JP3596088B2 - 車両用制動報知装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ドライバーの制動動作を予測して後続車に通報する車両用制動報知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の車両用制動報知装置としては、例えば特開平3−220036号公報に開示されるものがある。これは、車両の床板またはアクセルペダルに設けた圧電センサにアクセルペダルの開放割合に応じて付加される圧力が所定値以上のときにブレーキランプを点灯させるものであって、ドライバーがブレーキペダルを踏込むよりも前に後続の車両のドライバーに制動の情報を与え、速やかに対応させるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両用制動報知装置にあっては、以下のような問題点があった。
図13は、アクセル開度の単位時間当りの変化量 (以下アクセル開度時間変化量という) の特性を把握するために発明者らが行った実験結果であり、テストコースでの緊急制動時、および山岳路等走行中アクセルを開放しただけで、ブレーキペダルを踏まなかった場合 (以下、アクセル開放のみ時という) 、通常制動時等の様々な状況でのアクセル開放時におけるアクセル開放過程中のアクセル開度時間変化量の最大値とそのときのアクセル開度の関係を示したものである。
【0004】
図から明らかなように、緊急制動が行われる場合のアクセル開度時間変化量の最大値は、アクセルペダルに取り付けられたリターンスプリングによるアクセル開度時間変化量あるいはその近傍に分布していることが見出される。
また、アクセル開度が比較的大きい場合には、アクセル開放のみ時にもアクセル開度時間変化量が大きく、アクセル開度が比較的小さい場合における緊急制動よりも速い場合もみられる。
【0005】
したがって、従来例のようにブレーキランプの点灯の判断を、アクセルペダルの開放割合を用いた場合、緊急制動時のアクセル開度時間変化量はアクセル開度によって異なるため、所定値を固定値とすると、例えば緊急制動時に確実にブレーキランプが早期点灯されるように所定値を設定した場合、アクセル開度が大きい走行状況ではブレーキペダルを踏まないにもかかわらずブレーキランプが点灯してしまう場合がありうる。また、逆に前記所定値を大きめに設定した場合にはアクセル開度が小さい緊急制動時においてブレーキングを予測できない可能性がある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、ブレーキ動作の早期報知を的確に行えるようにした車両用制動報知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は図1に実線で示すように、アクセル手段のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、前記検出されたアクセル開度の時間変化量を算出するアクセル開度時間変化量算出手段と、前記算出されたアクセル開度の減少方向の時間変化量が所定値より大きいときにブレーキランプを点灯させる事前制動報知手段と、を備えた車両用制動報知装置において、前記ブレーキランプの点灯の判断に用いる所定値を前記時間変化量が算出される直前に検出されたアクセル開度が大きくなる程、前記時間変化量が大きくなるように比例させて可変設定する判断所定値設定手段を含んで構成したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、図1に点線で示すように、
自車両の車速を検出する車速検出手段と、
検出された車速が所定値以上のときのみ前記事前制動報知手段を作動させてなる制動報知車速制限手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、図1に一点鎖線で示すように、変速機のシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、検出されたシフト位置が特定の位置以上にあるときのみ前記事前制動報知手段を作動させてなる制動報知シフト位置制限手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、図1に二点鎖線で示すように、アクセル手段への操作力が離脱し、アクセル開度がリターンスプリングの復元力のみで減少する状態を検出する操作力離脱状態検出手段と、アクセル開度がリターンスプリングの復元力のみで減少している状態が検出されたときの、該リターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データを記憶保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段に保持されたリターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データに基づいて前記ブレーキランプの点灯判断用の所定値を設定する際に使用されるパラメータの値を更新前より小さい値に更新設定するパラメータ更新設定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明によれば、
