JP3602661B2 - オゾン注入装置の制御システム - Google Patents

オゾン注入装置の制御システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水二次処理水、産業排水、食品排水等をオゾン処理するオゾン注入装置の制御システムに係り、とりわけ被処理水中のトリハロメタン生成能を常に安定して低減することができるオゾン注入装置の制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水環境への関心の高まりを受けて下水二次処理水等の被処理水を高度処理するため、オゾン処理が導入されている。オゾン処理はオゾンの強力な殺菌力と酸化力を利用して、被処理水中の滅菌、色度除去(脱色)、臭気成分の分解、COD(化学的酸素要求量)の低減等を行なうものである。
【0003】
図11は下水二次処理水、産業排水、食品排水等を被処理水とする代表的な処理プロセスと従来のオゾンの注入装置を示すブロック図である。
【0004】
図11に示すように、処理プロセスは、被処理水(原水)に対して凝集処理を行なう処理手段1を備えている。凝集処理手段1で処理された被処理水は、その後、砂ろ過処理手段2、およびオゾン注入部3に順次送られ、砂ろ過処理手段2およびオゾン注入部3において各々処理されて処理水となる。
【0005】
凝集処理手段1における処理は、被処理水中の溶存高分子有機物を凝集フロックとして水中に懸濁せるものであり、被処理水の性状に応じて省略されることもある。
【0006】
砂ろ過処理手段2における処理は、水中の懸濁する浮游物を除去するものであり、原性の性状に応じて前記凝集処理手段1と砂ろ過処理手段2とを組み合せる替わりに、生物膜ろ過処理手段(図示せず)を設けてもよい。またオゾン注入部3は、被処理水中の臭気成分の除去や色度除去、COD削減、殺菌等を行なうものである。
【0007】
また、図11に示す処理プロセスでは、図示していないが、オゾン注入部3の後段に生物学的酸素要求量(BOD)成分除去のため、生物活性炭(BAC)処理手段を設置したり、オゾン処理水の殺菌を維持するために、処理水に塩素滅菌手段を設置する場合がある。
【0008】
一方、図11のブロックが示すように、オゾン注入部3を有する従来のオゾン注入装置の制御方法は、排オゾン濃度を指標とするものであり、あらかじめオゾン注入制御装置4に排オゾン濃度の上限目標値Puと下限目標値Pdを設定しておき、これら上限目標値Puと下限目標値Pdと排オゾン濃度計5の測定値Poとの関係から以下のようなフィードバック(FB)制御が行われる。
【0009】
すなわちオゾン発生器6にて発生させたオゾンガスは、オゾン注入部3から被処理水に注入される。被処理水との気液接触の反応後、オゾンガスは排オゾンガスとして系外に排出される。この間、排オゾン濃度計5によって排オゾンガスの濃度が常時測定されている。
【0010】
オゾン注入制御装置4は、排オゾン濃度計5における測定値Poに基づいて、Pd≦Po≦Puの条件を満たしている間は、現在の発生オゾン濃度の目標値Psが維持されるようオゾン発生器6へ信号を出力する。一方、Po<pdの場合は、オゾンの注入量が不足であると判断され、発生オゾン濃度の目標値Psを増加させるようオゾン制御装置4からオゾン発生器6へ信号を出力する。また、Pu<Poの場合は、オゾンの注入量が過多であると判断され、発生オゾン濃度の目標値Psを減少させるようにオゾン制御装置4からオゾン発生器6へ信号を出力する。
【0011】
また、発生オゾン濃度計7は発生オゾンガスをを確認するためのものであり、発生オゾン濃度計7の測定値Piは上記のFB制御の指標には用いられない。しかしながら発生オゾン濃度の目標値Psと発生オゾン濃度計の測定値Piとの差が20%以上、すなわち|Ps−Pi|/Ps≧0.2の状態が長時間続く場合は、オゾン発生器6の異常として、オゾン注入制御装置4から表示装置8に警報信号が出力される。
【0012】
以上のように、従来のオゾン注入装置の制御方法では排オゾン濃度の測定値が制御指標の例となっているが、この他、色度、E260(測定波長260nmの紫外線吸光度)、COD、溶存オゾン濃度等を制御指標とした制御方法も用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した排オゾン濃度、色度、E260、COD、溶存オゾン濃度等を指標としたオゾン注入装置の制御方法では、トリハロメタン前駆物質(塩素との接触によりトリハロメタンに変化する物質)の低減には、かならずしも有効的に作用していないのが実情である。下水二次処理水、産業排水、食品排水等の被処理水中には、種々の夾雑物、オゾン消費物質が含まれているため、常にオゾン消費量や反応性が一定とは限らず、特に下水二次処理水は生活に対応した排水を被処理水とするため、夾雑物やオゾン消費物質の時間変動が大きい。このため、従来のオゾン注入装置の制御方法では、排オゾン濃度や色度等の制御指標値を満たしていても、トリハロメタン前駆物質低減のための必要オゾン量を注入することはできない。
【0014】
他方、大都市部では、河川の下水の放流口に近い場所に水道原水の取水口があり、下水中のトリハロメタン前駆物質の濃度が高いまま河川等の公共用水域へ放流されると、浄水処理工程における塩素処理過において、高トリハロメタン濃度や異臭味の発生原因となることがあった。
【0015】
こうした状況を受けて、公共用水域への排水規制を強化するため環境基準の見直しが進み、飲料水の安全性を確保するため、平成5年12月に水道水の新水質基準が施行された。例えば厚生省では「水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律」(事業促進法)、環境庁では「特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法」(特別措置法)が水道水源関連二法として、平成6年2月にそれぞれ成立した。両法の目的は、相互協調しながら水道水源の保全浄化を目指すことにある。また、中央環境審議会では、トリハロメタンの原因物質となるフミン質など有機物の工場排水基準を決め、これを受けて環境庁は、この排水基準を平成7年5月に都道府県知事に告示した。この工場排水基準値は都道府県知事が上限値と下限値の範囲内で実際の規制値を決定することになっている。
