側面図である。
【図15】図14に描かれたマウント台の昇降機構の斜視図である。
【図16】図5に示すダミーマウントの移動に伴うセンサ出力の変化について説明するための図である。
【図17】マウントの移動に伴うセンサ出力の変化について説明するための図である。
【図18】フィルムスキャナおよびこれと接続されたプリンタプロセッサの主要部についてのブロック図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係るフィルムスキャナに用いられるマウントキャリアユニットの本体部の平面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態のフィルムスキャナおよびこれと接続されたプリンタプロセッサの主要部についてのブロック図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態において用いられるダミーマウントの例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ
2 マウントキャリアユニット
3 光源部
4 撮像部(スキャニング手段)
8 マウント(通常マウント)
9 ダミーマウント
11 本体部
12 マウント収納ボックス
13 マウント収納ボックス
16、17 マウント保持片
18、19 バネ板
21 挿入ストッカ載置板
23 マウント押出爪(搬送手段)
24 移動台
25 移動プレート
27 パルスモータ
30 スリット
31 マウント台
33a、33b 排出ローラ
35a、35b 押上レバー
38 モータ
45 ソレノイド
53、58 レバー
54 フォトカプラ(第1のセンサ)
59 フォトカプラ(第2のセンサ)
61 コントローラ(搬送判断手段、故障判断手段)
68 CCDラインセンサ

Claims (6)

  1. マウントに保持されたフィルムに記録された画像をスキャニングするためのスキャニング手段と、
    前記スキャニング手段によるスキャニングに供するために、前記マウントまたは前記マウントと異なる特徴を有するダミーマウントを、これらが積層収納されたマウント収納ボックス内での両者の相対的な位置にしたがった順番で1枚ずつ順次搬送するための搬送手段と、
    前記マウントおよび前記ダミーマウントの特徴に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能な第1のセンサと、
    前記マウントおよび前記ダミーマウントのいずれかが所定位置にあることを検出することが可能な第2のセンサと、
    前記第1のセンサによって得られた検出結果に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、または、前記ダミーマウントが搬送されたのかを判断するための搬送判断手段と、
    前記第1のセンサ及び前記第2のセンサによって得られた検出結果に基づいて、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断する故障判断手段とを備えていることを特徴とするフィルムスキャナ
  2. 前記第1のセンサは、前記マウントおよび前記ダミーマウントの形状に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムスキャナ
  3. 前記第1のセンサは、前記マウントおよび前記ダミーマウントの特徴に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送される場合と前記ダミーマウントが搬送される場合といずれも搬送されない場合とで前記搬送手段の駆動に伴って異なるパターンの検出結果を出力することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムスキャナ
  4. 前記故障判断手段が、前記搬送手段の駆動に伴う前記第1のセンサの出力パターンの変化を利用して、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサの少なくとも一方が故障しているか否かを判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナ。
  5. マウントに保持されたフィルムに記録された画像をスキャニングするためのスキャニング手段と、
    前記スキャニング手段によるスキャニングに供するために、前記マウントまたは前記マウントと異なる外観的特徴を有するダミーマウントを、これらを積層収納するマウント収納ボックス内での両者の相対的な位置にしたがった順番で1枚ずつ順次搬送するための搬送手段と、
    前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、または、前記ダミーマウントが搬送されたのかを判断するための搬送判断手段と、
    前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記スキャニング手段が正常動作していることを確認する動作確認手段とを備えていることを特徴とするフィルムスキャナ。
  6. 前記搬送判断手段は、前記搬送手段の駆動に伴う前記スキャニング手段によって得られた画像信号の変化に基づいて、前記搬送手段によって前記マウントが搬送されたのか、前記ダミーマウントが搬送されたのか、または、いずれも搬送されなかったのかを判断することを特徴とする請求項5に記載のフィルムスキャナ。
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