JP3603571B2 - 圧電素子およびその製造方法 - Google Patents

圧電素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3603571B2
JP3603571B2 JP30471497A JP30471497A JP3603571B2 JP 3603571 B2 JP3603571 B2 JP 3603571B2 JP 30471497 A JP30471497 A JP 30471497A JP 30471497 A JP30471497 A JP 30471497A JP 3603571 B2 JP3603571 B2 JP 3603571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
piezoelectric element
electrode
element piece
electrode layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30471497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11145758A (ja
Inventor
哲男 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP30471497A priority Critical patent/JP3603571B2/ja
Publication of JPH11145758A publication Critical patent/JPH11145758A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3603571B2 publication Critical patent/JP3603571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶振動子などの圧電素子、およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、当該圧電素子に用いた圧電素子片上での短絡防止技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種圧電素子のうち、音叉型水晶振動子は、図7(A)、(B)に示すように、基部21から2つの腕部22、23が延びた薄板状の水晶片からなる圧電素子片2と、この圧電素子片2の基部21に対して内部端子31が接続されたプラグ30と、圧電素子片2を収納したケース35とから構成され、このケース35とプラグ30とによって内部が気密状態に保たれている。圧電素子片2の両面には、それぞれ所定のギャップ10を隔てて2つの電極膜40が形成され、これらの電極膜40の各々にプラグ30の外部端子33から交流電圧を印加することによって腕部22、23が所定の周波数で振動する。なお、2つの電極膜40を区別するために、一方の電極膜40には右上がりの斜線を付し、他方の電極膜40には右下がりの斜線を付して、それぞれを図示してある。図7(C)に示すように、電極膜40はクロム膜からなる下地金属層41(狭いピッチで斜線を付してそれを図示してある。)と金電極層42A(広いピッチで斜線を付してそれを図示してある。)との2層構造になっている。
【0003】
このように構成した圧電素子1A(水晶振動子)の腕部22、23では、各電極膜40間のギャップ10が約15μmと極めて狭いため、電極膜40間で短絡が発生しやすい。そこで、従来は、電極膜40の表面にシリコン酸化膜からなる表面保護膜45Aをスパッタ形成している。但し、シリコン酸化膜は金電極層42Aへの密着性が悪いため、腕部22、23の側では金電極層42Aを部分的に除去してクロム膜からなる下地金属層41を露出させ、この下地金属層41上に表面保護膜45Aを積層した構造になっている。なお、腕部22、23の側では、金電極層42Aの全部を除去してクロム膜からなる下地金属層41の全面を露出させ、このクロム電極層にシリコン酸化膜からなる表面保護膜45Aが積層する構造とする場合もある。これに対して、基部21の側では、図7(D)に示すように、プラグ30の内部端子31との半田付けを行うことから、金電極層42Aが必要である。このため、基部21の側では電極膜40間のギャップ10が広いとして、シリコン酸化膜からなる表面保護膜45Aの形成を行っていない。
【0004】
このような構成の圧電素子1Aの製造方法を、図8および図9を参照して説明する。ここで説明する製造プロセスは、半導体プロセスと共通する部分があるが、半導体プロセスと違って、水晶振動子の場合にはウエーハの両面に同一パターンを形成していく。
【0005】
まず、図8(A)に示すように切り出した水晶ウェーハ20に研磨
加工、洗浄を行った後、図8(B)に示すように、クロム層Crおよび金層Auをそれぞれ真空蒸着する。
【0006】
次に、図8(C)に示すように、フォトレジストRを音叉形状のパターンに焼付け、現像し、音叉外形のフォトレジストRを残す。次に、図8(D)に示すように、フォトレジストRをマスクとして金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを音叉形状に残す。次に、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして水晶ウェーハ20のエッチングを行い、図8(E)に示すように、水晶を音叉形状に成形する。これが圧電素子片2である。
【0007】
次に、圧電素子片2上の金層Auおよびクロム層Crを全て除去し、図8(F)に示すように、改めて、電極膜40を形成するためのクロム層Crおよび金層Auを形成する。
【0008】
次に、図8(G)に示すように、フォトレジストRを各電極膜40のパターン形状に焼付け、現像し、各電極膜40の外形をしたフォトレジストRを残す。
【0009】
しかる後には、図8(H)に示すように、フォトレジストRをマスクとして金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを電極膜40のパターン形状に残す。このようにしてクロム膜からなる下地金属層41と金電極層42Aとからなる電極膜40を形成する。
【0010】
次に、電極膜40の金電極層42Aについては、所定のパターンに焼付け、現像したフォトレジストをマスクとして金電極層42Aのみにエッチングを行い、図7(B)、(C)、(D)を参照して説明したように、シリコン酸化膜からなる表面保護膜45Aを形成する部分の金電極層42Aを部分的に、あるいは腕部22、23側の金電極層42Aを全て除去する(図8(I))。
【0011】
