JP3599309B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3599309B2
JP3599309B2 JP13405598A JP13405598A JP3599309B2 JP 3599309 B2 JP3599309 B2 JP 3599309B2 JP 13405598 A JP13405598 A JP 13405598A JP 13405598 A JP13405598 A JP 13405598A JP 3599309 B2 JP3599309 B2 JP 3599309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
transfer belt
roller
toner
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13405598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11327318A (ja
Inventor
利充 武内
尚樹 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Mita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Mita Corp filed Critical Kyocera Mita Corp
Priority to JP13405598A priority Critical patent/JP3599309B2/ja
Publication of JPH11327318A publication Critical patent/JPH11327318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3599309B2 publication Critical patent/JP3599309B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、特に、転写ベルトの表面にトナー剥離剤を塗布するように構成された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー画像の形成が可能な複写機、プリンタ、ファクシミリ装置では、読み込んだ原稿画像を複数の色成分に分解して、各色成分に基づくトナー画像を感光体ドラム周面に形成し、各色成分のトナー画像を転写ベルト表面に積層状態で転写して、これをさらに用紙に転写するように構成されているものがある。
【0003】
たとえば、原稿台に載置された原稿画像に光を照射し、原稿表面から反射してくる光をCCDセンサなどのカラー撮像素子によって読み取る。カラー撮像素子によって読み取られた原稿画像は、画像処理部によって、フルカラー画像を構成する複数の色成分の画像に分解される。たとえば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの色成分の画像に分解する。
【0004】
感光体ドラムの周囲には、各色成分に対応する色トナーが収納された4つの現像装置が配置されており、感光体ドラム周面に各色成分毎の静電潜像を形成し、これを対応する現像装置によってトナー画像に顕像化する。
【0005】
感光体ドラムの周囲には、さらに、感光体ドラム周面に対向する転写ベルトが配置されており、転写ベルトの裏面側からトナーを転写するための電圧が印加される1次転写ローラが配置されている。この1次転写ローラに電圧を印加して転写ベルト表面にトナー画像を転写する。各色成分毎にこの1次転写動作を行って、転写ベルト表面に各色成分のトナー画像が積層状態となったカラートナー画像を形成する。
【0006】
転写ベルトの周囲には、間に搬送されてくる用紙の裏面から電圧を印加して、転写ベルト表面のトナー画像を用紙に転写する2次転写ローラが設けられている。感光体ドラムから転写ベルトへの1次転写工程が終了したとき、転写ベルトと2次転写ローラとの間に用紙を搬送し、2次転写ローラに所定の電圧を印加することによって、用紙上にフルカラーのトナー画像を転写することができる。このあと、この用紙は定着装置に搬送されて、表面のトナー画像が加熱され、溶融・定着される。
【0007】
上述の装置で用紙上にトナーを転写する2次転写工程において、転写ベルトからトナーが容易に剥離して用紙上への転写が確実となるように、転写ベルト表面にステアリン酸亜鉛を塗布するための剥離剤塗布手段を設けることが考えられる。この剥離剤塗布手段は、たとえば、ステアリン酸亜鉛を含浸させたスポンジローラを、その周面が転写ベルト表面に当接可能に設けることができる。この剥離剤塗布手段は、感光体ドラムから転写ベルトへのトナー画像の転写する1次転写工程では、転写ベルト表面から離間している必要があり、このために、転写ベルト表面に対して進退可能となるように移動機構を設ける必要がある。
【0008】
このような移動機構を利用して、通常は剥離剤塗布手段を転写ベルト表面から離間させておき、転写ベルト表面に対するトナー画像の転写回数を計数し、この転写回数が所定回数(たとえば、モノカラーの場合200〜240回、フルカラーの場合50〜60回、両面複写の場合20〜30回)となったとき、剥離剤塗布手段を転写ベルト表面に当接させて、ステアリン酸亜鉛の塗布を行うように制御することが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステアリン酸亜鉛の転写ベルト表面への塗布は、頻繁に行う方が効果的であり、上述したように所定の転写回数毎に塗布を行った場合、転写ベルトへのトナーの結着力を充分に弱めることができず、用紙上に転写されるトナー画像にいわゆる「中抜け」が生じるおそれがある。特に、両面複写の場合には、片面にトナー画像が形成された後の用紙は通常とは状態が異なっており、このような不具合を発生する頻度が高くなる。このため、剥離剤塗布手段による転写ベルト表面へのステアリン酸亜鉛の塗布を、2次転写工程が終了する毎に行うように構成することが考えられる。2次転写工程が終了する毎に剥離剤塗布手段によるステアリン酸亜鉛の塗布を行うためには、2次転写ローラを通過した後の転写ベルトが1次転写ローラに到達する間に剥離剤塗布手段を配置する必要がある。
【0010】
装置の小型化を図るためには、転写ベルトの回転方向の長さを小さくすることが不可欠であり、このため、2次転写が終了した後の転写ベルトが1次転写ローラに到達するまでの距離を極力小さくすることが好ましい。この2次転写ローラと1次転写ローラとの間には、転写ベルト表面に残留するトナーを除去するためのクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置は、転写ベルト表面に圧接されるクリーニングブレードと除去したトナーを回収する回収ケースとを備えている。上述したように、剥離剤塗布手段を2次転写ローラと1次転写ローラとの間に配置するためには、このクリーニング装置と並列に設置する必要があり、2次転写ローラと1次転写ローラとの間の空間を充分にとる必要がある。また、剥離剤塗布手段をクリーニング装置と一体的に設けることが考えられるが、転写ベルト表面に対して進退させる手段をクリーニング装置とは独立させて設ける必要があり、2次転写ローラと1次転写ローラとの間の限られた空間に設けることが困難である。このため、たとえば、1次転写ローラを通過した転写ベルトが2次転写ローラに到達するまでの中間位置において、転写ベルトにステアリン酸亜鉛を塗布する剥離剤塗布手段を設けることが考えられる。
【0011】
連続して用紙への画像形成を行う場合には、転写ベルト表面のトナー画像を用紙上に転写する2次転写工程を行うと同時に、感光体ドラムから転写ベルトに対して次のトナー画像の転写を行う1次転写工程を開始することが考えられる。上述したように、1次転写ローラを通過した転写ベルトが2次転写ローラに到達するまでの中間位置に剥離剤塗布手段を設けた場合、2次転写工程を行うと同時に1次転写工程を開始するときには、ステアリン酸亜鉛の塗布を行うことができない。
【0012】
本発明の目的は、転写ベルトなどの像担持体表面にステアリン酸亜鉛などのトナー剥離剤を効率良く塗布し、画像形成時に中抜けが発生するなどの障害を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、表面にトナー画像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムにトナー画像を形成するための現像装置と、感光体ドラムに形成されたトナー画像が転写される転写ベルトと、転写ベルト表面のトナー画像を用紙上に転写する転写手段と、剥離剤塗布手段と、指示手段と、剥離剤塗布制御手段とを備えている。剥離剤塗布手段は、転写手段による転写時に、転写ベルトからのトナー剥離を促進するトナー剥離剤を転写ベルト及び感光体ドラムの表面に塗布する。指示手段は連続して複数回の画像形成を行う旨を含む1オペレーション毎の指示信号を発生する。剥離剤塗布制御手段は、指示信号に基づいて転写手段による所定の転写動作が完了した後に、剥離剤塗布手段による転写ベルト及び感光体ドラムの表面へのトナー剥離剤の塗布を実行させる逐次塗布工程を行う。そして、感光体ドラム表面にトナー画像が形成されていない状態で剥離剤塗布制御手段による塗布工程が行われた場合には、感光体ドラム表面に塗布された余分なトナー剥離剤を現像装置を駆動することにより除去する。
【0014】
