JP3600465B2 - 時間計測器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電源の電圧・信号が所定値に到達する時間や電源の異なるチャネル間において一方が所定値に到達した後他方が所定値に到達するまでの時間間隔を測定する時間測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源の各チャネルの電圧・信号や情報伝達の各種制御信号等では、信号の発生・消滅に時間順序と時間幅が規定されている。例えば、電源投入直後では、図6に示すようなシーケンスが規定されている。図6は、電源投入信号PON(1)の発生後の所定時間T1経過後に+3.3V(2)の電源がオンし、所定時間T2経過後に+5.0V(3)の電源がオンし、所定時間T3経過後に−5.0V(4)の電源がオンし、・・・、全ての電源がオンしたと見なせる所定時間T4経過後に信号処理等の開始許可信号READY(5)が発生するというシーケンスの一例である。
【0003】
なお、図6では、「電源がオン」したか否かは、電圧が90%のレベルに立ち上がった時点(図6(2)(3))や電圧が90%のレベルに立ち下がった時点(図6(4))で判断する例を示してある。
電子装置の出荷試験では、各種信号の生起時刻や時間順序を確認するため、例えば図7に示すような時間計測器を用いて各種信号の立ち上がり時間や立ち下がり時間、2つの信号間の時間間隔を計測することが行われている。
【0004】
図7において、端子90は、アッテネータ(ATT)92を介して比較器94の一方の入力端に接続される。比較器94は、他方の入力端に基準電圧源96が接続され、出力端がヒステリシス回路98を介してカウンタ100の第1入力端(ストップ信号入力端)に接続される。また、端子91は、アッテネータ(ATT)93を介して比較器95の一方の入力端に接続される。比較器95は、他方の入力端に基準電圧源97が接続され、出力端がヒステリシス回路99を介してカウンタ101の第1入力端(ストップ信号入力端)に接続される。
【0005】
基準時間発生器102の出力端は、カウンタ100,101の第2入力端(クロック入力端)にそれぞれ接続される。カウンタ100,101は、第3入力端(スタート信号入力端)が制御部103の出力端にそれぞれ接続され、出力端が演算部104にそれぞれ接続される。演算部104は、制御入力端が制御部103の出力端に接続され、出力端が判定部105に接続される。制御部103は、外部から測定開始信号が入力する。
【0006】
以上の構成において、測定対象が電源電圧である場合、端子90,91には、100V等の高電圧が印加される場合がある。ATT92,93は、そのような場合のために設けてある。比較器94,95は、演算増幅器を用いたアナログコンパレータであり、ATT92,93を介して入力する測定対象信号と基準電圧源96,97からの基準電圧との大小比較により、測定対象信号の例えば90%立ち上がり点や立ち下がり点を検出する。
【0007】
ここに、測定対象信号には、例えば、図6(1)(5)に示すように、立ち上がりや立ち下がりが急峻な信号がある一方で、図6(2)(3)(4)に示すように、急峻でなく種々の傾斜で立ち上がる信号がある。アナログ型の比較器94,95では、測定対象信号の立ち上がり時間等が比較的緩やかな信号である場合(例えば、数ミリ秒〜数百ミリ秒)には、測定対象信号が基準電圧を通過する場合に、大小判定が一意に定まらず不安定状態となることがある。例えば、5.0Vの電圧信号では、4.5Vが判定閾値であるが、4.5V付近から4.6Vないしは4.7V付近までの期間では、不安定状態となり、出力レベルが変動するいわゆるチャタリングを生ずる。
【0008】
そこで、アナログ型の比較器94,95の出力が不安定となるような信号を扱う場合には、出力をヒステリシス回路98,99に与えて所定幅の判定閾値とするようにしている。
さて、端子90,91に測定対象信号が印加される状態で制御部103に外部から測定開始信号が入力すると、制御部103は、カウンタ100,101にスタート信号を出力し、また演算部104と判定部105に制御信号を出力する。カウンタ100,101は、ヒステリシス回路98,99から信号が入力するまでの期間内、基準時間発生器102からの基準クロックの個数を計数し、それぞれ計数値を演算部104に与える。
【0009】
演算部104では、各カウンタの計数値から、測定開始時から各信号の90%立ち上がり時点等までの時間と、両時間の差を求めて判定部105に与える。判定部105では、測定対象信号が図6(2)(3)であるとすれば、演算部104から入力した各時間が、所定時間T1,T2と一致するかを確認し、また両時間の差が、T2−T1と一致するかを確認し、その結果に基づき測定対象信号の良否判定を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の時間計測器では、上述したように、立ち上がり時間等が比較的緩やかな信号を測定する場合のアナログ型の比較器の出力不安定をヒステリシス回路でもって対処している。したがって、図6の例で言えば、測定対象信号が、図6の(1)と(5)であれば、両信号ともチャタリングの問題はないので、ほぼ正確な時間間隔T4を計測できる。しかし、図6の(2)(3)(4)では、チャタリングがあると、ヒステリシス回路はチャタリングの時間に応じ種々の幅を持つパルス信号を出力するので、図6の(1)と(2)間の時間測定では、(2)の90%立ち上がり時点の計測に誤差が生じ、また図6の(2)と(3)間の時間測定では、(2)と(3)それぞれの90%立ち上がり時点の計測に誤差が生じる。
【0011】
このように、従来の時間計測器では、測定対象信号の立ち上がり時間等が緩やかである場合やパルス状になる場合には、時間を正確に計測するのが困難である。
