JP3597885B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、配線間の静電容量が小さい多層配線を有する半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
また、リ−ク電流の影響を受けるDRAMに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば、従来の金属配線の状態を図14に示す。単結晶シリコン基板21の上に酸化シリコン膜22を形成し、その上に下層金属配線20をパターニングをし、層間絶縁膜23、25及び平坦化SOG膜24を形成し、その後上部金属層26を形成している例が多い。従来の半導体装置の高集積化に伴って多層配線の徴細化が進んでいるが、多層配線に関する公知刊行物としては、例えば、特開平5−218028号が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の多層配線の構造の多くは、酸化シリコン膜23の比誘電率が約4程度なので、高集積化に伴う下層金属配線20の間隔が1ミクロン以下になる最近の半導体装置において配線間の容量が増加し、回路の動作速度を劣化させる等の半導体装置の電気的特性に悪影響を及ぼし始めている。
【0004】
また、電気信号の伝搬速度の遅延を避けるため、所定配線間の許容間隔やMOSトランジスタの閾値電圧の許容範囲等が狭小となる結果、半導体集積回路の製造プロセスに一定の限界が生じるに至っている。
【0005】
本発明の目的は、半導体集積回路装置の動作速度を向上させることができる技術を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、半導体集積回路装置の製造プロセスの制約を緩和することができる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の新規な構成及び効果は、明細書の記載及び添付図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、以下の如くである。
【0009】
本発明の半導体装置は、複数の金属配線間(溝部)の部分に空隙を有する絶縁層を含むことによって、金属配線間の静電容量を減少させる。一態様において、その空隙はCVD法を用いて絶縁層を堆積させる工程で形成される。別の態様においては、熱収縮性の絶縁材料を堆積して加熱する工程で空隙が形成される。
【0010】
【作用】
上記発明によれば、配線相互間の溝部に比誘電率の低い空隙を設け、且つ、金属配線及び溝部を絶縁膜でコートすることによって、同層にパターニングされた金属配線相互間の配線容量を低減しつつ、リーク電流をも減少させることが可能となる。
【0011】
この結果、電気信号が金属配線を充電若しくは放電する際の時間を、従来に比して短縮することができ、且つ、リーク電流をも低減できるので、電気信号の伝搬速度を高速にし、消費電力も低減することができる。
【0012】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例である半導体装置の製造初期工程の断面図である。絶縁膜基板1の上に金属配線2が形成されパターニングした構造を示す。図2は、パターニングされた配線2及び絶縁膜1の表面にCVD法を用いてシリコン酸化膜8を形成した構造を示す。図3は、その後、熱収縮性のポリイミドの前駆体をスピナーを用いて回転速度1000から5000rpmで基板全面にコートした構造断面を示す。その後、基板上のポリイミドを100から150℃でベークして溶剤を蒸発させ、更に、200から250℃でポリイミドをイミド化し、最後に、300から400℃でファイナル・キュアを施し、膜5の安定化を図る。この際、熱収縮性のポリイミドが収縮するため、空隙3が配線間の溝部に自動的に形成される。この空隙は、比誘電率が約1であり、配線容量の低減化を図ることができる。図4は、層間絶縁膜5に上下配線を接続するコンタクト穴(図示せず。)を形成した後、上部金属配線4を形成した構造を示す。なお、配線は、金属はもとより多結晶シリコン、シリサイド・メタル等の導電材料を用いることも可能である。
【0013】
また、上記熱収縮性のポリイミドを低誘電率の材料に選択することで、下層金属配線2と上層金属配線4との配線容量も低減させることが可能である。更に、下層金属配線及び溝部に酸化シリコンをコートしているので配線間のリーク電流を減少させることができる。特に、ダイナミック・メモリ(DRAM)の分野では、CVD法によるシリコン酸化膜8の膜厚を制御することによって配線間のリーク電流を10−5A/cm2 程度にすることが可能であり、このリーク電流は、DRAMの信頼性及び規格を十分満たすことができる。