次に、シリコン酸化膜を形成した後、所定のパターンに焼付け、現像したフォトレジストをマスクとしてシリコン酸化膜にエッチングを行い、図7(B)、(C)、(D)を参照して説明したように、シリコン酸化膜からなる表面保護膜45Aを形成する(図8(J))。
【0012】
このようにして製造した圧電素子片2については、図9に示すように、その基部21にプラグ30の内部端子31をはんだ接続する(図7(A)、(B)、(C)、(D)参照)。
【0013】
次に、この段階での圧電素子片2の周波数調整を腕部22、23の先端部に対するレーザトリミングにより行った後、真空チャンバー内でプラグ30をケース35を圧入し、圧電素子1Aをケース35内に収納する。しかる後には、圧電素子1Aの特性検査を行う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水晶振動子では、圧電素子片2の基部21の側には表面保護膜45Aを一切形成していないので、図7(B)に示すように、はんだ接続部分38からウイスカー39が成長して反対側の電極膜40に届くおそれがある。このようして発生した短絡は、水晶振動子の発振不能という致命的な不具合の原因となる。また、従来の水晶振動子のように、腕部22、23の側から金電極層42Aを部分的に除去した構成では、その分、電極膜40の電気的抵抗値が高く、CI値(クルスタルインピーダンス/振動子の機械的振動を抵抗R、容量C1、インダクタンスLの直列共振回路とこの直列共振回路に対する並列容量C2とによって等価回路として表したときの抵抗Rの値)が経時的に増加しやすいという問題点もある。
【0015】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、電極膜の上層を構成する貴金属電極層を除去しなくても絶縁性の表面保護膜を広い範囲にわたって形成することを可能にして、ウイスカーなどに起因する短絡の防止と、電極膜の低抵抗化とを図ることのできる圧電素子を提供することにある。
【0016】
また、本発明の課題は、圧電素子片の電極膜とプラグの内部端子との接続部分まで覆うように表面保護膜を形成することにより、この接続部分でのウイスカーに起因する短絡を防止することのできる圧電素子の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、該圧電素子片が搭載されたプラグとを有する圧電素子において、前記電極膜は、前記圧電素子片表面に積層された下地金属膜と、該下地金属膜表面に積層された金電極層とを備え、当該金電極層の表面は、その表面に形成されたチオール処理膜と、該チオール処理膜の表面側に形成された絶縁性の表面保護膜とによって覆われていることを特徴とする。
【0018】
ここでいうチオール処理膜とは、X−R−SH(但し、Xは水酸基あるいはエポキシ基であり、Rは(CH であり、mは1、2あるいは3、nは1以上の整数である。)で表されるチオールまたはその誘導体を金電極層あるいは後述する銀電極層の表面に定着させた層をいう。
【0019】
本発明では、金電極層の表面には表面保護膜の下地膜としてチオール処理膜を形成してあり、このチオール処理膜を形成しておけば、金電極層の表面側に絶縁性の表面保護膜を高い密着性をもって形成できる。それ故、電極膜の金電極を除去しなくてもよいので、絶縁性の表面保護膜を広い範囲にわたって形成できる。従って、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できる。また、金電極層を下地金属膜表面に形成したまま、すなわち、金電極層を広い範囲にわたって形成したまま表面保護膜を形成できるので、金電極層を除去する必要がない分、電極膜の電気的抵抗値を低下させることができる。それ故、CI値の経時的な増大を抑えることができる。
【0020】
本発明では、上記金電極層に代えて、銀電極層としてもよい。すなわち、本発明の別の形態では、所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、該圧電素子片が搭載されたプラグとを有する圧電素子において、前記電極膜は、前記圧電素子片表面に積層された下地金属膜と、該下地金属膜表面に積層された銀電極層とを備え、当該銀電極層の表面は、その表面に形成されたチオール処理膜と、該チオール処理膜の表面側に形成された絶縁性の表面保護膜とによって覆われていることを特徴とする。
【0021】
本発明のさらに別の形態では、電極膜に用いた銀電極の特性を活かして、前記チオール処理膜を形成せずに、絶縁性の表面保護膜を広い範囲にわたって形成する。すなわち、所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、該圧電素子片が搭載されたプラグとを有する圧電素子において、前記電極膜は、前記圧電素子片表面に積層された下地金属膜と、該下地金属膜表面に積層された銀電極層とを備え、該銀電極層の表面は絶縁性の表面保護膜によって覆われていることを特徴とする。すなわち、銀電極層はそのままでもシリコン膜などの絶縁性の表面保護膜との密着性が高いという特有の性質を活かして、本形態では、下地金属膜表面に銀電極層を積層したまま、該銀電極層の表面を絶縁性の表面保護膜で直に覆う。従って、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できるとともに、銀電極層を除去する必要がない分、電極膜の電気的抵抗値を低下させることができるので、CI値の経時的な増大を抑えることができる。
【0022】
本発明において、前記表面保護膜は、金属アルコキシドの縮合膜およびポリシラザンの熱処理膜のいずれかであることが好ましい。ポリシラザンは、((SiH 、但し、a=1〜3、b=0あるいは1)で表され、主鎖である−Si−N−構造に側鎖として水素のみが結合しているセラミックスである。金属アルコキシドは4属あるいは5属の金属アルコキシドである。このような表面処理膜は緻密性が高く、かつ、絶縁抵抗値が高いので、薄膜化が可能であり、CI値の増大を抑えることができるなど、表面保護膜として適している。また、これらの表面処理膜は、ガス吸着量が低いので、圧電素子を長期間放置しても、CI値の増大(ΔCI)や発振周波数変化量(ΔF)の増大を抑えることができる。また、このような表面処理膜であれば、後述するように、スパッタ成膜やフォトリソグラフィ技術といった半導体プロセスを行わなくても形成できるので、前記電極膜を形成した前記圧電素子片を前記プラグ上に搭載した後であっても、表面保護膜を形成することができる。従って、前記圧電素子片の前記電極膜と前記プラグの内部端子との接続部分まで覆うように表面保護膜を形成できるので、接続部分でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる。
【0023】
