JP3597905B2 - 磁気回転伝達装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、磁石の回転を対向磁石に伝達する磁気回転伝達装置に係り、特に両方の磁石に面状の両面2極型磁石を用いたものに関し、例えば薬品等の撹拌、化学反応装置、高圧・真空反応装置、感光材料撹拌装置、酸化防止撹拌装置、粉体撹拌装置、貴金属研磨機、家庭用ミキサー、簡易洗濯機または磁気カップリング装置等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状の撹拌子と対向して配置したU字型磁石を回転させ、両者の異極間の吸引作用のみで棒状撹拌子を回転させるものとして、マグネチックスターラと呼ばれる磁気回転伝達装置が知られている。
【0003】
その機構を図19により説明すると、液体75を収容する容器74内に棒状の撹拌子72を配置し、容器74外の底壁近傍にU字型磁石71を対向配置し、駆動モータ73でU字型磁石71を回転させて撹拌子72を回転させるものである。
【0004】
また、磁気カップリングと呼ばれる磁気回転伝達装置もあり、これにはラジアル型とアキシャル型とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のマグネチックスターラは、図20に示すように、撹拌子72とU字型磁石71との間に形成される直線状の磁力線77に基づく吸引力でのみ撹拌子72が回転するものであるが、本来、直線状の吸引力で吸着した磁性体は吸着面に平行の外力には弱いという磁石の性質がある。このため、伝達トルクが小さく、負荷が大きくなって位相がずれると、磁力線の多くが切断して撹拌子72が容易に脱離するという不具合がある。また、磁束の径が比較的小さいことも切断しやすい原因となっている。
【0006】
ところが、撹拌能力と撹拌効率の向上という要請に応えるため、撹拌子および対向するU字型磁石の各磁力を強化し、異極間相互の吸引力のみを増大して、撹拌子の回転能力を向上しようとしている。
【0007】
しかし、このように単に異極間のみの吸引力を増大しようとすると、次のような種々の問題が生じる。
【0008】
(1)スラスト方向の負荷が増大する。
【0009】
異極間の吸引力のみに依存しているため、駆動モータのスラスト方向の負荷増大により回転トルクの損失が生じたり、軸受の摩耗が生じたりする。また、撹拌子の回転接触部の摩擦の増大により回転トルクの損失が生じたり、撹拌子の回転接触部の摩耗が増大したり、さらには撹拌子の回転接触部の摩擦音による騒音の増大が生じたりする。特に、撹拌子の回転接触部が摩耗すると、その摩耗粉が容器内の液体に混入するため、好ましくない。
【0010】
(2)磁力を強化しても、直線状の磁力線の数が増えるだけなので、回転トルクが期待したほど大きくならなず、エネルギー効率が悪い。
【0011】
(3)撹拌子を急激に反転しようとすると脱離が生じる。このため、正逆の反復回転をしようとするときは、撹拌子の回転を一旦停止させてスロースタートする必要があり、作業性が極めて悪い。また、急激な正逆反転ができなため、撹拌効率を高めることができない。
【0012】
一方、上述した磁気カップリングにあっては、ラジアル型はアキシャル型に比べてスラスト力がかからないという利点があるものの、隔壁が複雑な形状となる欠点を有する。これに対してアキシャル型はラジアル型に比べて構造が簡単で、軸方向の長さを短くでき、隔壁形状を単純化できるという利点を有するものの、軸受部にスラスト力が働き、それが磁力に比例するという欠点を有していた。
【0013】
本発明の目的は、曲った磁力線を作ることによって、上述した従来技術の欠点を解消して、簡単な構造でありながら、回転トルクを増大させ、また脱離しにくい正逆回転の切換えが可能な磁気回転伝達装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の磁気回転伝達装置は、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、上記一方の両面2極型磁石の中央延長線上に、該中央延長線と磁極面が平行するように他方の上記両面2極型磁石を対向して設け、上記中央延長線を軸にいずれか一方の磁石を回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0015】
例えば、図1に示すように、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、同じく両面に一対の磁極N、Sを有する平板状の両面2極型磁石12とを対向配置させ、中央延長線13を軸に面状の両面2極型磁石11を回転させることにより、両面2極型磁石12を磁力で回転させるように構成される。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、回転効率を高めるために、回転が磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、転倒しない自立構造となっているものである。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、上記転倒しない自立構造となっている上記いずれか他方の磁石に転倒防止用の部材を取り付けたものである。
【0018】
例えば、図2に示すように、非磁性体14を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、両面に一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12とを対向配置させる。面状の両面2極型磁石11は、その中央延長線13上に有する回転軸16に取り付け、駆動モータ15によって回転させる。中央延長線13と磁極面N、Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12の底部の四隅には、転倒防止用の部材17を水平方向に突出させ、この転倒防止用部材17という自立手段によって回転自在に支持するように構成される。
【0019】
第4の発明は、第1の発明において、回転効率と回転用途の拡大を高めるために、回転を磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、軸受に支持された回転軸に一体的に取り付けた他立構造となっているものである。
【0020】
例えば、図3に示すように、非磁性体14を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、両面に一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12とを対向配置させる。面状の両面2極型磁石11には、その中央延長線13上に有する回転軸16を取り付け、駆動モータ15によって回転させる。中央延長線13と磁極面N、Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12には、その中央延長線13上の上面中央部に回転軸18を一体的に設ける。この回転軸18は上方の軸受台20に固定された軸受19によって支持され、この回転軸18という他立手段によって両面2極型磁石12を回転自在に支持するように構成される。
【0021】
第5の発明は、容器と、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、上記容器内にいずれか他方の磁石をいずれか一方の磁石と対向させ、かつ自立するように設け、上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0022】
