JP3595961B2 - 警備用移動体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、予め記憶した動作手順にしたがって自律走行する警備用移動体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)
建物の玄関、ロビー等のように、不特定多数の人(例えば訪問者や店舗の顧客等)が出入りする場所では建物に無関係な人の出入りを極力排除し、建物全体の安全を確保する必要がある。他方において、建物内に飲食店、銀行等客を相手とする店舗が入居している場合、建物の安全面のみを考慮し、建物の出入口付近に警備員(通例、制服を着用)を配置して警備を行うと、建物への客の入場が抑制され営業上のデメリットが生じる場合がある。
【0003】
このように、建物の安全確保と営業上の利益のバランスをとりながら建物の警備を行うことは必ずしも容易ではなく、また人件費の高騰に伴い警備員の導入がビル管理コストに占める割合が高く、ビル経営を圧迫する一因ともなっている。
【0004】
(従来技術)
このため、従来、警備員の代りに建物の出入口周辺にテレビカメラを設置し、テレビカメラが映し出す画像を建物の警備室で警備員が監視し警戒に当たることにより出入口に抑止力を持たせ、不審者の排除を図るとともに、一般客の入場を確保する方法が広く行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの方法は、テレビカメラおよび警備室に設置するモニタが比較的安価に求められるので管理コストの点では経営収支はいくぶん改善されるものの、警備員を配置する場合に比べ抑止効果が弱く、その分一般客は入場し易くなる。しかしながら、反面この方法は、出入口とテレビカメラで映された画像を監視する警備室とが離れており、監視中に警備室で緊急事態の発生を察知しても、ある程度距離を隔てた現場へ到着するまでに時間的な遅れが生じることを余儀なくされ、安全面での効用が減殺されることがある(このため、出入口近傍に別途最少人員の警備員を配置するなど、場合によっては、その長所を喪失する虞が多分にある)。
【0006】
従って、本発明の目的は、予め報知手段に対応する指定位置(起動信号が入力したときに移動する位置情報)を記憶し、報知手段により緊急事態の発生が検出され報知手段から起動信号が入力すると、予め記憶している当該報知手段に対応する指定位置を読取り、記憶した動作手順にしたがって当該指定位置へ移動し、当該指定位置に到着すると緊急対処手段が作動するようにし、移動体を遠隔操作するための警備員を配置する必要がなく、緊急事態発生時に的確かつ迅速に対処できテレビカメラを上回る抑止力を有する警備用移動体を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、緊急事態の発生時には報知手段に対応して記憶している指定位置まで移動体が自律走行して緊急対処手段が作動し緊急事態発生時に的確かつ迅速に対処でき、また、警備用移動体が警備員類似の行動機能を保有し、警備員が行っていた警備業務の質を損ねることなく代行警備するのでビル等の警備コストを長期にわたって低減化できる警備用移動体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、予め記憶した動作手順にしたがって自律走行する警備用移動体において、
制御手段からの指令信号に応じて警備用移動体を指定位置に移動させる走行手段と、
制御手段からの駆動信号が入力すると動作する緊急対処手段と、
移動体の外部に設置され移動体の制御手段に起動信号を送出する報知手段に対応して指定位置を予め記憶するとともに、移動体の動作手順を記憶した記憶手段と、
当該報知手段からの起動信号が入力すると、当該報知手段に対応して記憶している指定位置を前記記憶手段から読取り、前記記憶手段が記憶した動作手順にしたがって前記走行手段に対し当該指定位置への移動を指令する指令信号を出力し、移動体が当該指定位置に到着すると前記緊急対処手段を作動させる駆動信号を出力する制御手段を備え、
外部の当該報知手段により緊急事態が検出されると、当該報知手段が送出する起動信号が移動体に入力し、当該報知手段に対応して記憶している指定位置及び動作手順にしたがって緊急事態が発生している場所まで移動体が自律移動し、前記緊急対処手段を作動させることを特徴とする警備用移動体である。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、上記緊急対処手段が、疑似バリケード、粘着性素材暴露手段、高輝度探照灯、放水手段、ペンキ塗布手段、粉末剤噴射手段、催涙性ガス噴射手段およびアンカーボルト手段のうちの少なくとも一つを備えて構成されていることを特徴とする警備用移動体である。
