JP3597924B2 - プログラム処理装置及び記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラムを処理するシステムにおける、カスタマイズされたプログラムを顧客のシステムに組み込む機能を備えたプログラム処理装置及び記憶媒体に関する。
【0002】
しかし、モジュールによっては、全顧客ではないが複数の顧客が利用する場合がある。そのような場合、第12図のような顧客ごとの管理形態では、提供元システムの磁気ディスクにおいて、重複するモジュールが存在し、記憶容量に無駄が生じ、ひいては、容量が一杯になってしまうという問題があった。例えば、第12図の提供元システムにおいては、顧客Aと顧客Bのディレクトリに重複するモジュールx’が存在しており、磁気ディスクの使用容量に無駄を生じている。この記憶容量の問題を解決するために、別媒体等への退避等が行われていたが、本来の業務とは関係のない作業に工数が割かれるという、提供元の不効率な作業を生み出し、問題の本質的な解決には至らなかった。
【0003】
さらに、このような管理形態では、モジュールの管理が煩雑となり、標準仕様についてのレベルアップに伴うカスタマイズ機能の変更が反映できず、顧客へのサービスが低下するという問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、提供モジュールを顧客ごとに管理するのではなく、パッケージ内で一元管理すべく、本発明を、複数顧客向にカスタマイズされた複数のプログラムを記憶する記憶手段と、一の顧客を識別するための識別情報と当該顧客向にカスタマイズされたプログラムとを関連付ける関連付手段と、入力される識別情報に基づき当該関連付手段により特定されるプログラムをシステムに組み込む組込手段とから構成する。第1図は、本発明の原理構成を示す。同図において、1は複数顧客向にカスタマイズされた複数のプログラムを記憶する記憶手段を、4は、顧客を識別するための識別情報を、2は、識別情報4と当該顧客向にカスタマイズされたプログラムとを関連付ける関連付手段を、3は識別情報4に基づき関連付手段2により特定されるプログラムを顧客システム5に組み込む組込手段を示す。
【0005】
本発明の処理フローを、第2図を用いて説明する。まず、あるカスタマイズ仕様を組み込む顧客の識別情報4を入力させ、バッファ等にその識別情報4を保持する(S1)。関連付手段2は、顧客システムで使用されているモジュールを検出し、図示しない作業用ファイルAにそのモジュール名を書き込む(S2)。関連付手段2は、識別情報4と前記作業用ファイルAに基づき、記憶手段に格納されているプログラムを特定する(S3)。関連付手段2は、当該特定した結果を作業ファイルBに書き込む(S4)。組込手段3は、当該作業ファイルBの内容に基づき、記憶手段1内のプログラムを顧客システム5のライブラリに登録し、カスタマイズされたプログラムの組み込みを完了する(S5)。
【0006】
【実施の形態】
第3図から第12図を用いて、本発明の実施の形態を説明する。説明において、引用するS1等の符号は、第2図のフローチャートにおける同一符号の動作を示す。第3図は、顧客システムにおける本発明の第一の実施の形態を示す図である。同図において、第1図と同一の符号を付されたものは、同一対象を示す。なお、第2図中、入力装置51、出力装置52、入出力制御装置53、CPU54、主記憶装置55、DASD56は、第1図における顧客システム5相当する。関連付手段2および組込手段3は、主記憶装置55内にある。6は本発明による組み込み前の顧客システムに備わる現モジュール群を示す。現モジュール群6において、F1STは、機能F1の標準仕様であることを示す。同様に、記憶手段1において、F1STは、機能F1の標準仕様であることを示す。第4図は、顧客コードの入力を求める画面を示す図を示す。第5図、第6図および第6図は、関連付手段による組み込むべきプログラムを特定する態様例を示す図を示す。第8図は、顧客への提供形態が記憶媒体による場合の本発明の第二の実施の形態を示す。第9図は、顧客への提供形態が回線経由の場合の本発明の第三の実施の形態を示す。第10図は、顧客システムと通信するためのテーブルを示す。第11図は、顧客システムに送信する通信データの構造を示す。
