JP3604228B2 - 真空排気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空排気装置に関し、特に、10−1Pa以下の到達圧力を必要とする真空排気装置に適した、高い排気性能を有するクライオターボの改良構造、および当該改良構造をさらに発展させた構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空排気すべき室(以下「真空排気室」という)を10−1Pa以下の圧力に減圧すると、当該真空排気室の壁面に付着していたガス分子、すなわち主に水分子が真空排気室の内部に放出される。従って、真空排気室を10−1Pa以下の圧力により短時間に真空排気するためには、水分子に対する排気速度が大きい真空ポンプを用いることが必要となる。
【0003】
10−1Pa以下の圧力まで真空排気を行える装置の真空ポンプには、一般的に、クライオポンプまたはターボ分子ポンプが使用される。
【0004】
上記の2つのポンプには、各々の排気原理に由来する利点と欠点が存在する。クライオポンプでは、水分子に対する排気速度が大きいという利点がある反面、ため込み式の真空ポンプであるので、ある時点でため込んだ気体を再放出してリフレッシュしてやらなければならず、長期間連続して使用し続けることはできないという欠点を有する。またターボ分子ポンプでは、気体輸送式の真空ポンプであるので、長期間連続使用できる利点を有する反面、水分子に対する排気速度がクライオポンプに劣るという欠点を有する。
【0005】
そこで、真空排気装置の真空ポンプとして、上記のクライオポンプとターボ分子ポンプの各々の欠点を補った、図9に示すようなクライオターボと呼ばれる複合型の真空ポンプが使用される場合もある。
【0006】
上記の複合型真空ポンプでは、真空容器50の内部空間である真空排気室51の排気口部52にターボ分子ポンプ53を取り付ける。ターボ分子ポンプ53はニップル54を介して排気口部52に取り付けられ、従って、ターボ分子ポンプ53は、ニップル54の下流側に取り付けられる。ニップル54の内部には、約55Kから160K程度の温度に冷却された筒型冷却パネル55が備えられる。かかる構成において、水分子の排気は主に筒型冷却パネル55で行われ、その他の気体はターボ分子ポンプ53により排気される。従って、水分子に対する排気速度を向上させると共に、長期間連続使用可能な真空ポンプが実現される。
【0007】
なお筒型冷却パネル55は、例えばニップル54に取り付けられた冷凍機56により所定の温度に冷却される。また57は排気口部52に設けられる例えば円板状の仕切り弁、58は補助ポンプである。
【0008】
また、別の従来装置の構成を図10に示す。図10において、図9で説明した要素と実質的に同一のものには同一の符号を付している。この装置構成では、前述したものと同様な冷却パネル55を真空排気室51の内部に設けた構造となっている。この装置によっても、水分子の排気は冷却パネル55で行い、水分子の排気速度を大きくすることと、ターボ分子ポンプ53による長期間連続使用できることを両立させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来装置の各々では、次のような問題が提起される。
【0010】
図9の従来装置では、ターボ分子ポンプ53の上流側に水分子捕獲用の冷却パネル55を設けたため、この部分のコンダクタンスが低下し、本来ターボ分子ポンプ53が持っている排気速度等の性能が充分に発揮できなくなるという問題がある。
【0011】
また図10の従来装置では、ターボ分子ポンプ53の排気性能を阻害するようなことはないものの、真空排気室51を大気開放する場合に、真空排気室内を大気側と同じ条件とすることから、冷却パネル55を常温まで昇温しなければならず、真空排気室51を大気開放するのに時間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明の主たる目的は、上記の課題を解決することにあり、真空排気室を排気する真空ポンプとしてターボ分子ポンプやクライオポンプを使用し、到達圧力が10−1Pa以下である真空排気装置において、真空排気室の大気開放を自由に行えると共に、真空ポンプの実質的な排気性能を低下させることなく水分子に対する排気性能を向上させた真空排気装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、ターボ分子ポンプを使用せずクライオポンプを使用する真空排気装置においても、当該クライオポンプの冷凍機と、真空排気室の開口部に備えられた弁部材の構造とを組み合わせ、上記目的に記載された同様な排気性能を達成することができる真空排気装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る真空排気装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0015】
