JP3598978B2 - 通信端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ装置などの通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ装置などの通信端末装置が客先に収められた後に、不具合が起きた場合は、その解析には、客先で現象が出るまで待つしかない。しかしながら、客先の装置の内部処理まで解析できないから、メーカの工場内で同じような条件下で装置を動作させ、装置に接続したエミュレータで内部制御プログラムの動作状況などを表示し、解析していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の通信端末装置では、客先などで不具合が生じた場合に、その装置専用のデバッグ装置を設けておかない限り、内部処理動作を十分に解析できなかった。また、メーカの工場内で、同じような条件下で装置を動作させて、解析するとなると、その都度、同じ条件を設定するのが、大変であるという問題があった。
【0004】
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、客先の装置に対し、専用デバッグ装置を付けることなく、デバッグをなし得る通信端末装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の通信端末装置は、画像読み取り部と、画像記録部と、CPUと、装置制御用プログラムを格納したメモリと、前記プログラムの実行履歴データを格納するメモリとを備え、前記実行履歴データを格納するためのトリガー条件は通信回線を介して遠隔装置から受信するものであり、前記遠隔装置よりのトリガー条件を受信するとトレース処理を行い、そのトレース結果を前記遠隔装置に送信することを特徴としている。
【0006】
この通信端末装置では、プログラムの実行履歴データを、メモリから読み出すことにより、内部処理動作を解析することができる。
【0007】
また、この通信端末装置では、実行履歴データを格納するためのトリガー条件は通信回線(電話回線、インターネット等)を介して遠隔装置(他のファクシミリ装置等)から受信するようにしている。更に、遠隔装置よりのトリガー条件を受信するとトレース処理を行い、そのトレース結果を遠隔装置に送信するようにしている。
【0008】
この発明の通信端末装置において、トリガー条件の受信、トレース処理及びトレース結果の送信からなる一連の処理は、遠隔装置の対応に応じて繰り返し可能としても良い。
【0009】
また、この発明の通信端末装置において、トリガー条件の受信及びトレース結果の送信は、ファクシミリ手順信号で行うようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係るインターネット・ファクシミリ装置21を使用したネットワーク・ファクシミリ・システムの機器構成を示す概略図である。ここでのシステムは、LAN16に接続されたインターネット・ファクシミリ装置21とメールサーバ22とで構成され、インターネット・ファクシミリ装置21が電話回線(PSTN)14に接続されると共に、メールサーバ22がインターネット15に接続されている。
【0012】
図2は、実施形態に係るインターネット・ファクシミリ装置21の概略構成を示すブロック図である。このインターネット・ファクシミリ装置21は、MPU(制御部)1、ROM2、RAM3、画像メモリ(DRAM)4、操作パネル(操作部)5、各種データ等を表示する表示部6、バス7、NCU8、モデム9、スキャナ10、プリンタ(出力部)11、CODEC12、LAN I/F13を備える。ここでは、ROM2、RAM3、画像メモリ4で記憶部が構成され、NCU8、モデム9、CODEC12、LAN I/F13で通信部が構成される。
【0013】
MPU1は、この装置21を構成する各部を制御すると共に、通信部を通して外部の情報源からデータを受信して記憶部に記憶させ、記憶部に記憶させたデータを表示部6に表示させる機能を有する。また、トリガー条件が入力されると、プログラムの実行履歴データメモリから読み出すデバッグ機能も備えている。
【0014】
ROM2は、この装置21を制御するためのプログラムを記憶する。RAM3は、データ等を一時的に記憶する。また、プログラムの実行履歴データを格納するエリアも、このRAM3に割り当てている。更に、退避RAMとしての記憶エリアも割り当てられている。画像メモリ4は、受信画データやスキャナ10で読み取った画データを一時的に記憶する。操作パネル5は、ユーザがFAX送信・受信、メールアドレスの履歴表示・設定、プリント等の指示をするためのものである。また、デバッグ用のプログラムカウンタアドレス、RAMアドレス、トレースRAMアドレス、トリガー出力値、トリガー条件値等を入力する。
【0015】
