JP2678569B2 - 磁気回転伝達装置 - Google Patents

磁気回転伝達装置

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JP2678569B2
JP2678569B2 JP16098094A JP16098094A JP2678569B2 JP 2678569 B2 JP2678569 B2 JP 2678569B2 JP 16098094 A JP16098094 A JP 16098094A JP 16098094 A JP16098094 A JP 16098094A JP 2678569 B2 JP2678569 B2 JP 2678569B2
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慎一 秋山
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慎一 秋山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石の回転を対向磁石
に伝達する磁気回転伝達装置に係り、特に一方の磁石に
面状の両面2極型磁石を用いたものに関し、例えば薬品
等の撹拌、化学反応装置、高圧・真空反応装置、感光材
料撹拌装置、酸化防止撹拌装置、粉体撹拌装置、貴金属
研磨機、家庭用ミキサー、簡易洗濯機または磁気カップ
リング装置等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、撹拌子と対向して配置したU字型
磁石を回転させ、両者の異極間の吸引作用のみで撹拌子
を回転させるものとして、マグネチックスターラと呼ば
れる磁気回転伝達装置が知られている。
【0003】その機構を図18により説明すると、液体
75を収容する容器74内に棒状の撹拌子72を配置
し、容器74外の底壁近傍にU字型磁石71を対向配置
し、駆動モータ73でU字型磁石71を回転させて撹拌
子72を回転させるものである。
【0004】また、磁気カップリングと呼ばれる磁気回
転伝達装置もあり、これにはラジアル型とアキシャル型
とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のマグネ
チックスターラは、図19に示すように、撹拌子72と
U字型磁石71との間に形成される磁力線77に基づく
吸引力で撹拌子72が回転するものである。このため、
伝達トルクが小さく、撹拌子が容易に脱離するという不
具合がある。また、磁束の径が比較的小さい。
【0006】ところが、撹拌能力の向上という要請に応
えるため、撹拌子および対向するU字型磁石の各磁力を
強化し、異極間相互の吸引力のみを増大して、撹拌子の
回転能力を向上しようとしている。
【0007】しかし、このように単に異極間のみの吸引
力を増大しようとすると、次のような種々の問題が生じ
る。
【0008】(1)スラスト方向の負荷が増大する。
【0009】駆動モータのスラスト方向の負荷増大によ
り回転トルクの損失が生じたり、軸受の摩耗が生じたり
する。また、撹拌子の回転接触部の摩擦の増大により回
転トルクの損失が生じたり、撹拌子の回転接触部の摩耗
が増大したり、さらには撹拌子の回転接触部の摩擦音に
よる騒音の増大が生じたりする。特に、撹拌子の回転接
触部が摩耗すると、その摩耗粉が容器内の液体に混入す
るため、好ましくない。
【0010】(2)撹拌子を急激に反転しようとすると
脱離が生じる。このため、正逆の反復回転をしようとす
るときは、撹拌子の回転を一旦停止させてスロースター
トする必要があり、作業性が極めて悪い。また、急激な
正逆反転ができなため、撹拌効率を高めることができな
い。
【0011】一方、上述した磁気カップリングにあって
は、ラジアル型はアキシャル型に比べてスラスト力がか
からないという利点があるものの、隔壁が複雑な形状と
なる欠点を有する。これに対してアキシャル型はラジア
ル型に比べて構造が簡単で、軸方向の長さを短くでき、
隔壁形状を単純化できるという利点を有するものの、軸
受部にスラスト力が働き、それが磁力に比例するという
欠点を有していた。
【0012】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消して、簡単な構造でありながらスラスト荷重を大
きくすることなく、回転トルクを増大させ、また脱離す
ることなく正逆回転の切換えが可能な磁気回転伝達装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明の磁気回転伝
達装置は、長手方向に平行な一面の長手方向一端近傍部