真空排気室を排気する真空ポンプとしてターボ分子ポンプを備え、到達圧力が10−1Pa以下である真空排気装置であって、真空排気室の排気口に、ターボ分子ポンプ側に水分子を排気するのに適した温度に冷却された冷却パネルを設けかつ真空排気室側に常温の弁体部を設けた弁部材(以下「クライオ弁体」という)を備え、このクライオ弁体は真空排気室の排気動作を制御する仕切り弁として開閉動作するように構成される。かかる構成において、ターボ分子ポンプの代わりにクライオポンプを使用することも可能である。
【0016】
本発明に係る真空排気装置では、真空排気室の排気口に仕切り弁として上記構造を有するクライオ弁体を装着した。従って、当該クライオ弁体を閉じる場合、真空排気室側に面する弁体部は常温であるので、真空排気室を大気開放する場合における冷却パネルの昇温に起因する従来の問題が解消される。また真空排気室を排気する場合、クライオ弁体を排気位置に変位させると、真空排気室と真空ポンプの間を、排気性能を損なわない望ましいコンダクタンスとなるように開放することができる。この状態でターボ分子ポンプ等によって真空排気室の排気を行うと、水分子に対して高い排気能力を持つ冷却パネルが真空排気室内に露出し、そのため、ターボ分子ポンプ等の排気能力に相乗的に作用し、水分子に対する排気速度を大きくすることができる。またクライオ弁体の外形は、従来の仕切り弁に比較して、著しく大きくするものではないので、真空排気装置に対する形状的な制約を大きくするものではない。さらに、ターボ分子ポンプ等の上流側のコンダクタンスを低下させ、真空ポンプの排気性能を低下させることはない。
【0017】
上記の構成において、冷却パネルの冷却温度は、水が凝縮しかつ他の気体が凝縮しない温度であることが好ましい。さらに、他の気体が窒素や酸素やアルゴンである場合には、冷却パネルの冷却温度は55〜160Kの範囲に含まれる温度であることが好ましい。この温度範囲は、他の気体の種類に応じて変更し得るものである。この構成では、他の気体の排気性能を低下させることなく、水の排気性能を高く維持することができる。
【0018】
上記の構成において、好ましくは、クライオ弁体は摺動機構等の位置変位機構で移動自在に支持され、この位置変位機構は、クライオ弁体を密閉位置と排気位置のうちのいずれかに変位させるように構成される。摺動機構によってクライオ弁体が上下動する場合には、密閉位置は下限位置であり、排気位置は最も開放された上限位置あるいはその任意の中間位置である。クライオ弁体を適切な排気位置に設置できるようにすることによって、排気時に最適なコンダクタンスを設定するすることができる。
【0019】
上記の構成において、好ましくは、クライオ弁体は真空排気室内に設けられ、上記の排気位置は真空排気室内に設定される。
【0020】
上記の構成において、冷却パネルは伝熱部材を介して冷凍手段に接続されるように構成される。冷凍手段は真空排気室の外側に配置されることが好ましい。冷凍手段の一例としてはよく知られた冷凍機であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
上記の構成において、伝熱部材は、好ましくは、変形自在性を有する部材、または剛性を有する部材で形成される。かかる変形自在性を有する伝熱部材によれば、クライオ弁体がその位置を変位させるときに柔軟に対応することができる。またクライオ弁体の構造や動作を適切に変更することによって、伝熱部材として剛性を有するものを用いることができる。
【0022】
上記の構成において、冷却パネルと弁体部は断熱部材で結合され、冷却パネルと弁体部の間に断熱性の空間が形成されることが好ましい。この構成では、冷却パネルと弁体部の各々の温度を望ましい温度状態に保持することができる。
【0023】
