JPH08302792A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

衛生洗浄装置

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JPH08302792A
JPH08302792A JP7112883A JP11288395A JPH08302792A JP H08302792 A JPH08302792 A JP H08302792A JP 7112883 A JP7112883 A JP 7112883A JP 11288395 A JP11288395 A JP 11288395A JP H08302792 A JPH08302792 A JP H08302792A
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JP
Japan
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water
electrode
sanitary washing
washing device
treatment liquid
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Application number
JP7112883A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nishida
毅 西田
Masahide Iura
征英 井浦
Kiyoaki Matsui
清明 松井
Masayoshi Mori
政義 森
Shigeru Tsukamoto
茂 塚本
Hiroshi Okayama
博 岡山
Toshihiko Matsuda
利彦 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、メンテナンスや濃度管理が容易
で、コストが安く、人体への影響や性能低下が少ない衛
生洗浄装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の衛生洗浄装置は、一対の電極と電極
13,20の間に設けられた隔膜14を備えて供給され
た水を電気分解する電解槽と、電解槽で電気分解された
陽極側処理液を貯水して所定温度に加熱する温水タンク
と、便座の下方に設けられ温水タンク内の陽極側処理液
を吐出するノズルを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄水の殺菌と衛生的
に肛門などの局部を洗浄殺菌できる衛生洗浄装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近普及している衛生洗浄装置において
は、衛生上や医学上の見地から使用後に紙を使用せず温
水で局部を洗い、その後、温風で乾燥させる温水温風式
の衛生洗浄装置が主流である。そしてこの方式の衛生洗
浄装置は特公昭58−169424号公報に記載された
ような構成をもつものが一般的である。以下、その構成
について説明する。
【0003】図5は従来の衛生洗浄装置の概略図であ
る。図5において、1は衛生洗浄装置の本体、2は便座
である。この本体1は、肛門洗浄やビデ後に局部を乾燥
させる乾燥装置5、使用中の不快な臭気を脱臭する活性
炭や触媒等を収容した脱臭装置6、洗浄に使う温水を貯
める温水タンク7、ビデ用もしくは肛門洗浄用のノズル
4、便器不使用時にはノズル4を収納しておくノズル収
納部3、洗浄水の温度を所定の温度に保ったり乾燥温風
の温度を一定に制御し、同時に脱臭装置6の動作も制御
するコントローラ9、さらにこれらに電力を供給する電
源部8、操作部10等から構成されている。
【0004】上記構成において、便器を使用し始めると
使用中はファンを駆動して不快な臭気を吸引して脱臭装
置6で脱臭を行う。そして使用後の局部洗浄の際は、操
作部10を操作することにより、圧縮バネを収容するビ
デ用もしくは肛門洗浄用のノズル4が、温水の圧力によ
り所定位置に突出させられて温水を噴出して洗浄する。
このノズル4は洗浄後に圧縮バネによって復帰する。そ
の後ヒータ、ファンなどから成る乾燥装置5によって温
風を局部に吹き当て乾燥するものである。
【0005】このように従来の衛生洗浄装置は、局部洗
浄を行う際に温水や温風を使用することで、使用時の不
