JP3606141B2 - 同軸素線、同軸ケーブル及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

同軸素線、同軸ケーブル及びそれを用いた電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコン内部の液晶ディスプレイ接続用や医療用超音波診断装置のセンサーケーブル等に使用される同軸素線、単心の同軸ケーブル又は多心の同軸ケーブル及びそれを用いた電子機器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、中心導体、絶縁体、外部導体からなる同軸素線に外被を施した同軸ケーブルが利用されている。このような同軸ケーブルには1本の同軸素線に外被を施した単心同軸ケーブル、複数本の同軸素線に共通の外被を施す多心同軸ケーブルなどがある。また多心同軸ケーブルの同軸素線又は単心同軸ケーブルの配列方法としてはこれらを平面上に整列した平型多心ケーブルと相互に撚り合わせた層撚り多心ケーブルがある。このような単心または多心の同軸ケーブルは、同種のケーブルを集合して使用する場合や、他の種類の通信線や電力線等と複合した複合ケーブルとする場合がある。
従来の同軸ケーブルにおいては、金属テープ或いは金属テープとポリエステル等の絶縁フィルムを積層した積層テープが外部導体(シールド)として一般的に使用されている。例えば、実開平2−47726号公報、2−47728号公報に示されるような金属テープの編組体が知られているが、この場合に外部導体が金属テープ編組なのでばらけない利点がある。反面、端末処理等のために外部導体を除去しようとするときに手間がかかるという欠点がある。
【0003】
図4は編組金属テープを使用した従来の同軸ケーブルを示す側面図である。図4において、11は中心導体、12は絶縁体、13は金属テープを編組した外部導体、14は外被である。このような金属テープとしては、通常巾広の金属テープをスリットしたものが使用されるが、金属テープのスリットの際の切断面にかえり、バリ等のシャープなエッジが残り、この部分が絶縁体を損傷させたり、またこの点に電圧が集中すること等により絶縁耐圧が低下する場合がある。特に絶縁厚が0.15mm以下のように極細の場合にはこの問題が深刻となる。
【0004】
また、従来の同軸ケーブルを電子機器内の機器配線、特にノート型コンピュータのモニタ部と本体部の結合部分にあたる回動部や診療箇所を変えるたびにケーブルが動く医療用センサーケーブルの屈曲部に配置した場合に、同軸ケーブルが動く際に絶縁体と外部導体との摩擦による静電雑音が発生する問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題について種々検討した結果得られたものであって、上記の種々の形態の同軸ケーブルに適用できる。すなわち、外部導体として銅または銅合金の丸線を圧延して偏平化させたリボン状導体を用い、且つこのリボン状導体を絶縁体上にらせん状に巻装して外部導体を構成することにより、可撓性を有し、機械的な運動を行った場合の雑音の発生が小さく、且つ機械的耐久性に富み外径の細い同軸素線及び同軸ケーブルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明はまず、中心導体と絶縁体と外部導体からなる同軸素線であって、絶縁体は中心導体に接してその周囲に設けられ、絶縁体の厚みは最も小さい部分で0.03mm以上0.15mm以下であり、外部導体はその横方向の断面の四隅が滑らかな形状の略矩形の1または複数のリボン状導体を一つの長辺を絶縁体に面して螺旋状に巻装してなり、前記リボン状導体の同軸素線の軸に対する巻き角度が45度以上であることを特徴とする同軸素線である。
【0007】
第二に、前記リボン状導体は銅を含む金属から構成され、リボン状導体の引張り破断張力の30%以上の張力で絶縁体の周囲に巻装することを特徴とする同軸素線である。
【0008】