アクセル開度検出手段がアクセル手段のアクセル開度を検出し、アクセル開度時間変化量算出手段がアクセル開度の単位時間当りの変化量 (アクセル開度時間変化量) を算出する。
【0012】
判断所定値設定手段は、ブレーキランプ点灯判断用の所定値を、アクセル開度に比例させて設定し、事前制動報知手段は、前記算出されたアクセル開度減少方向のアクセル開度時間変化量を前記設定された所定値と比較して所定値より大きいときにブレーキランプを点灯して制動が行われることを後続車に事前に報知する。
このようにすれば、制動前のアクセル開放時におけるアクセル開度時間変化量がアクセル開度に比例して大きくなる傾向に合わせてブレーキランプ点灯判断の所定値を可変に設定できるため、制動の事前報知を的確に行うことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明によれば、
自車が停止又は低速走行してアクセル開放しても制動動作を行わないような車速状態を車速検出手段で検出して、かかる低車速状態では制動報知車速制限手段によりブレーキランプを点灯せず、所定以上の車速状態でのみブレーキランプを点灯する。これにより、適正でないタイミングでの制動の事前報知を防止できる。
【0014】
また、請求項3に係る発明によれば、
マニュアル式変速機等でシフト位置検出手段により変速機のシフト位置を検出し、自車が加速中等、ギアチェンジのためにアクセル開放する可能性の高いシフト位置が低速段にあるときなどは、ブレーキランプの点灯を禁止し、所定以上高速段のシフト位置にあることが検出されたときのみブレーキランプの点灯を許容するように制動報知シフト位置制限手段で制限する。これにより、ギアチェンジによる制動の事前報知を防止できる。
【0015】
また、請求項4に係る発明によれば、
操作力離脱状態検出手段により、アクセル手段 (アクセルペダル) から足が離され、アクセル開度がリターンスプリングの復元力のみで減少する状態を検出すると、データ保持手段により、該リターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データを記憶保持する。
【0016】
そして、パラメータ更新設定手段が、前記データ保持手段に保持されたリターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データに基づいて前記ブレーキランプの点灯判断用の所定値を設定する際に使用されるパラメータの値を更新前より小さい値に更新設定する。
これにより、リターンスプリングの特性が経時変化した場合でも、該特性に合わせて更新設定されたパラメータを用いて前記所定値を設定することにより、制動の事前報知を的確に行うことができる。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施例のシステムブロック図である。
アクセル開度センサ201は、アクセル開度 (アクセルペダル位置) を検出して信号を出力するもので、アクセル開度検出手段を構成する。尚、アクセル開度センサ201としては、アクセルペダルの回転軸にポテンショメータ等を設けてアクセル開度を直接検出する構成としてもよいが、スロットルセンサで代用することができる。スロットルセンサは、機関への燃料噴射を電子的に制御する機関では燃料噴射量の設定用に取り付けられているので、その信号を利用することで新たにセンサを取り付けることなくアクセル開度信号を取り出すことができる。
【0018】
微分回路203は、前記アクセル開度センサ201からの信号を用いてアクセル開度の時間変化量を算出するもので、アクセル開度時間変化量算出手段を構成する。
情報処理回路205は、アクセル開度に応じたブレーキランプ点灯判断の所定値の設定、アクセル開度時間変化量と該所定値との比較、タイマーを用いたブレーキランプ207の一定時間点灯制御を行うもので判断所定値設定手段及び事前制動報知手段を構成する。
【0019】
次に作用を説明する。
イグニッションがONにされると、前記情報処理回路205が起動され、アクセル開度センサ201によってアクセル開度信号が出力される。
前記アクセル開度信号は、A/D変換された後、微分回路203に入力され、微分回路203は、アクセル開度の時間変化量を算出する。微分演算には、時系列的に複数のデータを要するので微分回路203には、データを格納するメモリを用意する。また、出力された微分値には高周波のノイズが含まれることがあるので、その場合にはローパスフィルタでノイズ除去を行う。
【0020】
情報処理回路205では、アクセル開度信号に応じたブレーキランプ点灯判断の所定値を設定し、前記アクセル開度変化量と所定値との比較を行う。アクセル開度減少方向のアクセル開度時間変化量が所定値より大きいと判断すると、ブレーキランプ207に一定時間電流を供給して点灯させる。
図3のフローチャートを用いて、前記情報処理回路205の詳細な作用を説明する。
【0021】
ステップ401では、アクセル開度dを読み込む。
ステップ403では、微分回路203で算出されたアクセル開度時間変化量vを読み込む。
