JP3605926B2 - カバーのヒンジ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種機器のハウジング等に対してカバーを開閉のために揺動可能に支持するヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなヒンジ装置を有する機器として、例えば図3に示すように構成されたバッテリ充電器が知られている。
図3において、バッテリ充電器1は、充電すべきバッテリ2を収容すべき凹陥部3aを上面に備えた本体ハウジング3と、この本体ハウジング3の上面全体を覆うように、本体ハウジング3の一側に揺動可能に支持されたカバー4と、本体ハウジング3の他側の上面に備えられた係止爪5a及びカバー4の他側に備えられた係合凹部5bから成る係止装置5と、を含んでいる。
【0003】
本体ハウジング3は、その内部に、バッテリ2を充電すべき回路が収容されていると共に、その上面に、電源スイッチ3bを備えている。
【0004】
カバー4は、図3(B)に示すように、その一側の両端にて互いに対向して延びる係合用のボス4aが、本体ハウジング3の一側にて側面に設けられた係合孔3cに嵌合することにより、このボス4aの周りに、図示の開放位置から、本体ハウジング3の上面を覆う閉鎖位置まで揺動可能に支持されている。
【0005】
係止装置5の係止爪5aは、図3(A)に示すように、本体ハウジング3の上面から上方に向かって延びると共に、外側に向かって突出した突起5cを備えている。さらに、係止爪5aは、弾性変形可能に、好ましくは本体ハウジング3と一体に、弾性材料により形成されている。
他方、係合凹部5bは、同様に図3(A)に示すように、カバー4の他側の内面にて、カバー4が閉鎖位置にあるとき、上記係止爪5aが嵌入し得るように、配設されている。
【0006】
このように構成されたバッテリ充電器1によれば、カバー4の一端に設けられたボス4aが本体ハウジング3の係合孔3c内で回動することにより、カバー4が開放位置から閉鎖位置まで揺動されると、カバー4の他側の内面に形成された係合凹部5bが、係止爪5aと整合して、係止爪5aがその弾性に基づいて係合凹部5b内に嵌入する。これにより、カバー4は、係止装置5によって、本体ハウジング3の上面全体を覆う閉鎖位置にロックされることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバッテリ充電器1においては、カバー4が閉鎖位置にあるとき、カバー4に対して外部から不用意に外力が加えられると、カバー4のボス4aが本体ハウジング3の係合孔3cから外れてしまう。このため、ボス4aの長さを比較的長く選定しておくと、カバー4が開放位置にあるときに、カバー4に対して不用意に外力が加えられると、このボス4aが破損してしまい、カバー4を交換しなければならないという問題があった。さらに、カバー4を交換する際に、ボス4aが長いと、カバー4が容易に取り外せなくなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、カバーが閉鎖位置にあるときには外力によって外れてしまうようなことがなく、且つカバーが開放位置にあるときには容易に着脱可能であるようにした、ヒンジ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材を揺動軸の周りに揺動可能に支持するために、第一の部材の揺動軸と同心に設けられた係合孔と、この係合孔に回動可能に嵌入するように第二の部材に設けられた係合部と、から構成されているヒンジ装置において、上記係合部が、衝撃を受けたとき上記係合孔から容易に外れるように、比較的短く形成されていると共に、第一の部材にて少なくとも第二の部材の閉鎖位置付近の領域に形成された、上記係合孔を中心とする円弧状のガイド溝と、第二の部材にて上記ガイド溝に係合し得るように係合部から所定距離の位置に形成されたガイドピンと、を備えていることを特徴とする、カバーのヒンジ装置により、達成される。
【0010】
上記構成によれば、カバー等の第二の部材に設けられた係合部が比較的短く形成されているので、この係合部は、ハウジング等の第一の部材に設けられた係合孔に対して、比較的浅く係合することになる。従って、カバー等の第二の部材が開放された状態にて、外部から不用意に外力が加えられた場合には、上記係合部が上記係合孔から容易に外れることになる。これにより、第二の部材に設けられた係合部が破損してしまうようなことはなく、第二の部材自体の交換も不要となる。
【0011】
また、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材が、第一の部材に設けられた係合孔に対して、第二の部材に設けられた係合部が嵌入することにより、第二の部材が第一の部材に対して揺動可能に支持されると共に、第二の部材が第一の部材に対して閉鎖位置付近にある場合には、第二の部材に設けられたガイドピンが第一の部材に設けられたガイド溝に係合することにより、第二の部材が係合部及びガイドピンを介して第一の部材に支持されることになる。