さらに、第三に、これらの同軸素線に外被を施した同軸ケーブルである。外被を施す際には1本の同軸素線に外被を施して単心同軸ケーブルとしても良いし、複数本の同軸素線を集合した上で共通の被覆を施して多心同軸ケーブルとしても良い。また、1本の同軸素線に被覆を施した単心同軸ケーブルを複数本集合し、共通の外被を施した多心同軸ケーブルとしても良い。さらに、電子機器の機械的な回動や屈曲を受ける可動箇所に上記の同軸素線または同軸ケーブルを配置したことを特徴とする電子機器である。
【0009】
ここで用いる断面の四隅が滑らかな形状の略矩形のリボン状導体は、銅または銅合金の丸線を圧延して偏平化させることにより、容易に低コストで製造できる。本発明は上記の構成を取ることにより、リボン状導体が断面外周に鋭角的なエッジを有さないため、外部導体として巻装したときに絶縁体の損傷や電圧集中の問題が生じず、またこのような略矩形のリボン状導体は機械強度も高く、編組されていないため端末処理等において除去が容易で扱いやすい。さらに、発明者らの検討により、電子機器内の配置部位の回動屈曲により同軸ケーブルに発生する雑音が、絶縁体と外部導体の摩擦により発生する静電雑音であることがわかった。本発明の外部導体はリボン状導体の略矩形の一つの長辺を絶縁体に向けた状態で螺旋状に巻装してなるため、リボン状導体と絶縁体との密着面が広く摩擦が大きいため、同軸ケーブルが曲げられた場合にもリボン状導体が絶縁体を擦って動く現象が生じにくく、静電雑音が防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基いて詳細に説明する。本発明の同軸ケーブルを構成する同軸素線は基本的に絶縁体の厚さが0.15mm以下であり、同軸素線が細径に構成でき、特に配線空間が小さく電線の占める容積の小型化が求められる電子機器内に配線される同軸ケーブルや厚みの薄い平型多心ケーブルなどにおいて効果を発揮する。また、外部導体として銅または銅合金の丸線を圧延して偏平化させたリボン状導体を用い、このリボン状導体を絶縁体上にらせん状に巻装して同軸素線を構成する。図1は、本発明の代表的な同軸ケーブルを模式的に示す斜視図である。図1において、1は銅又は銅合金等の中心導体、2はPFA、ポリエステル、ポリイミドフィルム等からなる絶縁体、3は外部導体であり、断面が略矩形で四隅が滑らかな断面を有するリボン状導体からなる。このリボン状導体は、矩形の導体線の四隅を面取りするなどして製造することができる。また、銅または銅合金の丸線を圧延して偏平化して製造することができ、製造コストの面で有利である。このリボン状導体を絶縁体2の周囲にらせん状に巻装して外部導体3を形成する。
【0011】
(1)絶縁体の厚さ:ノート型コンピュータや医療用センサー等の電子機器は人力により位置や角度を変えるためますます小型化、軽量化が求められており、用いる同軸ケーブルも狭いスペースに配線される。このため同軸ケーブルの細線化が求められている。一方、同軸ケーブルが配置部分の回動や屈曲により変形させられる際に同軸ケーブル、特に外部導体に加えられる歪は外径が大きいほど大きく、雑音の発生も大きくなっていた。このため、本発明の同軸素線及び同軸ケーブルを構成する絶縁体の厚さは0.15mm以下と薄いことが必要である。他方、絶縁体厚さは薄ければ薄いほど良いとは言うものの、使用期間中に繰り返し曲げや捻りによる変形を受けるため、一応の機械的耐久性、可撓性を示す範囲内で極細となる値、例えば0.03mm程度以上が望ましい。
【0012】
(2)外部導体:外部導体を構成するリボン状導体としては、銅又は銅合金等の金属導体を用いた丸線を圧延して偏平化させたものを用い、且つこのリボン状導体を絶縁体上にらせん状に巻装して外部導体とする。このようにリボン状導体が丸線を圧延して得られたものであるので、その断面の四隅は滑らかな形状となり全周に鋭角的なエッジを有しない略矩形の形態をとる。外部導体はこのリボン状導体の略矩形の一つの長辺を絶縁体に向けて巻装して構成する。リボン状導体がこのような形態を有する結果、従来法のスリットテープのような鋭角的なエッジを有することがなく、絶縁体の破損や電圧の局在化が生じにくく安定した絶縁耐圧特性を得ることができる。更に、丸線を圧延して偏平化させた銅または銅合金を軟化せずにリボン状導体として使用することにより、従来法のようにわざわざ編組しなくても巻き付けるだけでばらけないという利点がある。リボン状導体を巻装する際の張力は絶縁体の特性を損なうことなく、巻かれたリボン状導体が常に絶縁体を締め付ける力を保ちつつ、同軸素線又は同軸ケーブルが曲げられたり捻回された際に破断しない張力であることが必要で、リボン状導体の破断張力の30%以上80%以下であることが好ましい。また、外部導体の上下に更に薄肉のテープに金属箔を蒸着した外被を設けても良く、その場合には外被の絶縁耐圧特性を高めることができる。
