JP3599877B2 - 中子造型機における入子型作動構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中子造型機における入子型作動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
中子造型機として、固定型と可動型とからなる金型に収容キャビティを形成し、収容キャビティに入子型が収容される構造のものが知られている。入子型を用いれば、複雑な中子を成形するのに有利である。
入子型を作動させる構造として、従来より、可動型の背面側に装備したシリンダ押出機構による押出ストロークを利用して、入子型を可動型の収容キャビティから突出させるシリンダ押出方式が知られている。
【0003】
更に、型締め状態の金型の内部にバネを弾性収縮させるバネ方式が知られている。この方式によれば、型開きに伴いバネの弾性収縮状態が解除されるので、バネが弾発力で伸長し、そのバネの伸長により入子型が金型から突出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した方式とは異なる方式を採用したものであり、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置に入子型を保持でき、これにより中子の離型性を向上できる中子造型機における入子型作動構造を提供することを課題とするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る中子造型機における入子型作動構造は、
固定型と固定型に対して開閉可能な可動型とからなると共に、入子型を収容する収容キャビティを備えた金型と、
金型の収容キャビティに配置される入子型とを具備する中子造型機における入子型作動構造であって、
入子型には、
可動型の型開閉方向に沿ってピン状に延設され、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置に入子型を保持する支持ピンが装備されており、
支持ピンは、
入子型と可動型との間に配置され、可動型の型開きに伴って型開閉方向において可動型に対して突出量が伸長する第1支持ピンと、
入子型と固定型との間に配置され、可動型の型開きに伴って型開閉方向において固定型に対して突出量が伸長する第2支持ピンとで構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る中子造型機における入子型作動構造によれば、請求項1において、支持ピンの第1支持ピンは型開閉方向において可動型に通貫されており、第2支持ピンは型開閉方向において固定型に通貫されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
入子型には、可動型の型開閉方向に沿ってのびる支持ピンが装備されている。
本発明構造によれば、支持ピンは、入子型と可動型との間に配置された第1支持ピンと、入子型と固定型との間に配置された第2支持ピンとで構成されている。
【0008】
可動型が型開きしたときには、型開きに伴って、第1支持ピンは型開閉方向において可動型から突出すると共に、第2支持ピンは、型開閉方向において固定型から突出する。従って、可動型が型開きした状態では可動型と固定型との間の途中空間位置に、入子型が保持される。従って中子を入子型や金型から離型する際に、中子が固定型や可動型や入子型に干渉しにくくなり、中子の離型操作が容易となる。
【0009】
本発明構造によれば、可動型が型締めされるときには、第1支持ピンは、型開閉方向において可動型に対する突出量が小さくなる。第2支持ピンは、型開閉方向において固定型に対する突出量が小さくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明をシェル中子造型機に適用した実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例の構成)
図1は金型1が型開きした状態の要部を示し、図2は金型1が型締めされた状態の要部を示す。
【0011】
本実施例によれば、金型1は固定型2と可動型3とからなる。可動型3は、矢印X2方向に移動して固定型2に対して型締め可能であり、矢印X1方向に移動して固定型2に対して型開き可能である。この金型1には、図示はしないものの、シェル中子を成形するための中子造型キャビティが形成されている。固定型2には、入子型4の固定型2側の領域を収容する収容キャビティ5(5a)が形成されている。可動型3には、入子型4の可動型3側の領域を収容する収容キャビティ5(5b)が形成されている。
【0012】
可動型3には、第1ピン孔31が型開閉方向においてつまり矢印X1方向において貫通して形成されてる。第1ピン孔31は、可動型3の背面に開口31cをもつ。第1ピン孔31には鍔状の第1被係止部33が形成されている。
