JP3605428B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば、濃度をもとにしたヒストグラムを用いて最適な画像を得るデジタル複写機等の画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子複写機等の画像形成装置は、従来のアナログ式のものの他にデジタル式のものが普及するようになっている。このような状況の中で、アナログ複写機では一般的な機能である自動露光機能、すなわち原稿濃度をセンサで検知して露光ランプの明るさを変化させ、最適画質を得る方法をデジタル複写機にて実現する場合、特公昭64−6588号公報や特公平3−30143号公報等で示されているように、ヒストグラムを用いた濃度自動調整が従来より提案されている。
【0003】
従来のヒストグラムを用いて自動濃度調整を行う場合、大きく2つの方式に分類することができる。第1の方式は、プリスキャンにより、画像全体のヒストグラムをまず取ってから、本スキャン時にこの情報を用いて濃度調整を行うものである。第2の方式は、スキャンしながらリアルタイムでヒストグラムを作成して濃度調整を行うものである。
【0004】
第1の方式は、プリスキャン動作が必要なため、ファーストコピーが遅くなるという欠点があり、一般的には、第2の方式であるリアルタイムでのヒストグラム作成手段による濃度調整方式が用いられている。
【0005】
しかしながら、このようなリアルタイムでのヒストグラムサンプリングは、原稿読取先端部、特に原稿スケールと原稿との境目部分に生ずる影の影響が、ヒストグラム値に与える影響が後々まで出てしまうという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、デジタル複写機等の画像形成装置において、スキャンしながらリアルタイムでヒストグラムをサンプリングして濃度調整を行う際の原稿読取先端部、特に原稿スケールと原稿との境目部分に生ずる影の影響が、ヒストグラム値に与える影響が後々まで出てしまうという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、リアルタイムでのヒストグラムサンプリングにおける原稿読取先端部、特に原稿スケールと原稿との境目部分に生ずる影の影響を排除して自動濃度調整を行うことのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像形成装置は、原稿を載置する原稿台と、この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の濃度分布データを作成する第1の作成手段と、上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の濃度分布データを累計計算して当該ラインまでの濃度分布データを作成する第2の作成手段と、上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段とから構成されている。
【0009】
この発明の画像形成装置は、原稿を載置する原稿台と、この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の濃度のヒストグラムを作成する第1の作成手段と、上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の濃度のヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの濃度のヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の濃度のヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの濃度のヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段とから構成されている。
【0010】
この発明の画像形成装置は、原稿を載置する原稿台と、この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムを作成する第1の作成手段と、上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段とから構成されている。
【0011】
この発明の画像形成装置は、原稿を載置する原稿台と、この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムを作成する第1の作成手段と、上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を設定する設定手段と、この設定手段で設定される領域を上記読取手段が読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が上記設定手段で設定された領域以外の領域を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段とから構成されている。
【0012】
この発明の画像形成方法は、原稿を原稿台に載置し、この原稿台に原稿が載置される基準位置を基準部材で示し、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ画素単位の濃度信号を出力し、この濃度信号の1ライン毎の濃度分布を作成し、上記読取りが上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記作成される1ライン毎の濃度分布のデータを累計計算して当該ラインまでの濃度分布のデータを作成し、上記読取りが、上記基準部材からの所定領域を読取る際には作成された上記1ライン毎の濃度分布に基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取りが、上記所定領域外を読取る際には作成される濃度分布のデータを累計計算して作成された当該ラインまでの濃度分布のデータに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記所定領域であるか上記所定領域外であるかに応じて算出された1ライン毎の濃度補正基準値を用いて上記濃度信号を補正して画像を形成するステップからなる。