この場合、指示手段の指示信号に基づく1オペレーションの画像形成が終了する毎に、剥離剤塗布手段によって転写ベルト及び感光体ドラムの表面にトナー剥離剤を塗布する。したがって、1オペレーションで多大な部数の画像形成指示が行われない限り、剥離剤塗布手段による転写ベルト表面へのトナー剥離剤の塗布が頻繁に行われることなり、中抜けなどの障害を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態が採用されるフルカラー複写機の横断面図を示す。この複写機1は、本体10と、本体10の上部に開閉自在に装着された原稿押さえ11とを有している。
【0017】
本体10には、その上部に位置して、原稿が載置される原稿台15が配置されている。本体10の内部には、正面から見て左側の端部で上下方向のほぼ中央に画像形成部16が設けられている。また、下部には、画像形成部16に原稿を供給するための給紙部17が設けられている。
【0018】
給紙部17には、本体10に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する給紙カセット18,19,20,21と、その右側方に設けられるバイパストレイ22とを備えている。
【0019】
原稿台15の下方には、原稿台15上に載置された原稿の画像情報を読み取るための光学系23が設けられている。光学系23は、原稿台15上に載置された原稿表面に光を照射するための光源24と、原稿表面から反射した光を偏向するためのミラー25,26,27と、ミラー27からの光を収束させるためのレンズ28と、レンズ28によって収束された光を受光して原稿画像に対応する画像データ信号を生成するCCDセンサなどのカラー撮像素子29とを備えている。
【0020】
画像形成部16は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム30を有し、さらに感光体ドラム30の周囲に配置された主帯電装置31、現像装置33,34,35,36、転写装置37およびクリーニング装置38を有している。
【0021】
主帯電装置31は、感光体ドラム30の表面を帯電させるための装置であり、感光体ドラム30の上方に配置されている。主帯電装置31から所定の間隙をあけて感光体ドラム30の左側方から下方にかけて感光体ドラム30上にトナー像を形成する現像装置33,34,35,36が配置されている。各現像装置33,34,35,36は、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーを収納し、感光体ドラム30に形成されている静電潜像を各色トナーによる顕像化するものである。また、転写装置37は、感光体ドラム30上のトナー像を用紙に転写するための装置であり、感光体ドラム30の右斜め下方に配置されている。クリーニング装置38は、感光体ドラム30表面の残留トナーなどを除去するための装置であり、感光体ドラム30の右斜め上方に配置されている。
【0022】
感光体ドラム30の左斜め上方には、感光体ドラム30の周面に静電潜像を形成するための露光装置39が設けられている。露光装置39は、レーザユニット40とレーザユニット40からのレーザ光を感光体ドラム30周面に偏向するミラー41とからなり、カラー撮像素子29から得られる画像データ信号に基づいて感光体ドラム30周面に静電潜像を形成する。露光装置39からの照射されるレーザ光は、主帯電装置31と現像装置33との間に通過して感光体ドラム30周面に照射されるように構成されている。
【0023】
〔転写装置〕
転写装置37は、図2に示すように、駆動モータ42の駆動力が駆動ベルト43を介して伝達される駆動ローラ44と、2次転写上ローラ45と、駆動ローラ44および2次転写上ローラ45の間に張設される転写ベルト46と、転写ベルト46の外周面を感光体ドラム30の周面に圧接する1次転写上ローラ47、1次転写下ローラ48と、転写ベルト46の内周面側に配置されるテンションローラ49とを備えている。
【0024】
1次転写上ローラ47および1次転写下ローラ48は、駆動ローラ44と2次転写上ローラ45の間であって、転写ベルト46を介して感光体ドラム30と対向する位置に配置されている。1次転写上ローラ47は、1次転写下ローラ48とともに転写ベルト46を感光体ドラム30周面に圧接する圧接位置と、感光体ドラム30周面から転写ベルト46を離間させる離間位置との間で移動可能となっている。
【0025】
例えば、図3に示すように、1次転写ローラ47は取付板50に回転自在に取り付けられており、この取付板50が支軸51を介して転写装置37に回転可能に取り付けられている。取付板50は、下方に突出する突片52を有しており、突片52には1次転写上ローラ47の回転軸と並行に設けられた1次押圧コロ53が設けられている。また。取付板50はばね54' により感光体ドラム30の周面から離間する方向に付勢されている。
【0026】
転写装置37側には、取付板50の1次押圧コロ53に当接可能なカム面を有する1次押圧カム54が可動自在に支持されて設けられている。この1次押圧カム54は、駆動ベルト55によって1次押圧カム駆動モータ56の駆動力が伝達されて、回動可能となっている。1次押圧カム54の回転軸に1次押圧カム54と一体的に回転する遮光板57が設けられている。この遮光板57は、円板の一部が切り欠かれた扇型形状でなり、フォトインタラプタで構成される転写ベルト押圧センサ58の光路を遮断することが可能に配置されている。
【0027】
例えば、1次押圧カム54のカム面の1次押圧コロ53を押圧する距離が最大となるとき、1次転写上ローラ47が転写ベルト46を感光体ドラム30周面に圧接する圧接位置に位置し、このとき同時に、転写ベルト押圧センサ58が遮光板57によって遮光されオン状態となる。また、1次押圧カム54のカム面の1次押圧コロ53を押圧する距離が最小となるとき、1次転写上ローラ47が転写ベルト46を感光体ドラム30周面から離間させる離間位置に位置し、このとき同時に、転写ベルト押圧センサ58が遮光板57によって解放されてオフ状態となる。
【0028】
転写装置37には、転写ベルト46にステアリン酸亜鉛を塗布するためのステアリン酸亜鉛塗布装置59が設けられている。このステアリン酸亜鉛塗布装置59は、転写ベルト46を介して駆動ローラ44に圧接するステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60と、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60にステアリン酸亜鉛を供給するためのステアリン酸亜鉛収納部61とから構成されている。ステアリン酸亜鉛塗布装置59は、転写ベルト46に付着したトナーが用紙表面に転写される際にトナーの転写ベルト46への結着力を弱め、用紙上に形成されるトナー画像の中抜けを防止するためのステアリン酸亜鉛を一定周期で転写ベルト46表面に塗布するものである。このため、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60は、転写ベルト46に対して出没可能となっており、必要に応じて駆動ローラ44に圧接されて、転写ベルト46にステアリン酸亜鉛を塗布するように構成されている。
【0029】
さらに、転写装置37には、転写ベルト46の表面をクリーニングするためのクリーニング装置62が設けられている。このクリーニング装置62は、1次転写下ローラ48と2次転写上ローラ45との間に配置され、転写ベルト46の内周面側に当接するクリーニングローラ63と、クリーニングローラ63に圧接するクリーニングブレード64と、クリーニングブレード64に掻き落とされたトナーを回収タンクに送るスパイラル65を有するトナー回収部66とを備えている。
【0030】
また、転写装置37には、転写ベルト46を介して2次転写上ローラ45と対向する位置に配置され、転写ベルト46表面のトナーと逆極性の電圧が印加されて用紙上にトナー画像を転写する2次転写下ローラ67が設けられている。
【0031】
2次転写下ローラ67は、図4に示すように、取付板68に回動可能に支持されている。また、2次転写下ローラ67には、外径がやや大きく設定されて一体的に回転する2次押圧コロ69が幅方向両端に設けられている。この2次押圧コロ69は、その外周面が転写装置37の側板に当接することにより、2次転写下ローラ67の周面と転写ベルト46の表面とが一定距離となるように位置決めを行うものである。
【0032】
取付板68は、図4上下方向に移動可能となっており、ばねなどの付勢部材(図示せず)によって下方に付勢されている。また、取付板68は下方に突出する突片70を有している。突片70には、2次転写下ローラ67の回転軸と並行に突設された接触片71が設けられている。この接触片71は、転写装置37の側板に回動自在に支持された2次押圧カム72のカム面と当接可能となっている。2次押圧カム72は、図示しない駆動モータにより回転可能となっており、一体的に回動する遮光板73を備えている。遮光板73は、回動することによってフォトインタラプタで構成される転写ローラ押圧センサ74の光路を遮断する位置と開放する位置をとり得るように構成されている。
【0033】
たとえば、2次押圧カム72のカム面によって移動される接触片71が最も上方に位置するとき、取付板68が最も上方に押し上げられる。このとき、2次押圧コロ69が転写装置37の側板に当接して2次転写下ローラ67を所定位置に位置決めするとともに、遮光板73が転写ローラ押圧センサ74の光路を遮断してオン状態にする。また、2次押圧カム72のカム面によって移動される接触片71が最も下方に位置するとき、付勢部材の付勢により取付板68が最も下方に位置させられる。このとき、2次転写下ローラ67は転写ベルト46表面から離間し、同時に遮光板73が転写ローラ押圧センサ74の光路を開放してオフ状態とする。
【0034】