【0010】
【発明の実施の形態】
外部の報知手段により緊急事態が検出された場合に、報知手段が送出する起動信号が移動体に入力すると、当該報知手段に対応して記憶している指定位置を記憶手段から読取り、記憶手段が記憶した動作手順にしたがって走行手段に対し当該指定位置への移動を指令する指令信号を出力し、緊急事態が発生している場所まで移動体が自律移動し緊急対処手段が作動する。
【0011】
緊急対処手段の目的は、緊急必要時に侵入者等を威嚇しあるいは対抗することにある。
緊急対処手段としては、例えば
▲1▼疑似バリケード;
▲2▼粘着性素材暴露手段;
▲3▼高輝度探照灯;
▲4▼放水手段;
▲5▼ペンキ塗布手段;
▲6▼粉末剤噴射手段;
▲7▼催涙性ガス噴射手段;
▲8▼アンカーボルト手段;
等があげられる。これらの手段は単独で用いてもよく、又必要により組合わせて用いてもよい。
【0012】
上記緊急対処手段のうち、
▲1▼疑似バリケードは通行人の歩行を物理的に阻止することができる点から好ましい。
▲2▼粘着性素材暴露手段は相手方(賊等)に突進し、相手方を粘着性素材に接触させることにより、相手の行動の自由を奪うことができ相手を捕獲する能力に優れている点で好ましい(起動信号が入力すると移動体の外被の下に装備した強力な粘着性素材が暴露し、非常用の操作部が操作された窓口カウンタの前にいる人間に粘着性素材を接触させて同人の行動の自由を束縛し、ロビー内の利用客あるいはカウンタ内外の職員の避難を支援する時間的な猶予を与えることができる。)。
▲3▼高輝度探照灯は探照灯を点灯、点滅させて瞬間的に相手を威嚇し場合によっては相手の目を晦まし継続的な歩行阻止を図れる点で好ましく、他の照明が点灯していない環境では特に効果的である。
▲4▼放水手段は瞬間的に相手を威嚇し、物理的に賊を阻止できる点で好ましい。
▲5▼ペンキ塗布手段はペンキを浴びせることにより相手を威嚇できるとともに、賊の被服をペンキで着色できるので賊と他の者との識別が容易となる点で好ましい。
▲6▼粉末剤噴射手段は粉末を浴びせ相手を威嚇して事後の行動を妨害し、粉末が相手の目に入った場合には、高輝度探照灯と同様に継続的な歩行阻止を達成できる点で好ましい。
▲7▼催涙性ガス手段は相手を威嚇するだけでなく、事後の相手の行動の自由を奪える点で好ましい。
▲8▼アンカーボルト手段はアンカーボルトを所定位置に降下させて固定化を図るものであり相手の襲撃を受けても容易に倒れずに抵抗できる点で好ましい。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る警備用移動体の構成を示すブロック図である。
図1において、警備用移動体51は、起動信号が入力すると指定位置に移動して所定動作を行う。そのために移動体51は、移動体51を制御する制御手段15と、記憶手段16と、走行手段17と、緊急対処手段18を備え、さらに、移動体51の外部に報知手段62を設けている。
【0014】
前記制御手段15は、当該報知手段62が送出する起動信号が入力すると、当該報知手段62に対応して記憶している指定位置を前記記憶手段16から読取り、前記記憶手段16が記憶した動作手順にしたがって前記走行手段17に対し当該指定位置への移動を指令する指令信号を出力し、移動体51が当該指定位置に到着すると前記緊急対処手段18を作動させる駆動信号を出力する。
【0015】
前記記憶手段16は、移動体51の外部に設置され前記制御手段15に起動信号を送出する当該報知手段62に対応して指定位置を予め記憶するとともに、移動体51の動作手順を記憶している。
【0016】
前記走行手段17は、車輪等により構成された走行部を備え、前記制御手段15からの指令信号に応じて、移動体51を常置場所から予め定められた指定位置に移動させる。
【0017】
前記緊急対処手段18は、移動体1が指定位置に停止し前記制御手段15からの駆動信号が入力すると発生した緊急事態に応じて動作する。
【0018】
前記報知手段62は、移動体51の外部に設置され、少なくとも一つの操作部を備え、この操作部を操作することにより移動体51の前記制御手段15に起動信号を送出し、緊急事態の発生を移動体51に報知する構成となっている。この報知手段62から送出された起動信号が移動体51の前記制御手段15に入力すると、前記制御手段15は、操作のあった該当操作部が指定指定位置(例えば該当操作部近傍)に移動体51を移動させる指令信号を前記走行手段17に出力し、移動体51が指定位置(当該場所)に到着すると前記緊急対処手段18に駆動信号を出力する。
【0019】