【0007】
第3図を用いて、本発明の第一の実施の態様を説明する。まず、本発明を実現したプログラム(以下、「本発明プログラム」という)は、例えば第4図に示すような画面を出力装置52に表示させ、利用者に顧客コード4の入力を求める(S1)。なお、本発明プログラムは、関連付手段2と組込手段3を含み、主記憶装置55にある。顧客コード4としてA001が入力されると、本発明プログラムは、当該顧客コード4を、主記憶装置55の図示しないバッファ領域に保持する。
【0008】
第6図に示すように、関連付手段2は、現在顧客システム6で呼び出されるモジュールを検出し、主記憶装置55内の図示しない作業ファイルAに書き込む(S2)。関連付手段2は、当該作業ファイルAと前記顧客コード4とに基づいて、記憶手段1の提供モジュールから顧客システムに組み込むべきモジュールを特定する(S3)。関連付手段2は、当該特定したモジュール名を主記憶装置55内の作業ファイルBに書き込む(S4)。組込手段3は、当該作業ファイルBに基づき、記憶手段1内の提供モジュールから組み込むべきモジュールを選択して、顧客システムのライブラリに登録し、処理を終了する(S5)。
【0009】
ステップS4およびステップS5におけるモジュールの顧客システムへの組み込み方について、第5図、第6図および第6図を用いて、説明する。例えば、提供モジュールが、第5図に示されるように、ディレクトリ名を顧客コードとするディレクトリ配下に、機能を示すモジュール名が格納されている提供形態を考える。提供モジュールは、第5図に示すように、顧客コードA001に対しては、そのコードで表される顧客向けにカスタマイズされたモジュールX01、Y01およびZ01が記憶されている。さらに、説明の便宜のため、関連付手段2が、作業ファイルAに、現顧客システムで使用されるモジュール名として、X01、X02およびY01を作業ファイルAに書き込んだとする。まず、関連付手段2は、バッファ領域内の顧客コードA001に基づき、記憶手段1内のディレクトリ名が「A001」であるディレクトリを検索する。次に、関連付手段2は、作業ファイルAの内容とディレクトリA001配下の提供モジュール名とを比較し、その重複部分、この場合モジュールX01、Y01を、顧客コードA001と共に主記憶装置55内の図示しない作業ファイルBに書き込む。重複部分以外のモジュールについては、以下のように扱われる。現顧客システム内にはあるが、提供モジュールにはないモジュールX02については、本発明プログラムは、何も処理しないが、現顧客システム内にはないが、提供モジュールにはあるモジュールZ01については、「顧客システムには、モジュールZ01は存在しません」等のエラーメッセージを出力装置に表示させる。X02は、単に置き換えないまま、つまり標準仕様のまま使用することを意味するが、Z01は、提供モジュールに何らかのミスが生じたと考えるため、その旨を通知する必要があるからである。
【0010】
組込手段3は、作業ファイルBの内容に基づき、記憶手段1内の提供モジュールから、ディレクトリ1に基づき、記憶手段1の提供モジュールから、ディレクトリA001配下のモジュールX01およびY01を顧客システムのライブラリ62に登録する。その際、組込手段3は、提供モジュール名X01、Y01をそのまま顧客システムでのモジュール名として登録する。これは、顧客システムのプログラム(一般にはロードモジュール)に修正を加えずに、システム変更をするためである。
【0011】
次に、第二の提供形態について、第6図を用いて、説明する。第6図は、関係付手段、組込手段の動作以外は、第5図と同様であるので、重複部分の説明を省き、関係付手段、組込手段の動作のみについて説明する。関係付手段2は、バッファ領域内の顧客コードA001を参照し、記憶手段1内の提供モジュールからディレクトリ名が「A001」であるディレクトリを検索し、当該結果に基づき、組込手段3は、そのディレクトリ配下にある提供モジュールすべてを顧客システムに組み込む。この提供形態では、関係付手段は、顧客システム内のモジュールを検索することなく、組込手段は、.顧客コードの一致したディレクトリ配下にあるモジュールすべてを、顧客システムに組み込む。