【0013】
リボン状導体導体の巻き角度は、45°以上あればフレキシビリティを持たせる点で望ましく、より好ましくは60°以上であるが、直角に近くなり過ぎると生産性が極端に低下し好ましくないので80°程度が限度である。また、外部導体の寸法としては、同軸素線及び同軸ケーブルの外径を小さくするために厚みが0.03mm以下であることが好ましく、機械強度の点から0.01mm以上であることが望ましい。またリボン状導体の幅は外部導体としての特性の保持の観点からは広い方が良く、0.1mm以上であることが好ましく、巻装の作業性とコストの点からは幅が狭い方が材料価格が安く、かつ巻装する際の皺が生じにくいため、0.3mm以下のものが好ましい。特に、電気特性、機械特性、製造性の面から外部導体としては、外径0.08mmの丸線を圧延して製造した厚み0.025mm、幅0.20mmのテープ状の導体や、外径0.05mmの丸線を圧延して製造した厚み0.012mm、幅0.18mmのテープ状の導体が優れた特性を有する。
【0014】
(3)多心ケーブル:特に、本発明の多心同軸ケーブルの場合は、同軸素線の外部導体が丸線から圧延により製造することにより外周に鋭角的なエッジ等がない平滑な表面を備えるため、撚り合わせ等により同軸素線に側面からの力、いわゆる側圧が働いても、絶縁体が外部導体によって傷つけられるおそれがなく、絶縁体の耐圧低下等の心配がなく、多心同軸ケーブルとして機械的耐久性と電気特性を維持しつつ、多心同軸ケーブルの薄肉化、細径化が実現できる。
【0015】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
(実施例1)
外部導体に使用するために、図5(イ)に断面形状を示す外径0.05mmの銅合金をスズメッキした丸線を圧延して、同図(ロ)に断面形状を示す厚み0.012mm、幅0.18mmの長尺のリボン状導体を作製した。絶縁体としてPFA(テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂を外径0.09mmの中心導体(外径30μmのスズメッキ銅合金線の7本撚り)の周りに公知の押出被覆法により外径0.23mmの円形の外形を形成するように被覆した後に、図2(イ)に開き巻きとして示すように、その外周に前記テープ状導体を60gf/1本の張力で、ピッチ0.29mmとして間隔を空けて、同軸素線の軸に対して68°の角度をなすようにらせん状に巻装して同軸素線を作製した。
【0016】
この同軸素線について、その基本特性としての耐圧試験、回動部や屈曲部に使用した場合の絶縁特性としての屈曲試験と捻回試験、静電雑音試験を行った。この際、同軸ケーブルは同軸素線を種々の形態で組合せて製造する為、外被の影響を除いた状態で評価する為同軸素線の状態で評価を実施した。
耐圧試験:300mの同軸素線を用いて、中心導体と外部導体の間に1000Vの直流電圧を1分間にわたって加え、絶縁破壊の有無を調査した。この結果、絶縁層が破壊する耐圧不良は認められず、良好な同軸ケーブルとしての特性が確認できた。
マンドレル屈曲試験:図6に試験方法を模式的に示す。同軸素線20の中央部を2本の外形5mmの金属棒22にはさんだ状態として、下端に50gfの荷重21を取り付けて、上端を左右それぞれ金属棒に90°巻き付け伸ばす作業を行った。左右各1回の屈曲を1回として30回/分の速度で1000回の屈曲を行った。この後、上記と同様の耐圧試験を実施したが耐圧不良は認めれず、繰り返し曲げに対する優れた耐性が確認できた。
捻回試験:図7に試験方法を模式的に示す。長さ20cmの同軸素線20の上端を上端固定点24に固定し、下端に50gfの荷重23を取り付けて垂直に懸架し、この荷重23を同軸ケーブルの中心軸を軸として時計周り、半時計周り交互にそれぞれ180°旋回させる作業を行った。時計周り、半時計周り各1回の捻回を1回として、30回/分の速度で1000回の捻回を行った後、上記と同様の耐圧試験を実施したが耐圧不良は認められず、捻回に対する優れた耐性が確認できた。