前記報知手段62は、前述のとおり、移動体51から離れた位置に設置され、移動体51とはワイヤレス通信手段の通信路で接続されている。前記操作部としては、例えば押釦スイッチ、トグルスイッチ等があげられる。このうち、押釦スイッチが操作性及び誤動作防止の点から好ましい。そして、この操作部のオン/オフにより緊急事態の発生を警報信号として移動体51の前記制御手段15に送出する。前記操作部を操作したときに送出される警報信号が起動信号として前記制御手段15に入力すると、前記制御手段15は、前記記憶手段16のメモリ(RAM,ROM)に記憶されているプログラムに従って前記走行手段17に移動を指令する指令信号を出力する。
【0020】
前記緊急対処手段18の目的は、既述のように、緊急必要時に進入者等を威嚇しあるいは対抗することにある。
図1に示す前記緊急対処手段18を、侵入者に対して粉末を噴射して威嚇する粉末噴射手段によって構成し、この粉末噴射手段18を備えた移動体51を図2に示す店舗内において起動させた移動体51の警備動作の一例を図3のフローチャートに示す。
【0021】
図2は店舗内の平面図であるが、符号72はロビー、73は外部と内部を仕切る自動扉、74は窓口75,76,77を構成するカウンタである。窓口75,76,77には押釦スイッチ81,82,83によって構成された非常用の操作部の各々が設置されている。ポイントR,S,Tは窓口75,76,77に設置された押釦スイッチ81,82,83が押圧操作されたときにロビー72の片隅で待機している移動体51が移動する指定位置であり、例えば窓口75にある押釦スイッチ81が押圧操作されると、点Rを目指して走行を始める。以下、ポイントS,Tについても同様である。
【0022】
さて、図3により移動体51の警備動作を説明すると、移動体51は店舗のロビー72をあらかじめ入力された所定経路で走行する(S51)。この巡回走行中に、侵入者(賊)が自動ドア73から客を装って進入し、窓口75に直進する。窓口75の窓口担当者がいち早く緊急事態の発生を察知し、備付けの非常用の操作部(押釦スイッチ81)を押圧操作すると(S52)、警報信号が無線通信等のワイヤレス通信手段で移動体51の制御手段15に到達して入力すると、制御手段15は記憶手段16の内容を読出して、所定の処理の実行に入る。すなわち、走行手段17に対して停止指令信号を出力する。移動体51はその場で停止し、巡回を中止する(S53)。制御手段15はワイヤレス通信手段で送信された押釦スイッチ81のアドレスを記憶手段16に格納するが、制御手段15はこのアドレスを記憶手段16から読取り、走行手段17に窓口75の賊が立っているポイントRを目的地とする指令信号を出力する(S55)。走行手段17は方向を調整してポイントRへ向けて前進、急行する(S56)。移動体51がポイントRに達すると、制御手段15は停止し、粉末噴射手段18に駆動信号を出力して、ポイントRに立っている賊に対して粉末を噴射し(S57)、威嚇行為を行う。
【0023】
更に、図4に本発明の他の実施例を示す。
図4の構成ブロック図に示す警備用移動体101は、
▲1▼予め記憶した動作手順にしたがって自律走行する警備用移動体101である点;
▲2▼制御手段15からの指令信号に応じて警備用移動体101を指定位置に移動させる走行手段17を具備している点;
▲3▼制御手段15からの駆動信号が入力すると動作する緊急対処手段18を具備している点;
▲4▼移動体の外部に設置され移動体の制御手段15に起動信号を送出する報知手段62に対応して指定位置を予め記憶するとともに、移動体の動作手順を記憶した記憶手段16を具備している点;
▲5▼報知手段62からの起動信号が入力すると、当該報知手段に対応して記憶している指定位置を記憶手段16から読取り、記憶手段16が記憶した動作手順にしたがって走行手段17に対し当該指定位置への移動を指令する指令信号を出力し、移動体が当該指定位置に到着すると緊急対処手段18を作動させる駆動信号を出力する制御手段を具備している点;
▲6▼外部の報知手段により緊急事態が検出されると、報知手段が送出する起動信号が移動体に入力し、当該報知手段に対応して記憶している指定位置及び移動手順にしたがって緊急事態が発生している場所まで移動体が自律移動し、緊急対処手段を作動させる点;
は第1の実施例と同じであるが、
▲7▼緊急事態の発生を検知すると起動信号を制御手段15に出力する検知手段12を具備し、検知手段12が緊急事態を検知した場合も起動信号を制御手段15に出力するようにした点;
▲8▼制御手段15から出力される音声発生信号により起動して音声を発する音声発生手段19を具備している点;
が第1の実施例と異なる。
【0024】
