JP3600778B2 - 紙塗工用ラテックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用ラテックスに関するものである。
詳しくは、流動性、機械的安定性、保水性、高速塗工適性、ドライピック強度、ウェットピック強度、インク受理性、印刷光沢、白紙光沢に優れ、かつ腐敗しにくい保存安定性の優れた紙塗工用ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年塗工紙業界では、生産性を上げるため主力の塗工機としてブレードコーターを導入し、その塗工スピードを高速化するための方策を種々採っている。この高速塗工の場合、良好な塗料の流動性、保水性が求められるが、塗料中のバインダーとして用いられるラテックスにも良好な流動性、保水性が求められている。
【0003】
このニーズに応えるため、紙塗工用塗料のラテックスは流動性、保水性、接着強度、印刷光沢の観点から粒子径としては小粒子径化の方向にある。しかし、一般的にラテックス粒子が小粒子径になるとその安定性が低下するため、取扱い上に問題を生じるケースが発生する。
また、一般にこのようなラテックスは、製造後、製品として搬送中、さらには紙塗工用塗料のバインダーとして使用されるまでの保存期間中の腐敗を防止するために、例えば特公昭60−54281号公報に開示されるような2−メチル−5−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、及びその塩素あるいは臭素付加物の混合物を防腐剤として添加している。しかし、MITは極めて防腐効果が低いという欠点を有している。またその塩素あるいは臭素付加物の混合物を防腐剤として含むラテックスは、その防腐効果を十分に発揮させる量の防腐剤を含ませた場合、変異原性試験の判定基準であるエイムズ試験において陽性を示すことがあるため、特に近年、食品用途等に用いられる塗工紙においてはエイムズ試験で陰性のラテックスが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、流動性、機械的安定性、保水性、高速塗工適性、ドライピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢、白紙光沢に優れ、かつ腐敗しにくい保存安定性に優れた紙塗工用ラテックスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の諸事情に鑑み現状の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の乳化剤を用いて乳化重合されたカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス100部(固形分換算)に対し、特定の化合物を特定割合にて含有してなる紙塗工用ラテックスが、前記の目的を達成することを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、(1)ブタジエン25〜65重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量部、スチレン10〜74.5重量部及び上記単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体0〜64.5重量部からなる単量体を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を単量体(合計)100重量部に対し0.2〜2.0重量部用いて乳化重合して得られた数平均粒子径が105〜150nmであるカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス100重量部(固形分換算)に対し、一般式(1)で表わされるベンゾイソチアゾリン系化合物を0.03〜0.5重量部含有することを特徴とする紙塗工用ラテックスを提供するものである。
【0007】
【化2】
Figure 0003600778
【0008】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスとは、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を乳化剤として用い、スチレン、ブタジエンを構成成分とし、これにエチレン系不飽和カルボン酸単量体、さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスである。
【0010】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸(無水物)を挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
【0011】
また、上記の単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
【0012】
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマルエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
【0013】
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
【0014】
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が好ましい。
【0015】
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
【0016】
上記のカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの単量体組成は、ブタジエン25〜65重量部、スチレン10〜74.5重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量部およびこれらと共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体0〜64.5重量部である。
【0017】
ブタジエンは25重量部未満では望ましい強度が得られず、65重量部を越えれば耐水性が低下するため好ましくない。
スチレンは逆に10重量部未満では耐水性が得られず、74.5重量部を越えた場合には望ましい強度が得られないため好ましくない。
また、エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、0.5重量部未満ではラテックスの安定性が不足するだけでなく望ましい強度が得られず、7重量部を越えれば耐水性が低下するため好ましくない。