第6の発明は、蓋を有する容器と、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石2個を備え、いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、上記容器内に、いずれか他方の磁石を、いずれか一方の磁石と対向させ、かつ他立するように上記蓋に取り付けた軸受に支持した回転軸に一体に取り付け、上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0023】
第7の発明は、第5および第6の発明において、磁石の破損保護、耐薬品性および洗浄性を良好ならしめるために、容器内に設けたいずれか他方の磁石を合成樹脂により被覆したものである。
【0024】
第8の発明は、ケース内に2本の回転軸を同一軸線上に回転自在に挿通し、ケース内の一方の回転軸の先端に、略同一面に適宜間隔を開けて表裏に一対の磁極面を有する第1の面状の両面2極型磁石を、磁極面の延長面が回転軸と平行するように取り付け、ケース内の他方の回転軸の先端に表裏に一対の磁極面を有する第2の面状の両面2極型磁石を、磁極面が回転軸と平行となるように、かつ第1の面状の両面2極型磁石と適宜間隔を開けて対向するように取り付け、ケース内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁を両磁石間に介在するように設け、いずれか一方の磁石を駆動側とし、いずれか他方の磁石を被駆動側としたものである。
【0025】
【作用】
図1に示すように、両面2極型磁石11と両面2極型磁石12とを対向させ、両面2極型磁石11を回転すれば、両面2極型磁石12は両面2極型磁石11との相互磁力作用により回転する。この相互磁力作用による回転は、従来の棒状磁石を用いたものに比してはるかに強力である。その原理は必ずしも明確ではないが、図4および図5を用いて推量しつつ説明する。なお、一般的には磁力線の密度が磁界の強さを表すが、図では磁力線を便宜上描いてあるので、そのようになっていない。また、図4において両面2極型磁石12は回転駆動側とする。両面2極型磁石11は便宜上固定しているが、回転が伝達される側とし、両面2極型磁石11に生じるトルクが測定できるようにしてある。また、磁力線には、磁力線自身は縮もうとする傾向をもち、磁力線同士は互いに反発し合うという性質を有する。比喩的にはゴム紐、または引張バネないし圧縮バネのような張力または反発力が存在するといえる。
【0026】
(1)両面2極型磁石12の回転開始前
図4(A)、および図5(A)は両面2極型磁石12の回転開始前(平衡状態)における同磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。両者は、異極(N極、S極)間の磁力線21の吸引力で吸引し合って、互いの異極面同士が平行するように対向し、平衡状態を保持している。両面2極型磁石11に作用する回転トルクは0である。吸引力に寄与する磁力線21は、図示するように、磁力線の性質からN極面から垂直に出て、このN極面と平行するS極面に垂直に入ることから、曲線ないし弧を描く。したがって、吸着面に平行の分力が生じるので、異極間の吸引力は、吸着面に平行の外力に対しても強くなり、磁力線が切断しにくくなっている。また、両方の磁石11と12が面状となり磁束の径が比較的大きいことも切断しにくい要因となっていると考えられる。
【0027】
この平衡状態では、同極間における反発力は作用していないと考えられる。また、磁石間のスラスト方向の吸引力は、磁力線が曲線ないし弧を描くので、棒磁石のように全成分になる直線状の磁力線の場合に比して少し弱くなる。なお、両面2極型磁石12に回転方向の外力を一寸加えて、その外力を開放してやると、両面2極型磁石12は直ちに平衡状態位置に戻る。すなわち、この平衡状態は無負荷時には非常に安定している。
【0028】
これは、ちょうど異極面同士をゴム紐の束で自然長のままつないだ状態とみることができる。両方の磁石11、12をねじって離すと、ゴム紐の張力により元の位置に戻る。
【0029】
(2)両面2極型磁石12の回転開始後
図4(B)は、両面2極型磁石12が両面2極型磁石11に対して+45°だけ矢印方向に回転した場合における両面2極型磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。両面2極型磁石12が矢印方向に回転を始めると、両者の平衡状態保持の原理により、磁力線に平衡状態を回復しようとする張力が発生して、両面2極型磁石11に回転方向と同方向(矢印方向)にトルクが発生する。これは吸引力に基づくトルクである。このとき磁極線21はねじ曲げられて、強靭な磁束の張力と磁束の側面で両面2極型磁石11に回転を与える。
【0030】
これは、ゴム紐でいえば、回転によってゴム紐が伸びるため、両面2極型磁石11はゴム紐により引っ張られて、両面2極型磁石12と同方向の回転トルクを受ける。回転角度が大きくなると、ゴム紐のねじれ量に応じて回転トルクも上昇する。
【0031】
吸引力の磁力線21は、このようにねじ曲げられ、しかも長く伸びているために切断作用がなく、張力成分を充分に発揮できる。また、磁力線21は図5(B)(参考)に示すようにほぼ両面2極型磁石12の磁極面と平行になるように長くねじ曲げられて寝る。長くねじ曲げられることにより磁力線が縮もうとして生じる張力作用と、磁束が絞られ磁束密度が上がることにより生じる磁力線同士の反発作用とが強力に作用して両面2極型磁石11を押え付ける。この押え付けはN極面とS極面の両面で同時に生じるため、これによっても両面2極型磁石11に大きな回転トルクが付与されると考えられる。
【0032】
上記張力作用と磁力線による押付け作用の2つの回転伝達作用が、両面2極型磁石11のN極側とS極側に作用するので、両面2極型磁石11に大きな回転トルクが伝達される。
【0033】
(3)両面2極型磁石11と両面2極型磁石12との位相が+90°近くに達した時
図4(C)、図5(B)は、負荷の増大により両面2極型磁石12が+90°近くに達した場合における、両面2極型磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。図4(C)に示すように、両磁石が直交するので吸引力の磁場と反発力の磁場が同じ力で作用する。位相が+90°以上になると、反発力の磁場が強くなり脱離する。
【0034】
(4)本発明と従来例との相違
吸引トルクに関しては、対向磁石間の回転方向のずれ(位相)を横軸に取り、トルクを縦軸に取った場合、U字型磁石と棒状の撹拌子とからなる従来例では、図6に示すように0°から急速に立ち上がり始め、20°近くでピークを迎え、その後は急速に減少していく傾向がある。これに対して、共に両面2極型磁石からなる本発明では、図7に示すようにトルクは急速に立ち上がり、20°を過ぎた点から膨らみをもって徐々に立ち上がり、80°近傍でピークに達した後、しばらくそのピークを保持している。
【0035】
両者のピーク値には大きな違いがある。従来例で20°でピーク値に達してしまう、その原因は、直線的に作用する磁力線の性質であることが分かる。
【0036】
それに対して、本発明では、トルク発生領域が広く、90°付近まで作用するので反転時に於ける回転遊びを最大180°近傍まで利用することができる。
【0037】
一方、スラスト方向の吸引力に関しては、従来例では、図6に示すように0°でピークをもち、位相が大きくなるにしたがって急激に減少していき、60°付近からその減少具合が緩和し徐々に減少していく傾向がある。これに対して本発明では、0°でピークを示した後ほぼ直線的に減少していく傾向にある。