【0016】
このように、水道水源関連二法及び環境庁の工場排水基準などから、下排水中のトリハロメタン生成能に代表される有害有機物生成能物質の低減が強く求められるようになってきた。
【0017】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、下水二次処理水中のトリハロメタン生成能をオゾン処理にて、安定かつ効果的に低減することができるオゾン注入装置の制御システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理水に対してオゾンを注入するオゾン注入部と、このオゾン注入部にオゾンを送るオゾン発生器とを有するオゾン注入装置の制御システムにおいて、オゾン注入部より上流側に設けられ、励起波長345nmで蛍光スペクトルを求め、蛍光波長425nmで励起スペクトルを求めることにより、被処理水の相対蛍光強度を測定する蛍光分析計と、予め相対蛍光強度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値が内蔵され、蛍光分析計からの測定値、相対蛍光強度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値に基づいてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率を求める蛍光強度データ処理装置と、被処理水の流量を測定する流量計と、オゾン発生器への送気ガス量を測定するガス流量計と、蛍光強度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流量計からの被処理水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値を求めるとともに、この発生オゾン濃度の目標値をオゾン発生器に出力するオゾン注入制御装置と、を備えたことを特徴とするオゾン注入装置の制御システムである。
【0019】
本発明は、被処理水に対してオゾンを注入するオゾン注入部と、このオゾン注入部にオゾンを送るオゾン発生器とを有するオゾン注入装置の制御システムにおいて、オゾン注入部より上流側に設けられ、測定波長345nmにおける被処理水の吸光度を測定する分光光度計と、予め吸光度とトリハロメタン生成能との関係式、およびオゾン注入率と吸光度の残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値が内蔵され、分光光度計からの測定値、吸光度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と吸光度の残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値に基づいてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率を求める吸光度データ処理装置と、被処理水の流量を測定する流量計と、オゾン発生器への送気ガス量を測定するガス流量計と、吸光度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流量計からの被処理水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値を求めるとともに、この発生オゾン濃度の目標値をオゾン発生器に出力するオゾン注入制御装置と、を備えたことを特徴とするオゾン注入装置の制御システムである。
【0020】
本発明によれば、蛍光分析計により流水の相対蛍光強度が測定され、この相対蛍光強度に基づいて蛍光強度データ処理装置においてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率が求められる。オゾン注入制御装置において、蛍光強度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流水流量計からの流水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値が求められ、この発生オゾン濃度の目標値がオゾン発生器に出力される。オゾン発生器は発生オゾン濃度の目標値に基づいてオゾンを発生させ、発生したオゾンはオゾン注入部より被処理水へ注入される。
【0021】
本発明によれば、分光光度計により流水の吸光度が測定され、この吸光度に基づいて吸光度データ処理装置においてトリハロメタン生成能を低減させる必要オンゾン注入率が求められる。オゾン注入制御装置において、吸光度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流水流量計からの流水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値が求められ、この発生オゾン濃度の目標値がオゾン発生器に出力される。オゾン発生器は発生オゾン濃度の目標値に基づいてオゾンを発生させ、発生したオゾンはオゾン注入部より被処理水へ注入される。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0023】
まず図1により下水二次処理水等の被処理水(原水)の処理プロセスについて述べる。図1に示すように、被処理水の処理プロセスは、被処理水を凝集させて被処理水中の溶存高分子有機物を凝集フロックとして水中に懸濁させる凝集処理手段1を備えている。またこの凝集処理手段1の下流側には、水中の懸濁する浮游物を除去するための砂ろ過処理手段2、および被処理水中へオゾンを注入するオゾン注入部3が各々接続されている。
【0024】
また、オゾン注入部3にはオゾン発生器6が接続され、これらオゾン注入部3とオゾン発生器6とによってオゾン注入装置が構成されている。またオゾン発生器6にはオゾン発生器6へ送気される送気ガス量を求めるガス流量計6aが取付けられている。
【0025】
さらに図1に示すように、砂ろ過処理手段2とオゾン注入部3との間には、被処理水採取口9と流量計12とが各々配設されており、被処理水採取口9には被処理水の相対蛍光強度を測定する蛍光分析計10が接続されている。また蛍光分析計10には、蛍光分析計10からの測定値に基づいてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率を求める蛍光強度データ処理装置11が接続されている。さらに蛍光強度データ処理装置11および流量計12には、オゾン注入制御装置4が接続されている。
【0026】
このうち蛍光強度データ処理装置11には、相対蛍光強度とトリハロメタン生成能の関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度の残存率(FLr)の関係式及び上記関係式を用いたトリハロメタン生成能の制御目標値(THMco)に対応した相対蛍光強度の制御目標値(FLco)が設定されており、前記FL1,FLco及びオゾン注入率と相対蛍光強度残存率の関係式を用いてFL1をFLco以下にするのに必要なオゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4に出力するようになっている。
【0027】
また流量計12は、オゾン注入部3における処理水量Ql(m/h)を計測するものである。オゾン注入制御装置4では、蛍光強度データ処理装置11で求めた必要オゾン注入率Drm、流量計12からのオゾン処理水量Ql、およびガス流量計6aで測定されたオゾン発生器6に送気される送気ガス量Qg(m/h)に基づいて、新たな発生オゾン濃度の目標値Psを定め、この発生オゾン濃度の目標値Psをオゾン発生器6に出力する。
【0028】
またオゾン注入部3からの排オゾンガスライン20には排オゾン濃度計5が設けられている。この排オゾン濃度計5は、通常は排オゾン濃度の確認用であり、オゾン発生器6に接続された発生オゾン濃度計7とともに、オゾン注入制御装置4に接続されており、制御範囲の制限、異常時の警報出力の判断に用いられる。なお、オゾン注入制御装置4には、警報信号が入力される表示装置8が接続されている。
【0029】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。図1において被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1や砂ろ過処理手段2では除去しきれないため、オゾン処理手段3で効率良く低減させることが重要となる。
【0030】
本発明ではまず被処理水採取口9にてオゾン処理直前の被処理水が常時採取され、蛍光分析計10へ送られる。
【0031】
蛍光分析計10では、被処理水の相対蛍光強度が常時測定され、測定値FL1として蛍光強度データ処理装置11に常時出力される。
【0032】
なお、本実施の形態における蛍光分析計10では、励起波長345nmで蛍光スペクトルを求め、蛍光波長425nmで励起スペクトルを求め、このようにして蛍光スペクトル425nmにおける相対蛍光強度を読み取っている。
【0033】
蛍光強度データ処理装置11には、図2及び以下に示すような相対蛍光強度(FL)とトリハロメタン生成能(THM FP)の関係式((1)式)が予め内蔵されている。
FL=1.72×(THM FP)+4.8 …(1)式
【0034】
また蛍光強度データ処理装置11には、図3及び以下に示すような、オゾン注入率(Dr)と相対蛍光強度残存率(FLr)の関係式((2)式)が内蔵されている。
FLr(%)=exp(−0.0608×Dr)×100 …(2)式
なお、上記の(1)及び(2)式は、本実施の形態による処理プロセスにおける実験式である。
【0035】
また、蛍光強度データ処理装置11には、トリハロメタン生成能の制御目標値(THMco)の設定が可能であり、本実施の形態では、環境庁の工場排水基準をもとに、下水道業の下限値である200μg/Lを参考にして、その90%値である180μg/Lに設定してある。
【0036】
このトリハロメタン生成能の制御目標値は、前記(1)式より相対蛍光強度の制御目標値(FLco)として、FLco=314.4に変換される。
【0037】
蛍光強度データ処理装置11では、蛍光分析計10の測定値FL1と相対蛍光強度の制御目標値FLcoとを比較する。このときFL1≧FLcoの場合は、オゾン注入部3によってオゾン注入率を変動させ、オゾン処理水の相対蛍光強度をFLco以下に低減させる。すなわち(2)式を用いて、新たな必要オゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4へ出力する。
【0038】
一方、FL1<FLcoの場合は現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、つまり、Drm=Drとしてオゾン注入制御装置4へ出力する。
【0039】
オゾン注入制御装置4では、蛍光強度データ処理装置11からの必要オゾン注入率Drm、流量計12における計測値Ql、ガス流量計6aで測定したオゾン発生器6への送気ガス量Qgを基に、下記の(3)式のように発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、発生オゾン濃度の目標値Psはオゾン発生器6へ出力される。
Ps(g/m)=Drm×Ql/Qg …(3)式
【0040】
オゾン発生器6では、発生オゾン濃度の目標値Psに基づいてオゾンを生成し、生成したオゾンをオゾン注入部3へ送り、オゾン注入部3から被処理水へオゾンを注入する。
【0041】
このように本実施の形態によれば、オゾン注入部3の直前の被処理水の相対蛍光強度を指標とした発生オゾン濃度のFF(feed forward)制御が実施される。
【0042】
ところで、本実施の形態において、オゾン注入率が極端に多くなったり、少なくなったりすることを防止するため、オゾン注入制御装置4にオゾン吸収率γ(%)の上限値β及び下限値α設定され、またオゾン注入制御装置4において(4)式によりオゾン吸収率γ(%)が求められる。
γ(%)=(1−Po/Pi)×100 …(4)式
ここでPoは排オゾン濃度計5からの排オゾン濃度であり、Piは発生オゾン濃度計7からの発生オゾン濃度である。
【0043】
本実施の形態では、α=85%、β=98%に設定されており、FF制御におけるオゾン吸収率γが、α≦γ≦βの範囲にある間は前記のFF制御が通常通り実施されている。しかし、α>γ又はγ>βの場合は、前記のFF制御に優先して、オゾン吸収率γがα≦γ≦βの範囲に入るように発生オゾン濃度の目標値Psの修正が実施される。この場合、上述したFF制御が解除されたことを示す警報信号が表示装置8に出力され、表示装置8により「FF制御解除」が表示される。
【0044】
また、発生オゾン濃度の目標値Psと、発生オゾン濃度の目標値Psと発生オゾン濃度計の測定値Piとの差が20%以上、つまり|Ps−Pi|/Ps≧0.2の状態が長時間続く場合は、オゾン発生器6の異常として判断され、オゾン注入制御装置4から表示装置8に「オゾン発生器異常」の警報が出力される。
【0045】
以上説明したように本実施の形態によれば、被オゾン処理水の相対蛍光強度を指標として注入オゾン濃度のFF制御を行なうことにより、オゾン注入部3からのオゾン注入により、オゾン処理後のトリハロメタン生成能を常に180μg/L以下に低減できる。このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性がより高まるとともに水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0046】
第2の実施の形態
以下、図4を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図4に示す第2の実施の形態は、処理水採取口13をオゾン注入部3の下流側に設けるとともに、この処理水採取口13に蛍光分析計10を接続したものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。図4において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
すなわち、図4に示すように、オゾン注入部3の直後に処理水採取口13が設けられ、この処理水採取口13に蛍光分析計10が接続され、オゾン注入装置のFB(feed back )制御が可能となっている。
【0048】
図4において被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1または砂ろ過処理手段2では除去しきれないため、オゾン注入部3において効率良くトリハロメタン生成能を低減させることが重要となる。
【0049】
図4に示すように、オゾン注入部3によるオゾン処理直後の処理水は、常時処理水採取口13から採取され、蛍光分析計10へ送られる。
【0050】
蛍光分析計10では、処理水の相対蛍光強度が測定され、測定された相対蛍光強度に測定値FL2として蛍光強度データ処理装置11に常時出力されている。
【0051】
蛍光強度データ処理装置11には、第1の実施の形態と同様に図2及び(1)式に示した相対蛍光強度FLとトリハロメタン生成能(THM FP)の関係式が設定されている。
【0052】
また、蛍光強度データ処理装置11には、トリハロメタン生成能の制御目標値(THMco)の設定が可能であり、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に180μg/Lに設定してある。また、この制御目標値(THMco=180μg/L)は、前記(1)式より、相対蛍光強度の制御目標値(FLco)として、FLco=314.4に変換される。
【0053】
蛍光強度データ処理装置11では、蛍光分析計10の測定値FL2とトリハロメタン生成能の制御目標値FLcoとを比較し、FL2≧FLcoの場合は、オゾン注入部3におけるオゾン注入率が過少であると判断する。次にオゾン注入率を増加させて、0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲に入るように新たな必要オゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4へ出力する。
【0054】
一方、FL2<0.9×FLcoの場合は、オゾン注入率が過剰であると判断し、オゾン注入率を減少させて、0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲に入るように必要オゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4へ出力する。必要オゾン注入率に至る最初のオゾンの増減量は、過去の制御実績から学習して決定され、必要オゾン注入率Drmの増減は、オゾン処理水の相対蛍光強度FL2が0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲に入るまで繰り返され、オゾン注入制御装置4へ出力される。また、FL2が、0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲にある場合は、現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、つまりDrm=Drとして、オゾン注入制御装置4へ出力する。
【0055】
オゾン注入制御装置4では、蛍光強度データ処理装置11からの必要オゾン注入率Drm、流量計12における計測値Ql、ガス流量計6aで測定したオゾン発生器6に送気される送気ガス量Qgをもとに、(3)式を用いて発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psがオゾン発生器6へ出力される。
【0056】
オゾン発生器6では、発生オゾン濃度の目標値Psに基づいてオゾンが発生し、発生したオゾンがオゾン注入部3から処理水へ注入され、このようにして処理が実施されている。
【0057】
本実施の形態においてはオゾン処理直後の相対蛍光強度を指標とした発生オゾン濃度のFB制御が行なわれる。
【0058】
本実施の形態によれば、オゾン処理水の相対蛍光強度を指標とした注入オゾン濃度のFB制御を行なうことにより、オゾン注入部3により、オゾン処理後のトリハロメタン生成能をオゾン注入率を過不足させることなく常に180μg/L以下に低減することができる。
【0059】
このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性が高まるとともに、水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0060】
第3の実施の形態
以下、図5を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図5に示す第3の実施の形態は、オゾン注入部3の直前および直後に被処理水採取口9および処理水採取口13が設けられ、これら被処理水採取口9および処理水採取口13に蛍光分析計10を接続したものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。図5において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
図5に示す第3の実施の形態は第1の実施の形態と第2の実施の形態とが複合され、オゾン注入制御のFF制御およびFB制御を行なう構成となっている。
【0062】
図5において、被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1または砂ろ過処理手段2では、除去しきれないため、オゾン注入部3によって効率良くトリハロメタン生成能を低減させることになる。
【0063】
図5に示すように、被処理水採取口9よりオゾン処理直前の被処理水が採取され、また処理水採取口13よりオゾン処理水が採取され、それぞれ蛍光分析計10によって被処理水の相対蛍光強度FL1及び処理水の相対蛍光強度FL2が計測される。この計測値は各々蛍光強度データ処理装置11に出力される。
【0064】
蛍光強度データ処理装置11には、第1の実施の形態と同様に図2及び(1)式、図3及び(2)式に示される関係式がそれぞれ設定されている。また第1の実施の形態と同様に、トリハロメタン生成能制御目標値(THMco)として180μg/Lが設定されている。この制御目標値は、前記(1)式より相対蛍光強度の制御目標値(FLco)として、FLco=314.4に変換される。
【0065】
蛍光強度データ処理装置4では、FL1≧FLcoの場合は第1の実施の形態と同様の動作でオゾン注入部3によりFL1をFLco以下にするための必要オゾン注入率Drmが演算され、オゾン注入制御装置4へ出力される。そしてオゾン注入制御装置4では、発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psに基づいてオゾン発生器6においてオゾンが生成される。オゾン発生器6において発生したオゾンは、オゾン注入部3へ導入され、オゾン注入部3から被処理水へ注入されてオゾン処理が実施される。
【0066】
このようにしてオゾンの被処理水の相対蛍光強度FL1を指標としたFF制御が行なわれる。
【0067】
一方、処理水採取口13から採取したオゾン処理水の相対蛍光強度FL2を用いたFB制御は、FF制御の補完及びFL1<FLcoの場合の制御を行なうものである。
【0068】
すなわち▲1▼FF制御によって求められた現時点におけるオゾン注入率Drを用いた際、オゾン処理水の相対蛍光強度FL2が、相対蛍光強度の制御目標値FLco以下に低減していない状態、つまりFL2>FLcoの場合や、
▲2▼FF制御ではFL1<FLcoであり、オゾン注入率の更新は行なわれないため、オゾン注入率が過多となっている可能性がある状態、つまりFL2<0.9×FLcoの場合に、
FB制御が行なわれる。
【0069】
これらの場合(上記▲1▼▲2▼の場合)、第2の実施の形態と同様に蛍光強度データ処理装置11において、0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲に入るように必要オゾン注入率Drmの増減が繰り返され、必要オゾン注入率Drmがオゾン注入制御装置4へ出力される。また、FL2が0.9×FLco≦FL2<FLcoの範囲にある場合は、現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、Drm=Drとしてオゾン注入制御装置4へ出力する。
【0070】
オゾン注入制御装置4では発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psに基づいてオゾン発生器6にてオゾンが発生する。発生されたオゾンはオゾン注入部3へ導入され、オゾン処理が実施される。
【0071】
また、被処理水の相対蛍光強度FL1が短時間の間に急激に変化した場合、再びFF制御に切替り、以後、前述したFB制御およびFF制御が同様に繰り返される。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態よればオゾン注入部の直前および直後の相対蛍光強度を指標としたFF制御及びFB制御を組み合わせることにより、原水の負荷変動に対応したオゾン注入装置の制御システムが達成される。
【0073】
従って、オゾン注入部3によりオゾン処理後のトリハロメタン生成能を原水の負荷変動に関係なく、常に180μg/L以下にすることができる。
【0074】
このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性が高まるとともに、水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0075】
第4の実施の形態
次に図6乃至図8により本発明の第4の実施の形態について説明する。図6乃至図8に示す第4の実施の形態は、オゾン注入部3の直前に設けられた被処理水採取口9に分光光度計14を接続し、この分光光度計14に吸光度データ処理装置15を接続したものであり、他は図1乃至図3に示す第1の実施の形態と略同一である。図6において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図6において、被処理水採取口9に接続された分光光度計14は被処理水採取口9により採取されたオゾン処理直前の被処理水に関し、その吸光度(測定値E1)を測定するものであり、この測定値E1は吸光度データ処理装置15に出力される。吸光度データ処理装置15は、予め吸光度とトリハロメタン生成能の関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度残存率(Er)の関係式および関係式を用いたトリハロメタン生成能に制御目標値(THMco)に相応した吸光度の制御目標値(Eco)を内蔵している。
【0077】
また吸光度データ処理装置15は吸光度の測定値E1、制御目標値Eco、及びオゾン注入率と吸光度の残存率の関係式を用いて、測定値E1を制御目標値Eco以下にするのに必要なオゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4に出力するようになっている。
【0078】
オゾン注入制御装置4では、必要オゾン注入率Drm、オゾン処理水量Ql、およびガス流量計6aで測定されたオゾン発生器6に送気される送気ガス量Qg(m/h)を基に、新たな発生オゾン濃度の目標値Psをオゾン発生器6に出力するフィードフォワード(FF)を制御を行なう。
【0079】
図6において、被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1や砂ろ過処理手段2では除去しきれないため、オゾン注入部3により効率良くトリハロメタン生成能を低減させることが重要となる。
【0080】
本実施の形態では、まず被処理水採取口9においてオゾン処理直前の被処理水が常時採取され、分光光度計14へ送られる。
【0081】
分光光度計14では、被処理水の吸光度を常時測定し、測定値E1として吸光度データ処理装置15に常時出力する。なお、本実施の形態の分光光度計14では、セル長50nmの石英セルを用いて、波長345nmにおける吸光度(E34 )が読み取られる。
【0082】
吸光度データ処理装置15には、予め図7及び以下に示すような吸光度とトリハロメタン生成能(THM FP)の関係式、
345 =0.0039×(THM FP)+0.042 …(5)式
と図8及び以下に示すような、オゾン注入率(Dr)と吸光度の残存率(Er)の関係式、
Er(%)=exp(−0.065×Dr)×100 …(6)式
とが設定されている。
【0083】
上記の(5)及び(6)式は、本処理プロセスにおける実験式である。
また、吸光度データ処理装置15には、トリハロメタン生成能の制御目標値(THMco)の設定が可能であり、本実施の形態では、環境庁の工場排水基準をもとに、下水道業の下限値である200μg/Lを参考にして、その90%値である180μg/Lに設定してある。
【0084】
このトリハロメタン生成能の制御目標値は、前記(5)式より吸光度の制御目標値(Eco)として、Eco=0.744に変換される。
【0085】
吸光度処理装置14では、分光光度計14の測定値E1と吸光度の制御目標値Ecoとを比較して、E1≧Ecoの場合は、オゾン処理手段3によりオゾン注入率を変動させて、オゾン処理水の吸光度をEco以下に低減させる。このために、吸光度処理装置14では(6)式を用いて、新たな必要オゾン注入率Drmを演算し、この必要オゾン注入率Drmをオゾン注入制御装置4へ出力する。
【0086】
一方、E1<Ecoの場合は現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、つまり、Drm=Drとしてオゾン注入制御装置4へ出力する。
【0087】
オゾン注入制御装置4では、吸光度データ処理装置15からの必要オゾン注入率Drm、流量計12における計測値Ql、ガス流量計6aで測定されたオゾン発生器6への送気ガス量Qgをもとに、第1の実施の形態で述べた(3)式により発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psがオゾン発生器6へ出力される。
【0088】
オゾン発生器6では、発生オゾン濃度の目標値Psに基づいてオゾン発生が行われ、発生したオゾンはオゾン注入部3から被処理水へ注入される。
【0089】
このように本実施の形態によれば、オゾン注入部3の直前の相対蛍光強度を指標とした、発生オゾン濃度のFF制御が実施されている。
【0090】
本実施の形態によれば、被オゾン処理水の吸光度を指標とした注入オゾン濃度のFF制御を行なうことにより、オゾン注入部3によりオゾン処理後のトリハロメタン生成能を常に180μg/L以下に低減できる。
【0091】
このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性がより高まるとともに水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0092】
第5の実施の形態
以下、図9により本発明による第5の実施の形態について説明する。図9に示す第5の実施の形態は、オゾン注入部3の直後に処理水採取口13を設け、この処理水採取口13に分光光度計14を接続したものであり、他は図6乃至図8に示す第4の実施の形態と略同一である。
【0093】
図9において、図6乃至図8に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
本実施の形態は、第4の実施の形態のFF制御に対し、処理水採取口13をオゾン注入部3の直後に設けるとともにオゾン注入装置のFB(feed back )制御を行なうものである。
【0095】
図9において、被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1または砂ろ過処理手段2では除去しきれないため、オゾン注入部3により効率良くトリハロメタン生成能を低減させることが重要となる。
【0096】
本実施の形態では、まず処理水採取口13によってオゾン注入部3直後の処理水を常時採取し、処理水を分光光度計14へ送っている。
【0097】
分光光度計14では、処理水の吸光度を測定し、測定値E2として吸光度データ処理装置15に常時出力する。
【0098】
吸光度データ処理装置15には、第4の実施の形態と同様に図7及び(5)式に示した吸光度とトリハロメタン生成能(THM FP)の関係式が内蔵されている。
【0099】
また、吸光度データ処理装置15には、トリハロメタン生成能の制御目標値(THMco)の設定が可能であり、本実施の形態では、第1の実施例と同様に180μg/Lに設定されている。また、この制御目標値(THMco=180μg/L)は、前記(5)式により吸光度の制御目標値(Eco)として、Eco=0.774に変換される。
【0100】
吸光度データ処理装置15では、分光光度計14の測定値と吸光度の制御目標値Ecoとを比較し、E2≧Ecoの場合は、オゾン処理手段3におけるオゾン注入率が過少であると判断し、オゾン注入率を増加させて、0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲に入るように新たな必要オゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4へ出力する。
【0101】
一方、E2<0.9×Ecoの場合は、オゾン注入率が過剰であると判断し、オゾン注入率を減少させて、0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲に入るように必要オゾン注入率Drmを演算し、オゾン注入制御装置4へ出力する。必要オゾン注入率に至る最初のオゾンの増減量は、過去の制御実績から学習して決定され、必要オゾン注入率Drmの増減は、オゾン処理水の吸光度E2が0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲に入るまで繰り返され、オゾン注入制御装置4へ出力される。また、E2が、0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲にある場合は、現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、つまりDrm=Drとして、オゾン注入制御装置4へ出力する。
【0102】
オゾン注入制御装置4では、吸光度データ処理装置15からの必要オゾン注入率Drm、流量計12における計測値Ql、ガス流量計6aで測定されオゾン発生器6に送気される送気ガス量Qgを基にして、第1の実施の形態の(3)式と同様に発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psがオゾン発生器6へ出力される。
【0103】
オゾン発生器6では、発生オゾン濃度の目標値Psに基づいてオゾンが発生し、発生したオゾンはオゾン注入部3において被処理水へ注入される。
【0104】
以上、説明したように、本実施の形態によればオゾン処理直後の吸光度を指標とした発生オゾン濃度のFB制御が実施されている。
【0105】
以上説明したように本実施の形態によれば、オゾン処理水の吸光度を指標として注入オゾン濃度のFB制御を行なうことにより、オゾン注入部3によりオゾン処理した後のトリハロメタン生成能をオゾン注入率の過不足なく常に180μg/L以下に低減できる。
【0106】
このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性が高まるとともに、水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0107】
第6の実施の形態
以下、図10を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。図10に示す第6の実施の形態は、オゾン注入部3の直前および直後に被処理水採取口9および処理水採取口13が設けられ、これら被処理水採取口9および処理水採取口13に分光光度計14を接続したものであり、他は図6乃至図8に示す第4の実施の形態と略同一である。図10において、図6乃至図8に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0108】
図10に示す第6の実施の形態は第4の実施の形態と第5の実施の形態とが複合され、オゾン注入制御のFF制御およびFB制御を行なう構成となっている。
【0109】
図10において、被処理水中に含まれるトリハロメタン前駆物質は、凝集処理手段1または砂ろ過処理手段2では、除去しきれないため、オゾン注入部3によって効率良くトリハロメタン生成能を低減させることになる。
【0110】
図5に示すように、被処理水採取口9よりオゾン処理直前の被処理水が採取され、また、処理水採取口13よりオゾン処理水が採取され、それぞれ吸光度計14によって被処理水の吸光度E1及び処理水の吸光度E2が計測される。この計測値は各々吸光度データ処理装置15に出力される。
【0111】
吸光度データ処理装置15には、第4の実施の形態と同様に図7及び(5)式、図8及び(6)式に示される関係式がそれぞれ設定されている。また第1の実施の形態と同様に、トリハロメタン生成能制御目標値(THMco)として180μg/Lが設定されている。この制御目標値は、前記(5)式より吸光度の制御目標値(Eco)として、Eco=0.774に変換される。
【0112】
吸光度データ処理装置15では、E1≧Ecoの場合は第4の実施の形態と同様の動作でオゾン注入部3によりE1をEco以下にするための必要オゾン注入率Drmが演算され、オゾン注入制御装置4へ出力される。そしてオゾン注入制御装置4では、発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psに基づいてオゾン発生器6においてオゾンが生成される。オゾン発生器6において発生したオゾンは、オゾン注入部3へ導入され、オゾン注入部3から被処理水へオゾンが注入されてオゾン処理が実施される。
【0113】
このようにしてオゾンの被処理水の吸光度E1を指標とした発生オゾン濃度のFF制御が行なわれる。
【0114】
一方、処理水採取口13から採取したオゾン処理水の吸光度E2を用いたFB制御は、前記FF制御の補完及びE1<Ecoの場合の制御を行なうものである。
【0115】
すなわち▲1▼FF制御によって求められた現時点におけるオゾン注入率Drを用いた際、オゾン処理水の吸光度E2が、吸光度の制御目標値Eco以下に低減していない状態、つまりE2>Ecoの場合や、
▲2▼FF制御ではE1<Ecoであり、オゾン注入率の更新は行なわれないため、オゾン注入率が過多となっている可能性がある状態、つまりE2<0.9×Ecoの場合に、
FB制御が行なわれる。
【0116】
これらの場合(上記▲1▼▲2▼の場合)、第5の実施の形態と同様に、吸光度データ処理装置15において、0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲に入るように必要オゾン注入率Drmの増減が繰り返され、必要オゾン注入率Drmがオゾン注入制御装置4へ出力される。また、E2が0.9×Eco≦E2<Ecoの範囲にある場合は、現時点でのオゾン注入率Drを維持するように、Drm=Drとしてオゾン注入制御装置4へ出力する。
【0117】
オゾン注入制御装置4では発生オゾン濃度の目標値Psが計算され、この目標値Psに基づいてオゾン発生器6にてオゾンが発生する。発生されたオゾンはオゾン注入部3へ導入され、オゾン処理が実施される。
【0118】
また、被処理水の吸光度E1が短時間の間に急激に変化した場合、再びFF制御に切替り、以後、前述したFB制御およびFF制御が同様に繰り返される。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態よれば、オゾン注入部の直前および直後の吸光度を指標としたFF制御及びFB制御を組み合わせることにより、原水の負荷変動に対応したオゾン注入装置の制御システムが達成される。
【0120】
従って、オゾン注入部3によりオゾン処理後のトリハロメタン生成能を原水の負荷変動に関係なく、常に180μg/L以下にすることができる。
【0121】
このため、公共用水域へ放流される処理水の安全性が高まるとともに、水道水源の保全浄化に貢献することができる。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蛍光強度データ処理装置または吸光度データ処理装置において、トリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率が求められ、この必要オゾン注入率を用いて発生オゾン濃度の目標値を求めるので、トリハロメタン前駆物質をトリハロメタン前駆物質の負荷変動や被処理水のオゾン消費量の変動に関係なく、常に目標値以下に低減することができる。このためオゾン処理後の処理水の放流先である河川、湖沼等の公共用水域の保全浄化に貢献することができる。また、放流先の下流を水道水源として利用しているところでは、浄水処理におけるトリハロメタンの生成が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】相対蛍光強度とトリハロメタン生成能の関係を示す図。
【図3】オゾン注入率と相対蛍光強度の残存率の関係を示す図。
【図4】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第4の実施の形態を示す構成図。
【図7】吸光度とトリハロメタン生成能の関係を示す図。
【図8】オゾン注入率と吸光度の残存率の関係を示す図。
【図9】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第5の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明によるオゾン注入装置の制御システムの第6の実施の形態を示す構成図。
【図11】従来のオゾン注入装置の制御方法を示すブロック図。
【符号の説明】
1 凝集処理手段
2 砂ろ過処理手段
3 オゾン注入部
4 オゾン注入制御装置
5 排オゾン濃度計
6 オゾン発生器
7 発生オゾン濃度計
8 表示装置
9 被処理水採取口
10 蛍光分析計
11 蛍光強度データ処理装置
12 流量計
13 処理水採取口
14 分光光度計
15 吸光度データ処理装置

Claims (2)

  1. 被処理水に対してオゾンを注入するオゾン注入部と、このオゾン注入部にオゾンを送るオゾン発生器とを有するオゾン注入装置の制御システムにおいて、
    オゾン注入部より上流側に設けられ、励起波長345nmで蛍光スペクトルを求め、蛍光波長425nmで励起スペクトルを求めることにより、被処理水の相対蛍光強度を測定する蛍光分析計と、
    予め相対蛍光強度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値が内蔵され、蛍光分析計からの測定値、相対蛍光強度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と相対蛍光強度残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値に基づいてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率を求める蛍光強度データ処理装置と、
    被処理水の流量を測定する流量計と、
    オゾン発生器への送気ガス量を測定するガス流量計と、
    蛍光強度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流量計からの被処理水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値を求めるとともに、この発生オゾン濃度の目標値をオゾン発生器に出力するオゾン注入制御装置と、
    を備えたことを特徴とするオゾン注入装置の制御システム。
  2. 被処理水に対してオゾンを注入するオゾン注入部と、このオゾン注入部にオゾンを送るオゾン発生器とを有するオゾン注入装置の制御システムにおいて、
    オゾン注入部より上流側に設けられ、測定波長345nmにおける被処理水の吸光度を測定する分光光度計と、
    予め吸光度とトリハロメタン生成能との関係式、およびオゾン注入率と吸光度の残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値が内蔵され、分光光度計からの測定値、吸光度とトリハロメタン生成能との関係式、オゾン注入率と吸光度の残存率との関係式、およびトリハロメタン生成能の制御目標値に基づいてトリハロメタン生成能を低減させる必要オゾン注入率を求める吸光度データ処理装置と、
    被処理水の流量を測定する流量計と、
    オゾン発生器への送気ガス量を測定するガス流量計と、
    吸光度データ処理装置からの必要オゾン注入率と、流量計からの被処理水流量と、ガス流量計からの送気ガス量に基づいて発生オゾン濃度の目標値を求めるとともに、この発生オゾン濃度の目標値をオゾン発生器に出力するオゾン注入制御装置と、
    を備えたことを特徴とするオゾン注入装置の制御システム。
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