ステップ405では、ブレーキランプ点灯判断に用いる所定値Sdを、アクセル開度dを用いて演算し、設定する。所定値Sdは、アクセルペダルのリターンスプリングの特性に合わせて、例えば、次式のように決定する。
【0022】
Sd=a×d+b
ここで、a及びbは定数である。
次にステップ407では、アクセル開度減少方向のアクセル開度時間変化量vと所定値Sdとの大小比較を行い、v>Sdであれば、ステップ409へ進む。ステップ409では、ブレーキランプ207への電気回路を閉じ点灯を開始する。
【0023】
ステップ411では、一定時間ブレーキランプ207を点灯するために用いるタイマを起動する。タイマは、ここでは情報処理を一定時間周期で実行するために情報処理回路205に内蔵されたクロックを利用し、割込処理にてブレーキランプ点灯時間の制御を行う。また、ステップ411では、タイマを起動すると同時に割込を許可する。
【0024】
図4に示した割込ルーチンでは、割込が発生する毎にステップ413でカウンタが加算され、ステップ415でカウンタが予め設定された規定値T0 に達しているかの判断を行う。規定値に達していない場合は割込ルーチンを終了する。規定値に達している場合は、ステップ417でブレーキランプの消灯、ステップ419でカウンタのクリアを行い、ステップ421で割込を禁止し、タイマの作動を終了させる。カウンタの規定値T0 、即ちブレーキランプ点灯時間は、一般ドライバーがアクセルペダルからブレーキペダルへの踏み換えに要する平均的な時間であり、例えば0.5秒とする。
【0025】
このように、ブレーキランプ点灯判断用の所定値Sdをアクセル開度dによって可変に設定したため、制動前のアクセル開放時にアクセル開度が大きいときの方がアクセル開度時間変化量が大きくなるという傾向に見合った所定値Sdの設定が行われ、制動意志に対するブレーキランプ点灯の信頼性を向上できるのである。
【0026】
次に第2の実施例について説明する。
本実施例は、自車両が主に停止中あるいは低速での走行中にアクセル開放のみでブレーキペダルを踏まない場合に、ブレーキランプを点灯させることを防止する目的でなされたものである。
システム構成を示す図5において、前記実施例に車速検出手段としての車速センサ601が追加され、該車速の情報が情報処理回路205に入力されて処理に使用される。
【0027】
前記情報処理回路205による本実施例での処理を、図6のフローチャートに従って説明する。
ステップ401で読み込んだアクセル開度d、ステップ403で読み込んだアクセル開度時間変化量v、ステップ405で所定の算出式に従ってアクセル開度dを用いて設定されたブレーキランプ点灯判断所定値Sdに基づいて、ステップ407にてブレーキランプ点灯判断を行う。ここまでは、前記実施例と同様であるが、本実施例では、ステップ407でブレーキランプを点灯すると判断した後ステップ701で車速センサ5により検出された自車速Vcを読み込み、ステップ703で自車速Vcを低速に設定された所定値Svと比較し、VcがSvより大きいと判定されたときのみ、ステップ409へ進んでブレーキランプを点灯させ、ステップ411でタイマを起動して割込を許可する。この割込ルーチンについては図4に示したものと同様である (他の実施例でも同様)。
【0028】
このように、停車中や低速走行中に、アクセル開放のみを行いブレーキペダルを踏まないような状況でのブレーキランプの点灯を防止するのである。
次に第3の実施例について説明する。
本実施例は、主にマニュアル式変速機搭載車両の場合に、ギアチェンジの際のアクセル開放動作をブレーキペダルに踏み換えるための動作と判断し、適当でないタイミングでブレーキランプを点灯させるようなことを防止する目的でなされたものである。
【0029】
システム構成を示す図7において、第1の実施例に変速機のシフト位置を検出するシフト位置検出センサ901が追加され、該シフト位置の情報が情報処理回路205に入力されて処理に使用される。前記情報処理回路205による本実施例での処理を、図8のフローチャートに従って説明する。
【0030】
ステップ401で読み込んだアクセル開度d、ステップ403で読み込んだアクセル開度時間変化量v、ステップ405で所定の算出式に従ってアクセル開度dを用いて設定されたブレーキランプ点灯判断所定値Sdに基づいて、ステップ407にてブレーキランプ点灯判断を行う。ここまでは、前記第1の実施例と同様であるが、本実施例では、ステップ407でブレーキランプを点灯すると判断してもステップ1001でシフト位置検出センサ901により検出されたシフト位置Gを読み込み、ステップ1003でシフト位置Gを予め設定した所定位置と比較し、例えば5速マニュアル変速機付車両の場合、シフト位置Gが3以上の場合のみ、ステップ409へ進んでブレーキランプを点灯させ、ステップ411でタイマを起動して割込を許可する。
【0031】
即ち、シフト位置が低速位置である場合には、加速途中でギアチェンジのためにアクセル開放する確率が高いと判断してブレーキランプの点灯を防止するのである。
次に第4の実施例について説明する。