真空ポンプとしてクライオポンプが使用される構成において、冷却パネルは、クライオポンプに含まれる冷凍機で冷却されるように構成することもできる。この構成によれば、冷却パネルを冷却するための冷凍機を特別に設ける必要がなくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図3は本発明に係る真空排気装置の第1の実施形態を示す。図1は真空排気装置の概略構成を示す部分縦断面図、図2は図1中の要部を示し、クライオ弁体が気密保持位置(下限の全閉位置)に変位した状態を示す拡大縦断面図、図3はクライオ弁体が望ましい排気位置(例えば上限の全開位置)に変位した状態を示す拡大縦断面図である。
【0026】
図1において、真空容器11は内部空間が真空排気され、その内部に真空排気室が形成される。真空容器11の下壁の例えば中央部には円形の開口部12が形成され、開口部12の外側に真空ポンプ装置部が装備される。開口部12の内側の真空容器内の箇所には弁部材13が設けられる。この弁部材13は、以下の説明では、その構造上の特徴から「クライオ弁体」と呼ぶこととする。クライオ弁体13は開口部12の直径よりも大きな直径を有する仕切り弁部材で、例えばよく知られた摺動機構(図示せず)によって支持され、この摺動機構によって開口部12に対して接近したり(図示例では下動)あるいは離れたり(図示例では上動)するように設けられている。摺動機構はクライオ弁体13の位置を変位させる位置変位機構の一例であり、位置変位機構自体の構成は任意である。図1と図2は、クライオ弁体13が下方に変位し、クライオ弁体13の外周部が、開口部12の周縁部に、当該周縁部に設けたシール部材(Oリング)14を介して接触し、開口部12を閉じた状態を示している。このときクライオ弁体13は下限位置に存在し、密閉状態を作る。他方、図3は、クライオ弁体13は上方に変位し、開口部12を開放している。この図示例では、クライオ弁体13は上限位置に存在し、最も開放された排気位置に設定されている。図3中の距離aは、クライオ弁体13の摺動範囲である。なお、クライオ弁体13の排気位置は、上限位置に限定されない。中間的な開放状態である位置であっても排気位置として用いることもできる。
【0027】
クライオ弁体13は、所要の厚みの円盤形態を有する弁体部15と、この弁体部15の、開口部12側の表面(図中、下面)に形成された円形凹所15aの内部に配置された冷却パネル16とから構成される。当該凹所15aの直径は開口部12の直径とほぼ等しい。冷却パネル16は、銅等の熱伝導良好な物質により形成され、断熱材で作られた冷却パネル保持体17を介して弁体部15に固定される。凹所15aに固定された冷却パネル16は、弁体部15の下面から突出することなく、凹所15a内に収容される。弁体部15と冷却パネル16の間には、相対的に狭い空間が形成される。
【0028】
真空容器11の下側に設けられる真空ポンプ装置部は、開口部12の下側周縁部に取り付けられた冷凍機取付け用のニップル18と、このニップル18の下部に固定されるターボ分子ポンプ19と、ニップル18の筒状の側方突起部18aに取り付けられた冷却パネル用冷凍機20と、ドライポンプや油回転ポンプ等の補助ポンプ24とから構成される。真空容器11とニップル18との間、ニップル18の側方突起部18aと冷凍機20との間には、それぞれ、シール部材21,22が介設される。冷凍機20の先部20aは、側方突起部18aの内部スペースを通ってニップル18の内部空間まで延びている。
【0029】
上記クライオ弁体13の冷却パネル16は、伝熱部材23によって冷凍機20の上記先部20aに接続される。冷却パネル16と冷凍機20とは、伝熱部材23によって熱接触が良好な状態に保たれる。この伝熱部材23は、例えば銅製繊維を用いて作られ、熱伝導が良好で、かつクライオ弁体13の上下の位置変位に対して十分に対応できる長さと自由度を持っている。伝熱部材23は、クライオ弁体13の位置に応じて自由に変形するという変形自由性を有している。伝熱部材23の状態に関し、図1と図2では最も撓んだ状態を示し、図3では最も延びた状態を示している。
【0030】
上記真空容器11において、その内部空間を真空排気する必要がないときには、図1または図2に示すように、クライオ弁体13は下限位置にあり、弁体部15がシール部材14に接触して開口部12を閉じ、これにより真空容器11と真空ポンプ装置部との間は気密に保持される。他方、真空容器11の内部空間を真空排気する必要がある場合には、クライオ弁体1は例えば摺動機構によって所定の上方位置(望ましくは上限位置)まで変位され、これによって開口部12が開かれ、真空容器11の内部空間すなわち真空排気室がターボ分子ポンプ19等によって真空排気される。
【0031】
