JP3598248B2 - 植栽用保水排水ブロックおよび植栽用保水排水ブロックを用いた施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建物の屋上やテラスなどの人工地盤などを植栽する際に使用される植栽用保水排水ブロックおよび植栽用保水排水ブロックを用いた施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市緑化の一環として建物の屋上やテラスなどの人工地盤上に土壌を敷設し、植栽を施すことが行われている。この場合、スラブには、荷重制限があり、軽量性が要求されるとともに、雨水や散水のために排水性が必要となる他、建物の屋上などは、風当たりの強い場所であることから、土壌が乾燥しやすく、保水性も要求される。また、植物にとっては、酸素を摂取する必要があることから、通気性をも要求される。これらの環境を備えることにより、植物は、湿潤状態の空気層から酸素、水分、養分を根を通して摂取し、生育するものである。
【0003】
このような観点から、人工地盤を植栽するに際しては、特開平6−225627号公報および特開平5−115220号公報に記載される植栽用パネルが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した植栽用パネルは、平坦な人工地盤上に設置されることから、このような植栽用パネルを人工地盤の傾斜面に配置し、その上に透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成し、植栽を施すために作業者が客土層上に乗った際や豪雨時においては、土壌が不安定となり、傾斜面を滑落するおそれがある。
【0005】
また、傾斜面の上部(法肩)の土壌は乾燥が早く、水分不足になりやすいのに対し、その下部(法尻)の土壌は上部からの水分が流入して過剰気味となることから、傾斜面の上部と下部とでは、土壌水分を均一に維持することができない。この結果、傾斜面の上部と下部とで植物の生育状態が異なったり、植物が枯れるなどのおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、人工地盤や盛土などの傾斜面に植栽を施すことのできる植栽用保水排水ブロックおよび植栽用ブロックを用いた施工方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上面と、上面の前後端縁および左右端縁にそれぞれ連続する前後側面および左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略台形状に形成され、前記上面に少なくとも1個の貯水部が形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面とを突き合わせて順次配設することができる。そして、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することができる。
【0009】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができるとともに、客土層上に作業者が乗った場合や豪雨時においても、客土層は階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックによって安定して支持され、客土層の滑落を確実に防止することができる。また、客土層に散布された灌水や雨水は、客土層および透水シートを浸透して各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留され、蒸発水として客土層の底部を潤して客土層の乾燥を遅延させることから、客土層の法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。さらに、貯水部から溢れ出た余剰水は、前後側面や左右側面を伝って人工地盤などの傾斜面に達し、傾斜底面の排水通路を通過して速やかに排水される。
【0010】
本発明において、前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する少なくとも1個の縦排水溝が形成されていると、各植栽用保水排水ブロックの貯水部から溢れ出た余剰水は、縦排水溝を通しても人工地盤などの傾斜面に流下する。したがって、各植栽用保水排水ブロック毎に余剰水を排水することができ、法尻側の植栽用保水排水ブロックに余剰水が集まることを確実に防止できる。
【0011】
本発明において、貯水部に上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部が形成されていると、植栽用保水排水ブロックに透水シートを敷設することにより、上面と、凸部の頂面に支持された透水シートとの間に空隙部を形成することができる。この空隙部は、貯水部に貯留された水の蒸発水により湿気が充満した状態となるため、客土層に植物の根に酸素と水分あるいは養分水を供給することが可能となり、植物にとって好ましい生育環境を付与することができる。
【0012】
本発明において、上面に複数個の貯水部が形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成されていると、貯水部から溢れ出た余剰水を排水溝を通しても前後側面や左右側面に導くことができことから、より速やかに人工地盤などの傾斜面に排水することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、客土層に散水された灌水や雨水は、各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留されるので、この貯水部からの蒸発水により客土層の底部に水分を供給することができる。したがって、客土層に植栽を施した場合、植物の根は、客土層に供給された水分を吸水することができるとともに、透水シートを突き破って侵入してきた植物の根は、貯水部に貯留された水から直接吸水することができ、植物を順調に生育することができる。