本発明において、所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、該圧電素子片が搭載されたプラグとを有する圧電素子の製造方法においては、前記圧電素子片のうち、前記電極膜の表面にチオール溶液からチオールを付着させてチオール処理膜を形成する第1の工程と、金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜を形成するための前駆体溶液への前記圧電素子片の浸漬処理、および該浸漬処理を施した前記圧電素子片への熱処理を行って前記チオール処理膜の表面全体に金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜からなる表面保護膜を積層する第2の工程とを行なうことを特徴とする。この第2の工程において、浸漬処理と熱処理とをそれぞれ1回ずつ行なっただけでは表面保護膜を所定の膜厚で形成できない場合には、所定の膜厚が得られるまで、浸漬処理と熱処理とを交互に、あるいは浸漬処理の方だけを必要な回数繰り返す。
【0024】
この場合には、前記電極膜を形成した前記圧電素子片を前記プラグ上に搭載した後、前記第1の工程と前記第2の工程とを行なうことにより、前記圧電素子片の前記電極膜と前記プラグの内部端子との接続部分まで覆うように前記表面保護膜を形成することが好ましい。すなわち、半導体プロセスと同様な方法で圧電素子を形成していくとすれば、前記電極膜を形成した前記圧電素子片を前記プラグ上に搭載した後に表面保護膜を形成するのは、プラグが邪魔で不可能、あるいは大変な工程数が必要となるが、本発明のように、前駆体溶液への圧電素子片の浸漬処理や圧電素子片への熱処理とによって表面保護膜を形成していくのであれば、前駆体溶液への圧電素子片の浸漬深さを調整すれば、前記圧電素子片の前記電極膜と前記プラグの内部端子との接続部分まで覆うように緻密な表面保護膜を形成することができる。従って、この製造方法によれば、接続部分でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる素子構造を容易に構成できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0026】
〔実施の形態1〕
図1(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、本形態の圧電素子の全体構成を示す斜視図、この圧電素子に用いた圧電素子片の電極膜形成パターンを示す圧電素子片の平面図、この圧電素子片の腕部のA−A′線における断面図、および圧電素子片の基部のB−B′線における断面図である。なお、これらの図にお いて、2つの電極膜の一方には右上がりの斜線を付し、他方には右下がりの斜線を付して、それぞれの領域がわかるように図示してある。また、本形態の圧電素子の構成要素のうち、従来の圧電素子と共通する部分には同一の符号を付してある。
【0027】
図1(A)、(B)に示すように、本形態の圧電素子1は音叉型水晶振動子であり、基部21から2つの腕部22、23が延びた薄板状の水晶片からなる圧電素子片2と、この圧電素子片2の基部21に対して内部端子31がはんだ接続されたプラグ30と、圧電素子片2を収納したケース35とから構成され、このケース35とプラグ30とによって内部が気密状態に保たれている。圧電素子片2の両面には、それぞれ所定のギャップ10を隔てて2つの電極膜40が形成され、これらの電極膜40の各々にプラグ30の外部端子33から交流電圧を印加することによって腕部22、23が所定の周波数で振動する。
【0028】
この状態のままでは、腕部22、23の側において電極膜40間のギャップ10が約15μmと極めて狭いため、電極膜40間で短絡が発生しやすく、また、基部21の側では、電極膜40間のギャップ10が広いといっても、電極膜40が露出していると、はんだ接続部分38からのウイスカーに起因する短絡が発生するおそれがある。
【0029】
そこで、本形態では以下の短絡防止構造を採用しているが、図1(C)に示すように、本形態でも、電極膜40は、圧電素子片2表面に積層されたクロム膜からなる下地金属膜41と、該下地金属膜41の表面に積層された金電極層42Aとの2層構造になっており、この点では従来と同様である。
【0030】
本形態において、金電極層42Aは下地金属膜41表面の全面に積層され、かつ、金電極層42Aの表面は、その表面に形成されたチオール処理膜44と、該チオール処理膜44の表面側に形成された絶縁性の表面保護膜45とによって覆われている。ここで、チオール処理膜44は、X −R−SH(但し、Xは水酸基あるいはエポキシ基であり、Rは(CH であり、mは1、2あるいは3、nは1以上の整数である。)で表されるチオールまたはその誘導体を金電極層42A、あるいは後述する銀電極層の表面に定着させた層であり、金電極層42Aと表面保護膜45との密着性を高める機能を有する。そこで、本形態では、このチオール処理膜44の性質を利用して、下地金属膜41表面の全面に金電極層42Aを積層したまま、この金電極層42Aの表面側全体に絶縁性の表面保護膜45を形成してある。
【0031】
ここで、表面保護膜45は、金属アルコキシドの縮合膜、またはポリシラザンの熱処理膜のいずれかである。ポリシラザンは、((SiH 、但し、a=1〜3、b=0あるいは1)で表され、主鎖である−Si−N−構造に側鎖として水素のみが結合しているセラミックスである。金属アルコキシドは4属あるいは5属の金属のアルコキシドである。このような表面保護膜45は緻密性が高く、かつ、絶縁抵抗値が高いので、薄膜化が可能であり、CI値の増大を抑えることができるなど、圧電素子片2の表面保護用に適している。また、これらの表面保護膜41は、ガス吸着量が低いので、圧電素子1を長期間放置しても、CI値の増大(ΔCI)や発振周波数変化量(ΔF)の増大を抑えることができる。しかも、このような表面保護膜41は、後述するように、半導体プロセスのようなプロセスを行わなくても形成できる。そこで、本形態では、電極膜40を形成した圧電素子片2をプラグ30上に搭載した後に表面保護膜45を形成することによって、圧電素子片2の電極膜40とプラグ30の内部端子31との各はんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成してある。
【0032】
このように構成した圧電素子1では、金電極層42Aの表面には表面保護膜45の下地膜としてチオール処理膜44を形成してあり、このチオール処理膜44によれば、金電極層42Aの露出部分全体に絶縁性の表面保護膜45を高い密着性をもって形成できる。従って、電極膜40の金電極層42Aを除去することなく、絶縁性の表面保護膜45を広い範囲にわたって形成できるので、腕部22、23の電極膜40間の狭いギャップ10も表面保護膜45で埋めることができ、かつ、基部21の電極膜40間の広いギャップ10も表面保護膜45で埋めることができる。また、電極膜40には露出部分が一切ない。従って、腕部22、23の電極膜40間で導電性異物に起因する短絡が発生しないとともに、たとえはんだ接続部分38からウイスカーが成長しても、このウイスカーに起因する短絡も防止できる。