既述したように、緊急制動が行われる場合のアクセル開度時間変化量の最大値は、アクセルペダルのリターンスプリングによるアクセル開度時間変化量あるいはその近傍に分布しているため、上記各実施例では、前記ブレーキランプ点灯判断用の所定値の設定も、前記リターンスプリングによるアクセルペダルの復帰特性に対応させて設定している。具体的には、所定値Sdの演算式で用いる定数a,bの値を、予め台上試験等で測定されたスプリング特性に基づいて設定している。
【0032】
しかし、車両のように長時間にわたって繰り返され使用される厳しい条件下にあっては、スプリング製造直後の特性が維持されない場合がありうる。その場合、アクセルペダルから足が離れリターンスプリング単独でアクセル開放が行われても当初よりもアクセル開度時間変化量が小さくなり、前記所定値Sdの演算式 (Sd=a×d+b) で算出された所定値Sdに満たなくなり、緊急制動時にもブレーキランプの事前点灯が行えなくなる可能性がある。
【0033】
そこで、本実施例は、上記のようなリターンスプリング特性の経時変化に対応して所定値が補正して設定されるようにして、該経時変化に対処できるようにしたものである。
システム構成を示す図9において、第1の実施例にアクセル手段であるアクセルペダルから足が離れたか否かを検出する操作力離脱状態検出手段としてのリミットスイッチ209を追加し、かつ、該リミットスイッチ209によってアクセルペダルから足が離れたことが検出された状態でアクセル開放が行われたときにアクセルペダルのリターンスプリングの特性データを記憶保持するデータ保持手段としての不揮発性メモリ211を追加する。
【0034】
前記リミットスイッチは、アクセルペダル上に極薄い板材をスプリングを介して取り付けたもので、ペダルに足が接触している間はペダル面と前記板材ペダル側の面の端子が導通することによって接触の有無を検出するものである。
前記データ保持手段に記憶保持されたリターンスプリングの特性データは、情報処理回路205に入力され、処理に使用される。
【0035】
前記情報処理回路205による本実施例での処理を、図10,図11のフローチャートに従って説明する。
ステップ301〜ステップ311では、第1の実施例の図3のステップ401〜411と同様に実行され、アクセル開度時間変化量Vが所定値Sdより大きいと判定されたときにブレーキランプを所定時間点灯させる。かかる点灯制御に関する情報処理を行った後、点灯判断所定値の設定に使用するパラメータの更新設定を以下のように行う。
【0036】
ステップ351ではアクセル開度dが0であるかを判定し、0でないと判定された場合は、ステップ353でアクセル開度が変化しているか、つまりアクセル開放中か否かを判定し、アクセル開放中と判定された場合は、ステップ355でリミットスイッチ209によりアクセルペダルからドライバーの足が離れたか否かを判定する。
【0037】
そして、アクセル開放中にアクセルペダルから足が離れたと判定された場合は、ステップ357へ進み、このフローを通ったことを検知する必要があるので、フラグビットf1を1にセットし、開放過程中のアクセル開度時間変化量の最大値と、そのときのアクセル開度の組み合わせMAX (dO ,vO ) を一時保存する。
【0038】
具体的には、ステップ359で、前記今回検出されたアクセル開度vが既に一時保存されている暫定的なアクセル開度時間変化量の最大値v’より大きいか否かを判定し、大きい場合はステップ361で一時保存を行い、ステップ363で今回のアクセル開度時間変化量vとアクセル開度dとにより最大値v’とそのときのアクセル開度d’とを更新する。
【0039】
そして、ステップ351でアクセル開度dが0と判定され、ステップ365で前記フラグビットf1が1であると判定されると、足が離れたアクセル開放が終了し、アクセル開度MAX (dO ,vO ) が確定するので、該値からブレーキランプ点灯判断用の所定値Sdを設定するためのパラメータ (前記定数a,b) の更新とデータの書き換えを行う。
【0040】
ステップ367では、最新のMAX (dO ,vO ) を含むMAX (di,vi) (i=1〜n) のn個のデータを用いて前記ブレーキランプ点灯判断用の所定値Sdの演算式に用いる定数a,bを算出して新規なパラメータ値として更新設定する。nは、任意であるが例えば10とする。
次に、ステップ369でメモリ211に保持されているデータ中、最も古いデータを最新のMAX (dO ,vO ) と置き換える操作を行う。
【0041】
最後に、ステップ371でステップ357でセットされたフラグビットをクリアする。
このようにすれば、リターンスプリングの特性が経時変化すると、それに応じて所定値が適正に補正されることによりブレーキランプ点灯の信頼性を長期にわたって良好に維持することができる。
【0042】
具体的には、図12に示すように、リターンスプリングの初期の復元力によるアクセル開度−アクセル開度時間変化量最大値の初期の特性 (aO ×d+bO ) に対して、ブレーキランプ点灯判断用の所定値Sdを定数a=a1 (<aO ) ,b=b1 (<bO ) に設定して所定値Sd=a1 ×d+b1 となるように設定していたのを、経時変化によりリターンスプリングの特性が (a2 ×d+b2 ) (a2 <aO ,b2 <bO ) のように変化すると、それに対応して定数a=a3 (<a1 ) ,b=b3 (<b1 ) のように減少更新することにより、所定値Sdを (a3 ×d+b3 ) として設定する。これにより、リターンスプリングの経時変化に見合った所定値を設定することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように請求項1に係る発明によれば、アクセル開度時間変化量と比較されるブレーキランプ点灯判断の所定値を、制動前のアクセル開放時の傾向に対応するようにアクセル開度に比例させて設定する構成としたため、制動の事前報知を的確に行うことができる。