分を一方の極の磁極とし、該一面の該長手方向他端近傍
を他方の極の磁極とす る左右2極型磁石と、前記左右2
極型磁石と略同等の長さを有し、長手方向に平行な一面
である表面全面を一方の極の磁極とし、該表面の反対の
面である裏面全面を他方の極の磁極とする両面2極型磁
石とを備え、上記左右2極型磁石の磁極面に直交する方
向に延び、該左右2極型磁石の長手方向中央を通る中央
延長線上であって、該左右2極型磁石の磁極面の存在す
る側に、該中央延長線と磁極面が平行するように上記両
面2極型磁石を対向して設け、上記中央延長線を軸にい
ずれか一方の磁石を回転させることにより、その回転を
いずれか他方の磁石に磁力で伝達するようにしたもので
ある。
【0014】例えば、図1に示すように、略同一面に適
宜間隔を開けて一対の磁極面N、Sを有するU字型の左
右2極型磁石11と、両面に一対の磁極N、Sを有する
平板状の両面2極型磁石12とを対向配置させ、中央延
長線13を軸に左右2極型磁石11を回転させることに
より、両面2極型磁石12を磁力で回転させるように構
成される。
【0015】第2の発明は、第1の発明において、回転
効率を高めるために、回転が磁力で伝達される上記いず
れか他方の磁石が、転倒しない自立構造となっているも
のである。
【0016】第3の発明は、第2の発明において、上記
転倒しない自立構造となっている上記いずれか他方の磁
石が、上記両面2極型磁石であり、該両面2極型磁石に
転倒防止用の部材を取り付けたものである。
【0017】例えば、図2に示すように、非磁性体14
を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面
N、Sを有するU字型の左右2極型磁石11と、両面に
一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12と
を対向配置させる。左右2極型磁石11は、その中央延
長線13上に有する回転軸16に取り付け、駆動モータ
15によって回転させる。中央延長線13と磁極面N、
Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12の底
部の四隅には、転倒防止用の部材17を水平方向に突出
させ、この転倒防止用部材17という自立手段によって
回転自在に支持するように構成される。
【0018】第4の発明は、第1の発明において、回転
効率と回転用途の拡大を高めるために、回転を磁力で伝
達される上記いずれか他方の磁石が、軸受に支持された
回転軸に一体的に取り付けた他立構造となっているもの
である。
【0019】例えば、図3に示すように、非磁性体14
を介して、略同一面に適宜間隔を開けて一対の磁極面
N、Sを有するU字型の左右2極型磁石11と、両面に
一対の磁極N、Sを有する面状の両面2極型磁石12と
を対向配置させる。左右2極型磁石11には、その中央
延長線13上に有する回転軸16を取り付け、駆動モー
タ15によって回転させる。中央延長線13と磁極面
N、Sが平行するように起立させた両面2極型磁石12
には、その中央延長線13上の上面中央部に回転軸18
を一体的に設ける。この回転軸18は上方の軸受台20
に固定された軸受19によって支持され、この回転軸1
8という他立手段によって両面2極型磁石12を回転自
在に支持するように構成される。
【0020】第5の発明は、第1の発明の磁気回転伝達
装置において、さらに容器を備え、該容器内に転倒しな
い自立構造となっている上記いずれか他方の磁石を設
け、上記いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近
傍に設けたものである。
【0021】第6の発明は、第4の発明の磁気回転伝達
装置において、さらに蓋を有する容器を備え、上記蓋に
軸受を取り付け、該軸受に支持された回転軸に一体的に
取り付けた他立構造となっている上記いずれか他方の磁
石を上記容器内に設け、上記いずれか一方の磁石を上記
容器外の容器底壁近傍に設けたものである。
【0022】第7の発明は、第5および第6の発明にお
いて、磁石の破損保護、耐薬品性および洗浄性を良好な
らしめるために、容器内に設けたいずれか他方の磁石を
合成樹脂により被覆したものである。
【0023】第8の発明は、第1の発明の磁気回転伝達
装置において、該磁気回転伝達装置を収納するケースを
さらに備え、上記左右2極型磁石の長手方向中央を通る
中央延長線上の上記ケースの両端から2本の回転軸を回
転自在に挿通し、挿通した一方の回転軸の先端に左右2
極型磁石を取り付け、挿通した他方の回転軸の先端に両
面2極型磁石を取り付け、上記ケース内を区画形成する