【0014】
更に、本発明の別の実施例によると、上記層間絶縁膜5をポリイミドに代えてSOG膜を使用することである。本実施例では、SOG膜を100から200℃(溶剤の沸点により異なる。)でベークした後、熱収縮させる為に350から450℃でファイナル・キュアを行えばよい。これにより、上記実施例と同様の空隙を形成することができる。
【0015】
更にまた、本発明の別の実施例によると、上記層間絶縁膜5をポリイミドに代えて熱収縮性のポリテトラフルオロチレン(PTFE)7を含む溶剤をスピナーで基板にコートしてもよい。図5は、PTFE膜を100から200℃(溶剤の沸点により異なる。)でベークした後、熱収縮させる為に300から400℃でファイナル・キュアを行うことで、上記実施例と同様の空隙を形成した構造を示す。特にPTFE膜は、上記ポリイミド膜やSOG膜に比して低誘電率であるため配線容量の減少が著しい。
【0016】
図6に本発明の別の実施例を示す。上記実施例は、スピナーを用いた層間絶縁膜及び低誘電率の空隙の形成に係る技術であるが、本実施例は、CVD法を用いた空隙の形成に係る。即ち、金属配線に第1のシリコン酸化膜8を薄く堆積させた後に、この酸化膜に沿って形成される第2のシリコン酸化膜6を溝部の上方に厚く堆積させる。そして逐次堆積した酸化物6によって金属配線間に空隙4が自動的に形成されるのである。この半導体装置の製造工程を詳述すれば、図7に本実施例の出発工程を示す。絶縁膜1上に金属配線2をパターニングし、この基板表面にCVD法によりシリコン酸化膜8を薄く堆積させる。図8には、第2のCVD法によるシリコン酸化膜6を堆積させた構造を示す。配線相互間の溝部上端に沿ってシリコン酸化物が厚く堆積する構造が示されている。ここで、酸化膜8は、溝部においてリーク電流が増大しないように極めて薄く堆積する必要がある。また、その膜8は、配線間の溝を均一にする様に形成することで、配線容量の平均誘電率を安定にでき、且つ、空隙の底部の膜厚を均一にすることも可能となる。図9は、順次堆積したシリコン酸化物によって溝上部が絶縁膜6によって塞がれた構造を示す。この塞がれた構造によって空隙4が自動的に形成され、配線容量の低減を有効に図ることができると共に、電気的特性を劣化させるリーク電流も低減することができるのである。図10は、第1と第2の金属配線を相互接続するビア・コンタクト穴を形成した後に上部金属配線を形成した構造を示す。なお、上記CVD法は、例えば、モノシランと酸素を反応させる方法や通常のTEOS−CVDにSiF4或はC2F6を添加してフッ素をシリコン酸化物にドープする方法やCVD法でポリイミド系の絶縁物を堆積する方法を選択しても本発明の作用効果を得ることはいうまでもない。
【0017】
図11は、本発明の更に別の実施例の出発工程の断面を示す。即ち、絶縁膜基板1の上に微細にパターニングされた複数の金属配線2と絶縁基板1の表面にCVD法を用いて、シリコン酸化膜8を薄く形成する。図12は、粘性が絶縁基板1の上の溝部に空隙を形成させるのに十分なポリイミドの前駆体5をスピナーを用いて回転速度1000から5000rpmで基板1にコートする。ここで、スピナー工程の際、ポリイミドの高い粘性によって基板1上の溝部には、ポリイミドの前駆体5を進入させることができない。例えば、金属配線2相互の間隔は、64MDRAMの場合、0.04μmであり、また、256MDRAMの場合、0.025μmピッチでパターニングされているので、コートする前駆体5の粘性を調整すれば十分空隙を形成させることができる。もっとも、配線密度が厳しくなければ、上記第1の実施例の様に熱収縮性のポリイミド樹脂を用いればよく、また、金属配線のピッチが広ければ特に誘電体の空隙を設ける必要はない。スピナー工程が終了した後、溶剤を蒸発させるため、100から150℃でベークし、膜5を200から250℃でイミド化し、最後に300から400℃でキュアを行う。図13は、第1レベルの金属配線1と第2レベルの金属配線4とを電気的に接続させるビア・コンタクト穴を形成して、上部金属配線4を施した構造断面図を示す。また、本実施例の上記ポリイミドの前駆体に代えて、SOGやPTFEを含む溶剤をスピナーを用いてコートすることもできる。更に、上記実施例では、スピナーを用いる前駆体が熱収縮性を有する材料を選択したが、この熱収縮に伴う層間絶縁膜の信頼性の低下を防止するために、配線間の溝に熱収縮性の極めて低い絶縁物質が入り込まない高い粘性の前駆体を用いることができる。つまり、絶縁物質の前駆体は、加熱されることにより絶縁物質の中心に向かって収縮する。そのため、上下配線層間の厚さの減縮及び平面方向の収縮作用で膜及び上下配線層にストレスを生じることを防止し、信頼性の高い絶縁膜を形成させることができる。高粘性の前駆体は、上記実施例の前駆体の工程に比べ、スピナの回転を上げるか、若しくは、スピン期間を長くすることで、膜の平坦性を保つことができる。また、金属配線のピッチが広い場合でも、溝に前駆体が入り込まないため、プロセスの自由度が広くすることができる。