【0013】
【作用】
この発明は、原稿を原稿台に載置し、載置される原稿の基準位置を基準部材で示し、この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ画素単位の濃度信号を読取手段で出力し、出力される濃度信号の1ライン毎の濃度分布データを第1の作成手段で作成し、上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の濃度分布データを累計計算して当該ラインまでの濃度分布データを第2の作成手段で作成し、上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記基準部材により読取出力に変動が及ぼされる領域であるか上記基準部材により読取出力に変動が及ぼされない領域であるかに応じて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成するようにしたものである。
【0017】
【実施例】
以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図2は、この発明の画像形成装置の一例としてデジタル複写機の概略構成を示すものである。すなわち、本デジタル複写機は、大別して、原稿の画像情報を光学的に読取るための読取手段としてのスキャナ部1、および、このスキャナ部1で読取られ、あるいは、図示しない外部装置から供給される画像信号に応じて、電子写真方式により用紙上に画像形成を行なう画像形成手段としてのプリンタ部2から構成されている。
【0018】
スキャナ部1は、複写すべき原稿が載置される原稿台11、原稿台11上に載置された原稿を押える開閉自在な原稿カバー12、原稿台11上に載置された原稿を照明する光源としての蛍光灯13、蛍光灯13からの光照射による原稿からの反射光を光電変換する光電変換手段としてのCCD形ラインセンサ14を有している。なお、蛍光灯13には、その管壁を一定温度に加熱するための加熱手段としての図示しないランプヒータが設置されている。また、原稿台11には、原稿を載置する原稿ガラス91と原稿を突き当てて原稿位置を測る原稿スケール90とが設けられている。
【0019】
蛍光灯13の側方には、蛍光灯13からの光を原稿に効率良く収束させるためのリフレクタ15が配設されている。また、蛍光灯13とラインセンサ14との間には、原稿からラインセンサ14へ向かう光、すなわち、原稿からの反射光が通過される光路を折曲げるための複数のミラー16、17、18、および、上記反射光をラインセンサ14の受光面に集束させるためのレンズユニット19などが配設されている。
【0020】
そして、原稿台11上に載置された原稿は、蛍光灯13、および、ミラー16〜18からなる走査系が原稿台11の下面に沿って矢印a方向に往復動移動することにより、その往復時に露光走査されるようになっている。この場合、ミラー17、18は光路長を保持するように、ミラー16の1/2の速度にて移動するようになっている。
【0021】
上記走査系の走査による原稿からの反射光、つまり、蛍光灯13の光照射による原稿からの反射光は、ミラー16〜18によって反射された後、レンズユニット19を通り、ラインセンサ14に導かれ、原稿の像がラインセンサ14の受光面に結像されるようになっている。
【0022】
なお、蛍光灯13、ラインセンサ14、ミラー16〜18、および、レンズユニット19によって走査ユニット20が構成されている。そして、蛍光灯13、リフレクタ15、および、ミラー16は第1キャリッジ21に設けられ、ミラー17,18は第2キャリッジ22に設けられ、これらのキャリッジ21,22はそれぞれ図示しないモータによって移動されるようになっている。
【0023】
プリンタ部2は、円筒状であって、図示しないモータなどによって所望の方向に回転可能に構成され、所望の電位に帯電されるとともに、プリントデータに応じて変調されたビーム光が照射されることにより静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム31を有している。
【0024】
感光体ドラム31の周囲には、感光体ドラム31の表面を帯電する帯電装置32、感光体ドラム31の表面に、複写あるいは出力すべき画像情報としてのプリントデータに応じて変調されたレーザビーム光としてのビーム光を出力するレーザユニット33、レーザユニット33からのビーム光によって感光体ドラム31上に形成された静電潜像を、それにトナーを付着せしめることで現像する現像装置34、現像された感光体ドラム31上のトナー像を、後述する給紙部39から供給される用紙上に転写する転写装置35、および、感光体ドラム31上に吸着した用紙を剥離する剥離装置36などが順に配設されている。
【0025】
感光体ドラム31の周囲であって、剥離装置36よりも後流側には、感光体ドラム31の表面に残ったトナーを除去するクリーナユニット37、および、感光体ドラム31上の電位を次の画像形成のために消去する消去装置38が順に配設されている。
【0026】
現像装置34と転写装置35との間には、感光体ドラム31上に形成されたトナー像を転写するための用紙を、感光体ドラム31と転写装置35との間に向かって供給する給紙部39が設けられている。
【0027】
剥離装置36の後段であって、トナー像が転写された用紙が感光体ドラム31から剥離装置36で剥離される方向には、用紙にトナー像を定着させるための定着装置40、および、剥離装置36で剥離された用紙を定着装置40に向かって搬送するための搬送装置41が配設されている。
【0028】
定着装置40でトナー像が定着された用紙は、排紙ローラ42によって排紙トレイ43に排出されるようになっている。
図3は、上記デジタル複写機の制御系の概略構成を示すものである。すなわち、本装置は、主CPU11、コンパネCPU12、スキャナCPU13、及びプリンタCPU14によって制御されている。
【0029】
主CPU11は、コンパネCPU12、スキャナCPU13、及びプリンタCPU14と通信を行ってこれらを制御している。
コンパネCPU12は、ROM15とRAM16とに接続され、これらのデータをもとに選択手段としてのコントロールパネル17上のスイッチの検知、LEDの点灯、消灯、表示器の制御等を行っている。