【0017】
静電雑音特性:さらに、急速な変形を加えられた場合の静電雑音の大きさを評価するため、長さ50cmの同軸素線を水平に張り、中央に長さ20cmの綿糸を結びつけ、綿糸の他端に20gfの荷重を付けた。この同軸素線の中心導体と外部導体の間の電圧を電圧計により測定しながら、前記重りを同軸素線の高さから自由落下させ、電圧変動の極大値として静電雑音特性を測定した。同様の測定を10回行った結果、この同軸素線について発生した電圧変動の極大値は最大2.5mVであった。一方同軸素線の外部導体を従来の図4に示す編組に変更して、同様の評価を行った場合極大値が100mVに達する電圧変動が見られた。この結果から、本発明の利用により静電雑音の大幅な改善効果が確認できた。
【0018】
次に、図3に示すように、この同軸素線10心を並列に並べ接着剤付きポリエステルテープを共通外被6としてこれらを覆い、平型多心同軸ケーブルにした。また、この同軸素線に外被を施して単心同軸ケーブルとし、その30心を撚り合わせ、その外側に共通の外被を施すことにより、可撓性、機械的耐久性を維持しつつ細径の撚り合わせ多心同軸ケーブルを得た。このようにして得られた多心同軸ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0019】
(実施例2)
実施例1において、リボン状導体を55gf/1本の張力でピッチ0.18mm、75°の角度でらせん状に図2(ロ)に示すように突き合わせ巻きで巻装して同軸素線を作製した。この同軸素線の耐圧特性、屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好であった。この同軸素線を使用して実施例1と同様に単心同軸ケーブル、平型多心同軸ケーブル及び撚り合わせ多心同軸ケーブルを作製した。このようにして得られた多心同軸ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0020】
(実施例3)
実施例1において、図2(ハ)に示すように、リボン状導体を65gf/1本の張力でピッチ0.29mm、68°の角度でらせん状に(同一方向に2枚巻きで各開き巻き)巻装して同軸素線を作製した。また、図2(ニ)に示されるように、2枚目のリボン状導体を逆方向に巻いたものも作製した。これらの同軸素線の耐圧特性、屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好であって、外部導体層の遮蔽特性は特に優れていた。更に、これらの同軸素線についても実施例1と同様に単心同軸ケーブル、平型多心同軸ケーブル及び撚り合わせ多心同軸ケーブルを作製した。このようにして得られた多心同軸ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0021】
(実施例4)
図8は本発明の別の実施例であって、同図(イ)に示すように、本発明の同軸素線5を2心づつ接触させて10心を平行に整列して共通外被6を施した平型同軸ケーブルである。本実施例においては、同図(ロ)に上面から見た図に示すように、1枚のリボン状導体を一方向の突き合わせ巻きとして同軸素線の外部導体を構成し、隣接する同軸素線の外部導体の巻き方向を逆とした。電子機器には電磁放射により問題の生じるものがあるが、電磁放射は電源や高周波部品を原因としていわゆるコモンモード電流とよばれるノイズ電流が機器中の導体を流れることにより放射される場合が多い。本発明においてはこのような外部導体の構成方法を取ることにより、外部導体を流れるコモンモード電流の旋回方向が逆方向となり、導体素線の軸方向に生じる磁場が打ち消しあうため電磁波の放射を軽減できる利点がある。複数枚のリボン状導体を同一方向に巻き付けてそれぞれの外部導体を構成した同軸素線を用いた平型同軸ケーブルについても、隣接する同軸素線のリボン状導体の巻き付け方向を逆にすることで同様の効果を実現することができる。さらに多数の同軸素線を並列した同軸ケーブルにおいても同様の効果を得ることができ、この場合は隣接する同軸素線の外部導体の巻き付け方向が逆になるように同軸ケーブルを構成するのが良い。