JP3596157B2 - 放電加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンの部品加工、微細な金型加工、微細なノズル加工等の、微細な放電加工に用いることのできる、加工速度の向上、加工精度の向上、加工液供給の効率化、及び省スペースを実現する放電加工機の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電加工機は特開昭60−165141に記載されたものが知られている。
図4に従来の放電加工機の加工部の拡大断面を示しており、1は板状の被加工物であり、2は電極であり、6はノズルであり、7は加工液であり、8はテーブル面であり被加工物1が固定されている。9はベース部でありテーブル面8を水平面として有する。10は加工屑であり、11は放電部位である。被加工物1は水平に設置されたテーブル面8に固定され、垂直方向より近接してくる電極2により放電加工が進展する。このとき、ノズル6より、加工液7を放電部位11へ向けて噴出し、放電部位11より発生する加工屑10を他方へ押しやるよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この放電加工機に於いては、生産効率の観点から高速高精度な加工、及び加工液の効率の良い供給等が求められている。
本発明は、微細加工のできる放電加工機に於いて、様々な形状の被加工物に対して加工屑滞留による加工速度低下の改善、加工液噴流による微細電極の変形の改善(加工精度の改善)、加工液供給の効率化を容易に図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の放電加工機は、加工部上方から、供給量が微少となるように調整された加工液が、重力の作用を受けつつ放電部位に流入するように、加工部を水平面に対し5度から50度の範囲の角度に傾けるとともに、電極を送るZ軸のスライド方向を前記加工部を傾けた角度と等しい角度だけ初期の位置より傾けるよう構成したものである。
【0005】
この発明によれば、様々な形状の微細被加工物に対して加工速度の改善、加工精度の改善、加工液供給の効率化、を容易に図ることが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、加工部上方から、供給量が微少となるように調整された加工液が、重力の作用を受けつつ放電部位に流入するように、加工部を水平面に対し5度から50度の範囲の角度に傾けるとともに、加工部に対し所定の角度から放電加工を行なうよう、電極を送るZ軸のスライド方向を前記加工部を傾けた角度と等しい角度に初期の方向から傾けたものであり、加工部を水平面に対して傾けることにより、微少量供給される加工液が、緩やかな傾き方向の流れとなって放電部位に流入することとなり、加工屑の滞留による加工速度の低下や、加工液の流れが微細電極を変形させることによる加工精度や速度の低下、加工部以外へ多量に加工液が供給される如き無駄がなくなる作用を有する。また、加工部を傾けたと等しい角度だけZ軸のスライド方向を初期の位置より傾けるため、電極と被加工物の加工位置関係を損なうことはない。
【0007】
請求項2に記載の発明は、被加工物を乗せるテーブル面と、放電加工の進展とともに微少量だけ被加工物方向へスライドされる、テーブル面に対し垂直なZ軸と、Z軸先端に保持される電極と、電極と被加工物との間に放電を発生させる電源と、加工液供給装置と、テーブル面及びZ軸との垂直度を保持しつつ加工部が水平面に対し所定の角度を成すようこれらを保持するベース部とを設けたものであり、加工液の供給量及び、ベース部の取りつけ角度を被加工物の加工部形状に合わせて調節可能とすることにより、様々な被加工物に対し最良の加工条件を容易に得るという作用を有する。