【0030】
スキャナCPU13は、主CPU11との通信によりコントロールされており、ROM21、RAM22のデータをもとに、図示しないモータ、ソレノイド等のメカコン等23の制御、オートドキュメントフィーダ24、座標入力装置としてのエディタ25、変換手段としてのアナログデジタル変換回路26、シェーディング補正回路27、ラインメモリ28等の制御を行っている。
【0031】
プリンタCPU14は、主CPU11との通信によりコントロールされており、ROM31、RAM32のデータをもとに、図示しないモータ、ソレノイド等のメカコン等33の制御、ソータ34、LCF(LARGE CAPACITY FEEDER )35、レーザ変調回路36、レーザドライブ回路37等の制御を行っている。
【0032】
主CPU11には、ROM41、RAM42、データ切り替え及びバッファメモリ43、画像処理部44、圧縮伸張回路45、ページメモリ回路46、ディスプレイ47、ディスプレイメモリ48、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記述する)49、プリンタコントローラ50、ディスプレイフォントROM51、プリントフォントROM52、圧縮メモリ53、ハードディスクドライブ54、光ディスクドライブ55、ファクシミリアダプタ56、及びI/Fコントローラ57が接続されている。
【0033】
ROM41は、主CPU1に関する予め決められている動作のプログラムが記憶されている。
RAM42は、ROM41および主CPU1によって規定されたデータなどが記憶される。
【0034】
データ切り替え及びバッファメモリ43は、スキャナ部1で読取った画像データをどこへ送るか、また、プリンタ部2へはどのデータを送るのかの切り替え及びバッファリングを行う。
【0035】
画像処理部44は、画像データに対して画像処理を行う。
圧縮伸張回路45は、画像データの圧縮伸張を行う。
ページメモリ回路46は、画像データをページ毎に蓄える。
【0036】
ディスプレイメモリ48は、ディスプレイ47上への表示する画像データを記憶する。
プリンタコントローラ50は、パソコン49から供給されるコードデータを上記プリンタ部2を介して印字(出力)可能な画像データに展開する。
【0037】
ディスプレイフォントROM51は、ディスプレイメモリ48に利用されるフォントデータが記憶されているメモリである。
プリントフォントROM52は、ページメモリ46にパソコン49からの印字データおよび所望の入力に対応する数字あるいは記号などを記憶させる。
【0038】
圧縮メモリ53は、圧縮伸張回路45により圧縮されたデータを蓄える。
図4は、画像処理部44の概略構成を示すものである。すなわち、画像処理部44は、ヒストグラム作成回路80、補正基準値算出部81、レンジ補正回路82、タイミング信号発生部83、クロック発生部84、画質改善回路85、拡大/縮小回路86、及び階調処理回路87とから構成されている。また、画像処理部44のヒストグラム作成回路80には、後述するクリアタイミング発生部92が接続されている。
【0039】
ヒストグラム作成回路80は、第1、第2の作成手段としてスキャナ部1から供給される画像データから濃度のヒストグラムを作成する。
補正基準値算出部81は、補正基準値算出手段としてヒストグラム作成回路80で作成されたヒストグラムに基づいて補正基準値を算出する。
【0040】
レンジ補正回路82は、画像情報補正手段として補正基準値算出部81からの補正基準値で濃度のレンジを補正する。
タイミング信号発生部83は、タイミング信号を発生し、ヒストグラム作成回路80、レンジ補正回路82、画質改善回路85、拡大/縮小回路86、および階調処理回路87へタイミング信号を供給する。
【0041】
クロック発生部84は、クロック信号MCLK−1を発生し、タイミング信号発生部83、ヒストグラム作成回路80、レンジ補正回路82、画質改善回路85、拡大/縮小回路86、および階調処理回路87へタイミング信号を供給する。
【0042】
画質改善回路85は、レンジ補正回路82からの補正されたレンジに基づいて画質改善を行なう。
拡大/縮小回路86は、画質改善回路85から供給される画質改善が行なわれた画像データの拡大/縮小を行なう。
【0043】
階調処理回路87は、拡大/縮小回路86から供給される画像データの階調処理を行なう。
画像処理部44は、上述したようにスキャナ部1からのデータからヒストグラム作成回路80でリアルタイムでヒストグラムを作成し、このヒストグラムを用いて補正基準値算出部81で補正基準値を算出し、この補正基準値に基づいてレンジ補正回路82でレンジを補正し、レンジ補正データを画質改善回路85、拡大/縮小回路86を介し、さらに階調処理回路87で階調処理を行なうことによりリアルタイムに自動濃度調整を行なってプリンタ部2へ画像処理を行なった画像データを供給する。
【0044】
また、詳しくは後述するが、上記ヒストグラム作成回路80には、画像データ8ビットの上位4ビットが入力されるようになっており、その4ビットの値に応じて各数値毎に値を「1」づつ増やす機能をもっている。
【0045】
例えば、4ビット入力であるから、16進数で表わした場合、値は0〜FHとなる。0〜FHそれぞれの値に対して加算器が動作し、「1」をを加算した値を0〜FHそれぞれに対応したレジスタにセットする。例えば、「0−5−8−2−2−3−3−3−3−F」のデータがヒストグラム作成回路80に入力されると、レジスタ0のレジスタ値「1」、レジスタ1のレジスタ値「0」、レジスタ2のレジスタ値「2」、レジスタ3のレジスタ値「4」、レジスタ4のレジスタ値「0」、レジスタ5のレジスタ値「1」、レジスタ6のレジスタ値「0」、レジスタ7のレジスタ値「0」、レジスタ8のレジスタ値「1」、…レジスタFのレジスタ値「1」というようにセットされる。
【0046】
レンジ補正回路82のレンジ補正について説明する。すなわち、レンジ補正は、アナログ複写機における自動露光機能での下地カット等に使用される機能である。
【0047】