また、2次転写下ローラ67には、周面に付着したトナーを剥離するためのクリーニングブレード75が周面に圧接する状態で設けられている。さらに、2次転写下ローラ67の近傍には、所定の電圧が印加されて用紙を転写ベルト46から分離するための分離針76が設けられている。
【0035】
〔給紙部〕
給紙部17には、各給紙カセット18,19,20,21から画像形成部16方向に用紙を搬送するための縦搬送路81と、バイパストレイ22から画像形成部16方向に用紙を搬送するバイパス搬送路82とが設けられている。各給紙カセット18,19,20,21およびバイパストレイ22には、収納されている用紙を取り出すためのピックアップローラ83,84,85,86,87および用紙を1枚ずつ搬送路に送り出すための給紙ローラ対88,89,90,91,92が設けられている。縦搬送路81には、搬送ローラ対93,94,95,96が設けられている。縦搬送路81とバイパス搬送路82は、転写装置37の2次転写上ローラ45および2転写下ローラ67の右側方において合流しており、転写装置37に用紙を供給する給紙搬送路97に連続している。給紙搬送路97には、給紙部17から搬送されてくる用紙を所定位置に待機させるためのレジストローラ98が設けられている。
【0036】
〔定着装置〕
転写装置37の2次転写上ローラ45および2次転写下ローラ67の左側方には、トナー画像が転写された用紙が搬送される排紙搬送路99が形成されており、そのさらに左側方に定着装置100が配置されている。定着装置100には、ヒータを内蔵する加熱ローラ101と加熱ローラ101に圧接する加圧ローラ102とが設けられており、両ローラ間に用紙を挟持して搬送するとともに、用紙表面に形成されたトナー画像を加熱定着するものである。
【0037】
定着装置100のさらに左側方には排紙ローラ対103が設けられており、排紙トレイ104に用紙を排出するように構成されている。
【0038】
〔転写ベルト〕
転写ベルト46は、フッ素系樹脂などで構成されており、図5に示すように、トナー画像が転写される外周面111と、各ローラの外周面に支持される中間内周面112を有している。転写ベルト46の幅方向両端縁には、内周面側に突出する蛇行防止用突条113,113が設けられている。この蛇行防止用突条113,113は、各ローラの端縁部の外周面に当接する端部内周面114,114を有している。
【0039】
転写ベルト46が張設されている各ローラは、図5に示すような構成となっており、ここでは1次転写上ローラ47を例として示す。
【0040】
1次転写上ローラ47は、転写ベルト46の中間内周面112を支持する中間支持部115と、中間支持部115よりも蛇行防止用突条113の高さ分だけ径が小さく構成された端縁支持部116とを有している。中間支持部115の外周面は、転写ベルト46の中間内周面112の幅とほぼ同一の幅で構成され、この中間内周面112に当接して転写ベルト46の中間内周面112を支持する中間支持面117を構成している。端縁支持部116は、中間支持部115の両端縁に設けられており、その外周面は、転写ベルト46の蛇行防止用突条113の幅とほぼ同一の幅で構成され、蛇行防止用突条113の端部内周面114を支持する端部支持面118を構成している。
【0041】
このことにより、図6に示すように、転写ベルト46の中間内周面112が1次転写上ローラ47の中間支持面117に当接し、蛇行防止用突条113の端部内周面114が1次転写上ローラ47の端部支持面118と当接することによって、転写ベルト46は1次転写ローラ47の外周面に支持されている。
【0042】
1次転写下ローラ48、クリーニングローラ63、2次転写上ローラ45、テンションローラ49、駆動ローラ44の各ローラは、上述した1次転写上ローラ47と同様に、中間支持部と端縁支持部とを有する構成となっている。このことにより、転写ベルト46は、幅方向中間部と幅方向端縁部とにおいて各ローラの外周面に当接して均一に支持されることとなり、その外周面に凹凸を生じることがなくなる。特に、1次転写部においては1次転写上ローラ47と1次転写下ローラ48が比較的近接して配置されているため、蛇行防止用突条113の内周面がローラの外周面と離間している場合には、両ローラ間の端縁部にくぼみが生じやすいが、上述した実施形態では、このような問題点が改善され、転写されるトナー画像に抜けが生じることを防止できる。
【0043】
転写ベルト46の幅方向端縁部には、表裏に貫通する検出孔120が設けられている。この検出孔120は、転写ベルト46の回転方向に等間隔で6個所設けられており、外周面111に形成されるトナー画像の先端を位置決めするために用いられる。
【0044】
転写装置37のフレームには、図2に示すように、取付板121を介してフォトインタラプタ122が取り付けられている。このフォトインタラプタ122は図7に示すように、LEDで構成される発光部123とフォトトランジスタで構成される受光部124とが所定距離離間して対向配置されるものであり、発光部123と受光部124とが転写ベルト46の幅方向端縁部を挟むように配置されている。フォトインタラプタ122の発光部123から照射される光が、転写ベルト46に遮断されて受光部124に到達していない場合には、フォトインタラプタ122は検出信号を出力していない。転写ベルト46の回転に伴って、フォトインタラプタ122の位置に検出孔120が到達すると、発光部123からの光が受光部124で受光され、フォトインタラプタ122は検出信号を生成する。フォトインタラプタ122が出力する検出信号に基づいて、転写動作を行うタイミング信号を生成して、感光体ドラム30から転写ベルト46へのトナー画像の1次転写または転写ベルト46から用紙上へのトナー画像の2次転写を行う。
【0045】
このとき、転写ベルト46の幅方向端縁部に設けられている検出孔120は、回転方向に等間隔に6個所設けられており、フォトインタラプタ122がいずれの検出孔120を検出したタイミングでも転写のタイミング信号を生成することができ、待機時間が短縮されて処理時間も短縮することが可能となる。
【0046】
〔クリーニング装置〕
クリーニング装置38は、図2に示すように、感光体ドラム30の周面に近接して配置されるケーシング141と、このケーシング141に回転可能に支持されたファーブラシ142と、感光体ドラム30周面に圧接されるクリーニングブレード143とを備えている。ファーブラシ142は、周面に繊維が植設されたローラであり、繊維先端が感光体ドラム30周面に当接して、感光体ドラム30周面に付着したトナーの結着力を弱めるために、感光体ドラム30とカウンタあるいは異なる周速で回転駆動されている。また、このファーブラシ141には、ステアリン酸亜鉛収納部144からステアリン酸亜鉛が供給されている。このことにより、感光体ドラム30の回転に伴って、ファーブラシ141によりステアリン酸亜鉛が感光体ドラム30周面に塗布されることとなる。
【0047】
クリーニングブレード143は、先端が感光体ドラム30周面に圧接される樹脂製の板状部材でなり、ファーブラシ142によって結着力が弱められた感光体ドラム30周面のトナーをかき落とす構成となっている。感光体ドラム30周面から除去されたトナーはケーシング141内に回収され、回収タンク(図示せず)に回収されることとなる。
【0048】
〔制御系〕
複写機1の内部には、図8に示すように、制御部201が設けられている。制御部201は、CPU,RAM,ROM,各種ドライバなどを含むマイクロコンピュータシステムで構成されている。制御部201には、各種操作指示を行うための操作パネル202が接続されている。操作パネル202は、テンキーやその他指令キーを含む入力キー部および液晶表示素子やLEDなどで構成される表示部などを含んでおり、複写動作の開始を指示ためのスタートキーおよび特殊紙モード設定用のスイッチなども含まれている。
【0049】
制御部201には、さらに、画像読取部203が接続されている。画像読取部203は前述した光学系23などを含み、原稿台15上に載置された原稿に光を照射して、原稿から反射する光をカラー撮像素子29で読み取って画像データ信号に変換する。また、制御部201には、カラー撮像素子29から出力される画像データ信号を受け取って画像処理を行う画像処理部204が接続されている。この画像処理部204では、カラー撮像素子29から出力される画像データ信号によって2次元のカラー画像を復元し、これをさらに、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色成分の画像に分解する。
【0050】
制御部201には、レーザユニット40を含む露光部205が接続されている。露光部205では、画像処理部204によって各色成分に分解された画像情報に基づいて、レーザユニット40からレーザ光を照射し、感光体ドラム30周面に静電潜像を形成する。
【0051】
さらに、制御部201には、感光体ドラム30を回転駆動するための感光体ドラム駆動部206が接続されている。感光体ドラム駆動部206は、露光部205から照射されるレーザ光に同期するように感光体ドラム30を回転駆動する。
【0052】
また、制御部201には、用紙搬送系207が接続されている。この用紙搬送系207は、転写ベルト46を回転駆動するための駆動モータ42を含む給紙搬送系および排紙搬送路99、定着装置100、排紙ローラ対103などの駆動モータを含む排紙搬送系などから構成されている。この用紙搬送系207は、少なくとも通常搬送速度およびそれよりも遅い速度である特殊紙搬送速度のうちいずれか一方の用紙搬送速度に設定可能であり、設定されるモードに応じて速度制御を行うことが可能となっている。
【0053】
制御部201には、1次転写上ローラ47を圧接位置と離間位置との間で移動させるための1次転写ローラ制御部208が接続されている。この1次転写ローラ制御部208は、1次押圧カム駆動モータ56を駆動制御することによって、1次転写上ローラ47を感光体ドラム30に対して圧接・離間させるものである。通常動作においては1次転写上ローラ47が1次転写下ローラ48とともに転写ベルト46を感光体ドラム30周面に圧接するように、1次転写上ローラ47を圧接位置に移動させ、特殊紙モードにおいては1次転写上ローラ47が転写ベルト46を感光体ドラム30周面から離間させるように、1次転写上ローラ47を離間位置に移動させる。
【0054】
制御部201には、2次転写下ローラ67を転写時の所定位置と転写ベルト46から離間する離間位置との間で移動させるための2次転写ローラ制御部209が接続されている。この2次転写ローラ制御部209は、2次押圧カムを駆動するモータを駆動制御することによって、2次転写下ローラ67を転写ベルト46に対して近接・離間させるものである。感光体ドラム30から転写ベルト46へのトナー画像の1次転写を行っている際には、2次転写下ローラ67が転写ベルト46から離間し、転写ベルト46から用紙へのトナー画像の2次転写を行う際には、2次転写下ローラ67の周面と転写ベルト46表面との間隙が所定距離に成るように2次転写下ローラ67を移動させる。
【0055】
さらに、制御部201には、2次転写下ローラ67に印加する電圧を制御するための2次転写電圧制御部210が接続されている。2次転写電圧制御部210は、用紙の裏面から用紙上にトナーを引きつけて用紙表面にトナー画像を転写するために、転写ベルト46表面のトナーと逆極性の電圧を2次転写下ローラ67に印加する。トナーが負帯電の場合、2次転写下ローラに印加する電圧は、+1kV〜2.5kV程度の直流バイアス電圧となる。また、装置が停止状態から復帰した直後には2次転写下ローラ67にトナーが付着している可能性があり、2次転写電圧制御部210により一定時間2次転写下ローラ67に所定電圧を印加するともに、2次転写下ローラ67が転写ベルト46に近接する位置で転写ベルト46および2次転写ローラ67を回転駆動する。このとき、2次転写下ローラ67に印加する電圧は、転写時と同極性であって、+300〜400V程度の直流バイアス電圧となる。ただし、2次転写下ローラ67にクリーニングブレード75が接触していない場合には、このときの電圧は逆極性にすることが好ましい。制御部201にはさらに他の入出力部が接続されている。
【0056】
〔一般動作〕
このようにした複写機1の動作を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。複写機1の電源が投入されると、図9に示すステップS1において各種パラメータおよび装置全体の初期化を行う。この初期化動作の中には、2次転写下ローラ67にトナー剥離電圧を印加して転写ベルト46および2次転写下ローラ67を一定時間回転駆動し、2次転写下ローラ67に付着しているトナーを転写ベルト46に再転写し、転写ベルト46に設けられたクリーニング装置62に回収する作業を含む。2次転写下ローラ67に印加するトナー剥離電圧は、クリーニングブレード75が2次転写下ローラ67周面に当接している場合には、+300〜400Vの直流電圧となる。この後、感光体ドラム30、転写ベルト46などが初期位置に設定される。
【0057】
ステップS2では、特殊紙モードの設定がなされたか否かを判別する。ここでは、操作パネル202のモード設定ボタンにより特殊紙モードが選択された場合に、特殊紙モードの設定がなされたものと判断してステップS3に移行する。ステップS3では、特殊紙モードによる画像形成処理を実行する。
【0058】
ステップS2において、特殊紙モードの設定がなされていないと判断した場合、ステップS4に移行する。ステップS4では、装置を通常の画像形成モードに設定する。ステップS5では、画像形成開始の指示があったか否かを判別する。操作パネル202に設けられているスタートキーが操作された場合に、画像形成開始の指示があったと判断して、ステップS6に移行する。
【0059】
ステップS6では、通常の画像形成モードに基づいて、用紙上に画像形成を行う。ここでは、原稿台15上に載置された原稿に光学系23により光を照射して、反射してくる光をカラー撮像素子29によって画像データ信号に変換する。画像データ信号は、画像処理部204によって各色成分の画像に分解され、まず、シアンの色成分に基づく静電潜像が感光体ドラム30上に形成される。この静電潜像は、シアンの色トナーが収納された現像装置33によって顕像化される。
【0060】
1次転写上ローラ47は、感光体ドラム30側に近接する圧接位置に位置させられており、1次転写下ローラ48とともに転写ベルト46を感光体ドラム30の周面に圧接する状態となっている。このことにより、感光体ドラム30上に形成されたシアンの色トナーによるトナー画像は、1次転写上ローラ47および1次転写下ローラ48により転写ベルト46表面に転写されることとなる。
【0061】
シアンの色トナーによるトナー画像が転写ベルト46に転写されると、マゼンタに対応する静電潜像が感光体ドラム30上に形成され、同様にして、現像装置34によって色トナーによるトナー画像に顕像化される。このトナー画像も同様にして転写ベルト46上に転写される。以下、同様にして、イエロー、ブラックの各色成分のトナー画像が転写ベルト46上に積層状態で転写される。各色成分のトナー画像を転写する際には、同期がとられて画像のずれがないように図られている。また、同時に、給紙カセット18,19,20,21、バイパストレイ22のいずれかから用紙を搬送して、給紙搬送路97のレジストローラ98に待機させる。
【0062】
転写ベルト46上へのカラートナー画像の転写が終了すると、レジストローラ98から2次転写上ローラ45と2次転写下ローラ67との間に用紙を供給し、転写ベルト46表面に積層状態で形成されているカラートナー画像を2次転写下ローラ67により用紙上に転写する。この後、表面にカラートナー画像が転写された用紙を排紙搬送路99により定着装置100に搬送し、用紙表面に転写されたカラートナー画像を加熱して溶融定着して排紙トレイ104に排出する。この間、1次転写上ローラ47は圧接位置に位置させられており、転写ベルト46の表面は1次転写上ローラ47と1次転写下ローラ48とによって感光体ドラム30周面に圧接している。また、用紙搬送系207は感光体ドラム駆動部206に同期して通常の搬送速度に設定されている。
【0063】
ステップS7では、所定の画像形成動作が終了したか否かを判別する。ここでは、操作パネル202から指示された枚数の複写動作が完了したときに、所定の画像形成動作が終了したと判断して、ステップS8に移行する。ステップS8では、他の処理を実行する。
【0064】
〔特殊紙モード〕
ステップS3における特殊紙モードでは、図10に示すような動作を実行する。ステップS11では、画像形成開始の指示があったか否かを判別する。ここでは、予め給紙部17の給紙カセット18,19,20,21、バイパストレイ22のうちのいずれかに画像形成を行う特殊紙をセッティングし、特殊紙のセッティングを行ったところから給紙を行う旨の設定を操作パネル202から指示する。特殊紙は、厚紙やOHPシート、表面コーティングがなされた表面コート紙であり、通常バイパストレイ22にセッティングされる場合が多く、この場合には、バイパストレイ22から給紙を行う旨の設定を操作パネル202から指示すればよい。この後、操作パネル202に設けられているスタートキーが操作された場合に、画像形成開始の指示があったと判断して、ステップS12に移行する。
【0065】
ステップS12では、原稿台15上に載置された原稿画像を読み取って、転写ベルト46上にカラートナー画像を転写する工程を実行する。この場合、普通紙に対する画像形成を行う場合と同様にして、原稿台15上に載置された原稿に光学系23により光を照射して、反射してくる光をカラー撮像素子29によって画像データ信号に変換する。このカラー撮像素子29からの画像データ信号は、画像処理部204によって各色成分の画像に分解され、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に感光体ドラム30周面に静電潜像を形成して各現像装置33,34,35,36によって顕像化して、順次転写ベルト46に転写する。同時に、給紙部17のうち予め指示された位置から用紙を取り出して、転写装置37側に搬送し、レジストローラ98で待機させる。
【0066】
このとき、1次転写上ローラ47は、感光体ドラム30側に近接する圧接位置に位置させられており、用紙搬送系207は、感光体ドラム駆動部206に同期して通常の動作速度で各部を駆動している。
【0067】
ステップS13では、1次転写動作が終了したか否かを判別する。ここでは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナー画像の転写ベルト46上への転写が完了したときに、1次転写動作が終了したと判断して、ステップS14に移行する。
【0068】
ステップS14では、1次転写上ローラ47を離間位置に移動させて、転写ベルト46の表面を感光体ドラム30周面から離間させるとともに、用紙搬送系207の用紙搬送速度を通常動作時における搬送速度よりも遅い特殊紙搬送速度に設定する。この特殊紙搬送速度は、厚紙、OHPシート、表面コート紙などのマテリアル紙の表面に積層状態で転写されたカラートナー画像が定着装置100において十分に溶融定着される程度の速度に設定される。
【0069】
ステップS15では、レジストローラ98で待機させられている用紙を転写装置37に搬送し、この用紙に対する2次転写動作を開始する。ここでは、特殊紙搬送速度によって2次転写上ローラ45が駆動されており、この特殊紙搬送速度によって用紙を搬送するとともに、転写ベルト46上に形成されているカラートナー画像を用紙上に転写する。この後、表面にカラートナー画像が転写された用紙を定着装置100に搬送し、用紙表面のカラートナーを溶融定着して、排紙ローラ対103によって排紙トレイ104に排出する。
【0070】
ステップS16では、所定の画像形成動作が終了したか否かを判別する。ここでは、操作パネル202から指示された枚数の複写動作が完了したときに、所定の画像形成動作が終了したと判断して、メインルーチンに復帰する。
【0071】
このよにした場合、厚紙、OHPシート、表面コート紙などのマテリアル紙に対して画像形成を行う際には、転写ベルト46へのトナー画像の転写が終了した時点で、1次転写上ローラ47を離間位置に移動して転写ベルト46の表面を感光体ドラム30周面から離間させ、用紙搬送系207の搬送速度を通常の搬送速度よりも遅い特殊紙搬送速度で用紙の搬送を行っているため、用紙上に転写されたカラートナー画像を十分に溶融定着することができるとともに、感光体ドラム30の周面が転写ベルト46と摺擦して損傷することを防止できる。
【0072】
〔2次転写電圧制御〕
転写ベルト46表面のトナー画像を用紙上に転写する2次転写の際には、2次転写電圧制御部210による2次転写下ローラ67への印加電圧は、転写ベルト46上のトナーと逆極性の+1kV〜2.5kVに設定される。
【0073】
また、電源投入直後の初期設定時には、前述したように、2次転写下ローラ67にトナー剥離電圧を印加して転写ベルト46および2次転写下ローラ67を一定時間回転駆動し、2次転写下ローラ67に付着しているトナーを転写ベルト46に再転写し、転写ベルト46に設けられたクリーニング装置62に回収するローラ初期化作業を行う。この場合、クリーニングブレード75が2次転写下ローラ67に圧接状態で設けられており、2次転写電圧制御部210により2次転写下ローラ67に印加するトナー剥離電圧は、転写ベルト46表面のトナーと逆極性の+300〜400Vに設定される。
【0074】
用紙ジャムまたは装置カバーが開放された場合には、装置が停止状態となる。このときの動作を図11にフローチャートで示す。
【0075】
ステップS21では、用紙ジャムが発生したか否かを判別する。ここでは、給紙部17の縦搬送路81、バイパス搬送路82、給紙搬送路97、排紙搬送路99、定着装置100から排紙ローラ対103に到る経路などの各所に設けられた用紙検出センサの検出信号に基づいて用紙の搬送が正常であるか否かを判別する。たとえば、各用紙検出センサのいずれかが、所定時間経過しても用紙を検出しなかった場合、用紙ジャムが発生したと判別して、ステップS23に移行する。
【0076】
ステップS22では、装置カバーが開放されているか否かを判別する。たとえば、装置カバーが所定の位置に閉止状態となっている場合にオフし、装置カバーが開放状態である場合にオンするセンサを設け、このセンサの検出信号に基づいて、装置カバーが開放しているか否かを判別することが可能である。装置カバーが開放状態である場合には、ステップS23に移行する。
【0077】
ステップS23では、装置を停止状態にし、操作パネル202からの操作指示入力の受付を禁止するとともに、操作パネル202の液晶表示部などに用紙ジャムの発生個所、開放されている装置カバー位置などを現状に対応させて表示する。
【0078】
ステップS24では、復帰作業が完了したか否かを判別する。例えば、用紙ジャムが発生した場合には、ジャムが発生した個所から用紙が取り除かれてリセットスイッチが操作された場合に、復帰作業が完了したと判断する。また、装置カバーが開放された場合には、センサがオフして装置カバーが閉止状態となった場合に、復帰作業が完了したと判別する。ただし、用紙ジャムが発生した個所から用紙を取り除く場合には、装置カバーを開放して用紙除去作業を行う必要があり、用紙ジャムにより装置が停止状態となった場合には、装置カバーが閉止されることも復帰作業に含まれる。したがって、ここで装置カバーが開放される場合とは、トナー補給、その他のメンテナンスなどにより装置内部の作業を行う場合や誤って装置カバーが開放された場合などである。このステップS24において、復帰作業が完了したと判断するとステップS25に移行する。
【0079】
ステップS25では、電源投入直後と同様のローラ初期化作業を行う。ここでは、2次転写下ローラ67に転写ベルト46表面のトナーと逆極性の+300〜400Vのトナー剥離電圧を印加して、転写ベルト46および2次転写下ローラ67を一定時間(ここでは3秒間)回転駆動する。このことにより、2次転写下ローラ67に付着しているトナーを転写ベルト46に再転写し、転写ベルト46に設けられたクリーニング装置62に回収する。
【0080】
たとえば、転写ベルト46上にトナー画像の転写が完了して、2次転写を開始する際にレジストローラ98で用紙ジャムが発生した場合には、転写部位に用紙が搬送されてきていないにも関わらず、2次転写下ローラ67への電圧印加が開始されてしまい、転写ベルト46上のトナーが2次転写下ローラ67に転写されてしまうこととなる。レジストローラ98と転写部位(転写ベルト46と2次転写下ローラ67との近接位置)は距離が短いため、用紙ジャムの発生を検出したときには、すでに2次転写下ローラ67への電圧印加が開始されており、2次転写下ローラ67にトナーが転写されてしまう。ジャムを起こした用紙を除去して装置が停止状態から復帰した際に、このような2次転写下ローラ67に付着したトナーをそのままにしておくと、次の画像形成時に用紙の裏面側にこのトナーが付着して用紙が汚損することとなる。したがって、装置が停止状態から復帰したときに、2次転写下ローラ67に所定のトナー剥離電圧を印加して転写ベルト46側に再転写し、クリーニング装置62によって回収するようにしている。
【0081】
また、装置の停止がレジストローラ98における用紙ジャム以外の場合であっても、2次転写下ローラ67にトナーが付着している可能性があり、装置が停止状態から復帰したときに、常に上述したようなトナー剥離電圧を印加して所定時間だけ2次転写下ローラ67および転写ベルト46の回転駆動を行うように構成する。
【0082】
トナー剥離電圧は、2次転写下ローラ67の表面に圧接されるクリーニングブレード75がある場合とない場合とで異なってくる。上述した実施形態の場合、2次転写下ローラ67の表面には、クリーニングブレード75が圧接されているため、転写ベルト46表面のトナーと逆極性の電圧を印加することが好ましい。
【0083】
2次転写下ローラ67に強制的にトナーを付着し、2次転写下ローラ67に印加する電圧を−200V,−150V,−100V,−50V,0V,+50V,+100V,+200Vに設定し、それぞれ電圧印加時間を3秒としたときのクリーニング性能を表1 欄に示す。これから、印加電圧がトナーと同極性のマイナス電圧の場合、2次転写下ローラ67に付着したトナーの剥離効果は悪くなり、印加電圧がトナーと逆極性のプラス電圧の場合に、2次転写下ローラ67に付着したトナーの剥離効果は良好になることがわかった。
【0084】
また、2次転写下ローラ67周面に圧接するクリーニングブレード75がない場合には、トナーと同極性の電圧を印加することが好ましい。クリーニングブレード75がない場合に、2次転写下ローラ67に強制的にトナーを付着し、2次転写下ローラ67に印加する電圧を−500V,−400V,−300V,−200V,−150V,−100V,−50V,0V,+50V,+100Vに設定し、それぞれ電圧印加時間を3秒としたときのクリーニング性能を表1 欄に示す。これから、クリーニングブレード75がない場合には、印加電圧がトナーと同極性のマイナス電圧の場合、2次転写下ローラ67に付着したトナーの剥離効果が良好となり、印加電圧がトナーと逆極性のプラス電圧の場合に、2次転写下ローラ67に付着したトナーの剥離効果は悪化することがわかった。
【0085】
【表1】
以上のように、装置が停止状態から復帰した際に、2次転写下ローラ67にトナー剥離電圧を印加して付着したトナーを2次転写下ローラ67に再転写してクリーニングしており、用紙の裏面にトナーが付着して汚損することを防止できる。
【0086】
〔複数部数の複写制御〕
操作パネル202からの指示で複数部数の複写処理が選択された場合には、図12に示すフローチャートに基づいて動作を行う。
【0087】
ステップS31では、操作パネル202から指示された複写部数nを変数kに代入する。ステップS32では、原稿台15上に載置された原稿に光学系23により光を照射して、反射してくる光をカラー撮像素子29によって画像データ信号に変換し、原稿画像の読み取りを行う。ステップS33では、カラー撮像素子29によって変換された画像データ信号を、画像処理部204によって各色成分の画像に分解する。
【0088】
ステップS34では、原稿台15にセットされた原稿のサイズまたは操作パネル202から指示された用紙サイズがA4横以下であるか否かを判別する。複写を行う用紙がA4横を超えるサイズ、たとえばA3サイズである場合には、ステップS35に移行する。ステップS35では、原稿画像に基づくトナー画像を感光体ドラム30周面に形成し、これを転写ベルト46表面に転写して用紙上にさらに転写する通常の画像形成動作を行う。この場合、原稿画像の各色成分に基づくトナー画像は、転写ベルト46の検出孔120をフォトインタラプタ122によって検出した検出信号に基づいて、先端の位置決めがなされて、転写ベルト46の表面に積層される。上述したように、転写ベルト46の幅方向端縁部には、回転方向に等間隔で6個所検出孔120が設けられており、最初の検出信号に基づいて、感光体ドラム30からシアンによるトナー画像の転写ベルト46表面への転写を開始する。このあと、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントを開始し、6個目の検出信号に基づいて、マゼンタによるトナー画像の転写を開始する。同様にして、6個目の検出信号に基づいて、イエロー、ブラックのトナー画像の転写を行い、転写ベルト46上に各色成分のトナー画像が積層されたフルカラー画像が形成される。さらに、所定個数の検出信号に基づいて2次転写を開始する。このことにより、転写されるトナー画像の先端の位置決めを確実にし、また、転写開始時に6個の検出孔120のいずれか最も早く検出されるものによる検出信号に基づいて画像形成を開始できるため、画像形成開始時の待機時間が節減され、処理時間を短縮することが可能となる。
【0089】
1枚の用紙に対して複写動作が完了すれば、変数kの値をデクリメントし、変数kの値が0に到達するまで上記動作を繰り返す。
【0090】
ステップS34において、複写する用紙がA4横以下のサイズであると判断した場合には、ステップS36に移行する。ステップS36では、フォトインタラプタ122が所定の検出信号を出力したか否かを判別する。ここでは、フォトインタラプタ122が検出孔120を最初に検出したときの検出信号に基づいてステップS37に移行する。
【0091】
ステップS37では、第1画像の第1色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。ここで、第1色目の色成分はシアンである。また、このとき、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントを開始する。ステップS38では、フォトインタラプタ122の検出信号が所定数に到達したか否かを判別する。ここでは、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったとき、所定数に達したと判断してステップS39に移行する。このとき、転写ベルト46は第1画像の第1色目の色成分によるトナー画像の転写を開始してから1/2回転したこととなり、複写を行う用紙のサイズがA4横以下であるため、この第1画像のトナー画像の転写ベルト46への転写動作は完了している。
【0092】
ステップS39では、第2画像の第1色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。このとき、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントをリセットし新たにカウントを開始する。ステップS40では、フォトインタラプタ122の検出信号が所定数に到達したか否かを判別する。ここでは、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったとき、所定数に達したと判断してステップS41に移行する。このとき、転写ベルト46は第1画像の第1色目の色成分によるトナー画像の転写を開始してから1回転したこととなる。したがって、第1画像の第2色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。ここで、第2色目の色成分はマゼンタである。また、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数をリセットする。ステップS42では、フォトインタラプタ122の検出信号が所定数に到達したか否かを判別する。前述と同様にして、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったとき、所定数に達したと判断してステップS43に移行する。
【0093】
ステップS43では、第2画像の第2色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。このとき、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントをリセットし新たにカウントを開始する。ステップS44では、フォトインタラプタ122の検出信号カウント数が「3」になったか否かを判別する。フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったときステップS45に移行する。
【0094】
ステップS45では、第1画像の第3色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。ここで、第3色目の色成分はイエローである。また、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数をリセットする。ステップS46では、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」に到達したか否かを判別する。フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったとき、ステップS47に移行する。
【0095】
ステップS47では、第2画像の第3色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。このとき、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントをリセットし新たにカウントを開始する。ステップS48では、フォトインタラプタ122の検出信号カウント数が「3」になったか否かを判別する。フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったときステップS49に移行する。
【0096】
ステップS49では、第1画像の第4色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。ここで、第4色目の色成分はブラックである。また、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数をリセットする。ステップS50では、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」に到達したか否かを判別する。フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が「3」になったとき、ステップS51に移行する。
【0097】
ステップS51では、第2画像の第4色目の色成分によるトナー画像の転写ベルト46上への転写を開始する。このとき、フォトインタラプタ122が出力する検出信号のカウントをリセットし新たにカウントを開始する。ステップS52では、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が所定数に到達したか否かを判別する。ここでは、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数が所定数となったとき、第1画像の先端位置が2次転写位置近傍の所定位置に到達するように設定しておき、フォトインタラプタ122の検出信号のカウント数がこの所定数になったとき、このカウント数をリセットして新たに検出信号のカウントを開始するとともに、ステップS53に移行する。
【0098】
ステップS53では、すでにレジストローラ98で待機させられている用紙を転写装置37側に搬送し、2次転写下ローラ67に所定電圧を印加して、用紙に対する2次転写動作を開始する。このとき、同時に給紙部17から次の用紙を搬送し、レジストローラ98に待機させる。このことにより、転写ベルト46上に形成されている第1画像が、用紙に転写されることとなる。フォトインタラプタ122のカウント数が「3」になったとき、第1画像の2次転写動作はすでに完了し、第2画像の先端位置が2次転写位置近傍の所定位置に到達している。したがって、レジストローラ98で待機させられている用紙を転写装置37側に搬送し、2次転写下ローラ67に所定電圧を印加して、用紙に対する2次転写動作を開始する。2つの画像の2次転写動作が完了したとき、ステップS54に移行する。ステップS54では、複写残り部数を示す変数kから「2」を減算する。ステップS55では、変数kの値と「1」とを比較する。変数kの値が「1」よりも大きい場合には、ステップS36に移行して、同様の画像形成動作を繰り返す。変数kの値が「1」である場合には、ステップS35に移行する。これは、複写部数として奇数枚が選択された場合の最終部にあたるものであって、この場合には転写ベルト46上には1つの画像だけを形成すればよいため、ステップS35の通常の画像形成処理を行えばよい。また、変数kの値が1よりも小さいときには、指示された複写部数をすべて処理したと判断してステップS56に移行する。ステップS56では、終了処理を行う。
【0099】
以上のように構成した実施形態では、転写ベルト46の幅方向端縁部に設けられている検出孔120は、回転方向に等間隔に6個所設けられており、フォトインタラプタ122がいずれの検出孔120を検出したタイミングでも転写のタイミング信号を生成することができ、待機時間が短縮されて処理時間も短縮することが可能となる。
【0100】
〔ステアリン酸亜鉛塗布制御〕
また、操作パネル202から複写動作が指示されると、複数部数の複写指示の場合であってもこれを1つのオペレーションと見なして、指示された複写部数を連続して処理し、各オペレーションが終了する毎に、ステアリン酸亜鉛塗布装置59により転写ベルト46表面にステアリン酸亜鉛を塗布するように構成している。また、転写ベルト46表面へのトナー画像の転写回数を計数して、この転写回数が所定回数に到達した際にも、ステアリン酸亜鉛を転写ベルト46表面に塗布するように構成している。これを図13に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0101】
ステップS61では、複写動作の指示受付を行う。たとえば、操作パネル202から複写動作の指示があった場合、複写部数や両面複写の有無、モノカラー複写の指示かフルカラー複写の指示かなどを判断して、これらの指示に基づいて1オペレーションの画像形成動作を設定する。ステップS62では、ステップS62で設定された1オペレーションの画像形成動作に基づいて、転写ベルト46から用紙への2次転写動作を行う回数lを設定する。たとえば、1枚の原稿で10部の複写物を作製する場合には、2次転写動作を行う回数lは「10」に設定される。
【0102】
ステップS63では、感光体ドラム30にトナー画像を形成し転写ベルト46に転写する1次転写動作および転写ベルト46から用紙上にトナー画像を転写する2次転写動作を行う。
【0103】
ステップS64では、そのオペレーションにおける残り複写枚数を示す変数lから「1」を減算するとともに、前回転写ベルト46にステアリン酸亜鉛を塗布した後、感光体ドラム30から転写ベルト46にトナー像を転写した通算回数を示す転写回数mに所定数を加算する。この転写回数mに加算する所定数は、たとえば、モノカラー複写の場合「1」を加算し、フルカラー複写の場合「4」を加算する。また、両面複写の場合、ステアリン酸亜鉛の塗布頻度を上げるために、モノカラーの場合には「2」を加算し、フルカラーの場合には「8」を加算するように構成してもよい。
【0104】
ステップS65では、転写回数mが所定数Mを超えたか否かを判別する。所定数Mは、転写回数mがこの回数に到達した際にステアリン酸亜鉛を転写ベルト46に塗布するように設定されたしきい値であって、たとえば、200〜240程度に設定される。このことにより、モノカラーのみの複写動作の場合200〜240枚の用紙に複写を行った時点でこのしきい値に達したと見なし、フルカラーの複写動作のみの場合には50〜60枚の用紙に対する複写を行った時点でこのしきい値に達したと見なされる。また、両面複写の場合には、フルカラー複写の場合で25〜30枚の用紙に対して複写動作を行った時点でこのしきい値に達したと見なされる。
【0105】
ステップS65において、転写回数mがしきい値Mに到達したと判断した場合、ステップS66に移行する。ステップS66では、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60を転写ベルト46に当接させて転写ベルト46を回転駆動し、転写ベルト46の表面にステアリン酸亜鉛の塗布を行う。ステップS47では、ブラックのトナーを収納する現像装置36を感光体ドラム30の周面に当接させて現像ローラを駆動し、現像エイジングを実行する。
【0106】
ステップS66において転写ベルト46を回転駆動する際には、感光体ドラム30も同時に回転することとなる。このとき、感光体ドラム30の周面には、クリーニング装置38のファーブラシ142によりステアリン酸亜鉛が塗布される。しかしながら、感光体ドラム30周面には静電潜像が形成されておらず、いずれの現像装置も駆動しない場合には、感光体ドラム30の周面に塗布されるステアリン酸亜鉛が過剰となる。そこで、ブラックの現像装置36を駆動して、現像ローラに形成されるトナーの磁気ブラシを感光体ドラム30周面に当接させることによって、感光体ドラム30周面の余分なステアリン酸亜鉛を除去することができる。ステップS68では、所定時間が経過した否かを判別する。ここで、所定時間は約20秒に設定することができる。ステップS68において20秒が経過した際には、ステアリン酸亜鉛の亜鉛の塗布および現像エイジングを停止してステップS69に移行する。このことにより、転写ベルト46表面に対してステアリン酸亜鉛を充分に塗布することができ、形成される画像に中抜けが生じることを防止できる。ステップS69では、通算転写回数を示す変数mをリセットして、ステップS70に移行する。
【0107】
ステップS70では、そのオペレーションにおける残り複写枚数lが「0」よりも大きいか否かを判別する。残り複写枚数lが「0」よりも大きい場合には、ステップS63に移行し、次の複写動作を実行する。ステップS70において、残り複写枚数lが「0」に到達した場合には、ステップS71に移行する。ステップS71では、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60を転写ベルト46に当接させて転写ベルト46を回転駆動し、転写ベルト46の表面にステアリン酸亜鉛の塗布を行う。この場合、用紙が2次転写位置を通過してから転写ベルト46が1回転する間、ステアリン酸亜鉛の塗布を行うものとする。たとえば、転写ベルト46が1回転するのに約6秒かかるとすると、これに応じてステアリン酸亜鉛塗布ブラシ60を転写ブラシ46に当接させて転写ベルト46を約6秒間回転駆動するように構成できる。この場合、同時に現像装置36を感光体ドラム30の周面に当接させて現像ローラを駆動し、現像エイジングを行ってもよい。
【0108】
このようにして、転写ベルト46上には、1オペレーション毎にステアリン酸亜鉛が塗布されることとなり、用紙に転写されるトナー画像に中抜けなどの障害が発生することを防止できる。また、用紙へのトナー画像の転写が終了した直後に、転写ベルト46を約1回転させることによってステアリン酸亜鉛を塗布しているため、処理時間が短く、ユーザを待たせることがない。
【0109】
また、1オペレーションでの複写枚数が多い場合にも、転写ベルト46へのトナー画像の転写回数が所定値に到達したときに、転写ベルト46表面へのステアリン酸亜鉛の塗布を行っているため、転写ベルト46表面のステアリン酸亜鉛が不足することがなく、中抜けなどの障害が防止できる。
【0110】
転写ベルト46上にステアリン酸亜鉛の塗布を行う際には、感光体ドラム30も同時に回転するため、感光体ドラム30周面にはファーブラシ142によってステアリン酸亜鉛が塗布されることとなるが、現像装置36を駆動して現像エイジングを行っているため、感光体ドラム30周面の余分なステアリン酸亜鉛は現像装置36によって除去されることとなる。したがって、感光体ドラム30周面に塗布されるステアリン酸亜鉛は適切な量に保たれる。
【0111】
〔他の実施形態〕
(A)転写ベルト46の幅方向端縁部であって、回転方向に等間隔で6個所にアルミ箔などの反射部材を設け、反射部材に光を照射するLEDなどの発光部と反射部材から反射される光を受光するフォトトランジスタなどの受光部とを配置して、フォトトランジスタの出力信号に基づいて、転写のタイミング信号とすることも可能である。
【0112】
(B)上述の実施形態では、6個の検出孔120を設けたが、この数に限定されるものではなく、4個または6個以上の偶数個設けることも可能である。
【0113】
(C)上述の実施形態では、フォトインタラプタ122の検出信号に基づいて、2次転写のタイミング信号を生成するように構成しているが、このフォトインタラプタ122の検出信号とタイマを利用して、2次転写のタイミングを信号を生成することも可能であり、また、2次転写のタイミング信号を生成するためのフォトインタラプタを別途設けることも可能である。
【0114】
(D)自動原稿給紙装置(ADF)を備え、ADFに挿入される複数の原稿に基づいて複写動作を行う際に、転写ベルト46上に2つのトナー画像を形成することが可能なサイズの用紙に対して画像形成を行う場合には、2枚の原稿画像を読み取って転写ベルト46上に2つのトナー画像を並列に形成し、これを2枚の用紙に連続して2次転写するように構成できる。この場合、上述の実施形態の場合と同様にして、フォトインタラプタ122の検出信号に基づいて転写タイミング信号を生成し、転写ベルト46上に2つの原稿に基づくトナー画像を形成する。各色成分に基づくトナー画像が積層状態で形成されたあと、2枚の用紙に連続的に2次転写する。原稿の枚数が奇数の場合には、最終原稿のみ通常の転写処理を行うこととする。
【0115】
このように構成することによって、ADFを利用した複写処理を高速に行うことができる。
【0116】
(E)上述した実施形態では、各ローラの中間支持面と端縁支持面との間に周速差が生じている。これに対して転写ベルト46の中間内周面112と蛇行防止用突条113の端縁内周面114は直線部分では同一速度で移動している。したがって、転写ベルト46の中間内周面112と蛇行防止用突条113の端縁内周面114が、ローラの中間支持面と端縁支持面に当接している個所では、すべりが生じて部品の摩耗などが問題となる。
【0117】
このような問題点を解決するために、各ローラを図14のような構成とする実施形態を示す。ここでも、1次転写上ローラ47を1例として示す。
【0118】
1次転写上ローラ47は、転写ベルト46の中間内周面112を支持するローラ本体131を有している。このローラ本体131は、転写ベルト46の中間内周面112とほぼ同一の幅を有し、その外周面が転写ベルト46の中間内周面112に当接して支持する中間支持面132を構成している。
【0119】
また、ローラ本体131の両端には、ローラ本体131の回転軸(図示せず)に回転自在に支持される支持コロ133が設けらている。支持コロ133は、ローラ本体131の径よりも蛇行防止用突条113の高さ分だけ小さい径に設定されており、その外周面は、転写ベルト46の蛇行防止用突条113の幅とほぼ同一の幅で構成され、蛇行防止用突条113の端部内周面114を支持する端部支持面134を構成している。この支持コロ133は、ローラ本体131と独立して回動可能に支持されている。