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明一実施の形態による放電加工機を示す斜視図を示し、図2は図1に於ける加工部断面の拡大を示している。図1、図2に於いて、1は被加工物であり、2は電極である。3はZ軸であり、電極2を保持しつつ放電加工の進展に対応して被加工物1の方向へ微少距離スライドする。4は電源であり、電極2と被加工物1との間に放電電圧を印加する。5は加工液供給装置であり、微小な流量を調整可能に供給することができる。6は加工液供給装置5のノズルであり、被加工物1の上方から加工液7が水滴状になって途切れない程度に供給する。7は加工液であり、純水またはそれに相当するものである。8はテーブル面であり、被加工物1が固定されている。9はベース部であり、加工部が水平面に対し5〜50度の傾きを成すよう傾けたテーブル面8を有するとともに、Z軸が加工部に対し所定の角度(図2では90度)を成してスライドするよう、Z軸が垂直方向から前記加工部を傾けたと同じ角度だけ初期の位置(垂直方向)より傾けて保持する。10は加工屑であり、11は放電部位である。以上の構成により、加工液7は表面張力に打ち勝って加工部の傾き方向に緩やかな流れを形成し、放電部位11に達する所で加工屑10を混入させつつ下流へ押しやるため、加工屑10が放電部位11滞留して放電現象が疎外され加工速度が低下することがなく、加工液7の流れは緩やかであるため、電極2の変形による加工精度の低下が小さく、加工液7の供給は加工液供給装置5によって必要最小限に留めるため、加工液7の無駄を少なくすることが可能となる。また、加工部を傾け、これに等しくZ軸3のスライド方向も傾けるため、目的とする加工形状を変える事なく、加工部の傾き角度が得られるものである。尚、加工部の傾きは5度以下では加工液7の流れが定まらず、50度以上では加工液7が水滴状となって途切れ易くなり、良好な放電加工が得られない。
【0009】
(実施の形態2)
図3は本発明の形態による放電加工機を示す斜視図を示す。図3に於いて、1は被加工物であり、2は電極である。3はZ軸であり、電極2を保持しつつ放電加工の進展に対応して被加工物1の方向へ微少距離スライドする。4は電源であり、電極2と被加工物1との間に放電電圧を印加する。5は加工液供給装置であり、微小な流量を調整可能に供給することができる。6は加工液供給装置5のノズルであり、被加工物1の上方から加工液7が水滴状になって途切れない程度に供給する。7は加工液であり、純水またはそれに相当するものである。8はテーブル面であり、被加工物1が固定されている。9aはベース部Aであり、加工部とZ軸スライド方向が所定の角度(図3では90度)をなすようこれらを保持する。9bはベース部Bであり、ベース部Aとベース部Bは連結部12のθ軸中心に互いに回転角度を調節可能に固定されている。以上の構成により、ベース部Bに対し、ベース部Aの連結角度を加工部の形状毎に設定することができるため、様々な被加工物の形状に対して、加工部の傾きを最適に設定できるものであり、より自由度の高い放電加工機を得ることができる。
【0010】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、微細な放電加工に於いて、加工速度の改善、加工精度の改善加工液供給の効率化を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による放電加工機を示す斜視図
【図2】図1に於ける加工部の拡大図
【図3】本発明の一実施の形態による放電加工機を示す斜視図
【図4】従来の放電加工機の加工部の拡大断面を示す図
【符号の説明】
1 被加工物
2 電極
3 Z軸
4 電源
5 加工液供給装置
6 ノズル
7 加工液
8 テーブル面
9 ベース部
9a ベース部A
9b ベース部B
10 加工屑
11 放電部位
12 連結部

Claims (2)

  1. 加工部上方から、供給量が微少となるように調整された加工液が、重力の作用を受けつつ放電部位に流入するように、加工部を水平面に対し5度から50度の範囲の角度に傾けるとともに、電極を送るZ軸のスライド方向を前記加工部を傾けた角度と等しい角度だけ初期の位置から傾けて電極と被加工物との加工位置関係を維持した放電加工機。
  2. 被加工物を乗せるテーブル面と、放電加工の進展とともに微少量だけ被加工物方向へスライドされる、テーブル面に対し垂直なZ軸と、Z軸先端に保持される電極と、電極と被加工物との間に放電を発生させる電源と、加工液供給装置と、テーブル面及びZ軸との垂直度を保持しつつ加工部が水平面に対し5〜50度の角度を成すよう成すようこれらを保持するベース部とを設けた請求項1記載の放電加工機。
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