JP3599039B2 - 水道水軟水化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水軟水化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用生活水は、一般には、水道水を使用している。水道水は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンのような硬度成分が含まれているために、洗剤を使用すると石鹸カスが付着して手が荒れ、電気ポットなどに白い塊が付着し、また、洗濯物や洗面器等に石鹸カスが付着する問題がある。
【0003】
このような問題は、特開平6−15265号公報に記載されているように、イオン交換樹脂を使用した軟水器を用いて水道水を軟水化して使用することによって解消することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
イオン交換樹脂を使用した軟水化装置は、イオン交換樹脂のイオン除去能力を回復させる再生処理を行うことが必要であり、この再生処理は、塩を水道水に溶かして生成した再生塩水を使用している。
【0005】
このように再生塩水を生成する塩は、入手することが容易な食塩(精製塩)を使用するのが便利である。しかしながら、再生塩水生成容器に入れた複数回分の食塩に水道水を触れさせると、吸水して溶けた残存食塩が密に固化して大気圧程度の水圧では通水し難くなり、あるいは棚吊り(ブリッジ)状態になってしまうことがあり、再生塩水生成容器に複数回分の食塩を入れておいて再生塩水の生成を安定に繰り返すことが困難になる。
【0006】
本発明の1つの目的は、食塩を使用して再生塩水の生成を安定に繰り返すのに好適な水道水軟水化装置を提供することにある。
【0007】
具体的には、残存食塩の通水性に左右されず、また、溶けた残存食塩が固化して形成したブリッジを破壊して安定な再生塩水の生成を繰り返すことができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受水した水道水をイオン交換樹脂粒子層を充填した軟水化槽を通過させることにより軟水化して出水する軟水化給水系と、塩を収容した再生塩水生成槽に再生塩水生成用水を供給して生成した再生塩水を前記軟水化槽に供給してイオン交換樹脂粒子層を通過させることによりイオン交換樹脂粒子のイオン交換能力を回復させる再生系を備えた水道水軟水化装置において、
前記再生系は、容器と、上向きに起立させた塩ブリッジ破壊支援部材を備え、前記容器内の底から浮かしてその下に空間を形成する状態に該容器内に設置した食塩載置棚と、前記食塩載置棚の下の空間に該空間を満たして食塩載置棚上の食塩を上部まで浸すような量の再生塩水生成用水を供給する再生塩水生成用水供給手段と、前記再生塩水生成用水で食塩を溶かして生成した再生塩水を前記軟水化槽に供給する再生塩水供給手段を備えたことを特徴とする。
そして、前記塩ブリッジ破壊支援部材は、起立する脚板部によって支持した天板部を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態における水道水軟水化装置は、イオン交換樹脂粒子層を内蔵した軟水化槽に水道水を通して軟水化して給水する軟水化給水系と、水道水をそのまま通過させて直に給水するバイパス給水系と、塩水生成タンク内の食塩を溶かして生成した再生塩水を使用して前記軟水化給水系のイオン交換樹脂粒子のイオン交換能力を回復させる再生系を備え、軟水化給水系のイオン交換樹脂粒子のイオン交換能力が低下した状態ではバイパス給水系によって水道水をそのまま直給水し、その間に再生系を動作させて軟水化給水系における軟水化槽内のイオン交換樹脂粒子のイオン交換能力を回復させるように構成する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態を示す水道水軟水化装置の配管図である。
図1において、筒状で密封構造の軟水化槽1は、中段部位に通水能力を備えたイオン交換樹脂粒子層2を内蔵し、上段に水道水受水室3を備え、下段に軟水出水室4を備える。イオン交換樹脂粒子層2は、一般的な硬度の水道水を約4m3または使用時の平均的な給水流量で連続8時間程度の軟水化給水を実現することができる軟水化処理容量に構成する。
【0011】