快感をなくすというものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の衛
生洗浄装置は、単に、既存の水道水を配管等で衛生洗浄
装置に導き、その水を温水になるまで暖めて使用するに
すぎないものであった。このため雑菌が繁殖し易い温水
タンク等の水まわりの洗浄水中で雑菌が繁殖し、これを
そのまま使用すると局部が不衛生になるものであった。
そして従来の洗浄水では局部に付着している雑菌を積極
的に殺菌するということはできないものであった。
【0007】ところで、洗浄水を殺菌したりこれを殺菌
水として使用することを考えた場合、次のような殺菌方
法が考えられる。従来の殺菌方法には次のようなものが
ある。即ち、次亜塩素酸ナトリウムなどの液薬剤を利
用して、前記液薬剤を適当な濃度に薄めて目的の水に混
入させる方法、オゾナイザーでオゾンを作製し、これ
を目的の水に溶け込ましてオゾンの持つ殺菌力によって
殺菌する方法、通水管の中に紫外線殺菌装置を備え付
けて、そこを通る水を紫外線で殺菌する方法、通水路
の途中に固体殺菌剤を混入しておき、この固体殺菌剤に
より水を殺菌する方法等がある。
【0008】しかし液薬剤投入の方法は、液薬剤のコ
ストが掛かったり、液薬剤を補充したり濃度管理するた
めに、煩わしいメンテナンスが必要になるという問題が
ある。また、オゾン殺菌による方法は、水に対するオ
ゾンの溶解度が少なく時間の経過で濃度が低下するため
に殺菌力に乏しいという問題や、オゾン発生装置のコス
トが割高となる点、また限られた化粧室で使用者が化粧
室を使用している状態でオゾンを発生させざるをえない
ため、オゾンが洩れて人体に悪影響を与えてしまう可能
性がある点等の問題を有する。なお、このような人体へ
の悪影響を考えざるをえない濃度は0.1ppm程度で
ある。
【0009】更に、紫外線殺菌による方法は、紫外線
が照射される部分においては有効であるが、紫外線が届
かない部分においては効果が乏しく、長時間使用すると
紫外線灯の表面に有機物が付着し、他から混入した細菌
がこの有機物まわりで繁殖してしまうといった問題があ
る。固体殺菌剤を利用する方法も、メンテナンスが必
要で煩わしい。このように従来の洗浄水の殺菌方法は、
メンテナンスの必要性、濃度管理、コストや人体への影
響、性能低下等の問題があり、衛生洗浄装置の殺菌方法
として適当なものではない。
【0010】そこで、これら従来の問題点を解決するた
めに本発明は、メンテナンスや濃度管理が容易で、コス
トが安く、人体への影響や性能低下が少ない衛生洗浄装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の衛生洗浄装置は、一対の電極と電極の間に設け
られた隔膜を備えて供給された水を電気分解する電解槽
と、電解槽で電気分解された陽極側処理液を貯水して所
定温度に加熱する温水タンクと、便座の下方に設けられ
温水タンク内の陽極側処理液を吐出するノズルを備えた
ことを特徴とする。
【0012】隔膜を複数枚設けて電解槽を複数の槽室に
区画し、一対の電極のうち第1の電極を陽極にするとと
もに第2の電極を陰極とし、第1の電極を備えた槽室の
みに通水して他の槽室内の水は滞留させたまま電気分解
するのが適当である。
【0013】複数の槽室のうち第1の電極を備えた槽室
以外の槽室から定期的に排水するのが好ましい。
【0014】第1の電極を備えた槽室の通水を止め、第
1の電極を陰極にするとともに第2の電極を陽極にして
電気分解するのが適当である。
【0015】陽極側処理液のpHを調整するのが好まし
い。このpHを3〜6.5に調整するのが適当である。
【0016】電解電圧を調整して陽極側処理液のpHを
調整するのが適当である。陽極側処理液の流量を調整し
て陽極側処理液のpHを調整するのが適当である。
【0017】電解電流を調整して陽極側処理液のpHを
調整するのが適当である。供給される水の電導度が50
μS/cm以上であるのが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の衛生洗浄装置は、一対の電極と電極の
間に設けられた隔膜を備えて供給された水を電気分解す
る電解槽と、電解槽で電気分解された陽極側処理液を貯
水して所定温度に加熱する温水タンクと、便座の下方に
設けられ温水タンク内の陽極側処理液を吐出するノズル
を備えたから、陽極側処理液を殺菌水として洗浄液に使
用することができる。
【0019】隔膜を複数枚設けて電解槽を複数の槽室に
区画し、一対の電極のうち第1の電極を陽極にするとと