本発明の目的は、測定対象信号が、アナログ型の比較器の出力が不安定となるような信号であってもより正確な時間計測ができる時間計測器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る時間計測器は、測定開始から測定対象信号の測定点までの時間の最小時間及び最大時間を生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成する判定幅時間生成手段と、入力する前記測定対象信号の測定点を基準電圧との比較により検出する比較手段と、前記比較手段の出力変化を受けて検出パルスを発生する検出パルス発生手段と、前記判定幅時間内における前記検出パルスの個数を計数する計数手段と、前記計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定し、前記計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定する第1判定手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明に係る時間計測器は、請求項1に記載の時間計測器において、測定開始から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する時間計測手段と、前記時間計測手段の計測時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定する第2判定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明に係る時間計測器は、請求項1または請求項2に記載の時間計測器において、前記判定幅時間以外の期間における前記検出パルスの有無を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係る時間計測器は、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、測定開始から前記第1信号及び第2信号の測定点までの時間の最小時間及び最大時間をそれぞれ生成し、その最大時間から最小時間を引いた第1判定幅時間及び第2判定幅時間をそれぞれ生成する第1判定幅時間生成手段及び第2判定幅時間生成手段と、入力する前記第1信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第1比較手段及び入力する前記第2信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第2比較手段と、前記第1比較手段の出力変化を受けて第1検出パルスを発生する第1検出パルス発生手段及び前記第2比較手段の出力変化を受けて第2検出パルスを発生する第2検出パルス発生手段と、前記第1判定幅時間内における前記第1検出パルスの個数を計数する第1計数手段及び前記第2判定幅時間内における前記第2検出パルスの個数を計数する第2計数手段と、前記第1計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記第1計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から前記第1信号の測定点までの時間とし、前記第1計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から前記第1信号の測定点までの時間とするとともに、前記第2計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記第2計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から前記第2信号の測定点までの時間とし、前記第2計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から前記第2信号の測定点までの時間とし、測定開始から前記第1信号及び第2信号の測定点までの時間に基づき前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔を求めて判定する第1時間間隔判定手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明に係る時間計測器は、請求項4に記載の時間計測器において、測定開始から前記第1計数手段及び第2計数手段がそれぞれ所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する第1時間計測手段及び第2時間計測手段と、前記第1時間計測手段及び第2時間計測手段の計測時間に基づき前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔を求めて判定する第2時間間隔判定手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る時間計測器は、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、入力する前記第1信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第1比較手段及び入力する前記第2信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第2比較手段と、前記第1比較手段の出力変化を受けて第1検出パルスを発生する第1検出パルス発生手段及び前記第2比較手段の出力変化を受けて第2検出パルスを発生する第2検出パルス発生手段と、前記第1信号とそれに後続する前記第2信号との入力時間間隔の最小時間及び最大時間を前記第1検出パルスに応答して生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成する判定幅時間生成手段と、前記判定幅時間内における前記第2検出パルスの個数を計数する計数手段と、前記計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記計数手段の計数値が単数である場合、前記第1検出パルスの発生時刻から特定した時刻までの時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定し、前記計数手段の計数値が複数である場合、前記第1検出パルスの発生時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定する第1時間間隔判定手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明に係る時間計測器は、請求項6に記載の時間計測器において、前記第1検出パルスの発生から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する時間計測手段と、前記時間計測手段の計測時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定する第2時間間隔判定手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明に係る時間計測器は、請求項6または請求項7に記載の時間計測器において、前記判定幅時間外における前記第1検出パルスと前記第2検出パルスとの少なくとも一方の信号有無を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0019】