【0012】
これにより、閉鎖状態において、第二の部材に対して、外部から不用意に外力が加えられたとしても、外力は、上記係合部及びガイドピンに分散されることになるので、第二の部材の係合部及びガイドピンが、それぞれ第一の部材の係合孔及びガイド溝から外れにくくなる。
【0013】
さらに、第二の部材が開放された場合には、第二の部材のガイドピンは、第一の部材のガイド溝から解放されることになり、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔から外すだけの作業で、第二の部材が第一の部材から容易に取り外され得ると共に、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔に係合させるだけの作業で、第二の部材が第一の部材に対して容易に取り付けられ得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明によるヒンジ装置の一実施形態を組み込んだバッテリケースの構成を示している。
図1及び図2において、バッテリ充電器10は、充電すべきバッテリ11を収容すべき凹陥部12aを上面に備えた本体ハウジング12と、この本体ハウジング12の上面全体を覆うように、本体ハウジング12の一側に揺動可能に支持されたカバー13と、本体ハウジング12の他側に対してカバー13の他側を係止するための係止装置14とを含んでいる。
【0015】
本体ハウジング12は、その内部に、バッテリ11を充電すべき回路が収容されていると共に、その上面に、電源スイッチ12bを備えている。
【0016】
カバー13は、その一側の両端にて互いに対向して延びる係合用のボス13aが、本体ハウジング12の一側にて側面に設けられた係合孔12cに嵌合することにより、このボス13aの周りに、図示の開放位置から、本体ハウジング12の上面を覆う閉鎖位置まで揺動可能に支持されている。
【0017】
上記係止装置14は、本体ハウジング12の他側の上面に備えられた係止爪14a及びカバー13の他側に備えられた係合凹部14bとを含んでいる。
係止爪14aは、本体ハウジング12の上面から上方に向かって延びると共に、外側に向かって突出した突起14cを備えている。さらに、係止爪14aは、弾性変形可能に、好ましくは本体ハウジング12と一体に、弾性材料により形成されている。
他方、係合凹部14bは、カバー13の他側の内面にて、カバー13が閉鎖位置にあるとき、上記係止爪14aが嵌入し得るように、配設されている。
【0018】
以上の構成は、図3に示した従来のバッテリ充電器10と同様の構成であるが、本発明によるバッテリ充電器10においては、上記カバー13のボス13aが、従来のボス4aに比較して短く選定されていると共に、カバー13を揺動可能に支持するためのヒンジ装置が、上記ボス13a及び係合孔12cの他に、カバー13のボス13aから所定距離だけ離れた位置にて、ボス13aと同様に内側に向かって互いに対向するガイドピン13bと、本体ハウジング12の側面にて、係合孔12cから所定距離を半径として円弧状に形成されたガイド溝12dを備えている。
【0019】
これにより、カバー13のボス13aが、本体ハウジング12の係合孔12cに対して比較的浅く係合すると共に、カバー13のガイドピン13bが、カバー13の閉鎖位置付近にて、本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入し、ガイドされ得ることになる。
【0020】
本発明実施形態によるバッテリ充電器10は、以上のように構成されており、カバー13の一端に設けられたボス13aが本体ハウジング12の係合孔12c内にて回動することにより、カバー13が、図1に示す開放位置から閉鎖位置まで揺動されると、カバー13の他側の内面に形成された係合凹部14bが、係止爪14aと整合して、係止爪14aがその弾性に基づいて係合凹部14b内に嵌入する。これにより、カバー13は、係止装置14によって、本体ハウジング12の上面全体を覆う閉鎖位置にロックされることになる。
【0021】
ここで、カバー13が閉鎖位置付近に持ち来されると、カバー13に設けられたガイドピン13bが、図2(A)にて鎖線で示すように、本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入し、ガイドされることになる。従って、カバー13が閉鎖位置にあるときには、カバー13は、その係合部であるボス13aとガイドピン13bが、それぞれ本体ハウジング12の係合孔12c及びガイド溝12dに係合することにより、支持されることになる。
【0022】
従って、バッテリ充電器10の落下等によって、カバー13に不用意に外力が加えられたとしても、この外力は、上記ボス13a及びガイドピン13bに分散されることになるので、上記ボス13a及びガイドピン13bは、本体ハウジングの係合孔12c及びガイド溝12dから外れにくくなる。
【0023】