もに第2の電極を陰極とし、第1の電極を備えた槽室の
みに通水して他の槽室内の水は滞留させたまま電気分解
するから、第1の電極を備えた槽室から陽極側処理液を
得ることができ、第2の電極を備えた槽室からはガスの
みを吐出させることができ、捨て水が生じない。
【0020】第1の電極を備えた槽室以外の槽室から定
期的に排水するから、これらの槽室に貯まった不純物を
排出できる。
【0021】第1の電極を備えた槽室の通水を止め、第
1の電極を陰極にするとともに第2の電極を陽極にして
電気分解するから、第2の槽室に滞留しているCa、M
g、Na等の金属イオンを第1の電極を備えた槽室に移
動させることができる。
【0022】陽極側処理液のpHを調整するから、殺菌
水の殺菌力を変化させることができる。
【0023】このpHを3〜6.5に調整するから、次
亜塩素酸の濃度を上げることができる。
【0024】電解電圧を調整して陽極側処理液のpHを
調整するから、電気分解の制御が容易である。
【0025】陽極側処理液の流量を調整して陽極側処理
液のpHを調整するから、pH調整が容易である。
【0026】電解電流を調整して陽極側処理液のpHを
調整するから、電気分解の制御が容易である。
【0027】供給される水の電導度が50μS/cm以
上であるから、電気分解することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例の衛生洗浄装置につ
いて図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一
実施例における衛生洗浄装置の概略図で、図2は図1の
電解槽の部分拡大図である。図3は本発明の他の実施例
における衛生洗浄装置の概略図である。図4はpHによ
る水中の次亜塩素酸の存在比率グラフである。図1、図
2において、1は本体、2は便座、3はノズル収納部、
4はノズル、5は乾燥装置、6は脱臭装置、7は温水タ
ンク、8は電源部、9はコントローラ、10は操作部で
ある。この符号1〜10に示すものは従来例で説明した
図5記載のものと機能に違いがないので、詳細な説明は
省略する。
【0029】図1において、11は電気分解によって次
亜塩素酸等を含んだ酸性水を生成する電解槽、13,2
0は電解槽11内の水の電気分解する一対の電極で、こ
のうち13が第1の電極であり、20が第2の電極であ
る。なお、後記するように第1の電極13は殺菌用の処
理液を得るために陽極として印加され、第2の電極20
は陰極として印加される。14は電解槽11内に生成さ
れたイオンが第1,第2の電極13,20に向かって自
由に行き来しないようにするための隔膜であり、一枚ま
たは複数枚設けられている。電解槽11は隔膜14で複
数の槽室に区画される。第1の電極13を内部に備えた
槽室が第1の槽室であり、第2の電極20を内部に備え
た槽室が第2の槽室となる。そのほかの槽室は中間の槽
室を構成する。ところで第1の槽室は、第1の電極13
によって第1の部屋22と第3の部屋26に仕切られて
いる。但し電解槽11の上部を介して第1の部屋22と
第3の部屋26は連通される。同様第2の槽室は、第2
の電極20によって第2の部屋23と第5の部屋24に
仕切られている。そして電解槽11の上部を介して第2
の部屋23と第5の部屋24が連通される。この実施例
の場合には隔膜14が2枚であるから、中間の槽室は1
つであって、これが第4の部屋25である。隔膜14で
区画された部屋がそのまま各中間の槽室となる。隔膜1
4は何枚でもかまわないが、隔膜14の枚数が増えれば
中間の槽室は室数が増えるし、減れば0まで含めて減少
するものである。隔膜14は多孔質の塩化ポリエチレン
等製の膜を基体としてポリエステル等の不織布を組み込
んだもので、通過抵抗は大きいが水とガスとイオンを通
過させることのできる隔膜である。多孔質のほか、繊維
集合体あるいはネットといった構造でもよい。この隔膜
14は水中の金属イオンを通りづらくしていて、電極の
陽極側と陰極側にそれぞれマイナスイオンとプラスイオ
ンを集めることができる。
【0030】30は第2の部屋23に滞留した水を排水
するための排水口である。電解槽11には原水管から水
道水等が、第1の部屋22と第4の部屋25と第2の部
屋23へそれぞれ供給される。15は第1の部屋に水を
取り込む給水口、16は陽極側処理液である酸性水の吐
出口、17は第1,第2の電極13,20と隔膜14を
支えるための下部支持具、18は第1,第2の電極1