(作用)
請求項1に記載の発明では、測定対象信号の測定点とは、例えば、0Vから正の所定値に立ち上がる場合であれば、立ち上がる途中の10%、90%の時点であり、測定開始から測定対象信号の測定点までの時間は、測定対象信号毎に、測定開始からの最小時間及び最大時間が規定されている。そこで、判定幅時間生成手段が、測定開始に応答して、当該測定対象信号についての測定開始からの最小時間及び最大時間を生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成し、計数手段に出力する。
【0020】
一方、測定対象信号の入力は、アナログ型の比較器である比較手段が検出し、検出パルス発生手段が、比較手段の出力レベル変化から検出パルスを発生する。ここに、測定対象信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度によっては、比較手段の出力レベルが変動し、複数の検出パルスが発生することがある。つまり、計数手段が、判定幅時間内において計数する検出パルスの個数は、1個または複数個のいずれかである。
【0021】
そこで、第1判定手段は、計数手段の出力タイミングから、最初の検出パルスの発生時刻を特定し、計数手段の計数値が「1」のときは、最初の検出パルスの発生時刻で測定対象信号の測定点の検出が行われたのであるから、測定開始時から最初の検出パルスの発生時刻までの時間を求め、規格値と照合し良否の判定を行う。
【0022】
また、第1判定手段は、計数手段の計数値が「複数個」のときは、当該測定対象信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度から得られる発生パルス数の情報から、測定対象信号の測定点の検出が行われた時間位置までの概略パルス数(これを「推定パルス数」という)を求め、最初の検出パルスの発生時刻と推定パルス数から検出時刻(これを「推定検出時刻」という)を求め、測定開始時から推定検出時刻までの時間を求め、規格値と照合し良否の判定を行う。
【0023】
このように、測定対象信号が、アナログ型の比較器の出力が不安定となるような信号であっても、概略ではあるがパルス数から測定点の検出時刻を求めることができるので、従来の方式よりも正確な時間計測ができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の時間計測器において、当該測定対象信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度が複数の検出パルスを発生させる程度である場合に、時間計測手段により基準時間信号に基づき測定開始から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を計測する。計数手段が計数する所定値は、測定対象信号の測定点の検出が行われるまでの所定パルス数である。これは、別途測定することにより高い精度で定めることができる。したがって、より一層正確な時間測定ができる。
【0024】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の時間計測器において、記憶手段の出力状態から、前記判定幅時間以外の期間における当該測定対象信号の信号状態を知ることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発明に係る計測器の2つを並列に配置してある。したがって、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、第1信号と第2信号それぞれについてのパルス数から、両信号間の時間間隔が測定できる。
【0025】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の時間計測器において、当該測定対象信号である第1信号と第2信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度が複数の検出パルスを発生させる程度である場合に、第1及び第2の時間計測手段により基準時間信号に基づき測定開始から前記第1及び第2の計数手段が所定値を計数するまでの時間を計測する。したがって、より一層正確に、第1信号と第2信号の時間間隔を測定ができる。
【0026】
請求項6に記載の発明では、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、第1信号と第2信号の時間間隔の最小時間と最大時間は予め決められている。第1信号が先発生の信号で、第2信号が後発生の信号であるとすれば、第1信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度は、第1比較手段が安定に比較判別でき、したがって第1検出パルス発生手段が複数の検出パルスを発生しない程度のものである。一方、第2信号の立ち上がり時間/立ち下がり時間の緩やかさの程度は、任意である。
【0027】
第1信号の入力が、第1比較手段及び第1検出パルス発生手段により検出されると、判定幅時間生成手段が、第1検出パルスに応答して、第1信号とそれに後続する第2信号との入力時間間隔の最小時間及び最大時間を生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成する。