【0012】
次に、第三の提供形態について説明する。第7図は、提供モジュール名が、顧客コード(A001等)をプリフィックスとするモジュール名(A001_X01等)で表されている場合の提供モジュールの特定態様を示す。提供モジュールは、第7図に示すように、提供モジュール名は、「顧客コード_モジュール名」というように記憶手段1に記憶されている。第5図における説明の場合と同様に、説明の便宜のため、関連付手段2が、作業ファイルAに、現顧客システムで使用されるモジュール名として、X01、X02およびY01を作業ファイルAに書き込んだ場合を考える。まず、関連付手段2は、バッファ領域内の顧客コードA001に基づき、記憶手段1内の提供モジュール名が「A001」で始まるモジュールA001_X01、A001_Y01、およびA001_Z01を検出する。次に、関連付手段2は、作業ファイルAの内容と当該検出結果とを比較し、その重複部分の提供モジュール名から顧客コード部分を削除して、モジュール名X01およびY01を、顧客コードA001と共に主記憶装置55内の図示しない作業ファイルBに書き込む。重複部分以外のモジュールについては、既に第5図の説明でしたように、取り扱われる。
【0013】
組込手段3は、作業ファイルBの内容に基づき、記憶手段1内の提供モジュールから、組み込むべきモジュールX01、Y01を選択して、顧客システムのライブラリ62に登録する。その際、組込手段3は、第5図の場合と同様に、モジュール名X01、Y01をそのまま顧客システムでのモジュール名として登録する。
【0014】
第8図は、第二の実施の形態、顧客への提供形態が記憶媒体による場合の本発明の実施の形態を示す。同図において、7は、記憶媒体の一例である磁気テープ(MT)を示す。同図において第3図と同一の符号は、同一の対象を示す。MT7は、第8図に示すように、関連付け手段2をコンピュータに実行させるための関連付プログラム2組込手段3をコンピュータに実行させるための組込プログラム3および複数の顧客向けにカスタマイズされたモジュールを記憶する。顧客は、MT7を購入し、自分のシステムのDASDにMT7の内容を複写する。入力装置を介して本発明プログラムを起動させると、システム側は、DASDにある関連付プログラム2と組込プログラム3を主記憶装置に読み出し、結局、第二の実施の形態は、第3図と同様のシステム構成図になる。したがって、後の動作等は、既に説明した第3図のものと同様である。
【0015】
第9図は、第三の実施の形態、顧客への提供形態が回線経由による場合の本発明の実施の形態を示す。同図において、8は提供元システムを示し、第3図と同一の符号は、同一の対象を示す。この場合、複数の顧客毎にカスタマイズされたモジュールを記憶する記憶手段1は、提供元システム8にある。提供元システムの主記憶装置には、関連付プログラム2と組込手段3が記憶される。通信回線9は、提供元システムと顧客システムを接続する。提供元システム8は、通信回線9を用いて、顧客システム56に組み込むべきモジュールを送信する。
【0016】
同図を用いて、本発明の第三の実施の形態を説明する。本発明プログラムは、例えば、第4図に示すような画面を入出力装置51に表示させ、提供者に顧客コード4の入力を求める(S1)。顧客コード4として「A001」が入力されると、本発明プログラムは、当該顧客コード4を、主記憶装置55の図示しないバッファ領域に保持する。
【0017】
本発明プログラムは、顧客システムとの通信を確立すべく、主記憶装置55内にあるテーブル(第9図)を参照する。当該テーブルは、顧客コード、顧客名およびその電話番号からなる。本発明プログラムは、当該顧客コード4により特定される当該テーブル内の電話番号に基づき、通信回線9を介して、顧客システムと通信を確立する。本発明プログラムは、通信回線9を介して、顧客システムからの提供承認通知を受けると、顧客システム内で承認されている範囲において参照されるモジュール名を特定するコマンドを、通信回線9を介して送信し、通信を切断する。当該コマンドは、顧客システム内で承認されている範囲内で参照されるモジュール名およびその登録されているライブラリ名を検索し、再び通信を確立し通信回線9を介して、提供元システムに返信し通信を切断する。提供元システムは、その検索結果を主記憶装置内の図示しない作業ファイルAに書き込む(S2)。
【0018】
本発明プログラムは、バッファ領域内の顧客コード4と作業ファイルAに基づき、顧客システムに組み込むべきモジュール名を特定する(S3)。本発明プログラムは、その特定した結果を、主記憶装置内の図示しない作業ファイルBに書き込む(S4)。このステップS3およびステップS4における組み込むべきモジュールの特定の仕方は、既に第5図、第6図または第7図でしたものと同様である。
【0019】
本発明プログラムは、作業ファイルBに基づき、第11図に示すような通信データを作成する。この通信データは、同図に示すように、通信先の電話番号、組込プログラム3、顧客システムにおいてモジュールを組み込むべきライブラリ名および組み込むべきモジュール名とそのモジュールからなる。本発明プログラムは、記憶手段1内の提供モジュールを顧客システムのライブラリに登録するために、顧客システムとの通信を確立する。本発明プログラムは、通信回線9を介して、当該通信データを顧客システムに送信し、通信を切断する。当該通信データが顧客システムに受信されると、当該通信データ内の組込プログラム3は、同データ内に示されるライブラリ名を検索し、そのモジュールをそのライブラリに登録し、処理を終わる(S5)。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、提供元システムにおける提供モジュールの重複を無くすことにより、当該システムの磁気ディスクの使用容量を無駄なく使用することができるため、人手を必要とする不効率な作業が発生することもない。また、管理形態を一元管理としたこととしたため、標準パッケージのレベルアップに伴う顧客固有の仕様の変更にも対応が取りやすく、提供元の負担軽減、ひいては、顧客へのサービスレベルの向上へとつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す原理図
【図2】本発明の処理フローを示す図
【図3】実施の形態を示す図(1)
【図4】顧客コードの入力を求める図面を示す図
【図5】関連付手段によるプログラムの特定を示す図(1)
【図6】関連付手段によるプログラムの特定を示す図(2)
【図7】関連付手段によるプログラムの特定を示す図(3)
【図8】本発明の実施の形態を示す図(2)
【図9】本発明の実施の形態を示す図(3)
【図10】顧客システムと通信するためのテーブルを示す図
【図11】通信データの構造を示す図
【図12】従来技術を示す図

Claims (1)

  1. 複数のモジュールから構成される顧客毎のプログラムを処理するプログラム処理装置において、
    顧客に提供するためのモジュールを提供モジュールとして記憶するとともに、予め願客を区別する顧客コードを識別可能な顧客ディレクトリを作成し、顧客のプログラムで使用される顧客特有の複数の提供モジュール名を該顧客ディレクトリ内に格納して記憶した記憶手段と、
    顧客コードが入力されると、
    前記記憶手段に記憶された該顧客コードに対応する前記願客ディレクトリを検索して得られた該顧客コードに関連する提供モジュール名と、
    当該顧客システムで呼び出されるモジュールを検出して得られた更新対象のモジュールとを比較し、重複するモジュールを特定する関連付手段と、
    記関連付手段により特定された前記重複するモジュールを提供モジュールとして登録し、該登録した提供モジュールを前記記憶手段から顧客システムに組み込む組み込み手段と、
    を備えたことを特徴とするプログラム処理装置。
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