3,20を支えるための上部支持具である。給水口15
から流入した水は第1の槽室内を通水されながら、また
第2の槽室及び中間の槽室に流入された水は内部に滞留
されたまま電気分解される。19は第1の部屋22に入
った水が第3の部屋26の側に回り込んで流れるように
するため設けられた仕切り板であり、21は第3の部屋
26に回り込んだ水を電気分解した後処理液を吐出口1
6に導くための穴である。27,28,29は供給水を
制御するための電磁弁等の弁である。31,32,3
3,34は電気分解によって発生したガスを電解槽11
の外に放出するためのガス透過膜であり、内部の水は透
過させないものである。多孔質のポリテトラクロロエチ
レン等で構成される。放出されるガスは微量であるが、
化粧室に人がいない状態で電気分解されてファンによっ
て内部の臭気とともに排気管などを通して排出される。
35は電解槽11からの水を吐出するための制御をする
ための吐出弁である。
【0031】本実施例においては第1の槽室内の水は通
水しながら、また第2の槽室及び中間の槽室内の水は内
部に滞留したまま電気分解するから、まず弁27,2
8,29を開放して水を電解槽11内に供給し、第2の
部屋23と第5の部屋24と第4の部屋25が水で満た
された時点で弁28,29を閉じる必要がある。この後
通電すれば、滞留中の第2の部屋23、第4の部屋25
内の水と、第3の部屋26を通過する流水を電気分解す
ることができる。
【0032】給水口15から入った水は、第1の部屋2
2内の仕切り板19の上方に水が溜まった後、溢れた水
が第1の電極13の上方を回り込んで第3の部屋26に
入り、第1の電極13の下方に設けられた穴21を通っ
て、再び第1の部屋の仕切り板19の下方部に入り、吐
出口16を通って出ていく。第1の電極13と第2の電
極20はそれぞれ陽極及び陰極として通電されているか
ら、電解槽11の内部は電気分解される。この際、第1
の電極13と第2の電極20に印加する直流電圧は、交
流電源を整流したものや、極性さえ変えなければ変動を
伴うようなものであってもよい。要するにこれによって
電気分解できればよいものである。以下、この電気分解
を化学的に説明する。
【0033】電気分解は第1の電極13と第2の電極2
0の表面での酸化、還元反応であって、陽極では酸化反
応が進み、陰極では還元反応が進む。陽極での反応は
(化1)の通りである。
【0034】
【化1】
【0035】(化1)は電子を放出する反応であり、こ
れによって生成した活性酸素と原水中の塩素イオンが反
応して(化2)の通り次亜塩素酸イオンを生成する。水
道水等の原水には塩素イオンが含まれているので、これ
をそのまま電気分解すればよい。しかしその他の原水等
では塩化ナトリウム等を添加して電気分解する必要があ
る。その電導度が50μS/cm以上であれば電気分解
が可能である。そして、この実施例の場合は塩素イオン
であるが、フッ素イオンや臭素イオン等のハロゲンイオ
ンでも全く同様であって、同じく次亜ハロゲン酸イオン
が生成される。以下、この実施例としては塩素イオンの
説明をするが、ハロゲンイオン一般でも同様でその詳細
な説明は省略する。
【0036】
【化2】
【0037】ところで、水の化学式はH2Oであるが、
次の(化3)の通り電離している。
【0038】
【化3】
【0039】(化3)に従って電離している水酸イオン
は、(化1)に示す通り陽極で酸素ガスを生成すると同
時に電子を放出して消費される。これに伴って水素イオ
ン濃度は高まっていき、陽極側処理液のpHは酸性を示
すことになる。
【0040】しかも陽極の周りでは(化2)に従って次
亜塩素酸イオンが生成される。さらにはこの次亜塩素酸
イオンが(化4)に示す通り水素イオンと結合すること
によって次亜塩素酸を生成する。これは、塩素以外のハ
ロゲンでも同様で陽極の周りでは次亜ハロゲン酸が生成
される。
【0041】
【化4】
【0042】このようにして陽極で生成された次亜塩素
酸イオンと次亜塩素酸は、いずれも酸化力が強く、非常
に殺菌力の強い物質である。ただ2つの物質のうちでは
次亜塩素酸の方が相対的にではあるが次亜塩素酸イオン
よりは酸化力、殺菌力が強く、できるなら次亜塩素酸が
多く生成されるようにするのが望ましい。この他の次亜
ハロゲン酸イオンと次亜ハロゲン酸についても同様であ
る。すなわち次亜ハロゲン酸イオンと次亜ハロゲン酸は
ともに酸化力、殺菌力が強い物質であって、このような
殺菌力の強い物質が陽極において生成され、酸性の陽極
