JP2003082825A - 建築物の屋根構造体 - Google Patents

建築物の屋根構造体

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JP2003082825A JP2002166314A JP2002166314A JP2003082825A JP 2003082825 A JP2003082825 A JP 2003082825A JP 2002166314 A JP2002166314 A JP 2002166314A JP 2002166314 A JP2002166314 A JP 2002166314A JP 2003082825 A JP2003082825 A JP 2003082825A
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building
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源一郎 中村
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/32Roof garden systems

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  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保持材での滞水を防止し得る建築物の屋根構造
体を提供する。 【解決手段】折板4から成る建築物Mの屋根上に形成さ
れ、芝6が育成し得る植生基材が敷設された植生基材層
1(客土層1a及び保水層1b)と、該植生基材層1下
における折板4の谷部4aに配設され、植生基材層1を
略平坦状態に保持するとともに、当該谷部4aとの間で
植生基材層1から浸透した水を排水する通水路7を形成
した保持層3とを備えたものであり、該通水路7により
屋根上の排水効果を向上させ、滞水を防止可能としたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場や一般家屋等
の建築物における折板から成る屋根を緑化させる建築物
の屋根構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気圏のオゾン層破壊等の環境問
題から、各所に草木を植えて緑化を図る緑化運動が展開
されつつあり、工場や一般家屋等の建築物の屋根におい
ても緑化しようとする試みが一部でなされている。かか
る建築物の屋根における緑化として、屋根材上に所定の
厚さで客土を敷設し、この客土に例えば芝等を植える緑
化工法が採用されている。
【0003】然るに、このような緑化工法は、コンクリ
ートで形成された平坦な屋根材の場合は問題がないので
あるが、トタン等の鋼板を波形に折り曲げ成形した折板
にて屋根材が成る建築物の場合、まず、折板の谷部内に
コンクリートを所定厚さで打設して平坦化し、その上に
客土を敷設する必要がある。このような工法では、建築
物自体にコンクリート及び客土の重さに耐え得る強度が
必要となり、施工できる建築物が限定されてしまうとと
もに、建築物の屋根といった高い位置にコンクリートを
打設する必要があり、施工が非常に面倒であるという問
題があった。
【0004】上記工法の問題に鑑み、本出願人は、特願
平10−325471号(特開2000−139199
号公報)にて、屋根材上面に防水シートを敷設した後、
折板の谷部に発泡スチロールやエアーバッ等の軽量な
客土保持材を充填するとともに、該客土保持材と客土と
の間に通水性部材を配設した建築物の屋根構造体につい
て提案した。かかる屋根構造体により、建築物に十分な
強度を必要とせずに既存の建築物にも容易に施工すると
ともに、長年にり良好な緑化状態を得ることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記建
築物の屋根構造体においては、折板の谷部全部が客土保
持材で充填されているため、客土にまかれた水(雨水も
含む)が通水性部材を透過した後、客土保持材内で滞水
してしまうという問題があった。即ち、客土にまかれた
水には土内の有機物等が多量混入しているため、滞水す
ると腐敗し易く、異臭等が生じる他、客土に植生した植
物にも悪影響を及ぼす虞があるとともに、客土保持材内