【0038】
このように本発明の回転トルクは、従来に比してトルク発生領域が広く、90°付近まで作用するので瞬時反転回転が可能となる。
【0039】
(5)正逆回転伝達作用
図6、図7からマイナス位相側のトルク特性を得るには、図6、図7の特性を左右対称に形成すればよい。すると、正逆転の最大トルク間の位相差は、本発明の180°に対して従来例では40°であり、大きな開きがある。
【0040】
すなわち本発明では、両面2極型磁石12を瞬時逆回転により今までとは反対方向に回した時、両面2極型磁石11に逆回転トルクを与える間の回転遊びは最大180°ある。この大きな遊びが逆転時の衝撃力を緩和し、瞬時に逆転したときでも両面2極型磁石11の脱離が防止できると考えられる。また、ねじ曲げられた磁力線の束は、非常に強靱であり、その強靱さも磁石同士の脱離作用を防止する作用があると考えられる。
【0041】
このように遊びと磁力線の強度から正逆回転が有効、かつ徐々に(実際は急速であるが微視的に見れば、従来例よりも徐々にということである)伝達されるため脱離が生じにくい。
【0042】
逆回転のメカニズムは図4の(E)〜(G)に示すようになる。図4(C)の状態から、両面2極型磁石12を今度は逆転すると、今まで張り詰めていた張力の復元力と反発力とが両面2極磁石11に働き、駆動源である駆動モータの逆転起動トルクを助勢する働きをして、速やかに−90°回転し、位相が0°となり同図(A)と同じ位置に戻り平衡状態となる(図4(E))。その後は、上述した正転のときと逆位相で、両面2極型磁石12の回転が両面2極型磁石11に全く同様に伝達される(図4(F)〜(G))。
【0043】
ゴム紐でいえば、伸びきったゴム紐がその張力を解かれて瞬時に復元するため、両面2極型磁石11は元の平衡状態の位置に戻る。そして、そのまま今度は逆方向の張力により引っ張られて両面2極型磁石11に逆方向の回転トルクが生じるということになる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0045】
図8は、本発明の磁力回転駆動装置を自立型のマグネチックスターラに適用した第1実施例を示すものである。
【0046】
液体35を収容する非磁性体により形成された無蓋型撹拌容器34内に、撹拌用の磁石32を配置し、容器34外の底壁近傍に駆動用の磁石31を対向配置する。駆動モータ33で駆動用磁石31を回転させて撹拌用磁石32を回転させる。
【0047】
駆動用磁石31には表裏に一対の磁極面N、Sを有する平板状で矩形の両面2極型磁石31を用いる。撹拌用磁石32にも表裏に一対の磁極面N、Sを有する平板状で矩形の両面2極型磁石32を用いる(図9参照)。
【0048】
両面2極型磁石31の中心軸上に、これと磁極面が平行になるように両面2極型磁石32を起立させて、両面2極型磁石31を回転させると、両面2極型磁石32は、上記中心軸を軸に回転する。
【0049】
ところで、両面2極型磁石32は、平板状に形成されたものであるため、容器34内の起立を安定にする必要がある。そこで転倒防止用部材を取り付ける。例えば、図9、図10に示すように、両面2極型磁石32の表裏の磁極面36、37のそれぞれ四隅に、両面2極型磁石32の起立を確実にする棒状体38を横方向に突設してある。この棒状体38を含めた全体は合成樹脂皮膜39により被覆してある。
【0050】
両面2極型磁石32と棒状体38とに被覆した合成樹脂皮膜39は、両面2極型磁石32の摩擦抵抗の軽減、摩耗防止、薬品性および洗浄性を良好にする。また、両面2極型磁石32の表裏の磁極面36、37のそれぞれ四隅に棒状体38を突設したので、両面2極型磁石32を両面2極型磁石31と対向して配設する際に、両面2極型磁石32を4通りの辺をもっても起立させることができ、使い勝手がよい。なお、棒状体38は表裏の磁極面36、37の下辺の両端に2個づつ突設するに止めてもよい。
【0051】
また、転倒防止用部材は、図11、図12のように、角板型の両面2極型磁石32をすっぽり覆い、これを中心にして磁極面と直交する左右方向に延びる角柱型の合成樹脂39で構成し、両面2極型磁石32の厚み面がどの位置でも容器の底部に安定して回転できるようにしてもよい。なお、合成樹脂39は断面形状を4角形とせず、丸形、6角形、8角形としてもよい。
【0052】
さらに、図13に示すように両面2極型磁石32を合成樹脂製のブロック44中に一体的に固め、そのブロック44の上部中央に係合溝を設けて、その係合溝に嵌合する係止溝を設けた合成樹脂製のブロック41を形成し(a)、両者を嵌合して組み付け、または溶着し全体を十字形とするようにしてもよい(b)。この場合、合成樹脂製のブロック41の長さを長くすることにより、該ブロック41に転倒防止機能に加えて翼機能を持たせるようにしてもよい。また、同図(c)に示すように軸45を突設して、これに撹拌翼を取り付けられるようにしてもよい。
【0053】
また、組み付けるのではなく、図14に示すように、両面2極型磁石32と直交するダミー42を当初から一体的に設けて十字形とすることもできる。
【0054】
上述した両面2極型磁石32またはその転倒防止用部材の上面または下面の回転軸中心には、例えば図10、図12、図14に示したように、突起43を設け、回転力を弱める摩擦力および摩耗を軽減することが好ましい。また、棒状体38、39、ブロック41、44、またはダミー42に弾性を持たせるようにすれば、回転時の衝撃音を和らげることができる。
【0055】
上記実施例によれば、容器内34の撹拌子として棒状磁石ではなく、厚さが薄く表面積の大きい両面2極型磁石を使用するので、撹拌効率を大幅に向上することができる。また、本実施例によれば両面2極型磁石32を自立型としたので、構成が簡単でメンテナンスが容易である。
【0056】
なお、実験によると、さらに両面2極型磁石の背の高さを低くする程回転トルクが大きく、撹拌効率がよいこともわかった。
【0057】
本実施例は、撹拌子と駆動磁石とを共に両面2極型磁石で構成したので次に記載する効果を奏する。
【0058】
ねじ曲げられ磁力線の張力作用と斥力作用とによって、強力な磁気力による回転伝達が得られる。
【0059】
大きな遊びと磁力線の強力な張力作用により、撹拌子をモータの瞬時切換えで反対方向に回しても、撹拌子は脱離することなく反転する(負荷トルク以上の磁気トルクを設定した場合でも、脱離はしない)。
【0060】
駆動磁石および撹拌子がネオジウムで、各々の磁石の寸法が(厚み1cm、縦25cm横5cm)の場合において、比較的粘度の低い液体(水程度)で約100リットルの容量を撹拌する効果がある。
【0061】
また、ねじ曲げられた磁力線の吸引トルクを利用して、可能な限り強力な磁気力にすることによって、撹拌装置の大型化が実現できる。
【0062】
図15は、本発明の磁気回転伝達装置を他立型のマグネチックスターラに適用した第2実施例を示すものである。
【0063】
図8と異なる点は、液体35を収容する容器が有蓋型撹拌容器51であり、その内に配置されている平板状の両面2極型磁石32が他立型で撹拌羽根56を有することも可能な点である。すなわち、蓋体52中央に設けた軸受55に回転軸54の基端が回転自在に取り付けられ、回転軸54の先端には両面2極型磁石32が一体的に取り付けられ、両面2極型磁石32は回転軸54によって回転自在に蓋体52から支持されている。
【0064】
回転軸54の中央付近には、撹拌羽根56が取り付けられ、両面2極型磁石32の撹拌に加えてさらに撹拌効率を上げるようになっている。この撹拌羽根56の取付けは、より大きな回転トルクが得られて初めて可能とる。なお、撹拌容器51は頭付ねじ53で蓋体52によって密閉出来るようになっており、液面上の密閉空間を真空、加圧または気体置換して行う撹拌に、もしくは容器51を遮光性容器として感光性液体の撹拌に好結果をもたらすものである。