側処理液が吐出口16より取り出されることになる。
【0043】ところで陰極での反応は(化5)で示すと
おり還元反応であり、水素ガスを発生させるものであ
る。
【0044】
【化5】
【0045】また陽極ではpHが3.5付近になると、
HClOが分解して塩素ガスが発生したり、(化6)で
示すように直接塩素イオンが酸化されて塩素ガスが発生
したりする。
【0046】
【化6】
【0047】そこで、ガス透過膜31,32,33,3
4を設けて、これを介して各部屋に滞留したガスを外部
に放出する構造としている塩素ガスは極めて微量であ
る。このガス透過膜31,34はそれぞれ第1の槽室と
第2の槽室の上部に設けられているが、これはガス透過
膜31,34を設けられていない場合にガスが滞留して
電解速度に脈動が生じるのを防ぐためのものである。ガ
ス透過膜32,33も同様である。
【0048】ところで陽極側処理液を殺菌水として利用
するために、弁27を通って給水された水は第1の部屋
22へ入った後第3の部屋26を通ってこの間に電気分
解されて、吐出口16を通って吐出される。しかし第2
の槽室内や中間の槽室内の水はずっと滞留させて用いる
ため、長時間電気分解が行われると不純物がたまってく
る。そこで第2の槽室内や中間の槽室内の水を定期的に
排水するのがよい。定期的に排水を行えば、連続的に使
用したりする場合より、電解槽11の効率を低下させる
ことなく使用することができる。ただ第1の槽室、第2
の槽室のいずれにも通水しながら電気分解するのであれ
ば、第2の槽室内の陰極側処理液は捨て水として排水す
ることになり、この必要はなくなる。
【0049】また、電解槽11の通水経路の前後の弁2
7と吐出弁35を閉じて通水を止めて、電極の極性を周
期的に逆とすると、電解槽11の第5の部屋24内に滞
留している温水中のCa,Mg,Na等の金属イオンを
第1の部屋22に移動させることができ、電解槽11の
効率を回復させることができる。
【0050】本実施例の電解槽11によって陽極側処理
液が殺菌水として利用できるが、次亜塩素酸を含んだ陽
極側処理液のpHを次のように制御すると、殺菌水の殺
菌力をコントロールすることができる。その1つは、電
解槽11に印加する電解電圧のデューティー比を制御し
て印加時間を制御することである。これによって殺菌水
のpHを可変にすることができる。印加時間が長ければ
pH値も上昇する。電解水のpHは2〜9の間で調整で
きるが、好ましくは3.5〜6に調整することにより、
殺菌するのに有効な次亜塩素酸を多く水中に存在させる
ことができる。これは、図4に示したグラフのようにp
HとHClOの存在比率の関係よりpH3から6.5ま
での間では次亜塩素酸の存在比率が90%以上あること
による。そしてpHをこの範囲にすれば、次亜塩素酸を
安定的に温水タンクに貯水しておくことができる。また
電解電圧を可変にすれば電極間に流れる電流が可変にな
り殺菌水のpHが調整されるものである。
【0051】さらに電解槽11において第1の槽室内を
流れる流量を可変にすることで、水の単位体積当たりに
かかる電流値が変化するから、電解効率が変化して殺菌
水のpHを調整することができる。
【0052】また電解槽11において直接電解電流を可
変すれば電解効率が変化して殺菌水のpHを調整するこ
とができるものである。
【0053】続いて本発明の他の実施例における衛生洗
浄装置について説明する。図3において12はオゾナイ
ザーである。他の構成は図5記載のものと同一であるか
ら詳細な説明は省略する。図3のように電解槽11の前
にオゾンを発生するオゾナイザー12を併用すること
で、電解槽11によって殺菌できる菌以外の菌のうち、
オゾンが特に殺菌できるような菌について殺菌すること
ができる。なお、このときオゾナイザー12で発生する
オゾンの発生量はオゾナイザー12単独の場合より少な
くなる。
【0054】12をオゾナイザーとする代わりに紫外線
放出装置12’(図示しない)とすることで、電解槽1
1によっても殺菌不能な菌のうち、紫外線で殺菌可能な
菌について殺菌することができる。また、12をオゾナ
イザーの代わりに固体殺菌剤12”(図示しない)とす
ることもできる。これによって電解槽11で殺菌できる
菌のほかにも、固体殺菌剤12”だけで殺菌できる菌も
併せて殺菌することができる。この固体殺菌剤12”は
Ag2O等の銀系酸化物とクロルヘキシジン等の有機系
固体殺菌剤が適当である。
【0055】このように電気分解による殺菌と、他の殺