【0018】
本発明における上記カルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスはその数平均粒子径が70〜150nmの範囲であることが特に好ましい。このような特定の粒子径を有するカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスを得るには、例えば、重合水の量、乳化剤の量やその添加方法等により適宜調整することができる。
【0019】
本発明においては、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を用い、上記の単量体を乳化重合することが必要である。この際、乳化剤として使用するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩は、上記単量体(合計)100重量部に対し、0.2〜2.0重量部の範囲で用いることが好ましい。
また、他の乳化剤、例えば高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩等の乳化剤についても本発明の効果を妨げない範囲で使用することは可能であるが、その使用量については単量体(合計)100重量部に対して0.5重量部を超えない範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明における各種単量体の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れでも採用することができる。更に、乳化重合において、常用の重合開始剤、炭化水素系溶剤、連鎖移動剤、電解質、キレート剤等を使用することができる。
【0021】
また本発明においては、一段重合、二段重合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等何れを採用してもよい。
【0022】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
【0023】
また、重合に際して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用しても良い。
【0024】
連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、α−メチルスチレンダイマー、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコエート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することが出来る。
【0025】
上記の方法にて得られたラテックスは、PH調節のために苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア等が加えられ、ストリッピングにより未反応単量体等の低沸点化合物を除去することにより得ることができる。
【0026】
本発明における紙塗工用ラテックスは、上記にて得られたカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス100部(固形分換算)に対し、一般式(1)で表わされるベンゾイソチアゾリン系化合物を0.03〜0.5重量部含有するものである。0.03重量部未満では防腐効果に乏しく、また0.5重量部を超えてもそれ以上の防腐効果は望めず経済的に不利となり、また却って塗工紙物性が低下することがあるため好ましくない。
【0027】
【化3】
Figure 0003600778
【0028】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす)
このような化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを代表例として挙げることができ、特に好ましい。
【0029】
なお、本発明においては、本発明の効果を妨げない範囲において、上記一般式(1)で表わされるベンゾイソチアゾリン系化合物以外の防腐剤を使用することを何ら妨げるものではない。
【0030】
また、上記本発明にて得られた紙塗工用ラテックスは、通常、顔料100重量部に対して固形分換算で3〜30重量部の割合で混合され、紙塗工用組成物として調製される。
ここで使用される顔料としては、例えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは単独または混合して使用される。
【0031】
また、紙塗工用組成物の調製に際しては、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を使用してもよく、さらにその他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)が必要に応じて添加される。
【0032】
さらに、紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布する方法は、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどの塗布機によって行なわれる。また、塗布後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。
【0034】
共重合体ラテックスの作製
窒素置換した耐圧性の重合反応器に、重合水100部、表1に示した量の各単量体、乳化剤(乳化剤A:(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(日本乳化剤製ニューコール271A)、乳化剤B:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王製 ネオペレックスNa25)、乳化剤C:アルキル硫酸ナトリウム(テイカ製テイカライトN1230))および連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー1.0部およびt−ドデシルメルカプタン0.5部を添加し、重合開始剤として過硫酸カリウム1.0部を加えて重合し、重合転化率が96%以上になった時点で反応を終結させた。その後、苛性ソーダで得られたラテックスのPHを約8.5に調整後、未反応単量体、低沸点化合物を除去した後、共重合体ラテックスA〜Eを得た。
【0035】
共重合体ラテックスの平均粒子径
上記各共重合体ラテックスの平均粒子径は、数平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、LPA―3000/3100(大塚電子製)を使用した。
【0036】
上記各共重合体ラテックス100部(固形分換算)に対し、下記の防腐剤を表2に示す割合にて、添加し、紙塗工用ラテックスI〜V、i〜iiiを得た。また、得られた紙塗工用ラテックスにつき、以下の方法にて腐敗性試験を行った。結果を表2に示す。
防腐剤BIT:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
【0037】
腐敗性試験
試料となる各ラテックスを95℃で2時間加熱処理し殺菌する。
試験するラテックス100gに各防腐剤を所定量加え均一化する。
腐敗したラテックス5g(菌数10以上)を各試験するラテックスに加え、35℃で2週間放置し、その後さらに腐敗したラテックス5g(菌数10以上)を添加し、35℃で放置する。
これらの各試験するラテックスの菌数の経時変化(1〜3ヶ月)をTGC寒天平板混釈法にて測定する。菌数が10以下の場合は腐敗していないと判断できる。
【0038】
紙塗工用組成物の調整
また、上記にて得られた紙塗工用ラテックスI〜V、i〜iiiを用いて、下記配合処方により紙塗工用組成物を調製した。得られた紙塗工用組成物の液性を表3に示す。
Figure 0003600778
【0039】
塗工紙の作製
市販の熱風塗工乾燥機MLC−100S型を用いて、塗工原紙(坪量80g/m2)に、得られた紙塗工用組成物をそれぞれ塗工し、各塗工紙を作製した。
なお、各塗工紙は、全て次に示す同一条件下で作製した。
塗工条件:前記の熱風塗工乾燥機にて、上記組成物の塗工量が片面13g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工した。塗工速度は50m/min.に設定した。
乾燥条件:塗工から約0.5秒後に、150℃の乾燥炉内で、温度210℃、風速33m/秒の熱風により5秒間乾燥した。
得られた各塗工紙を、相対湿度65%、温度20℃の条件下で一昼夜調湿した後、線圧70kg/cm、温度50℃、通紙速度7m/分、表裏2回ずつ合計4回の通紙条件でスーパーカレンダー処理し、各塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表3に示す。なお、各組成物ならびに塗工紙の特性は以下の方法に拠った。
【0040】
紙塗工用組成物の流動性の評価
二重円筒型のハーキュレスハイシェアー粘度計(熊谷理機工業社製)を使用した。内筒ボブFを用いて、高せん断速度を与える4000rpmにおける各紙塗工用組成物の見掛け粘度(cps)を測定した。数値の低い方が見掛け粘度は低く、流動性が良い。
【0041】
紙塗工用組成物の機械的安定性の評価
市販のマロン式機械的安定性試験器を用いて、各紙塗工用組成物(固形分40重量%、試料50g)に、ローター回転数1000rpm、ローター荷重10Kg、回転時間10分間の条件で機械的せん断を与えた後、発生した凝集物を200メッシュの金網で捕捉した。捕捉された凝集物を乾燥した後、元の固形分重量に対する凝集物の割合を重量%で求めた。求められた値に従って、紙塗工用組成物の機械的安定度を次の3段階で評価した。
○・・・0.01重量%未満。
△・・・0.01重量%以上、0.10重量%未満。
×・・・0.10重量%以上。
【0042】
塗工紙のドライピック強度の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に評価した。点数の高いものほど良好である。
【0043】
塗工紙のウェットピック強度の評価
RI印刷機を用いてモルトンロールにより各塗工紙試料に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールにより各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に評価した。点数の高いものほど良好である。
【0044】
塗工紙のインク受理性
RI印刷機を用いてゴムロールにより各塗工紙試料に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールにより各塗工紙試料を同時に印刷した際のインキの受理の程度を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に評価した。点数の高いものほど良好である。
【0045】
塗工紙の白紙光沢の評価
各塗工紙試料についてJIS P−8142に従って75°の光沢度を測定した。数値が大きいほど白紙光沢がよい。
【0046】
塗工紙の印刷光沢の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同一の条件で印刷した後、一昼夜放置し、印刷面の光沢度をJIS.P−8142に従い測定した。数値が大きいほど印刷光沢がよい。
【0047】
【表1】
Figure 0003600778
【0048】
【表2】
Figure 0003600778
【0049】
【表3】
Figure 0003600778
【0050】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の紙塗工用ラテックスは、腐敗しにくい保存安定性の優れたラテックスであり、かつ流動性、機械的安定性、保水性、高速塗工適性、ドライピック強度、ウェットピック強度、インク受理性、印刷光沢、白紙光沢に優れた紙塗工用組成物および塗工紙を提供することができるものである。

Claims (1)

  1. ブタジエン25〜65重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量部、スチレン10〜74.5重量部及び上記単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体0〜64.5重量部からなる単量体を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を単量体(合計)100重量部に対し0.2〜2.0重量部用いて乳化重合して得られた数平均粒子径が105〜150nmであるカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス100重量部(固形分換算)に対し、一般式(1)で表わされるベンゾイソチアゾリン系化合物を0.03〜0.5重量部含有することを特徴とする紙塗工用ラテックス。
    Figure 0003600778
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす)
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