非磁性体の平板状の隔壁を両磁石間に介在するように設
けたものである。
【0024】
【作用】図1に示すように、左右2極型磁石11と両面
2極型磁石12とを対向させ、左右2極型磁石11を回
転すれば、両面2極型磁石12は左右2極型磁石11と
の相互磁力作用により回転する。この相互磁力作用によ
る回転は、従来の棒状磁石を用いたものに比してはるか
に強力である。その原理は必ずしも明確ではないが、図
4および図5を用いて推量しつつ説明する。なお、一般
的には磁力線の密度が磁界の強さを表すが、図では磁力
線を便宜上描いてあるので、そのようになっていない。
また、図4において両面2極型磁石12は回転駆動側と
する。左右2極型磁石11は便宜上固定しているが、回
転が伝達される側とし、左右2極型磁石11に生じるト
ルクが測定できるようにしてある。また、磁力線には、
磁力線自身は縮もうとする傾向をもち、磁力線同士は互
いに反発し合うという性質を有する。比喩的にはゴム
紐、または引張バネないし圧縮バネのような張力または
反発力が存在するといえる。
【0025】(1)両面2極型磁石12の回転開始前 図4(A)、および図5(A)は両面2極型磁石12の
回転開始前(平衡状態)における同磁石12と左右2極
型磁石11との関係を示す。両者は、異極(N極、S
極)間の磁力線21の吸引力で吸引し合って、互いの異
極面同士が直交するように交叉状に対向し、平衡状態を
保持している。左右2極型磁石11に作用する回転トル
クは0である。吸引力に寄与する磁力線21は、図示す
るように、N極面から垂直に出て、このN極面と直交す
るS極面に垂直に入ることから、弧 を描く。したがっ
て、吸着面に平行の分力が生じるので、異極間の吸引力
は、吸着面に平行の外力に対しても強くなる。また、一
方の磁石12が面状となり磁束の径が比較的大きい。
【0026】磁石間のスラスト方向の吸引力は、後に説
明する回転トルクに比べて弱い。なお、両面2極型磁石
12に回転方向の外力を一寸加えて、その外力を開放し
てやると、両面2極型磁石12は直ちに平衡状態位置に
戻る。すなわち、この平衡状態は無負荷時には非常に安
定している。
【0027】(2)左右2極型磁石11の回転開始後 図4(B)は、両面2極型磁石12が左右2極型磁石1
1に対して+45°だけ矢印方向に回転した場合におけ
る両面2極型磁石12と左右2極型磁石11との関係を
示す。両面2極型磁石12が矢印方向に回転を始める
と、両者の平衡状態保持の原理により、磁力線に平衡状
態を回復しようとする張力が発生して、左右2極型磁石
11に回転方向と同方向(矢印方向)にトルクが発生す
る。
【0028】(3)左右2極型磁石11と両面2極型磁
石12との位相が+90°近くに達した時 図4(C)、(D)、図5(B)、および図6は、負荷
の増大により両面2極型磁石12が+90°近くに達し
た場合における、両面2極型磁石12と左右2極型磁石
11との関係を示す。図4(C)および図5(B)に示
すように、吸引力の磁力線21はさらに大きくねじ曲げ
られて長くなり、寝るような形となる。また、磁力線2
1は図5(B)に示すようにほぼ両面2極型磁石12の
磁極面と平行になるように長くねじ曲げられて寝る。長
くねじ曲げられることにより磁力線が縮もうとして生じ
る張力作用と、磁束が絞られ磁束密度が上がることによ
り生じる磁力線同士の反発作用とが強力に作用して左右
2極型磁石11に大きな回転トルクが付与されると考え
られる。
【0029】ところで、両面2極型磁石12のN極、S
極がそれぞれ表裏に形成されているため、左右2極型磁
石11のN極またはS極が、両面2極型磁石11の裏面
にあるN極または表面にあるS極に接近するその近傍に
おいては、図6に示すように両面2極型磁石12の底面
左右でそれぞれ3極が共存し、吸引作用22と同時に反
発作用23が発生する(以下、これを3極作用とい
う。)。
【0030】反発力の磁力線24は図4(D)に示すよ
うに、吸引力21の磁力線と同様に大きくねじれて寝る
ため、左右2極型磁石11には、吸引力によるトルクと
同等の反発力によるトルクが同方向に生じるものと考え
られる。したがって、両磁石11、12の位相が+90
°近くでは左右2極型磁石11には、吸引力によるトル
クに、これと同等の反発力によるトルクが加わるため、
強力な回転トルクが生じる。
【0031】一方、3極作用によりスラスト方向の負荷
は互いに打ち消し合う。すなわち、図6に示すように左
右2極型磁石11のN極面の上部近傍に両面2極型磁石
12のN極とS極が共存する磁極面があるとき、両面2
極型磁石12のN極は反発し、S極は吸引している。ま