一方、第2信号の入力が、第2比較手段及び第2検出パルス発生手段によって検出されると、計数手段が、前記判定幅時間内における第2検出パルスの個数を計数し、第1時間間隔判定手段が、計数手段の出力タイミングと計数値に基づき前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔を判定する。
【0028】
このように、後発生の第2信号が、アナログ型の比較器の出力が不安定となるような信号であっても、パルス数から第2信号の測定点の概略の検出時刻を求めることができるので、先発生の第1信号の検出パルスを測定開始のトリガとすることにより、第1信号と第2信号の時間間隔を従来の方式よりも正確に計測ができる。
【0029】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の時間計測器において、時間計測手段により基準時間信号に基づき第1検出パルスの発生から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を計測するようにしてあるので、より一層正確な時間間隔の測定ができる。
請求項8に記載の発明では、請求項6または請求項7に記載の時間計測器において、記憶手段の出力状態から、前記判定幅時間以外の期間における前記第1信号と前記第2信号との少なくとも一方の信号状態を知ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、請求項1乃至請求項3に対応する第1実施形態の時間計測器の構成例である。図1において、端子1は、アッテネータ(ATT)2を介して比較器3の一方の入力端に接続される。比較器3は、他方の入力端に基準電圧源4が接続され、出力端が微分回路5の入力端に接続される。微分回路5の出力端は、ANDゲート6,7の一方の入力端にそれぞれ接続される。
【0031】
スタートトリガ回路9は、入力端が判定制御部8の第1出力端(測定スタート出力端)に接続され、出力端が時間カウンタ10,11の一方の入力端(スタート入力端)にそれぞれ接続される。時間カウンタ10は、他方の入力端(ストップ入力端)が判定制御部8の第2出力端(最小時間出力端)に接続され、出力端が反転回路12を介してANDゲート13の一方の入力端に接続される。また、時間カウンタ11は、他方の入力端(ストップ入力端)が判定制御部8の第3出力端(最大時間出力端)に接続され、出力端がANDゲート13の他方の入力端に接続される。
【0032】
ANDゲート13の出力端は、ANDゲート6の他方の入力端に接続され、また反転回路14を介してANDゲート7の他方の入力端に接続される。ANDゲート6の出力端は、チャタリングカウンタ15の入力端に接続され、チャタリングカウンタ15の出力端は、時間カウンタ16の第1入力端(ストップ入力端)に接続される。時間カウンタ16は、第2入力端(クロック入力端)が基準時間発生器17の出力端に接続され、第3入力端(スタート入力端)が判定制御部8の第4出力端(スタート出力端)に接続され、出力端が判定制御部8の一方の入力端(計測値入力端)に接続される。
【0033】
ANDゲート7の出力端は、フリップフロップ(F/F)18の入力端に接続され、フリップフロップ(F/F)18の出力端は、判定制御部8の他方の入力端(状態入力端)に接続される。
以上の第1実施形態の構成と請求項1〜3との対応関係は、次のようになっている。判定幅時間生成手段には、判定制御部8、スタートトリガ回路9、時間カウンタ10,11、反転回路12及びANDゲート13の全体が対応する。比較手段には、主として比較器3が対応する。検出パルス発生手段には、微分回路5が対応する。計数手段には、主としてチャタリングカウンタ15が対応する。時間計測手段には、主として時間カウンタ16が対応する。第1判定手段と第2判定手段には、判定制御部8が対応する。記憶手段には、フリップフロップ(F/F)18が対応する。
【0034】
図2は、第1実施形態の動作タイムチャートである。以下、第1実施形態の動作を図1、図2を参照して説明する。図において、端子1に測定対象信号の信号ラインを接続し、外部から判定制御部8に対し測定開始の指示を入力すると、判定制御部8は、測定スタート信号をスタートトリガ回路9に出力する。測定スタート信号は、例えば図2(1)に示すように、測定開始時に0Vから正の所定値に立ち上がるレベル信号である。同時に判定制御部8は、測定開始に応答して時間カウンタ16にスタート信号を出力する。
【0035】
また、判定制御部8は、端子1に印加される測定対象信号の測定点が、例えば正レベルに立ち上がる途中90%の時点であるとすれば(図2(6)参照)、測定開始時からその90%の時点までの時間として規格で定める最小時間と最大時間の計時をそれぞれ開始し、それぞれの計時終了時点で、最小時間信号を時間カウンタ10に与え、最大時間信号を時間カウンタ11に与える。
【0036】
スタートトリガ回路9は、測定スタート信号(図2(1))の立ち上がりを検出してスタートトリガを生成し(図2(2))、時間カウンタ10,11に出力する。時間カウンタ10,11は、スタートトリガの入力時から、判定制御部8から最小時間信号,最大時間信号が入力するまで計時動作を行う。時間カウンタ10が計時した最小時間(図2(3))は、反転回路12で反転されてANDゲート13の一方の入力となる。また、時間カウンタ11が計時した最大時間(図2(4))は、直接ANDゲート13の他方の入力となる。したがって、ANDゲート13の出力には、最大時間から最小時間を引いた時間(判定幅時間;図2(5))が得られる。
【0037】
比較器3は、端子1に印加される測定対象信号が立ち上がって90%の時点を通過するとき、出力を低レベルから高レベルに立ち上げる。微分回路5は、比較器3の出力レベルの立ち上がり変化に応答してパルス信号を出力する。このとき、図2(7a)は、検出パルスの発生が1個の場合であるが、測定対象信号の立ち上がりが緩やかな場合には、前述したように比較器3の出力は、不安定となり、チャタリングを生ずる。この場合には、微分回路5は、比較器3の出力レベルの立ち上がり変化の回数分のパルス信号を出力する(図2(7b))。
【0038】