一般に、原稿をデジタルに読取り、濃度ヒストグラムを作成すると図5の(a)ようになる。新聞のような原稿の場合、下地濃度があるので図5の(a)におけるMで示すように下地部分の濃度部分に山が1つでき、Nの山は文字部である。ここで、アナログ複写機では、露光ランプを制御して下地濃度部をカットするようにしているが、デジタル複写機では、それができないので下記のような演算を行なって、同様の効果を得ている。
【0048】
簡単な例で説明すると、図5の(a)に示すMの山とNの山のピークポイントDとD補正基準値算出部81にて求め、下記の計算をレンジ補正回路82にて行うことにより、濃度ヒストグラムを図5の(b)に示すような分布に変換する。
【0049】
=(D−D)/(D−D)×FF
すなわち、図5の(a)におけるM〜N間のレンジをデータ幅(この場合0〜FF)を広げる処理である。
なお、D はレンジ補正回路82の出力信号であり、D はレンジ補正回路82の入力信号である。
【0050】
図6は、本発明において作成される濃度のヒストグラムの概略を示す例である。
例えば、A4の1枚の画像を読込む場合、400dpi で読込んだとすると、その画素数はGとなる。
【0051】
G=210×297×400/25.4×400/25.4
この画素数Gの画素各々に濃度があり、ここでは、この濃度を8ビットにて表現している。
【0052】
図6の(a)における横軸は、この濃度を示し、縦軸はその濃度に対し、どの濃度の画素が何個存在したかを示している。
図6の(a)に示すように濃度方向の分割に関しては、16分割を採用してハードウエアとしての回路の簡略化を図り、256段階を16段階に束ねている。また、16分割でもヒストグラムでの必要な情報量は、自動濃度調整機能においては十分確保されている。
【0053】
図6の(b)に示すように均等16分割の仕方は、分割番号0で画像データ値の範囲を0〜Fとし、分割番号1で画像データ値の範囲を10〜1Fとし、分割番号2で画像データ値の範囲を20〜2Fとし、分割番号3で画像データ値の範囲を30〜3Fとし、分割番号4で画像データ値の範囲を40〜4Fとし、分割番号5で画像データ値の範囲を50〜5Fとし、分割番号6で画像データ値の範囲を60〜6Fとし、分割番号7で画像データ値の範囲を70〜7Fとし、分割番号8で画像データ値の範囲を80〜8Fとし、分割番号9で画像データ値の範囲を90〜9Fとし、分割番号Aで画像データ値の範囲をA0〜AFとし、分割番号Bで画像データ値の範囲をB0〜BFとし、分割番号Cで画像データ値の範囲をC0〜CFとし、分割番号Dで画像データ値の範囲をD0〜DFとし、分割番号Eで画像データ値の範囲をE0〜EFとし、分割番号Fで画像データ値の範囲をF0〜FFとする。
【0054】
次に、本発明におけるヒストグラム作成方法について図7のフローチャートを参照して説明する。
下記式は、本発明におけるヒストグラム作成の基本計算式であり、ヒストグラム作成はライン単位で行われている。1ラインのヒストグラム作成処理が終るごとにレンジ補正の基準値を求め、その基準値を元にレンジ補正処理を行なっている。また、ヒストグラムを構成する総データ数は常に一定の値となる。
【0055】
A´=A−αA+αB
ただし、 A´:基準値計算用ヒストグラム値
A:前ラインまでのヒストグラム値
B:現ラインのヒストグラム値
α:係数
上記式は、ヒストグラム横軸の各濃度について毎ライン行なわれる。ここで、A´は、0〜F までの16段階濃度のヒストグラム値であり、各濃度につき、演算される。Aは、前ラインまでの各濃度の前ラインのヒストグラム頻度値(画素数)である。Bは、新ラインにおける各濃度のヒストグラム頻度値(画素数)である。また、αは、各ラインの累積ヒストグラム値に対する寄与率を示している。
【0056】
すなわち、ヒストグラム作成回路80は、1ライン目の1ライン分のデータからヒストグラムを作成する(ステップST1)。補正基準値算出部81は、作成されたヒストグラムからレンジ補正用の基準値を算出する(ステップST2)。
【0057】
ヒストグラム作成回路80は、ライン読取りから次のライン読取りの間に、前記ヒストグラムの各濃度の頻度について(A´)=A−αAを計算する(ステップST3)。ヒストグラム作成回路80は、1ライン分のデータからヒストグラムを作成する。ただし、ライン読取り中、入力データごとに、A´=(A´)+αBを計算する(ステップST4)。そして、補正基準値算出部81は、作成されたヒストグラムA´からレンジ補正用の基準値を算出する(ステップST5)。
【0058】
また、αは係数であり、次の14値(2のべき乗分の1)の中のどれかを取る。すなわち、1,1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,……,1/2048,1/4096,1/8192(=1/2^13)。
【0059】
また、ヒストグラム作成には、次の2モードを用意する。
モード0:副走査ライン数に存在した重み付け係数変動加算モード
モード1:入力画素に対する重み付け係数一定加算モード
モード0は、副走査方向のカウントにより、重み付け係数αの値を変化させ、1スキャン後には、ほぼ、通常のヒストグラム作成方法時と同形状のヒストグラムが得られる方法である。すなわち、モード0は、副走査ライン数に応じて図8に示すような規則にて係数αの値を変化させ、計算を行いヒストグラムを作成する。すなわち、ライン数1では係数1、ライン数2では係数1/2、ライン数3では係数1/2、ライン数4では係数1/4、ライン数5では係数1/4、ライン数6では係数1/4、ライン数7では係数1/4、ライン数8では係数1/8、……、ライン数16では係数1/16、……、ライン数32では係数1/32、……、ライン数4096では係数1/4096、……、ライン数8192では係数1/8192と変化させる。
【0060】
また、モード1は、副走査カウントに関係なく、重み付け係数を一定としてヒストグラムを作成する方法である。すなわち、モード1は係数αの値を固定値とし、係数の選択は主CPU11から行う。
【0061】
図1は、この発明に係るデジタル複写機における画像処理部44のヒストグラム作成回路80の構成を示すものである。
すなわち、ヒストグラム作成回路80は、スイッチ62、カウンタ63、クロック発生部64、16個のフリップフロップ65〜65、セレクタ66、減算値生成部67、セレクタ68、加算部69、減算部70、加算値生成部としてのシフトレジスタ71、カウンタ74、クロック発生部75、副走査ライン数カウンタ76、及びスイッチ77とから構成されている。