冷却パネル保持体17で結合された冷却パネル16と弁体部15の間の空間部は、真空容器11の内部を真空排気するときには当然真空となる。またクライオ弁体13が閉じた状態では、当該空間部は、ターボ分子ポンプ19等により排気されて真空となっているため、真空断熱部として作用する。従って、冷凍機20と伝熱部材23の作用で冷却パネル16を例えば55〜160Kの温度に冷却しても、真空断熱部として働く上記空間部によって弁体部15を常温を保つことが可能である。
【0032】
冷凍機20によって冷却パネル16をどの程度の低温に冷却すべきかということについては、他の気体が例えば窒素、酸素、アルゴン等である場合には、次のように設定することが望ましい。
【0033】
160Kにおける水の平衡蒸気圧は10−4Pa程度であり、真空排気装置として10−4Pa程度の圧力に到達することが必要なものであれば、冷却パネル16の温度は160K以下でよい。しかしながら、実際には、10−4Paよりもさらに低い圧力を必要とする場合が多い。このような場合を想定すると、冷却パネル16の温度は、水の平衡蒸気圧が10−9Pa以下となる120K以下とすることが望ましい。
【0034】
また、冷却パネル16に水以外の気体が凝縮すると、凝縮した気体の固有の平衡蒸気圧特性に基づく、冷却パネル16の温度でのその気体の平衡蒸気圧によって、真空容器11の内部圧力が決定される。それ故に、冷却パネル16の温度は、水以外の気体が凝縮しないようにする、すなわち、例えば、通常主に排気される気体であるところの窒素や酸素やアルゴン等の気体が凝縮しないようにするため、それらの平衡蒸気圧が100Pa以上となる55K以上の温度に設定する必要がある。
【0035】
さらに、通常、真空容器の内部を真空排気する場合には、まず最初に、油回転ポンプやドライポンプ等の粗引きポンプ(上記の補助ポンプ24に対応)によって10Paから数10Paまで粗引き排気を行い、その後に、仕切り弁を開いて、ターボ分子ポンプやクライオポンプによって真空排気を行う。このことを本実施形態について述べれば、真空容器11の内部空間は補助ポンプ24で10Paから数10Paまで粗引き排気され、その後に、クライオ弁体13を開いて、ターボ分子ポンプ19によって真空排気が行われる。従って、クライオ弁体13を開くと、その冷却パネル16は、10から数10Paの圧力の真空容器11の内部空間に変位することになる。このとき、真空容器11の内部空間内に存在する気体の分圧が、冷却パネル16の温度におけるその気体の平衡蒸気圧より高いと、冷却パネル16にその気体が凝縮することになる。このため、冷却パネル16の温度は、主に排気する気体の平衡蒸気圧が10から数10Paよりも高い圧力であること、例えば100Pa以上の圧力であることを基準として、55K以上とする必要がある。
【0036】
上記の説明で明らかなように、クライオ弁体13に設けられた冷却パネル16が水分子のみを有効に排気するようにするためには、その温度を55〜120Kの範囲に含まれる温度に保つことが必要である。また、真空排気装置の圧力条件が10−4Pa程度である場合であって、他の気体が通常主に排気される気体であるところの窒素や酸素やアルゴン等である場合には、55〜160Kの範囲に含まれる温度であることが好ましい。かかる温度範囲は、他の気体の種類に応じて変化し得るものである。
【0037】
上記構成を有する真空排気装置によれば、仕切り弁であるクライオ弁体13が排気位置である例えば上限位置に変位したときは、クライオ弁体13の冷却パネル16は、この冷却パネル16の径と同じ吸気口径をもつクライオポンプとほぼ同等の排気速度にて水分子を排気する能力を有することになる。また、その他の気体は、ターボ分子ポンプ19の本来の排気性能を低下させることなく当該ターボ分子ポンプ19により排気される。このため、本実施形態による真空排気装置は、クライオポンプ並の水分子に対する排気性能と、ターボ分子ポンプ本来の排気性能を発揮することができる。
【0038】
次に図4に従って、本発明に係る真空排気装置の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、真空ポンプとしてクライオポンプのみを使用し、前述のクライオ弁体13と組合せて構成しているこのクライオポンプ30の内部構造は一般的なものである。図4において、前記実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0039】