【0033】
また、金電極層42Aを下地金属膜41表面の全面に形成したまま、すなわち、金電極層42Aを広い範囲にわたって形成したまま、表面保護膜45を形成してあるので、金電極層42Aを除去する必要がない分、電極膜40の電気的抵抗値を低下させることができる。それ故、CI値の低減を図ることができる。
【0034】
また、本形態では、圧電素子片2の前記電極膜40と前記プラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成し、しかも、この表面保護膜45は緻密性の高い金属アルコキシドの縮合膜、またはポリシラザンであるので、はんだ接続部分38でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる。
【0035】
このような構成の水晶振動子の製造方法を、図2ないし図4を参照して説明する。ここで説明する製造プロセスは、半導体プロセスと共通する部分があるが、半導体プロセスと違って、水晶振動子の場合にはウエーハの両面に同一パターンを形成していく。なお、図2の工程断面図は、音叉形状の2つの腕部22、23のそれぞれの断面に相当する。
【0036】
まず、図2(A)に示すように切り出した水晶ウェーハ20に研磨
加工、洗浄を行った後、図2(B)に示すように、クロム層Crおよび金層Auをそれぞれ数百オングストーム〜約2000オングストームの膜厚で真空蒸着する。ここで、クロム層Crを形成するのは金層Auだけでは水晶ウェーハ20に対する密着性が悪いからである。
【0037】
次に、フォトレジストRを形成した後、それを図2(C)に示すように、音叉形状のパターンで焼付け、現像し、音叉形状にフォトレジストRを残す。次に、図2(D)に示すように、フォトレジストRをマスクとして金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを音叉形状に残す。次に、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、フッ酸およびフッ化アンモニウムを用いたエッチング液で水晶ウェーハ20のエッチングを行い、図2(E)に示すように、水晶を音叉形状に成形する。これが圧電素子片2である。
【0038】
次に、圧電素子片2上の金層Auおよびクロム層Crを全て除去し、図2(F)に示すように、改めて、電極膜40を形成するためのクロム層Crおよび金層Auを形成する。
【0039】
次に、フォトレジストRを形成した後、それを各電極膜40のパターン形状に焼付け、現像し、図2(G)に示すように、フォトレジストRを各電極膜40のパターン形状に残す。
【0040】
しかる後には、図2(H)に示すように、フォトレジストRをマスクとして金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを電極膜40のパターン形状に残して、図1(B)、(C)、(D)を参照して説明したクロム膜からなる下地金属膜41および金電極層42Aからなる電極膜40を形成する。なお、図示を省略するが、後述する周波数調整のための錘部分を圧電素子片2の腕部22、23先端側に金膜として形成しておく。
【0041】
このようにして電極膜40を形成した圧電素子片2については、図3に示すように、マウント工程として、その基部21にプラグ30の内部端子31をはんだ接続する(図1(A)、(B)、(C)、(D)参照)。
【0042】
次に、絶縁性の表面保護膜45を形成する。
【0043】
それには、まず、図4(A)に示すように、プラグ30に搭載した圧電素子片2全体をチオール溶液(チオールまたはその誘導体のアルコール溶液)に浸漬した後、この溶液と同じ溶媒(アルコール)で濯いで余剰なチオール溶液を除去する。それでも、圧電素子片2に形成したある金電極層42Aの表面には、チオール溶液に配合されていたチオールまたはその誘導体が、たとえば単分子層の状態で付着する。次に、圧電素子片2に乾燥処理を行って、金電極層42Aの表面にチオールまたはその誘導体を定着させ、金電極層42Aの表面にチオール処理膜44を形成する(第1の工程)。
【0044】
次に、図4(B)に示すような金属アルコキシドの縮合膜、またはポリシラザンを形成するための前駆体溶液への圧電素子片2の浸漬処理と、この浸漬処理を施した圧電素子片2への熱処理とを行って、圧電素子片2の腕部22、23、基部21、さらには、圧電素子片2の電極膜40とプラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンからなる絶縁性の表面保護膜45を形成する(第2の工程)。第2の工程において、浸漬処理と熱処理とをそれぞれ1回ずつ行なっただけでは表面保護膜45を所定の膜厚で形成できない場合には、所定の膜厚が得られるまで、浸漬処理と熱処理とを交互に、あるいは浸漬処理の方だけを必要な回数繰り返す。
【0045】
次に、この段階での圧電素子片2の周波数調整を圧電素子片2の腕部22、23先端に形成してある錘部分へのレーザトリミングにより行った後、真空チャンバー内でケース35へプラグ30を圧入し、圧電素子1を製造する。
【0046】
しかる後には、圧電素子1の特性検査を行う。
【0047】
このように、本形態では、圧電素子片2に電極膜40を形成するまでは、半導体プロセスと概ね同様な方法を用いるが、圧電素子片2に電極膜40を形成した後は、チオール容液への圧電素子片2の浸漬、金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの前駆体溶液への圧電素子片2の浸漬処理、および圧電素子片2への熱処理を行って表面保護膜45を形成していく。この方法によれば、前駆体溶液などへの圧電素子片2の浸漬深さを調整すれば、圧電素子片2の前記電極膜40と前記プラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成することができる。従って、この方法によれば、はんだ接続部分38でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる素子構造を容易に構成できる。
【0048】
〔実施の形態2〕
実施の形態1に係る圧電素子1では、電極膜40をクロム層Crからなる下地金属膜41と金電極層42Aとによって構成したが、本形態では、金電極層42Aに代えて、銀電極層42Bを形成する点を除けば、実施の形態1と同様である。従って、圧電素子1全体の構造や圧電素子片2に形成した電極構造などは、図1(A)、(B)、(C)、(D)と同様であるので、その説明を省略する。
【0049】
本形態に係る圧電素子1では、図1(C)、(D)に示すように、銀電極層42Bの表面には表面保護膜45の下地膜としてチオール処理膜44を形成してあり、このチオール処理膜44の表面には緻密性の高い金属アルコキシドの縮合膜、またはポリシラザンからなる表面保護膜45が形成されている。このため、銀電極層42Bの表面と表面保護膜45とも密着性が高いので、銀電極層42Bが酸化していても、高い信頼性を得ることができる。それ故、表面保護膜45を形成する際には、銀電極層42B表面の酸化膜を除去する必要がない。
【0050】
また、本形態でも、腕部22、23の側および基部21の側のいずれにおいても電極膜40には露出部分がないので、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できる。また、銀電極層42Bを下地金属膜41表面の全面に形成したまま、すなわち、銀電極層42Bを広い範囲にわたって形成したまま、表面保護膜45を形成できるので、銀電極層42Bを除去する必要がない分、電極膜40の電気的抵抗値を低下させることができる。それ故、電気的抵抗値を低下させることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0051】
なお、このような構成の水晶振動子の製造方法は、図2ないし図4を参照して説明した実施の形態1に係る水晶振動子の製造方法において、金層Auに代えて銀層を形成する点だけが相違するので、それらの説明を省略する。
【0052】
〔実施の形態3〕
図5(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、本形態の圧電素子の全体構成を示す斜視図、この圧電素子に用いた圧電素子片の電極膜形成パターンを示す圧電素子片の平面図、この圧電素子片の腕部のA−A′線における断面図、および圧電素子片の基部のB−B′線における断面図である。
【0053】
図5(A)、(B)に示すように、本形態の圧電素子1は音叉型水晶振動子であり、基部21から2つの腕部22、23が延びた薄板状の水晶片からなる圧電素子片2と、この圧電素子片2の基部21に対して内部端子31が接続されたプラグ30と、圧電素子片2を収納したケース35とから構成され、このケース35とプラグ30とによって内部が気密状態に保たれている。圧電素子片2の両面には、それぞれ所定のギャップ10を隔てて2つの電極膜40が形成されている。
【0054】
この状態のままでは、電極膜40間のギャップ10が約15μmと極めて狭いため、電極膜40間で短絡が発生しやすく、また、基部21の側では、電極膜40間のギャップ10が広いといっても、電極膜40が露出していると、はんだ接続部分38からのウイスカーに起因する短絡が発生するおそれがある。
【0055】
そこで、本形態では以下の短絡防止構造を採用しているが、図5(C)に示すように、本形態でも、実施の形態2と同様、電極膜40は、圧電素子片2表面に積層されたクロム膜からなる下地金属膜41と、該下地金属膜41の表面に積層された銀電極層42Bとの2層構造になっている。
【0056】
ここで、銀電極層42Bは下地金属膜41表面の全面に積層され、かつ、銀電極層42Bの表面は絶縁性の表面保護膜45によって直に覆われている。すなわち、銀電極層42Bはそのままでもシリコン膜などの絶縁性の表面保護膜45との密着性が高いという性質を利用して、本形態では、下地金属膜41の全面に銀電極層42Bを積層したまま、該銀電極層42Bの表面を絶縁性の表面保護膜45で覆ってある。
【0057】
この表面保護膜45は、金属アルコキシドの縮合膜およびポリシラザンの熱処理膜のいずれかであり、このような表面処理膜は緻密性が高いなど、表面保護膜45として適している。それ故、電極膜40に銀電極層42Bを用いても、表面保護膜45を形成した以降は、銀電極層42Bの表面が酸化されないなどの利点がある。
【0058】
また、このような表面処理膜であれば、後述するように、半導体プロセスのようなプロセスを行わなくても形成できるので、本形態では、電極膜40を形成した圧電素子片2をプラグ30上に搭載した後に表面保護膜45を形成することによって、圧電素子片2の電極膜40とプラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成してある。
【0059】
このように構成した圧電素子1では、腕部22、23の側および基部21の側のいずれにおいても電極膜40には露出部分がないので、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できる。また、銀電極層42Bを下地金属膜41表面の全面に形成したまま、すなわち、銀電極層42Bを広い範囲にわたって形成したまま、表面保護膜45を形成できるので、銀電極層42Bを除去する必要がない分、電極膜40の電気的抵抗値を低下させることができる。それ故、CI値の低減を図ることができる。
【0060】
また、本形態では、圧電素子片2の電極膜40とプラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成し、しかも、この表面保護膜45は緻密性の高い金属アルコキシドの縮合膜、またはポリシラザンであるので、はんだ接続部分38でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる。
【0061】
このような構成の水晶振動子の製造方法は、実施の形態2と基本的な構成が同一であり、基本的には表面保護膜45の形成方法だけが相違する。そこで、特徴的な工程のみについて説明する。
【0062】
本形態の圧電素子1の製造方法では、電極膜40を形成した圧電素子片2については、銀電極層42Bの表層を除去して不安定な皮膜を除去した後、図4(A)に示すようにプラグ30に搭載する。次に、表面保護膜45の形成工程では、図6に示すように、金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンを形成するための前駆体溶液への圧電素子片2の浸漬処理と、この浸漬処理を施した圧電素子片2への熱処理とを行って、圧電素子片2の腕部22、23、基部21、さらには、圧電素子片2の電極膜40とプラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜からなる絶縁性の表面保護膜45を形成する。
【0063】
それ以降の工程は実施の形態1、2と全く同様なので、説明を省略する。
【0064】
このように、本形態でも、圧電素子片2に電極膜40を形成するまでは、半導体プロセスと同様な方法であるが、圧電素子片2に電極膜40を形成した後は、金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの前駆体溶液への圧電素子片2の浸漬処理、および圧電素子片2への熱処理を行って表面保護膜45を形成していく。この方法によれば、前駆体溶液などへの圧電素子片2の浸漬深さを調整すれば、圧電素子片2の前記電極膜40とプラグ30の内部端子31とのはんだ接続部分38まで覆うように表面保護膜45を形成することができる。従って、この方法によれば、はんだ接続部分38でのウイスカーに起因する短絡を防止することができる素子構造を容易に構成できる。
【0065】
【実施例】
以上説明した各形態に係る圧電素子1を、以下に説明するように各種条件で製作して評価したので、その結果を表1および表2に示す。
【0066】
表1には、本発明の各実施例および比較例に係る試料の電極材料、チオール処理の有無、保護膜の形態を示すとともに、各試料の試験後のショート発生率を示してある。ここでいう試験とは、ケース35への組立てまで完了した圧電素子1を100mm径、200mmの高さの密閉円筒内に入れ、20RPMで1時間回転する試験である。
【0067】
【表1】
Figure 0003603571
【0068】
表2には、本発明の各実施例および比較例に係る試料の電極材料、チオール処理膜の有無、表面保護膜の形態を示すとともに、各試料を100℃、1000時間放置した後の発振周波数変化量(ΔF)およびCI値の変化量(ΔCI)を示 してある。
【0069】
【表2】
Figure 0003603571
【0070】
ここで用いた試料は、実施の形態1に関しては試料1、2、3が対応し、実施の形態2に関しては試料4、5が対応し、実施の形態3に関しては試料6、7が対応する。なお、比較例としては、比較試料1、2、3、4、5を用いた。
【0071】
試料1は、実施の形態1に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と金電極層42Aからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成した後、表面保護膜としてポリシラザンの熱処理膜を約200オングストローム形成したものである。試料2は、実施の形態1に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と金電極層42Aからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成した後、表面保護膜としてポリシラザンの熱処理膜を約400オングストローム形成したものである。試料3は、実施の形態1に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と金電極層42Aからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成した後、表面保護膜としてシリコンアルコキシドとチタンアルコキシドの縮合膜を約2000オングストローム形成したものである。
【0072】
試料4は、実施の形態2に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と銀電極層42Bからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成した後、表面保護膜としてポリシラザンの熱処理膜を約400オングストローム形成したものである。試料5は、実施の形態2に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と金電極層42Aからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成した後、表面保護膜としてシリコンアルコキシドとチタンアルコキシドの縮合膜を約2000オングストローム形成したものである。
【0073】
試料6は、実施の形態3に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と銀電極層42Bからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成せずに、表面保護膜としてポリシラザンの熱処理膜を約400オングストローム形成したものである。試料7は、実施の形態3に係る圧電素子1として、クロム膜からなる下地金属膜41と銀電極層42Bからなる電極膜40の表面にチオール処理膜44を形成せずに、表面保護膜としてシリコンアルコキシドとチタンアルコキシドの縮合膜を約2000オングストローム形成したものである。
【0074】
比較試料1は、従来技術で説明したように、電極膜40を構成するクロム膜からなる下地金属膜41および金電極層42Aのうち、金電極層42Aを部分的に剥離した後に、表面保護膜として、シリコン酸化膜を約500オングストローム形成したものである。比較試料2は、従来技術で説明したように、電極膜40を構成するクロム膜からなる下地金属膜41および金電極層42Aのうち、金電極層42Aを部分的に剥離した後に、表面保護膜として、シリコン酸化膜を約1000オングストローム形成したものである。比較試料3は、従来技術で説明したように、電極膜40を構成するクロム膜からなる下地金属膜41および銀電極層42Bのうち、銀電極層42Bを部分的に剥離した後に、表面保護膜として、シリコン酸化膜を約1500オングストローム形成したものである。比較試料4は、従来技術で説明したように、電極膜40を構成するクロム膜からなる下地金属膜41および金電極層42Aのうち、金電極層42Aを部分的に剥離した後に、表面保護膜として、シリコンアルコキシドとチタンアルコキシドの縮合膜を約3000オングストローム形成したものである。なお、比較試料5は、あくまで参考試料であり、クロム膜からなる下地金属膜41と銀電極層42Bからなる電極膜40の表面にチオール処理膜を形成せず、かつ、表面保護膜を形成しなかったものである。
【0075】
これらの各試料の評価結果を表1に示す値から比較すると明らかなように、本発明を適用した圧電素子1では、いずれもショート発生率が約10ppm以下と著しく低い。
【0076】
また、本発明を適用した圧電素子1では、表面保護膜が薄くても、比較試料1〜5と比較して、発振周波数変化量(ΔF)およびCI値の変化量(ΔCI)が小さい傾向にある。特に、本発明の実施の形態1、2を適用した試料1、2、3、4では、発振周波数変化量(ΔF)およびCI値の変化量(ΔCI)を小さく 抑えることができる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧電素子では、電極膜を構成する金電極層または銀電極層の表面には、表面保護膜の下地膜としてチオール処理膜を形成し、このチオール処理膜によって、金電極層または銀電極層の表面側に絶縁性の表面保護膜を高い密着性をもって形成したことに特徴を有する。それ故、電極膜の金電極層を除去せずに、表面保護膜を広い範囲にわたって形成できるので、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できる。また、金電極層を下地金属膜表面に形成したまま、すなわち、金電極層を広い範囲にわたって形成したまま表面保護膜を形成できるので、金電極層を除去する必要がない分、電極膜の電気的抵抗値を低下させることができる。それ故、CI値の低減を図ることができる。また、表面保護膜はガス吸着量が少ないので、長時間経過してもCI値の経時的な増大や周波数の変化を抑えることができる。
【0078】
また、本発明の別の形態では、銀電極層はそのままでもシリコン膜などの絶縁性の表面保護膜との密着性が高いという特有の性質を活かして、下地金属膜表面に銀電極層を積層したまま、銀電極層の表面を絶縁性の表面保護膜で直に覆うことに特徴を有する。従って、本発明によれば、ウイスカーなどに起因する短絡を防止できるとともに、銀電極層を除去する必要がない分、電極膜の電気的抵抗値を低下させることができるので、CI値の低減を図ることができ、かつ、表面保護膜はガス吸着量が少ないので、長時間経過してもCI値の経時的な増大や周波数の変化を抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態1に係る圧電素子の全体構成を示す斜視図、この圧電素子に用いた圧電素子片の電極膜形成パターンを示す圧電素子片の平面図、この圧電素子片の腕部のA1−A1′線における断面図、および圧電素子片の基部のB1−B1′線における断面図である 。
【図2】本発明の実施の形態1の圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電極膜などを形成するまでの製造工程図である。
【図3】本発明の実施の形態1の圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電極膜などを形成した以降の工程図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態1に係る圧電素子の製造方法において、チオール処理膜を形成するための工程を示す説明図、および表面保護膜を形成する工程を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態2に係る圧電素子の全体構成を示す斜視図、この圧電素子に用いた圧電素子片の電極膜形成パターンを示す圧電素子片の平面図、この圧電素子片の腕部のA2−A2′線における断面図、および圧電素子片の基部のB2−B2′線における断面図である 。
【図6】本発明の実施の形態2に係る圧電素子の製造方法において、表面保護膜を形成する工程を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、従来の圧電素子の全体構成を示す斜視図、この圧電素子に用いた圧電素子片の電極膜形成パターンを示す圧電素子片の平面図、この圧電素子片の腕部のA3−A3′線における断面図、および圧電素子片の基部のB3−B3′線における断面図である。
【図8】従来の圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電極膜などを形成するまでの製造工程図である。
【図9】従来の圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電極膜などを形成した以降の工程図である。
【符合の説明】
1 圧電素子(音叉型水晶振動子)
10 電極膜間のギャップ
21 圧電素子の基部
22、23 圧電素子の腕部
30 プラグ
31 プラグの内部端子
33 プラグの外部端子
35 ケース
38 はんだ接続部分
40 電極膜
41 クロム膜からなる下地金属膜
42A 金電極層
42B 銀電極層
44 チオール処理膜
45、45A 表面保護膜

Claims (5)

  1. 所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、前記電極膜と接続される内部端子を有するプラグとを備えた圧電素子において、
    前記電極膜は、前記圧電素子片表面に積層された下地金属膜と、該下地金属膜表面に積層された金もしくは銀電極層とを備え、
    前記金もしくは銀電極層の表面及び前記電極膜と前記内部端子との接続部分が、その表面に形成されたチオール処理膜と、該チオール処理膜の表面側に形成された絶縁性の表面保護膜とによって覆われていることを特徴とする圧電素子。
  2. 所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、前記電極膜と接続される内部端子を有するプラグとを備えた圧電素子において、
    前記電極膜は、前記圧電素子片表面に積層された下地金属膜と、該下地金属膜表面に積層された銀電極層とを備え、
    該銀電極層の表面及び前記電極膜と前記内部端子との接続部分が、その表面に形成された絶縁性の表面保護膜によって覆われていることを特徴とする圧電素子。
  3. 請求項1ないし2のいずれかにおいて、
    前記表面保護膜は、金属アルコキシドの縮合膜およびポリシラザンの熱処理膜のいずれかであることを特徴とする圧電素子。
  4. 所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、前記電極膜と接続される内部端子を有するプラグとを備えた圧電素子の製造方法において、
    前記圧電素子片に前記電極膜を形成し、該圧電素子片を前記内部端子に接続した後に、前記電極膜の表面にチオール溶液を用いてチオールを付着させてチオール処理膜を形成する第1の工程と、
    金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜を形成するための前駆体溶液への前記圧電素子片の浸漬処理、および該浸漬処理を施した前記圧電素子片への熱処理を行って前記チオール処理膜の表面全体に金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜からなる表面保護膜を積層する第2工程とを行ない、前記電極膜及び前記電極膜と前記内部端子との接続部分を覆うように前記表面保護膜を形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  5. 所定のギャップを隔てて2つ以上の電極膜が形成された圧電素子片と、前記電極膜と接続される内部端子を有するプラグとを備えた圧電素子の製造方法において、
    前記圧電素子片に、下地金属膜と該下地金属膜上に積層された銀電極層とを形成し、該圧電素子片を前記プラグ上に搭載した後に、