【0044】
また、請求項2に係る発明によれば、
自車が停止又は低速走行してアクセル開放しても制動動作を行わないような車速状態ではブレーキランプを点灯せず、所定以上の車速状態でのみブレーキランプを点灯するようにしたので適正でないタイミングでの制動の事前報知を防止できる。
【0045】
また、請求項3に係る発明によれば、
マニュアル式変速機等でギアチェンジのためにアクセル開放する可能性の高いシフト位置が低速段にあるときなどは、ブレーキランプの点灯を禁止し、所定以上高速段のシフト位置にあることが検出されたときのみブレーキランプの点灯を許容するようにしたため、ギアチェンジによる適正でないタイミングで制動の事前報知を防止できる。
【0046】
また、請求項4に係る発明によれば、リターンスプリングの特性が経時変化した場合でも、該特性に合わせて更新設定されたパラメータを用いてブレーキランプ点灯判断用の所定値を設定することにより、制動の事前報知を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施例のシステム構成図。
【図3】同上実施例のメインルーチンのフローチャート。
【図4】同じく割込ルーチンのフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施例のシステム構成図。
【図6】同上実施例のメインルーチンのフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施例のシステム構成図。
【図8】同上実施例のメインルーチンのフローチャート。
【図9】本発明の第4の実施例のシステム構成図。
【図10】同上実施例のメインルーチンの前段のフローチャート。
【図11】同じく後段のフローチャート。
【図12】同上実施例の所定値を更新設定する様子を示す図。
【図13】アクセル開度に対するリターンスプリングによるアクセル開度時間変化量最大値の実験結果を示す図。
【符号の説明】
201 アクセル開度センサ
203 微分回路
205 情報処理回路
207 ブレーキランプ
209 リミットスイッチ
211 不揮発メモリ
601 車速センサ
901 シフト位置検出センサ
Claims (4)
- アクセル手段のアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記検出されたアクセル開度の時間変化量を算出するアクセル開度時間変化量算出手段と、
前記算出されたアクセル開度の減少方向の時間変化量が所定値より大きいときにブレーキランプを点灯させる事前制動報知手段と、
を備えた車両用制動報知装置において、
前記ブレーキランプの点灯の判断に用いる所定値を前記時間変化量が算出される直前に検出されたアクセル開度が大きくなる程、前記時間変化量が大きくなるように比例させて可変設定する判断所定値設定手段を含んで構成したことを特徴とする車両用制動報知装置。 - 自車両の車速を検出する車速検出手段と、
検出された車速が所定値以上のときのみ前記事前制動報知手段を作動させてなる制動報知車速制限手段と、
を含んで構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用制動報知装置。 - 変速機のシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
検出されたシフト位置が特定の位置以上にあるときのみ前記事前制動報知手段を作動させてなる制動報知シフト位置制限手段と、
を含んで構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用制動報知装置。 - アクセル手段への操作力が離脱し、アクセル開度がリターンスプリングの復元力のみで減少する状態を検出する操作力離脱状態検出手段と、
アクセル開度がリターンスプリングの復元力のみで減少している状態が検出されたときの、該リターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データを記憶保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段に保持されたリターンスプリングの復元力によるアクセル開度の減少特性データに基づいて前記ブレーキランプの点灯判断用の所定値を設定する際に使用されるパラメータの値を更新前より小さい値に更新設定するパラメータ更新設定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用制動報知装置。
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