NCU8は、電話回線(PSTN)14との接続を制御すると共に、相手先の電話番号(FAX番号を含む)に対応したダイヤル信号の送出及び着信を検出するための機能を備えている。モデム9は、ITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ伝送制御手順に基づいて、V.17、V.27ter、V.29等に従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。スキャナ10は、FAX送信及びコピーをするときに原稿の画データを読み取る。プリンタ11は、受信画データや、コピー動作においてスキャナ10で読み取った原稿の画データを記録紙上に記憶する。CODEC12は、読み取った画データを送信するためにMH、MR、MMR方式等により符号化(エンコード)し、受信画データを復号(デコード)する。
【0016】
次に、実施形態インターネット・ファクシミリ装置21におけるサンプルトレースモードの登録処理について、図3のフロー図により説明する。サンプルトレースモードが開始されると、先ずステップST1において、プログラムカウンタAアドレスを入力する。この入力は、図6に例示するように、操作パネル5から行う。図6の例では、入力アドレスは10002である。次に、ステップST2に移行し、RAM−Aアドレスを同じく操作パネル5から行う。図6の例では、入力アドレスは20000である。
【0017】
続いて、ステップST3においては、プログラムカウンタ−Aアドレス(=10002)にあるプログラム(図6:処理C)を退避RAMに退避する。次に、ステップST4において、デバッグ用プログラムアドレスにジャンプする命令を挿入する。図6、図7の例では、デバッグ用プログラムアドレスは40000であり、アドレス10002に“Jump40000”の命令を挿入する。更に、ステップST5において、デバッグ用プログラムアドレスの先頭に、デバッグで使用するレジスタを保存する命令を挿入する(図7の例:アドレス40000参照)。
【0018】
更に、ステップST6において、同じくデバッグ用プログラムアドレスにRAM−Aの内容をトレースRAMにコピーする命令を挿入する(図7の例:アドレス40000参照)。続いて、ステップST7において、デバッグ用プログラムアドレスを保存したデバッグ用で使用するレジスタを復元する命令を挿入する。また、ステップST8においては、デバッグ用プログラムアドレスに、退避RAMに退避したプログラム(図6、図7の例:処理C)を挿入する(ST7、ST8とも、図7の例:アドレス40000参照)。続いて、ステップST9において、デバッグ用プログラムアドレスに、プログラムカウンタ−Aの次アドレスにJumpする命令を挿入する(図6、図7の例:アドレス40000、“Jump10003”参照)。以上により、サンプルトレースモードの登録を終了する。
【0019】
次に、トレーストリガーモードの登録処理について、図4のフロー図により説明する。トレーストリガーモードの登録が開始されると、ステップST11において、先ず、プログラムカウンタ−Aアドレスを入力する。続いて、順次ステップST12〜ST15において、RAM−Aアドレス、トリガーアドレス、トリガー出力値及びトリガー条件値が入力される。図8に示す具体例では、プログラムカウンタ−Aアドレスは10002、RAM−Aアドレスが20000、トリガーアドレスが50000、トリガー出力値が01、トリガー条件値が01であり、これはいずれも操作パネル5から入力される。
【0020】
操作パネル5の各値の入力に続いて、ステップST16へ移行する。ステップST16においては、プログラムカウンタ−Aアドレスにあるプログラムを退避RAMに退避する。図8に示す例では、プログラムカウンタ−Aアドレスは10002であり、Aアドレス10002にあるプログラムは処理Cなので、処理Cを退避することになる。
【0021】
次に、ステップST17に移行する。ステップST17においては、デバッグ用プログラムアドレスにジャンプする命令を挿入する。図8、図9の具体例では、アドレス10002にジャンプ命令“Jump40000”を挿入する。続いて、ステップST18へ移行する。ステップST18においては、デバッグ用プログラムアドレスの先頭に、デバッグで使用するレジスタを保存する命令を挿入する(図9の例:アドレス40000参照)。次に、ステップST19へ移行する。
【0022】
ステップST19においては、デバッグ用プログラムアドレスに、RAM−Aの内容をトレースRAMにコピーする命令を挿入する(図9の例:アドレス40000を参照)。次に、ステップST20へ移行し、デバッグ用プログラムアドレスにRAM−Aの内容とトリガー条件と一致した場合には、トリガーアドレスにトリガー出力値をライトする命令を挿入する(図9の例:アドレス40000参照)。続いて、ステップST21において、デバッグ用プログラムアドレスに保存したデバッグで使用するレジスタを復元する命令を挿入する(図9の例:アドレス40000参照)。
【0023】
更に、ステップST22において、デバッグ用プログラムアドレスに退避RAMに退避したプログラムを挿入する。図8、図9の例では、退避したプログラムは“処理C”であり、この命令を挿入する(図9の例:アドレス40000参照)。続いて、デバッグ用プログラムアドレスにプログラムカウンタ−Aの次のアドレスにジャンプする命令を挿入する。図8、図9では、プログラムカウンタ−Aの次のアドレスは10003なので、ジャンプ命令“Jump10003”を挿入することになる(図9の例:アドレス40000を参照)。以上により、トレーストリガーモードの登録処理を終了する。
【0024】
なお、上記説明では、プログラムカウンタ−Aアドレス、RAM−Aアドレス、トリガーアドレス、トリガー出力値、トリガー条件値等を、操作パネル5より入力しているが、これに代えて、電話回線、インターネット等の通信回線により、外部の遠隔装置から入力するようにしてもよい。
【0025】
電話回線で、他のファクシミリ装置等から受信する場合は、図5に示すフロー図において、先ずステップST31において、着呼があるとステップST32へ移行する。ステップST32においては、NSF(非標準機能識別信号)及びDIS(ディジタル識別信号)を送出する。そして、ステップST33へ移行する。
【0026】
ステップST33においては、相手方からのNSS(非標準機能設定信号)により、デバッグのためのアドレストリガー情報を受信する。次に、ステップST34へ移行する。ステップST34においては、トレース処理を行い、ステップST35へ移行する。ステップST35においては、トレース結果をNSF信号に入れて返送する。次に、ステップST36へ移行する。ステップST36においては、DCN(切断命令信号)受信か否かを判定する。DCN受信でない場合は、ステップST32に戻り、次の処理に備える。一方、DCN受信の場合は、それにて処理を終了する。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、プログラムの実行履歴データを格納するメモリを備えているので、客先などで専用デバッグ装置を付けることなく、デバッグを行うことができる。
【0028】
また、実行履歴データを格納するためのトリガー条件は、通信回線を介して遠隔装置から受信するものであるから、遠隔からデバッグできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が実施されるインターネット・ファクシミリ・システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同システムのインターネット・ファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態インターネット・ファクシミリ装置のサンプルトレースモードの登録処理を説明するフロー図である。
【図4】同実施形態インターネット・ファクシミリ装置のトレーストリガーモードの登録処理を説明するフロー図である。
【図5】同実施形態インターネット・ファクシミリ装置で通信回線より、トリガー条件などを受信する場合の処理を説明するフロー図である。
【図6】同実施形態インターネット・ファクシミリ装置において、サンプルトレースモードにおけるデバッグ内容を説明する図である。
【図7】同サンプルトレースモードにおけるデバッグ時のアドレスと処理内容を説明するための図である。
【図8】同実施形態インターネット・ファクシミリ装置において、トレーストリガーモードにおけるデバッグ内容を説明する図である。
【図9】同トレーストリガーモードにおけるデバッグ時のアドレスと処理内容を説明するための図である。
【符号の説明】
1 MPU
2 ROM
3 RAM
4 画像メモリ
5 操作パネル
6 表示部
7 バス
8 NCU
9 モデム
10 スキャナ
11 プリンタ
12 CODEC
13 LAN I/F
14 電話回線
15 LAN
16 インターネット

Claims (3)

  1. 画像読み取り部と、画像記録部と、CPUと、装置制御用プログラムを格納したメモリと、前記プログラムの実行履歴データを格納するメモリとを備え、前記実行履歴データを格納するためのトリガー条件は通信回線を介して遠隔装置から受信するものであり、前記遠隔装置よりのトリガー条件を受信するとトレース処理を行い、そのトレース結果を前記遠隔装置に送信することを特徴とする通信端末装置。
  2. 前記トリガー条件の受信、前記トレース処理及び前記トレース結果の送信からなる一連の処理は、前記遠隔装置の対応に応じて繰り返し可能であることを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
  3. 前記トリガー条件の受信及び前記トレース結果の送信は、ファクシミリ手順信号で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信端末装置。
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