ANDゲート6は、判定幅時間(図2(6))内における微分回路5からのパルス信号をチャタリングカウンタ15に与える。チャタリングカウンタ15は、各計数値を逐一時間カウンタ16に出力する。時間カウンタ16は、判定制御部8から測定開始時に入力するスタート信号により、基準時間発生器17からのクロックを計数することを開始している。この計数動作は、チャタリングカウンタ15から所定の計数値が入力した時点まで続けられる(図2(8))。この「所定の計数値」は、以下に説明するようにして予め定めてある。なお、チャタリングカウンタ15は、各計数値を逐一出力するのではなく、「所定の計数値」をカウントしたとき、その「所定の計数値」を出力するように構成しても良い。
【0039】
判定制御部8は、時間カウンタ16が計数したクロック数から、測定開始時から測定対象信号の90%の時点までの時間を算出し、規格値と照合し、良否を判定する。
ところで、測定対象信号の立ち上がり等の特性と、発生するチャタリングパルスの個数とには、一定の関係があることが経験上知られている。また、発生するチャタリングパルスのうち、第1パルスや第2パルスなどが測定対象信号の90%の時点で発生することは考え難いが、測定対象信号の90%の時点が、例えば、おそらく第4パルスから第8パルスまで発生する期間内にあるだろうと判断できることも経験上知られている。
【0040】
そこで、測定対象信号の90%の時点で発生するチャタリングパルスが何番目付近のパルスであるかの特定は、別途の測定やデータの蓄積等により可能である。したがって、時間カウンタ16の計数動作の終了時を規定する「所定の計数値」は、正確に定めることができるので、従来よりも高い精度で時間計測が可能となる。
【0041】
一方、測定等はせずに検出パルスを概略的に定め、そのようにして定めた検出パルスまでのパルス数を使用することも可能である。つまり、時間カウンタ16を省略してチャタリングカウンタ15の計数値から直接、測定開始時から測定対象信号の90%の時点までの時間を算出することも可能である。
即ち、この場合のパルス数は、概略数であることから、ここでは「推定パルス数」ということとすると、チャタリングカウンタ15の最初の計数値出力タイミングから第1パルスの発生時刻を特定し、それに所定の推定パルス数の時間を加えることによって、測定開始時から測定対象信号の90%の時点までの時間を求めることができる。精度は、時間カウンタ16を用いた場合よりも幾らか劣るが、それでも従来の方式よりは高い精度が得られる。
【0042】
次に、ANDゲート7は、判定幅時間(図2(6))以外の期間における微分回路5からのパルス信号をフリップフロップ18に与える。判定幅時間以外の期間は、最小時間の期間と最大時間の経過後の期間である。最小時間の期間は、測定対象信号が立ち上がる以前の期間であり、最大時間の経過後の期間は、測定対象信号が立ち上がって確定した以降の期間である。フリップフロップ18には、このような期間における信号ラインや測定対象信号の状態が記憶される。
【0043】
したがって、フリップフロップ18の出力状態を確認することにより、測定対象信号そのものの状態や信号ラインの状態を知ることができる。製品の出荷検査では、時として見落とされることであるが、この第1実施形態の時間計測器によれば、そのようなことを未然に防止できる。
次に、図3は、請求項4,5に対応する第2実施形態の構成例である。この第2実施形態の時間計測器は、第1実施形態の時間計測器の2つを判定制御部28を共通にして並列に配置し、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する2つの信号がある場合において、2つの信号間の時間間隔などを測定するように構成したものである。したがって、図3では、符号は異なるが、同一名称の構成要素は、第1実施形態のそれと同一の機能を有するので、図3については、接続関係の説明は省略する。
【0044】
なお、第2実施形態の構成と請求項4,5との対応関係は、次のようになっている。第1判定幅時間生成手段及び第2判定幅時間生成手段には、判定制御部28と、スタートトリガ回路29、時間カウンタ30,31、反転回路32及びANDゲート33の全体と、スタートトリガ回路49、時間カウンタ50,51、反転回路52及びANDゲート53の全体とが対応する。第1及び第2の比較手段には、主として比較器23,43が対応する。第1及び第2の検出パルス発生手段には、微分回路25,45が対応する。第1及び第2の計数手段には、チャタリングカウンタ35,55が対応する。第1及び第2の時間計測手段には、主として時間カウンタ36,56が対応する。第1及び第2の時間間隔判定手段には、判定制御部28が対応する。
【0045】
この第2実施形態の時間計測器では、判定制御部28の入力段に並置した2系が、それぞれ第1実施形態で説明したように動作する。したがって、判定制御部28は、第1実施形態で得られた作用・効果に加えて、時間カウンタ36,56の出力に基づき、端子21に印加される信号と端子41に印加される信号との時間間隔も測定できる。
【0046】
時間間隔の測定は、端子21に印加される信号と端子41に印加される信号との時間的な先後を問わず可能であるので、使い勝手の優れた計測器として使用できる。この第2実施形態の構成から、第1実施形態の時間計測器の複数台を並置できることが容易に推察できる。それにより、マルチチャネルの信号について、信号個々の特性、基準時から各信号までの時間、各信号相互間の時間間隔などを簡単に、しかも高精度に測定できる。
【0047】
次いで、図4は、請求項6〜8に対応する第3実施形態の構成例である。この第3実施形態の時間計測器は、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する2つの信号がある場合において、先発生の信号の検出タイミングを測定開始のタイミングとして使用し、後発生の信号との時間間隔などを測定するように構成してある。したがって、この第3実施形態では、構成要素は第2実施形態の同一名称のものと同一の機能を有するが、接続関係に若干の相違がある。
【0048】
図4において、端子61は、アッテネータ(ATT)63を介して比較器65の一方の入力端に接続される。比較器65は、他方の入力端に基準電圧源67が接続され、出力端が微分回路69の入力端に接続される。微分回路69の出力端は、判定制御部85の第1入力端(測定開始トリガ入力端)、スタートトリガ回路71の入力端、ANDゲート81の一方の入力端にそれぞれ接続される。