【0065】
特に容器上部から支持した回転軸54に、撹拌羽根56を設置することにより、沈殿しやすい液体35を上下に強力に撹拌することと、液中の粒状体をせん断撹拌する場合に効果がある。
【0066】
なお、上記両実施例はいずれも駆動磁石が両面2極型磁石で、撹拌子も両面2極型磁石の場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図16の第3実施例に示すように、駆動磁石を両面2極型磁石32とし、撹拌子を棒状の左右2極型磁石60としてもよく、あるいは、図17の第4実施例に示すように撹拌子を棒状の左右2極型磁石60の代りにU字型磁石31としてもよい。特に、被回転体としてU字型磁石31を使用するときは、その磁極面を大きくすれば自立させることができるので、両面2極型磁石の場合のような転倒防止用部材は不要である。
【0067】
図18は、本発明の磁気回転伝達装置を磁気カップリングに適用した第5実施例を示すものである。
【0068】
その構造は図18に示すように、ケース61内に2本の回転軸62、63を同一軸線上に軸受64、65によって回転自在に挿通する。ケース61内の一方の回転軸62の先端には、表裏に一対の磁極面を有する両面2極型磁石66を、磁極面の延長面が回転軸62と平行するように取り付ける。ケース61内の他方の回転軸63の先端には、表裏に一対の磁極面を有する両面2極型磁石67を、磁極面が回転軸63と平行となるように、かつ両面2極型磁石66と適宜間隔を開けて対向するように取り付ける。ケース61内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁68を両磁石66、67間に介在するように設ける。そして、いずれか一方の磁石66、67を駆動側とし、いずれか他方の磁石67、66を被駆動側としたものである。
【0069】
本磁気カップリングによれば、非磁性体の隔壁68の構造を単純化とすることができ、カップリングの太さや軸方向の長さも短縮化できる。また、小さなスラスト力でありながら、大きな回転トルクを得ることができる。例えば実施例の構造においての回転トルクは、従来品の0.6kg−cmに対して2.0kg−cmと3倍以上に増加した。また、反転撹拌にも有効に機能する。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果がある。
【0071】
(1)両方の磁石を、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石とするという簡単な構造で、ねじ曲げられた吸引磁束と強靭で太い吸引磁束が得られるため、駆動系および回転系を共に左右2極型磁石とした従来例に比して、はるかに大きな伝達トルクを得ることができる。
【0072】
(2)吸引作用の他に反発作用も同時に働くので、全体にスラスト荷重が小さくなり、円滑な回転伝達が図れる。
【0073】
(3)対向する磁石間に大きな磁気位相遊びと大きな磁気張力があるので、高速回転を維持したまま脱離することなく逆回転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気回転伝達装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の磁気回転伝達装置の自立型の具体的構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気回転伝達装置の他立型の具体的構成を示す斜視図である。
【図4】両面2極型磁石間に生じる磁力線の状態を説明する正面図で、(A)は平衡状態(位相0°)の時、(B)は+45°ずれた時、(C)は+90°ずれた時、(E)は−90°反転した位相が0°になった時の吸引力による磁力線の状態図、(F)は−45°ずれた時、(G)は−90°ずれた時の磁力線の状態図である。
【図5】両面2極型磁石間の作用を説明する斜視図で、(A)は無負荷時、(B)は最大負荷時である。
【図6】従来例の両磁石間の位相に対する回転トルクとスラスト方向の吸引力の関係を示す図である。
【図7】本発明の両磁石間の位相に対する回転トルクとスラスト方向の吸引力の関係を示す図である。
【図8】本発明の磁気回転伝達装置の第1実施例を説明するための自立型マグネチックスターラの正面断面図である。
【図9】本実施例による転倒防止用部材として棒状体を取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図10】図9のZ−Z断面図である。
【図11】本実施例による転倒防止用部材として角板型の両面2極型磁石をすっぽり覆う角柱型の合成樹脂としたときの当該合成樹脂の一部破断した正面図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】本実施例による転倒防止用部材としてブロックを組み付けた両面2極型磁石を説明した斜視図である。
【図14】本実施例による転倒防止用部材としてダミーを一体的に取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図15】本実施例の磁気回転伝達装置の第2実施例を説明するための他立型マグネチックスターラの正面断面図である。
【図16】本発明の磁気回転伝達装置の第3実施例を説明するための要部を示す斜視図である。
【図17】本発明の磁気回転伝達装置の第4実施例を説明するための要部を示す斜視図である。
【図18】本発明の磁気回転伝達装置の第5実施例を説明するための磁気カップリングの構造を示す断面図である。
【図19】従来例のマグネチックスターラの正面断面図である。
【図20】従来例のU字型磁石と棒状磁石とに生じる磁力線の状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
11 両面2極型磁石
12 両面2極型磁石
13 中央延長線
【産業上の利用分野】
本発明は、磁石の回転を対向磁石に伝達する磁気回転伝達装置に係り、特に両方の磁石に面状の両面2極型磁石を用いたものに関し、例えば薬品等の撹拌、化学反応装置、高圧・真空反応装置、感光材料撹拌装置、酸化防止撹拌装置、粉体撹拌装置、貴金属研磨機、家庭用ミキサー、簡易洗濯機または磁気カップリング装置等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状の撹拌子と対向して配置したU字型磁石を回転させ、両者の異極間の吸引作用のみで棒状撹拌子を回転させるものとして、マグネチックスターラと呼ばれる磁気回転伝達装置が知られている。
【0003】
その機構を図19により説明すると、液体75を収容する容器74内に棒状の撹拌子72を配置し、容器74外の底壁近傍にU字型磁石71を対向配置し、駆動モータ73でU字型磁石71を回転させて撹拌子72を回転させるものである。
【0004】
また、磁気カップリングと呼ばれる磁気回転伝達装置もあり、これにはラジアル型とアキシャル型とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のマグネチックスターラは、図20に示すように、撹拌子72とU字型磁石71との間に形成される直線状の磁力線77に基づく吸引力でのみ撹拌子72が回転するものであるが、本来、直線状の吸引力で吸着した磁性体は吸着面に平行の外力には弱いという磁石の性質がある。このため、伝達トルクが小さく、負荷が大きくなって位相がずれると、磁力線の多くが切断して撹拌子72が容易に脱離するという不具合がある。また、磁束の径が比較的小さいことも切断しやすい原因となっている。
