JP3603580B2 - 電解水洗浄機能付便器システム - Google Patents

電解水洗浄機能付便器システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解水を用いてボール面、トラップ等の便器の各部の防汚及び防臭を行なうための装置を含む便器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
殺菌性物質又はイオンを含む水(例えば次亜塩素酸含有水)を電気分解により生成し、その水(電解水)を用いて便器のボール面やトラップを殺菌することにより、該ボール面やトラップの防汚、防臭を行なう方法及びそのための装置が知られている(例えば国際公開番号WO96/06237参照)。便器のボール面やトラップに供給された電解水は、その後、トラップよりも下流に配設された排水管の中を流れるが、この際に該排水管の内面も電解水により殺菌される。すなわち、電解水を便器のボール面やトラップに流すと、結果として排水管の内面における防汚、防臭効果も高められることになる。以上のように、電解水を便器に供給することにより便器各部の洗浄を行なうことを以下では「電解水洗浄」と呼び、また、そのための装置を「電解水供給装置」と呼ぶことにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電解水供給装置は、例えば、通常の洗浄水を便器に供給するための給水管の途上に電解槽や電磁弁等を配設することによって構成することができる。しかし、このように電解水供給装置を構成しようとすると、場合によっては壁、床、あるいは天井の裏側に敷設された配管系や給電系等に対する工事を行なう必要がある。このような場合、施工に手間がかかるだけでなく、その後のメンテナンス作業も面倒なものとなるおそれがある。一方、室内に給水管の一部が露出している場合は、そこに電解水供給装置を取り付けるようにしてもよく、これにより施工作業を簡単にすることができる。しかし、この場合、電解水供給装置が人目につく場所に設置されることになり、便器周辺の外観が損なわれるおそれがある。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、施工作業やメンテナンス作業に多大な手間やコストをかけることなく利用できるような電解水洗浄機能を備えた便器装置を提供することになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る電解水洗浄機能付便器システムは、
電解用原水を後記電解部へ導入するための原水流路と、
前記原水流路から流入する電解用原水を電気分解して電解水を生成するための電解部と、
前記電解部から流出する電解水を便器の所定箇所へ導くための電解水流路と、を備える電解水供給手段が、前記便器の本体の内部に設けられていること、
を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態及び発明の効果】
上記のように、本発明に係る電解水洗浄機能付便器システム(以下、単に「便器システム」とする)は、原水流路、電解部及び電解水流路を備える電解水供給手段を、便器の本体内部に設けたことを特徴とする。このような便器システムは、電解水供給手段が便器本体とは別に設置された従来の便器システムと比べて、施工作業やメンテナンス作業にかけるべき手間がより少なくて済む。この理由は次のように説明できる。
【0007】
今日では、多くの便器が水洗式となっているため、トイレ室内には便器洗浄水を便器へ供給するための給水系統が既設されていることが多い。また、例えば小便器には、使用者の有無を検出する人体検出センサが備えられているものが多く、これに合わせて、トイレ室内において小便器を設置すべき場所には、商用電源を供給するための給電線等を含む電気系統が既設されていることが多い。このような場所に本発明に係る便器システムを設置する場合、その施工作業において電解水供給手段のために特別に行なうべき作業としては、原水流路を既設の給水系統に接続する作業や、電解部のための給電線や制御線を既設の電気系統と接続する作業だけでよい。このように、本発明に係る便器システムを設置する際、電解水供給手段のためにトイレ室内の壁、床、天井等に対する大がかりな工事を行なう必要はなく、通常の便器システムを設置するのと同程度の手間でこれを設置することができる。また、設置後に内部機構のメンテナンスを行なう場合も、例えば、便器の適宜箇所に設けた蓋を開くだけで容易にその作業を行なうことができる。
【0008】
上記のように便器本体に電解水供給手段を内蔵するには、それをある程度小型化する必要がある。従って、その構成要素の一つである電解部の構成要素(電解槽等)にも、当然に小型のものを使用することが望ましい。