【0049】
また、端子62は、アッテネータ(ATT)64を介して比較器66の一方の入力端に接続される。比較器66は、他方の入力端に基準電圧源68が接続され、出力端が微分回路70の入力端に接続される。微分回路70の出力端は、ANDゲート76,82の一方の入力端にそれぞれ接続される。
スタートトリガ回路71は、出力端が時間カウンタ72,73の一方の入力端(スタート入力端)にそれぞれ接続される。時間カウンタ72は、他方の入力端(ストップ入力端)が判定制御部85の第1出力端(最小時間出力端)に接続され、出力端が反転回路74を介してANDゲート75の一方の入力端に接続される。また、時間カウンタ73は、他方の入力端(ストップ入力端)が判定制御部85の第2出力端(最大時間出力端)に接続され、出力端がANDゲート75の他方の入力端に接続される。
【0050】
ANDゲート75の出力端は、ANDゲート76の他方の入力端に接続され、また反転回路77の入力端に接続される。ANDゲート76の出力端は、チャタリングカウンタ78の入力端に接続され、チャタリングカウンタ78の出力端は、時間カウンタ79の第1入力端(ストップ入力端)に接続される。時間カウンタ79は、第2入力端(クロック入力端)が基準時間発生器80の出力端に接続され、第3入力端(スタート入力端)が判定制御部85の第3出力端(スタート出力端)に接続され、出力端が判定制御部85の第2入力端(計数値入力端)に接続される。
【0051】
反転回路77の出力端は、ANDゲート81,82の他方の入力端にそれぞれ接続される。ANDゲート81,82の出力端は、フリップフロップ83,84の入力端にそれぞれ接続される。フリップフロップ83,84の出力端は、それぞれ、判定制御部85の第3、第4の入力端(計数値入力端)に接続される。
以上の第3実施形態の構成と請求項6〜8との対応関係は、次のようになっている。第1及び第2の比較手段には、主として比較器65,66が対応する。第1及び第2の検出パルス発生手段には、微分回路69,70が対応する。判定幅時間生成手段には、判定制御部85と、スタートトリガ回路71、時間カウンタ72,73、反転回路74及びANDゲート75の全体とが対応する。計数手段には、チャタリングカウンタ78が対応する。時間計測手段には、主として時間カウンタ79が対応する。記憶手段には、フリップフロップ(F/F)83,84が対応する。第1、第2の時間間隔判定手段には、判定制御部85が対応する。
【0052】
図5は、第3実施形態の動作タイムチャートである。以下、第3実施形態の動作を図4、図5を参照して説明する。図において、端子61に印加される測定対象信号(以下「第1信号」という。)が先発生の信号で、端子62に印加される測定対象信号(以下「第2信号」という。)が後発生の信号である。そして、第1信号は、例えば図5(1)に示すように、0Vから正の所定値に比較的急峻に立ち上がる信号である。第2信号は、例えば図5(6)に示すように、0Vから正の所定値に任意の時間で立ち上がる信号である。測定点は、以上説明した各実施形態と同様に、90%の時点であるとする。
【0053】
比較器65では、第1信号が立ち上がって90%の時点を通過するとき、出力を低レベルから高レベルに立ち上げる。微分回路69は、比較器65の出力レベルの立ち上がり変化に応答してパルス信号を出力する(図5(2))。このとき、第1信号は、比較的急峻に立ち上がる信号であるので、前述したようなチャタリングの問題は生じない。微分回路69のパルス信号は、測定開始のトリガとしてスタートトリガ回路71と判定制御部85に出力され、またANDゲート81に出力される。
【0054】
判定制御部85は、微分回路69からのパルス信号に応答して、第1信号と第2信号との時間間隔として規格で定める最小時間と最大時間の計時をそれぞれ開始し、それぞれの計時終了時点で、最小時間信号を時間カウンタ72に与え、最大時間信号を時間カウンタ73に与える。また、同時に時間カウンタ79に基準時間発生器80からのクロックを計数することを開始させる(図5(8))。
【0055】
スタートトリガ回路71は、微分回路69からのパルス信号の立ち上がりを検出してスタートトリガを生成し、時間カウンタ72,73に出力し、計時動作を開始させる。時間カウンタ72,73は、判定制御部85から最小時間信号,最大時間信号が入力するまで計時動作を行う。時間カウンタ72が計時した最小時間(図5(3))は、反転回路74で反転されてANDゲート75の一方の入力となる。時間カウンタ73が計時した最大時間(図5(4))は、直接ANDゲート75の他方の入力となる。したがって、ANDゲート758の出力には、最大時間から最小時間を引いた時間(判定幅時間;図5(5))が得られる。
【0056】
一方、比較器66は、第2信号が立ち上がって90%の時点を通過するとき出力を低レベルから高レベルに立ち上げる。微分回路70は、比較器66の出力レベルの立ち上がり変化に応答してパルス信号を出力する。このとき、第2信号の立ち上がりが前述した程度に緩やかな場合には、比較器66の出力状態は、不安定となり、チャタリングを生ずる。したがって、微分回路70は、比較器66の出力レベルの立ち上がり変化の回数分のパルス信号を出力する(図5(7a,7b))。
【0057】
ANDゲート76は、判定幅時間(図5(5))内における微分回路70からのパルス信号(図5(7))をチャタリングカウンタ78に与える。チャタリングカウンタ78は、各計数値を逐一時間カウンタ79に出力する。時間カウンタ79は、チャタリングカウンタ78から所定の計数値が入力した時点でクロックの計数動作を終了する(図5(8))。チャタリングカウンタ78の出力の仕方には、他の方法があり、時間カウンタ79に設定される「所定の計数値」に関しては前述した通りである。
【0058】
判定制御部85は、時間カウンタ79が計数したクロック数から、第1信号の検出タイミングから第2信号の90%の時点までの時間を算出し、規格値と照合し、良否を判定する。なお、前述したように、時間カウンタ79を省略してチャタリングカウンタ78の計数値から直接、第1信号と第2信号の時間間隔を算出することも可能である。算出方法は、前述したので説明は割愛する。
