JP3599207B2 - データ記録方法及び装置、データ再生方法及び装置、記録媒体、データ伝送方法及び装置 - Google Patents

データ記録方法及び装置、データ再生方法及び装置、記録媒体、データ伝送方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)記録装置
(1−1)構成(図1)
(1−2)バツフア選択処理(図2及び図3)
(1−3)動作(図4及び図5)
(2)再生装置
(2−1)構成(図6)
(2−2)動作(図7)
(3)実施例の効果
(4)他の実施例
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化及び多重化して記録し又は再生するデータ記録装置、データ再生装置等に関する。また本発明は動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化及び多重化して遠隔地に伝送するデータ伝送装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
一般にデイジタル動画像信号を記録再生するシステムや遠隔地に伝送するシステムにおいては、記録媒体の容量や伝送路を効率良く利用するため、画像信号を圧縮符号化する方法が採用されている。この際、フレーム内相関を利用したり、フレーム間相関を利用して動画像信号を圧縮符号化するのが一般的である。因にこれら圧縮符号化フオーマツトにはMPEG1、MPEG2、あるいはH.261等がある。
【0004】
これらの圧縮符号化フオーマツトに基づいて動作する圧縮符号化装置においては、ある時間内に発生する圧縮動画像データのデータ量が一定となるように符号化を制御している。しかし圧縮符号化装置においては、ある時間単位で発生するデータ量が一定量に近づくようにしてはいるが、通常発生されるデータ量は実際には一定にはならない。またフレーム単位のデータ発生量も通常は各々異なつた値となる。このように単位時間当たりの符号化データ発生量が変化する場合、そのデータを記録媒体に直接記録したり、あるいは直接伝送することはきわめて困難となる。なぜなら通常、記録媒体への記録レート、あるいはデータの伝送レートは一定だからである。
【0005】
そこで一般には、図8に示すように、動画像圧縮符号化処理部2と記録再生部3との間(又は動画像符号化処理部2と伝送部(図示せず)との間)にバツフアメモリ4を配置し、このバツフアメモリ4が破綻しないように符号化データD1の発生量を調整する。そして記録再生装置1は動画像圧縮符号化処理部2から出力される可変量の符号化データD1をバツフアメモリ4から一定レートで取り出し、記録再生部3(伝送装置においては伝送路)に出力している。
【0006】
従つて動画像圧縮符号化処理部2において単位時間当りに発生される平均データ量は、バツフアメモリ4から出力される一定レートと等しくなる。一般にこれらの動作を行う装置はバツフアメモリ4を含めてエンコーダ5と呼ばれている。このように従来のエンコーダ5ではバツフアメモリ4を設けることによつて発生情報量が一定レートとなるようになされている。
【0007】
一方、圧縮符号化されたデータを元の動画像信号に復号する装置側では、記録再生部3と伸長復号化処理部6との間(又は伝送路の出力端と伸長復号化処理部6との間)に、上述と同様のバツフアメモリ7が置かれるようになされている。一般にこれらの動作を行う装置はバツフアメモリ7を含めてデコーダ8と呼ばれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のエンコーダにおいては、上述したように発生情報量は一定レートとなるようになされているものの、ある一定時間分の動画像信号を符号化することにより発生する総データ量は画像に応じて目標としている値からは離れたものとなる。
【0009】
ここで例えば時間長Tの動画像信号を圧縮符号化して得た動画像符号化データを書込みレートRで記録媒体に記録し、その後、読出しレートRでこの記録データを読み出して復号することにより動画像信号を再生する場合について考える。この場合、目標となる符号化データ発生量Eiは
【数3】
Figure 0003599207
となる。ところが実際のデータ発生量Erは
【数4】
Figure 0003599207
となり、一定値R×Tにはならない。なお(4)式においてBはエンコーダ内に設けられているバツフアメモリの容量を表わす。
【0010】
この理由を説明する。すなわち一般的なエンコーダによつて動画像信号をエンコードした場合、発生するデータ量の推移をバツフアメモリの状態で示すと図9のようになる。縦軸が発生したデータ量、横軸が経過時間を表し、直線EBeがレートRで出力したデータ量、直線EBeと折れ線EBfの間がバツフア容量Bとなる。また曲線Deは実際のデータ発生量の推移を示し、この曲線Deと折れ線EBfの縦軸方向の距離がバツフアメモリの空き容量EBrを示す。
【0011】
エンコードされたデータは1フレームごとにバツフアメモリに書き込まれ、書き込み開始から期間Te(以下、この期間Teをスタートアツプデイレイと呼ぶ)経過後にバツフアメモリから一定レートRで読み出される。目標となる符号化データ発生量はR×Tで、これは図中の点P1で示されるが、通常は時間Tまでエンコードし終わつた時点で発生するトータルのデータ量は、例えば点P2のようになり、この時までのデータ発生量Ejは、
【数5】
Figure 0003599207
となることが分かる。ここでBOTは時間Tにおけるバツフアメモリ内のデータ残量である。
【0012】
通常このデータ発生量Ejは一定にはならず、エンコード時のスタートアツプデイレイTeやデータ残量BOTによつて変化する。ここでTe、BOTはそれぞれ、
【数6】
Figure 0003599207
となる。これらの値を考慮すると、データ発生量Ejの最小値Ejmin はTe=B/RかつBOT=0のとき、次式
【数7】
Figure 0003599207
となり、データ発生量Ejの最大値Ejmax はTe=0のとき、次式
【数8】
Figure 0003599207
となることが分かる。従つて実際のデータ発生量Erの変動量は(4)式の通りとなる。
【0013】
従つてこのデータをレートRで記録媒体に記録する場合、記録に要する時間Hwは、次式
【数9】
Figure 0003599207
となる。またこのようにして記録媒体に記録されたデータをレートRで読み出す場合の読み出し時間Hrは、次式
【数10】
Figure 0003599207
となる。読み出されたデータはデコーダによつて元の動画像信号へ復号されるが、復号後の動画像信号の再生時間は符号化前の動画像信号の長さと同じく時間Tとなる。このことから画像の再生時間Tと、それに必要なデータの読み出し時間Hrは異なることが分かる。
【0014】
次に、動画像符号化データと、動画像の原信号に付随するオーデイオ信号を符号化したオーデイオ符号化データとを時分割多重処理することにより単一の多重化ストリームとし、この多重化ストリームを記録媒体に記録し、読み出す場合を考える。通常、オーデイオ信号の符号化の際には固定長符号化の手法がとられるため、符号化レートをrとすると、オーデイオ符号化データのデータ発生量Arは、次式
【数11】
Figure 0003599207
となる。
【0015】
また動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号の符号化処理に要する時間については、単位時間あたりの符号化処理に必要な時間がアルゴリズムやハードウエアによつて異なるため、同時刻に入力された原信号がそれぞれ符号化されて符号器から出力されるまでの遅延時間(デイレイ)は異なる。通常は、オーデイオ信号の符号化処理に要する時間の方が短いため、多重化すべきオーデイオ符号化データが多重化処理部へ到着した時点で時分割多重処理を開始し記録媒体に記録する場合、動画像符号化データが多重化処理部に到着するまでの時間が遅れる分、動画像符号化データを単独で記録媒体に記録するのに要する時間よりも多くの時間を必要とする。
【0016】
このデイレイの差は書き込みレートに関係なく生じる。従つて多重化ストリームを記録媒体に記録したレートで記録媒体から記録されたデータストリームを読み出すのに必要な時間も、単独に記録された動画像符号化データを読み出した場合に比べてより多くの時間を必要とする。
【0017】
ところで例えばAVサーバのように、ある一定時間分の動画像信号とそれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ圧縮符号化し、それらを時分割多重化した多重化データ(以下これをクリツプと呼ぶ)を任意の個数だけ記録媒体に書き込み、その記録媒体から任意の個数のクリツプを連続再生する場合、以下のような問題が生じる。
【0018】
すなわち図10に示すように、動画像信号SVとこれに付随するオーデイオ信号SAをそれぞれ符号化することにより動画像符号化データSVC及びオーデイオ符号化データSACを形成し、これらをそれぞれパケツト化することにより動画像パケツトデータV0、V1、……、Vn及びオーデイオパケツトデータA0、A1、……、Amを形成すると、動画像符号化デイレイDL1の方がオーデイオ符号化デイレイDL2よりも大きいので、動画像パケツトデータV0〜Vnに対してオーデイオパケツトデータA0〜Amの方が時間的に早く生成される。
【0019】
このように生成された動画像パケツトデータV0〜VnとオーデイオパケツトデータA0〜Amを、パケツトデータV0〜Vn、A0〜Amが生成された順に、かつどちらのパケツトデータも未だ生成されていない場合にはパデイングパケツトデータPを挿入しながら時分割多重化すると、時間長T1の多重化データSMUXが形成される。この多重化データSMUX(すなわちクリツプ)の時間長T1は、動画像信号SVの画像の内容や符号化デイレイの差によつて変動してしまう。
【0020】
このため、複数個の多重化データSMUXが記録された記録媒体から任意の個数のクリツプを連続して読み出し、これを復号することにより元の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号を連続再生する場合、復号に必要なデータを記録媒体から読み出す時間が各々のクリツプにおいて異なつてしまうため、データの読み出し時間が復号時間よりも長くかかる場合には、再生信号が途切れたものとなる問題があつた。
【0021】
例えば放送局等で用いられるCM(コマーシヤル)を送出するシステム等では、記録媒体に記録された複数のクリツプを様々な組合せで連続再生して送出するようになされており、このような場合に各クリツプ間で読出し時間が異なると再生したCMのスポツトが一部欠けるたものとなつてしまう。このようにCMのスポツトが一部欠落することは放送契約等の問題もからんで大きな問題となる。
【0022】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ある一定時間分の動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ符号化及び多重化したものを記録又は伝送する場合に、当該多重化データを途切れなく連続再生し得るデータ記録方法及び装置、データ再生方法及び装置、記録媒体、データ伝送方法及び装置を提案しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、動画像パケツトデータと所定時間だけ遅延したオーデイオパケツトデータを一旦バツフアメモリに格納し、格納を開始してから所定時間経過後に、バツフアメモリ内の動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量を見ながら動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すようにして動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するようにする。
【0024】
これにより、時間長Tの原動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号は、各々の符号化データ発生量や符号化デイレイの差に拘わらず、常に一定サイズの多重化データとされる。この結果記録又は伝送された当該多重化データを、記録時又は伝送時と同じレートで読出し又は受信すれば、各クリツプの読出し及び受信にかかる時間を等しくできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0026】
(1)記録装置
(1−1)構成
図1において、10は全体として本発明によるデータ記録方法を適用した記録装置の構成を示す。記録装置10は大きく分けて、エンコーダ11と多重化処理部12と記録再生部13とから構成されている。エンコーダ11は動画像信号SV及びこれに付随するオーデイオ信号SAをそれぞれ画像圧縮符号化処理部14及びオーデイオ符号化処理部16に入力する。
【0027】
画像圧縮符号化処理部14はエンコードバツフア15の残量に応じて選定された圧縮率で動画像信号SVを圧縮符号化する。エンコードバツフア15に格納された圧縮符号化データは一定のレートR1で読み出されて出力される。このようにして目標レートR1(因に、当該目標レートR1が画像圧縮符号化処理部14及びエンコードバツフア15全体でみたときの符号化レートとなる)の動画像符号化データSVCが形成される。オーデイオ符号化処理部16はオーデイオ信号SAに対して固定長符号化処理を施すことにより、符号化レートR2のオーデイオ符号化データSACを形成する。
【0028】
パケツト処理部17は動画像符号化データSVCを一定のデータ長毎に区切ると共にそのデータが動画像データであることやその他の付加情報を表わすヘツダ情報をそれらの先頭に付加することにより、動画像パケツトデータSVPを形成する。
【0029】
オーデイオ符号化データSACは動画像符号化デイレイとオーデイオ符号化デイレイの差を低減するために設けられた遅延処理部18によつて所定時間TDLだけ遅延され、当該遅延オーデイオ符号化データSACDLがパケツト処理部19に供給される。パケツト処理部19は遅延オーデイオ符号化データSACDLを一定のデータ長毎に区切ると共にそのデータがオーデイオデータであることを表わすヘツダ情報をそれらの先頭に付加することにより、オーデイオパケツトデータSAPを形成する。
【0030】
動画像パケツトデータSVP及びオーデイオパケツトデータSAPはそれぞれ多重化バツフア20及び21に送出される。多重化バツフア20の出力はセレクタ22の端子aに与えられると共に多重化バツフア21の出力はセレクタ22の端子bに与えられる。この結果多重化バツフア20及び21には対応する端子a又はbが選択されるまでの期間、動画像パケツトデータSVP及びオーデイオパケツトデータSAPが格納蓄積される。
【0031】
また各多重化バツフア20及び21からは格納時のデータレートよりも速いデータレートR′でデータが読み出されるようになされている。具体的には、各多重化バツフア20及び21への動画像パケツトデータSVP及びオーデイオパケツトデータSAPのそれぞれの書込みレートをR1及びR2とすると、各多重化バツフア20及び21のそれぞれの読出しレートR′はR′>R1+R2となるように選定されている。またセレクタ22の端子cにはパデイングパケツト発生部23によつて発生されたパデイングパケツトデータPADが与えられる。このパデイングパケツトデータPADのレートもR′となるように選定されている。
【0032】
セレクタ22の切り換えはCPU(中央処理ユニツト)24からのセレクタコントロール信号CNT1に基づいて行われる。このセレクタコントロール信号CNT1は、各多重化バツフア20及び21からCPU24に入力される、バツフア内のパケツト残量を表わすバツフア情報信号S1及びS2に基づいて生成される。このようにして多重化バツフア20、21内のパケツト残量に基づいて多重化が制御される。この結果得られた多重化データSMUX′はバイトカウンタ25を介して記録再生部13に供給され、ハードデイスク等の記録媒体に記録される。
【0033】
またCPU24はこの多重化処理を各多重化バツフア20及び21に所定量のパケツトデータSVP、SAPが蓄積されてから開始させる。このためCPU24は多重化バツフア20、21にパケツトデータSVP、SAPの格納が開始されてから時間Twが経過するまではセレクタ22の端子として端子dを選択しておき、時間Tw(以下、この時間Twを蓄積時間Twと呼ぶ)だけ経過後に上述したように多重化バツフア20、21内のパケツト残量に基づく多重化を開始させる。
【0034】
この蓄積時間Twの選定の仕方について説明する。ここで蓄積時間Twを全くなくして多重化を開始したり、小さくしすぎた場合には原信号SV、SAの入力時間Tに相当する時間分の多重化処理を行つた後も、動画像パケツトデータSVPが発生していることになり、多重化データSMUX′を規定のトータルバイト数に押さえ込むことができなくなる。また遅延処理部18による遅延処理時間TDLを長くしすぎた場合も同様に、オーデイオパケツトデータSAPの発生が規定時間内に収まらなくなり、多重化データSMUX′を規定のトータルバイト数に押さえ込むことができなくなる。
【0035】
これらを考慮して、蓄積時間Tw及び遅延時間TDLは、例えば以下に示すように選定されている。すなわち時間Tの長さの動画像信号SVの符号化によつて発生する動画像符号化データSVCのデータ量の最大値は、次式
【数12】
Figure 0003599207
となる。これが、レートR2のオーデイオ符号化データSACと多重化されレートR′の多重化データSMUX′とされるため、動画像多重に割り当てられる実効レートは、次式
【数13】
Figure 0003599207
となる。
【0036】
従つて多重化に必要な時間の最大は、次式
【数14】
Figure 0003599207
となる。実効レートを上げ、多重化に必要な時間を短縮するためには、あらかじめ多重化バツフア20、21に発生データを一定量蓄積したのちに多重化を開始しなくてはならない。多重化時間をTにするためには、蓄積時間Twは、次式
【数15】
Figure 0003599207
で、かつ次式
【数16】
Figure 0003599207
を満たさなければならない。これらの条件より、次式
【数17】
Figure 0003599207
において、次式
【数18】
Figure 0003599207
が成立することが分かる。すなわち蓄積時間Twは(18)式のように選定すれば良い。
【0037】
一例として、動画像の符号化レートR1が4〔Mbps 〕、オーデイオの符号化レートR2が384 〔Kbps 〕、多重化データのデータレートR′が5〔Mbps 〕、エンコードバツフア15の容量Bが4〔Mbit 〕の場合を考えると、(17)式及び(18)式より、クリツプの時間長TをT>6.49〔sec 〕とし、かつ蓄積時間Twを1〔sec 〕とすれば良い。
【0038】
またこのときの多重化バツフア20、21でのデータ蓄積量は、遅延処理部18によつて符号化デイレイの差を全くなくした場合には、多重化バツフア20で4〔Mbit 〕、多重化バツフア21で 384〔Kbps 〕となるので、この値以上の容量の多重化バツフア20、21を持つ必要がある。
【0039】
また動画像とオーデイオの符号化デイレイの差が 1.5〔sec 〕あるとすると、オーデイオの遅延処理をしなかつた場合、オーデイオの多重化バツフア21は、 384〔kbit〕×(1+1.5 )= 576〔kbit〕の容量が必要となる。しかし実際上、再生装置側の多重分離化処理においては、多重化処理の際に使用した多重化バツフア20、21と同容量以上のバツフアメモリが必要となるため、多重化の前処理として、1.5 〔sec 〕以上の遅延処理を行うのが望ましい。
【0040】
ただし、遅延時間TDLが、1.5 〔sec 〕+Tw=2.5 〔sec 〕を越えた場合には、オーデイオパケツトの発生が規定時間内に収まらなくなり、規定の多重化データSMUX′をトータルバイト数に押さえ込むことができなくなるため、これを考慮した遅延時間TDLを選定しなければならない。
【0041】
因に、オーデイオ符号化データSACに対して遅延処理を行わなかつた場合には、多重化バツフア21として、多重化バツフア20への蓄積時間Twに加え、符号化デイレイの差に相当する時間分のバツフア量が必要となり、多重化バツフア21がオーバーフローする可能性がある。従つて実施例の記録装置10においては、オーデイオ符号化データSACを遅延処理したことにより多重化バツフア21のオーバーフローを防止できる。
【0042】
次に図1に戻つて記録装置10について説明する。バイトカウンタ25は通過する多重化データSMUX′のバイト数をカウントし、これを表わすカウント信号S3をCPU24に送出する。CPU24はカウント信号S3に基づいて多重化データSMUX′のサイズを計算し、当該サイズが1クリツプ分の値に満たない場合には、セレクタ22を端子cに切換え制御することによりパデイングパケツトデータPADを挿入する。
【0043】
すなわち時間長Tの原信号の符号化によつて発生した全てのデータの多重化が終了した時点で、それまでバイトカウンタ25によつてカウントしたバイト数がCPU24へ伝えられ、パデイングパケツト発生部23から、次式
【数19】
Figure 0003599207
に相当するバイト数のパデイングパケツトPADを多重化データに付加させて多重化処理を終了する。従つて1クリツプの多重化データSMUX′当りの総バイト数は常に、次式
【数20】
Figure 0003599207
となる。
【0044】
ここでパデイングパケツトデータPADを挿入するのは、上述したように1クリツプ分のサイズ合せを行う場合か、または多重化バツフア20、21内のパケツトデータSVP、SAPが存在しない場合のいずれかの場合である。すなわち多重化処理部12においては、多重化バツフア20、21への入力レートの合計R1+R2よりも出力レートR′の方を大きくしているため、時間の経過と共にいずれの多重化バツフア20、21にも送り出すべきパケツトデータが存在しない場合が生じる。そこでこのような場合は、CPU24からの選択によつて、パデイングパケツト発生部23からパデイングパケツトデータPADを挿入することにより多重化データSMUX′を形成する。なおこのパデイングパケツトは、後述する再生装置の多重化分離処理によつて破棄する。
【0045】
(1−2)バツフア選択処理
次にCPU24による多重化制御の一例を、図2及び図3に従つて説明する。図2及び図3では、多重化バツフア20(以下、この説明では多重化バツフア20をビデオバツフア(V Buffer )と呼ぶ)、オーデイオバツフア21(以下、この説明では多重化バツフア21をオーデイオバツフア(A Buffer )と呼ぶ)のバツフア残量(BOB)を、半分(HOB)、1/4(QOB)の2段階のバツフア残量と、残パケツト数とを基準にして比較し、当該比較結果に応じていずれかのバツフアを選択する。すなわち、いずれかのバツフアに対応したセレクタ端子a又はbを選択して多重化データSMUX′を形成する。
【0046】
CPU24は各多重化バツフア20、21にパケツトデータSVP、SAPが入力され始めてから蓄積時間Twだけ経過後に、ステツプSP0からバツフア選択処理手順に入る。CPU24はステツプSP1においてバツフア情報信号S1、S2に基づいて、ビデオバツフアの残量が半分より多く、かつビデオパケツトがあると判断するとステツプSP2に移つてビデオバツフアを選択する。次にCPU24はステツプSP3においてオーデイオバツフアの残量が半分よりも多く、かつ残りのオーデイオパケツトがあると判断するとステツプSP4に移つてオーデイオバツフアを選択し、当該ステツプSP4での処理後に再びステツプSP1に戻る。
【0047】
一方CPU24はステツプSP1において、ビデオバツフアの残量が半分以下又はビデオパケツトが無いと判断すると、ステツプSP5に移る。CPU24はステツプSP5においてオーデイオバツフアの残量が半分より多く、かつオーデイオパケツトがあると判断すると、ステツプSP4に移つてオーデイオバツフアを選択する。
【0048】
このようにCPU24は、ステツプSP1〜ステツプSP5において、ビデオバツフア及びオーデイオバツフアの半分の残量を閾値として、ビデオバツフアの残量及びオーデイオバツフアの残量が共に半分より多いときには、ステツプSP1−SP2−SP3−SP4−SP1のループを繰り返してビデオバツフアとオーデイオバツフアを交互に選択して多重化データSMUX′を形成する。これに対してビデオバツフアの残量だけが半分よりも多いときには、ステツプSP1−SP2−SP3−SP4のループを繰り返すことによりビデオバツフアのみを繰り返し選択して多重化データSMUX′を形成する。またビデオバツフアの残量が半分以下でかつオーデイオバツフアの残量が半分よりも多いときには、ステツプSP1−SP5−SP4−SP1のループを繰り返すことによりオーデイオバツフアのみを選択しながら多重化データSMUX′を形成する。
【0049】
CPU24はステツプSP1及びステツプSP2において共に否定結果を得ると、このことはビデオバツフア及びオーデイオバツフアの残量が共に半分以下のことを表わすことにより、ステツプSP6に移り、以下各バツフア容量の1/4を閾値とした選択を行う。すなわちCPU24はステツプSP6においてビデオバツフアの残量が1/4よりも多くかつビデオパケツトがあるか否か判断し、肯定結果が得られるとステツプSP7に移つてビデオバツフアを選択する。次にCPU24はステツプSP8においてオーデイオバツフアの残量が1/4より多くかつオーデイオパケツトがあるか否か判断し、肯定結果が得られるとステツプSP9に移つてオーデイオバツフアを選択する。
【0050】
一方CPU24はステツプSP6において否定結果が得られると、ステツプSP10に移つてオーデイオバツフアの残量が1/4よりも多くかつオーデイオパケツトがあるか否か判断し、肯定結果が得られるとステツプSP9に移つてオーデイオバツフアを選択する。またCPU24はステツプSP8において否定結果が得られた場合又はステツプSP9における処理を終了後はステツプSP1に戻る。
【0051】
このようにしてCPU24はステツプSP6〜SP10において、ビデオバツフアの残量及びオーデイオバツフアの残量が共に1/4より多いとき、又は何れか一方のバツフアの残量が1/4より多いときに、ビデオバツフア又はオーデイオバツフアを適宜選択し、再びステツプSP1に戻つていずれかのバツフア残量が半分よりも多くなつている場合には、上述のステツプSP1〜ステツプSP5の処理を実行する。このようにしてCPU24は、ステツプSP1〜ステツプSP14の処理を実行することによりビデオバツフアとオーデイオバツフアの残量を均等に減らしていくように多重化制御を行うようになされている。
【0052】
これに対してCPU24はステツプSP10において否定結果を得ると、このことはビデオバツフア及びオーデイオバツフアの残量が共に1/4以下となつていることを表わすことにより、ステツプSP11に移り、以下各バツフア内のパケツト残量の有無に基づいたバツフア選択を行う。
【0053】
すなわちCPU24はステツプSP11においてビデオバツフア内にビデオパケツトがあるか否か判断し、ビデオパケツトがあると判断した場合にはステツプSP12に移つてビデオバツフアを選択する。次にCPU24はステツプSP13においてオーデイオバツフア内にオーデイオパケツトがあるか否か判断し、オーデイオパケツトがあると判断した場合にはステツプSP14に移つてオーデイオバツフアを選択する。
【0054】
一方CPU24はステツプSP11において否定結果を得るとステツプSP15に移りオーデイオパケツトがあるか否か判断し、肯定結果を得た場合にはステツプSP14に移る。またCPU24はステツプSP13において否定結果が得られた場合又はステツプSP14における処理を終了後はステツプSP6に戻る。
【0055】
このようにしてCPU24はステツプSP11〜SP15において、バツフア内にビデオパケツト又はオーデイオパケツトが存在するときにビデオパケツト又はオーデイオパケツトを適宜選択し、再びステツプSP6に戻つていずれかのバツフア残量が1/4よりも多くなつている場合には、上述のステツプSP6〜SP10の処理を実行する。
【0056】
これに対してCPU24はステツプSP15において否定結果を得ると、このことはバツフア内にビデオパケツト及びオーデイオパケツトが共に存在しないことを表わすことにより、ステツプSP16に移つて1クリツプ分の多重化処理が終了したか否か判断する。ここで否定結果が得られるとステツプSP17に移り、セレクタ22にパデイングパケツト発生部23を選択させることにより多重化データストリームにパデイングパケツトデータPADを挿入させる。この処理を終了した後は、再びステツプSP6に戻つてバツフア内にパケツトデータが到来すると当該パケツトデータを多重化し、多重化データが無い場合には再びステツプSP17においてパデイングパケツトデータPADを挿入させる。
【0057】
一方CPU24はステツプSP16において肯定結果が得られると、ステツプSP18に移つて、やはりセレクタ22にパデイングパケツト発生部23を選択させることにより多重化データストリームにパデイングパケツトデータPADを挿入させる。CPU24は続くステツプSP19においてバイトカウンタ25からのカウント信号S3に基づいて総バイト数が時間T×レートR′に等しいか否か(すなわち総バイト数が決められた1クリツプのサイズに等しくなつたか否か)判断し、否定結果を得た場合にはステツプSP18に戻る。このようにCPU24はステツプSP18−SP19−SP18のループを繰り返すことにより、単位クリツプ内の総ビツト数を一定にするようになされている。CPU24はステツプSP19において否定結果を得るとステツプSP20に移つて、1クリツプ分のバツフア選択処理手順を終了する。
【0058】
ここでステツプSP17の処理は多重化すべきビデオデータ及びオーデイオデータが未だ生成されていないときにビデオデータ又はオーデイオデータ間にパデイングデータPADを挿入することに相当し、ステツプSP19の処理は1クリツプ内に入れるビデオデータ及びオーデイオデータの多重化が終了したときにその後ろにクリツプのサイズ合せのためのパデイングデータPADを挿入することに相当する。このようにして時間長Tの原信号SV、SAから、常に一定サイズ(時間長T)でなる多重化データSMUX′が形成される。
【0059】
(1−3)動作
次に記録装置10の全体としての動作を、図4を用いて説明する。記録装置10はステツプSP30において記録処理手順を開始すると、続くステツプSP31においてメインCPU26から記録再生部13に記録制御信号S4を送出することにより記録再生部13による記録媒体への書込みポインタを指定する。次に記録装置10はステツプSP32においてエンコーダ11にエンコード制御信号S5を送出することにより動画像信号SVを画像圧縮符号化処理部14に入力開始させ、続くステツプSP33においてパケツト処理部17によつて動画像符号化データSVCをパケツト処理し、ビデオバツフア20への動画像パケツトデータSVPの書込みを開始させる。
【0060】
これに並列して記録装置10はステツプSP31の処理の後、ステツプSP34においてオーデイオ信号SAをオーデイオ符号化処理部16に入力開始させ、続くステツプSP35において遅延処理部18によつてビデオ符号化デイレイとの差に対応した時間TDLだけオーデイオ符号化データSACを遅延させる。ステツプSP36では、パケツト処理部19によつて遅延オーデイオ符号化データSACDLをパケツト処理させ、オーデイオバツフア21へのオーデイオパケツトデータSAPの書込みを開始させる。
【0061】
次に記録装置10はステツプSP37においてパケツトデータSVP、SAPを多重化バツフア20、21に書き込ませ始めてから蓄積時間Twが経過したか否か判断し、蓄積時間Twだけ待機する。そして蓄積時間Twが経過した後多重化を開始する。すなわち記録装置10は蓄積時間Twが経過すると、ステツプSP38に移り、CPU24がバツフア情報信号S1、S2に基づいて各多重化バツフア20、21のバツフア残量を検出し、続くステツプSP39においてCPU24がバツフア残量に基づくセレクタコントロール信号CNT1を送出することによりパケツトを送出する多重化バツフア20、21又はパデイングパケツト発生部23を適宜選択する。
【0062】
ステツプSP40では選択された多重化バツフア20、21からデータレートR′でパケツトデータSVP、SAPを1つずつバイトカウンタ25を介して記録再生部13に供給し、ステツプSP41において供給されたパケツトデータSVP、SAPを記録媒体に記録する。ステツプSP42では各多重化バツフア20、21内のパケツトデータSVP、SAPの有無を判断し、パケツトデータSVP、SAPが有る場合にはステツプSP38に戻り、パケツトデータSVP、SAPが無い場合にはステツプSP43に移る。
【0063】
ステツプSP43では、各多重化バツフア20、21への書込みが終了したか否か、すなわち1クリツプ分のビデオパケツトデータSVP及びオーデイオパケツトデータSAPはこれで終わりか否か判断し、まだある場合にはステツプSP44に移る。ステツプSP44では、CPU24がセレクタ22にパデイングパデイング発生部23を選択することを指令するセレクタコントロール信号CNT1を送出することにより、続くステツプSP41においてパデイングパケツトデータPADを記録させる。
【0064】
一方ステツプSP43において1クリツプ分のビデオパケツトデータSVP及びオーデイオパケツトデータSAPの多重化がもう終了したと判断すると、ステツプSP45に移り、CPU24がバイトカウンタ25からのカウント信号S3に基づいて多重化データSMUX′が決められた1クリツプ分のサイズに達しているか否か判断する。ここで否定結果が得られるとステツプSP46及びステツプSP47においてパデイングパケツトデータPADを送出しこれを記録媒体に記録させた後再びステツプSP45に戻る。
【0065】
ステツプSP45において肯定結果が得られると、このことは一定サイズ(すなわち時間長T)の多重化データSMUX′が形成され記録されたことを意味し、このとき記録装置10はステツプSP48に移つて1クリツプ分の多重化データSMUX′の記録を終了する。記録装置10はステツプSP49において、次の動画像信号を記録するか否かを確認し、記録する場合にはステツプSP31に戻り、記録しない場合にステツプSP50に移つて当該記録処理手順を終了する。
【0066】
図5に、記録装置10によつて原信号SV、SAから多重化データSMUX′を形成されるまでのタイミングチヤートを示す。記録装置10は時間長Tの動画像信号SV及びこれに付随するオーデイオ信号SAを入力すると、これらをそれぞれ符号化処理することにより動画像符号化データSVC及びオーデイオ符号化データSACを形成する。このとき動画像符号化データSVCの符号化デイレイDL1の方がオーデイオ符号化デイレイDL2よりも大きくなるため、遅延処理部18によつてオーデイオ符号化データSACを時間TDLだけ遅延させることにより、符号化デイレイの差を小さくする。
【0067】
次に記録装置10は動画像符号化データSVC及び遅延オーデイオ符号化データSACをパケツト化することにより、動画像パケツトデータSVP(V0、V1、……Vn−1 、V)及びオーデイオパケツトデータSAP(A0、A1、……、Am−1 、A)を形成する。
【0068】
次に記録装置10は多重化バツフア20、21に動画像パケツトデータV0〜V、オーデイオパケツトデータA0〜Aが格納され始めてから蓄積時間Twだけ経過後に各パケツトデータの多重化を開始する。このとき多重化バツフア20、21への書込み時のデータレートR1、R2よりも速いデータレートR′(>R1+R2)で各パケツトデータを読み出して多重化する。またこの際、上述したように各多重化バツフア2、21の残量に基づいて多重化を制御する。さらに多重化する動画像パケツトデータSVP′やオーデイオパケツトデータSAP′が無い場合には、パデイングパケツトPを挿入する。
【0069】
この結果多重化データSMUX′を、原信号SV、SAに等しい時間T内に収めることができる。従つて、このような多重化データSMUX′を記録媒体に記録すれば、時間Tの原信号SV、SAに対応する多重化データSMUX′を任意の順番で読み出した場合でも、各多重化データSMUX′を全て等しい時間で読み出すことができる。この結果復号に必要なデータを記録媒体から読み出す時間が各々のクリツプにおいて同じになるため、復号により得られる再生信号を途切れの無いものとすることができる。
【0070】
(2)再生装置
(2−1)構成
記録装置10によつて記録された多重化データSMUX′を再生する再生装置の構成を、図6に示す。再生装置30は記録再生部13(図1)によつて、記録媒体への多重化データSMUX′の記録レートR′にほぼ等しいレートで記録媒体から読み出された多重化データSMUX′をセレクタ31及びヘツダ検出回路32に供給する。ここで記録再生部13によるデータ読出しレートを記録時のデータレートR′と等しい値に選定すると、1クリツプ分の多重化データSMUX′の読出しに必要な時間は、書込み時間と同じTとなる。
【0071】
ヘツダ検出回路32は多重化データSMUX′の各パケツトに付加されたヘツダ情報に基づいてセレクタ31にセレクタコントロール信号CNT2を送出する。これによりセレクタ31はパケツトの種類(すなわち動画像パケツトデータSVPか、オーデイオパケツトデータSAPか、またはパデイングパケツトデータPADか)に応じて接続が切り換えられる。この結果多重化データSMUX′は、動画像パケツトデータSVP′、オーデイオパケツトデータSAP′及びパデイングパケツトデータPADに分離される。なおパデイングパケツトデータPADが入力されたときには端子cが選択されることにより破棄される。
【0072】
分離された動画像パケツトデータSVP′は動画像用バツフア33に一旦格納され、符号化レートに等しいレート(すなわち動画像符号化データSVCのデータレートR1)で出力される。出力された動画像パケツトデータはデコード処理部34によつて復号され、このようにして動画像信号SVが再生される。同様に、分離されたオーデイオパケツトデータSAP′はオーデイオ用バツフア35に一旦格納され、符号化レートに等しいレート(すなわちオーデイオ符号化データSACのデータレートR2)で出力される。出力されたオーデイオパケツトデータはデコード処理部36によつて復号され、オーデイオ信号SAが再生される。
【0073】
なお動画像用バツフア33、オーデイオ用バツフア35の容量は、それぞれ記録装置10に設けられた多重化バツフア20、21の容量以上とされており、これにより各バツフア33、35がオーバーフローしないようになされている。
【0074】
(2−2)動作
以上の構成において、再生装置30は、図7に示すような動作手順に従つて記録データを再生する。すなわち記録装置30はステツプSP60において再生動作を開始すると、続くステツプSP61においてCPU(図示せず)から記録再生部13に媒体からの読出しポインタ(このポインタはデータ記録時のものを使用する)が指定されると、続くステツプSP62において記録再生部13によつて記録媒体から記録時と同レートR′で読出しを開始する。
【0075】
次に再生装置30はステツプSP63において、ヘツダ検出回路32によつて各パケツトの先頭に付加されたヘツダ情報を検出し、当該検出結果に基づいてセレクタ31によつて多重化データSMUP′を形成する各パケツトデータV0〜V、A0〜Aを各データストリームSVP′、SAP′に分離する。次にステツプSP64において各データストリームSVP′、SAP′をそれぞれ動画像用バツフア33、オーデイオ用バツフア35に入力格納し、続くステツプSP65において各バツフア33、35から各デコード処理部34、36に符号化レートR1、R2に等しいデータレートでデータを出力する。
【0076】
次にステツプSP66においてデコード処理部34、36によつて動画像信号SV、オーデイオ信号SAを復号生成すると、続くステツプSP67において1クリツプ分のデータ読出しが終了したか否か判断し、未だ終了していない場合はステツプSP63に戻る。これに対して1クリツプ分のデータ読出しが終了したと判断すると、ステツプSP68に移り、次のクリツプを連続して再生するか否か判断し、連続して再生する場合にはステツプSP61に戻る。
【0077】
これに対して連続して再生しない場合にはステツプSP69に移り、ここで各デコード処理部34、36に設けられたバツフア残量が有るか否か判断する。そしてバツフア残量が無くなるとステツプSP70に移つて再生(すなわちデコード処理部34、36による復号処理)を終了し、続くステツプSP71において再生動作を終了する。
【0078】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、一定時間Tの動画像信号SV及びこれに付随するオーデイオ信号SAを、常に一定時間長Tの多重化データSMUX′とすることができることにより、記録媒体に記録された全ての多重化データSMUX′を一定時間Tで読み出すことができるようになる。この結果任意に指定した複数の多重化データSMUX′を連続再生した場合に、途切れの無い再生信号を得ることができる。
【0079】
(4)他の実施例
なお上述の実施例においては、パデイングパケツト発生部23を設け、多重化バツフア20、21内のパケツトデータSVP、SAPが存在しないときや1クリツプのサイズ合せを行うときに、多重化データSMUX′をパデイングパケツトPADによつて充填するようにした場合について述べたが、例えば遅延処理部18の遅延時間TDLや多重化バツフア20、21の読出しレートを適宜選定することによりパデイングパケツトPADの必要性をなくすることができれば、パデイングパケツト処理部23を省略するようにしても良い。
【0080】
また上述の実施例においては、記録装置10及び当該記録装置10によつて記録されたデータを再生する再生装置30について述べたが、本発明はこれに限らず、多重化データSMUX′が記録された記録媒体に適用することもできる。すなわちこのような記録媒体を用いれば、記録された全ての多重化データSMUX′を等しい時間長で読み出すことができるため、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。この場合の記録媒体としては、ハードデイスクや光磁気デイスク、または相変化型デイスク等を広く用いることができる。
【0081】
さらに上述の実施例においては、本発明を記録装置10及び再生装置30に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばAVサーバ等の伝送装置に適用した場合にも上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0082】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ある一定時間の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号を符号化及び多重化して記録する場合に、パケツト化前又はパケツト化後のオーデイオ符号化データを所定時間だけ遅延させる遅延手段と、動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータを格納するバツフアメモリと、バツフアメモリへの格納が開始されてから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを多重化する多重化手段とを設け、これにより得た多重化データを記録媒体に記録又は伝送するようにしたことにより、時間長Tの原信号に対応する多重化データを一定の時間で読み出し又は受信することができるようになる。
【0083】
この結果任意の個数の画像信号と付随するオーデイオ信号を連続再生する場合に、必要なデータを読み出す時間を再生時間に等しくできるため、復号処理後の実際の画像信号と付随するオーデイオ信号を途切れなく連続再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による記録装置の構成を示すブロツク図である。
【図2】多重化バツフアの残量に基づくバツフア選択処理手順の一例を示すフローチヤートである。
【図3】多重化バツフアの残量に基づくバツフア選択処理手順の一例を示すフローチヤートである。
【図4】記録装置の動作の説明に供するフローチヤートである。
【図5】記録装置によつて一定時間Tの動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号から多重化データを形成するまでの説明に供するタイミングチヤートである。
【図6】実施例による再生装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】再生装置の動作の説明に供するフローチヤートである。
【図8】従来の記録再生装置の構成を示すブロツク図である。
【図9】エンコードバツフア内のデータの推移を示すグラフである。
【図10】従来のエンコーダによつて一定時間Tの動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号から多重化データを形成するまでの説明に供するタイミングチヤートである。
【符号の説明】
10……記録装置、11……エンコーダ、12……多重化処理部、13……記録再生部、14……画像圧縮処理部、15……エンコードバツフア、16……オーデイオ符号化処理部、17、19……パケツト処理部、18……遅延処理部、20、21……多重化バツフア、22、31……セレクタ、23……パデイングパケツト発生部、24……CPU、25……バイトカウンタ、26……メインCPU、30……再生装置、32……ヘツダ検出部、33……動画像用バツフア、34、36……デコード処理部、35……オーデイオ用バツフア、SV……動画像信号、SA……オーデイオ信号、SVC……動画像符号化データ、SAC……オーデイオ符号化データ、SVP、SVP′……動画像パケツトデータ、SACDL……遅延オーデイオ符号化データ、SAP、SAP′……オーデイオパケツトデータ、PAD……パデイングパケツトデータ、SMUX′……多重化データ、S1、S2……バツフア情報信号、S3……カウント信号、S4……記録制御信号、S5……エンコード制御信号、CNT1……セレクタコントロール信号。

Claims (14)

  1. ある一定時間分の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ符号化した後多重化することにより多重化データを形成し、当該多重化データを所定の記録媒体に記録するデータ記録方法において、
    動画像符号化データをパケツト化するステツプと、
    オーデイオ符号化データを、所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理するステツプと、
    得られた動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータをそれぞれバツフアメモリに格納するステツプと、
    格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するステツプと、
    多重化された上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを上記記録媒体に書き込むステツプと
    を具えることを特徴とするデータ記録方法。
  2. 上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するステツプでは、
    上記バツフアメモリ内に上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量が無い場合には、上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータに代えてパデイングデータを多重化するようにする
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録方法。
  3. 上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するステツプにおける上記経過時間は、上記動画像パケツトデータを格納するために割り当てられたバツフアメモリの容量をB、当該バツフアメモリに上記動画像パケツトデータを格納する際のデータレートをR1としたとき、次式で表わされる時間Twに選定されている
    Figure 0003599207
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録方法。
  4. ある一定時間分の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ符号化した後多重化することにより多重化データを形成し、当該多重化データを所定の記録媒体に記録するデータ記録装置において、
    動画像符号化データをパケツト化する動画像パケツト化手段と、
    オーデイオ符号化データをパケツト化するオーデイオパケツト化手段と、
    上記オーデイオ符号化データを、上記パケツト化前又は上記パケツト化後に所定時間だけ遅延させる遅延手段と、
    得られた動画像パケツトデータと遅延オーデイオパケツトデータを格納するバツフアメモリと、
    上記バツフアメモリへの上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの格納が開始されてから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより、上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するデータ多重化手段と、
    上記多重化データを上記記録媒体に記録する記録手段と
    を具えることを特徴とするデータ記録装置。
  5. 上記データ記録装置は、さらにパデイングデータを発生するパデイングデータ発生手段を具え、
    上記データ多重化手段は、上記バツフアメモリ内に上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量が無い場合には、上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータに代えて上記パデイングデータを多重化するようにする
    ことを特徴とする請求項4に記載のデータ記録装置。
  6. 上記データ多重化手段における上記経過時間は、上記バツフアメモリのうち上記動画像パケツトデータを格納するために割り当てられた容量をB、当該バツフアメモリに上記動画像パケツトデータを格納する際のデータレートをR1としたとき、次式で表わされる時間Twに選定されている
    Figure 0003599207
    ことを特徴とする請求項4に記載のデータ記録装置。
  7. ある一定時間分の動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化し、当該動画像符号化データをパケツト化すると共にオーデイオ符号化データを所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理することにより動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータを形成し、当該動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータをバツフアメモリに格納し、格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより時分割多重化されて所定の記録媒体に記録された多重化データを再生するデータ再生方法において、上記記録媒体への上記多重化データの記録レートにほぼ等しいレートで上記記録媒体から上記多重化データを読み出すステツプと、
    各パケツトのヘツダ情報に基づいて、上記多重化データを動画像パケツトデータとオーデイオパケツトデータとに分離するステツプと、
    分離された各データを記録時に用いた上記バツフアメモリ以上の容量を有するバツフアメモリに格納し、当該バツフアメモリに格納された上記各データを記録時の符号化レートにほぼ等しいレートで読み出すステツプと、
    読み出された各データを復号するステツプと