前記検知手段12は、移動体101に搭載され、第1の警戒範囲25(図5参照)に存在する人間を検知する第1の検知手段13と、この第1の検知手段13同様に移動体101に搭載され、第2の警戒範囲26に存在する人間を検知し起動信号を送出する第2の検知手段14より構成されている。このように、前記第1の検知手段13は、前記第1の警戒範囲25における人間の存在(侵入等)を検知し、一方前記第2の検知手段14は、前記第1の警戒範囲25に隣接する前記第2の警戒範囲26における人間の存在(侵入等)を検知するように、前記第2の警戒範囲26は前記第1の警戒範囲25に隣接しかつ前記第1の警戒範囲25によって囲成された警戒領域として形成されている(図5参照)。
【0025】
前記制御手段15は、起動信号が入力すると、その信号を読取って前記走行手段17に対して指定された場所へ移動を指令する指令信号を出力し、移動体101が指定位置に到着すると前記緊急対処手段18を作動させる駆動信号を出力する。すなわち、この第2の実施例では、既述のとおり、前記報知手段62からの起動信号に加え、前記第1の検知手段13が人間の存在を検知して検知信号を出力すると移動体101の警備モードを警戒モードに切替え、音声発生信号を前記音声発生手段19に出力し、所定時間内に前記第2の検知手段14が人間を検知して検知信号を出力する場合も、移動体101を指定位置に走行移動させる指令信号を前記走行手段17に出力し、移動体101が指定位置に到着すると前記緊急対処手段18を作動させる駆動信号を出力して移動体101の制御を行う。
【0026】
かくして、第1の検知手段13が人間の存在を検知して検知信号を出力すると、移動体101の警備モードが警戒モードに切替わり、音声発生信号を音声発生手段に出力し、その後所定時間内に前記第2の検知手段14が人間を検知して起動信号を出力すると、前記制御手段15は前記記憶手段16のメモリ(RAM,ROM)に記憶されているプログラムに従って前記走行手段17に移動を指令する指令信号を出力する。移動体101が指定位置まで到達すると、前記制御手段15は緊急対処手段18を作動させる駆動信号を出力し、緊急対処手段18は動作を開始し、緊急事態の鎮静化を図る。
【0027】
図6は店舗内の平面図である。
図6において、符号112はロビー、113A,113Bは外部と内部を仕切る自動扉、114は窓口115を構成するカウンタである。窓口115には操作部(押釦スイッチ)62が設置されている。ポイントU,V,Wは、ロビー112で待機あるいは巡回している移動体101が移動する指定位置である。このうち、ポイントUは、窓口115に設置された押釦スイッチ62を押圧操作したときにロビー112で待機あるいは巡回している移動体101が移動する指定位置であり、窓口115にある押釦スイッチ62が押圧操作されると、移動体101は点Uを目指して走行を始める。また、ポイントVは、移動体101に搭載された第1の検知手段13が、第1の警戒範囲(図6においてハッチングを施したポイントVの周辺領域であり貴重品保管庫130が設置されている)125に人間が進入したことを検知した際に、走行を始める移動体101が目指す指定位置である。そして、ポイントWは、移動体101に搭載された第2の検知手段14が、第2の警戒範囲(図6においてハッチングを施したポイントWの周辺領域であり貴重品保管庫131が設置されている)126に人間が進入したことを検知した際に、走行を始める移動体101が目指す指定位置である。
【0028】
図7により移動体101の警備動作を説明する。
今、2人組の侵入者(賊)が自動扉113Aから客を装って進入(侵入)したとする。窓口115に直進したときに窓口115の窓口担当者が緊急事態の発生を察知し、備付けの操作部(押釦スイッチ)62を押圧操作すると(S102)、警報信号が無線通信等のワイヤレス通信手段で移動体101の制御手段15に到達して入力する。制御手段15は記憶手段16の内容を読出して、所定の処理の実行に入る。すなわち、走行手段17に対して停止指令信号を出力する。移動体101はその場で停止し(S103)、制御手段15はワイヤレス通信手段で送信された押釦スイッチ62のアドレスを記憶手段16に格納するが、制御手段15はこのアドレスを記憶手段16から読取り、走行手段17に窓口115の前で賊が立っているポイントUを目的地とする指令信号を出力する(S104)。
【0029】
走行手段17は方向を調整してポイントUへ向けて前進、急行する(S105)。移動体101がポイントUに達すると(S106)、制御手段15は停止し、粉末噴射手段18に駆動信号を出力して、ポイントUに立っている賊に対して粉末を噴射し(S107)、威嚇行為を行う。このとき、移動体101に搭載した第1の検知手段13及び第2の検知手段14が同時に、貴重品保管庫130,131の各周囲の警戒範囲である第1の警戒範囲125、第2の警戒範囲126における侵入者の有無を監視する(S108,S109)。
【0030】
侵入者のもう1人がカウンタ114の脇を擦り抜けて、カウンタ事務室120内に侵入し、例えば第1の警戒範囲125に侵入すると、第1の検知手段13がこれを検知する(S108)。すると、制御手段15はポイントVを目的地として、走行手段17に指令信号を出力する。走行手段17は方向を調整してポイントVへ向けて前進、急行する(S110)。移動体101がポイントVに到達すると(S111)、制御手段15は停止し、緊急対処手段(例えば、放水手段)18を作動させて侵入者に対して威嚇行為を行う(S112)。又第2の検知手段14が侵入者を検知すると(S109)、ポイントWを目的地として走行移動し、緊急対処手段18を作動させる(S112)。
【0031】
かくして、この実施例によれば、賊が2人以上存在し異なる場所に存在する場合にも機敏に対処することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成され、本発明によれば次の効果を奏する。
▲1▼予め報知手段に対応する指定位置(起動信号が入力したときに移動する位置情報)を記憶し、報知手段により緊急事態の発生が検出され報知手段から起動信号が入力すると、予め記憶している当該報知手段に対応する指定位置を読取り、記憶した動作手順にしたがって当該指定位置へ移動し、当該指定位置に到着すると緊急対処手段が作動するので、移動体を遠隔操作するための警備員を配置する必要がなく、緊急事態発生時に的確かつ迅速に対処できテレビカメラを上回る抑止力を有する警備用移動体が得られる。
▲2▼緊急事態の発生時には報知手段に対応して記憶している指定位置まで移動体が自律走行して緊急対処手段が作動し緊急事態発生時に的確かつ迅速に対処でき、また、警備用移動体が警備員類似の行動機能を保有し、警備員が行っていた警備業務の質を損ねることなく代行警備するのでビル等の警備コストを長期にわたって低減化できる警備用移動体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係る警備用移動体の構成を示すブロック図である。
【図 2】店舗内部を示す平面略図である。
【図 3】図1に示す移動体の動作を示すフローチャートである。
【図 4】本発明の他の構成を示すブロック図である。
【図 5】移動体が移動する警戒範囲を示す平面略図である。
【図 6】店舗内部を示す平面略図である。
【図 7】図4に示す移動体の動作を示すフローチャートである。
Claims (2)
- 予め記憶した動作手順にしたがって自律走行する警備用移動体において、
制御手段からの指令信号に応じて警備用移動体を指定位置に移動させる走行手段と、
制御手段からの駆動信号が入力すると動作する緊急対処手段と、
移動体の外部に設置され移動体の制御手段に起動信号を送出する報知手段に対応して指定位置を予め記憶するとともに、移動体の動作手順を記憶した記憶手段と、
当該報知手段からの起動信号が入力すると、当該報知手段に対応して記憶している指定位置を前記記憶手段から読取り、前記記憶手段が記憶した動作手順にしたがって前記走行手段に対し当該指定位置への移動を指令する指令信号を出力し、移動体が当該指定位置に到着すると前記緊急対処手段を作動させる駆動信号を出力する制御手段を備え、
外部の当該報知手段により緊急事態が検出されると、当該報知手段が送出する起動信号が移動体に入力し、当該報知手段に対応して記憶している指定位置及び動作手順にしたがって緊急事態が発生している場所まで移動体が自律移動し、前記緊急対処手段を作動させることを特徴とする警備用移動体。 - 前記緊急対処手段が、疑似バリケード、粘着性素材暴露手段、高輝度探照灯、放水手段、ペンキ塗布手段、粉末剤噴射手段、催涙性ガス噴射手段およびアンカーボルト手段のうちの少なくとも一つを備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の警備用移動体。
Priority Applications (1)
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JP35218093A JP3595961B2 (ja) | 1993-12-30 | 1993-12-30 | 警備用移動体 |
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JP35218093A JP3595961B2 (ja) | 1993-12-30 | 1993-12-30 | 警備用移動体 |
Publications (2)
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