【0006】
ところが、撹拌能力と撹拌効率の向上という要請に応えるため、撹拌子および対向するU字型磁石の各磁力を強化し、異極間相互の吸引力のみを増大して、撹拌子の回転能力を向上しようとしている。
【0007】
しかし、このように単に異極間のみの吸引力を増大しようとすると、次のような種々の問題が生じる。
【0008】
(1)スラスト方向の負荷が増大する。
【0009】
異極間の吸引力のみに依存しているため、駆動モータのスラスト方向の負荷増大により回転トルクの損失が生じたり、軸受の摩耗が生じたりする。また、撹拌子の回転接触部の摩擦の増大により回転トルクの損失が生じたり、撹拌子の回転接触部の摩耗が増大したり、さらには撹拌子の回転接触部の摩擦音による騒音の増大が生じたりする。特に、撹拌子の回転接触部が摩耗すると、その摩耗粉が容器内の液体に混入するため、好ましくない。
【0010】
(2)磁力を強化しても、直線状の磁力線の数が増えるだけなので、回転トルクが期待したほど大きくならなず、エネルギー効率が悪い。
【0011】
(3)撹拌子を急激に反転しようとすると脱離が生じる。このため、正逆の反復回転をしようとするときは、撹拌子の回転を一旦停止させてスロースタートする必要があり、作業性が極めて悪い。また、急激な正逆反転ができなため、撹拌効率を高めることができない。
【0012】
一方、上述した磁気カップリングにあっては、ラジアル型はアキシャル型に比べてスラスト力がかからないという利点があるものの、隔壁が複雑な形状となる欠点を有する。これに対してアキシャル型はラジアル型に比べて構造が簡単で、軸方向の長さを短くでき、隔壁形状を単純化できるという利点を有するものの、軸受部にスラスト力が働き、それが磁力に比例するという欠点を有していた。
【0013】
本発明の目的は、曲った磁力線を作ることによって、上述した従来技術の欠点を解消して、簡単な構造でありながら、回転トルクを増大させ、また脱離しにくい正逆回転の切換えが可能な磁気回転伝達装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の磁気回転伝達装置は、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、上記一方の両面2極型磁石の中央延長線上に、該中央延長線と磁極面が平行するように他方の上記両面2極型磁石を対向して設け、上記中央延長線を軸にいずれか一方の磁石を回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0015】
例えば、図1に示すように、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、同じく両面に一対の磁極N、Sを有する平板状の両面2極型磁石12とを対向配置させ、中央延長線13を軸に面状の両面2極型磁石11を回転させることにより、両面2極型磁石12を磁力で回転させるように構成される。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、回転効率を高めるために、回転が磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、転倒しない自立構造となっているものである。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、上記転倒しない自立構造となっている上記いずれか他方の磁石に転倒防止用の部材を取り付けたものである。
【0018】
例えば、図2に示すように、非磁性体14を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、両面に一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12とを対向配置させる。面状の両面2極型磁石11は、その中央延長線13上に有する回転軸16に取り付け、駆動モータ15によって回転させる。中央延長線13と磁極面N、Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12の底部の四隅には、転倒防止用の部材17を水平方向に突出させ、この転倒防止用部材17という自立手段によって回転自在に支持するように構成される。
【0019】
第4の発明は、第1の発明において、回転効率と回転用途の拡大を高めるために、回転を磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、軸受に支持された回転軸に一体的に取り付けた他立構造となっているものである。
【0020】
例えば、図3に示すように、非磁性体14を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有する面状の両面2極型磁石11と、両面に一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12とを対向配置させる。面状の両面2極型磁石11には、その中央延長線13上に有する回転軸16を取り付け、駆動モータ15によって回転させる。中央延長線13と磁極面N、Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12には、その中央延長線13上の上面中央部に回転軸18を一体的に設ける。この回転軸18は上方の軸受台20に固定された軸受19によって支持され、この回転軸18という他立手段によって両面2極型磁石12を回転自在に支持するように構成される。
【0021】
第5の発明は、容器と、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、上記容器内にいずれか他方の磁石をいずれか一方の磁石と対向させ、かつ自立するように設け、上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0022】
第6の発明は、蓋を有する容器と、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石2個を備え、いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、上記容器内に、いずれか他方の磁石を、いずれか一方の磁石と対向させ、かつ他立するように上記蓋に取り付けた軸受に支持した回転軸に一体に取り付け、上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたものである。
【0023】
第7の発明は、第5および第6の発明において、磁石の破損保護、耐薬品性および洗浄性を良好ならしめるために、容器内に設けたいずれか他方の磁石を合成樹脂により被覆したものである。
【0024】
第8の発明は、ケース内に2本の回転軸を同一軸線上に回転自在に挿通し、ケース内の一方の回転軸の先端に、略同一面に適宜間隔を開けて表裏に一対の磁極面を有する第1の面状の両面2極型磁石を、磁極面の延長面が回転軸と平行するように取り付け、ケース内の他方の回転軸の先端に表裏に一対の磁極面を有する第2の面状の両面2極型磁石を、磁極面が回転軸と平行となるように、かつ第1の面状の両面2極型磁石と適宜間隔を開けて対向するように取り付け、ケース内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁を両磁石間に介在するように設け、いずれか一方の磁石を駆動側とし、いずれか他方の磁石を被駆動側としたものである。
【0025】
【作用】