た、同じく左右2極型磁石極11のS極面の上部近傍に
おいて両面2極型磁石12のS極は反発しN極は吸引し
ている。よって、両磁石11、12間において磁力によ
るスラスト方向の力は打ち消し合う作用がある。また、
3極作用の要素である吸引作用22および反発作用23
は、図6に示すように、両面2極型磁石12の底面左右
において、各々対角線上に生じている。そのため左右2
極型磁石11はバランスを保って回転できる。
【0032】一方、スラスト方向の吸引力に関しては、
従来例では0°でピークをもち、位相が大きくなるに
たがって減少していき、60°付近からその減少具合が
緩和し徐々に減少していく傾向がある。これに対して本
発明では、位相が増加してもほぼ一定の状態が続き、あ
る角度からは90°に近づくにつれて減少する。
【0033】本発明の回転トルクは従来に比して強大
で、しかも位相が90°近くの所にピークが生じる。ま
た、本発明のスラスト荷重は回転トルクに比してはるか
に小さく、90°近傍の最大動作点ではかなり小さな値
に減少する傾向がある。
【0034】(5)正逆回転伝達作用すると、 正逆転の最大吸引トルク間の位相差は、本発明
の180°に対して従来例ではそれよりかなり小さい。
【0035】すなわち本発明では、両面2極型磁石12
を瞬時逆回転により今までとは反対方向に回した時、左
右2極型磁石11に逆回転トルクを与える間の回転遊び
は最大180°ある。この大きな遊びが逆転時の衝撃力
を緩和し、瞬時に逆転したときでも左右2極型磁石11
の脱離が防止できると考えられる。また、ねじ曲げられ
た磁力線の束は、非常に強靱であり、その強靱さも磁石
同士の脱離作用を防止する作用があると考えられる。
【0036】このように遊びと磁力線の強度から正逆回
転が徐々に(実際は急速であるが微視的に見れば、従来
例よりも徐々にということである)伝達されるため脱離
が生じない。
【0037】逆回転のメカニズムは図4の(E)〜
(H)に示すようになる。図4(C)の状態から、両面
2極型磁石12を今度は逆転すると、今まで張り詰めて
いた張力の復元力と反発力とが両面2極磁石12に働
き、駆動源である駆動モータの逆転起動トルクを助勢す
る働きをして、速やかに−90°回転し、位相が0°と
なり同図(A)と同じ位置に戻り平衡状態となる(図4
(E))。その後は、上述した正転のときと逆位相で、
両面2極型磁石12の回転が左右2極型磁石11に全く
同様に伝達される(図4(F)〜(H))。
【0038】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について、図面を
参照しながら説明する。
【0039】図7は、本発明の磁力回転駆動装置を自立
型のマグネチックスターラに適用した第1実施例を示す
ものである。
【0040】液体35を収容する非磁性体により形成さ
れた無蓋型撹拌容器34内に、撹拌用の磁石32を配置
し、容器34外の底壁近傍に駆動用の磁石31を対向配
置する。駆動モータ33で駆動用磁石31を回転させて
撹拌用磁石32を回転させる。
【0041】駆動用磁石31には略同一面に一対の磁極
面N、Sを有するU字型磁石31を用いる。撹拌用磁石
32には表裏に一対の磁極面N、Sを有する平板状で矩
形の両面2極型磁石32を用いる(図8参照)。
【0042】U字型磁石31の中心軸上に、これと磁極
面が平行になるように両面2極型磁石32を起立させ
て、U字型磁石31を回転させると、両面2極型磁石3
2は、上記中心軸を軸に回転する。
【0043】ところで、両面2極型磁石32は、平板状
に形成されたものであるため、容器34内の起立を安定
にする必要がある。そこで転倒防止用部材を取り付け
る。例えば、図8、図9に示すように、両面2極型磁石
32の表裏の磁極面36、37のそれぞれ四隅に、両面
2極型磁石32の起立を確実にする棒状体38を横方向
に突設してある。この棒状体38を含めた全体は合成樹
脂皮膜39により被覆してある。
【0044】両面2極型磁石32と棒状体38とに被覆
した合成樹脂皮膜39は、両面2極型磁石32の摩擦抵
抗の軽減、摩耗防止、薬品性および洗浄性を良好にす
る。また、両面2極型磁石32の表裏の磁極面36、3
7のそれぞれ四隅に棒状体38を突設したので、両面2
極型磁石32をU字型磁石と対向して配設する際に、両
面2極型磁石32を4通りの辺をもっても起立させるこ
とができ、使い勝手がよい。なお、棒状体38は表裏の
磁極面36、37の下辺の両端に2個づつ突設するに止
めてもよい。
【0045】また、転倒防止用部材は、図10、図11
のように、角板型の両面2極型磁石32をすっぽり覆
い、これを中心にして磁極面と直交する左右方向に延び
