JP3740971B2 - タイムインターバル測定器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイムインターバル測定器に関し、特にDVD等における2信号間の時間差(タイムインターバル)を測定する測定器、又は計測した時間データを元に標準偏差(ジッタ)などの統計値を出力する測定器において、時間計測回路の簡略化を図った測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のタイムインターバル測定器の一例を示すブロック図であり、2つの信号を入力してその時間差を計測する2系列の回路構成になっている。
【0003】
2個の信号を入力する信号入力端子ChA、ChBは、バッフアアンプ110、160に接続されている。バッフアアンプ110、160の出力信号はコンパレータ130、180の一方の入力端子に入力され、エッジ情報のみを残す2値信号に変換される。コンパレータ130、180の他方の入力端子には、D/Aコンバータ120、170から2値化トリガレベルが入力されている。
【0004】
端数切り出しロジック回路190には、コンパレータ130、180の出力信号およびクロック発生回路150の基準クロックが入力されている。この端数切り出しロジック回路190は、信号入力端子ChA、ChBに入力される入力信号から測定すべきエッジを選択して基準クロック以下の端数を切り出し、端数パルス信号TX、TYを生成するとともにカウントクロックXCを発生させる。
【0005】
時間/電圧(T/V)変換回路200、330は、端数パルス信号TX、TYの端数時間をそのパルス幅Tstart、Tstopに比例した電圧VX、VY(Vstart、Vstop)に変換する。A/Dコンバータ210、340は、時間/電圧変換回路200、330で変換された電圧VX、VYをデジタルデータに変換する。カウント回路310はカウントクロックXCをカウントする。
【0006】
データ生成回路320は、A/Dコンバータ210、340で変換されたデジタルデータVX、VYとカウント回路310のカウント信号に基づいて所望の測定時間TIを演算生成する。このデータ生成回路320で演算生成された測定値データはアクイジションメモリ220に蓄積される。
【0007】
CPU230はバスラインを介してアクイジションメモリ220に接続されていて、メモリ220に蓄積されている測定値データから統計値を演算したり、同一のバスラインを介して接続されている表示器240に測定値や統計演算結果を出力することを司る。
【0008】
D/Aコンバータ250もバスラインを介してアクイジションメモリ220に接続されていて、標準偏差などの統計演算結果をアナログ値に変換してメータ260に出力する。
【0009】
このような構成の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
ここでは、例として、信号入力端子ChAから入力された信号であって端数切り出しロジック回路190に入力する信号の立ち上がりエッジ▲1▼から、同じく信号入力端子ChBの立ち上がりエッジ▲2▼までの時間差TI(Time Interval)を測定することを考える。
【0010】
端数切り出しロジック回路190は、入力信号ChAの立ち上がりエッジ▲1▼が入ってから直後の基準クロックの立ち上がりエッジ▲3▼までのパルスを端数パルス信号TXとして出力する。一方、入力信号ChBの入力に対しても同様に、立ち上がりエッジ▲2▼を入力した直後からの基準クロックの立ち上がりエッジ▲4▼までのパルス幅を持つ端数パルス信号TYを出力する。
【0011】
同時に基準クロックの立ち上がりエッジ▲3▼〜▲4▼までの基準クロックをパルス列信号XCとして出力する。基準クロックの周期をToとして、パルス列信号XCのカウントパルス数をN(図6においてN=1)とし、端数パルス信号TXのパルス幅をTstart、端数パルス信号TYのパルス幅をTstopとすると、被測定時間の時間差TIは、次の式で求めることができる。
【0012】
TI=N*To+(Tstart−Tstop)
【0013】