【0120】
このことにより、転写ベルト46の中間内周面112がローラ本体131の中間支持面132に当接し、蛇行防止用突条113の端部内周面114が支持コロ133の端部支持面134に当接することによって、転写ベルト46は1次転写ローラ47の外周面に支持されている。
【0121】
1次転写下ローラ48、クリーニングローラ63、2次転写上ローラ45、テンションローラ49、駆動ローラ44の各ローラは、上述した1次転写上ローラ47と同様に、ローラ本体と支持コロとを有する構成となっている。このことにより、転写ベルト46は、幅方向中間部と幅方向端縁部とにおいてそれぞれローラ本体および支持コロの外周面に当接して均一に支持されることとなり、その外周面に凹凸を生じることがなくなる。支持コロ133は、ローラ本体131の回転と関係なく独立して回動可能となっているため、ローラ本体131と支持コロ133の径が異なっていても周速差を生じることがない。したがって、転写ベルト46の内周面と各ローラとの間に滑りが生じることがなく、摩耗により各部品の寿命が短くなることを防止できる。
【0122】
(F)周面に繊維が植設されたファーブラシをクリーニング装置62に設け、転写ベルト46表面にステアリン酸亜鉛を塗布するように構成することもできる。この場合には、クリーニング装置62のクリーニングローラ65が転写ベルト46に当接するとき、同時にこのファーブラシが転写ベルト46表面に当接して、ステアリン酸亜鉛を塗布することとなる。したがって、転写ベルト46のうち2次転写位置を通過して用紙へのトナー画像の転写が終了した部分に対して、クリーニングローラ65によるクリーニングを行うとともに、ファーブラシによるステアリン酸亜鉛の塗布を自動的に行うことができる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、1オペレーション毎に転写ベルト及び感光体ドラムの表面にトナー剥離剤を塗布しているため、中抜けなどの障害の発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を採用した複写機の縦断面概略図。
【図2】その要部拡大図。
【図3】要部説明用斜視図。
【図4】その一部縦断面図。
【図5】転写ベルトとローラの関係を示す斜視図。
【図6】その縦断面図。
【図7】転写ベルトの端縁部を示す縦断面図。
【図8】制御ブロック図。
【図9】1実施形態の制御フローチャート。
【図10】1実施形態の制御フローチャート。
【図11】1実施形態の制御フローチャート。
【図12】1実施形態の制御フローチャート。
【図13】1実施形態の制御フローチャート。
【図14】他の実施形態の転写ベルトとローラの関係を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 複写機
10 本体
15 原稿台
16 画像形成部
17 給紙部
22 バイパストレイ
23 光学系
30 感光体ドラム
33 現像装置
34 現像装置
35 現像装置
36 現像装置
37 転写装置
38 クリーニング装置
39 露光装置
43 2次転写上ローラ
46 転写ベルト
47 1次転写上ローラ
48 1次転写下ローラ
59 ステアリン酸亜鉛塗布装置
60 ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ
61 ステアリン酸亜鉛収納部
67 2次転写下ローラ
111 外周面
112 中間内周面
113 蛇行防止用突条
114 端部内周面
115 中間支持部
116 端縁支持部
117 中間支持面
118 端部支持面
120 検出孔
122 フォトインタラプタ
123 発光部
124 受光部
131 ローラ本体
132 中間支持面
133 支持コロ
134 端部支持面
142 ファーブラシ
143 クリーニングブレード
144 ステアリン酸亜鉛収納部

Claims (1)

  1. 表面にトナー画像が形成される感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムにトナー画像を形成するための現像装置と、
    前記感光体ドラムに形成されたトナー画像が転写される転写ベルトと、
    前記転写ベルト表面のトナー画像を用紙上に転写する転写手段と、
    前記転写手段による転写時に、前記転写ベルトからのトナー剥離を促進するトナー剥離剤を前記転写ベルト及び感光体ドラムの表面に塗布する剥離剤塗布手段と、
    連続して複数回の画像形成を行う旨を含む1オペレーション毎の指示信号を発生する指示手段と、
    前記指示信号に基づいて前記転写手段による所定の転写動作が完了した後に、前記剥離剤塗布手段による前記転写ベルト及び感光体ドラムの表面へのトナー剥離剤の塗布を実行させる逐次塗布工程を行う剥離剤塗布制御手段と、
    前記感光体ドラム表面にトナー画像が形成されていない状態で前記剥離剤塗布制御手段による塗布工程が行われた場合には、前記感光体ドラム表面に塗布された余分なトナー剥離剤を前記現像装置を駆動して除去する、
    画像形成装置。
JP13405598A 1998-05-15 1998-05-15 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3599309B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13405598A JP3599309B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13405598A JP3599309B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11327318A JPH11327318A (ja) 1999-11-26
JP3599309B2 true JP3599309B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=15119318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13405598A Expired - Fee Related JP3599309B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3599309B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6785486B2 (en) 2002-11-07 2004-08-31 Kabushiki Kaisha Toshiba Image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11327318A (ja) 1999-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1503256A1 (en) Method and apparatus for printing an appropriate image even on a special recording medium
JP2002244359A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP3347922B2 (ja) 複写機
US5983050A (en) Image forming apparatus with variable capacity cleaning means
JP5417089B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3599309B2 (ja) 画像形成装置
JP3352290B2 (ja) 複写機
JP2004236252A (ja) クリーニング装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2012030961A (ja) 画像形成装置及び給送機構
JP3522534B2 (ja) 画像形成装置の中間転写装置
JP4031923B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP3455672B2 (ja) 画像形成装置
JP3599087B2 (ja) 画像形成装置の定着装置の制御方法
JPH11327319A (ja) 画像形成装置の転写装置およびそれに用いられる転写ベルト
JPH11327321A (ja) 画像形成装置
JP3252630B2 (ja) 画像形成装置
JP2008233798A (ja) 画像形成装置
JPH11327329A (ja) 画像形成装置
JP3924886B2 (ja) 複写装置
JP2790563B2 (ja) 電子写真装置
JPH11311886A (ja) 画像形成装置
JPH11327314A (ja) 画像形成装置の搬送装置
JPH0887141A (ja) 画像形成装置
JP3625300B2 (ja) 画像形成装置
JP2788378B2 (ja) 電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040109

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040408

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040811

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees