JP3604869B2 - 空調装置の運転制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調装置に関するものであり、特に詳しくは室外機と、全数もしくは過半数が室外機より下方に設置された複数の室内機との間で、相変化可能な流体を循環させ、各室内機において冷暖房可能に構成した装置の制御に関する。
【0002】
この種の装置として、例えば図5に示した構成の空調装置が、例えば特開平7−151359号公報に開示されている。図中1は冷水または温水が供給できる室外熱交換器(以下、室外機)、4は室外機1より下層の階に設置された室内機、5は室内機の熱交換器、8は流量制御弁、27は電動ポンプ、28〜31は開閉弁であり、これらを液相管6と気相管7とで図のように配管接続して閉回路3を形成し、閉回路3に封入した冷媒が室外機1と室内機4との間で循環して、室内機4において冷/暖房が行えるようになっている。なお、32は室外機1の側面に設置された液レベルセンサであり、暖房運転時に室外機1に溜った冷媒液が一定となるように電動ポンプ27を制御する。
【0003】
すなわち、上記構成の空調装置においては、室内機4が設置されている室内空気の温度が高いときに、電動ポンプ27を停止した状態で、開閉弁28・29を閉じて開閉弁30・31を開けると共に、流量制御弁8も開け、室外機1において発生させる冷熱によって閉回路3に封入した冷媒を冷却して凝縮させると、室外機1で凝縮した冷媒液は液相管6を自重で流下し、開閉弁30・31および流量制御弁8を介して熱交換器5に流入する。
【0004】
そして、熱交換器5に流入した冷媒液は、熱交換器の管壁を介して室内空気から熱を奪って冷房作用を行うと共に、冷媒自身は蒸発して気相管7に流入し、冷媒が凝縮して低圧となっている室外機1に還流すると云った自然循環が起こるので、電力消費量が年間を通じて最大となる夏期に電動ポンプ27を駆動する電力が不要であり、ランニングコストが削減できると云った利点がある。
【0005】
また、開閉弁28・31を閉じて開閉弁29・30を開けると共に、流量制御弁8も開け、電動ポンプ27を起動して、室外機1において発生させる冷熱によって閉回路3に封入した冷媒を冷却して凝縮させると、室外機1で凝縮した冷媒液は自重と電動ポンプ27の吐出力とで液相管6を流下し、流量制御弁8を通って熱交換器5に入り、冷房作用を行う冷媒の循環が強制的に行われる。
【0006】
このように、電動ポンプ27を起動して冷房を行う場合は、室外機1の直ぐ下に当たる上層階に設置した熱交換器5にも十分な量の冷媒液が供給できると云った利点がある。
【0007】
一方、室内機4が設置されている室内空気の温度が低いときに、開閉弁29・30を閉じて開閉弁28・31を開けると共に、流量制御弁8も開け、電動ポンプ27を起動した状態で、室外機1において発生させる温熱によって閉回路3に封入した冷媒を加熱して蒸発させると、室外機1で蒸発した冷媒蒸気は気相管7を介して熱交換器5に流入する。
【0008】
そして、熱交換器5に流入した冷媒蒸気は、熱交換器の管壁を介して室内空気に放熱して暖房作用を行うと共に、冷媒自身は凝縮して液相管6に流入し、開閉弁31・28を介して電動ポンプ27により室外機1に還流すると云った循環が起こり、室内機4における暖房運転が継続されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−151359号公報に開示された上記構成の空調装置においては、暖房運転を行う外気温度が低いときには、相変化が可能な流体が配管内で多量に凝縮し、いわゆる寝込み現象を起こすため、配管内には寝込みを想定して余分に充填しておかないと、循環量が不足して十分な暖房性能を発揮することができない云った問題点があり、この点の解決が課題となっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、室外機と、全数もしくは過半数が室外機より下方に設置された複数の室内機との間を、気相管と、低位にレシーバタンクおよびポンプを備えた液相管とで連結し、室外機で吸熱して蒸発した気体を室内機に導入して放熱・凝縮させ、この凝縮して前記レシーバタンク内に溜った液体を前記ポンプの吐出力によって室外機に戻し、各室内機において暖房可能に構成した空調装置において、
【0011】
暖房運転中に前記レシーバタンク内の液体が所定量以下になったときに、室内機毎に設置して該室内機に供給する気体の流量を制御する流量制御弁を全開して運転を継続し、その後暖房負荷に見合った開度に流量制御弁の開度を制御するようにした第1の構成の運転制御方法と、