固定型2には、第2ピン孔21が型開閉方向においてつまり矢印X1方向において貫通して形成されている。この第2ピン孔21は第1ピン孔31に対面している。第2ピン孔21には、金属製の保持スリーブ25が取付具26により固定されている。保持スリーブ25は、中央孔25aを区画する筒部25cと、筒部25cと一体に形成された鍔状の第2被係止部25dとをもつ。
【0013】
入子型4は、固定型2と可動型3とは別体をなす金属製のものであり、固定型2及び可動型3と共にシェル中子を造型する。
入子型4のうち可動型3に対面する領域には、雌螺子部を備えた螺子孔40が形成されている。入子型4のうち固定型2に対面する領域には、通孔42が形成されている。通孔42は、固定型2に対面する開口42cをもつ。通孔42の奥方の端面42fから距離L1離れた位置には、ストッパ部44が固定されている。
【0014】
入子型4には、入子型4を浮遊状態に支持するための支持ピン6が装備されている。本実施例に係る支持ピン6は、可動型3の型開閉方向において長ピン状に延設された第1支持ピン61と、可動型3の型開閉方向において長ピン状に延設された第2支持ピン62とで構成されている。第1支持ピン61は第1ピン孔31に挿入され、可動型3に通貫されている。第2支持ピン62は第2ピン孔21に挿入され、固定型2に通貫されている。
【0015】
第1支持ピン61の一方の軸端部に雄螺子部61xが形成されている。雄螺子部61xは入子型4の螺子孔40に螺合されている。これにより入子型4と第1支持ピン61とは一体的に結合されている。
第1支持ピン61の他方の軸端部には鍔状の第1係止部61yが形成されている。第1係止部61yは可動型3の第1ピン孔31内において第1被係止部33と対面しており、第1被係止部33と係止可能である。
【0016】
第2支持ピン62の一方の軸端部には、鍔状の第2係止部62yが形成されている。第2係止部62yは、保持スリーブ25の中央孔25a内において第2被係止部25dに対面しており、保持スリーブ25内において第2被係止部25dと係止可能である。
第2支持ピン62の他方の軸端部には、鍔状の第3係止部62kが形成されている。第3係止部62kは、入子型4の通孔42内において寸法L1に相当する距離、矢印X1方向及び矢印X2方向において移動可能とされている。この第3係止部62kは通孔42内においてストッパ部44に対面しており、ストッパ部44と係止可能である。
【0017】
さて可動型3と固定型2とが型締めされている状態では、図2に示す様に収容キャビティ5に入子型4が収容されている。この状態では、図2から理解できる様に、可動型3に対する第1支持ピン61の突出量は、抑えられている。同様に、固定型2に対する第2支持ピン62の突出量も、抑えられている。
図1から理解できる様に、可動型3が矢印X1方向に移動すると、固定型2に対して可動型3が型開きされる。この型開きの際には、型開き開始当初には入子型4が可動型3に付着したまま可動型3が矢印X1方向に移動し、その後、入子型4から可動型3が分離する第1形態がある。あるいは、型開き開始当初には固定型2に入子型4が付着しており、その後、可動型3の型開きに伴い固定型2から入子型4が分離する第2形態とがある。
【0018】
熱硬化性樹脂を硬化させてシェル中子を造型する関係で、金型1の型温度は高い。従って熱膨張等の関係で可動型3及び固定型2のうちのいずれか一方に、他方よりも入子型4が付着し易くなる。この付着性の影響を受けて、上記した第1形態と第2形態とに分かれる。
上記した第1形態について説明する。第1形態によれば、可動型3が型開き方向つまり矢印X1方向に移動する。すると、可動型3に付着した入子型4も同方向に移動する。この入子型4の移動に伴い、入子型4のストッパ部44も同方向に移動する。よってストッパ部44が第2支持ピン62の第3係止部62kに当接して係止する。この時点から更に入子型4が矢印X1方向へ移動すると、第3係止部62kとストッパ部44とが係止しているため、第2支持ピン62は矢印X1方向に引き寄せられる。
【0019】
そして、矢印X1方向に引き寄せられた第2支持ピン62の軸端部の第2係止部62yが保持スリーブ25の第2被係止部25dに当接して係止すれば、ストッパ機能が発揮される。このストッパ機能により入子型4はそれ以上、矢印X1方向には移動できず、結局、図1に示す位置Bで待機する。
この様に入子型4を位置Bに待機させたまま、可動型3は型開き方向つまり矢印X1方向に更に移動する。そのため結果として、図1から理解できる様に、可動型3が型開きしたときには、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3から突出すると共に、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2から突出する。故に図1に示す様に、固定型2と可動型3との間における途中空間位置である位置Bに、入子型4は保持される。
【0020】