真空容器11の下壁外側には、開口部12に対応させて、クライオポンプ30のポンプ容器31がシール部材32を介して取り付けられる。図中、ポンプ容器31の下壁にはシール部材33を介して冷凍機34が取り付けられ、ポンプ容器31の内部には、冷凍機34の後述する第1冷凍ステージに箇所で支持された、開口部12に対向するルーバ35を備える輻射シールド36が設けられる。冷凍機34の上端部には、さらにクライオコンデンセーションパネル37と、クライオソープションパネル38が取り付けられる。冷凍機34における部分39は第1冷凍ステージ、部分40は第2冷凍ステージである。上記輻射シールド36は、冷凍機34の第1冷凍ステージ39の箇所に良好な熱接触状態で結合されている。
【0040】
その他の構造は、前記第1の実施形態と同じであり、クライオ弁体13は摺動自在に設けられ、冷却パネル16は伝熱部材23を介して輻射シールド36の上縁部に接続される。図4で、クライオ弁体13は上限の排気位置に変位した状態を示す。
【0041】
上記クライオポンプ30の内部構造は前述の通り一般的なものであるが、クライオコンデンセーションパネル37とクライオソープションパネル38は、第2冷凍ステージ40に熱接触良好に接続されており、10〜15K程度の温度に冷却される。クライオコンデンセーションパネル37によって窒素、酸素、アルゴン等の気体を排気し、クライオソープションパネル38によって水素等を排気する。また、輻射シールド36およびルーバ35は、第1冷凍ステージ40に熱接触良好に接続されており、55〜80K程度に冷却される。輻射シールド36とルーバ35は、第2冷凍ステージ40、並びにクライオソープションパネル38およびクライオコンデンセーションパネル37を輻射熱から保護し、さらに、水を排気する。
【0042】
本実施形態では、クライオポンプ30の第1冷凍ステージ39は55〜80K程度に冷却されているため、これに接続される部材すなわち輻射シールド36あるいはルーバ35と、クライオ弁体13の冷却パネル16とを、伝熱部材23で接続することにより、冷却パネル16を冷却するための特別な冷凍機を必要としない。このように、容易な改良で、水に対する排気速度が非常に大きい真空排気装置を実現できる。
【0043】
前述の各実施形態では、クライオ弁体13の冷却パネル16を弁体部15の凹所15a内に設けるようにした。しかし、ターボ分子ポンプ19やクライオポンプ30におけるクライオ弁体13側の構造に余裕がある場合には、図5に示すように、冷却パネル16を弁体部15の下面より突き出た構造で設けることもできる。この構造によれば、クライオ弁体13が排気位置に変位したとき、冷却パネル16への水分子の入射頻度が格段に高くなり、水分子の排気性能がより一層向上する。
【0044】
また上記各実施形態では、真空ポンプ装置部側に冷却パネル16を冷却するための冷凍機を設置しているが、冷凍機を気密構造にしてクライオ弁体13の上側に装着しても同じ効果を得ることができる。
【0045】
さらに、クライオ弁体13に設けた冷却パネル16を冷却する冷凍機として、GMサイクルやJT効果、あるいはパルスチューブ方式等を利用した冷凍機を使用することもできる。また他の冷凍手段として、上記のごとき冷凍機の代わりに、液体窒素等の冷媒を循環するような方式により冷却しても同様の効果を達成できる。
【0046】
また、前述の伝熱部材23の他の変形例を図6〜図8に示す。各図において、(a)は全閉位置の状態、(b)は全開位置の状態を示す。なお各図の構造において、前述の実施形態とは異なり、冷凍機を取り付けるためのニップルを使用しない構造となっている。
【0047】
図6に示す伝熱部材23Aは、クライオ弁体13の動作が全閉と全開の何れかの状態でしか使用しない場合を前提とし、(a)に示す全閉位置、および(b)に示す全開位置で冷凍機に接触するように構成される。
【0048】
図7に示す伝熱部材23Bは、クライオ弁体13の摺動範囲がかなり広く、クライオ弁体13を閉じたときに、前述の銅製繊維で形成された伝熱部材23においてそのたるみが問題となるような場合を前提とし、熱伝導性が良好な金属等を用いて多関節型構造にて構成される。
【0049】
図8に示す伝熱部材23Cは、全体を固定の棒状に形成し、冷凍機20に接続された熱接触良好な滑り保持部材41によって保持されるように構成される。
【0050】