【0009】
ところで、ボール面や排水管内面の全面において十分な殺菌効果を得るには、ある程度大きな瞬間流量で電解水を供給しなければならない。さもないと、ボール面や排水管の内面に電解水を万遍なく供給することができないからである。一方、瞬間流量を大きくすると電解水の濃度はそれに反比例して低下するが、もし濃度が低くなり過ぎると十分な殺菌効果が得られない。以上のことを考えると、電解水供給装置としては、大きな流量で十分に高い濃度の電解水を生成することができるようなものを用いる必要がある。
【0010】
ところが、電解部を小型化するために小型の電解槽を用いると、電解水の生成効率はそれだけ低くなる。すなわち、電極の種類、原水の供給流量、印加電圧の大きさ等が同一であるという条件の下で、大きさの異なる2種の電解槽を用いて電解水を生成した場合、小型の電解槽により生成される電解水の濃度は大型の電解槽により生成される電解水の濃度よりも低い。このように、電解槽を小型化すればするほど、十分に高い濃度の電解水を十分に大きな瞬間流量で供給する、という目的を達することがそれだけ困難になる。
【0011】
このような問題を考慮し、本発明は、上記便器システムの一態様として、上記電解水供給手段が、
上記電解部で生成された電解水を貯留するための貯留部と、
前記貯留部から上記便器の所定箇所へ至る上記電解水流路を開閉するための開閉手段と、
を備えること、を特徴とする便器システムを提供する。
【0012】
この便器システムでは、電解水の生成動作と電解水の供給動作を独立して行なうことにより、たとえ小型の電解槽を用いて電解部を構成しても、高い濃度の電解水を大きな瞬間流量で供給することが可能である。すなわち、電解槽へ原水を供給する流量を小さくすることにより高い濃度の電解水を生成する一方、その電解水を生成後直ちに便器に流さずに一旦貯留部に貯留し、十分な量の電解水が生成された後、開閉手段により電解水流路を開き、貯留部に貯留された全ての電解水を一気に便器の所定箇所に流す、というようにすればよいのである。
【0013】
なお、電解部に用いる電解槽は、連続式電解槽でも貯水式電解槽でもよい。貯水式電解槽を用いる場合は、電解槽自体が貯留部としての役割を果たすため、別途独立した貯留部を設ける必要は必ずしもない。一方、生成される電解水の濃度制御を容易にするには、貯水式電解槽よりも連続式電解槽を用いる方が好ましい。この場合、更に、連続式電解槽として無隔膜型のものを用いれば、電解槽をより小型化することができる。
【0014】
また、本発明は、上記便器システムの別の態様として、上記電解水供給手段が、
上記原水流路上の点である第一の点と上記電解水流路上の点である第二の点とを上記電解部を迂回して連絡する還流路と、
前記第二の点よりも下流において前記電解水流路を開閉するための開閉手段と、
前記第一の点よりも上流における前記原水流路内の液体の逆流を防止するための逆止手段と、
前記開閉手段により前記電解水流路が閉成されているときに前記電解部と前記還流路との間で循環する水流を生成するための循環流生成手段と、
を備えること、を特徴とする便器システムを提供する。
【0015】
この便器システムにおいて、循環流発生手段としては、液体を圧送するために通常に使用されるポンプ等を用いれば良いが、電解水供給手段を全体として小型化することが好ましいということを考慮することが重要である。そこで、例えば、流路の少なくとも一部に弾性材料で作成された管を使用し、その管を外側からチューブポンプで圧迫することにより、内部の水を一定方向に圧送する、という構成とすると良い。
【0016】
このような便器システムにおいて、開閉手段により電解水流路を閉じた状態で循環流発生手段を動作させると、電解部と前記還流路との間を循環する水流が発生する。このように循環する水を電解部で電気分解すると、その水は電解部を繰り返し通過する度毎に電気分解されるため、電気分解により水中に生成される物質又はイオンの濃度は、1回の電気分解による場合よりもはるかに高い値となる。このようにして高濃度の電解生成物質又はイオンを含む電解水を生成した後で、開閉手段により電解水流路を開くと、原水流路から流入する水により前記電解水が下流へ押し流され、便器の所定箇所に供給される。この際、前記高濃度の電解水は、後から流入してきた原水(より正確にはその原水を電気分解して得られた低濃度の電解水)と混合されるため、その濃度が低下するが、先に十分な量の電解生成物質又はイオンを生成しておけば、混合後においても、電解水中の電解生成物質又はイオン濃度を、十分な防汚及び防臭効果が得られる程度に高い値に維持することができる。