る角柱型の合成樹脂39で構成し、両面2極型磁石32
の厚み面がどの位置でも容器の底部に安定して回転でき
るようにしてもよい。なお、合成樹脂39は断面形状を
4角形とせず、丸形、6角形、8角形としてもよい。
【0046】さらに、図12に示すように両面2極型磁
石32を合成樹脂製のブロック44中に一体的に固め、
そのブロック44の上部中央に係合溝を設けて、その係
合溝に嵌合する係止溝を設けた合成樹脂製のブロック4
1を形成し(a)、両者を嵌合して組み付け、全体を十
字形とするようにしてもよい(b)。この場合、合成樹
脂製のブロック41の長さを長くすることにより、該ブ
ロック41に転倒防止機能に加えて翼機能を持たせるよ
うにしてもよい。また、同図(c)に示すように軸45
を突設して、これに撹拌翼を取り付けられるようにして
もよい。
【0047】また、組み付けるのではなく、図13に示
すように、両面2極型磁石32と直交するダミー42を
当初から一体的に設けて十字形とすることもできる。
【0048】上述した両面2極型磁石32またはその転
倒防止用部材の上面または下面の回転軸中心には、例え
ば図9、図11、図13に示したように、突起43を設
け、回転力を弱める摩擦力および摩耗を軽減することが
好ましい。また、棒状体38、39、ブロック41、4
4、またはダミー42に弾性を持たせるようにすれば、
回転時の衝撃音を和らげることができる。
【0049】上記実施例によれば、容器内34の撹拌子
として棒状磁石やU字型磁石ではなく、厚さが薄く表面
積の大きい両面2極型磁石を使用するので、撹拌効率を
大幅に向上することができる。また、本実施例によれば
両面2極型磁石32を自立型としたので、構成が簡単で
メンテナンスが容易である。
【0050】なお、実験によると、さらに両面2極型磁
石の背の高さを低くする程回転トルクが大きく、撹拌効
率がよいこともわかった。また、両面2極型磁石の厚さ
は丁度U字型磁石の2極間のギャップと同じぐらいと
し、磁極面の面積はU字型磁石の磁極面の面積よりも大
きくすることが好ましいこともわかった。
【0051】本実施例は、撹拌子を両面2極型磁石で構
成したので次に記載する効果を奏する。
【0052】ねじ曲げられ磁力線の張力作用と斥力作用
とによって、強力な磁気力による回転伝達が得られる。
【0053】3極作用によって、駆動モータの軸受部の
転がり摩擦による回転トルクの損失の低減、および転が
り軸受の摩耗の解消が図れる。また、スラスト方向の負
荷は互いに打ち消し合い、自重に浮力を減じた重さが回
転接触面に作用するので摩擦力が軽減されることにより
摩耗が軽減される。また、撹拌子の合成樹脂皮膜から発
生する摩耗粉はなくなり、混合等の液体の濾過作業もな
くなる。また回転トルクの損失もなくすことができる。
【0054】また、3極作用によって、吸引力作用およ
び反発力作用は各々両面2極型磁石の対角線状に生じて
いるため撹拌子の回転は安定を保ちながら回転する。そ
のため、摩擦による騒音を回避できる。
【0055】大きな遊びと磁力線の強力な張力作用によ
り、撹拌子をモータの瞬時切換えで反対方向に回して
も、撹拌子は脱離することなく反転する。
【0056】また、ねじ曲げられた磁力線の吸引トルク
と反発トルクの同時磁気作用と、3極作用によるスラス
ト荷重の低減作用とを利用することにより、可能な限り
強力な磁気力にすることによって、撹拌装置の大型化が
実現できる。
【0057】図14は、本発明の磁気回転伝達装置を他
立型のマグネチックスターラに適用した第2実施例を示
すものである。
【0058】図7と異なる点は、液体35を収容する容
器が有蓋型撹拌容器51であり、その内に配置されてい
る平板状の両面2極型磁石32が他立型で撹拌羽根56
を有している点である。すなわち、蓋体52中央に設け
た軸受55に回転軸54の基端が回転自在に取り付けら
れ、回転軸54の先端には両面2極型磁石32が一体的
に取り付けられ、両面2極型磁石32は回転軸54によ
って回転自在に蓋体52から支持されている。
【0059】回転軸54の中央付近には、撹拌羽根56
が取り付けられ、両面2極型磁石32の撹拌に加えてさ
らに撹拌効率を上げるようになっている。この撹拌羽根
56の取付けは、より大きな回転トルクが得られて初め
て可能とる。なお、撹拌容器51は頭付ねじ53で蓋体
52によって密閉出来るようになっており、液面上の密
閉空間を真空、加圧または気体置換して行う撹拌に、も
しくは容器51を遮光性容器として感光性液体の撹拌に
好結果をもたらすものである。
【0060】特に容器上部から支持した回転軸54に、
撹拌羽根56を設置することにより、沈殿しやすい液体
35を上下に強力に撹拌することと、液中の粒状体をせ
ん断撹拌する場合に効果がある。
【0061】なお、上記両実施例はいずれも駆動磁石が
U字型磁石で、撹拌子が両面2極型磁石の場合について
説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図
15の第3実施例に示すように、駆動磁石を両面2極型
磁石32とし、撹拌子を棒状の左右2極型磁石60とし
てもよく、あるいは、図16の第4実施例に示すように
撹拌子を棒状の左右2極型磁石60の代りにU字型磁石
31としてもよい。特に、回転体としてU字型磁石31
を使用するときは、その磁極面を大きくすれば自立させ
ることができるので、両面2極型磁石の場合のような転
倒防止用部材は不要である。
【0062】図17は、本発明の磁気回転伝達装置を磁
気カップリングに適用した第5実施例を示すものであ
る。
【0063】その構造は図17に示すように、ケース6
1内に2本の回転軸62、63を同一軸線上に軸受6
4、65によって回転自在に挿通する。ケース61内の
一方の回転軸62の先端には、略同一面に適宜間隔を開
けて一対の磁極面を有するU字型磁石66を、磁極面の
延長面が回転軸62と直交するように取り付ける。ケー
ス61内の他方の回転軸63の先端には、表裏に一対の
磁極面を有する板状の両面2極型磁石67を、磁極面が
回転軸63と平行となるように、かつU字型磁石66と
適宜間隔を開けて対向するように取り付ける。ケース6
1内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁68を両磁
石66、67間に介在するように設ける。そして、いず
れか一方の磁石66、67を駆動側とし、いずれか他方
の磁石67、66を被駆動側としたものである。
【0064】本磁気カップリングによれば、非磁性体の
隔壁68の構造を単純化することができ、カップリン
グの太さや軸方向の長さも短縮化できる。また、小さな
スラスト力でありながら、大きな回転トルクを得ること
ができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば次の効果がある。
【0066】(1)一方の磁石を、表裏に一対の磁極面
を有する面状の両面2極型磁石とするという簡単な構造
で、吸引トルクと反発トルクとの同時作用が得られるた
め、駆動系および回転系を共に左右2極型磁石とした従
来例に比して、大きな伝達トルクを得ることができる。
【0067】(2)吸引作用の他に反発作用も同時に働
くので、全体にスラスト荷重が小さくなり、円滑な回転
伝達が図れる。
【0068】(3)対向する磁石間に大きな磁気位相遊
びと大きな磁気張力があるので、高速回転を維持したま
ま脱離することなく逆回転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気回転伝達装置の基本構成を示す斜
視図である。
【図2】本発明の磁気回転伝達装置の自立型の具体的構
成を示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気回転伝達装置の他立型の具体的構
成を示す斜視図である。
【図4】左右2極型磁石と両面2極型磁石とに生じる磁
力線の状態を説明する正面図で、(A)は平衡状態(位
相0°)の時、(B)は+45°ずれた時、(C)は+
90°ずれた時、(D)は同じく位相が+90°ずれた
時の反発力による磁力線の状態図、(E)は−90°反
転した位相が0°になった時の吸引力による磁力線の状
態図、(F)は−45°ずれた時、(G)は−90°ず
れた時、(H)は同じく位相が−90°ずれた時の反発
力による磁力線の状態図である。
【図5】左右2極型磁石と両面2極型磁石との作用を説
明する斜視図で、(A)は無負荷時、(B)は最大負荷
時である。
【図6】両面2極型磁石とU字型磁石との3極作用を説
明する斜視図である。
【図7】本発明の磁気回転伝達装置の第1実施例を説明
するための自立型マグネチックスターラの正面断面図で
ある。
【図8】本実施例による転倒防止用部材として棒状体を
取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図9】図8のZ−Z断面図である。
【図10】本実施例による転倒防止用部材として角板型
の両面2極型磁石をすっぽり覆う角柱型の合成樹脂とし
たときの当該合成樹脂の一部破断した正面図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【図12】本実施例による転倒防止用部材としてブロッ
クを組み付けた両面2極型磁石を説明した斜視図であ
る。
【図13】本実施例による転倒防止用部材としてダミー
を一体的に取り付けた両面2極型磁石の斜視図である。
【図14】本実施例の磁気回転伝達装置の第2実施例を
説明するための他立型マグネチックスターラの正面断面
図である。
【図15】本発明の磁気回転伝達装置の第3実施例を説
明するための要部を示す斜視図である。
【図16】本発明の磁気回転伝達装置の第4実施例を説
明するための要部を示す斜視図である。
【図17】本発明の磁気回転伝達装置の第5実施例を説
明するための磁気カップリングの構造を示す断面図であ
る。
【図18】従来例のマグネチックスターラの正面断面図
である。
【図19】従来例のU字型磁石と棒状磁石とに生じる磁
力線の状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
11 左右2極型磁石 12 両面2極型磁石 13 中央延長線

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に平行な一面の長手方向一端近傍
    部分を一方の極の磁極とし、該一面の該長手方向他端近
    傍を他方の極の磁極とする左右2極型磁石と、 前記左右2極型磁石と略同等の長さを有し、長手方向に
    平行な一面である表面全面を一方の極の磁極とし、該表
    面の反対の面である裏面全面を他方の極の磁極とする両
    面2極型磁石とを備え、 上記左右2極型磁石の磁極面に直交する方向に延び、該
    左右2極型磁石の長手方向中央を通る中央延長線上であ
    って、該左右2極型磁石の磁極面の存在する側に、該中
    央延長線と磁極面が平行するように上記両面2極型磁石
    を対向して設け、 上記中央延長線を軸にいずれか一方の磁石を回転させる
    ことにより、その回転をいずれか他方の磁石に磁力で伝
    達するようにしたことを特徴とする磁気回転伝達装置。
  2. 【請求項2】回転が磁力で伝達される上記いずれか他方
    の磁石が、転倒しない自立構造となっていることを特徴
    とする請求項1に記載の磁気回転伝達装置。
  3. 【請求項3】上記転倒しない自立構造となっている上記
    いずれか他方の磁石が、上記両面2極型磁石であり、
    両面2極型磁石に、転倒防止用の部材を取り付けたこと
    を特徴とする請求項2に記載の磁気回転伝達装置。
  4. 【請求項4】回転が磁力で伝達される上記いずれか他方
    の磁石が、軸受に支持された回転軸に一体的に取り付け
    た他立構造となっていることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気回転伝達装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の磁気回転伝達装置におい
    て、 さらに容器を備え、 該容器内に転倒しない自立構造となっている上記いずれ
    か他方の磁石を設け、 上記いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に
    設けたことを特徴とする磁気回転伝達装置。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の磁気回転伝達装置におい
    て、 さらに蓋を有する容器を備え、 上記蓋に軸受を取り付け、該軸受に支持された回転軸に
    一体的に取り付けた他立構造となっている上記いずれか
    他方の磁石を上記容器内に設け、 上記いずれか一方の磁石を上記容器外の容器底壁近傍に
    設けたことを特徴とする磁気回転伝達装置。
  7. 【請求項7】上記容器内に設けたいずれか他方の磁石を
    合成樹脂により被覆したことを特徴とする請求項5また
    は6に記載の磁気回転伝達装置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の磁気回転伝達装置におい
    て、 該磁気回転伝達装置を収納するケースをさらに備え、 上記左右2極型磁石の長手方向中央を通る中央延長線上
    の上記ケースの両端から2本の回転軸を回転自在に挿通
    し、 挿通した一方の回転軸の先端に左右2極型磁石を取り付
    け、 挿通した他方の回転軸の先端に両面2極型磁石を取り付
    け、 上記ケース内を区画形成する非磁性体の平板状の隔壁を
    両磁石間に介在するように設けたことを特徴とする磁気
    回転伝達装置。
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