受水用水道管5は、手動閉止弁6と分岐配管7と手動閉止弁8と逆止弁9を介して内部受水配管10に水道水(原水)を給水するように配管する。内部受水配管10は、受水した水道水を減圧弁11によって所定の水圧に調整し、給水系切替手段である受水側の3方向電動弁12の入水口12aと補助電磁弁13とオリフィス14を介して補助電磁弁15に給水するように接続する。
【0012】
3方向電動弁12の第1の出水口12bは、前記軟水化槽1の水道水受水室3に接続すると共に排水電磁弁16を介して排水配管17に接続する。
【0013】
軟水化槽1の軟水出水室4は、出水側の3方向電動弁18の第1の入水口18aに接続すると共に排水電磁弁19を介して前記排水配管17に接続する。
【0014】
入水側の3方向電動弁12の第2の出水口12cは、バイパス給水系であるバイパス配管20を介して出水側の3方向電動弁18の第2の入水口18bに接続する。そして、この出水側の3方向電動弁18の出水口18cは、フロースイッチ21と手動閉止弁22と分岐配管23を介して屋内給水配管24に軟水または原水を給水するように接続する。フロースイッチ21は、給水が生じているときに給水検出信号を発生するスイッチを使用した給水検出手段である。
【0015】
分岐配管7と分岐配管23は、手動閉止弁25を介在させた応急給水配管26で接続する。
【0016】
補助電磁弁13,15の出水口は、共通に接続した後に軟水化槽1の軟水出水室4に接続すると共に再生塩水生成供給電磁弁28を介して塩水生成タンク29の底に接続する。この実施の形態では、補助電磁弁13および再生塩水生成供給電磁弁28は、塩水生成タンク29に再生塩水生成用水を供給する再生塩水生成用水供給手段を構成し、再生塩水生成供給電磁弁28と排水電磁弁16は、再生塩水を軟水化槽1に供給する再生塩水供給手段を構成する。
【0017】
塩水生成タンク29は、軟水化槽1よりも高く位置するように設置し、内部に食塩(精製塩)を投入して収容するように構成する。また、この塩水生成タンク29内の塩が消費されて不足状態となるのを防止するための塩量検出手段を設ける。この塩量検出手段は、この実施の形態では、塩水生成タンク29をばね30によって支持し、塩水生成タンク29内の塩が減量して該塩水生成タンク29が軽くなることによりばね30によって押し上げられて上昇するのをマイクロスイッチ31によって検出して塩量検出信号を発生するように構成している。このマイクロスイッチ31は、塩水生成タンク29内の再生塩水が排出された状態において、1〜2回の再生を実行することができる程度まで塩が減量したときの塩水生成タンク29の位置に応動して塩量検出信号を発生するように構成すると良い。制御系は、マイクロコンピュータを主体にして構成した制御装置32が、予め設定された制御プログラムに従って、操作パネル33からの指示入力信号およびフロースイッチ21からの給水検出信号,マイクロスイッチ31からの塩量検出信号を参照して各種の制御処理を実行するように構成する。操作パネル33は、図示説明は省略するが、手動操作の起動スイッチ,再生スイッチ,洗浄スイッチと、状態表示および警告用の運転表示灯,塩補充表示灯,再生表示灯を備える。
【0018】
図2は、前記軟水化槽1の縦断側面図である。この実施の形態における軟水化槽1は、縦長の円筒状の密閉容器61内に上端部を空洞(受水室3)とするようにイオン交換樹脂粒子を詰めてイオン交換樹脂粒子層2を構成し、先端にストレーナ62を取り付けた給水管63を前記上端部の受水室3内に挿し込み、その先端にストレーナ64を取り付けた出水管65を前記イオン交換樹脂粒子層2に埋没させて前記ストレーナ64が前記密閉容器61内の底部近くに達するように挿し込んだ形態に構成することができる。このような軟水化槽1では、ストレーナ64および密閉容器61内に挿し込まれた出水管65内が出水室4を構成することになる。
【0019】
そして、給水管63には、3方向電動弁12と排水電磁弁16を接続し、出水管65には、3方向電動弁18,排水電磁弁19,補助電磁弁13,15,再生塩水生成供給電磁弁28を接続する。
【0020】
ここで、複数回分の食塩を投入して再生塩水を繰り返し生成するのに好適な前記塩水生成タンク29の具体例を図3〜図6を参照して説明する。図3は、この実施の形態における塩水生成タンク29の一部を切り欠いて示す斜視図である。図4は、塩水生成タンク29の縦断側面図である。図5は、塩水生成タンク29の容器と食塩載置棚の関係を部分的に示す縦断側面図である。図6は、前記食塩載置棚を構成する棚板の平面図である。
【0021】
この塩水生成タンク29は、ポリプロピレン製で上側を開口させた容器71と該開口を着脱自在に覆う蓋72によって構成する。この容器71には、底壁を貫通するように給排水口継ぎ手73を取り付け、側壁を貫通するようにオーバーフロー口継ぎ手74を取り付ける。前記給排水口継ぎ手73は前記再生塩水生成供給電磁弁28に柔軟なホースで接続し、オーバーフロー口継ぎ手74は、前記排水配管17に柔軟なホースで接続する。そして、この容器71内には、複数の支持脚75によって底面から浮かせた位置に食塩載置棚76を取り付ける。この食塩載置棚76の取り付け位置(底面からの高さ)は、その下側に形成される空間77がイオン交換樹脂再生に適量の再生塩水を生成するのに適した容積となる位置とする。この食塩載置棚76は、前記給排水口継ぎ手73との対向領域を避けた領域に多数の穴78aを打ち抜き、4隅部に支持脚取り付けねじ穴78bを設け、中央部に塩ブリッジ破壊支援部材取り付けねじ穴78cを設けたステンレス製の2枚の棚板78の間にポリエチレンメッシュ(100メッシュ)79を周縁がはみ出すように挟んだ重合状態で下側に前記支持脚75をねじ止めし、上側に塩ブリッジ破壊支援部材80を起立するようにねじ止めした構成である。前記支持脚75は、塩ブリッジ破壊支援部材80の下側にも該塩ブリッジ破壊支援部材80の止めねじを利用して取り付けることにより、食塩載置棚76の中央部分が撓んで沈むのを防止する。棚板78の外周にはみ出したメッシュ79の周縁部分は、食塩載置棚76に載置した食塩81の漏れ(容器71との隙間からの落下)を防止するように容器71の側壁内面に接着材82によって接着する。
【0022】
塩ブリッジ破壊支援部材80は、ステンレス製の帯板材を折り曲げて、食塩載置棚76にねじ止めする脚板部80a,80bによって天板部80cを略水平状態に支持する形態に構成する。天板部80cは、容器71内に食塩81を投入したときの該食塩81の上面に等しくなるような高さに位置させ、脚板部80a,80bは、上位(天板部80c)側の間隔が広がる(または狭くなる)ように傾斜させる。
【0023】
図7は、この実施の形態における制御装置32が実行する制御処理のタイムチャートである。
【0024】
操作パネル33の起動スイッチが押されると、制御装置32は、初期制御処理を実行する。この初期制御処理は、3方向電動弁12の入水口12aと第2の出水口12cを連通させ、3方向電動弁18の第2の入水口18bと出水口18cを連通させることにより、受水用水道管5から受水した水道水をバイパス配管20を通して屋内給水配管24に直に給水するバイパス給水(直給水)状態として軟水化槽1内のイオン交換樹脂粒子層2の再生処理を実行する。3方向電動弁12,18は、前記切換え過程で出水口12b,12c間、入水口18aと出水口18bの間に連通状態が発生するので、この切換え期間中に排水電磁弁19を開いてバイパス配管20内の水を排水して該バイパス配管20内を洗浄することにより該バイパス配管20内の滞留水(原水)を排出する。
【0025】
この再生処理では、先ず、補助電磁弁13と再生塩水生成供給電磁弁28を開いて塩水生成タンク29に所定量の水道水を再生塩水生成用水として供給する。この所定量は、塩水生成タンク29における食塩載置棚76の下側の空間77を満たし、食塩載置棚76上の食塩81を上部まで浸し(食塩81が密に固化していればこれを下側から押し上げる)て該食塩81を溶かし出して適量の再生塩水を生成するのに足る量であり、再生塩水生成供給電磁弁28の流量と開弁時間によって把握して給水制御する。再生塩水生成用水は、容器71の底壁を貫通した給排水口継ぎ手73から空間77に噴出するが、この噴水の水勢は食塩載置棚76における棚板78の穴78aがない部分で遮って食塩81に直に作用させないようにする。
【0026】
その後、補助電磁弁13を開いた状態で再生塩水生成供給電磁弁28を閉じ、排水電磁弁16を開いて軟水化槽1に軟水化給水流の方向に対して逆向きに水道水を流して槽内の逆洗浄を行う。この洗浄水は、排水管17を通して排水する。この逆洗浄は、2分間程度継続し、その後、補助電磁弁13,排水電磁弁16を閉じて逆洗浄を終了して軟水化槽1内を沈静化する。
【0027】
次に、塩水生成タンク29に供給した水道水に塩が十分に溶け出した頃合いに再生塩水生成供給電磁弁28,排水電磁弁16を開いて塩水生成タンク29内の再生塩水を軟水化槽1に通水して該軟水化槽1内のイオン交換樹脂粒子層2のイオン交換能力を回復させる。この塩水生成タンク29内の再生塩水の軟水化槽1への供給は、塩水生成タンク29の高さを利用した水圧と、排水配管17の排水によって軟水化槽1内に発生する負圧によって徐々に行い、軟水化槽1内を通過した再生塩水は、排水配管17を通して排水する。そして、排水電磁弁16を開いた状態で再生塩水生成供給電磁弁28を閉じて再生塩水の供給を停止し、補助電磁弁15を開いてオリフィス14によって絞った少量の水道水を系内に供給して再生塩水を系から系外に流し出す。この処理は、60〜70分間継続した後に補助電磁弁15を閉じ、補助電磁弁13を間歇的に開いて軟水化槽1に軟水化給水流の方向に対して逆向きに水道水を間歇的に流して槽内の逆洗浄を行って補助電磁弁13,排水電磁弁16を閉じて逆洗浄を終了する。この逆洗浄は、補助電磁弁13を25秒間開,10秒間閉を1サイクルとして5サイクル程度行う。
【0028】
そして、3方向電動弁12の入水口12aと第1の出水口12bを連通させ、排水電磁弁19を短時間開放して軟水化槽1に軟水化給水流方向の水道水を流すフラッシュ洗浄を行って再処理を終了し、3方向電動弁18の第1の入水口18aと出水口18cを連通させて軟水化給水系による軟水化給水態勢の運転状態に入り、操作パネル33の運転表示灯を点灯する。このときにも3方向電動弁12,18の切換え期間中に排水電磁弁19を開いてバイパス配管20内の水を排水して洗浄することにより該バイパス配管20内の滞留水(原水)を排出する。
【0029】
この軟水化給水態勢において屋内給水配管24に接続された給水弁が開放されれば、受水用水道管5から流れ込む水道水を減圧弁11で調圧し、3方向電動弁12から軟水化槽1を通して軟水にした後に3方向電動弁18から屋内給水配管24に軟水を供給する。フロースイッチ21は、この給水に応動して給水検出信号を発生し、制御装置32は、この給水検出信号を取り込んで計時する。
【0030】
そして、この軟水化給水の給水検出信号発生時間の積算値が所定値(この実施の形態においては8時間に設定)に達したときには直給水(バイパス給水系)状態に切り替えて、イオン交換樹脂粒子の再生制御処理を実行する。すなわち、3方向電動弁12の入水口12aと第2の出水口12cを連通させ、3方向電動弁18の第2の入水口18bと出水口18cを連通させた状態にして前述したような再生制御処理を実行する。この再生制御処理は、給水検出信号発生時間の積算値が所定値に達した後の水道使用機会の少ない時刻(例えば午前2時)に開始するようにすると良い。この再生時刻は、設置環境に応じて、操作パネル33から設定することができるように構成すると便利である。この再生制御中は、操作パネル33の再生表示灯を点灯する。
【0031】
また、運転中に給水検出信号が発生しない連続時間が所定値(この実施の形態では72時間に設定)に達したとき、または、操作パネル33の洗浄スイッチが押されたときには、軟水化給水系内を洗浄する洗浄制御処理を実行する。すなわち、排水電磁弁19を短時間開放して軟水化給水系内に長時間滞留している水を排出して内部を洗浄する。
【0032】
軟水化給水と再生を繰り返すことによって塩水生成タンク29内の塩が消費されて減量する。そこで、制御装置32は、塩水生成タンク29内の再生塩水が排出された状態となっているときに、マイクロスイッチ31から出力される塩量検出信号を確認し、補充が必要な量まで減量しているときには操作パネル33の塩補充表示灯を点灯して塩補充を促す。
【0033】
また、この軟水化給水装置が故障,修理,保守点検等によって使用することができない状態のときには、閉止弁8,22を閉じ、閉止弁25を開くことによって、受水用水道管5から受水した水道水を応急給水配管26を通して屋内給水配管24に直に給水するようにする。
【0034】
また、軟水化給水系とバイパス給水系を選択的に切替る給水系切替手段として使用する3方向電動弁12,18は、停電時にはそのときの切替状態を維持したままとなるので、停電のために給水不能状態に陥ることがない。
【0035】
ここで、塩水生成タンク29に投入した食塩81を使用して再生塩水の生成を繰り返す過程で発生する食塩の密なる固化を解消(破壊)し、再生塩水を安定に生成する作用について説明する。
【0036】
この実施の形態において、食塩生成タンク29内に設置した食塩載置棚76の中央部には塩ブリッジ破壊支援部材80が起立している。この食塩載置棚76上に載置した食塩81が吸水して溶けた後に容器71内で密に固化することによりブリッジ状態が発生すると、その後に容器71の空間77に再生塩水生成用水として供給される水道水の水圧によって食塩81のブリッジの底部を押圧して該ブリッジを押し上げる。この食塩81のブリッジは、その中央部分が塩ブリッジ破壊支援部材80の天板部80cによって押えられていることから、このブリッジの中央部分と周縁部分の間には曲げ力あるいは剪断力が作用し、塩ブリッジ破壊支援部材80の脚板部80a,80bが埋没する部分から亀裂が発生し、周縁には隙間が発生する。このようにして亀裂や隙間が発生すると、そこからブリッジ内に再生塩水生成用水が進入して食塩81を溶かし出する。そして、このような動作を繰り返すことにより、食塩81のブリッジが破壊する。
【0037】
塩ブリッジ破壊支援部材80の傾斜した脚板部80a,81bは、食塩81のブリッジに作用する曲げ力や剪断力による応力集中や楔作用によって亀裂の発生および該亀裂の成長を促進するのに好適である。
【0038】
この実施の形態では、再生時機を通水時間で管理するように構成しているが、タイマーを使用して定時刻に再生する定時再生管理や水量計を使用して検出した通水量が所定値に達したときに再生する定水量再生管理に変形して実施することもできる。
【0039】
また、複数の軟水化槽を並設して交互に使用して軟水化給水しながら休止中の軟水化槽の再生を行う水道水軟水化装置に変形して実施することもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、上向きに塩ブリッジ破壊支援部材を起立させた食塩載置棚を再生塩水生成タンクの容器内の底から浮かしてその下に空間を形成する状態に設置すると共に該空間に再生塩水生成用水を供給して食塩載置棚に載置されている食塩に触れさせて再生塩水を生成して軟水化槽に供給するように構成したので、再生塩水の生成と供給を安定に繰り返すことができる。特に、溶けた残存食塩が密に固化して通水性がなくなっても再生塩水を生成して軟水化槽に供給することが可能になり、また、溶けた残存食塩が固化してブリッジが形成されてもこれを破壊して安定な再生塩水の生成を繰り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す水道水軟水化装置の配管図である。
【図2】図1に示した水道水軟水化装置における軟水化槽の一例を具体的に示す縦断側面図である。
【図3】図1に示した水道水軟水化装置における塩水生成タンクの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図4】図3に示した塩水生成タンクの縦断側面図である。
【図5】図4に示した塩水生成タンクの容器と食塩載置棚の関係を部分的に示す縦断側面図である。
【図6】図4に示した塩水生成タンクにおける食塩載置棚を構成する棚板の平面図である。
【図7】図1に示した水道水軟水化装置の運転制御のタイムチャートの一例である。
【符号の説明】
1…軟水化槽、2…イオン交換樹脂粒子層、12,18…3方向電動弁、16,19…排水電磁弁、28…再生塩水生成供給電磁弁、29…塩水生成タンク、32…制御装置、71…容器、73…給排水口継ぎ手、76…食塩載置棚、77…空間、80…塩ブリッジ破壊支援部材、80a,80b…脚板部、80c…天板部。
Claims (2)
- 受水した水道水をイオン交換樹脂粒子層を充填した軟水化槽を通過させることにより軟水化して出水する軟水化給水系と、塩を収容した再生塩水生成槽に再生塩水生成用水を供給して生成した再生塩水を前記軟水化槽に供給してイオン交換樹脂粒子層を通過させることによりイオン交換樹脂粒子のイオン交換能力を回復させる再生系を備えた水道水軟水化装置において、
前記再生系は、
容器と、
上向きに起立させた塩ブリッジ破壊支援部材を備え、前記容器内の底から浮かしてその下に空間を形成する状態に該容器内に設置した食塩載置棚と、
前記食塩載置棚の下の空間に該空間を満たして食塩載置棚上の食塩を上部まで浸すような量の再生塩水生成用水を供給する再生塩水生成用水供給手段と、
前記再生塩水生成用水で食塩を溶かして生成した再生塩水を前記軟水化槽に供給する再生塩水供給手段を備えたことを特徴とする水道水軟水化装置。 - 請求項1において、前記塩ブリッジ破壊支援部材は、起立する脚板部によって支持した天板部を備えたことを特徴とする水道水軟水化装置。
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