    金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜を形成するための前駆体溶液への前記圧電素子片の浸漬処理、および該浸漬処理を施した前記圧電素子片への熱処理を行って前記チオール処理膜の表面全体に金属アルコキシドの縮合膜またはポリシラザンの熱処理膜からなる表面保護膜を積層する工程を行ない、前記電極膜及び前記電極膜と前記内部端子との接続部分を覆うように前記表面保護膜を形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
JP30471497A 1997-11-06 1997-11-06 圧電素子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3603571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30471497A JP3603571B2 (ja) 1997-11-06 1997-11-06 圧電素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30471497A JP3603571B2 (ja) 1997-11-06 1997-11-06 圧電素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11145758A JPH11145758A (ja) 1999-05-28
JP3603571B2 true JP3603571B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=17936336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30471497A Expired - Fee Related JP3603571B2 (ja) 1997-11-06 1997-11-06 圧電素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3603571B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002050939A (ja) * 2000-08-03 2002-02-15 Seiko Instruments Inc 圧電振動子
US7721590B2 (en) * 2003-03-21 2010-05-25 MEAS France Resonator sensor assembly
JP4751074B2 (ja) * 2005-02-08 2011-08-17 セイコーインスツル株式会社 圧電振動子、発振器、及び電子機器
JP5176276B2 (ja) * 2006-01-24 2013-04-03 富士電機株式会社 半導体装置およびその製造方法
JP2007243435A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Daishinku Corp 圧電振動片、圧電振動片の周波数調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11145758A (ja) 1999-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3475928B2 (ja) 圧電振動子およびその製造方法
JPWO2000005812A1 (ja) 圧電振動子およびその製造方法
KR20030092142A (ko) 박막 음향공진기 및 그 제조방법
US20060273687A1 (en) Surface acoustic wave device and method of manufacturing the same
JPWO2002061943A1 (ja) Sawデバイス及びその製造方法
US7026743B2 (en) Surface acoustic wave device having high dielectric strength and process for manufacturing the same
US12160221B2 (en) Piezoelectric resonator unit and method of manufacturing the same
JP3603571B2 (ja) 圧電素子およびその製造方法
US20070182291A1 (en) Thin film tuning-fork type inflection resonator and electric signal processing element
CN101523721B (zh) 具有短路防止工具的压电谐振器
JP2001144581A (ja) 圧電振動子およびその製造方法
JP2007074727A (ja) 音響共振器を含む集積回路
JP3702656B2 (ja) 圧電素子およびその製造方法
JPH09172339A (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法
JPH10200369A (ja) 圧電薄膜共振子
CN116938190A (zh) 声表面波滤波器、装置及电子设备
JP2000082936A (ja) 音叉型水晶振動子及び発振子
JP2001250995A (ja) 圧電体薄膜素子
JPH0223034B2 (ja)
JP2001144582A (ja) 表面実装用水晶振動子
JP2001102904A (ja) 水晶振動子
JP2003115741A (ja) 圧電振動子とオーバトーン周波数調整方法
JPH08162899A (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法
JPS60244108A (ja) 弾性表面波素子
JPH098595A (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040414

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040427

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040628

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040907

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040920

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees