JP3604446B2 - ブレーキ付モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ブレーキ付モータに関し、特に、前蓋及び前側軸受と電磁ブレーキとの間に空気流路を設け、前側軸受からのグリース洩れを防止するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のブレーキ付モータとしては、図5に示す構成が一般に採用されていた。
すなわち、図5において符号1で示されるものはケース2にボルト3を介して固定された前蓋であり、この前蓋1の前孔4には、オイルシール5及び前側軸受6を介して、ロータ7を有する回転軸8が回転自在に設けられている。前記前側軸受6の内輪6aは回転軸8に結合し、その外輪6bは前蓋1に結合している。前記前蓋1の裏面には、円板状をなし励磁コイル9及びガイドピン50を介して作動自在な励磁板10を有する電磁ブレーキ11が固定ボルト12を介して固定されており、この前蓋1と電磁ブレーキ11とは密接に当接していると共に、この電磁ブレーキ11の内面と回転軸8の周面との間には空隙13が形成されている。
前記回転軸8のロータ7の手前位置には、ブレーキハブ14を介してブレーキディスク15が一体状に設けられており、このブレーキディスク15は常に固定され、励磁板10が図示しないばねを介してブレーキディスク15に当接し、励磁コイル9をオンとした時に励磁板10がブレーキディスク15から離れて電磁ブレーキ11に吸引されて回転軸8が回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブレーキ付モータは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、回転軸が回転すると同時にデレーキディスクも回転し、このブレーキディスクの回転によって空気の流れが発生して吸引作用が図5の点線で示される方向に作用する。そのため、オイルシール及び前側軸受を介して外部から吸引された空気の流れは、電磁ブレーキと回転軸間の空隙を介して流れるため、前側軸受内のオイルが吸引されてモータ内に洩出し、ブレーキディスクの滑りや前側軸受の焼き付きが発生することになっていた。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、前蓋及び前側軸受と電磁ブレーキとの間に空気流路を設け、前側軸受からのグリース洩れを防止するようにしたブレーキ付ヒータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるブレーキ付モータは、回転軸を保持する前側軸受の外輪を前蓋と電磁ブレーキとによって挟んで固定すると共に、前記回転軸に設けたブレーキディスクを有するようにしたブレーキ付モータにおいて、前記電磁ブレーキの前記前蓋側に形成した溝を有し、前記前蓋及び前側軸受と前記電磁ブレーキとの間に空気が流れる空気流路を前記溝で形成する構成である。
【0006】
さらに詳細には、前記溝は、放射状でかつ複数形成されている構成である。
【0007】
本発明によるブレーキ付モータは、回転軸を保持する前側軸受の外輪を前蓋と電磁ブレーキとによって挟んで固定すると共に、前記回転軸に設けたブレーキディスクを有するようにしたブレーキ付モータにおいて、前記電磁ブレーキと前記前蓋との間に複数の間座を設け、前記各間座間並びに前記電磁ブレーキと前記前蓋及び前側軸受間に空気が流れる空気流路を有する構成である。
【0008】
【作用】
本発明によるブレーキ付モータにおいては、前蓋及び前側軸受と電磁ブレーキとの間に空気流路が形成されているため、ブレーキディスクが回転した時に発生する吸引された空気流は、前側軸受から吸引されず、前側軸受及び前蓋と電磁ブレーキ間の空気流路を経て空気を吸引するため、前側軸受内のグリースが従来構成のようにモータ内に飛散することはなく、前側軸受の焼付きやブレーキディスクの滑りの発生を防止することができる。
【0009】
【実施例】
以下、図面と共に本発明によるブレーキ付モータの好適な実施例について詳細に説明する。なお、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。図1において符号1で示されるものはケース2にボルト3を介して固定された前蓋であり、この前蓋1の前孔4には、オイルシール5及び前側軸受6を介して、ロータ7を有する回転軸8が回転自在に設けられている。前記前側軸受6の内輪6aは回転軸8に結合し、その外輪6bは前蓋1に結合している。前記前蓋1の裏面には、円板状をなし励磁コイル9及び励磁板10を有する電磁ブレーキ11が固定ボルト12を介して固定されており、この前蓋1と電磁ブレーキ11とは密接に当接していると共に、この電磁ブレーキ11の内面と回転軸8の周面との間には空隙13が形成されている。