このようにして、本方式によれば、端数パルス信号TX、TYの時間パルス幅Tstart、Tstopを電圧に変換した変換電圧Vstart、Vstopを利用することにより、端数パルス信号TX、TYのパルス幅Tstart、Tstopを高時間分解能で測定することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術におけるタイムインターバル測定器は、入力信号として全て任意の信号を想定しているために、信号入力端子ChA、ChB間の時間差は基準クロックを用いることにより非常に長い時間差を測定できる機能、即ち、カウントクロックXCをカウントするカウンタと端数パルス信号TX、TYを出力してそれぞれを時間/電圧変換する回路を持ち合わせている反面、2信号間の時間差を一定値以下に限定すると、デジタルカウンタや時間電圧変換回路の一部は冗長な回路になってしまい本来の機能が発揮できないという問題がある。
【0015】
従って、入力信号として特にDVDなどの光ディスク読み出し信号のアプリケーションを想定すると、上記のように2信号間の時間差として最大40ns程度(ChB入力周波数が25Mhz程度)の場合には、冗長な回路を省略することができる回路構成に解決しなければならない課題を有する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るタイムインターバル測定器は、次に示すように構成する。
【0017】
(1)2個の信号をそれぞれデジタル信号に変換する手段と、該変換されたデジタル信号の一方のデジタル信号の立ち上がりエッジから所定のクロック信号に従った他方のデジタル信号の立ち上がりエッジとの時間差を生成する手段と、該生成された時間差を電圧に変換する手段とを含むタイムインターバル測定器であって、
前記クロック信号として、前記2個の信号の最大時間差が所定値に限定されたものであることを条件とする前記2個の信号の何れか一方の信号と、クロック発生回路から出力される基準クロックとを、スイッチを介して選択的に供給するように構成されたことを特徴とするタイムインターバル測定器。
(2)前記時間差を生成する手段は、一方のデジタル信号の立ち上がりエッジから、該立ち上がりエッジからの他方のデジタル信号の立ち上がりエッジとの時間差を生成することを特徴とする請求項1に記載のタイムインターバル測定器。
【0018】
このように、一定の条件のもとに時間差を算出する回路部分が重複するようにしたことにより、2個の信号のそれぞれのタイミングを取るための基準クロックや、基準クロックを計数する回路等を省略することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るタイムインターバル測定器の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の第1の実施形態のタイムインターバル測定器は、図1に示すように、2つの信号を入力してその時間差を計測する回路構成となっており、2個の信号を入力する信号入力端子ChA、ChBと、この信号入力端子ChA、ChBからの信号を増幅するバッフアアンプ110、160と、増幅された入力信号のうちエッジ情報のみを残した2値信号に変換するコンパレータ130、180と、コンパレータ130、180に対して2値化トリガレベルを与えるD/Aコンバータ120、170と、信号入力端子ChAから入力した入力信号から測定すべきエッジを選択する際に、信号入力端子ChBから入力した信号を基準クロックとして代用し、この代用した信号以下の端数を切り出して端数パルス信号TXを生成する端数切り出しロジック回路190と、この端数パルス信号TXの端数時間をそのパルス幅に比例した電圧VXに変換する時間/電圧(T/V)変換回路200と、時間/電圧変換回路200で変換された電圧VXをデジタルデータに変換するA/Dコンバータ210と、このA/Dコンバータ210で作成された測定値データをストアするアクイジションメモリ220と、このアクイジションメモリ220にバスラインを介して接続され、メモリ220に蓄積されている測定値データから統計値を演算したり、表示器240に測定値や統計演算結果を出力することを司るCPU230と、標準偏差などの統計演算結果をアナログ値に変換してメータ260に送るD/Aコンバータ250とから構成されている。このうち、信号入力端子ChBに接続されているコンパレータ180からの信号は、クロック発生回路150と切り替えるスイッチ140により切り替えて端数切り出しロジック回路190に入力される構成となっている。
【0021】