【0012】
気相管と液相管の縦引き配管部からそれぞれに延設され、各室内機に至る横引き配管部の終端側同士を開閉弁を介して連結し、暖房運転中前記レシーバタンク内の液体が所定量以下になったときに、前記開閉弁を開いて運転を継続し、その後前記開閉弁を閉じるようにした第2の構成の運転制御方法と、
【0013】
前記第1の構成の運転制御方法において、流量制御弁を全開して暖房運転を開始し、その後暖房負荷に見合った開度に流量制御弁の開度を制御するようにした第3の構成の運転制御方法と、
【0014】
前記第2の構成の運転制御方法において、開閉弁を開いて暖房運転を開始し、その後閉じて運転を継続するようにした第4の構成の運転制御方法と、を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図5において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0016】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の制御方法によって運転する空調装置の一構成例を示したものであり、1は冷熱または温熱を選択的に発生させることができる、例えば吸収式冷凍機などからなる室外機であり、建物の例えば屋上にある機械室などに設置され、例えば蒸発器の内部に配管した熱交換器2を介して、閉回路3に封入した相変化が可能な流体、例えば低温度でも圧力が低下すると容易に蒸発し得る、R−134aと熱の授受を行う。
【0017】
なお、蒸発器に配管した熱交換器2から冷熱を供給したり、温熱を供給することができる吸収式冷凍機としては、例えば特開平7−318189号公報などに開示されたものが使用できる。
【0018】
5は、建物の各部屋に設置した室内機4の熱交換器であり、室外機1の熱交換器2とは、図のように液相管6・気相管7および流量制御弁8によって配管・接続されて、前記閉回路3を形成している。
【0019】
そして、液相管6には、室内機4の熱交換器5で暖房作用を行って凝縮し、流れ出た液体のR−134aを溜めるためのレシーバタンク9と、このタンクに溜ったR−134aを室外機1に戻すための電動ポンプ10とを直列に設置する共に、この経路とは並行に、室外機1の熱交換器2で放熱し、凝縮して流れ出た液体のR−134aを室内機4に導くための開閉弁11とを設置し、レシーバタンク9にはR−134aを検出するための液面センサ12を設けてある。
【0020】
また、13は室内空気を熱交換器5に吹き付けて室内に還流させるための送風機、14は図示しない吸収液を加熱して冷媒蒸気を蒸発分離するためのバーナ15に接続した燃料管に設けた燃料調整弁、16〜19は閉回路3を循環しているR−134aの温度を検出するための温度センサであり、温度センサ16と17は熱交換器2の出入口部に、温度センサ18と19は熱交換器5の出口部に、それぞれ設けられている。
【0021】
また、室外機1には室外制御装置20を、室内機4には室内制御装置21を設けてある。そして、室外制御装置20は、暖房運転中は温度センサ16が検出するR−134aの温度、すなわち熱交換器2で加熱作用を受けて蒸発し、気相管6に吐出するR−134aの温度が所定温度、例えば55℃になるように、燃料調整弁14の開度を調節する機能を備え、冷房運転中は温度センサ17が検出するR−134aの温度、すなわち熱交換器2で冷却作用を受けて凝縮し、液相管6に吐出するR−134aの温度が所定温度、例えば7℃になるように燃料調整弁14の開度を調節する機能を備えており、室内制御装置21は、暖房運転中は温度センサ18が検出するR−134aの温度、すなわち熱交換器5を介して暖房作用を行って凝縮し、温度低下して液相管6に吐出するR−134aの温度が所定温度、例えば50℃になるように流量制御弁8の開度を調節する機能を備え、冷房運転中は温度センサ19が検出するR−134aの温度、すなわち熱交換器5を介して冷房作用を行って蒸発し、温度上昇して気相管7に吐出するR−134aの温度が所定温度、例えば12℃になるように流量制御弁8の開度を調節する機能を備えている。
【0022】
また、室内制御装置21と通信可能で、冷暖房の指定、運転の開始と停止、送風の強弱選択、温度設定などが行えるリモコン22を各室内機4に対応して設置してある。
【0023】
そして、室外機1においては、暖房モードでの運転中に燃料調整弁14の開度を大きくし、バーナ15に供給する燃料を増やして火力を増加すると、図示しない吸収液から蒸発分離する冷媒の量が増加する。この増加した冷媒蒸気と、加熱されて冷媒を蒸発分離した吸収液とが、熱交換器2の周囲に供給され、熱交換器2内を流れるR−134aに放熱するので、熱交換器2内を流れるR−134aを加熱する機能が強化され、流量が同じであればその温度上昇幅が拡大する。逆に、燃料調整弁14の開度を小さくしてバーナ15の火力を減じると、熱交換器2内を流れるR−134aを加熱する機能が弱まり、その温度上昇幅は縮小する。一方、冷房モードでの運転中に燃料調整弁14の開度を大きくし、バーナ15に供給する燃料を増やして火力を増加すると、図示しない吸収液から蒸発分離する冷媒の量が増加する。この増加した冷媒蒸気が、図示しない凝縮器で放熱して凝縮し、液体となって熱交換器2の周囲に供給され、熱交換器2内を流れるR−134aから熱を奪って蒸発するので、熱交換器2内を流れるR−134aを冷却する機能が強化され、流量が同じであればその温度低下幅が拡大する。逆に、燃料調整弁14の開度を小さくしてバーナ15の火力を減じると、熱交換器2内を流れるR−134aを冷却する機能が弱まり、その温度低下幅は縮小する。
【0024】
一方、室内機4においては、流量制御弁8の開度が同じであれば、空調負荷が大きいほど温度センサ18と19が検出するR−134aの温度差は拡大し、空調負荷が小さいほど前記温度差は縮小する。
【0025】
次に、閉回路3に封入したR−134aの循環サイクルを説明すると、暖房運転は室外制御装置20が出力する制御信号に基づいて、開閉弁11が閉弁し、電動ポンプ10を起動して行われる。そして、室外機1では前記のようにして温熱が発生しており、この温熱によってR−134aが熱交換器2の管壁を介して加熱され、蒸発して気相管に吐出し、室内機4の各熱交換器5に所定温度、例えば55℃で供給される。
【0026】
各室内機4においては、送風機13によって温度の低い室内空気が熱交換器5に強制的に供給されているので、室外機1から55℃で供給された気体のR−134aは室内空気に放熱して凝縮し、暖房作用を行なう。
【0027】
そして、凝縮して液体となったR−134aは、レシーバタンク9に溜り、電動ポンプ10によって室外機1の熱交換器2に液相管6を通って送られる。
【0028】
このR−134aの循環において、ある室内機4における暖房負荷が増加(または減少)し、その室内機4の温度センサ18が検出するR−134aの温度が低下(または上昇)すると、その温度低下(または温度上昇)が解消するように、その室内制御装置21からの制御信号を受けて該当する流量制御弁8の開度が増加(または減少)し、暖房負荷が増加した室内機4の熱交換器5に流入するR−134aの量が増加(または減少)するので、その温度センサ1が検出するR−134aの温度低下(または上昇)はその内解消する。
【0029】
そして、暖房負荷の変動に起因する、温度が変化したR−134aが室外機1に流入したり、室外機1に流入するR−134aの流量が変化して、温度センサ17が検出するR−134aの温度に変化が生じると、その変化を解消するように、燃料調整弁14の開度を室外制御装置20により制御する。
【0030】
しかし、暖房運転を開始する際には冷えた閉回路3内でR−134aが多量に凝縮し、循環するR−134aが不足して十分な暖房作用が発揮されないことが多いし、運転中も閉回路3の冷えた部分でR−134aが凝縮し、循環するR−134aが不足して十分な暖房作用が発揮されないことが起こるので、流量制御弁8の開度を例えば図2に示したように制御する。
【0031】
すなわち、暖房運転が指示されると、ステップS1において全ての室内機4における流量制御弁8を全開する。続いて、ステップS2に移行し、レシーバタンク9に溜っているR−134aの量を液面センサ12によって検出する。そして、ステップS3においてレシーバタンク9に溜っているR−134aの量が十分か否かを判定し、十分であると判定されたときにはステップS4に移行して、流量制御弁8の開度を暖房負荷、具体的には温度センサ18が検出するR−134aの温度に基づいて制御し、不足していると判定されたときにはステップ5に移行して、流量制御弁8が全開であるか否かを判定する。そして、流量制御弁8が全開の場合はステップS2に戻り、全開でない場合はステップS1に戻る。
【0032】
流量制御弁8を上記のように制御することによって、閉回路3にR−134aが多量に凝縮して寝込んでいたり、寝込み始めると、凝縮液は室外機1の熱交換器2で加熱されて蒸発したR−134aの蒸気圧により、その都度全開する流量制御弁8を経由して液相管6に押し出され、レシーバタンク9に溜り、電動ポンプ10によって室外機1に戻されるので、循環するR−134aの量は速やかに増加し、これにより暖房性能の早期回復が図られる。
【0033】
なお、開閉弁11を開弁し、電動ポンプ10の運転を停止した状態で行う冷房運転時におけるR−134aの循環サイクルを説明しておくと、室外機1では前記のようにして冷熱が発生しており、この冷熱によってR−134aが熱交換器2の管壁を介して冷却され、凝縮して液相管6に吐出し、開閉弁11・流量制御弁8を介して室内機4に所定温度、例えば7℃で供給される。
【0034】
各室内機4においては、送風機13によって温度の高い室内空気が熱交換器5に強制的に供給されているので、室外機1から7℃で供給された液体のR−134aは室内空気から熱を奪って蒸発し、冷房作用を行なう。
【0035】
そして、気体となったR−134aは、冷却されて凝縮・液化し、低圧になっている室外機1の熱交換器2に気相管7を通って流入すると云った循環が自然に起こる。
【0036】
このR−134aの循環において、ある室内機4における冷房負荷が増加(または減少)し、その室内機4の温度センサ19が検出するR−134aの温度が上昇(または低下)すると、その温度上昇(または温度低下)が解消するように、その室内制御装置21からの制御信号を受けて該当する流量制御弁8の開度が増加(または減少)し、冷房負荷が増加した室内機4の熱交換器5に流入するR−134aの量が増加(または減少)するので、その温度センサ19が検出するR−134aの温度上昇(または低下)はその内解消する。
【0037】
そして、冷房負荷の変動に起因する、温度が変化したR−134aが室外機1に流入したり、室外機1に流入するR−134aの流量が変化して、温度センサ17が検出するR−134aの温度に変化が生じると、その変化を解消するように、燃料調整弁14の開度を室外制御装置20により制御する。
【0038】
なお、空調装置としては、図1に破線で示したように、レシーバタンク23と冷房用補助ポンプとしての電動ポンプ24とを液相管6に設置した構成であっても良い。このようの構成の空調装置では、冷房運転ではR−134aの液体と気体の比重差に加えて電動ポンプ24による搬送力が作用するので、室内機4の一部を室外機1より高いフロアや同じフロアに設置することができる。
【0039】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の冷房運転開始方法を、図3に基づいて説明する。図3に示した構成の空調装置は、前記図1に破線で示したレシーバタンク23と電動ポンプ24とを備えると共に、電動ポンプ10の吐出側を開閉弁25を介してレシーバタンク23の流入側に連結し、さらに液相管6と気相管7の上下方向に配管された縦引き配管からそれぞれに水平方向に延設された液相管6と気相管7の横引き配管の終端側同士を開閉弁26を介して連結したものであり、暖房は開閉弁11を閉弁、開閉弁25を開弁し、電動ポンプ24を停止、電動ポンプ10を起動して行われ、冷房は開閉弁11を開弁、開閉弁25を閉弁し、電動ポンプ10を停止、電動ポンプ24を起動して行われるので、暖房運転においても冷房運転においても、開閉弁26を閉弁しておけば閉回路3内のR−134aは前記第1の実施形態の場合と同じように循環する。
【0040】
なお、この構成の空調装置は、暖房運転時に電動ポンプ10が室外機1に向けて搬送するR−134aが電動ポンプ24を経由しないので、図1に示した構成の空調装置に比べて搬送抵抗が小さいと云った利点がある。
【0041】
そして、この構成の空調装置の暖房運転においては、開閉弁26を例えば図4に示したように制御する。
【0042】
すなわち、暖房運転が指示されると、ステップS11において全ての開閉弁26を開弁する。続いて、ステップS12に移行し、レシーバタンク9に溜っているR−134aの量を液面センサ12によって検出する。そして、ステップS13においてレシーバタンク9に溜っているR−134aの量が十分であるか否かを判定し、十分あると判定されたときにはステップS14に移行して開閉弁26を閉弁し、不足していると判定されたときにはステップS15に移行して開閉弁26が開弁中であるか否かを判定する。そして、流量制御弁8が開弁中の場合はステップS12に戻り、閉弁中の場合はステップS11に戻る。
【0043】
開閉弁26の上記制御によっても、閉回路3にR−134aが多量に凝縮して寝込んでいたり、寝込み始めると、凝縮液は室外機1の熱交換器2で加熱されて蒸発したR−134aの蒸気圧によって、その都度開弁する開閉弁26を経由して液相管6に押し出され、レシーバタンク9に溜り、電動ポンプ10によって室外機1に戻されるので、循環するR−134aの量は速やかに増加する。したがって、暖房性能の早期回復が図れる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0045】
例えば、温度センサ18・19は、熱交換器5に吹き付ける室内空気の温度変化が検出できるように設置したり、温度センサ18・19に代えて、熱交換器5の出入口部におけるR−134aの圧力差が検出できる圧力センサを設置して、室内制御装置21に空調負荷として出力するように構成することもできる。
【0046】
なお、閉回路3に封入する相変化可能な流体としては、R−134aの他にも、温度と圧力の制御によって容易に相変化するR−407c、R−404A、R−410cなどであっても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、暖房運転の開始時に閉回路内で相変化可能な流体が多量に凝縮して寝込んでいたり、運転中に寝込み始めると、凝縮液は室外機で加熱されて蒸発した流体の蒸気圧により、その都度全開する流量制御弁か、開弁する開閉弁を経由して液相管に押し出され、液相管に介在するレシーバタンク内に溜ってポンプによ室外機に戻されるので、循環する流体の量は速やかに増加し、これにより暖房性能の早期回復が図られる。
【0048】
したがって、閉回路には従来のように寝込み量を想定して余分に充填する必要がないので、経済性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における装置構成の説明図である。
【図2】第1の実施形態における制御の説明図である。
【図3】第2の実施形態における装置構成の説明図である。
【図4】第2の実施形態における制御の説明図である。
【図5】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 室外機
2 熱交換器
3 閉回路
4 室内機
5 熱交換器
6 液相管
7 気相管
8 流量制御
9 レシーバタンク
10 電動ポンプ
11 開閉弁
12 液面センサ
13 送風機
14 燃料調整弁
15 バーナ
16〜19 温度センサ
20 室外制御装置
21 室内制御装置
22 リモコン
23 レシーバタンク
24 電動ポンプ
25・26 開閉弁

Claims (4)

  1. 室外機と、全数もしくは過半数が室外機より下方に設置された複数の室内機との間を、気相管と、低位にレシーバタンクおよびポンプを備えた液相管とで連結し、室外機で吸熱して蒸発した気体を室内機に導入して放熱・凝縮させ、この凝縮して前記レシーバタンク内に溜った液体を前記ポンプの吐出力によって室外機に戻し、各室内機において暖房可能に構成した空調装置において、暖房運転中に前記レシーバタンク内の液体が所定量以下になったときに、室内機毎に設置して該室内機に供給する気体の流量を調整する流量制御弁を全開して運転を継続し、その後暖房負荷に見合った開度に流量制御弁の開度を制御することを特徴とする空調装置の運転制御方法。
  2. 室外機と、全数もしくは過半数が室外機より下方に設置された複数の室内機との間を、気相管と、低位にレシーバタンクおよびポンプを備えた液相管とで連結し、室外機で吸熱して蒸発した気体を室内機に導入して放熱・凝縮させ、この凝縮して前記レシーバタンク内に溜った液体を前記ポンプの吐出力によって室外機に戻し、各室内機において暖房可能に構成した空調装置において、気相管と液相管の縦引き配管部からそれぞれに延設され、各室内機に至る横引き配管部の終端側同士を開閉弁を介して連結し、暖房運転中に前記レシーバタンク内の液体が所定量以下になったときに、前記開閉弁を開いて運転を継続し、その後前記開閉弁を閉じることを特徴とする空調装置の運転制御方法。
  3. 流量制御弁を全開して暖房運転を開始し、その後暖房負荷に見合った開度に流量制御弁の開度を制御することを特徴とする請求項1記載の空調装置の運転制御方法。
  4. 開閉弁を開いて暖房運転を開始し、その後閉じて運転を継続することを特徴とする請求項2記載の空調装置の運転制御方法。
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