菌手段を組み合わせて効果的な殺菌を行うことができ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明の衛生洗浄装置は、電解槽を用い
て陽極側処理液を殺菌水として洗浄液に使用することが
できるから、メンテナンスや殺菌水の濃度管理が容易で
ある。捨て水なしの衛生洗浄装置を提供することができ
るし、コスト的にも安く、人体への影響がきわめて少な
いものである。
【0057】また定期的に電解槽内を洗浄させることが
できるので衛生洗浄装置の性能低下が生じることがほと
んどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における衛生洗浄装置の概略
【図2】図1の電解槽の部分拡大図
【図3】本発明の他の実施例における衛生洗浄装置の概
略図
【図4】pHによる水中の次亜塩素酸の存在比率グラフ
【図5】従来の衛生洗浄装置の概略図
【符号の説明】
1 本体 2 便座 3 ノズル収納部 4 ノズル 5 乾燥装置 6 脱臭装置 7 温水タンク 8 電源部 9 コントローラ 10 操作部 11 電解槽 12 オゾナイザー 13 第1の電極 14 隔膜 15 給水口 16 吐出口 17 下部支持具 18 上部支持具 19 仕切り板 20 第2の電極 21 穴 22 第1の部屋 23 第2の部屋 24 第5の部屋 25 第4の部屋 26 第3の部屋 27,28,29 弁 30 排水口 31,32,33,34 ガス透過膜 35 吐出弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 政義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 塚本 茂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡山 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松田 利彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の電極と前記電極の間に設けられた隔
    膜を備えて供給された水を電気分解する電解槽と、前記
    電解槽で電気分解された陽極側処理液を貯水して所定温
    度に加熱する温水タンクと、便座の下方に設けられ前記
    温水タンク内の陽極側処理液を吐出するノズルを備えた
    ことを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 【請求項2】前記隔膜を複数枚設けて前記電解槽を複数
    の槽室に区画し、前記一対の電極のうち第1の電極を陽
    極にするとともに第2の電極を陰極とし、前記第1の電
    極を備えた槽室のみに通水して他の槽室内の水は滞留さ
    せたまま電気分解することを特徴とする請求項1記載の
    衛生洗浄装置。
  3. 【請求項3】前記複数の槽室のうち第1の電極を備えた
    槽室以外の槽室から定期的に排水することを特徴とする
    請求項1または2記載の衛生洗浄装置。
  4. 【請求項4】前記第1の電極を備えた槽室の通水を止
    め、前記第1の電極を陰極にするとともに前記第2の電
    極を陽極にして電気分解することを特徴とする請求項2
    または3記載の衛生洗浄装置。
  5. 【請求項5】陽極側処理液のpHを調整することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  6. 【請求項6】陽極側処理液のpHを3〜6.5に調整す
    ることを特徴とする請求項5記載の衛生洗浄装置。
  7. 【請求項7】電解電圧を調整して陽極側処理液のpHを
    調整することを特徴とする請求項5または6記載の衛生
    洗浄装置。
  8. 【請求項8】陽極側処理液の流量を調整して陽極側処理
    液のpHを調整することを特徴とする請求項5または6
    記載の衛生洗浄装置。
  9. 【請求項9】電解電流を調整して陽極側処理液のpHを
    調整することを特徴とする請求項5または6記載の衛生
    洗浄装置。
  10. 【請求項10】供給される水の電導度が50μS/cm
    以上であることを特徴とする請求項1〜9記載のいずれ
    かに記載の衛生洗浄装置。
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