このような構成において、信号入力端子ChBの入力信号を端数切り出しロジック回路190の基準クロックとして代用するものであり、信号入力端子ChAに入力する信号に対して、信号入力端子ChBの入力信号の周波数を例えば25Mhz、信号間の時間差が最大40nsに限定することで、時間/電圧(T/V)変換回路200の動作範囲内において時間差が測定できるのである。ここで、クロック発生回路150と入力信号ChBとを切り替えるスイッチ140を設けたのは、時間/電圧(T/V)変換回路200の値付けをするためであり、予め既知のクロックで時間/電圧(T/V)変換回路200の変数係数を知ることで未知の時間差を測定することができるようになる。
【0022】
このような構成からなるタイムインターバル測定器における動作について、図1を参照して図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0023】
信号入力端子ChAから入力された信号であって、端数切り出しロジック回路190に入力する信号の立ち上がりエッジ▲1▼から、同じく信号入力端子ChBの立ち上がりエッジ▲2▼までの時間差TI(Time Interval)を測定することを考える。
【0024】
端数切り出しロジック回路190は、信号入力端子ChAからの入力信号の立ち上がりエッジ▲1▼が入った直後の信号入力端子ChBの信号の立ち上がりエッジ▲2▼までのパルスを端数パルス信号TXとして出力する。
【0025】
この端数パルス信号TXのパルス幅▲5▼をTstartとすると、このパルス幅Tstartを電圧に変換した電圧変換出力VXであるVstartを得ることができる。従って、信号入力端子ChA及びChBからの2信号の被測定時間の時間差TIは、次の式で求めることができる。
【0026】
TI=Tstart
【0027】
このようにして、2個の信号のタイムインターバルを測定する際に、一方の入力信号、実施例の場合、信号入力端子ChB側の信号がある周波数範囲の信号(最小周波数25Mhz、最大時間差40ns)であると限定すれば、その信号をクロックとして代用することにより、2個の信号(ChA、ChB)の時間差を測定することが従来からの測定回路を簡略化しても得ることが可能になるのである。具体的には、時間/電圧変換回路200等はディスクリート部品で作成されているものを省略できるため、その回路規模を縮小すること、例えば従来技術で必要とした回路面積を略3分の2にすることが可能になる。
【0028】
次に、本発明に係る第2の実施形態のタイムインターバル測定器について、図3及び図4を参照して説明する。
【0029】
本発明に係る第2の実施形態のタイムインターバル測定器は、図3に示すように、2つの信号を入力してその時間差を計測する2系列の回路構成となっており、2個の信号を入力する信号入力端子ChA、ChBと、この信号入力端子ChA、ChBからの信号を増幅するバッフアアンプ110、160と、増幅された入力信号のうちエッジ情報のみを残す2値信号に変換するコンパレータ130、180と、コンパレータ130、180に対して2値化トリガレベルを与えるD/Aコンバータ120、170と、信号入力端子ChA、ChBから入力した入力信号から測定すべきエッジを選択して、基準クロック以下の端数を切り出して端数パルス信号TXを生成する第1の時間幅算出手段及び第2の時間幅算出手段、並びにカウントクロックXCを発生させるクロック発生回路150の基準クロックを入力する端数切り出しロジック回路190と、この端数パルス信号TXの端数時間をそのパルス幅に比例した電圧VXに変換する時間/電圧変換手段である時間/電圧(T/V)変換回路200と、時間/電圧変換回路200で変換された電圧VXをデジタルデータに変換するA/Dコンバータ210と、デジタルデータに変換された電圧VXのデータとカウンタ回路310からのカウント信号により計数して所望の測定時間T1を演算して求めるデータ生成回路320と、このデータ生成回路320で作成された測定値データをストアするアクイジションメモリ220と、このアクイジションメモリ220にバスラインを介して接続され、メモリ220に蓄積されている測定値データから統計値を演算したり、表示器240に測定値や統計演算結果を出力することを司るCPU230と、標準偏差などの統計演算結果をアナログ値に変換してメータ260に送るD/Aコンバータ250とから構成されている。このように、第1の時間幅算出手段及び第2の時間幅算出手段とを一つの時間算出手段により行うこと、即ち、信号入力端子ChA、ChBから入力された信号を共に同じ端数パルス信号TXにより作成する構成にして、端数パルス信号TY(従来技術の図5参照)に関連する回路を省略した構成となっている。
【0030】
このような構成からなる測定器における動作を図3を参照して図4に示すフローチャートを参照して以下説明する。
【0031】
ここでは、上記実施例と同じく信号入力端子ChAから入力された信号であって端数切り出しロジック回路190に入力する信号の立ち上がりエッジ▲1▼から、同じく信号入力端子ChBの立ち上がりエッジ▲2▼までの時間差TI(Time Interval)を測定することを考える。
【0032】
端数切り出しロジック回路190は、入力信号ChAの立ち上がりエッジ▲1▼が入ってから直後の基準クロック立ち上がりエッジ3までのパルスを端数パルス信号TXとして出力する。一方、入力信号ChBの入力に対しても同様に、立ち上がりエッジ▲2▼を入力した直後からの基準クロック▲4▼までのパルス幅を持つ端数パルス信号TXとして出力する。
【0033】
同時に基準クロック▲3▼〜▲4▼までの基準クロックをパルス列信号XCとして出力する。基準クロックの周期をToとして、パルス列信号XCのカウントパルスパルス数をN(図4においてN=1)とし、信号入力端子ChAからの端数パルスTXのパルス幅▲5▼をTstart、信号入力端子ChBからの端数パルスTXのパルス幅▲6▼をTstopとすると、被測定時間の時間差TIは、次の式で求めることができる。
【0034】
TI=N*To+(Tstart−Tstop)
【0035】
このようにして、信号入力端子ChA、ChBからの両者の入力信号を一つの端数パルス信号TXとして生成して、その時間幅Tstart、Tstopを生成し、この時間幅に相当する電圧Vstart、Vstopに変換してその電圧幅をA/D変換することで時間差TIを求めることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、タイムインターナルアナライザ等の汎用の時間計測器と違い、最大時間差を限定したアプリケーションに限った用途において、2個の信号の時間差を生成するための重複した回路、例えば時間/電圧変換回路やカウンタ等を一つにまとめるようにしたことにより、装置全体を簡略化できるという効果がある。
【0037】
又、この回路素子である時間/電圧変換回路等のディスクリート部品の回路で構成されている回路規模(面積)が大きいものを省略することができることによって、回路規模を縮小することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のタイムインターバル測定器の構成を示すブロック図である。
【図2】同図1における構成のタイムインターバル測定器の動作を示したフローチャートである。
【図3】本発明に係る第2の実施形態のタイムインターバル測定器の構成を示すブロック図である。
【図4】同図3における構成のタイムインターバル測定器の動作を示したフローチャートである。
【図5】従来技術におけるタイムインターバル測定器の略示的なブロック図である。
【図6】図5における構成のタイムインターバル測定器の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
110;バッフアアンプ、120;D/Aコンバータ、130;コンパレータ、140;スイッチ、150;クロック発生回路、160;バッフアアンプ、190;端数切り出しロジック回路、200;時間/電圧(TV)変換回路、210;A/Dコンバータ、220;アクイジションメモリ、230;CPU、240;表示器、250;DAコンバータ、260;メータ、310;カウンタ回路

Claims (2)

  1. 2個の信号をそれぞれデジタル信号に変換する手段と、該変換されたデジタル信号の一方のデジタル信号の立ち上がりエッジから所定のクロック信号に従った他方のデジタル信号の立ち上がりエッジとの時間差を生成する手段と、該生成された時間差を電圧に変換する手段とを含むタイムインターバル測定器であって、
    前記クロック信号として、前記2個の信号の最大時間差が所定値に限定されたものであることを条件とする前記2個の信号の何れか一方の信号と、クロック発生回路から出力される基準クロックとを、スイッチを介して選択的に供給するように構成されたことを特徴とするタイムインターバル測定器。
  2. 前記時間差を生成する手段は、一方のデジタル信号の立ち上がりエッジから、該立ち上がりエッジからの他方のデジタル信号の立ち上がりエッジとの時間差を生成することを特徴とする請求項1に記載のタイムインターバル測定器。
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