    を具えることを特徴とするデータ再生方法。
  8. ある一定時間分の動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化し、当該動画像符号化データをパケツト化すると共にオーデイオ符号化データを所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理することにより動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータを形成し、当該動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータをバツフアメモリに格納し、格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出されることにより時分割多重化されて所定の記録媒体に記録された多重化データを再生するデータ再生装置において、
    上記記録媒体への上記多重化データの記録レートにほぼ等しいレートで上記記録媒体から上記多重化データを読み出すデータ読出し手段と、
    各パケツトのヘツダ情報に基づいて、上記多重化データを動画像パケツトデータとオーデイオパケツトデータとに分離するデータ分離手段と、
    記録時に用いた上記バツフアメモリ以上の容量を有し、上記分離された各データを格納し、格納した各データを上記記録時の符号化レートにほぼ等しいレートで出力するバツフアメモリと、
    出力された各データを復号する復号手段と
    を具えることを特徴とするデータ再生装置。
  9. ある一定時間分の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号がそれぞれ符号化及びパケツト化されることにより形成された動画像パケツトデータとオーデイオパケツトデータとが、一定サイズの多重化データとして記録されている
    ことを特徴とする記録媒体。
  10. 上記多重化データには、サイズ合せのためのパデイングデータが含まれている
    ことを特徴とする請求項9に記載の記録媒体。
  11. ある一定時間分の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ符号化した後多重化することにより多重化データを形成し、当該多重化データを所定の伝送路を介して伝送するデータ伝送方法において、
    動画像符号化データをパケツト化するステツプと、
    オーデイオ符号化データを、所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理するステツプと、
    得られた動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータをそれぞれバツフアメモリに格納するステツプと、
    格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより、上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するステツプと、
    多重化された上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを伝送路に出力するステツプと
    を具えることを特徴とするデータ伝送方法。
  12. ある一定時間分の動画像信号とこれに付随するオーデイオ信号をそれぞれ符号化した後多重化することにより多重化データを形成し、当該多重化データを所定の伝送路を介して伝送するデータ伝送装置において、
    動画像符号化データをパケツト化する動画像パケツト化手段と、
    オーデイオ符号化データをパケツト化するオーデイオパケツト化手段と、
    上記オーデイオ符号化データを、上記パケツト化前又は上記パケツト化後に所定時間だけ遅延させる遅延手段と、
    得られた動画像パケツトデータと遅延オーデイオパケツトデータを格納するバツフアメモリと、
    上記バツフアメモリへの上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの格納が開始されてから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出すことにより、上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータを時分割多重化するデータ多重化手段と、
    上記多重化データを上記伝送路に出力する出力手段と
    を具えることを特徴とするデータ伝送装置。
  13. ある一定時間分の動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化し、当該動画像符号化データをパケツト化すると共にオーデイオ符号化データを所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理することにより動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータを形成し、当該動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータをバツフアメモリに格納し、格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出されることにより時分割多重化されて所定の伝送路に出力された多重化データを受信するデータ伝送方法において、
    各パケツトのヘツダ情報に基づいて、上記多重化データを動画像パケツトデータとオーデイオパケツトデータとに分離するステツプと、
    分離された各データを送信時に用いた上記バツフアメモリ以上の容量を有するバツフアメモリに格納し、当該バツフアメモリに格納した上記各データを上記符号化時の符号化レートにほぼ等しいレートで読み出すステツプと、
    読み出された各データを復号するステツプと
    を具えることを特徴とするデータ伝送方法。
  14. ある一定時間分の動画像信号及びこれに付随するオーデイオ信号を符号化し、当該動画像符号化データをパケツト化すると共にオーデイオ符号化データを所定時間だけ遅延処理した後パケツト化し又はパケツト化した後所定時間だけ遅延処理することにより動画像パケツトデータ及び遅延オーデイオパケツトデータを形成し、当該動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータをバツフアメモリに格納し、格納を開始してから所定時間経過後に、格納された動画像パケツトデータ又はオーデイオパケツトデータを上記バツフアメモリ内の上記動画像パケツトデータ及びオーデイオパケツトデータの残量に基づいて選択的に、かつ格納時のデータレート以上のデータレートで読み出されることにより時分割多重化されて所定の伝送路に出力された多重化データを受信するデータ伝送装置において、
    各パケツトのヘツダ情報に基づいて、上記多重化データを動画像パケツトデータとオーデイオパケツトデータとに分離するデータ分離手段と、
    送信時に用いた上記バツフアメモリ以上の容量を有し、上記分離された各データを格納し、格納した各データを上記符号化時の符号化レートにほぼ等しいレートで出力するバツフアメモリと、
    出力された各データを復号する手段と
    を具えることを特徴とするデータ伝送装置。
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