【0017】
なお、水を循環させながら繰り返し電気分解することにより高濃度の電解水を生成して便器に流す、という上記行程を複数回繰り返すようにすれば、より高い防汚及び防臭効果が得られるようになる。
【0018】
また、本発明は、上記便器システムの更に別の態様として、上記電解水供給手段が、
上記原水流路内を流れる水に、電気分解により生成しようとする目的物質又はイオンの原料となる物質又はイオンを添加するための原料添加手段、
を備えること、を特徴とする便器システムを提供する。
【0019】
例えば、生成しようとする電解水が次亜塩素酸含有水である場合、「目的物質又はイオンの原料となる物質又はイオン」とは塩素イオンである。従って、この場合、上記原料添加手段は、原水流路中を流れる水の中の塩素イオン濃度を高めるための手段であり、より具体的には、例えば、原水流路中を流れる水に水溶性の塩化物(例えば食塩)を添加する手段である。なお、流水中に塩化物(より正確には塩化物に含まれる塩素成分)を添加する手段としては、例えば、本願と同一の出願人による特開平9−184179号公報に記載のものが利用できる。
【0020】
このような便器システムでは、上記のような原料添加手段を設けたことにより、目的物質又はイオンの原料となる物質又はイオンの濃度が高められた原水が電解部に流入するようになるため、電解部で生成される電解水は目的物質又はイオンを高い濃度で含むものとなる。従って、予め十分な量の原料物質又はイオンを原水に添加するようにすれば、たとえ大きな瞬間流量で原水を電解部に流入させても、そこで生成された電解水に含まれる電解生成物質又はイオンの濃度を、十分な防汚及び防臭効果が得られる程度に高い値に維持することができる。
【0021】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例である小便器システム10を示す斜視図である。この小便器システム10において、小便器12の上部には着脱可能な蓋13が備えられている。蓋13を図のように開くと、その内部には収納空間14が形成されており、ここに電解水供給装置の一部である電解水生成部20が内蔵されている。この小便器システム10において、トイレ室内の壁に設けられた給水口15から供給される水道水は電解水生成部20で電気分解され、生成された電解水は、小便器12の内部に設けられた電解水供給管(図1では図示せず)を通じて小便器12のトラップ部16へ供給される。
【0022】
電解水生成部20で生成された電解水をトラップ部16へ供給するための流路の構成を図2及び図3を参照しながら説明する。ここで、図2は小便器システム10の正面図で、その一部(図面上で小便器12の右上部分及び右下部分)は断面図として描いている。また、図3は小便器12を図2のA−A線で切断して上から見た図である。
【0023】
図2及び図3において、小便器12の側部の内側には縦長の空洞12aがあり、この中に、タンク21が備えられている。このタンク21の上部は開放されている一方、底部には電磁弁22により開閉される液体流出口23が設けられている。タンク21の直上には、電解水生成部20の電解水流出管26の先端が配されている。タンク21の液体流出口23には可撓管24の一端が接続されており、該可撓管24の他端は、トラップ部16の外壁の上部に設けられた液体流入口25に接続されている。
【0024】
電解水生成部20のより詳細な構成及び作用を図4を参照しながら説明する。なお、図4は蓋13を取り外した小便器12を示す平面図である。図4において、給水口15から供給される水(水道水)は取水管27内を流れて止水栓28を通り、定流量弁29に至る。そして、この定流量弁29により流量を一定とされた水を、電磁弁30又は31のいずれか一方を開くことにより、洗浄水供給管32又は連続式電解槽33に流入させる。すなわち、小便器12の内面を通常の方法で洗浄する場合は、電磁弁30のみを開く。これにより、給水口15から供給される水は洗浄水供給管32を流れ、小便器12の内面に設けられたスプレッダノズル34(図2参照)から排出されるようになる。一方、給水口15から供給される水を原料として電解水(例えば次亜塩素酸含有水)を生成する場合には、電磁弁31のみを開く。すると、定流量弁29から連続式電解槽33へ一定流量で水が流入するようになる。このとき、連続式電解槽33の有する図示せぬ電極に電圧を印加すると、連続式電解槽33内を流れる水が電気分解され、電解水が生成される。ここで、水の流量を定流量弁29により適宜制御することにより、生成される電解水中に含まれる電解生成物質又はイオンの濃度を調節することができる。このように生成された電解水は、電解水流出管26を通じてタンク21に貯留される。
【0025】
再び図2において、電解水流出管26から流出する電解水がタンク21に所定量だけ貯留された時点で電磁弁22を開くと、その電解水がタンク21の液体流出口23から流出し、可撓管24内を流れ、液体流入口25からトラップ部16の内部へ流れ込む。
【0026】
なお、3つの電磁弁22、30、31による流路の開閉、定流量弁29による流量調節、連続式電解槽33の電極への電圧印加等、電解水供給装置の各部の動作は、所定のプログラムに従って動作するコントローラ35により制御される。
【0027】
上記のように、小便器システム10では、タンク21を設けたことにより、連続式電解槽33で電解水を生成する動作と電解水をトラップ部16へ流す動作を独立して行なうことができるため、高濃度の電解水を生成し、それを十分に大きな瞬間流量でトラップ部16へ流すことができる。ここで、電解水を十分に大きな瞬間流量で流すための圧力としては、タンク21に貯留された水の水頭圧を利用する。
【0028】
タンク21から流出する電解水の瞬間流量について図5を参照しながら説明する。タンク21の底面に設けられた液体流出口の断面積をA[m]、底面を基準とした液面の高さをh[m]とすると、液体流出口から流出する液体の流量Q[m/sec]は、次式
Q=CA・(2・g・h)1/2
ただし、gは重力加速度、Cは流量係数(水の場合、0.592〜0.68)、
で求められる。いま、電解水の必要量を2[l](実際に普通の小便器のトラップ部を電解水で洗浄する場合にはこの程度の量でよい)、タンク21の底面積を28.2[cm]とすると、液面の高さhは約0.7[m]となる。更に、液体流出口を直径12mmの円とすると、その断面積Aは
A=1.13×10−4[m
となる。これらの値を用いて流量Qを求めると、
Q=0.6×1.13×10−4×(2×9.8×0.7)
=2.5×10−4[m/sec]
=15[l/min]
ただし、C=0.6と仮定、
となる。この流量は、通常の洗浄における洗浄水の流量にほぼ匹敵するものである。従って、タンク21から供給される電解水は、トラップ部16に滞留した汚水をほぼ完全に(99%以上)押し流すことができるだけでなく、更に、トラップ部16の下流にある排水管43の内壁面の全体にまで接触する。かくして、トラップ部16の内面及びその下流の排水管43の内壁面が電解水により十分に殺菌、洗浄されるのである。
【0029】
なお、上記の例では、小便器12の内部の空洞にタンク21を配設するようにしたが、小便器12の製造時に、液体を貯留できるような容器部を本体の一部として一体成形するようにしてもよい。また、上記の例では、水の電気分解は連続式電解槽33で行なうようにしたが、タンク21の内部に電極を配設し、該タンク21内において貯留された水を電気分解するようにしてもよい。
【0030】
図6の別の実施例である小便器システム40のトラップ部付近を示す垂直断面図である。この断面図は、図1の小便器システム10で言えばB−B線における断面図に相当する。
【0031】
小便器システム40は、小便器41のトラップ部42内に突出した排水管43と組み合わせてトラップ構造を形成するための密閉部品44を備えている。密閉部品44は押しバネ45を介してトラップカバー46のハンガ部46aに懸吊されている。排水管43の上端には環状の磁石47が備えられている一方、密閉部品44の、排水管43の上端に対面する面にはソレノイド48が備えられている。
【0032】
なお、図6には示していないが、小便器41の上部には電解水生成部が備えられている。この電解水生成部は、図4に示した電解水生成部20とほぼ同様でよい。ただし、後で説明するように、小便器システム40ではタンク21のような貯留部を特別には設けず、小便器41のトラップ部42及びボウル部49を貯留部として利用する。従って、小便器システム40では、図4の電解水流出管26を、例えば、洗浄水供給管32の途上に接続するようにする。また、小便器システム40の電解水生成部のコントローラは、先に説明したような電磁弁や電解槽への通電制御の他、上記ソレノイド48への通電制御をも行なうものとする。
【0033】
以上のような構成を有する小便器システム40において、小便器41を電解水で洗浄する場合、電解水の生成を開始する前に、まずソレノイド48へ通電する。すると、磁力により密閉部品44が排水管43の方へ引き寄せられ、ソレノイド48が磁石47に密着する。こうして排水管43の開口が閉じられた状態で、電解水生成部によりトラップ部42の容量よりも十分な量の電解水を生成し、便器に流すと、その電解水はトラップ部42及びボウル部49に貯留される。これにより、トラップ部42の内壁面及びボウル部49の表面が殺菌される。こうして所定時間電解水を貯留した後、ソレノイド48への通電を停止すると、押しバネ45の付勢力によりトラップカバー46が上昇する。すると、ボウル部49に貯留されていた電解水が一気にトラップ部42へ流入し、更に排水管43へも流れ込む。これにより、排水管43の内壁面も殺菌される。
【0034】
図7は本発明の更に別の実施例である小便器システム50の平面図であって、図4の小便器12と同じように、小便器51の上部に備えられた蓋(図示せず)を外し、内部の電解水生成部60が見えるようにしたものである。なお、電解水生成部60の各構成要素のうち、図4に示した電解水生成部20のいずれかの構成要素と構成的及び機能的に同一とみなされるものは、同一の符号でこれを現わすものとし、その説明を適宜省略する。
【0035】
電解水生成部60において、給水口15から止水栓28、定流量弁29、電磁弁30及び洗浄水供給管32を経てスプレッダノズル(図示せず)へ至る流路の基本的構成は、先に図4を参照しながら説明したものと同じである。これとは別に、電解水生成部60には、電磁弁31から上記スプレッダノズルへ至る別の流路(電解用流路)が設けられている。電解用流路の構成は次の通りである。
【0036】
原水導入管61は、電磁弁31と電解槽33の液体流入口を接続する管であり、その途上には逆止弁62が配設されている。電解水流出管63は、弾性材料から成る管(例えばビニルチューブ)であり、電解槽33の液体流出口とスプレッダノズルとを接続している。電解水流出管63の途上には第三の電磁弁64が配設されている。また、電解水流出管63の途中部分にはチューブポンプ65が接触して設けられており、これを起動すると、電解水流出管63内で水が一定方向に流れるようになる。還流管66は、その一端が逆止弁62と電解槽33との間で原水導入管61に接続され、他端が電解槽33と電磁弁64との間で電解水流出管63に接続された管で、電解槽33をバイパスする流路を形成している。
【0037】
上記のような構成を有する電解水生成部60で電解水を生成するときの作用は次の通りである。まず、電磁弁30を閉じ、電磁弁31及び64を開くと、給水口15から供給される水は電磁弁31から電解用流路に流入し、そこを流れた後、スプレッダノズルから排出される。
【0038】
上記のようにして、電解用流路中の残留水を新しい水で置換した後、電磁弁31及び64を閉じ、チューブポンプ65を起動するとともに、電解槽33の電極へ電圧を印加する。これにより、逆止弁62と電磁弁64との間の流路(循環流路)中に残留した水が電解槽33と還流管66との間で循環し、電解槽33を通過する度毎に電気分解されるようになる。このとき、水が循環する回数が増加すればするほど、水中に含まれる電解生成物質の濃度も高くなる。電気分解を開始してから所定時間経過した後、電磁弁31及び64を開くと、循環していた電解水が、給水口15から流入する新たな水により下流へ押し流され、スプレッダノズルから小便器51内へ流される。こうして電解水を小便器51へ流している間、チューブポンプ65は停止してもかまわないが、電解槽33への通電は継続しておくことが好ましい。このようにすれば、後から流入してくる新しい水の一部も電解槽33で電気分解されるようになる。電磁弁31及び64を開いてから所定時間が経過したら、再び電磁弁31及び64を閉じ、必要があればチューブポンプ65を再起動する。
【0039】
以上のような行程(循環電解行程)を所定回数繰り返したら、電磁弁31及び64を閉じ、電解槽33及びチューブポンプ65への通電を停止する。
【0040】
循環電解行程を繰り返す回数は、循環流路の容積と、電解水の必要量に依存する。例えば、電解槽33の液体流出口から発し、還流管66を経て、電解槽33の液体流入口へ至る循環流路を、内径がΦ[mm]、長さがL[mm]の管で構成したものとすると、その容積(単位[ml])はΦ及びLの値に応じて図8のように様々に変化する。一方、電解水の必要量は該電解水による殺菌の目的や対象により変化する。例えば、容量が300[ml]のトラップ部の滞留水の99.9%を電解水で置換することを目的とする場合、必要とされる電解水の量は2000[ml]程度である。いま例として、Φ=10、L=700とし、電解水の必要量が2000[ml]とすると、
2000/55=36.3・・・
であるから、37回循環電解行程を繰り返せば、必要量の電解水が得られることになる。
【0041】
図9は本発明の更に別の実施例である小便器システム70の平面図であって、図4及び図7の小便器と同じように、小便器71の上部に備えられた蓋(図示せず)を外し、内部の電解水生成部80が見えるようにしたものである。なお、電解水生成部80の各構成要素のうち、図4及び図7に示した電解水生成部20及び60のいずれかの構成要素と構成的及び機能的に同一とみなされるものは、同一の符号でこれを現わすものとし、その説明を適宜省略する。
【0042】
電解水生成部80において、給水口15から止水栓28、定流量弁29、電磁弁30及び洗浄水供給管32を経てスプレッダノズル(図示せず)へ至る流路の基本的構成は、図7の電解水生成部60のものと同じである。次に、電磁弁31からスプレッダノズルへ至る電解用流路を見ると、原水導入管61は電磁弁31と電解槽33の液体流入口を接続しており、その途上には塩化物添加ユニット81が配設されている。一方、電解水流出管63は電解槽33の液体流出口とスプレッダノズルを接続している。
【0043】
図10は塩化物添加ユニット81を示す斜視図である。塩化物添加ユニット81は、入水口82及び出水口83を有する箱体84であり、その内部空間は、径が数μm〜10μm程度の多数の微小孔を有する膜(多孔質膜)85で仕切られて流水室86及び塩化物充填室87の2室に分割されている。また、箱体84の一壁面には塩化物充填室87に通じる開口88が設けられている。開口88には蓋89が着脱可能である。
【0044】
上記のような構成を有する電解水生成部80において、塩化物充填室87に食塩等の塩化物そのもの又は塩化物の過飽和水溶液を予め充填しておくと、水が流水室86内を流れる際に、塩化物充填室87内の塩化物イオンが多孔室膜85を通じて徐々に流水室86内へ放出される。すなわち、塩化物添加ユニット81に流入した水は、流水室86を流れる際に塩化物イオンを補充された後、塩化物添加ユニット81を出ることになる。このように水中に含まれる塩化物イオンの濃度を高めた上でその水を電気分解すれば、得られる電解水に含まれる電解生成物質又はイオンの濃度は、塩化物を添加しない場合に比べて、当然に高くなるのである。
【0045】
なお、本発明に係る便器システムの実施例は上記に限られることはなく、本発明の精神及び範囲内で更に多様な実施例が考えられることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である小便器システムを示す斜視図。
【図2】図1の小便器システムの正面図であって、その一部(図面上で小便器の右上部分及び右下部分)を断面図として描いた図。
【図3】図2の小便器をA−A線で切断して上から見た図。
【図4】図1の小便器の上部に備えられた蓋を外したところを示す平面図。
【図5】タンクから流出する電解水の瞬間流量について説明するための図。
【図6】本発明の別の実施例である小便器システムのトラップ部付近を示す垂直断面図。
【図7】本発明の更に別の実施例である小便器システムの平面図であって、小便器の上部に備えられた蓋を外したところを示す図。
【図8】内径がΦ、長さがLの管で構成された循環流路の容積を示す表。
【図9】本発明の更に別の実施例である小便器システムの平面図であって、小便器の上部に備えられた蓋を外したところを示す図。
【図10】塩化物添加ユニットを示す斜視図。
【符号の説明】
10、40、50、70…小便器システム
12、41、51、71…小便器
16、42…トラップ部
20、60、80…電解水生成部
21…タンク
22、30、31、64…電磁弁
24…可撓管
26、63…電解水流出管
29…定流量弁
32…洗浄水供給管
33…電解槽
35…コントローラ
43…排水管
44…密閉部品
45…押しバネ
46…トラップカバー
47…磁石
48…ソレノイド
61…原水導入管
62…逆止弁
65…チューブポンプ
66…還流管
81…塩化物添加ユニット

Claims (1)

  1. 電解用原水を後記電解部へ導入するための原水流路と、
    前記原水流路から流入する電解用原水を電気分解して電解水を生成するための電解部と、
    前記電解部から流出する電解水を便器の所定箇所へ導くための電解水流路と、
    前記原水流路上の点である第一の点と前記電解水流路上の点である第二の点とを前記電解部を迂回して連絡する還流路と、
    前記第二の点よりも下流において前記電解水流路を開閉するための開閉手段と、
    前記第一の点よりも上流における前記原水流路内の液体の逆流を防止するための逆止手段と、
    前記開閉手段により前記電解水流路が閉成されているときに前記電解部と前記還流路との間で循環する水流を生成するための循環流生成手段と、
    を備える電解水供給手段が、前記便器の本体の内部に設けられていること、
    を特徴とする電解水洗浄機能付便器システム。
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