【0010】
前記回転軸8のロータ7の手前位置には、ブレーキハブ14を介してブレーキディスク15が一体状に設けられており、このブレーキディスク15は常に固定され、励磁板10が図示しないばねを介してブレーキディスク15に当接し、励磁コイル9をオンとした時に励磁板10がブレーキディスク15から離れて電磁ブレーキ11に吸引されて回転軸8が回転する。
前記電磁ブレーキ11の前記前蓋1側の前面11aには、1個又は複数の溝30が形成され、この溝30によって前記前側軸受6及び前蓋1との間に空気が流れる空気流路31が前記空隙13と連通して形成されている。なお、この空隙13を用いることなく、電磁ブレーキ11に形成した貫通孔(図示せず)を用いて同一作用を得るようにすることもできる。
【0011】
さらに、図4で示す構成は、前述の図1から図3で示す実施例の他の実施例を示すものであり、前記前蓋1及び前側軸受6と電磁ブレーキ11との間に、複数(本実施例では3個)の間座40を円周方向において間隔をあけて配置されていることにより、各間座40間に前述の実施例と同様の空気流路31が形成されている。
【0012】
次に、動作について説明する。まず、電源を投入することによって、励磁コイル9もオンとなり、励磁板10がばね(図示せず)に抗して点線から実線で示すように吸引されブレーキディスク15がフリーとなって回転軸8が回転すると、同時に回転するブレーキディスク15によって吸引力が発生し、図1の点線矢印に示すような空隙流が発生するが、従来のように前側軸受6を介してオイルシール5側から空気を吸込むのではなく、前記空気流路31及び空隙13を介して空気を吸引するため、前側軸受6内のグリース等がモータ内に飛散することはなく、前側軸受6の焼付きやブレーキディスク15の滑りの発生を防止することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によるブレーキ付モータは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、前蓋及び前側軸受と電磁ブレーキとの間に溝又は間座による空気流路が形成され、この空気流路から空気を吸引するため、従来のようにオイルシール及び前側軸受から空気を吸引することがなく、グリースの吸い込みによるモータ内へのグリースの飛散及びブレーキディスクの滑り等を防止し、信頼性の高いブレーキ付モータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブレーキ付モータを示す要部の断面図である。
【図2】図1の要部の側面図である、
【図3】図1の要部の断面図である。
【図4】他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来のブレーキ付モータを示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1 前蓋
6b 外輪
6 前側軸受
8 回転軸
11 電磁ブレーキ
15 ブレーキディスク
30 溝
31 空気流路
40 間座

Claims (3)

  1. 回転軸(8)を保持する前側軸受(6)の外輪(6b)を前蓋(1)と電磁ブレーキ(11)とによって挟んで固定すると共に、前記回転軸(8)に設けたブレーキディスク(15)を有するようにしたブレーキ付モータにおいて、前記電磁ブレーキ(11)の前記前蓋(1)側に形成した溝(30)を有し、前記前蓋(1)及び前側軸受(6)と前記電磁ブレーキ(11)との間に空気が流れる空気流路(31)を前記溝(30)で形成することを特徴とするブレーキ付モータ。
  2. 前記溝(30)は、放射状でかつ複数形成されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ付モータ。
  3. 回転軸(8)を保持する前側軸受(6)の外輪(6b)を前蓋(1)と電磁ブレーキ(11)とによって挟んで固定すると共に、前記回転軸(8)に設けたブレーキディスク(15)を有するようにしたブレーキ付モータにおいて、前記電磁ブレーキ(11)と前記前蓋(1)との間に複数の間座(40)を設け、前記各間座(40)間並びに前記電磁ブレーキ(11)と前記前蓋(1)及び前側軸受(6)間に空気が流れる空気流路(31)を有することを特徴とするブレーキ付モータ。
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