また、カバー13が開放されているときには、カバー13は、そのボス13aのみが本体ハウジング12の係合孔12cに比較的浅く係合することにより、本体ハウジング12に対して支持されている。従って、カバー13が開放位置にあるときに、外部から不用意にカバー13に対して外力が加えられた場合には、このボス13aが本体ハウジング12の係合孔12cから容易に外れることになるので、このような外力による衝撃でボス13aが破損してしまうようなことがない。
【0024】
さらに、カバー13の脱着の際には、このボス13aを本体ハウジング12の係合孔12cから外すだけの簡単な作業によって、カバー13が本体ハウジング12から容易に取り外され得ると共に、ボス13aを本体ハウジング12の係合孔12cに係合させるだけの簡単な作業によって、カバー13は本体ハウジング12に対して容易に取り付けられ得る。
【0025】
これに対して、カバー13が閉鎖位置に持ち来されることにより、その揺動に伴って、カバー13のガイドピン13bは、自動的に本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入することになる。
【0026】
尚、上記実施形態においては、カバー13にボス13a,ガイドピン13bが備えられ、また本体ハウジング12に係合孔12c,ガイド溝12dが備えられているが、ボス13a及び係合孔12c、そしてガイドピン13b及びガイド溝12dは、カバー13または本体ハウジング12の何れに設けられてもよいことは明らかである。
【0027】
また、上記実施形態においては、バッテリ充電器10の本体ハウジング12とカバー13とを係止するための係止装置14について説明したが、これに限らず、他の各種機器の本体及びカバーの係止、その他互いに係止されるべき二つの部材の係止のための係止装置に本発明を適用し得ることは明らかである。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、カバー等の第二の部材に設けられた係合部が比較的短く形成されているので、この係合部は、ハウジング等の第一の部材に設けられた係合孔に対して、比較的浅く係合することになる。従って、カバー等の第二の部材が開放された状態にて、外部から不用意に外力が加えられた場合には、上記係合部が上記係合孔から容易に外れることになる。これにより、第二の部材に設けられた係合部が破損してしまうようなことはなく、第二の部材自体の交換も不要となる。
【0029】
また、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材が、第一の部材に設けられた係合孔に対して、第二の部材に設けられた係合部が嵌入することにより、第二の部材が第一の部材に対して揺動可能に支持されると共に、第二の部材が第一の部材に対して閉鎖位置付近にある場合には、第二の部材に設けられたガイドピンが第一の部材に設けられたガイド溝に係合することにより、第二の部材が係合部及びガイドピンを介して第一の部材に支持されることになる。
【0030】
これにより、第二の部材に外部から不用意に外力が加えられたとしても、外力は、上記係合部及びガイドピンに分散されることになるので、第二の部材の係合部及びガイドピンが、それぞれ第一の部材の係合孔及びガイド溝から外れにくくなる。
【0031】
さらに、第二の部材が開放された場合には、第二の部材のガイドピンは、第一の部材のガイド溝から解放されることになり、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔から外すだけの作業で、第二の部材が第一の部材から容易に取り外され得ると共に、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔に係合させるだけの作業で、第二の部材が第一の部材に対して容易に取り付けられ得る。
【0032】
かくして、本発明によれば、カバーが閉鎖位置にあるときには外力によって外れてしまうようなことがなく、且つカバーが開放位置にあるときには容易に客脱可能であるようにした、極めて優れたヒンジ装置が提供され得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒンジ装置の一実施形態を組み込んだバッテリ充電器を示す概略斜視図である。
【図2】図1のバッテリ充電器におけるヒンジ装置を示し、(A)は拡大側面図,及び(B)は拡大断面図である。
【図3】従来のヒンジ装置の一例を組み込んだバッテリ充電器の構成を示し、(A)は概略斜視図,及び(B)はヒンジ装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 バッテリ充電器
11 バッテリ
12 本体ハウジング
12c 係合孔
12d ガイド溝
13 カバー
13a ボス(係合部)
13b ガイドピン
14 係止装置
14a 係止爪
14b 係合凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種機器のハウジング等に対してカバーを開閉のために揺動可能に支持するヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなヒンジ装置を有する機器として、例えば図3に示すように構成されたバッテリ充電器が知られている。
