JP3601801B2 - 自動製氷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、下向きに開口する製氷小室に製氷水を下方から循環供給することにより、該製氷小室中に氷塊を生成するようにした自動製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の産業分野で、サイコロ状の角氷を大量に連続製造する自動製氷機が、その用途に応じて好適に使い分けられている。例えば、製氷室に下向きに開口するよう多数画成した立方体状の製氷小室を、その下方から水皿により開閉自在に閉成し、当該水皿から製氷水を各製氷小室に噴射供給して、該製氷小室中に角氷を生成するようにした所謂クローズドセル方式や、下方に開口する多数の立方体状の製氷小室に製氷水を下方から直接供給して、該製氷小室中に角氷を形成するようにした所謂オープンセル方式が知られている。
【0003】
前記クローズドセル方式としての噴射式自動製氷機の製氷機構部は、図3に示す如く、筐体内上方に製氷室10が水平に配置され、この製氷室10の下面に縦横に配設した複数の仕切板11によって、下方に開口する多数の製氷小室12が碁盤目状に画成される。また製氷室10の上面には、図示しない冷凍系に連通する蒸発器13が密着的に蛇行配置されており、製氷運転時にこの蒸発器13内に冷媒を循環させて前記製氷小室12を強制冷却すると共に、除氷運転に際して高温冷媒ガス(以後「ホットガス」と云う)を循環させて製氷小室12を加熱するよう構成されている。
【0004】
前記製氷室10の直下には、所定量の製氷水を貯留する製氷水タンク14を備えた水皿16が、支持軸17により傾動可能に枢支されている。この水皿16は、製氷運転時には水平に位置して前記製氷室10と平行に保持され、また除氷運転に際しては、図示しない傾動機構により付勢されて、支持軸17を中心に時計方向に傾動して斜め状態で停止することにより、製氷小室12を開放するようになっている。
【0005】
前記水皿16は、図3に示すように、製氷小室12の夫々に対応して製氷水を噴射するための噴水孔21と、未氷結水を製氷水タンク14に回収する戻り孔(図示せず)とが多数穿設されている。また水皿16の下面には、複数の送水路18が形成され、各噴水孔21は対応する送水路18に連通している。製氷水タンク14の側部にはポンプ20が配設され、該タンク14に連通した吸入管22を介して製氷水をポンプ吸引し、図示の吐出管24を介して水皿16に設けた圧力室26中に圧送するようになっている。そして圧力室26に圧送された製氷水は、各送水パイプ18を介して前記多数の噴水孔21から各製氷小室12内に噴射供給される。
【0006】
前記製氷小室12は、冷凍系の運転により氷点下に冷却されているので、該小室内に噴射供給される製氷水の一部は、製氷小室12の内壁面に層状に氷結し始める。また未氷結水は、水皿16の前記戻り孔から落下して製氷水タンク14に回収される。この製氷運転が進行し、製氷小室12に完全な角氷が生成されると、これを適宜の検知手段が検出し、製氷完了信号を出して製氷運転を停止する。次いで除氷運転が開始され、弁体の切換えにより前記蒸発器13にホットガスを供給して製氷室全体を加熱し、製氷小室12の内壁面と角氷との結氷を融解させる。そして所要のタイミングで水皿16が傾動して製氷小室12の下方開口部を開放し、連続して供給されるホットガスにより製氷小室12の内壁と角氷との間が除々に融解される。これにより角氷は自重で製氷小室12から落下し、水皿16を斜め下方に滑落して、図示しない貯氷庫内に貯留される。
【0007】
前記オープンセル方式としての水循環式自動製氷機の製氷機構部は、図4に示す如く、製氷機本体の内部上方に製氷皿40が水平に配設され、該製氷皿40には上下に開口する複数の通孔40aが形成されている。この製氷皿40の上面には、各通孔40aと対応して製氷室42が夫々接着され、各製氷室42には通孔40aを介して下方に開口する製氷小室44が画成されている。そして、各製氷室42の上面には、図示しない冷凍装置に連通する蒸発器46が密着的に固着されている。また製氷皿40の下方には、各製氷小室44で形成された角氷の落下を受け、該角氷を貯氷庫に回収する収納皿48が、所定角度で傾斜配置され、更にその下方に製氷水タンク50が配設されている。収納皿48には、各製氷小室44への製氷水の噴射供給を許容する散水孔48aと、製氷小室44で氷結するに至らなかった未氷結水を前記製氷水タンク50ヘ回収する複数の戻り孔48bとが穿設されている。前記製氷水タンク50中の製氷水は、散水孔48aと対応する位置に配設された散水管52に、タンク内部に配設したポンプ(図示せず)を介して圧送され、前記多数の製氷小室44の内面に均一に噴射供給されるようになっている。
【0008】
各製氷小室44は製氷運転時に前記蒸発器46により氷点下に冷却されているので、前記散水管52から噴射供給された製氷水は、各製氷小室44の内面で次第に氷結し始める。また製氷小室44内で氷結するに至らなかった未氷結水は、収納皿48に穿設した前記戻り孔48bを介して製氷水タンク50に回収され、再び循環に供される。前記製氷運転が進行して製氷小室44に角氷が生成されると、温度センサにより製氷完了を検知して製氷運転を停止し、前記蒸発器46にホットガスを供給して製氷小室44に対する角氷の凍結面を融解し、角氷を該製氷小室44から落下させる。角氷は収納皿48上を滑落し、図示の氷落下口54を介して貯氷庫内に貯留される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記噴射式自動製氷機では、その除氷運転に際し、製氷室10から角氷を短時間で放出落下させるため、製氷室10の下端と水皿16の表面との間に僅かの隙間を設け、この隙間に所要厚みの氷層を形成することにより各角氷を連結する構成が採用されている。すなわち、除氷運転に際して製氷小室12と角氷との氷結面が融解すると、相互に連結する全ての角氷の重量が、当該角氷群を製氷室10から剥離する方向に作用し、これにより除氷が促進される。ところで、製氷室10の下端と水皿16の表面との間に隙間を設けて氷層を形成するようにした構成では、製氷完了時には氷層が水皿表面に強固に氷結するに至っている。しかも水皿16自体は、剛性の高い材料から構成されているため、除氷運転に際して水皿16を傾動させると、氷層と水皿16との氷結面が一度に剥離することになり、水皿16やその傾動機構(アクチュエータ等)に過大な負荷が加わって、角氷も良好な状態では取出せない等の問題があった。
【0010】
なお自動製氷機では、除氷運転に際し、前記氷層と水皿16との剥離を促進したり、水皿16の表面に残留する氷片を融解して洗去する目的で、水皿16における枢支部の上方に配設した散水器(図示せず)から水皿16の表面全体に除氷水を散水供給することが行なわれている。しかし、この場合は除氷水の使用量が多くなってランニングコストが嵩む難点が指摘される。
【0011】
そこで図3に示すように、水皿16の表面に、氷塊が付着し難い性質で、かつ可撓性を有する材質の材料から形成された剥離用の樹脂板30を配設し、除氷運転時に氷層と水皿16との剥離力を軽減する構成が採られている。この樹脂板30は、その端縁部近傍だけが水皿表面に固着されており、その他の部分は、水皿表面に当接した状態となっている。これによって氷層と樹脂板30とは強固に氷結することなく、しかも水皿16が傾動した際には、樹脂板30が撓んで氷層から除々に剥離されるので、水皿16の傾動機構に過大な負荷が加わったり角氷が欠けたりするのを防止し得るものである。
【0012】
しかしここで問題となるのは、除氷運転において水皿16が傾動した際に、樹脂板30が撓んだままの状態となって、該樹脂板30の下面と水皿表面との間に隙間を生ずることである。そして製氷小室内の角氷が全て落下した後に水皿16を製氷位置にまで回動しても、樹脂材30の変形状態が完全に復帰していない場合、前記噴水孔21から噴射供給される製氷水が、該樹脂板30と水皿表面との隙間部分に入り込んで氷結するに至る。なお、夏場のように水道水の温度が高い場合には、製氷室に供給される製氷水の温度が比較的高いので、次の製氷運転の初期において隙間部分の氷が融解されるが、冬場のように製氷水の温度が低くなる時期には、隙間部分の氷が融解されずに残ってしまう。そして、この状態で製氷運転と除氷運転とを繰り返すと、隙間部分での氷が次第に成長して、樹脂板30を水皿表面から浮き上がらせてしまうことになる。
【0013】
すなわち、前記水皿16を製氷位置に臨ませた際に、製氷室10に配設した仕切板11と樹脂板30との隙間が狭くなったり、該樹脂板30が仕切板11に当接することにより、前記氷層の薄い部分や、該氷層が全く形成されない部分を生ずることになる。この場合には、除氷運転の初期の段階で薄い氷層は融解してしまい、氷層の無い部分を境として氷層で連結された角氷群が別々に形成されることになる。従って、分割された角氷群は、その重量に応じて除氷運転の進行に伴って所要の時間差をもって別々に放出されることになり、製氷室10に生成された全ての角氷を放出するのに時間が掛かり、角氷の日産製氷能力が低下する問題があった。また製氷機では、製氷室10から角氷が放出されることにより生ずる製氷室10の温度上昇を検出して、除氷運転完了を制御することが行なわれているが、分割された個々の角氷群が不均一に放出されると、その放出状態によって温度上昇の度合が異なることとなり、除氷完了検出が不確実になる欠点も指摘される。
【0014】
更に、角氷群が不均一に放出されることで除氷運転が必要以上に長くなると、放出が遅れた角氷群は過剰に融解して変形氷となったり痩せて寸法が不揃いとなる難点が指摘される。また樹脂板30と水皿16との隙間部分の氷が、製氷運転と除氷運転とを反復することにより大きく成長すると、樹脂板30が製氷小室12の下端部に強く当たって損傷を招く問題もある。
【0015】
前記水循環式自動製氷機では、散水管52から噴射される製氷水は、製氷皿40の通孔40aを介して各製氷室42の製氷小室44に供給され、製氷小室44の内面側から次第に氷結し始める。このため、製氷小室44中に密実な角氷が生成されるまでに、製氷小室44の内面側で氷結する氷層が製氷室42の開口縁部から外側まで成長し、前記製氷皿40の通孔40aおよびその下面に氷結していた(図4の二点鎖線)。なお、製氷室42は熱良導体であるアルミニウム等の金属を材質として形成されているのに対し、製氷皿40は一般的に熱不良導体である樹脂材料で形成されている。このため、除氷運転に際して蒸発器46にホットガスを循環させると製氷室42は速やかに加熱されて、製氷小室44に対する角氷の氷結面は融解されるが、製氷皿40には熱が伝わり難いために、角氷における製氷皿40の通孔40aや下面に氷結している部分が融解するのに時間が掛かり、除氷時間が長くなって角氷の日産製氷能力が低下する問題があった。また、角氷と製氷皿40との氷結部が融解するのに時間が掛かることに起因して、製氷小室44中の角氷が過剰に融解して変形氷となったり痩せてしまう難点も指摘される。
【0016】
【発明の目的】
この発明は、前述した自動製氷機に内在している欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、形状の整った良質の氷塊を製造し得ると共に、除氷時間の短縮を図って日産製氷能力を向上させ得る自動製氷機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、下向きに開口する多数の製氷小室を画成した製氷室と、前記製氷小室をその下方から傾動開放可能に閉塞すると共に、各製氷小室に対応する噴水孔および戻り孔を有する水皿と、この水皿の下方に一体形成した製氷水タンクとを備え、製氷水タンク中の製氷水を前記噴水孔から製氷小室に噴射供給して室内壁面に氷結させると共に、未氷結水は前記戻り孔を介して製氷水タンク中に帰還させて氷塊の生成を行ない、製氷完了後は除氷運転に切換えて前記水皿および製氷水タンクを傾動させて脱氷を行なうよう構成した噴射式の自動製氷機において、
前記水皿における少なくとも製氷室と対向する構成部分を、ブタジエンラバーを配合したABSまたはエチレンラバーを配合したAESからなる基材に、氷塊が付着し難い性質の添加材としてのシリコンを所要の割合で混合した樹脂材料により成形したことを特徴とする。
【0018】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本願の更に別の本発明は、下向きに開口する製氷小室を画成した複数の製氷室と、上下に開口する通孔が所要の配列で形成され、前記各製氷室が各通孔と対応するよう接着された製氷皿と、この製氷皿の下方に配設された製氷水タンクと、該製氷水タンク中の製氷水を前記各製氷室の製氷小室に向けて噴射供給する散水管とを備え、製氷水タンク中の製氷水を散水管を介して各製氷小室に直接供給して室内壁面に氷結させると共に、未氷結水は製氷水タンク中に帰還させて氷塊の生成を行なうよう構成した水循環式の自動製氷機において、
前記製氷皿を、ブタジエンラバーを配合したABSまたはエチレンラバーを配合したAESからなる基材に、氷塊が付着し難い性質の添加材としてのシリコンを所要の割合で混合した樹脂材料により成形したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る自動製氷機につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、図3,図4に関連して従来技術で説明した部材と同一の部材については、同じ符号で指示し、その詳細説明は省略するものとする。
【0020】
【第1実施例について】
図1は、第1実施例に係る噴射式自動製氷機の水皿を示すものであって、該水皿16は、製氷小室12と対応する噴水孔21や戻り孔が穿設された平板部56の下面に、下方に開口すると共に噴水孔21が連通する送水路18および側方に開口すると共に送水路18が連通する圧力室26を形成した水皿本体58と、該本体58における送水路18の開口部18aを閉成するよう接着される水路用蓋60と、圧力室26の開口部26aを閉成するよう接着される圧力室用蓋62とから構成されている。前記水皿16の構成部分としての水皿本体58は、基材Aに、氷塊が付着し難い性質(氷塊を容易に剥離させる性質)の添加材Bを所要の割合で混合した樹脂材料により成形されている。この基材Aとしては、形状、強度、寸法精度および接着性を有する、例えばABS,AES,ASまたはアクリル等の樹脂材料が好適に使用される。また添加材Bとしては、氷塊が付着し難い性質を有しているフルオロカーボン樹脂やシリコンまたはフッ素樹脂等が好適に使用される。なお、水路用蓋60や圧力室用蓋62は、基材Aのみで成形されている。また、基材Aに対する添加材Bの混合割合は、約2〜30%の間で適宜に設定される。
【0021】
このように、水皿本体58を基材Aと添加材Bとを混合した樹脂材料により成形したことにより、水皿本体58に、基材Aのみで成形された水路用蓋60および圧力室用蓋62を水洩れのないように接着することができる。そして、前記製氷室10と対向する水皿本体58は、添加材Bの性質として氷塊が付着し難い性質(氷塊を容易に剥離させる性質)を有しているから、製氷運転に際して製氷小室12に生成された角氷を連結する前記氷層が水皿本体58の表面に強固に氷結することはなく、除氷運転に際して傾動機構により傾動される水皿16は氷層から円滑に剥離され、傾動機構に過大な負荷が加わったり角氷の下端が欠損するのを防止することができる。
【0022】
なお、水皿本体58を添加材Bのみで成形することは可能であるが、この場合は水皿本体58と水路用蓋60および圧力室用蓋62の接着が不可能となるため、各部材を水密的に固定するにはねじやパッキング等の手段が必要となり、部品点数が多くなると共に、経時劣化に伴って水洩れが発生するおそれがあって、実用的ではない。しかも添加材Bはコストが高いため、水皿全体のコスト高につながる難点がある。また水皿16の構成上、射出成形により全体を一体成形することはできないため、水皿全体を添加材Bのみで成形することはできない。
【0023】
【第1実施例の作用について】
次に、第1実施例に係る噴射式自動製氷機の作用につき説明する。噴射式自動製氷機では、製氷運転が開始されると、製氷水タンク14中の製氷水が水皿16に圧送され、各噴水孔21を介して製氷小室12に噴射供給される。製氷小室12は、前記冷凍系から蒸発器13に供給される冷媒により冷却されているので、製氷水が製氷小室12の内壁に接触して次第に冷却されると共に、戻り孔を介して製氷水タンク14に帰還する。
【0024】
前記製氷運転の進行に伴い、製氷小室12の内壁面で製氷水の一部が氷結を開始し、最終的に密実な角氷が生成されるに至る。このとき前記製氷室10を下方から閉成している水皿本体58は、氷塊が付着し難い性質(氷塊を容易に剥離させる性質)を有しているので、製氷室10の下端と水皿本体58の表面との間に設けた隙間に形成された氷層が、水皿本体58の表面に強固に氷結するのを防止し得る。角氷が完全に形成されると、製氷室10の温度は降下するので、これを適宜の検知手段により検出して製氷運転を停止し製氷を完了する。そして製氷を完了すると同時に冷凍系の弁の切換えにより、蒸発器13にホットガスが供給されて製氷室10を加熱する。また適宜のタイミングで傾動機構が作動し、水皿16が前記支持軸17を中心に傾動を開始する。このとき水皿本体58は、氷塊が剥離し易い性質を有しているから、水皿16は角氷を連結する氷層から円滑に剥離される。これにより傾動機構に過大な負荷が加わることなく、角氷も欠損しない。
【0025】
前記蒸発器13にホットガスが循環供給されると、各製氷小室12と角氷との氷結面が融解される。このとき角氷は、その下端に一定の厚みで形成された氷層により連結されており、全ての角氷が一度に製氷小室12から剥離落下するので、角氷群を短時間で製氷小室12から落下放出することができ、日産製氷能力を向上させ得る。なお、水皿16の表面に樹脂板を設けるものではないから、製氷位置に傾動復帰した水皿16の表面と製氷室10の下端との間には常に均一な隙間を確保することができ、該隙間に形成される氷層により製氷室10に生成される全ての角氷を相互に連結することができるものである。また、除氷運転に際して全ての角氷が一度に落下するから、形状および寸法の整った角氷を得ることができる。更に、水皿16の表面に別部材として樹脂板等を配設する従来の構造に比べて、部品点数が多くなったり組立て工数が多くなることはなく、製造コストを低廉に抑えることが可能となる。
【0026】
【実験例について】
前記水皿本体58を、
▲1▼アクリロニトリルが約30%、ブタジエンラバーが約20%、スチレンが約50%の配合からなるABS(基材A)に対して、シリコン(添加材B)を2%の割合で加えた樹脂材料により成形した第1実験例と、
▲2▼アクリロニトリルが約30%、エチレンラバーが約20%、スチレンが約50%の配合からなるAES(基材A)に対して、シリコン(添加材B)を2%の割合で加えた樹脂材料により成形した第2実験例、
および▲3▼ABS(基材A)のみで成形した従来例とにつき、RT(室温)=20℃,製氷完了点(蒸発器中央部温度)=−30℃の条件で、噴射式自動製氷機での除氷運転に際しての水皿16に加わる剥離力を測定した結果を、以下の表に示す。
【0027】
【0028】
前述した実験例から、基材Aに添加材Bを混合することにより、角氷と水皿16との剥離力は極めて小さくなることが判明した。
【0029】
【第2実施例について】
図2は、第2実施例に係る水循環式自動製氷機の製氷皿を示すものであって、該製氷皿40は、前述したABS,AES,ASまたはアクリル等を材質とする基材Aに、フルオロカーボン樹脂やシリコンまたはフッ素樹脂等の氷塊が付着し難い性質(氷塊を容易に剥離させる性質)を有している添加材Bを所要の割合で混合した樹脂材料により成形したものである。すなわち、製氷皿40を基材Aと添加材Bとを混合した樹脂材料により成形したことにより、製氷皿40に対して製氷室42を水洩れのないように接着し得ると共に、製氷室42の下端縁から下方に氷層が成長して製氷皿40に強固に氷結するのを防止することができる。
【0030】
【第2実施例の作用について】
次に、第2実施例に係る水循環式自動製氷機の作用につき説明する。水循環式自動製氷機では、製氷水タンク50中の製氷水が散水管52を介して各製氷小室44に噴射供給される製氷運転の進行に伴い、製氷小室44の内壁面で製氷水の一部が氷結を開始し、最終的に密実な角氷が生成される。このとき前記製氷皿40は、氷塊が付着し難い性質(氷塊を容易に剥離させる性質)を有しているので、製氷小室44の下端縁から下方の通孔40aや製氷皿40の下面に氷層が成長することは殆どなく、しかも氷層が製氷皿40に強固に氷結することもない。従って、除氷運転に際して製氷室42を加熱すると、製氷小室44に氷結している角氷との氷結面は融解され、短時間で角氷が落下する。これにより、除氷時間を短縮して日産製氷能力を向上させることができる。また、氷層と製氷皿40との氷結部が融解するのに時間が掛かることに起因して、製氷小室44中の角氷が過剰に融解して変形氷となったり痩せてしまうこともなく、形状の整った角氷が得られる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る自動製氷機によれば、噴射式の自動製氷機では、氷塊が付着し難い性質を有する添加材を所要の割合で混合した樹脂材料により水皿を成形したから、製氷小室に生成される氷塊と水皿とが強力に氷結するのを防止することができ、除氷運転における水皿の開放時に傾動機構に過大な負荷が加わるのを防止し得ると共に、氷塊が欠けたりするのを防止し得る。また、製氷小室中に形成された氷塊の水皿への氷結が少ないから、水皿開放時の剥離力が小さくなり、傾動機構の駆動手段の出力を小さくすることが可能となり、コストを低減し得ると共に省エネを達成することができる。更に、水皿表面に残留する氷着氷が極めて少ないから、除氷運転に際して使用される除氷水の量を少なくすることができ、ランニングコストを低減し得る。
【0032】
また、水皿の表面と製氷室の下端との間には常に均一な隙間を確保することができるから、該隙間に形成される氷層により製氷室に生成される全ての角氷を相互に連結して、角氷群を短時間で製氷小室から落下放出することができ、日産製氷能力を向上させ得る。なお、水皿全体を高価な添加材で成形するのではなく、基材に所要の割合で添加材を混合した樹脂材料で成形したから、材料費を低く抑えることができる。しかも、水皿自体を成形するための成形機や金型等は従来と同一のものが使用し得るので、新たな設備投資を行なうことなく実施し得る等の利点を有する。
【0033】
また水循環式の自動製氷機では、氷塊が付着し難い性質を有する添加材を所要の割合で混合した樹脂材料により製氷皿を成形したから、製氷小室の下端縁から下方の通孔や製氷皿の下面に氷層が成長することは殆どなく、しかも氷層が製氷皿に強固に氷結することもない。従って、氷層と製氷皿との氷結部が融解するのに時間が掛かることに起因して除氷時間が長くなることはなく、除氷時間を短縮して日産製氷能力を向上させることができる。更に、製氷小室中の角氷が過剰に融解して変形氷となったり痩せてしまうこともなく、形状の整った角氷が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第1実施例に係る噴射式自動製氷機の水皿を示す分解断面図である。
【図2】本発明の好適な第2実施例に係る水循環式自動製氷機の製氷皿を示す断面図である。
【図3】従来技術に係る噴射式自動製氷機の製氷機構部を示す断面図である。
【図4】従来技術に係る水循環式自動製氷機の製氷機構部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 製氷室,12 製氷小室,14 製氷水タンク,16 水皿,18 送水路
18a 開口部,21 噴水孔,26 圧力室,26a 開口部,40 製氷皿
40a 通孔,42 製氷室,44 製氷小室,50 製氷水タンク,52 散水管
58 水皿本体(構成部分),60 水路用蓋,62 圧力室用蓋
Claims (2)
- 下向きに開口する多数の製氷小室(12)を画成した製氷室(10)と、前記製氷小室(12)をその下方から傾動開放可能に閉塞すると共に、各製氷小室(12)に対応する噴水孔(21)および戻り孔を有する水皿(16)と、この水皿(16)の下方に一体形成した製氷水タンク(14)とを備え、製氷水タンク(14)中の製氷水を前記噴水孔(21)から製氷小室(12)に噴射供給して室内壁面に氷結させると共に、未氷結水は前記戻り孔を介して製氷水タンク(14)中に帰還させて氷塊の生成を行ない、製氷完了後は除氷運転に切換えて前記水皿(16)および製氷水タンク(14)を傾動させて脱氷を行なうよう構成した噴射式の自動製氷機において、
前記水皿(16)における少なくとも製氷室(10)と対向する構成部分(58)を、ブタジエンラバーを配合したABSまたはエチレンラバーを配合したAESからなる基材に、氷塊が付着し難い性質の添加材としてのシリコンを所要の割合で混合した樹脂材料により成形した
ことを特徴とする自動製氷機。 - 下向きに開口する製氷小室(44)を画成した複数の製氷室(42)と、上下に開口する通孔(40a)が所要の配列で形成され、前記各製氷室(42)が各通孔(40a)と対応するよう接着された製氷皿(40)と、この製氷皿(40)の下方に配設された製氷水タンク(50)と、該製氷水タンク(50)中の製氷水を前記各製氷室(42)の製氷小室(44)に向けて噴射供給する散水管(52)とを備え、製氷水タンク(50)中の製氷水を散水管(52)を介して各製氷小室(44)に直接供給して室内壁面に氷結させると共に、未氷結水は製氷水タンク(50)中に帰還させて氷塊の生成を行なうよう構成した水循環式の自動製氷機において、
前記製氷皿(40)を、ブタジエンラバーを配合したABSまたはエチレンラバーを配合したAESからなる基材に、氷塊が付着し難い性質の添加材としてのシリコンを所要の割合で混合した樹脂材料により成形した
ことを特徴とする自動製氷機。
Priority Applications (1)
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JP26225595A JP3601801B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 自動製氷機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26225595A JP3601801B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 自動製氷機 |
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JPH0979714A JPH0979714A (ja) | 1997-03-28 |
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Family Applications (1)
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-
1995
- 1995-09-13 JP JP26225595A patent/JP3601801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0979714A (ja) | 1997-03-28 |
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