【0059】
次に、ANDゲート81は、判定幅時間以外の期間(図5(9))における微分回路69からのパルス信号をフリップフロップ83に与える。この期間は、第1信号が入力する以前の期間と最小時間の経過期間と最大時間の経過後の期間である。フリップフロップ83には、このような期間における第1信号の状態が記憶される(図5(10))。
【0060】
また、ANDゲート82は、判定幅時間以外の期間における微分回路70からのパルス信号をフリップフロップ84に与える。この期間は、第2信号が入力する以前の期間と最大時間の経過後の期間である。フリップフロップ84には、このような期間における第2信号の状態が記憶される(図5(11))。
したがって、第1,第2の実施形態と同様にフリップフロップ84,85の出力状態を確認することにより、測定対象信号そのものの状態や信号ラインの状態を知ることができる。
【0061】
なお、この第3実施形態では、端子61に印加する第1信号は、測定の基準となる信号である。したがって、信号の立ち上がり特性(立ち下がり特性)は、急峻である必要はないが、比較器65においてチャタリングを生じない程度の特性は必要である。
また、第2信号の入力系を複数並置することにより、マルチチャネルの信号について、第1信号から各信号までの時間、各信号相互間の時間間隔などを、簡単に、しかも精度よく測定できる。
【0062】
さらに、以上説明した各実施形態では、測定対象信号の測定点として、90%立ち上がり時点/立ち下がり時点を示したが、10%立ち上がり時点/立ち下がり時点でも同様に計測できることは言うまでもなく、その他の任意の時点であっても良い。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明では、測定開始から測定対象信号の測定点までの最小時間及び最大時間が規定されている場合において、最小時間及び最大時間から生成した判定幅時間内でのパルス数から、測定開始から測定対象信号の測定点までの時間を計測するようにしてある。したがって、測定対象信号が、アナログ型の比較器である比較手段の出力レベルを変動させる程度に緩やかな立ち上がり特性/立ち下がり特性を持つ信号であっても、従来の方式よりも正確な時間計測ができる。
【0064】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の時間計測器において、測定開始から、前記判定幅時間内で所定パルスが計数されるまでの時間を計測するようにしてあるので、より一層正確な時間測定ができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の時間計測器において、前記判定幅時間以外の期間における当該測定対象信号の信号状態を知ることができる。
【0065】
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発明に係る計測器の2つを並列に配置してあるので、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、判定幅時間内における第1信号と第2信号それぞれについてのパルス数から、両信号間の時間間隔が測定できる。
【0066】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の時間計測器において、測定開始から、判定幅時間内における第1信号と第2信号それぞれについてのパルス数が所定値になるまでの時間をそれぞれ求めるので、より一層正確に、第1信号と第2信号の時間間隔を測定できる
請求項6に記載の発明では、測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、先発生の第1信号の検出タイミングを測定開始のトリガとして用い、判定幅時間内において後発生の第2信号を検出できた時点でもって第1信号と第2信号の時間間隔とするようにしてある。
【0067】
したがって、先発生の第1信号は、時間基準として一定の制約があるものの、後発生の第2信号が、アナログ型の比較器の出力が不安定となるような信号であっても、パルス数から第2信号の測定点の検出時刻を推定できるので、第1信号と第2信号の時間間隔を従来の方式よりも正確に計測ができる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の時間計測器において、先発生の第1信号の検出タイミングから、前記判定幅時間内で所定パルスが計数されるまでの時間を計測するようにしてあるので、より一層正確な時間間隔の測定ができる。
【0068】
請求項8に記載の発明では、請求項6または請求項7に記載の時間計測器において、記憶手段の出力状態から、前記判定幅時間以外の期間における前記第1信号と前記第2信号との少なくとも一方の信号状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の時間測定器に構成例である。
【図2】第1実施形態の動作タイムチャートである。
【図3】第2実施形態の時間測定器に構成例である。
【図4】第3実施形態の時間測定器に構成例である。
【図5】第3実施形態の動作タイムチャートである。
【図6】シーケンスの一例を示す図である。
【図7】従来のシーケンス時間測定器に構成例である。
【符号の説明】
3,23,43,65,66 比較器
5,25,45,69,70 微分回路
8,28,85 判定制御部
10,11,30,31,50,51,72,73,79 時間カウンタ
15,35,55,78 チャタリングカウンタ
18,38,58,83,84 フリップフロップ(F/F)
Claims (8)
- 測定開始から測定対象信号の測定点までの時間の最小時間及び最大時間を生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成する判定幅時間生成手段と、
入力する前記測定対象信号の測定点を基準電圧との比較により検出する比較手段と、
前記比較手段の出力変化を受けて検出パルスを発生する検出パルス発生手段と、
前記判定幅時間内における前記検出パルスの個数を計数する計数手段と、