【0018】
以上の説明では、主としてDRAMの金属配線に適用した場合について説明したが、これに限定されず、例えば、SRAM、EEPROM、EPROM、マイクロプロッセサ等の多層配線を有する半導体装置に適用することも可能である。また、上記実施例では、絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いたが、これに限定されることなく、例えば、シリコン窒化膜を絶縁膜として用いた場合、不純物の透過を防止できるので更に信頼性を高めることとなる。
【0019】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次の通りである。
すなわち、徴細化する金属配線2及び絶縁基板1の表面に薄いシリコン酸化物を堆積させ、次に溝部に比誘電率約1程度の空隙を形成することによって、この金属配線の間の静電容量を減少し、且つ、リーク電流をも防止することができる。具体的には、CVD法またはスパッタ法によって隣接配線の金属配線表面のシリコン酸化膜の溝上端部にコンフォーマル(conformal )な条件で膜を堆積させていくと、隣接配線間の溝が絶縁膜で充填される前に接触し、空隙を形成することができ、半導体集積回路装置の配線間の静電容量を減らし、且つ、リーク電流を低減させることが可能となる。よって、集積回路の動作速度等の電気的特性を向上し得るという効果を奏する。
【0020】
また、CVD法に代えスピナーを用いて層間絶縁膜を形成することで、熱収縮、若しくは、スピナー工程の前駆体の粘度によって金属配線相互間に空隙を生じせしめ配線容量を低減することもできる。
【0021】
更に、CVD法又はスパッタ法等で堆積される膜が低誘電率の膜であれば、上下左右の配線間の容量を同時に低減することができる。
【0022】
また更に、金属配線にコートした絶縁膜8は表面保護膜として作用し、特にスパッタ法等の汚染物質を生じる製造工程においては特に信頼性の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である半導体装置の金属配線に絶縁膜をコートした断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例である層間絶縁膜を形成した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例である配線間の空隙部の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例である半導体装置の要部断面図である。
【図5】本発明の別の実施例である半導体装置の要部断面図である。
【図6】本発明の別の実施例である半導体装置の要部断面図である。
【図7】本発明の別の実施例である金属配線の断面図である。
【図8】本発明の別の実施例であるCVD法による工程断面図である。
【図9】本発明の別の実施例であるCVD法による空隙部の断面図である。
【図10】本発明の別の実施例である半導体装置の要部断面図である。
【図11】本発明の別の実施例である金属配線をコートした断面図である。
【図12】本発明の別の実施例である空隙部の要部断面図である。
【図13】本発明の別の実施例である半導体装置の要部断面図である。
【図14】従来の多層配線構造の半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁膜基板
2 第1レベルの金属配線
3 空隙
4 第2レベルの金属配線
5 層間絶縁膜
6 スパッタ法又はCVD法で堆積させた絶縁膜
8 CVD法で堆積した絶縁膜
20 下層金属配線
21 単結晶シリコン基板
22、25 酸化シリコン
24 SOG膜
26 上層金属配線
Claims (1)
- 基板と、
前記基板上に各々離間して配置された複数の金属配線から成る第1配線層と、
熱収縮性の絶縁材料からなり、前記第1配線層の金属配線間を橋渡しするように前記第1配線層を覆う、コート後に熱処理により収縮した層間絶縁膜であって、前記第1配線層の金属配線間に空隙を形成する前記層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された第2配線層と、
を含み、前記層間絶縁膜によって形成された前記空隙が前記第1配線層の金属配線間のキャパシタンスを減らす多層配線構造の半導体装置。
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