図3において、バッテリ充電器1は、充電すべきバッテリ2を収容すべき凹陥部3aを上面に備えた本体ハウジング3と、この本体ハウジング3の上面全体を覆うように、本体ハウジング3の一側に揺動可能に支持されたカバー4と、本体ハウジング3の他側の上面に備えられた係止爪5a及びカバー4の他側に備えられた係合凹部5bから成る係止装置5と、を含んでいる。
【0003】
本体ハウジング3は、その内部に、バッテリ2を充電すべき回路が収容されていると共に、その上面に、電源スイッチ3bを備えている。
【0004】
カバー4は、図3(B)に示すように、その一側の両端にて互いに対向して延びる係合用のボス4aが、本体ハウジング3の一側にて側面に設けられた係合孔3cに嵌合することにより、このボス4aの周りに、図示の開放位置から、本体ハウジング3の上面を覆う閉鎖位置まで揺動可能に支持されている。
【0005】
係止装置5の係止爪5aは、図3(A)に示すように、本体ハウジング3の上面から上方に向かって延びると共に、外側に向かって突出した突起5cを備えている。さらに、係止爪5aは、弾性変形可能に、好ましくは本体ハウジング3と一体に、弾性材料により形成されている。
他方、係合凹部5bは、同様に図3(A)に示すように、カバー4の他側の内面にて、カバー4が閉鎖位置にあるとき、上記係止爪5aが嵌入し得るように、配設されている。
【0006】
このように構成されたバッテリ充電器1によれば、カバー4の一端に設けられたボス4aが本体ハウジング3の係合孔3c内で回動することにより、カバー4が開放位置から閉鎖位置まで揺動されると、カバー4の他側の内面に形成された係合凹部5bが、係止爪5aと整合して、係止爪5aがその弾性に基づいて係合凹部5b内に嵌入する。これにより、カバー4は、係止装置5によって、本体ハウジング3の上面全体を覆う閉鎖位置にロックされることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバッテリ充電器1においては、カバー4が閉鎖位置にあるとき、カバー4に対して外部から不用意に外力が加えられると、カバー4のボス4aが本体ハウジング3の係合孔3cから外れてしまう。このため、ボス4aの長さを比較的長く選定しておくと、カバー4が開放位置にあるときに、カバー4に対して不用意に外力が加えられると、このボス4aが破損してしまい、カバー4を交換しなければならないという問題があった。さらに、カバー4を交換する際に、ボス4aが長いと、カバー4が容易に取り外せなくなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、カバーが閉鎖位置にあるときには外力によって外れてしまうようなことがなく、且つカバーが開放位置にあるときには容易に着脱可能であるようにした、ヒンジ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材を揺動軸の周りに揺動可能に支持するために、第一の部材の揺動軸と同心に設けられた係合孔と、この係合孔に回動可能に嵌入するように第二の部材に設けられた係合部と、から構成されているヒンジ装置において、上記係合部が、衝撃を受けたとき上記係合孔から容易に外れるように、比較的短く形成されていると共に、第一の部材にて少なくとも第二の部材の閉鎖位置付近の領域に形成された、上記係合孔を中心とする円弧状のガイド溝と、第二の部材にて上記ガイド溝に係合し得るように係合部から所定距離の位置に形成されたガイドピンと、を備えていることを特徴とする、カバーのヒンジ装置により、達成される。
【0010】
上記構成によれば、カバー等の第二の部材に設けられた係合部が比較的短く形成されているので、この係合部は、ハウジング等の第一の部材に設けられた係合孔に対して、比較的浅く係合することになる。従って、カバー等の第二の部材が開放された状態にて、外部から不用意に外力が加えられた場合には、上記係合部が上記係合孔から容易に外れることになる。これにより、第二の部材に設けられた係合部が破損してしまうようなことはなく、第二の部材自体の交換も不要となる。
【0011】
また、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材が、第一の部材に設けられた係合孔に対して、第二の部材に設けられた係合部が嵌入することにより、第二の部材が第一の部材に対して揺動可能に支持されると共に、第二の部材が第一の部材に対して閉鎖位置付近にある場合には、第二の部材に設けられたガイドピンが第一の部材に設けられたガイド溝に係合することにより、第二の部材が係合部及びガイドピンを介して第一の部材に支持されることになる。
【0012】
これにより、閉鎖状態において、第二の部材に対して、外部から不用意に外力が加えられたとしても、外力は、上記係合部及びガイドピンに分散されることになるので、第二の部材の係合部及びガイドピンが、それぞれ第一の部材の係合孔及びガイド溝から外れにくくなる。
【0013】
さらに、第二の部材が開放された場合には、第二の部材のガイドピンは、第一の部材のガイド溝から解放されることになり、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔から外すだけの作業で、第二の部材が第一の部材から容易に取り外され得ると共に、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔に係合させるだけの作業で、第二の部材が第一の部材に対して容易に取り付けられ得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明によるヒンジ装置の一実施形態を組み込んだバッテリケースの構成を示している。
図1及び図2において、バッテリ充電器10は、充電すべきバッテリ11を収容すべき凹陥部12aを上面に備えた本体ハウジング12と、この本体ハウジング12の上面全体を覆うように、本体ハウジング12の一側に揺動可能に支持されたカバー13と、本体ハウジング12の他側に対してカバー13の他側を係止するための係止装置14とを含んでいる。
【0015】
本体ハウジング12は、その内部に、バッテリ11を充電すべき回路が収容されていると共に、その上面に、電源スイッチ12bを備えている。
【0016】
カバー13は、その一側の両端にて互いに対向して延びる係合用のボス13aが、本体ハウジング12の一側にて側面に設けられた係合孔12cに嵌合することにより、このボス13aの周りに、図示の開放位置から、本体ハウジング12の上面を覆う閉鎖位置まで揺動可能に支持されている。
【0017】
上記係止装置14は、本体ハウジング12の他側の上面に備えられた係止爪14a及びカバー13の他側に備えられた係合凹部14bとを含んでいる。
係止爪14aは、本体ハウジング12の上面から上方に向かって延びると共に、外側に向かって突出した突起14cを備えている。さらに、係止爪14aは、弾性変形可能に、好ましくは本体ハウジング12と一体に、弾性材料により形成されている。
他方、係合凹部14bは、カバー13の他側の内面にて、カバー13が閉鎖位置にあるとき、上記係止爪14aが嵌入し得るように、配設されている。
【0018】
以上の構成は、図3に示した従来のバッテリ充電器10と同様の構成であるが、本発明によるバッテリ充電器10においては、上記カバー13のボス13aが、従来のボス4aに比較して短く選定されていると共に、カバー13を揺動可能に支持するためのヒンジ装置が、上記ボス13a及び係合孔12cの他に、カバー13のボス13aから所定距離だけ離れた位置にて、ボス13aと同様に内側に向かって互いに対向するガイドピン13bと、本体ハウジング12の側面にて、係合孔12cから所定距離を半径として円弧状に形成されたガイド溝12dを備えている。
【0019】
これにより、カバー13のボス13aが、本体ハウジング12の係合孔12cに対して比較的浅く係合すると共に、カバー13のガイドピン13bが、カバー13の閉鎖位置付近にて、本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入し、ガイドされ得ることになる。
【0020】
本発明実施形態によるバッテリ充電器10は、以上のように構成されており、カバー13の一端に設けられたボス13aが本体ハウジング12の係合孔12c内にて回動することにより、カバー13が、図1に示す開放位置から閉鎖位置まで揺動されると、カバー13の他側の内面に形成された係合凹部14bが、係止爪14aと整合して、係止爪14aがその弾性に基づいて係合凹部14b内に嵌入する。これにより、カバー13は、係止装置14によって、本体ハウジング12の上面全体を覆う閉鎖位置にロックされることになる。
【0021】
ここで、カバー13が閉鎖位置付近に持ち来されると、カバー13に設けられたガイドピン13bが、図2(A)にて鎖線で示すように、本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入し、ガイドされることになる。従って、カバー13が閉鎖位置にあるときには、カバー13は、その係合部であるボス13aとガイドピン13bが、それぞれ本体ハウジング12の係合孔12c及びガイド溝12dに係合することにより、支持されることになる。
【0022】
従って、バッテリ充電器10の落下等によって、カバー13に不用意に外力が加えられたとしても、この外力は、上記ボス13a及びガイドピン13bに分散されることになるので、上記ボス13a及びガイドピン13bは、本体ハウジングの係合孔12c及びガイド溝12dから外れにくくなる。
【0023】
また、カバー13が開放されているときには、カバー13は、そのボス13aのみが本体ハウジング12の係合孔12cに比較的浅く係合することにより、本体ハウジング12に対して支持されている。従って、カバー13が開放位置にあるときに、外部から不用意にカバー13に対して外力が加えられた場合には、このボス13aが本体ハウジング12の係合孔12cから容易に外れることになるので、このような外力による衝撃でボス13aが破損してしまうようなことがない。