で滞水すると、その分屋根材上の荷重が増すので、建築
物に対しても悪影響を及ぼす虞があった。
【0006】一方、上記従来の建築物の屋根構造体にお
いては、屋根材への荷重の軽減を図るべく、敷設する客
土を植物が生育できる最低限の厚さとする必要があるた
め、客土の保水量だけでは長期の植生が困難となってい
た。即ち、雨水や作業員による散水では、水はすぐに客
土保持材まで通過してしまい、植物の根から吸収するこ
とができる水が乏しくなってしまうのである。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、第1の目的は、保持材での滞水を防止して腐
敗又は異臭の発生等を防止することにあり、第2の目的
は、保持材での滞水を防止しつつ植物の生育に必要な所
定量の水を保持し得る建築物の屋根構造体を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
折板から成る建築物の屋根上に形成され、植物が生育
得る植生基材が敷設された植生基材層と、該植生基材層
下における前記折板の谷部に配設され、前記植生基材層
を略平坦状態に保持するとともに、当該谷部との間で前
記植生基材層から浸透した水を排水する通水路を形成し
た保持層とを備えたことを特徴とする。
【0009】かかる構成によれば、植生基材層上にまか
れた水は.保持層に達して通水路によって排水される。
【0010】請求項2記載の発明は、前記保持層が、前
記折板の谷部の上側を塞ぐように蓋状に設置され、下方
に形成された空間を前記通水路としたことを特徴とす
る。
【0011】請求項3記載の発明は、前記折板上面の少
なくとも一部に防水シートが敷設されたことを特徴とす
る。
【0012】かかる防水シートは、折板上の全面に敷設
する場合と、その一部に敷設する場合の両者を含むもの
であり、一部に敷設する場合、屋根材の防水性に乏しい
箇所(折板の繋ぎ目箇所等)のみを防水シートで覆うよ
うにすることができる。
【0013】請求項4記載の発明は、前記保持層が、軽
量な樹脂形成材、発泡樹脂形成材、中空形成材、多孔の
板材、メッシュ状板材又は金網のいずれか或いはこれら
の組み合わせで形成されたことを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、前記植生基材層と
保持層との間に、不織布又は透水性防根シートから成る
植生基材流出防止層を介在させたことを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、前記植生基材層上
に散水する散水手段が備えられたことを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、前記散水手段で散
水された水及び雨水を貯留する貯留手段を備え、該貯留
手段と前記散水手段との間で水を循環させることを特徴
とする。
【0017】請求項8記載の発明は、前記植生基材層
は、自然素材、人工素材又は産業廃棄物から生成される
多孔質材又は繊維質材から成り、且つ、所定の水を保持
し得る保水性部材を客土に混合又は客土の下に層状に配
置したものであることを特徴とする。
【0018】請求項9記載の発明は、前記植生基材層
は、有機肥料、化学肥料又はこれら肥料を含有する沃土
材を含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら具体的に説明する。本実施形態の建
築物の屋根構造体は、折板から成る建築物の屋根上の緑
化を図るもので、図1及び図2に示すように、折板4上
に形成された保持層3と、植生基材流出防止層2と、植
生基材層1と、散水手段5とから主に構成されている。
尚、折板4は、溶融亜鉛メッキ鋼板や合金メッキ鋼板な
どを波形に折り曲げ形成したもので、凹溝状の谷部4a
と凸状の山部4bとが交互に形成されている。
【0020】植生基材層1は、植物(例えば同図に示す
芝6など)が生育し得る客土が敷設された層であり、具
体的には、自然素材、人工素材、産業廃棄物から生成さ
れる多孔質材又は繊維質材から成り、且つ、所定の水を
保持し得る保水性部材を客土の下に層状に配置したもの
であり、客土から成る客土層1aと保水性部材から成る
保水層1bとから構成されている。
【0021】かかる植生基材層1における客土は、自然
土壌の他、人工軽量土壌など植物が生育し得るあらゆる