【0062】
まず、スキャナ部1からの画像データの信号IDAT4〜IDAT7は、画像データの上位4ビットであり、スイッチ62へ入力される。
スイッチ62は、実際の画像データを入力するか、(A´)=A−αAをラインとラインの間に計算する時に、カウンタ63の値を入力するかを切換える。スキャナ部1からの画像データの信号IDAT4〜IDAT7が一方の端子に入力され、カウンタ63からの出力データの信号CDT00〜CDT03が他方の端子に入力され、選択後のデータとして信号SLDT0〜SLDT3をセレクタ66とクロック発生部64へ出力する。ここで画像データの信号IDAT4〜IDAT7は、信号IDAT4,IDAT5,IDAT6,IDAT7の4つの信号を意味し、画像データの上位4ビットである。タイミング信号発生部83からのタイミング信号CTL0は、CTL0=0の場合にSLDT0〜SLDT3=IDAT4〜IDAT7となり、CTL0=1の場合にSLDT0〜SLDT3=CDT00〜CDT03となり、これは、ラインとラインの間で(A´)=A−αAの計算を行なうために必要である。
【0063】
カウンタ63は、ラインとラインの間で、(A´)=A−αAを計算する時にクロック発生部64及びセレクタ66に必要な値(カウント値)を供給するものである。タイミング信号発生部83からカウンタクロック信号CT1CKが入力され、同じくタイミング信号発生部83からのカウンタクリア信号CT1CLによりクリアされ、カウント値データとしての信号CDT00〜CDT03をスイッチ62の他方の端子へ出力する。なお、カウンタ63は、クリア機能付きバイナリカウンタである。
【0064】
クロック発生部64は、セレクタ66によって選択されたヒストグラム値に対して演算を行なった後、その結果をフリップフロップ65〜65に格納するためのクロックを発生させる。スイッチ62からの出力信号SLDT0〜SLDT3が入力され、クロック発生部84からメインクロック信号MCKが入力され、クロックデータFCK0〜FCKFをヒストグラム値レジスタ65〜65へ出力する。
【0065】
フリップフロップ65〜65は、実際のヒストグラム値、すなわち、各濃度に対する頻度を格納する。
減算値生成部67は、(A´)=A−αAを計算する際の「αA」を生成する。
【0066】
セレクタ68は、上記αAの「α」をどれにするかを選択する。
加算部69は、A´=(A´)+αBを計算する時の加算を行なう。
減算部70は、(A´)=A−αAを計算する時の減算を行なう。
【0067】
シフトレジスタ71は、A´=(A´)+αBを計算する際の「αB」を生成する。例えば、1/2,1/4,1/8,…の値が出力される。
カウンタ74は、副走査方向へ寄与率を依存させる場合のAの値を出力するために使用されるカウンタ。
【0068】
クロック発生部75は、カウンタ74へ出力するクロックを発生する副走査ライン数カウンタ76の値により、クロックを発生させる。
スイッチ77は、(A´)=A−αAとA´=(A´)+αBの演算の切換えを行なう。
【0069】
図9は、クロック発生部64におけるメインクロック信号MCKに基づいて信号SLDT0〜SLDT3の値に応じて出力されるクロックデータFCK0〜FCKFのタイミングを示すものである。画像データ上位4ビット、すなわちSLDT0〜3によってセレクタ66は、該当するフリップフロップ65〜65の値を出力するが、メインクロック信号MCKは、この出力され、さらにそれに対して何がしかの演算が行なわれた値がフリップフロップ65〜65入力部に来る、この値を前記該当するフリップフロップ65〜65に再び格納するために必要なクロックである。
【0070】
ヒストグラム値レジスタ65〜65からのヒストグラムデータ信号H0〜HFは、補正基準値算出部81へ出力される。
セレクタ66は、ヒストグラム値レジスタ65〜65からのヒストグラムデータ信号H0〜HF、すなわち16段階の各濃度に対応した度数(ヒストグラム値)が入力され、スイッチ62からの出力信号SLDT0〜SLDT3が入力され、信号SLDT0〜SLDT3のデータ値に応じて、H0〜HFの16データ(バス幅26ビット)のうち1データを選択して出力データの信号HSDTを出力する。すなわち、フリップフロップ65〜65に格納されているヒストグラムデータは、信号SLDT0〜SLDT3のデータ値が0の場合にH0が選択され、データ値が1の場合にH1が選択され、……、データ値がEの場合にHEが選択され、データ値がFの場合にHFが選択される
【0071】
減算値生成部67は、セレクタ66からの出力信号HSDTが入力され、信号HSDTを2のべき乗で除算した値を生成する(HSDTのシフト値)。すなわち、減算値1で信号HSDT/2を出力し、減算値2で信号HSDT/2^2を出力し、……、減算値13で信号HSDT/2^13を出力する。
【0072】
セレクタ68は、ラインとラインの間に行なわれる(A´)=A−αAの演算の「αA」を信号CDT20〜CDT23のデータ値によって決めるもので、減算値生成部67からのヒストグラムデータの信号HSDT/2〜HSDT/2^13が入力され、カウンタ74からの信号CDT20〜CDT23のデータ値に応じて、信号HSDT/2〜HSDT/2^13の13データうち1データを選択して信号SDTとして出力する。すなわち、信号CDT20〜CDT23のデータ値が0の場合はHSDT/2、データ値が1の場合はHSDT/2^2、……、データ値がCの場合はHSDT/2^13を出力する。
【0073】
加算部69は、セレクタ66からのヒストグラムデータの信号HSDTが入力され、加算値生成部71からの加算データの信号XDATが入力され、その加算結果として信号ZDATが出力される。
【0074】
図10は、信号ZDATの加算例を示すものである。
減算部70は、セレクタ66からのヒストグラムデータの信号HSDTが入力され、セレクタ68からの減算データの信号SDTが入力され、その減算結果として信号YDATが出力される。
【0075】
加算値生成部71は、クロック発生部75からのクロックの信号HCKが入力されて加算データの信号XDATを加算部69へ出力する。主CPU11によって設定されるクリア信号CRSTによってクリアされる。
【0076】
図11は、加算値生成部71の出力例を示すもので、主CPU11によって設定されるクリア信号CRSTの入力時にイニシャル値出力2000Hで、その後、クロック発生部75からのクロック信号HCKが入る毎に現状値の1/2を出力する。従って、16進数であるので、例えば現状値2000Hの1/2は1000Hとなり、現状値1000Hの1/2は800Hとなる。
【0077】
カウンタ74は、クロック発生部75からのクロック信号HCKが入力されてカウント値データの信号CDT20〜CDT23をセレクタ68へ出力する。カウンタ74は、主CPU11によって設定されるクリア信号CRSTによってクリアされるクリア機能付きバイナリカウンタである。
【0078】
クロック発生部75は、副走査ライン数カウンタ76からの出力データの信号FDAT0〜FDAT12が入力され、スキャナ部1からのライン同期クロック信号GCKが入力され、カウンタ74のカウントアップクロックとしての信号HCKをカウンタ74及び加算値生成部71へ出力する。クロック発生部75は、信号FDATが1,3,7,F,1F,3F,7F,1FF,3FF,7FF,FFF,1FFFのいづれかのときに1クロックを出力する。すなわち、クロック発生部75は、アンド回路で構成され、1→1,3→11,1F→11111,…として全部1なのを利用し、副走査ライン数カウンタ76の値に応じて出力する。
【0079】
副走査ライン数カウンタ76は、タイミング信号発生部83からのカウンタクロック信号FCKが入力され、主CPU11によって設定されるクリア信号CRSTによってクリアされ、カウント値データの信号FDAT0〜FDAT12をクロック発生部75へ出力する。副走査ライン数カウンタ76は、クリア機能付きバイナリカウンタである。
【0080】
スイッチ77は、加算部69からの加算後データの信号ZDATが一方の端子に入力され、減算部70からの減算後データの信号YDATが他方の端子に入力され、選択後のデータとして信号WDATがヒストグラム値レジスタ65〜65へ出力される。タイミング信号発生部83からの信号CTL1は、CTL1=0の場合にWDAT=ZDATとなり、CTL0=1の場合にWDAT=YDATとなる。
【0081】
次に、このような構成においてヒストグラムの作成を図12、図13、図14のタイミングチャートを参照して説明する。また、図15は、信号FDATの変化に対応する各信号の変化を示すものである。
【0082】
まず、図12,13に示す信号について説明する。
MCLK−1は、クロック発生部84にて発生されるクロック信号である。
VDENは、ページ同期信号である。
HDENは、水平同期信号である。
IDAT4〜7は、スキャナ部1からの画像データの上位4ビットの信号である。
H0〜HFは、ヒストグラム値レジスタ65からのヒストグラムデータ信号である。
FCK0〜FCKFは、クロック発生部64にて発生されるクロックデータである。
SLDT0〜SLDT3は、スイッチ62からの出力信号である。
CT1CLは、タイミング発生部83からのカウンタクリア信号である。
CTL0は、タイミング発生部83からのタイミング信号である。
XDATは、加算値生成部71からの加算データ信号である。
続いて、図14に示す信号について説明する。
VDEN−0は、ページ同期信号である。
HDEN−0は、水平同期信号である。
FDATは、副走査ライン数カウンタ76からのタイミング信号である。
HCKは、クロック発生部75からのクロック信号である。
CDT20〜23は、カウンタ74からの信号である。
XDATは、加算値生成部71からの加算データ信号である。
SDTは、セレクタ68からの減算データ信号である。
続いて、図15に示す信号について説明する。
FDATは、副走査ライン数カウンタ76からの出力データ信号である。
CDT20〜23は、カウンタ74からの信号である。
XDATは、加算値生成部71からの加算データ信号である。
SDTは、セレクタ68からの減算データ信号である。
次に、上述した信号のタイミングにより信号IDAT4〜7の動作を説明する。
まず、スキャナ部1からの画像データの信号IDAT4〜IDAT7は、画像データの上位4ビットであり、スイッチ62へ入力される。タイミング信号発生部83からのタイミング信号CTL0がイネーブルの場合、スイッチ62は、IDAT4〜IDAT7のデータをクロック発生部64へ送る。
【0083】
クロック発生部64では、IDAT4〜IDAT7のデータに対応したクロック信号FCK0〜FCKFを出力するが、このクロック信号FCK0〜FCKFが出力されるまでの間に、スキャナ部1から入力された画像データの信号IDAT4〜IDAT7はSLDT0〜SLDT3となりセレクタ66へ送られる。セレクタ66では、ヒストグラム値レジスタ65〜65をSLDT0〜SLDT3の値によって選別し、加算部69で加算値生成部71からの加算データの信号XDATを加算した後、ヒストグラム値レジスタ65〜65へ戻り、クロック信号FCK0〜FCKFの出力にて加算結果がヒストグラム値レジスタ65〜65へ格納される。
【0084】
1ライン各画素につき、上記処理が行われることにより、1ラインのヒストグラムが生成され、画像濃度調整用の基準値を算出し、次ラインでの処理に利用する。
【0085】
さて、この基準値が計算された後、図1においては減算動作に移る。すなわち、スイッチ62は、カウンタ63側へ切換えられ、また、スイッチ77は減算器70からの信号YDATの入力端子側へ切換えられる。減算部70は、セレクタ66からのヒストグラムデータ信号HSDTが入力され、セレクタ68からの減算データ信号SDTが入力され、各々のヒストグラム値を減算する。この減算動作が終った後、通常のヒストグラム作成動作に移る。
【0086】
上述したような動作を繰り返すことにより、総数可変のヒストグラムが作成される。
図16は、原稿ガラス91上に原稿が置かれた場合の状態を示すもので、図16の(a)における原稿スケール90と原稿との突き当て部Eでは、画像データが不確定となることがある。図16の(b)は、突き当て部Eを拡大したもので,原稿スケール90と原稿間の隙間の部分Fで影ができ、或いはスキャン調整が少しでもずれている場合は原稿スケール90の裏を読取ってしまうという可能性がある。
【0087】
そこで、本発明は、突き当て部Eにおけるヒストグラムサンプリングの補正を行うようにしたものである。
図17は、クリアタイミング発生部の構成を示すものである。すなわち、クリアタイミング発生部92は、主CPU11により値が設定されるレジスタ93、水平同期信号HDENをクロックとして動作し、またページ同期信号VDENにてクリアされるカウンタ94、レジスタ値とカウンタ値とを比較して出力する比較器95、比較器95からの出力、ページ同期信号VDEN、水平同期信号HDEN、及び基本クロックとを入力とし、クリア信号CRSTを発生するクリア信号生成部96とから構成される。
【0088】
なお、水平同期信号HDENは、画像主走査方向の原点を示すと共に主走査方向の画像データ有効範囲を示す信号である。また、ページ同期信号VDENは、図16の(b)に示すように原稿開始端Kから始まる。
【0089】
このクリアタイミング発生部92から発生されるクリア信号CRSTは、図4のヒストグラム作成回路80に出力される。
図18は、ページ同期信号VDEN、水平同期信号HDEN、クリア信号CRSTの関係を示すタイミングチャートである。図18に示すように、ページ同期信号VDENの立上がりから水平同期信号HDENの数クロックの間、クリア信号CRSTが出力される。
【0090】
ここで「x」は、クリア信号CRSTの個数であり、主CPU11によってレジスタ93に設定された値に依存する。すなわち、主CPU11によってクリア信号CRSTの個数が設定される。この場合の「x」は、原稿スケール90の形状、原稿スケール90と原稿ガラス91との間の隙間の幅から決まるものであるが、当然、ばらつきがあるのでマージンは取っておく必要がある。また、「x」としての影の出る幅は、原稿端からおよそ2mmであり、クロック数にして倍率100%時で32クロック分である。もちろん、原稿突当て端92から2mm位を基準として、スキャンスピードに合わせて設定クロック数を変える必要はある。
【0091】
図19は、図18の「x」で示す部分の拡大されたもので、水平同期信号HDENのディスエイブル期間の最後でクリア信号CRSTが出力され、そのラインでサンプリングされたヒストグラムがクリアされる。図19における「y」の期間にサンプリングされたヒストグラムにより、既に、基準値は求められ、セットされるようになっている。
【0092】
すなわち、本実施例におけるヒストグラム作成において原稿スケールと原稿の間の画像データの不安定な部分については、1ライン毎のヒストグラムをサンプリングし、それを元に基準値を算出して補正を行い、また、安定部分に入ってからは、通常通りの累積計算によるヒストグラムを作成し、これを元に基準値を算出して補正を行う。
【0093】
以上説明したように上記実施例によれば、原稿スケールと原稿との間の影(画像濃度の不安定な部分)の影響をほとんど受けずに、ヒストグラムを作成して濃度調整を行うことができる。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、リアルタイムでのヒストグラムサンプリングにおける原稿読取先端部、特に原稿スケールと原稿との境目部分に生ずる影の影響を排除して自動濃度調整を行うことのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るデジタル複写機におけるヒストグラムを作成する回路の構成を示すブロック図。
【図2】デジタル複写機の概略構成を示す断面図。
【図3】デジタル複写機の制御系の概略構成を示す図。
【図4】デジタル複写機における画像処理部の概略構成を示す図。
【図5】原稿を読取って作成される濃度ヒストグラムを説明するための図。
【図6】この発明において作成されるヒストグラムを説明するためのフローチャート。
【図7】ヒストグラムの作成方法を説明するためのフローチャート。
【図8】モード0における副走査ライン数と対応する係数αを説明するための図。
【図9】クロック発生部におけるスイッチ出力に対応する出力信号にクロックを発生するタイミングを説明するための図。
【図10】信号ZDATの加算例を示す図。
【図11】加算値生成部の出力例を示す図。
【図12】ヒストグラム作成の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図13】ヒストグラム作成の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図14】ヒストグラム作成の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図15】信号FDATの変化に対応する各信号の変化を示す図。
【図16】原稿ガラス上に原稿が置かれた場合の状態を示す図。
【図17】クリアタイミング発生部の構成を示す図。
【図18】ページ同期信号、水平同期信号、クリア信号の関係を示すタイミングチャート。
【図19】水平同期信号のディスエイブル期間の最後でのクリア信号出力を示す図。
【符号の説明】
1…スキャナ部
2…プリンタ部
11…主CPU
80…ヒストグラム作成回路
90…原稿スケール
91…原稿ガラス
92…クリアタイミング発生部
93…レジスタ
94…カウンタ
95…比較器
96…クリア信号生成部

Claims (5)

  1. 原稿を載置する原稿台と、
    この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、
    この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、
    この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の濃度分布データを作成する第1の作成手段と、
    上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の濃度分布データを累計計算して当該ラインまでの濃度分布データを作成する第2の作成手段と、
    上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの濃度分布データに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、
    この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段と、
    を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 原稿を載置する原稿台と、
    この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、
    この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、
    この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の濃度のヒストグラムを作成する第1の作成手段と、
    上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の濃度のヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの濃度のヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、
    上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の濃度のヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの濃度のヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、
    この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段と、
    を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 原稿を載置する原稿台と、
    この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、
    この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、
    この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムを作成する第1の作成手段と、
    上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、
    上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が、上記所定領域外を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、
    この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段と、
    を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 原稿を載置する原稿台と、
    この原稿台に載置される原稿の基準位置を示す基準部材と、
    この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ、画素単位の濃度信号を出力する読取手段と、
    この読取手段から出力される濃度信号の1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムを作成する第1の作成手段と、
    上記読取手段が上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記第1の作成手段にて作成される1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムのデータを累計計算して当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムのデータを作成する第2の作成手段と、
    上記読取手段が、上記基準部材からの所定領域を設定する設定手段と、
    この設定手段で設定される領域を上記読取手段が読取る際には上記第1の作成手段によって作成された上記1ライン毎の16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取手段が上記設定手段で設定された領域以外の領域を読取る際には上記第2の作成手段によって作成された当該ラインまでの16段階の濃度ヒストグラムに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出する補正基準値算出手段と、
    この補正基準値算出手段にて算出された濃度補正基準値を用いて上記読取手段にて出力される濃度信号を補正して画像を形成する画像形成手段と、
    を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 原稿を原稿台に載置し、
    この原稿台に原稿が載置される基準位置を基準部材で示し、
    この基準部材で示される基準位置に載置された原稿の読取領域の画像を主走査方向に1ライン毎に読取り、上記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動しつつ画素単位の濃度信号を出力し、
    この濃度信号の1ライン毎の濃度分布を作成し、
    上記読取りが上記副走査方向に沿って移動することに伴い、上記作成される1ライン毎の濃度分布のデータを累計計算して当該ラインまでの濃度分布のデータを作成し、
    上記読取りが、上記基準部材からの所定領域を読取る際には作成された上記1ライン毎の濃度分布に基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、上記読取りが、上記所定領域外を読取る際には作成される濃度分布のデータを累計計算して作成された当該ラインまでの濃度分布のデータに基づいて上記1ライン毎の濃度補正基準値を算出し、
    上記所定領域であるか上記所定領域外であるかに応じて算出された1ライン毎の濃度補正基準値を用いて上記濃度信号を補正して画像を形成するステップを有する画像形成方法
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