【0015】
請求項6記載の発明は、高さが異なる少なくとも2個以上の上面と、最下方の上面の前端縁に連続する前側面と、最上方の上面の後端縁に連続し、前記前側面と同一高さの後側面と、上方の上面の前端縁およびその下方の上面の後端縁に連続する1個または複数個の中間前側面と、各上面、前後側面および中間前側面の各左右端縁にそれぞれ連続する左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略階段状に形成され、前記各上面に少なくとも1個の貯水部がそれぞれ形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面とを突き合わせて順次配設することができる。そして、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することができる。
【0017】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができるとともに、客土層上に作業者が乗った場合や豪雨時においても、客土層は階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックによって安定して支持され、客土層の滑落を確実に防止することができる。また、客土層に散布された灌水や雨水は、客土層および透水シートを浸透して各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留され、蒸発水として客土層の底部を潤して客土層の乾燥を遅延させることから、客土層の法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。さらに、貯水部から溢れ出た余剰水は、前後側面や左右側面を伝って人工地盤などの傾斜面に達し、傾斜底面の排水通路を通過して速やかに排水される。
【0018】
本発明において、前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する1個または複数個の縦排水溝が形成され、また、少なくとも1個の中間前側面にその上端縁から下端縁にかけて縦排水溝が形成されるとともに、該縦排水溝と傾斜底面の排水通路とを連通する排水孔が形成されていると、各植栽用保水排水ブロックの貯水部から溢れ出た余剰水は、縦排水溝を通しても人工地盤などの傾斜面に流下する。したがって、各植栽用保水排水ブロック毎に余剰水を排水することができ、法尻側の植栽用保水排水ブロックに余剰水が集まることを確実に防止できる。
【0019】
本発明において、各上面の貯水部に該上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部がそれぞれ形成されていると、植栽用保水排水ブロックに透水シートを敷設することにより、各上面と、凸部の頂面に支持された透水シートとの間にそれぞれ空隙部を形成することができる。この空隙部は、貯水部に貯留された水の蒸発水により湿気が充満した状態となるため、客土層に植物の根に酸素と水分あるいは養分水を供給することが可能となり、植物にとって好ましい生育環境を付与することができる。
【0020】
本発明において、各上面に複数個の貯水部がそれぞれ形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成され、また、最下方の上面の前端縁および最上方の上面の後端縁に前記排水溝の略半分の大きさの切欠部が形成されていると、各上面の各貯水部から溢れ出た余剰水を各上面の排水溝を通しても前後側面や左右側面に導くことができることから、より速やかに人工地盤などの傾斜面に排水することができる。また、法尻側の植栽用保水排水ブロックと、法肩側の植栽用保水排水ブロックとを突き合わせることにより、それらの後端縁および前端縁の切欠部によって形成される排水溝を通してもが前後側面や左右側面に導くことができる。
【0021】
請求項10記載の発明は、請求項6、7、8または9記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、客土層に散水された灌水や雨水は、各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留されるので、この貯水部からの蒸発水により客土層の底部に水分を供給することができる。したがって、客土層に植栽を施した場合、植物の根は、客土層に供給された水分を吸水することができるとともに、透水シートを突き破って侵入してきた植物の根は、貯水部に貯留された水から直接吸水することができ、植物を順調に生育することができる。
【0023】
請求項11記載の発明は、高さが異なる少なくとも2個以上の上面と、最下方の上面の前端縁に連続する前側面と、最上方の上面の後端縁に連続する後側面と、上方の上面の前端縁およびその下方の上面の後端縁に連続する1個または複数個の中間前側面と、各上面、前後側面および中間前側面の各左右端縁にそれぞれ連続する左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略階段状に形成され、前記各上面に少なくとも1個の貯水部がそれぞれ形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面とを突き合わせて順次配設することができる。そして、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することができる。
【0025】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができるとともに、客土層上に作業者が乗った場合や豪雨時においても、客土層は階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックによって安定して支持され、客土層の滑落を確実に防止することができる。また、客土層に散布された灌水や雨水は、客土層および透水シートを浸透して各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留され、蒸発水として客土層の底部を潤して客土層の乾燥を遅延させることから、客土層の法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。さらに、貯水部から溢れ出た余剰水は、前後側面や左右側面を伝って人工地盤などの傾斜面に達し、傾斜底面の排水通路を通過して速やかに排水される。
【0026】
本発明において、前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する1個または複数個の縦排水溝が形成され、また、少なくとも1個の中間前側面にその上端縁から下端縁にかけて縦排水溝が形成されるとともに、該縦排水溝と傾斜底面の排水通路とを連通する排水孔が形成されていると、各植栽用保水排水ブロックの貯水部から溢れ出た余剰水は、縦排水溝を通しても人工地盤などの傾斜面に流下する。したがって、各植栽用保水排水ブロック毎に余剰水を排水することができ、法尻側の植栽用保水排水ブロックに余剰水が集まることを確実に防止できる。
【0027】
本発明において、各上面の貯水部に該上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部がそれぞれ形成されていると、植栽用保水排水ブロックに透水シートを敷設することにより、各上面と、凸部の頂面に支持された透水シートとの間にそれぞれ空隙部を形成することができる。この空隙部は、貯水部に貯留された水の蒸発水により湿気が充満した状態となるため、客土層に植物の根に酸素と水分あるいは養分水を供給することが可能となり、植物にとって好ましい生育環境を付与することができる。
【0028】
本発明において、各上面に複数個の貯水部がそれぞれ形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成されていると、各上面の各貯水部から溢れ出た余剰水を各上面の排水溝を通しても前後側面や左右側面に導くことができることから、より速やかに人工地盤などの傾斜面に排水することができる。
【0029】
請求項15記載の発明は、請求項11、12、13または14記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、客土層に散水された灌水や雨水は、各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留されるので、この貯水部からの蒸発水により客土層の底部に水分を供給することができる。したがって、客土層に植栽を施した場合、植物の根は、客土層に供給された水分を吸水することができるとともに、透水シートを突き破って侵入してきた植物の根は、貯水部に貯留された水から直接吸水することができ、植物を順調に生育することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1乃至図4には、本発明の植栽用保水排水ブロック1の一実施形態が示されている。
【0033】
この植栽用保水排水ブロック1は、人工地盤、例えば、傾斜面sを有する建物Bの屋上スラブS上に客土層Kを形成して植栽を施す場合に使用され(図6参照)、上面2と、この上面2の前後端縁にそれぞれ連続する前側面3および後側面4と、これらの上面2および前後側面3,4の左右端縁にそれぞれ連続する左側面5および右側面6と、これらの前後側面3,4および左右側面5,6の下端縁に連続する傾斜底面7と、を有して縦断面略台形状に形成され、傾斜底面7の勾配は、屋上スラブSの傾斜面sの勾配に対応して設定されている。
【0034】
そして、上面2には、上方より見て正方形状の1個の貯水部8が該上面2よりも陥没して形成されている他、該貯水部8には、頂面が上面2よりも上方に突出して同一平面上に位置するように設定された円錐台形状の凸部9が縦横方向にそれぞれ設定間隔をおいて複数個ずつ形成されている。また、傾斜底面7には、その後端縁から前端縁にかけて1個の排水通路71が形成されている。さらに、後側面4には、その上端縁から傾斜底面7の排水通路71に連通する1個の縦排水溝41が形成されている。
【0035】
なお、この実施形態の植栽用保水排水ブロック1においては、上方より見て正方形状の1個の貯水部8を形成した場合を例示したが、円形や多角形状であってもよく、その形状および個数は任意に設定することができる他、その底面についても、平面である必要はなく、傾斜面や波形面など任意に形成することができる。
【0036】
また、円錐台形状の凸部9を例示したが、角錐台や柱体であってもよく、その個数も任意に設定することができる。
【0037】
さらに、後側面4に縦排水溝41を形成した場合を例示したが、前側面3に縦排水溝を形成してもよく、また、前後両側面3,4にそれぞれ縦排水溝を形成してもよい。この場合、植栽用保水排水ブロック1の横幅に応じて任意の数の縦排水溝を形成することもできる。
【0038】
ここで、植栽用保水排水ブロック1の材質としては、耐久性に優れるとともに、圧縮強度に優れた発泡ポリスチレンが好ましいが、発泡したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、塩化ビニル、エポキシ、ユリア、ポリウレタンなどの樹脂の他、合成ゴム、レジンコンクリートを使用することもできる。例えば、植栽用保水排水ブロック1は、発泡剤を含有したポリスチレンなどの発泡性樹脂粒子を予備発泡し、これを成形型内で蒸気などの加熱媒体により発泡成形したビーズ成形品が好適に使用される。具体的には、発泡倍率40倍の発泡ポリスチレンのビーズ成形品の密度は、0.025g/cm3 である。したがって、成形品の空隙率を、例えば、40%とした場合、植栽用保水排水ブロック1の密度は、約0.15t/m3 の超軽量となり、屋上スラブSを含む建物Bの躯体に作用する負荷を軽減することができる。
【0039】
このような植栽用保水排水ブロック1を用いて屋上スラブSを植栽緑化する場合は、次の手順にしたがって行われる。
【0040】
まず、建物Bの屋上を形成する防水処理された屋上スラブSの傾斜面sにその法尻から法肩に向かって法尻側の植栽用保水排水ブロック1の後側面4と法肩側の植栽用保水排水ブロック1の前側面3を突き合わせるとともに、傾斜底面7を下方に向けて順次配設する(図5参照)。そして、屋上スラブSの傾斜面sに階段状に配設された複数個の植栽用保水排水ブロック1・・に土木用透水シートなどの透水シート(図示せず)を敷設した後、植栽用土壌を敷設して客土層Kを形成する。次いで、客土層Kに、例えば、芝などを植物Pを移植して植栽緑化するものである(図6参照)。
【0041】
なお、植栽緑化する屋上スラブSの面積が大きい場合には、植栽用保水排水ブロック1の横寸法をより大きく形成し、その左右側面5,6を突き合わせて傾斜面sの左右方向にも植栽用保水排水ブロック1を配設すればよい。
【0042】
ここで、透水シートは、土壌の流出を防止するもので、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルやナイロンなどのシート、あるいは、一般に「ジオテキスタイル」と称される、例えば、積水化成品工業株式会社製の「ソイレンフィルターA」(商品名)などの土木用不織布が用いられる。
【0043】
また、客土層Kとしては、例えば、軽量土壌からなる人工土壌や天然土壌が用いられる。
【0044】
なお、屋上スラブSの傾斜面sの法尻には、通水孔を有する支持部材J(図6参照)、例えば、パンチングメタルなどが設けられており、この支持部材Jによって屋上スラブSの傾斜面sの法尻に配設される最下段の植栽用保水排水ブロック1を支持してその滑落を防止するとともに、客土層Kの流出を防止している。
【0045】
このようにして屋上スラブSを植栽緑化した場合、散水された水や雨水は、客土層Kおよび図示しない透水シートを浸透して各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8に一旦貯留される。そして、各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8から溢れ出た余剰水は、前後側面3,4や左右側面5,6を伝って、または、縦排水溝41を経て屋上スラブSの傾斜面sに流れ込む。屋上スラブSの傾斜面sに達した余剰水は、傾斜底面7の排水通路71を通過して屋上スラブSの傾斜面sに沿って流下し、最終的に支持部材Jを経て屋上スラブSに形成された排水路C(図6参照)を経て流出する。
【0046】
したがって、各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8に一定量の水を貯留することができるので、この貯水部8からの蒸発水により客土層Kの底部および植物Pの根に水分を供給することができるとともに、客土層Kの乾燥を遅延させることができる。また、透水シートを突き破って侵入してきた植物Pの根は、貯水部8に貯留された水から直接吸水することができる。
【0047】
一方、植栽用保水排水ブロック1上に敷設された透水シートは、その凸部9の頂面に支持されるため、該土木用透水シートと植栽用保水排水ブロック1の上面2との間に空隙部を形成することができる。この空隙部には、蒸発水分によって湿気が充満しており、透水シートの上側にある植物Pの根、あるいは透水シートを突き破って侵入してきた植物Pの根に空隙部の酸素と水分あるいは養分水を供給することができる。このため、空隙部は、植物Pにとって好ましい生育環境である湿潤状態の通気層と保水層を形成するものである。
【0048】
さらに、各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8から溢れ出た余剰水は、前後側面3,4や左右側面5,6を伝って、または、縦排水溝41を経て屋上スラブSの傾斜面sに達し、傾斜底面7の排水通路71を通して排水されることから、各植栽用保水排水ブロック1によって流出が遮られることはない。また、各植栽用保水排水ブロック1の傾斜底面7の排水通路71は、通気層としても機能する。
【0049】
なお、各植栽用保水排水ブロック1の後側面4に形成された縦排水溝41は、隣接する植栽用保水排水ブロック1,1の突き合わせ面が密封される場合においても、貯水部8から溢れ出た余剰水を確実に屋上スラブSの傾斜面Sに導くために設けられる。例えば、隣接する植栽用保水排水ブロック1の後側面4と前側面3とを接着剤などで接合する場合、または、植栽用保水排水ブロック1に作用する客土層Kの負荷を受けて下方の植栽用保水排水ブロック1を押圧し、両植栽用保水排水ブロック1,1の突き合わせ面が密封される場合、貯水部8から溢れ出た余剰水は、後側面4の縦排水溝41から傾斜底面7の排水通路71に導かれ、屋上スラブSの傾斜面sに沿って流下することになる。このため、法尻側の植栽用保水排水ブロック1に余剰水が集中するのを防止することができる。
【0050】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができる。また、植栽を施す際などに客土層K上に作業者が乗った場合においても、または、豪雨時においても、客土層Kは植栽用保水排水ブロック1によって安定して支持され、客土層Kが滑落することを確実に防止することができるとともに、屋上スラブSの傾斜面sに形成された客土層Kにおける法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。
【0051】
一方、図7には、前述した植栽用保水排水ブロック1の一実施形態の変形例が示されている。
【0052】
この植栽用保水排水ブロック1も、上面2と、上面2の前後端縁にそれぞれ連続する前側面3および後側面4と、上面2および前後側面3,4の左右端縁にそれぞれ連続する左側面5および右側面と、これらの前後側面3,4および左右側面5,6の下端縁に連続し、屋上スラブSの傾斜面sの勾配に対応する勾配に設定された傾斜底面7と、を有して縦断面略台形状に形成されている。
【0053】
そして、上面2には、上方より見て正方形状の貯水部8が該上面2よりも陥没して縦横方向にそれぞれ設定間隔をおいて複数個ずつ形成されている他、各貯水部8には、頂面が上面2よりも上方に突出して同一平面上に位置するように設定された円錐台形状の凸部9が縦横方向にそれぞれ設定間隔をおいて複数個ずつ形成されている。また、上面2には、その前後端縁および左右端縁にかけて隣接する貯水部8,8を区画する排水溝21がそれぞれ形成されている。さらに、傾斜底面7には、その後端縁から前端縁にかけて複数個の排水通路71が形成されている。また、後側面4には、その上端縁から傾斜底面7の排水通路71に連通する複数個の縦排水溝41が形成されている。
【0054】
この実施形態においても、貯水部8や凸部9の形状および個数を任意に設定することができる他、縦排水溝を前側面3、または、前後両側面3,4に形成してもよい。
【0055】
このような植栽用保水排水ブロック1を用いて屋上スラブSを植栽緑化する場合も、屋上スラブSの傾斜面sにその法尻から法肩に向かって法尻側の植栽用保水排水ブロック1の後側面4と法肩側の植栽用保水排水ブロック1の前側面3を突き合わせるとともに、傾斜底面7を下方に向けて順次配設した後(図8参照)、透水シートを敷設するとともに、客土層Kを形成して植栽を施せばよい。
【0056】
この場合、図1に示した植栽用保水排水ブロック1の上面2の縦寸法よりも本実施形態の植栽用保水排水ブロック1の上面2の縦寸法が大きくなり、客土層Kをより安定して支持することができる。
【0057】
この植栽用保水排水ブロック1を用いて植栽緑化した場合においても、各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8に一定量の水を貯留することができることから、貯水部8からの蒸発水により客土層Kの底部および植物Pの根に水分を供給することができるとともに、客土層Kの乾燥を遅延させることができる。
【0058】
また、透水シートと植栽用保水排水ブロック1の上面2との間に形成される空隙部には、蒸発水分によって湿気が充満し、透水シートの上側にある植物Pの根、あるいは土木用透水シートを突き破って侵入してきた植物Pの根に空隙部の酸素と水分あるいは養分水を供給することができる。
【0059】
さらに、各植栽用保水排水ブロック1の上面2から溢れ出た余剰水は、前後側面3,4や左右側面5,6を伝って、あるいは、縦排水溝41を経て屋上スラブSの傾斜面sに達し、傾斜底面7の排水通路71を通して排水される。
【0060】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができる。また、植栽を施す際などに客土層K上に作業者が乗った場合においても、または、豪雨時においても、客土層Kは植栽用保水排水ブロック1によって安定して支持され、客土層Kが滑落することを確実に防止することができるとともに、屋上スラブSの傾斜面sに形成された客土層Kにおける法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。
【0061】
さらに、図9および図10には、本発明の植栽用保水排水ブロック1の他の実施形態が示されている。
【0062】
この植栽用保水排水ブロック1は、高さが異なる2個の上面2A,2Bと、下方の上面2Aの前端縁に連続する前側面3と、上方の上面2Bの後端縁に連続し、前側面3と同一高さに形成された後側面4と、上方の上面2Bの前端縁および下方の上面2Aの後端縁に連続する1個の中間前側面10と、各上面2A,2B、前後側面3,4および中間前側面10の左右端縁にそれぞれ連続する左側面5および右側面6と、前後側面3,4および左右側面5,6の下端縁に連続し、屋上スラブSの傾斜面sの勾配に対応する勾配に設定された傾斜底面7とを有して縦断面略階段状に形成されている。
【0063】
そして、下方の上面2Aには、該上面2Aよりも陥没する貯水部8Aが横方向に設定間隔をおいて複数個形成されている他、各貯水部8Aには、頂面が上面2Aよりも上方に突出して同一平面上に位置するように設定された凸部9Aが縦横方向にそれぞれ設定間隔をおいて複数個ずつ形成されている。また、上面2Aには、その前後端縁にかけて隣接する貯水部8A,8Aを区画する排水溝21Aが形成されるとともに、その前端縁には、前述した排水溝21Aの略半分の大きさの切欠部21xが形成されている。
【0064】
一方、上方の上面2Bにも、該上面2Bよりも陥没する貯水部8Bが横方向に設定間隔をおいて複数個形成されている他、各貯水部8Bには、頂面が上面2Bよりも上方に突出して同一平面上に位置するように設定された凸部9Bが縦横方向にそれぞれ設定間隔をおいて複数個ずつ形成されている。また、上面2Bには、その前後端縁にかけて隣接する貯水部8B,8Bを区画する排水溝21Bが形成されるとともに、その後端縁には、前述した排水溝21Bの略半分の大きさの切欠部21xが形成されている。
【0065】
この場合、下方の上面2Aに形成された貯水部8A、凸部9Aおよび排水溝21Aと、上方の上面2Bに形成された貯水部8B、凸部9Bおよび排水溝21Bとは、同一に設定されている。
【0066】
また、傾斜底面7には、その後端縁から前端縁にかけて複数個の排水通路71が形成されている。
【0067】
さらに、中間前側面10には、その上端縁から下端縁にかけて複数個の縦排水溝101が形成されるとともに、各縦排水溝101に連続して傾斜底面7の排水通路7に連通する排水孔101a(図10参照)が形成されている。
【0068】
また、前側面3または後側面4にも、縦排水溝を形成してもよい。
【0069】
このような植栽用保水排水ブロック1を用いて屋上スラブSを植栽緑化する場合も、前述した実施形態の場合と同様に施工される。
【0070】
すなわち、まず、建物Bの屋上スラブSの傾斜面sにその法尻から法肩に向かって法尻側の植栽用保水排水ブロック1の後側面4と法肩側の植栽用保水排水ブロック1の前側面3を突き合わせて順次配設し(図11参照)、屋上スラブSの傾斜面sに階段状に配設された複数個の植栽用保水排水ブロック1・・に透水シートを敷設した後、植栽用土壌を敷設して客土層Kを形成し、客土層Kを植栽緑化するものである。
【0071】
ここで、法尻側の植栽用保水排水ブロック1の後側面4と法肩側の植栽用保水排水ブロック1の前側面3とを突き合わせた場合、前後側面3,4は同一高さであることから、法尻側の植栽用保水排水ブロック1の上方の上面2Bと、法肩側の植栽用保水排水ブロック1の下方の上面2Aとが連続する平面を形成するように配設されるとともに、法尻側の植栽用保水排水ブロック1の上方の上面2Bの後端縁に形成された切欠部21xと、法肩側の植栽用保水排水ブロック1の下方の上面2Aの前端縁に形成された切欠部21xとによって左右端縁にかけて排水溝21が、それらの排水溝21A,21Bと連続して形成される。
【0072】
本実施形態の植栽用保水排水ブロック1においては、図7に示した実施形態の植栽用保水排水ブロック1と比較して、隣接する植栽用保水排水ブロック1の前側面3と後側面4との接触面積が増大することから、客土層Kをより安定して支持することができる。
【0073】
この実施形態においても、各植栽用保水排水ブロック1の貯水部8A,8Bに一定量の水を貯留することができることから、貯水部8A,8Bからの蒸発水により客土層Kの底部および植物Pの根に水分を供給することができるとともに、客土層Kの乾燥を遅延させることができる。
【0074】
また、透水シートと植栽用保水排水ブロック1の上面2との間に形成される空隙部には、蒸発水分によって湿気が充満することから、植物Pにとって好ましい生育環境を形成することができる。
【0075】
さらに、各植栽用保水排水ブロック1の各貯水部8から溢れ出た余剰水は、排水路21を経て、または、直接前後側面3,4や左右側面5,6を伝って屋上スラブSの傾斜面sに達し、傾斜底面7の排水通路71を通過して排水される。また、中間前側面10の縦排水溝101および排水孔101aを経ても傾斜底面7の排水通路71に導かれ、屋上スラブSの傾斜面sに沿って流下することになる。このため、各植栽用保水排水ブロック1毎に確実に排水することができ、法尻側の植栽用保水排水ブロック1に余剰水が集中するのを防止することができる。
【0076】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができる。また、植栽を施す際などに客土層K上に作業者が乗った場合においても、または、豪雨時においても、客土層Kは植栽用保水排水ブロック1によって安定して支持され、客土層Kが滑落することを確実に防止することができるとともに、屋上スラブSの傾斜面sに形成された客土層Kにおける法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。
【0077】
図9に示した実施形態においては、2個の上面2A,2Bを有する植栽用保水排水ブロック1を例示したが、取扱性を阻害しない範囲でさらに多くの上面2を形成して多段とすることもできる。この際、最下方の上面2Aと、最上方の上面2Bとの間に形成される1個以上の上面の大きさは、最下方の上面2Aおよび最上方の上面2Bを足し合わせた大きさとなる。このように、さらに多段に形成すると、屋上スラブSに運び込む植栽用保水排水ブロック1の個数が削減され、作業が軽減される利点がある。
【0078】
また、図9に示した植栽用保水排水ブロック1についても、それらの左右側面5,6を突き合わせて左右方向にも配設することができる。この場合は、突き合わせ部に排水溝21が形成されるように、各上面2,2A,2Bの左右端縁に排水溝の略半分の大きさの切欠部21xを形成することが好ましい。
【0079】
さらに、図12には、図9に示した植栽用保水排水ブロック1の変形例が示されている。
【0080】
この植栽用保水ブロック1は、図1に示した植栽用保水排水ブロック1を複数個(図面においては5個)一体に成形したものであるが、図7に示した植栽用保水排水ブロック1を複数個一体に形成してもよく、その個数は任意に設定される。
【0081】
この実施形態においては、前側面3に縦排水溝31が形成される他、任意の1個の中間前側面10にその上端縁から下端縁にかけて複数個の縦排水溝101が形成されるとともに、各縦排水溝101と傾斜底面7の排水通路7とに連通する排水孔101aが形成された場合を示している。
【0082】
このような植栽用保水排水ブロック1を用いて屋上スラブSを植栽緑化する場合も、前述した手順にしたがって行えばよく、その詳細な説明は省略する。
【0083】
この実施形態においても、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができる。また、植栽を施す際などに客土層K上に作業者が乗った場合においても、または、豪雨時においても、客土層Kは植栽用保水排水ブロック1によって安定して支持され、客土層Kが滑落することを確実に防止することができるとともに、屋上スラブSの傾斜面sに形成された客土層Kにおける法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。
【0084】
なお、前述した実施形態においては、人工地盤としての建物Bの屋上スラブSの傾斜面sに植栽用保水排水ブロック1を配設した場合を例示したが、このような人工地盤に配設する場合に限定するものではなく、例えば、道路や河川などの盛土の傾斜面に配設して植栽を施すようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面とを突き合わせて順次配設することができる。そして、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することができる。
【0086】
この結果、人工地盤などの傾斜面に客土層を形成する際、雨などに影響されることなく作業を行うことができるとともに、客土層上に作業者が乗った場合や豪雨時においても、客土層は階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックによって安定して支持され、客土層の滑落を確実に防止することができる。また、客土層に散布された灌水や雨水は、客土層および透水シートを浸透して各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留され、蒸発水として客土層の底部を潤して客土層の乾燥を遅延させることから、客土層の法尻側および法肩側の水分を均一に維持することができる。さらに、貯水部から溢れ出た余剰水は、前後側面や左右側面を伝って人工地盤などの傾斜面に達し、傾斜底面の排水通路を通過して速やかに排水される。
【0087】
また、本発明によれば、客土層に散水された灌水や雨水は、各植栽用保水排水ブロックの貯水部に一旦貯留されるので、この貯水部からの蒸発水により客土層の底部に水分を供給することができる。したがって、客土層に植栽を施した場合、植物の根は、客土層に供給された水分を吸水することができるとともに、透水シートを突き破って侵入してきた植物の根は、貯水部に貯留された水から直接吸水することができ、植物を順調に生育することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植栽用保水排水ブロックの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の植栽用保水排水ブロックの側面図である。
【図3】図1の植栽用保水排水ブロックの正面図である。
【図4】図1の植栽用保水排水ブロックの背面図である。
【図5】図1の植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に沿って複数個配設した状態を一部破断して示す側面図である。
【図6】図1の植栽用保水排水ブロックを用いて人工地盤などの傾斜面に植栽を施した状態を示す横断面図である。
【図7】本発明の植栽用保水排水ブロックの一実施形態の変形例を一部省略して示す斜視図である。
【図8】図7の植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に沿って複数個配設した状態を一部破断して示す側面図である。
【図9】本発明の植栽用保水排水ブロックの他の実施形態を一部省略して示す斜視図である。
【図10】図9の植栽用保水排水ブロックを一部破断して示す側面図である。
【図11】図9の植栽用保水排水ブロックを人工地盤などの傾斜面に沿って複数個配設した状態を一部破断して示す側面図である。
【図12】本発明の植栽用保水排水ブロックの他の実施形態の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 植栽用保水排水ブロック
2,2A,2B 上面
21,21A,21B 排水溝
3 前側面
31 縦排水溝
4 後側面
41 縦排水溝
5 左側面
6 右側面
7 傾斜底面
71 排水通路
8,8A,8B 貯水部
9,9A,9B 凸部
10 中間前側面
101 縦排水溝
101a 排水孔
S 屋上スラブ
s 傾斜面
K 客土層
P 植物
Claims (15)
- 上面と、上面の前後端縁および左右端縁にそれぞれ連続する前後側面および左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略台形状に形成され、前記上面に少なくとも1個の貯水部が形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とする植栽用保水排水ブロック。
- 前記前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する少なくとも1個の縦排水溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記貯水部に上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記上面に複数個の貯水部が形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の植栽用保水排水ブロック。
- 請求項1、2、3または4記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とする施工方法。
- 高さが異なる少なくとも2個以上の上面と、最下方の上面の前端縁に連続する前側面と、最上方の上面の後端縁に連続し、前記前側面と同一高さの後側面と、上方の上面の前端縁およびその下方の上面の後端縁に連続する1個または複数個の中間前側面と、各上面、前後側面および中間前側面の各左右端縁にそれぞれ連続する左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略階段状に形成され、前記各上面に少なくとも1個の貯水部がそれぞれ形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とする植栽用保水排水ブロック。
- 前記前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する1個または複数個の縦排水溝が形成され、また、少なくとも1個の中間前側面にその上端縁から下端縁にかけて縦排水溝が形成されるとともに、該縦排水溝と傾斜底面の排水通路とを連通する排水孔が形成されていることを特徴とする請求項6記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記各上面の貯水部に該上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項6または7記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記各上面に複数個の貯水部がそれぞれ形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成され、また、最下方の上面の前端縁および最上方の上面の後端縁に前記排水溝の略半分の大きさの切欠部が形成されていることを特徴とする請求項6、7または8記載の植栽用保水排水ブロック。
- 請求項6、7、8または9記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とする施工方法。
- 高さが異なる少なくとも2個以上の上面と、最下方の上面の前端縁に連続する前側面と、最上方の上面の後端縁に連続する後側面と、上方の上面の前端縁およびその下方の上面の後端縁に連続する1個または複数個の中間前側面と、各上面、前後側面および中間前側面の各左右端縁にそれぞれ連続する左右側面と、前後側面および左右側面の各下端縁に連続する傾斜底面とを有して縦断面略階段状に形成され、前記各上面に少なくとも1個の貯水部がそれぞれ形成され、また、前記傾斜底面にその後端縁から前端縁にかけて1個または複数個の排水通路が形成されていることを特徴とする植栽用保水排水ブロック。
- 前記前側面または後側面もしくは前側面および後側面にその上端縁から傾斜底面の排水通路に連通する1個または複数個の縦排水溝が形成され、また、少なくとも1個の中間前側面にその上端縁から下端縁にかけて縦排水溝が形成されるとともに、該縦排水溝と傾斜底面の排水通路とを連通する排水孔が形成されていることを特徴とする請求項11記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記各上面の貯水部に該上面よりも上方に突出する1個または複数個の凸部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項11または12記載の植栽用保水排水ブロック。
- 前記各上面に複数個の貯水部がそれぞれ形成されるとともに、その一端縁から対向する他端縁にかけて隣接する貯水部を区画する排水溝が形成されていることを特徴とする請求項11、12または13記載の植栽用保水排水ブロック。
- 請求項11、12、13または14記載の植栽用保水排水ブロックをその傾斜底面を下方に向けて人工地盤などの傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面を突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックに透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成することを特徴とする施工方法。
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