前記計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定し、前記計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定する第1判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 請求項1に記載の時間計測器において、
測定開始から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段の計測時間を測定開始から測定対象信号の測定点までの時間として判定する第2判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 請求項1または請求項2に記載の時間計測器において、
前記判定幅時間以外の期間における前記検出パルスの有無を記憶する記憶手段
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、
測定開始から前記第1信号及び第2信号の測定点までの時間の最小時間及び最大時間をそれぞれ生成し、その最大時間から最小時間を引いた第1判定幅時間及び第2判定幅時間をそれぞれ生成する第1判定幅時間生成手段及び第2判定幅時間生成手段と、
入力する前記第1信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第1比較手段及び入力する前記第2信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第2比較手段と、
前記第1比較手段の出力変化を受けて第1検出パルスを発生する第1検出パルス発生手段及び前記第2比較手段の出力変化を受けて第2検出パルスを発生する第2検出パルス発生手段と、
前記第1判定幅時間内における前記第1検出パルスの個数を計数する第1計数手段及び前記第2判定幅時間内における前記第2検出パルスの個数を計数する第2計数手段と、
前記第1計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記第1計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から前記第1信号の測定点までの時間とし、前記第1計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から前記第1信号の測定点までの時間とするとともに、前記第2計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記第2計数手段の計数値が単数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間を測定開始から前記第2信号の測定点までの時間とし、前記第2計数手段の計数値が複数である場合、測定開始時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を測定開始から前記第2信号の測定点までの時間とし、測定開始から前記第1信号及び第2信号の測定点までの時間に基づき前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔を求めて判定する第1時間間隔判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 請求項4に記載の時間計測器において、
測定開始から前記第1計数手段及び第2計数手段がそれぞれ所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する第1時間計測手段及び第2時間計測手段と、
前記第1時間計測手段及び第2時間計測手段の計測時間に基づき前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔を求めて判定する第2時間間隔判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 測定対象信号として異なる系統において時間的に前後して生起する第1信号と第2信号とがある場合において、
入力する前記第1信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第1比較手段及び入力する前記第2信号の測定点を基準電圧との比較により検出する第2比較手段と、
前記第1比較手段の出力変化を受けて第1検出パルスを発生する第1検出パルス発生手段及び前記第2比較手段の出力変化を受けて第2検出パルスを発生する第2検出パルス発生手段と、
前記第1信号とそれに後続する前記第2信号との入力時間間隔の最小時間及び最大時間を前記第1検出パルスに応答して生成し、その最大時間から最小時間を引いた判定幅時間を生成する判定幅時間生成手段と、
前記判定幅時間内における前記第2検出パルスの個数を計数する計数手段と、
前記計数手段における最初の計数値変化の発生時刻を特定し、前記計数手段の計数値が単数である場合、前記第1検出パルスの発生時刻から特定した時刻までの時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定し、前記計数手段の計数値が複数である場合、前記第1検出パルスの発生時刻から特定した時刻までの時間に予め設定された検出パルス数に対応する時間を加えた時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定する第1時間間隔判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 請求項6に記載の時間計測器において、
前記第1検出パルスの発生から前記計数手段が所定値を計数するまでの時間を基準時間信号に基づき計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段の計測時間を前記第1信号と前記第2信号との入力時間間隔として判定する第2時間間隔判定手段と
を備えることを特徴とする時間計測器。 - 請求項6または請求項7に記載の時間計測器において、
前記判定幅時間外における前記第1検出パルスと前記第2検出パルスとの少なくとも一方の信号有無を記憶する記憶手段
を備えることを特徴とする時間計測器。
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