図1に示すように、両面2極型磁石11と両面2極型磁石12とを対向させ、両面2極型磁石11を回転すれば、両面2極型磁石12は両面2極型磁石11との相互磁力作用により回転する。この相互磁力作用による回転は、従来の棒状磁石を用いたものに比してはるかに強力である。その原理は必ずしも明確ではないが、図4および図5を用いて推量しつつ説明する。なお、一般的には磁力線の密度が磁界の強さを表すが、図では磁力線を便宜上描いてあるので、そのようになっていない。また、図4において両面2極型磁石12は回転駆動側とする。両面2極型磁石11は便宜上固定しているが、回転が伝達される側とし、両面2極型磁石11に生じるトルクが測定できるようにしてある。また、磁力線には、磁力線自身は縮もうとする傾向をもち、磁力線同士は互いに反発し合うという性質を有する。比喩的にはゴム紐、または引張バネないし圧縮バネのような張力または反発力が存在するといえる。
【0026】
(1)両面2極型磁石12の回転開始前
図4(A)、および図5(A)は両面2極型磁石12の回転開始前(平衡状態)における同磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。両者は、異極(N極、S極)間の磁力線21の吸引力で吸引し合って、互いの異極面同士が平行するように対向し、平衡状態を保持している。両面2極型磁石11に作用する回転トルクは0である。吸引力に寄与する磁力線21は、図示するように、磁力線の性質からN極面から垂直に出て、このN極面と平行するS極面に垂直に入ることから、曲線ないし弧を描く。したがって、吸着面に平行の分力が生じるので、異極間の吸引力は、吸着面に平行の外力に対しても強くなり、磁力線が切断しにくくなっている。また、両方の磁石11と12が面状となり磁束の径が比較的大きいことも切断しにくい要因となっていると考えられる。
【0027】
この平衡状態では、同極間における反発力は作用していないと考えられる。また、磁石間のスラスト方向の吸引力は、磁力線が曲線ないし弧を描くので、棒磁石のように全成分になる直線状の磁力線の場合に比して少し弱くなる。なお、両面2極型磁石12に回転方向の外力を一寸加えて、その外力を開放してやると、両面2極型磁石12は直ちに平衡状態位置に戻る。すなわち、この平衡状態は無負荷時には非常に安定している。
【0028】
これは、ちょうど異極面同士をゴム紐の束で自然長のままつないだ状態とみることができる。両方の磁石11、12をねじって離すと、ゴム紐の張力により元の位置に戻る。
【0029】
(2)両面2極型磁石12の回転開始後
図4(B)は、両面2極型磁石12が両面2極型磁石11に対して+45°だけ矢印方向に回転した場合における両面2極型磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。両面2極型磁石12が矢印方向に回転を始めると、両者の平衡状態保持の原理により、磁力線に平衡状態を回復しようとする張力が発生して、両面2極型磁石11に回転方向と同方向(矢印方向)にトルクが発生する。これは吸引力に基づくトルクである。このとき磁極線21はねじ曲げられて、強靭な磁束の張力と磁束の側面で両面2極型磁石11に回転を与える。
【0030】
これは、ゴム紐でいえば、回転によってゴム紐が伸びるため、両面2極型磁石11はゴム紐により引っ張られて、両面2極型磁石12と同方向の回転トルクを受ける。回転角度が大きくなると、ゴム紐のねじれ量に応じて回転トルクも上昇する。
【0031】
吸引力の磁力線21は、このようにねじ曲げられ、しかも長く伸びているために切断作用がなく、張力成分を充分に発揮できる。また、磁力線21は図5(B)(参考)に示すようにほぼ両面2極型磁石12の磁極面と平行になるように長くねじ曲げられて寝る。長くねじ曲げられることにより磁力線が縮もうとして生じる張力作用と、磁束が絞られ磁束密度が上がることにより生じる磁力線同士の反発作用とが強力に作用して両面2極型磁石11を押え付ける。この押え付けはN極面とS極面の両面で同時に生じるため、これによっても両面2極型磁石11に大きな回転トルクが付与されると考えられる。
【0032】
上記張力作用と磁力線による押付け作用の2つの回転伝達作用が、両面2極型磁石11のN極側とS極側に作用するので、両面2極型磁石11に大きな回転トルクが伝達される。
【0033】
(3)両面2極型磁石11と両面2極型磁石12との位相が+90°近くに達した時
図4(C)、図5(B)は、負荷の増大により両面2極型磁石12が+90°近くに達した場合における、両面2極型磁石12と両面2極型磁石11との関係を示す。図4(C)に示すように、両磁石が直交するので吸引力の磁場と反発力の磁場が同じ力で作用する。位相が+90°以上になると、反発力の磁場が強くなり脱離する。
【0034】
(4)本発明と従来例との相違
吸引トルクに関しては、対向磁石間の回転方向のずれ(位相)を横軸に取り、トルクを縦軸に取った場合、U字型磁石と棒状の撹拌子とからなる従来例では、図6に示すように0°から急速に立ち上がり始め、20°近くでピークを迎え、その後は急速に減少していく傾向がある。これに対して、共に両面2極型磁石からなる本発明では、図7に示すようにトルクは急速に立ち上がり、20°を過ぎた点から膨らみをもって徐々に立ち上がり、80°近傍でピークに達した後、しばらくそのピークを保持している。
【0035】
両者のピーク値には大きな違いがある。従来例で20°でピーク値に達してしまう、その原因は、直線的に作用する磁力線の性質であることが分かる。
【0036】
それに対して、本発明では、トルク発生領域が広く、90°付近まで作用するので反転時に於ける回転遊びを最大180°近傍まで利用することができる。
【0037】
一方、スラスト方向の吸引力に関しては、従来例では、図6に示すように0°でピークをもち、位相が大きくなるにしたがって急激に減少していき、60°付近からその減少具合が緩和し徐々に減少していく傾向がある。これに対して本発明では、0°でピークを示した後ほぼ直線的に減少していく傾向にある。
【0038】
このように本発明の回転トルクは、従来に比してトルク発生領域が広く、90°付近まで作用するので瞬時反転回転が可能となる。
【0039】
(5)正逆回転伝達作用
図6、図7からマイナス位相側のトルク特性を得るには、図6、図7の特性を左右対称に形成すればよい。すると、正逆転の最大トルク間の位相差は、本発明の180°に対して従来例では40°であり、大きな開きがある。
【0040】
すなわち本発明では、両面2極型磁石12を瞬時逆回転により今までとは反対方向に回した時、両面2極型磁石11に逆回転トルクを与える間の回転遊びは最大180°ある。この大きな遊びが逆転時の衝撃力を緩和し、瞬時に逆転したときでも両面2極型磁石11の脱離が防止できると考えられる。また、ねじ曲げられた磁力線の束は、非常に強靱であり、その強靱さも磁石同士の脱離作用を防止する作用があると考えられる。
【0041】
このように遊びと磁力線の強度から正逆回転が有効、かつ徐々に(実際は急速であるが微視的に見れば、従来例よりも徐々にということである)伝達されるため脱離が生じにくい。
【0042】
逆回転のメカニズムは図4の(E)〜(G)に示すようになる。図4(C)の状態から、両面2極型磁石12を今度は逆転すると、今まで張り詰めていた張力の復元力と反発力とが両面2極磁石11に働き、駆動源である駆動モータの逆転起動トルクを助勢する働きをして、速やかに−90°回転し、位相が0°となり同図(A)と同じ位置に戻り平衡状態となる(図4(E))。その後は、上述した正転のときと逆位相で、両面2極型磁石12の回転が両面2極型磁石11に全く同様に伝達される(図4(F)〜(G))。
【0043】