【0024】
さらに、カバー13の脱着の際には、このボス13aを本体ハウジング12の係合孔12cから外すだけの簡単な作業によって、カバー13が本体ハウジング12から容易に取り外され得ると共に、ボス13aを本体ハウジング12の係合孔12cに係合させるだけの簡単な作業によって、カバー13は本体ハウジング12に対して容易に取り付けられ得る。
【0025】
これに対して、カバー13が閉鎖位置に持ち来されることにより、その揺動に伴って、カバー13のガイドピン13bは、自動的に本体ハウジング12のガイド溝12d内に嵌入することになる。
【0026】
尚、上記実施形態においては、カバー13にボス13a,ガイドピン13bが備えられ、また本体ハウジング12に係合孔12c,ガイド溝12dが備えられているが、ボス13a及び係合孔12c、そしてガイドピン13b及びガイド溝12dは、カバー13または本体ハウジング12の何れに設けられてもよいことは明らかである。
【0027】
また、上記実施形態においては、バッテリ充電器10の本体ハウジング12とカバー13とを係止するための係止装置14について説明したが、これに限らず、他の各種機器の本体及びカバーの係止、その他互いに係止されるべき二つの部材の係止のための係止装置に本発明を適用し得ることは明らかである。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、カバー等の第二の部材に設けられた係合部が比較的短く形成されているので、この係合部は、ハウジング等の第一の部材に設けられた係合孔に対して、比較的浅く係合することになる。従って、カバー等の第二の部材が開放された状態にて、外部から不用意に外力が加えられた場合には、上記係合部が上記係合孔から容易に外れることになる。これにより、第二の部材に設けられた係合部が破損してしまうようなことはなく、第二の部材自体の交換も不要となる。
【0029】
また、ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材が、第一の部材に設けられた係合孔に対して、第二の部材に設けられた係合部が嵌入することにより、第二の部材が第一の部材に対して揺動可能に支持されると共に、第二の部材が第一の部材に対して閉鎖位置付近にある場合には、第二の部材に設けられたガイドピンが第一の部材に設けられたガイド溝に係合することにより、第二の部材が係合部及びガイドピンを介して第一の部材に支持されることになる。
【0030】
これにより、第二の部材に外部から不用意に外力が加えられたとしても、外力は、上記係合部及びガイドピンに分散されることになるので、第二の部材の係合部及びガイドピンが、それぞれ第一の部材の係合孔及びガイド溝から外れにくくなる。
【0031】
さらに、第二の部材が開放された場合には、第二の部材のガイドピンは、第一の部材のガイド溝から解放されることになり、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔から外すだけの作業で、第二の部材が第一の部材から容易に取り外され得ると共に、第二の部材の係合部を第一の部材の係合孔に係合させるだけの作業で、第二の部材が第一の部材に対して容易に取り付けられ得る。
【0032】
かくして、本発明によれば、カバーが閉鎖位置にあるときには外力によって外れてしまうようなことがなく、且つカバーが開放位置にあるときには容易に客脱可能であるようにした、極めて優れたヒンジ装置が提供され得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒンジ装置の一実施形態を組み込んだバッテリ充電器を示す概略斜視図である。
【図2】図1のバッテリ充電器におけるヒンジ装置を示し、(A)は拡大側面図,及び(B)は拡大断面図である。
【図3】従来のヒンジ装置の一例を組み込んだバッテリ充電器の構成を示し、(A)は概略斜視図,及び(B)はヒンジ装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 バッテリ充電器
11 バッテリ
12 本体ハウジング
12c 係合孔
12d ガイド溝
13 カバー
13a ボス(係合部)
13b ガイドピン
14 係止装置
14a 係止爪
14b 係合凹部
Claims (1)
- ハウジング等の第一の部材に対して、カバー等の第二の部材を揺動軸の周りに揺動可能に支持するために、第一の部材の揺動軸と同心に設けられた係合孔と、この係合孔に回動可能に嵌入するように第二の部材に設けられた係合部と、から構成されているヒンジ装置において、
上記係合部が、衝撃を受けたとき上記係合孔から容易に外れるように、比較的短く形成されている共に、
第一の部材にて少なくとも第二の部材の閉鎖位置付近の領域に形成された、上記係合孔を中心とする円弧状のガイド溝と、
第二の部材にて上記ガイド溝に係合し得るように係合部から所定距離の位置に形成されたガイドピンと、
を備えていることを特徴とする、カバーのヒンジ装置。
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