この構成を採る場合には、隣接する同軸素線を密接して外部導体間の導通させることで外部導体を旋回する電流により生じる磁場の発生を更に軽減することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上の通り、外部導体として断面の四隅が滑らかな略矩形のリボン状導体を用い、且つこのリボン状導体を絶縁体の周囲にらせん状に巻装して外部導体となし同軸素線を形成しているから、この同軸素線を用いることで端末での外部導体の除去作業が容易で、可撓性を有し、且つ機械的耐久性に富む細径の同軸ケーブルが得られる。この同時素線を複数本の集合して外被を施し、多心同軸ケーブルとして使用することもできる。またこのようにして得られる同軸素線は回動や屈曲を受けても電気特性が安定しており、静電雑音の発生も小さいことから、同軸ケーブルあるいは多心同軸ケーブルとして電子機器の回動部、屈曲部等の可動部分に配置することで長期間にわたり絶縁特性に優れ、静電雑音の少ない電子機器が得られ、高品質で高速の機器内信号伝送が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な同軸ケーブルを示す斜視図である。
【図2】本発明によるリボン状導体の巻き方を説明する模式図である。
【図3】本発明の多心ケーブルの1例として平型多心ケーブルの横断図を示す模式図である。
【図4】編組テープを用いた従来の同軸ケーブルを示す側面図である。
【図5】本発明のリボン状導体の断面図を圧延前の丸線と比較して示した図である。
【図6】同軸素線の屈曲試験を説明する図である。
【図7】同軸素線の捻回試験を説明する図である。
【図8】本発明の多心ケーブルの1例として外部導体の巻き方向が逆の同軸素線を隣接して構成した平型多心ケーブルの横断図を示す模式図である。
【符号の説明】
1 中心導体
2 絶縁体
3 リボン状導体からなる外部導体
4 外被
5 同軸素線
6 共通外被
11 中心導体
12 絶縁体
13 編組された金属テープからなる外部導体
14 外被
20 同軸素線
21、23 荷重
22 金属棒
24 上端固定点
31 リボン状導体からなる内側に巻かれた外部導体
32 リボン状導体からなる外側に巻かれた外部導体
33 リボン状導体からなる外部導体A
34 リボン状導体からなる33と逆方向に巻かれた外部導体B

Claims (8)

  1. 中心導体と絶縁体と外部導体からなる同軸素線であって、前記絶縁体は前記中心導体に接してその周囲に設けられ、前記絶縁体の厚みは最も小さい部分で0.03mm以上0.15mm以下であり、前記外部導体は丸線導体を圧延して偏平化させかつ断面の四隅が滑らかな形状の略矩形のリボン状導体であり、1または複数の前記リボン状導体を一つの長辺を前記絶縁体に向けて螺旋状に巻装されてなり、前記リボン状導体の同軸素線に対する巻き角度が45度以上であることを特徴とする同軸素線。
  2. 前記リボン状導体は銅を含む金属から構成され、前記リボン状導体の引張り破断張力の30%以上の張力で前記絶縁体の周囲に巻装することを特徴とする請求項1に記載の同軸素線。
  3. 請求項1乃至2に記載の同軸素線の1本を外被により被覆したことを特徴とする同軸ケーブル。
  4. 請求項1乃至2に記載の同軸素線を複数本集合し共通の外被により被覆したことを特徴とする同軸ケーブル。
  5. 請求項3に記載の同軸ケーブルを複数本集合し共通の外被により被覆したことを特徴とする同軸ケーブル。
  6. 請求項3乃至5に記載の同軸ケーブルを電子機器の機械的な回動や屈曲を受ける箇所に配置したことを特徴とする電子機器。
  7. 1枚の前記リボン状導体を螺旋状に巻装した同軸素線を複数本平行に整列して共通の外被を施してなる請求項4に記載の同軸ケーブルであって、隣接する同軸素線の外部導体の巻き付け方向が逆方向であることを特徴とする同軸ケーブル。
  8. 複数枚の前記リボン状導体を同一方向に螺旋状に巻装した同軸素線を複数本平行に整列して共通の外被を施してなる請求項4に記載の同軸ケーブルであって、隣接する同軸素線の外部導体の巻き付け方向が逆方向であることを特徴とする同軸ケーブル。
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