上記の第1の実施形態等では冷凍機20を取り付けるためのニップル18を設けた構造を示したが、ニップルは必須の構造物ではなく、冷凍手段のサイズに応じて、より小型のものを使用したり、または全く設けないようにすることもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、真空排気室の仕切り弁として、真空ポンプ装置部側に水分子を排気するのに適した温度に冷却された冷却パネル、真空排気室側に常温の弁体部を備えたクライオ弁体を設けるようにしたため、真空排気室の大気開放を自由に行えると共に、真空ポンプの排気性能を低下させることなく水分子に対する排気性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空排気装置の第1の実施形態の概略構成を示す部分縦断面図である。
【図2】図1中の要部を示し、クライオ弁体が気密保持位置(下限の全閉位置)に変位した状態を示す拡大縦断面図である。
【図3】クライオ弁体が望ましい排気位置に変位した状態を示す拡大要部縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示し、真空ポンプとしてクライオポンプを使用した図1と同様な図である。
【図5】クライオ弁体の他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図6】伝熱部材の他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図7】伝熱部材のさらなる他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図8】伝熱部材のさらなる他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図9】従来の真空排気装置の例を示す縦断面図である。
【図10】従来の真空排気装置の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 真空容器
12 開口部
13 クライオ弁体
15 弁体部
16 冷却パネル
17 冷却パネル保持体
18 ニップル
19 ターボ分子ポンプ
20 冷凍機
23 伝熱部材
24 補助ポンプ
30 クライオンプ
31 ポンプ容器
34 冷凍機
35 ルーバ
36 輻射シールド
37 クライオコンデンセーションパネル
38 クライオソープションパネル
39 第1冷凍ステージ
41 第2冷凍ステージ

Claims (13)

  1. 真空排気室を排気するターボ分子ポンプを備え、到達圧力が10−1Pa以下である真空排気装置において、
    前記真空排気室の排気口に、前記ターボ分子ポンプの側に水分子を排気するのに適した温度に冷却された冷却パネルを設けかつ前記真空排気室の側に常温の弁体部を設けた弁部材を備え、この弁部材は前記真空排気室の排気動作を制御する仕切り弁として開閉動作することを特徴とする真空排気装置。
  2. 前記ターボ分子ポンプの代わりにクライオポンプが使用されることを特徴とする請求項1記載の真空排気装置。
  3. 前記冷却パネルの冷却温度は、水が凝縮しかつ他の気体が凝縮しない温度であることを特徴とする請求項1または2記載の真空排気装置。
  4. 前記冷却パネルの冷却温度は55〜160Kの範囲に含まれる温度であることを特徴とする請求項3記載の真空排気装置。
  5. 前記弁部材は位置変位機構で移動自在に支持され、この位置変位機構は、前記弁部材を密閉位置と排気位置のうちのいずれかに変位させることを特徴とする請求項1または2記載の真空排気装置。
  6. 前記弁部材は前記真空排気室の内部に設けられ、前記排気位置は前記真空排気室内に設定されることを特徴とする請求項5記載の真空排気装置。
  7. 前記冷却パネルは伝熱部材を介して冷凍手段に接続されることを特徴とする請求項1または2記載の真空排気装置。
  8. 前記冷凍手段は、前記真空排気室の外側に配置されることを特徴とする請求項7記載の真空排気装置。
  9. 前記冷凍手段は冷凍機であること特徴とする請求項7または8記載の真空排気装置
  10. 前記伝熱部材は変形自在性を有する部材で形成されることを特徴とする請求項7記載の真空排気装置。
  11. 前記伝熱部材は剛性を有する部材で形成されることを特徴とする請求項7記載の真空排気装置。
  12. 前記冷却パネルと前記弁体部は断熱部材で結合され、前記冷却パネルと前記弁体部の間に断熱性の空間が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の真空排気装置。
  13. 前記冷却パネルは、前記クライオポンプに含まれる冷凍機で冷却されることを特徴とする請求項2記載の真空排気装置。
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