また上記した第2形態について説明する。この第2形態によれば、型開き開始当初に固定型2に入子型4が付着したままである。図2から理解できる様に、可動型3が型開きして矢印X1方向に移動すると、可動型3の第1被係止部33も同方向へ移動して第1支持ピン61の第1係止部61yに当接して係止する。この時点までは、可動型3は矢印X1方向に型開きするものの、入子型4は固定型2の側に残置したままである。
【0021】
そして上記した様に第1支持ピン61の第1係止部61yと可動型3の第1被係止部33とが係止すれば、それ以降は、可動型3が更に型開きすると、第1支持ピン61が矢印X1方向に引き寄せられる。従って、雄螺子部61xで螺着されている入子型4も矢印X1方向に引き寄せられる。
そして、矢印X1方向に引き寄せられた入子型4のストッパ部44が第2支持ピン62の第3係止部62kに当接して係止すれば、それ以降は、第2支持ピン62も矢印X1方向に引き寄せられる。
【0022】
この結果、第2支持ピン62及び第1支持ピン61の双方が矢印X1方向に引き寄せられる。この状態では、図2から理解できる様に、第1支持ピン61は可動型3に対して大きく突出していると同時に、第2支持ピン62も固定型2に対して大きく突出している。
そのため、結果として図1に示す様に固定型2と可動型3との間における途中空間位置である位置Bに、入子型4は保持される。
【0023】
また可動型3を固定型2に型締めする際には、図1の状態から可動型3は矢印X2方向に移動する。矢印X2方向に移動した可動型3が入子型4を押圧すれば、入子型4も矢印X2方向に移動する。その結果図2に示す様に、入子型4のうち固定型2側の領域は、固定型2の収容キャビティ5aに収容されると共に、入子型4のうち可動型3側の領域は、可動型3の収容キャビティ5bに収容される。この様に可動型3が型締めされた状態で、シェル中子が造型される。
【0024】
図3は、上記金型1の型締めした状態のシェル中子造型機の平面図を模式的に示す。図4は、金型1の型開きした状態のシェル中子造型機の平面図を模式的に示す。図3及び図4に示す様に、シェル中子造型機は、固定ダイベース90と、図略の油圧シリンダ機構により矢印X1、X2方向に移動される可動ダイベース92と、固定ダイベース90と可動ダイベース92との間に橋架された案内ロッド94とを備えている。案内ロッド94は可動ダイベース92を案内するものである。固定型2は固定ダイベース90に装備されており、可動型3は可動ダイベース92に装備されている。
【0025】
なお図1及び図2は金型1及び入子型4付近の断面を示すが、便宜上、異なる断面部分を併せている部位もある。
(実施例の効果)
以上説明した様に本実施例によれば、図1から理解できる様に、可動型3が型開きしたときには、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3から突出すると共に、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2から突出する。この結果、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに、入子型4が保持される。
【0026】
上記の様に本実施例によれば、可動型3が型開きした状態においては、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに入子型4が保持されるため、複雑な形状のシェル中子を造型した際に、シェル中子を入子型4から離型する操作が容易となる。
更に本実施例によれば前述した様に、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに入子型4が保持されるため、高温の可動型3や固定型2から入子型4をできるだけ遠ざけることができる。故に、高温の可動型3や固定型2に作業者やロボットが直接触れることを回避するのに有利である。
【0027】
また本実施例によれば型開きした状態において、可動型3に対する第1支持ピン61の突出量と、固定型2に対する第2支持ピン62の突出量とを変更すれば、固定型2と可動型3との間における入子型4の位置を変更することができ、作業者やロボットによる作業性の向上に貢献できる。
更に本実施例によれば、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3の第1ピン孔31に通貫されており、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2の第2ピン孔21に通貫されている。そのため本実施例の様に入子型4の支持のために第1支持ピン61及び第2支持ピン62の双方が金属軸状で実質的に伸縮できない剛体であっても、第1支持ピン61の可動型3に対する突出量、第2支持ピン62の固定型2に対する突出量を確保できる。
【0028】
(他の例)
上記した実施例によれば、シェル中子造型機に適用しているが、これに限らず他の造型機に適用しても良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る構造によれば、可動型が型開きしたときには、第1支持ピンは型開閉方向において可動型から突出すると共に、第2支持ピンは型開閉方向において固定型から突出する。この結果、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置である位置に、入子型が保持される。
【0030】
そのため複雑な形状の中子を造型した際に、中子を入子型から離型するのに有利である。
上記の様に型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置である位置に入子型が保持されるため、高温の可動型や固定型から入子型をできるだけ遠ざけることができ、高温の可動型や固定型に作業者やロボットが直接触れることを回避するのに有利である。
【0031】
請求項2に係る構造によれば、支持ピンの第1支持ピンは型開閉方向において可動型に通貫されており、第2支持ピンは型開閉方向において固定型に通貫されている。そのため入子型の支持のために第1支持ピン及び第2支持ピンの双方が実質的に伸縮できない剛体であっても、第1支持ピンの可動型に対する突出量、第2支持ピンの固定型に対する突出量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型開きした状態における要部の構成図である。
【図2】型締めした状態における要部の構成図である。
【図3】型締めした状態におけるシェル中子造型機の平面を示す構成図である。
【図4】型開きした状態におけるシェル中子造型機の平面を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は金型、2は固定型、3は可動型、4は入子型、5は収容キャビティ、6は支持ピン、61は第1支持ピン、62は第2支持ピンを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は中子造型機における入子型作動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
中子造型機として、固定型と可動型とからなる金型に収容キャビティを形成し、収容キャビティに入子型が収容される構造のものが知られている。入子型を用いれば、複雑な中子を成形するのに有利である。
入子型を作動させる構造として、従来より、可動型の背面側に装備したシリンダ押出機構による押出ストロークを利用して、入子型を可動型の収容キャビティから突出させるシリンダ押出方式が知られている。
【0003】
更に、型締め状態の金型の内部にバネを弾性収縮させるバネ方式が知られている。この方式によれば、型開きに伴いバネの弾性収縮状態が解除されるので、バネが弾発力で伸長し、そのバネの伸長により入子型が金型から突出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した方式とは異なる方式を採用したものであり、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置に入子型を保持でき、これにより中子の離型性を向上できる中子造型機における入子型作動構造を提供することを課題とするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る中子造型機における入子型作動構造は、
固定型と固定型に対して開閉可能な可動型とからなると共に、入子型を収容する収容キャビティを備えた金型と、
金型の収容キャビティに配置される入子型とを具備する中子造型機における入子型作動構造であって、
入子型には、
可動型の型開閉方向に沿ってピン状に延設され、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置に入子型を保持する支持ピンが装備されており、
支持ピンは、
入子型と可動型との間に配置され、可動型の型開きに伴って型開閉方向において可動型に対して突出量が伸長する第1支持ピンと、
入子型と固定型との間に配置され、可動型の型開きに伴って型開閉方向において固定型に対して突出量が伸長する第2支持ピンとで構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る中子造型機における入子型作動構造によれば、請求項1において、支持ピンの第1支持ピンは型開閉方向において可動型に通貫されており、第2支持ピンは型開閉方向において固定型に通貫されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
入子型には、可動型の型開閉方向に沿ってのびる支持ピンが装備されている。
本発明構造によれば、支持ピンは、入子型と可動型との間に配置された第1支持ピンと、入子型と固定型との間に配置された第2支持ピンとで構成されている。
【0008】
可動型が型開きしたときには、型開きに伴って、第1支持ピンは型開閉方向において可動型から突出すると共に、第2支持ピンは、型開閉方向において固定型から突出する。従って、可動型が型開きした状態では可動型と固定型との間の途中空間位置に、入子型が保持される。従って中子を入子型や金型から離型する際に、中子が固定型や可動型や入子型に干渉しにくくなり、中子の離型操作が容易となる。
【0009】
本発明構造によれば、可動型が型締めされるときには、第1支持ピンは、型開閉方向において可動型に対する突出量が小さくなる。第2支持ピンは、型開閉方向において固定型に対する突出量が小さくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明をシェル中子造型機に適用した実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例の構成)
図1は金型1が型開きした状態の要部を示し、図2は金型1が型締めされた状態の要部を示す。
【0011】
本実施例によれば、金型1は固定型2と可動型3とからなる。可動型3は、矢印X2方向に移動して固定型2に対して型締め可能であり、矢印X1方向に移動して固定型2に対して型開き可能である。この金型1には、図示はしないものの、シェル中子を成形するための中子造型キャビティが形成されている。固定型2には、入子型4の固定型2側の領域を収容する収容キャビティ5(5a)が形成されている。可動型3には、入子型4の可動型3側の領域を収容する収容キャビティ5(5b)が形成されている。
【0012】
可動型3には、第1ピン孔31が型開閉方向においてつまり矢印X1方向において貫通して形成されてる。第1ピン孔31は、可動型3の背面に開口31cをもつ。第1ピン孔31には鍔状の第1被係止部33が形成されている。
固定型2には、第2ピン孔21が型開閉方向においてつまり矢印X1方向において貫通して形成されている。この第2ピン孔21は第1ピン孔31に対面している。第2ピン孔21には、金属製の保持スリーブ25が取付具26により固定されている。保持スリーブ25は、中央孔25aを区画する筒部25cと、筒部25cと一体に形成された鍔状の第2被係止部25dとをもつ。
【0013】
入子型4は、固定型2と可動型3とは別体をなす金属製のものであり、固定型2及び可動型3と共にシェル中子を造型する。
入子型4のうち可動型3に対面する領域には、雌螺子部を備えた螺子孔40が形成されている。入子型4のうち固定型2に対面する領域には、通孔42が形成されている。通孔42は、固定型2に対面する開口42cをもつ。通孔42の奥方の端面42fから距離L1離れた位置には、ストッパ部44が固定されている。
【0014】
入子型4には、入子型4を浮遊状態に支持するための支持ピン6が装備されている。本実施例に係る支持ピン6は、可動型3の型開閉方向において長ピン状に延設された第1支持ピン61と、可動型3の型開閉方向において長ピン状に延設された第2支持ピン62とで構成されている。第1支持ピン61は第1ピン孔31に挿入され、可動型3に通貫されている。第2支持ピン62は第2ピン孔21に挿入され、固定型2に通貫されている。
【0015】
第1支持ピン61の一方の軸端部に雄螺子部61xが形成されている。雄螺子部61xは入子型4の螺子孔40に螺合されている。これにより入子型4と第1支持ピン61とは一体的に結合されている。
第1支持ピン61の他方の軸端部には鍔状の第1係止部61yが形成されている。第1係止部61yは可動型3の第1ピン孔31内において第1被係止部33と対面しており、第1被係止部33と係止可能である。
【0016】
第2支持ピン62の一方の軸端部には、鍔状の第2係止部62yが形成されている。第2係止部62yは、保持スリーブ25の中央孔25a内において第2被係止部25dに対面しており、保持スリーブ25内において第2被係止部25dと係止可能である。
第2支持ピン62の他方の軸端部には、鍔状の第3係止部62kが形成されている。第3係止部62kは、入子型4の通孔42内において寸法L1に相当する距離、矢印X1方向及び矢印X2方向において移動可能とされている。この第3係止部62kは通孔42内においてストッパ部44に対面しており、ストッパ部44と係止可能である。
【0017】
さて可動型3と固定型2とが型締めされている状態では、図2に示す様に収容キャビティ5に入子型4が収容されている。この状態では、図2から理解できる様に、可動型3に対する第1支持ピン61の突出量は、抑えられている。同様に、固定型2に対する第2支持ピン62の突出量も、抑えられている。
図1から理解できる様に、可動型3が矢印X1方向に移動すると、固定型2に対して可動型3が型開きされる。この型開きの際には、型開き開始当初には入子型4が可動型3に付着したまま可動型3が矢印X1方向に移動し、その後、入子型4から可動型3が分離する第1形態がある。あるいは、型開き開始当初には固定型2に入子型4が付着しており、その後、可動型3の型開きに伴い固定型2から入子型4が分離する第2形態とがある。
【0018】
熱硬化性樹脂を硬化させてシェル中子を造型する関係で、金型1の型温度は高い。従って熱膨張等の関係で可動型3及び固定型2のうちのいずれか一方に、他方よりも入子型4が付着し易くなる。この付着性の影響を受けて、上記した第1形態と第2形態とに分かれる。
上記した第1形態について説明する。第1形態によれば、可動型3が型開き方向つまり矢印X1方向に移動する。すると、可動型3に付着した入子型4も同方向に移動する。この入子型4の移動に伴い、入子型4のストッパ部44も同方向に移動する。よってストッパ部44が第2支持ピン62の第3係止部62kに当接して係止する。この時点から更に入子型4が矢印X1方向へ移動すると、第3係止部62kとストッパ部44とが係止しているため、第2支持ピン62は矢印X1方向に引き寄せられる。
【0019】
そして、矢印X1方向に引き寄せられた第2支持ピン62の軸端部の第2係止部62yが保持スリーブ25の第2被係止部25dに当接して係止すれば、ストッパ機能が発揮される。このストッパ機能により入子型4はそれ以上、矢印X1方向には移動できず、結局、図1に示す位置Bで待機する。
この様に入子型4を位置Bに待機させたまま、可動型3は型開き方向つまり矢印X1方向に更に移動する。そのため結果として、図1から理解できる様に、可動型3が型開きしたときには、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3から突出すると共に、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2から突出する。故に図1に示す様に、固定型2と可動型3との間における途中空間位置である位置Bに、入子型4は保持される。
【0020】
また上記した第2形態について説明する。この第2形態によれば、型開き開始当初に固定型2に入子型4が付着したままである。図2から理解できる様に、可動型3が型開きして矢印X1方向に移動すると、可動型3の第1被係止部33も同方向へ移動して第1支持ピン61の第1係止部61yに当接して係止する。この時点までは、可動型3は矢印X1方向に型開きするものの、入子型4は固定型2の側に残置したままである。
【0021】
そして上記した様に第1支持ピン61の第1係止部61yと可動型3の第1被係止部33とが係止すれば、それ以降は、可動型3が更に型開きすると、第1支持ピン61が矢印X1方向に引き寄せられる。従って、雄螺子部61xで螺着されている入子型4も矢印X1方向に引き寄せられる。
そして、矢印X1方向に引き寄せられた入子型4のストッパ部44が第2支持ピン62の第3係止部62kに当接して係止すれば、それ以降は、第2支持ピン62も矢印X1方向に引き寄せられる。
【0022】
この結果、第2支持ピン62及び第1支持ピン61の双方が矢印X1方向に引き寄せられる。この状態では、図2から理解できる様に、第1支持ピン61は可動型3に対して大きく突出していると同時に、第2支持ピン62も固定型2に対して大きく突出している。
そのため、結果として図1に示す様に固定型2と可動型3との間における途中空間位置である位置Bに、入子型4は保持される。
【0023】
また可動型3を固定型2に型締めする際には、図1の状態から可動型3は矢印X2方向に移動する。矢印X2方向に移動した可動型3が入子型4を押圧すれば、入子型4も矢印X2方向に移動する。その結果図2に示す様に、入子型4のうち固定型2側の領域は、固定型2の収容キャビティ5aに収容されると共に、入子型4のうち可動型3側の領域は、可動型3の収容キャビティ5bに収容される。この様に可動型3が型締めされた状態で、シェル中子が造型される。
【0024】
図3は、上記金型1の型締めした状態のシェル中子造型機の平面図を模式的に示す。図4は、金型1の型開きした状態のシェル中子造型機の平面図を模式的に示す。図3及び図4に示す様に、シェル中子造型機は、固定ダイベース90と、図略の油圧シリンダ機構により矢印X1、X2方向に移動される可動ダイベース92と、固定ダイベース90と可動ダイベース92との間に橋架された案内ロッド94とを備えている。案内ロッド94は可動ダイベース92を案内するものである。固定型2は固定ダイベース90に装備されており、可動型3は可動ダイベース92に装備されている。
【0025】
なお図1及び図2は金型1及び入子型4付近の断面を示すが、便宜上、異なる断面部分を併せている部位もある。
(実施例の効果)
以上説明した様に本実施例によれば、図1から理解できる様に、可動型3が型開きしたときには、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3から突出すると共に、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2から突出する。この結果、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに、入子型4が保持される。
【0026】
上記の様に本実施例によれば、可動型3が型開きした状態においては、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに入子型4が保持されるため、複雑な形状のシェル中子を造型した際に、シェル中子を入子型4から離型する操作が容易となる。
更に本実施例によれば前述した様に、型開きした可動型3と固定型2との間の途中空間位置である位置Bに入子型4が保持されるため、高温の可動型3や固定型2から入子型4をできるだけ遠ざけることができる。故に、高温の可動型3や固定型2に作業者やロボットが直接触れることを回避するのに有利である。
【0027】
また本実施例によれば型開きした状態において、可動型3に対する第1支持ピン61の突出量と、固定型2に対する第2支持ピン62の突出量とを変更すれば、固定型2と可動型3との間における入子型4の位置を変更することができ、作業者やロボットによる作業性の向上に貢献できる。
更に本実施例によれば、第1支持ピン61は型開閉方向において可動型3の第1ピン孔31に通貫されており、第2支持ピン62は型開閉方向において固定型2の第2ピン孔21に通貫されている。そのため本実施例の様に入子型4の支持のために第1支持ピン61及び第2支持ピン62の双方が金属軸状で実質的に伸縮できない剛体であっても、第1支持ピン61の可動型3に対する突出量、第2支持ピン62の固定型2に対する突出量を確保できる。
【0028】
(他の例)
上記した実施例によれば、シェル中子造型機に適用しているが、これに限らず他の造型機に適用しても良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る構造によれば、可動型が型開きしたときには、第1支持ピンは型開閉方向において可動型から突出すると共に、第2支持ピンは型開閉方向において固定型から突出する。この結果、型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置である位置に、入子型が保持される。
【0030】
そのため複雑な形状の中子を造型した際に、中子を入子型から離型するのに有利である。
上記の様に型開きした可動型と固定型との間の途中空間位置である位置に入子型が保持されるため、高温の可動型や固定型から入子型をできるだけ遠ざけることができ、高温の可動型や固定型に作業者やロボットが直接触れることを回避するのに有利である。
【0031】
請求項2に係る構造によれば、支持ピンの第1支持ピンは型開閉方向において可動型に通貫されており、第2支持ピンは型開閉方向において固定型に通貫されている。そのため入子型の支持のために第1支持ピン及び第2支持ピンの双方が実質的に伸縮できない剛体であっても、第1支持ピンの可動型に対する突出量、第2支持ピンの固定型に対する突出量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型開きした状態における要部の構成図である。
【図2】型締めした状態における要部の構成図である。
【図3】型締めした状態におけるシェル中子造型機の平面を示す構成図である。
【図4】型開きした状態におけるシェル中子造型機の平面を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は金型、2は固定型、3は可動型、4は入子型、5は収容キャビティ、6は支持ピン、61は第1支持ピン、62は第2支持ピンを示す。
Claims (2)
- 固定型と該固定型に対して開閉可能な可動型とからなると共に、入子型を収容する収容キャビティを備えた金型と、
該金型の収容キャビティに配置される該入子型とを具備する中子造型機における入子型作動構造であって、
該入子型には、
該可動型の型開閉方向に沿ってピン状に延設され、型開きした該可動型と該固定型との間の途中空間位置に該入子型を保持する支持ピンが装備されており、
該支持ピンは、
該入子型と該可動型との間に配置され、該可動型の型開きに伴って型開閉方向において該可動型に対して突出量が伸長する第1支持ピンと、
該入子型と該固定型との間に配置され、該可動型の型開きに伴って型開閉方向において該固定型に対して突出量が伸長する第2支持ピンとで構成されていることを特徴とする中子造型機における入子型作動構造。 - 請求項1において、該支持ピンの該第1支持ピンは型開閉方向において該可動型に通貫されており、該第2支持ピンは型開閉方向において該固定型に通貫されていることを特徴とする中子造型機における入子型作動構造。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09234743A JPH09234743A (ja) | 1997-09-09 |
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1996
- 1996-02-28 JP JP4164496A patent/JP3599877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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