ゴム紐でいえば、伸びきったゴム紐がその張力を解かれて瞬時に復元するため、両面2極型磁石11は元の平衡状態の位置に戻る。そして、そのまま今度は逆方向の張力により引っ張られて両面2極型磁石11に逆方向の回転トルクが生じるということになる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0045】
図8は、本発明の磁力回転駆動装置を自立型のマグネチックスターラに適用した第1実施例を示すものである。
【0046】
液体35を収容する非磁性体により形成された無蓋型撹拌容器34内に、撹拌用の磁石32を配置し、容器34外の底壁近傍に駆動用の磁石31を対向配置する。駆動モータ33で駆動用磁石31を回転させて撹拌用磁石32を回転させる。
【0047】
駆動用磁石31には表裏に一対の磁極面N、Sを有する平板状で矩形の両面2極型磁石31を用いる。撹拌用磁石32にも表裏に一対の磁極面N、Sを有する平板状で矩形の両面2極型磁石32を用いる(図9参照)。
【0048】
両面2極型磁石31の中心軸上に、これと磁極面が平行になるように両面2極型磁石32を起立させて、両面2極型磁石31を回転させると、両面2極型磁石32は、上記中心軸を軸に回転する。
【0049】
ところで、両面2極型磁石32は、平板状に形成されたものであるため、容器34内の起立を安定にする必要がある。そこで転倒防止用部材を取り付ける。例えば、図9、図10に示すように、両面2極型磁石32の表裏の磁極面36、37のそれぞれ四隅に、両面2極型磁石32の起立を確実にする棒状体38を横方向に突設してある。この棒状体38を含めた全体は合成樹脂皮膜39により被覆してある。
【0050】
両面2極型磁石32と棒状体38とに被覆した合成樹脂皮膜39は、両面2極型磁石32の摩擦抵抗の軽減、摩耗防止、薬品性および洗浄性を良好にする。また、両面2極型磁石32の表裏の磁極面36、37のそれぞれ四隅に棒状体38を突設したので、両面2極型磁石32を両面2極型磁石31と対向して配設する際に、両面2極型磁石32を4通りの辺をもっても起立させることができ、使い勝手がよい。なお、棒状体38は表裏の磁極面36、37の下辺の両端に2個づつ突設するに止めてもよい。
【0051】
また、転倒防止用部材は、図11、図12のように、角板型の両面2極型磁石32をすっぽり覆い、これを中心にして磁極面と直交する左右方向に延びる角柱型の合成樹脂39で構成し、両面2極型磁石32の厚み面がどの位置でも容器の底部に安定して回転できるようにしてもよい。なお、合成樹脂39は断面形状を4角形とせず、丸形、6角形、8角形としてもよい。
【0052】
さらに、図13に示すように両面2極型磁石32を合成樹脂製のブロック44中に一体的に固め、そのブロック44の上部中央に係合溝を設けて、その係合溝に嵌合する係止溝を設けた合成樹脂製のブロック41を形成し(a)、両者を嵌合して組み付け、または溶着し全体を十字形とするようにしてもよい(b)。この場合、合成樹脂製のブロック41の長さを長くすることにより、該ブロック41に転倒防止機能に加えて翼機能を持たせるようにしてもよい。また、同図(c)に示すように軸45を突設して、これに撹拌翼を取り付けられるようにしてもよい。
【0053】
また、組み付けるのではなく、図14に示すように、両面2極型磁石32と直交するダミー42を当初から一体的に設けて十字形とすることもできる。
【0054】
上述した両面2極型磁石32またはその転倒防止用部材の上面または下面の回転軸中心には、例えば図10、図12、図14に示したように、突起43を設け、回転力を弱める摩擦力および摩耗を軽減することが好ましい。また、棒状体38、39、ブロック41、44、またはダミー42に弾性を持たせるようにすれば、回転時の衝撃音を和らげることができる。
【0055】
上記実施例によれば、容器内34の撹拌子として棒状磁石ではなく、厚さが薄く表面積の大きい両面2極型磁石を使用するので、撹拌効率を大幅に向上することができる。また、本実施例によれば両面2極型磁石32を自立型としたので、構成が簡単でメンテナンスが容易である。
【0056】
なお、実験によると、さらに両面2極型磁石の背の高さを低くする程回転トルクが大きく、撹拌効率がよいこともわかった。
【0057】
本実施例は、撹拌子と駆動磁石とを共に両面2極型磁石で構成したので次に記載する効果を奏する。
【0058】
ねじ曲げられ磁力線の張力作用と斥力作用とによって、強力な磁気力による回転伝達が得られる。
【0059】
大きな遊びと磁力線の強力な張力作用により、撹拌子をモータの瞬時切換えで反対方向に回しても、撹拌子は脱離することなく反転する(負荷トルク以上の磁気トルクを設定した場合でも、脱離はしない)。
【0060】
駆動磁石および撹拌子がネオジウムで、各々の磁石の寸法が(厚み1cm、縦25cm横5cm)の場合において、比較的粘度の低い液体(水程度)で約100リットルの容量を撹拌する効果がある。
【0061】
また、ねじ曲げられた磁力線の吸引トルクを利用して、可能な限り強力な磁気力にすることによって、撹拌装置の大型化が実現できる。
【0062】
図15は、本発明の磁気回転伝達装置を他立型のマグネチックスターラに適用した第2実施例を示すものである。
【0063】
図8と異なる点は、液体35を収容する容器が有蓋型撹拌容器51であり、その内に配置されている平板状の両面2極型磁石32が他立型で撹拌羽根56を有することも可能な点である。すなわち、蓋体52中央に設けた軸受55に回転軸54の基端が回転自在に取り付けられ、回転軸54の先端には両面2極型磁石32が一体的に取り付けられ、両面2極型磁石32は回転軸54によって回転自在に蓋体52から支持されている。
【0064】
回転軸54の中央付近には、撹拌羽根56が取り付けられ、両面2極型磁石32の撹拌に加えてさらに撹拌効率を上げるようになっている。この撹拌羽根56の取付けは、より大きな回転トルクが得られて初めて可能とる。なお、撹拌容器51は頭付ねじ53で蓋体52によって密閉出来るようになっており、液面上の密閉空間を真空、加圧または気体置換して行う撹拌に、もしくは容器51を遮光性容器として感光性液体の撹拌に好結果をもたらすものである。
【0065】
特に容器上部から支持した回転軸54に、撹拌羽根56を設置することにより、沈殿しやすい液体35を上下に強力に撹拌することと、液中の粒状体をせん断撹拌する場合に効果がある。
【0066】
なお、上記両実施例はいずれも駆動磁石が両面2極型磁石で、撹拌子も両面2極型磁石の場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図16の第3実施例に示すように、駆動磁石を両面2極型磁石32とし、撹拌子を棒状の左右2極型磁石60としてもよく、あるいは、図17の第4実施例に示すように撹拌子を棒状の左右2極型磁石60の代りにU字型磁石31としてもよい。特に、被回転体としてU字型磁石31を使用するときは、その磁極面を大きくすれば自立させることができるので、両面2極型磁石の場合のような転倒防止用部材は不要である。
【0067】
図18は、本発明の磁気回転伝達装置を磁気カップリングに適用した第5実施例を示すものである。
【0068】
その構造は図18に示すように、ケース61内に2本の回転軸62、63を同一軸線上に軸受64、65によって回転自在に挿通する。ケース61内の一方の回転軸62の先端には、表裏に一対の磁極面を有する両面2極型磁石66を、磁極面の延長面が回転軸62と平行するように取り付ける。ケース61内の他方の回転軸63の先端には、表裏に一対の磁極面を有する両面2極型磁石67を、磁極面が回転軸63と平行となるように、かつ両面2極型磁石66と適宜間隔を開けて対向するように取り付ける。ケース61内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁68を両磁石66、67間に介在するように設ける。そして、いずれか一方の磁石66、67を駆動側とし、いずれか他方の磁石67、66を被駆動側としたものである。
【0069】
本磁気カップリングによれば、非磁性体の隔壁68の構造を単純化とすることができ、カップリングの太さや軸方向の長さも短縮化できる。また、小さなスラスト力でありながら、大きな回転トルクを得ることができる。例えば実施例の構造においての回転トルクは、従来品の0.6kg−cmに対して2.0kg−cmと3倍以上に増加した。また、反転撹拌にも有効に機能する。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果がある。
【0071】
(1)両方の磁石を、表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石とするという簡単な構造で、ねじ曲げられた吸引磁束と強靭で太い吸引磁束が得られるため、駆動系および回転系を共に左右2極型磁石とした従来例に比して、はるかに大きな伝達トルクを得ることができる。
【0072】
(2)吸引作用の他に反発作用も同時に働くので、全体にスラスト荷重が小さくなり、円滑な回転伝達が図れる。
【0073】
(3)対向する磁石間に大きな磁気位相遊びと大きな磁気張力があるので、高速回転を維持したまま脱離することなく逆回転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気回転伝達装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の磁気回転伝達装置の自立型の具体的構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気回転伝達装置の他立型の具体的構成を示す斜視図である。
【図4】両面2極型磁石間に生じる磁力線の状態を説明する正面図で、(A)は平衡状態(位相0°)の時、(B)は+45°ずれた時、(C)は+90°ずれた時、(E)は−90°反転した位相が0°になった時の吸引力による磁力線の状態図、(F)は−45°ずれた時、(G)は−90°ずれた時の磁力線の状態図である。
【図5】両面2極型磁石間の作用を説明する斜視図で、(A)は無負荷時、(B)は最大負荷時である。
【図6】従来例の両磁石間の位相に対する回転トルクとスラスト方向の吸引力の関係を示す図である。
【図7】本発明の両磁石間の位相に対する回転トルクとスラスト方向の吸引力の関係を示す図である。
【図8】本発明の磁気回転伝達装置の第1実施例を説明するための自立型マグネチックスターラの正面断面図である。
【図9】本実施例による転倒防止用部材として棒状体を取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図10】図9のZ−Z断面図である。
【図11】本実施例による転倒防止用部材として角板型の両面2極型磁石をすっぽり覆う角柱型の合成樹脂としたときの当該合成樹脂の一部破断した正面図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】本実施例による転倒防止用部材としてブロックを組み付けた両面2極型磁石を説明した斜視図である。
【図14】本実施例による転倒防止用部材としてダミーを一体的に取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図15】本実施例の磁気回転伝達装置の第2実施例を説明するための他立型マグネチックスターラの正面断面図である。
【図16】本発明の磁気回転伝達装置の第3実施例を説明するための要部を示す斜視図である。
【図17】本発明の磁気回転伝達装置の第4実施例を説明するための要部を示す斜視図である。
【図18】本発明の磁気回転伝達装置の第5実施例を説明するための磁気カップリングの構造を示す断面図である。
【図19】従来例のマグネチックスターラの正面断面図である。
【図20】従来例のU字型磁石と棒状磁石とに生じる磁力線の状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
11 両面2極型磁石
12 両面2極型磁石
13 中央延長線
Claims (8)
- 表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、
上記一方の両面2極型磁石の中央延長線上に、該中央延長線と磁極面が平行するように他方の上記両面2極型磁石を対向して設け、
上記中央延長線を軸にいずれか一方の磁石を回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにした
ことを特徴とする磁気回転伝達装置。 - 回転が磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、転倒しない自立構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気回転伝達装置。
- 上記転倒しない自立構造となっている上記いずれか他方の磁石に、転倒防止用の部材を取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の磁気回転伝達装置。
- 回転が磁力で伝達される上記いずれか他方の磁石が、軸受に支持された回転軸に一体的に取り付けた他立構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気回転伝達装置。
- 容器と、
表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、
いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、上記容器内にいずれか他方の磁石をいずれか一方の磁石と対向し、かつ自立するように設け、
上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにした
ことを特徴とする磁気回転伝達装置。 - 蓋を有する容器と、
表裏に一対の磁極面を有する面状の両面2極型磁石を2個備え、
いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に設け、
上記容器内に、いずれか他方の磁石を、いずれか一方の磁石と対向し、かつ他立するように上記蓋に取り付けた軸受に支持された回転軸に一体的に取り付け、
上記容器底壁近傍に設けたいずれか一方の磁石を回転駆動手段により回転させることにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにした
ことを特徴とする磁気回転伝達装置。 - 上記容器内に設けたいずれか他方の磁石を合成樹脂により被覆したことを特徴とする請求項5または6に記載の磁気回転伝達装置。
- ケース内に2本の回転軸を同一軸線上に回転自在に挿通し、
ケース内の一方の回転軸の先端に、表裏に一対の磁極面を有する第1の面状の両面2極型磁石を、磁極面が回転軸と平行となるように取り付け、
ケース内の他方の回転軸の先端に、表裏に一対の磁極面を有する第2の面状の両面2極型磁石を、磁極面が回転軸と平行となるように、かつ第1の面状の両面2極型磁石と適宜間隔を開けて対向するように取り付け、
ケース内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁を両磁石間に介在するように設け、
いずれか一方の磁石を駆動側とし、いずれか他方の磁石を被駆動側とした
ことを特徴とする磁気回転伝達装置。
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