客土も含むものとする。また、植生基材層1として、有
機肥料(間代材や剪定材などの植物性廃棄物の発酵生成
材を含む)、化学肥料、又はこれら肥料を含有する沃
土材を用いるのが好ましく、更に、長期間肥料としての
効果を持続させるべく、これら肥料として遅効性のもの
を用いるのが好ましいが、速効性のものであってもよ
い。
【0022】尚、上記保水層1bは、客土層1a下に配
設され、所定量の水を保持し得る層であり、例えば、繊
維くず、シュレッダーダスト、端切れ材、ウッドチッ
プ、おが屑、ゼオライト、バーミュキュライト、鉱物、
火山灰性天然素材、発泡部材(コンクリート、ゴム
等)、多孔性焼成材、セラミックス、スポンジ、微細
管、苔などの園芸用保水材、廃棄性物質、自然性物質、
人工部材などを敷設して成るものである。尚、図7に示
すように、客土に上記保水性部材を混合したものを植生
基材層1’とし、その下に植生基材流出防止層2及び保
持層3を配設するようにしてもよい。
【0023】これにより、植生基材層1の植物に必要な
水分が常時一定量保持され得るとともに、所定量を超え
た水は保持層3側に排水されるよう構成されている。
尚、保水層1bで保持される水は、植物が生育すること
ができる範囲で任意の量を設定することができ、その設
定は、保水層1bの厚さを任意に変えることにより行う
ことができる。
【0024】尚、上記保水層1bは、その周囲がL字鋼
等から成る周壁板9(図1参照)によって包囲されてお
り、この周壁板9のうち、折板4の谷部4aと直交する
位置に配置される周壁板9(図1では一方の周壁板9の
みを示している)には、滑り止め板10が下方に突出す
る状態で固着されている。この滑り止め板10は、谷部
4aの底面との間に間隙を有しており、後述する通水路
7における水の流れを妨げないよう構成されている。
【0025】植生基材流出防止層2は、不織布又は透水
性防根シートから成るものであり、かかる植生基材流出
防止層2が介在することにより、散水時などに植生基材
が通水路7まで流され、折板4上から流出してしまうの
を防止することができるので、本発明に係る建築物の屋
根材構造体における緑化の寿命を向上させることができ
る。
【0026】保持層3は、発泡スチロールから成るもの
であり、保水層1b下における折板4の谷部4aに配設
され、保水層1b及び植生基材層1を略平坦状態に保持
するとともに、当該谷部4aとの間で保水層1bから浸
透した水を排水する通水路7が形成されたものである。
即ち、発泡スチロールを、谷部4aの上側形状に対応し
た断面形状(台形状)に形成しておき、谷部4a上側を
塞ぐように蓋状に設置することにより、植生基材層1
(客土層1a及び保水層1b)が形成される上面を平坦
としつつ下方に空間を形成することができ、この空間が
通水路7とされるのである。
【0027】上記の如く、本実施形態においては、保持
層3を断面が矩形状(台形状)に形成して谷部4aに対
して蓋状に設置しているので、当該保持層3の製造の際
排出される端材を少なくすることができるとともに、そ
の上部に形成される植生基材層1(客土層1a及び保水
層1b)の重量に十分に耐えることができる。
【0028】一方、発泡スチロールをその長さ方向に間
欠的に設置して、当該発泡スチロールの延長方向(即
ち、谷部4aの形成方向)に所定寸法の隙間を形成する
ことにより(図1及び図6における縦断面模式図参
照)、保水層1bを通過した水を確実に通水路7に流動
させて排水効果を維持するよう構成されている。尚、保
持層3の内部に谷部4a方向に延びる孔を予め形成して
おき、該孔を通水路7として構成するようにしてもよ
い。
【0029】また、上記保持層3は、発泡スチロールを
材料として形成されているが、これに代えて種々の材料
で構成することができる。例えば、図3に示すように、
エアーバッから成る保持層3’として、その下部の空
間を通水路7としてもよく、図4に示すように、上面か
ら下面まで貫通した孔が多数形成された多孔板から成る
保持層3″とし、谷部4a全部を通水路7としてもよ
い。ここで、エアーバツクを用いた場合は、発泡スチロ
ールと同様、長さ方向に間欠的に設置して隙間を形成
し、排水効果を維持する必要があるが、多孔板の場合は
当該隙間を不要とすることができる。
【0030】ここで、保持層3としては、軽量な樹脂形
成材、発泡樹脂形成材、中空形成材、多孔の板材、メッ
シュ状の板材又は金網(ワイヤーネツトなど)等を使用
することができ、これら軽量な材料で保持層3を形成す
れば、屋根材への荷重を低減することができ、屋根構造
体のメンテナンスも良好にすることができる。尚、いず
れの材料を用いた場合であっても、保持層3下の通水路
7に対する排水効果は確保しなければならず、排水効果
が低いものを用いる場合には、上記した発泡スチロール
と同様、長さ方向に間欠的に配置して隙間を形成する必
要がある。
【0031】更に、上記発泡スチロール、エアーバッ
及び多孔板のいずれか1種類で保持層3を形成する他、
これらを組み合わせて保持層を形成してもよく、例えば
図5に示すように、多孔板及びエアーバッ(エアーバ
に代えて発泡スチロールとしてもよい)で保持層
3′′′を形成してもよい。尚、使用される多孔板は、
プラスチック等の腐食しない材質のものが好ましいが、
これに代えて又は併用して、メッシュ状の板材(又はシ
ート材)を用いることができる。
【0032】散水手段5は、植生基材層1上に散水する
ためのもので、水道の蛇口等水の供給源(不図示)から
折板4の谷部4aに沿って配設された下部配管5aと、
該下部配管5aの所定位置から上方に立設された上
管5bと、上配管5bの先端に形成された散水器5c
とを有して構成されている。従って、下部配管5aから
供給された水は、上配管5bを通って散水器5cから
散水されるので.より広い範囲で散水することができ
る。
【0033】尚、散水手段は、上記構成に代えて、保
水層1bの上流部(傾斜した屋根材の上側)に水を供給
し得るもの(排水口が保水層1b上流部に位置させたも
の)としてもよい。この場合、植生基材層1に植生した
植物の根に対して水を直接供給することができ、建築物
周囲への水の飛散を防止でき、効率的且つ確実に植物へ
の水の供給を行うことができる。
【0034】よって、このような散水手段5を具備する
ことにより、客土の保水力(保湿力)のみで植物を生育
ていた従来の技術に比べ、それ程厚い植生基材層
1を必要とせず、保水層1bの保水機能との相乗効果
で、当該植生基材層1を比較的薄く形成(本実施形態の
場合、植生基材層1の総厚さが10cm以下とすること
が可能)することができる。従って、屋根材に対する荷
重を軽減することができるとともに、漏水等によって屋
根材の補修が生じた際、植生基材層1(客土層1a及び
保水層1b)を容易に撤去することができる。
【0035】上記散水手段5に代えて、図6に示すよう
な循環型構成のものとしてもよい。同図において、符号
8は建築物M近傍の地下にポンプ8aを内在しつつ埋設
された貯留タンク8(貯留手段)を示しており、該貯留
タンク8の上部側には、建築物Mの樋T(別途設けた樋
であってもよい)から延設された排水管8bが連通さ
れるとともに、ポンプ8aからは上方に散水用配管8d
が延設されている。かかる樋Tには、散水された水の
他、建築物Mの屋根材上に降った雨水も集まるようにな
っているので、これらの水を配水管8bを通して貯留タ
ンク8内に導くことができる。
【0036】この散水用配管8dの先端側は、上記した
屋根材構造体の上方において略平行に延設されたパイプ
から成る 散水手段5′に連通されており、その途中に
複数形成された孔から芝6に対して散水し得るよう構成
されている。即ら、 散水手段5dで散水された水及び
雨水は、樋T及び排水管8bを介して貯留タンク8に貯
留され、その後、貯留された水はポンプ8aにて上方に
汲み上げられ、散水用配管8dを介して▲散水手段5d
から再び散水される。
【0037】こうして貯留タンク8と散水手段▲との間
で水を循環させることにより、新たに供給される散水用
の水量を低減することができ、効率的に節水を図ってラ
ンニングコストを軽減することができるとともに、雨水
を利用しているので上水道に頼らない環境に配慮した屋
根構造体を得ることができる。尚、同図における符号8
eは、貯留タンク8上側から一般水路(下水等)に連通
された排水路を示しており、配水管8bから貯留タンク
8内に流入した水のうち浮遊した不純物を含んだ上澄み
のみを排出して濾過し得るよう構成されている。かかる
濾過構造に代えて、汎用的な濾過フィルタ等を用いるよ
うにしてもよい。
【0038】以上、本実施形態について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば屋根材を
構成する折板4上面の少なくとも一部に防水シートを敷
設してもよい。この防水シートとして、例えばアルミニ
ウム等の金属箔の表面側に耐候樹脂フィルムが一体接合
されるとともに、金属箔の裏面側に補強フィルムを介し
て粘着剤が一体的に設けられて構成されたものが挙げら
れ、このような防水シートによれば、粘着剤が折板4の
表面に接着されることによって敷設可能とすることがで
きる。
【0039】上記防水シートは、折板4全面に亙って敷
設してもよいが、折板4の上面に防水加工(防水用塗布
材の塗布加工等)が施されている場合は、折板4の繋ぎ
目のみに敷設するよう構成するのが好ましい。即ち、折
板4の繋ぎ目等屋根材の防水性に乏しい箇所のみを防水
シートで覆うようにすれば、当該防水シートの敷設作業
を軽減しつつ確実に建築物内への漏水を防止することが
できるのである。
【0040】尚、折板4の繋ぎ目に防水用塗布材を塗布
すれば、防水シートを一切敷設しないようにしてもよ
い。要するに.従来の屋根材構造体の如く、保持層が滞
水してしまうものにおいては、折板4に植物の根が達し
てしまうのを回避すべき観点からも防水シートを屋根材
全面に敷設する必要があったのに対し、本発明の如く通
水路7によって折板4の谷部4aにおける水の滞留が抑
制されたものでは、排水時以外は通気路7内が乾燥した
空気層とされるため、植生基材層1に植生する植物の根
が折板4側に浸入しないので、防水シートは折板4の防
植性の観点からは不要なのである。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、植生基材層上
の水が保持層に達して通水路によって排水されるので、
保持材での滞水を防止することができる。
【0042】請求項2の発明によれば、保持層が折板の
谷部上側に蓋状に設置され、下方に形成された空間を通
水路としたので、保持層の断面を矩形状にすることがで
き、当該保持層の製造の際排出される端材等を削減する
ことができるとともに、上部に形成される植生基材層を
確実に保持することができる。
【0043】請求項3の発明によれば、前記折板上面の
少なくとも一部に防水シートを敷設したので、屋根材か
ら建築物内に水が漏れるのを防止することができる。特
に、屋根材の防水性に乏しい箇所(折板の繋ぎ目箇所
等)のみを防水シートで覆うようにすれば、当該防水シ
ートの敷設作業を軽減しつつ確実に建築物内への漏水を
防止することができる。
【0044】請求項4の発明によれば、保持層が、軽量
な樹脂形成材、発泡樹脂形成材、中空形成材、多孔の板
材、メッシュ状板材又は金網のいずれか或いはこれらの
組み合わせで形成されたので、折板の形態(特に、谷部
の寸法及び形状)に応じて変形させ易く、各種建築物の
屋根材への対応がより容易とすることができる。
【0045】請求項5の発明によれば、植生基材層と保
持層との間に、不織布又は透水性防根シートから成る植
生基材流出防止層を介在させたので、植生基材が保水層
を通り抜けて屋根材に流出するのを防止することができ
る。尚、不織布又は透水性防根シートは、植生基材層か
ら浸透した水を保持層に通過させることができ、排水効
果の低減を防止しつつ植生基材の上記流出防止効果を得
ることができる。
【0046】請求項6の発明によれば、前記植生基材層
上に散水する散水手段を備えたので、周期的一定時間に
植物に水をまくことができ、植生基材の生育への悪影響
を抑えつつ植生基材層を薄くすることができる。当該植
生基材層を薄くすることができれば、屋根材への荷重の
軽減を図ることができ、本発明の屋根構造体の適用範囲
を広げることができる。
【0047】請求項7の発明によれば、前記散水手段で
散水された水及び雨水を貯留する貯留手段を備え、該貯
留手段と前記散水手段との間で水を循環させているの
で、節水によるコスト低減を図ることができる。
【0048】請求項8の発明によれば、植生基材層が、
自然素材、人工素材又は産業廃棄物から生成される多孔
質材又は繊維質材から成り、且つ、所定の水を保持し得
る保水性部材を客土に混合又は客土の下に層状に配置し
たものなので、植物の生育に必要な所定量の水を保持す
ることができる。
【0049】請求項9の発明によれば、植生基材層が、
有機肥料、化学肥料又はこれら肥料を含有する沃土材を
含むので、植物の生育を促進することができ、より有効
に屋根材の緑化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る建築物の屋根構造体を
示す一部被断した斜視図
【図2】本発明の実施形態に係る建築物の屋根構造体を
示す拡大断面図
【図3】本発明の他の実施形態に係る建築物の屋根構造
体を示す拡大断面図
【図4】本発明の他の実施形態に係る建築物の屋根構造
体を示す拡大断面図
【図5】本発明の他の実施形態に係る建築物の屋根構造
体を示す拡大断皿図
【図6】本発明の他の実施形態に係る建築物の屋根構造
体において、貯留手段を有するものを示す模式図
【図7】本発明の他の実施形態に係る建築物の屋根構造
体を示す拡大断面図
【符号の説明】
1、1’…植生基材層 1a…客土層 1b…保水層 2…植生基材流出防止層 3…保持層 4…折板(屋根材) 4a…谷部 4b…山部 5…散水手段5a…下部配管 5b…上部配管 5c散水器 6…芝(植物) 7…通水路 8…貯留タンク(貯留手段) 9…周壁板 10…滑り止め板 M…建築物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 25/02 602 A01G 25/02 602B 27/00 27/00 505F

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】折板から成る建築物の屋根上に形成され、
    植物が生育し得る植生基材が敷設された植生基材層と、 該植生基材層下における前記折板の谷部に配設され、前
    記植生基材層を略平坦状態に保持するとともに、当該谷
    部との間で前記植生基材層から浸透した水を排水する通
    水路を形成した保持層と、を備えたことを特徴とする建
    築物の屋根構造体。
  2. 【請求項2】前記保持層は、前記折板の谷部の上側を塞
    ぐように蓋状に設置され、下方に形成された空間を前記
    通水路としたことを特徴とする請求項1記載の建築物の
    屋根構造体。
  3. 【請求項3】前記折板上面の少なくとも一部に防水シー
    トが敷設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の建築物の屋根構造体。
  4. 【請求項4】前記保持層は、軽量な樹脂形成材、発泡樹
    脂形成材、中空形成材、多孔の板材、メッシュ状板材又
    は金網のいずれか或いはこれらの組み合わせで形成され
    たことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つ
    に記載の建築物の屋根構造体。
  5. 【請求項5】前記植生基材層と保持層との間に、不織布
    又は透水性防根シートから成る植生基材流出防止層を介
    在させたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれ
    か1つに記載の建築物の屋根構造体。
  6. 【請求項6】前記植生基材層上に散水する散水手段が備
    えられたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれ
    か1つに記載の建築物の屋根構造体。
  7. 【請求項7】前記散水手段で散水された水及び雨水を貯
    留する貯留手段を備え、該貯留手段と前記散水手段との
    間で水を循環させることを特徴とする請求項6記載の建
    築物の屋根構造体。
  8. 【請求項8】前記植生基材層は、自然素材、人工素材又
    は産業廃棄物から生成される多孔質材又は繊維質材から
    成り、且つ、所定の水を保持し得る保水性部材を客土に
    混合又は客土の下に層状に配置したものであることを特
    徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の建
    築物の屋根構造体。
  9. 【請求項9】前記植生基材層は、有機肥料、化学肥料又
    はこれら肥料を含有する沃土材を含むことを特徴とする
    請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の建築物の屋
    根構造体。
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